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高 齢 者 の 服 装 に 対 す る 印 象 の 分 析

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Academic year: 2022

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(1)41. 資 料. 高 齢 者 の 服 装 に対 す る 印 象 の 分 析 石 川県立 野 々市 明倫高 等学 校. 詠. 金. 松. 沢. 大. 2‑1研. 1.緒言 服 装 は,着 用 者 自身 の 心 理 状 態 に 影 響 を与 え る こ と は 言 う まで も な い が,そ. 学. 子. 光. 男. 究方 法. 2‑1‑1調. の着 用 者 と 出会 う人. 平. 節. 査 項 目及 び そ の 内 容. 高 齢 者 の服 装 を調 べ る に あ た り,高 齢 者 の 服 装. た ち に もさ ま ざ ま な 印 象 を与 え る こ とが 多 い.日. は そ れ と 出会 う人 達 に い か な る点 で 印 象 づ け ら れ. 本 の高 齢 者 の 印 象 は 一 般 に地 味 で 暗 い印 象 を持 た. て い る か を あ らか じ め調 べ る こ と に し た.調 査 は,. れ る こ とが 多 い が,こ れ は髪 の毛 の 変 化 や皮 膚 の. 高齢 者 よ りフ ァ ッ シ ョ ン意 識 が 高 い と考 え ら れ る. 色 と い った 生 理 的 な 変 化 か ら受 け る も の だ け で な. 若 年 層(高 校 生)を 対 象 に行 わ れ た.. しろ その 服 装 か ら受 け る もの が 強 い と考 え. まず 若 年 層 よ りみ て 高 齢 者 と考 え られ る年 齢 は. ら れ る.服 装 の 色彩(柄 も含 む)嗜 好 にお い て も,. 何 歳 以 上 で あ る か を 問 い,高 齢 者 と し て調 査 の 対. 高 齢 者 と若 年 層 の好 み に は差 が み られ,色 相,明. 象 と な る年 齢 を決 定 した.. く,む. 次 に高 齢 者 の 服 装 を 印 象 づ け る 点 を質 問 した.. 度 に高 齢 者 に 共 通 し た 嗜 好 が あ る と 言 わ れ る1〜3).. 質 問 に あ た って,印. 生 活 の 豊 か さ と共 に人 々 の服 装 に対 す る 関 心 も 高 くな り,装 い も画 一 的 な もの か ら 多様 化,個. 性. 象 づ け る点 に つ い て の質 問 項. 目 を決 め る た め に,教 育 学 部 家 政 教 育 被 服 研 究 室 の 女 子 学 生(4年. 生)6名. に よ る デ ィス カ ッ シ ョ. 化 を 追 及 す る時 代 へ 変 化 して き て い る.こ の よ う. ン を行 っ た.そ の結 果,質 問 項 目 を. な な か で 衣 生 活 の研 究 もフ ァ ッ シ ョ ン意 識 を対 象. デ ザ イ ン,質 の よ い 材 料,組. 色 彩,形. み合 わ せ,柄. ・. の5. と し た研 究 が盛 ん に な っ て きて い る4・5)が,高齢 者. 項 目 と し,衣 服 購 入 時 に 当然 考 慮 す る と考 え られ. の 衣 生 活 の研 究 の 場 合 は,被 服 材 料 ・被 服 構 成 な. る. どの 機 能 性 を 追 及 す る もの が 依 然 と して 多 い.高. 項 目の な か で,印 象 の 強 い もの か ら順 に順 位 をつ. 齢 者 の 衣 生 活 を 考 え る と き,機 能 性 の 追 及 は 当 然. け る こ と を求 め た.. 着 や す さ,価 格. は除 外 した.質. 問 は この5. の こ と で あ る が これ と平 行 して 被 服 心 理 面 の研 究. 次 に高 齢 者 の服 装 で 印 象 づ け られ て い る 点 の 印. も重 要 と考 え られ る.し か し服 装 に対 す る高 齢 者. 象 を具 体 的 に言 葉 で 表 現 す る こ と を高 校 生 に求 め. の 意 識 に つ い て の 詳 細 な研 究 例 は少 な い.. た.こ の 印 象 を表 現 す る 言葉 は,形 容 詞 を 自由 に. 21世 紀 は 高齢 者 の時 代 と言 わ れ る.高 齢 者 自身. 5個 以 上 記 述 す る こ と を求 め た.こ. の若 年 層 よ り. に も個 性 的 で 変 化 に 富 ん だ 生 き生 き し た衣 生 活 を. 求 め た 印 象 を表 す 形 容 詞 を 基 に,高 齢 者 の 服 装 に. 送 り,ま た 周 りの 人 達 に も よ い 印 象 を与 え る衣 生. 対 す る印 象 の調 査 研 究 を行 った. 2‑1‑2調 査 方法. 活 を送 る こ とが 期 待 さ れ て い る.本 研 究 は,高 齢 者 の服 装 は 若 年 層 に い か な る印 象 を与 え て い る の. 若 年 層 の調 査 は高 校 生 を 対 象 と した が,結 果 に. か,ま た 着 用 者 自身 の 自分 の服 装 に対 す る 印 象 を. お い て地 域 差 もで る こ と を想 定 し て 次 の 二 つ の 高. 調 べ る こ と で,高 齢 者 の 服 装 に 対 す る意 識 を 明 ら. 校 で 行 っ た.中 都 市 部 及 び そ の周 辺 を通 学 圏 と し. か に した い.. て い る金 沢 市 内 の 高 校,さ. ら に小 都 市 部 及 び そ の. 周 辺 の町 や 村 を 通 学 圏 と して い る小 松 市 内 の 高校 2.若. 年 層 よ りみ た 高齢 者 の 服 装. Vol.33No.1(1992). で行 っ た.調 査 は二 度 行 い調 査 時 期 及 び人 数 は,. 0037‑2072/92/0100‑0041$01.00/0(C)1992Jpn.Res.Assn.Text.End‑Uses.. (41).

(2) 42. 1989年4月 下 旬 〜5月 上 旬93名,5月 〜6月 上 旬268名 で あ る. 2‑2結. 下旬. 表1若. 年 層 よ り高齢 者 と意 識 され る年齢. 果. 若 年 層 が相 手 を 高齢 者 と意 識 す る 年 齢 を表 1に 示 した が,調 査 結 果 よ り60歳 以 上 の 人 が 高 齢 者 と考 え られ て い た.. 表2若. 年 層 よ りみて 高齢 者 の 服装 で印 象 に残 る点 の項 目の順位. 表3若. 年 層 よ りみ て 高齢 者 の服 装 に対 す る印 象 を表 す 20対40個 の 双極 性 の 形容 詞. 若 年 層 よ りみ て高 齢 者 の 服 装 で 印 象 に残 る 点 の 調 査 結 果 を 表2に 示 す.表2は 位 に あ げ た者 が44名,2位. 色 彩 を1. に あ げ た者 が23名,. 以 下3位13名,4位7名,5位2名. とな っ て. い る.他 項 目に つ い て も同様 で あ る.結 果 は, 強 く印 象 づ け られ る順 に ザ イ ン,組 み合 わ せ,質. 色 彩,柄,形. ・デ. の よ い材 料. と順 位. づ け られ た.こ の 順 位 に つ い て は,一 致 性 係 数6)W=0.64,1%有. 意 水 準 で 有 意 性 が確 か. め られ た. 若 年 層 が 高 齢 者 の 服 装 の 印 象 を表 す た め に 用 い た 形 容 詞 を 表3に 示 した.こ れ ら の 形容 詞 は,抽 出 され た 形容 詞 を家 政 教 育 被 服 研 究 室 の学 生6名. に よ り,20対4㎝. 司の 双 極 性 の 形. 容 詞 に 組 み分 け られ た もの で あ る.こ れ ら の 抽 出 され た 形 容 詞 は,過 去 の 論 文1)で用 い ら れ た形 容 詞 と ほ ぼ一 致 す る が, か た ぐる しい,だ. らしない. 厚 ぼ った い,. は今 回 の調 査 で. 新 た に抽 出 され た もの で あ る.表3の の 順 序 は,20対40個. 形容詞. の 形容 詞 に 無 作為 に番 号. を打 ち,そ れ を乱 数 表 に よ り並 べ 直 し た もの で あ る.若 年 層 に対 す る調 査 は 二 度 行 わ れ た が,そ. の結 果,高 齢 者 と意 識 す る 年 齢,高 齢. 者 の服 装 を 印 象 づ け る 項 目間 の順 位,印. 象 を表 す. 右 に振 り分 け て,SD法. に よ る7段. 形 容 詞 の種 類 の い ず れ か にお い て も差 が み ら れ な. た.7段. か っ た.. こ れ らの 得 点 を 用 い て主 因 子解 に よ る 因 子 分 析 を. 若 年 層 に よ り得 ら れ た これ ら の調 査 結 果 を も と に,高 齢 者 の服 装 に対 す る 印 象 の調 査 を高 齢 者 及 び 若 年 層 を対 象 に行 っ た.. 階評 価 後 に+3〜. 階 評 価 で行 っ. 一3の ウ エ イ トを 与 え,. 行 い,因 子 負荷 量 を求 め た. 3‑1‑2調. 査 方法. 高齢 者 の 調 査 を行 う に際 し,若 年 層 の調 査 結 果 を も と に調 査 対 象 年 齢 を60歳 以 上 と し質 問 用 紙 を. 3.高. 齢 者 の 服 装 に対 す る印 象. 3‑1研 3‑1‑1調. 直 接 手 渡 し て 回答 を求 め た.た だ し,老 眼 鏡 の関. 究方法. 係 や 本 人 の希 望 に よ る場 合 は一 部,質. 査 項 目及 び その 内容. 高 齢 者 及 び 若 年 層(高 校 生)を 対 象 に 高 齢 者 の 服 装(日. 常 着 の 装 い)に 対 す る印 象 の調 査 を行 っ. 問用 紙 を手. 渡 した う え郵 送 回 答 の もの もあ る. 調 査 は 現 在 石 川 県 金 沢 市 及 び そ の近 郊 に住 ん で い る 日常 生 活 に支 障 な く活 動 して い る と思 わ れ る. た.印 象 の調 査 は,若 年 層 よ り抽 出 した 双 極 性20. 人 を対 象 に,1989年7月23日. 対40個 の 形 容 詞(表3)を,サ. 間 で行 っ た.調 査 人数264名 の 回答 を得 た が,203. (42). イ コ ロ を 用 い て左. 〜9月23日. までの期. 繊消誌.

(3) 43. 表4高. 齢者調査対象基礎 資料. 名 分 を 有 効 回答 と して 今 回 の 調査 資 料 と した.無 効 回 答 の 資 料 は,双 極 性 の形 容 詞 双 方 に○ 印 を記 して あ る場 合 や 無 答 の た め に,7段. 階評価 が不可. 能 と判 断 し た もの で あ る.調 査 対 象 の 基礎 資 料 を 表4に. 示 し た.な お,R,S,M,Hに. つ い て は,. 調 査 場 所 ま た は 活 動 グ ル ー プ を 示 す.そ の 内 訳 は, R‑読. 書 グ ル ー プ,S‑ス. ポ ー ツ ク ラ ブ会 員,M‑. 講 演 会 へ の参 加 者,H‑通. 所(宿. 泊 を伴 わ な い). の 高齢 者 用 施 設 の 常 時 利 用 者 で あ る. 若 年 層 は,高 校 生 を対 象 と し て,1の. 対 象 とは. 異 な る石 川 県金 沢 市 内 の 二校 で 調 査 を行 っ た.期 間 は1989年11月 中 旬 〜11月 下 旬 に か け て行 い,193 名 の 回 答 を得,内. 有 効 回 答192名 の 調 査 資 料 を 得. た. 3‑2結. 果. 高 齢 者 の 自 己 の 服 装 に 対 す る 印 象 の 調 査 をSD 法 に よ り行 い,結 果 は 因子 分 析 を行 い 因 子 負 荷 量 を求 め,そ. の結 果 を表5に 示 し た.表5の. 形容詞. は 因 子 別 に 因 子 負 荷 量 の 高 い 順 に並 べ た もの で あ る.因 子 数 の決 定 に際 して は,本 来 固 表5高. 齢 者 の服 装 に対 す る印 象 の調 査 の 結 果 の因 子分 析 の結 果 (バ リマ ッ ク ス回転 後). 有 値1以. 上 で決 定 す る が,今 回 の 調 査. で は,固 有 値 の値 が 小 さ い 因 子 が 多 い の で,第5因. 子 ま で を抽 出 した.因. の解 釈 に つ い て は,固 有 値1に. 子. 近 い第. 3因 子 ま で行 った. 第 一 因子 は,. だ ら し な い,下 品 な,. 不 快 な な どの 因子 負荷 量 が 高 く,「 服 装 は か く あ る べ き,最 高 の様 相 」 と い った服 装 に対 して の 社 会 的 規 制 を意 識 して い る た め,社 会 規 範 の 因子 と し た. 第 二 因 子 は, 派 手 な,は な や か な,若 々 しい,奇 抜 な. な ど の 因 子 負荷 量 が 高. く,「 他 の 人 と の 違 い を 印 象 づ け る服 装 」 を意 識 して い る た め,個 性,多 様 性 の 因 子 と した.第 三 因 子 は, く ら い, 不 潔 な,毒 々 し い,厚 ぼ った い. など. の 因 子 負 荷 量 が 高 く,「保 健 衛 生 的 な健 康,健. 全 さ 」 を 意 識 し て い る た め,保. 健 衛 生 の 因 子 と し た.第 五 因 子 ま で の 累積 寄 与 率 は39.3%と. 低 い傾 向 を示 し. た が,固 有 値 の 小 さ な 第 四 因 子 以 下 を 除 く と,第 一 因 子 〜第 三 因 子 ま で,高 齢 者 は 自 己 の 服 装 に対 す る印 象 よ り, Vol.33. No.1. (1992). (43).

(4) 44. 次 の三 意 識 を持 つ と考 え る こ とが で き る.自. 己の 服 装 に対 し て 自分 自身 を社. 会 的 に 規 制 す る 意 識,対 を表 現 す る意 識,及. 人関 係 で 自 己. び保健衛 生的機能. 面 の三 意 識 で あ る. 次 に高齢 者 の服 装 に対 す る 印象 を SD法. に よ り評 価 し た 結 果 の 平 均 値 を. プ ロ フ ィ ール で示 す.図1は. う 高齢者. 間 に お け る年 齢 を60歳 代 と70歳 以 上 に 分 け て 自 己評 価 の 平 均 を示 した もの で あ る.t検. 定 に よ る有 意 差 検 定 結 果 を. 右 欄 に示 し た.第 二 因 子 に属 す る用 語 に主 と して 差 が み られ た が,70歳 は60歳 代 に比 べ な,快 な. 以上. き ち ん と した,上. い,地 味 な,お. 品. と な しい,無 難. な どの 印 象 を持 っ て い る.図2は. 高 齢 者 間 の 活 動 グ ル ー プ 別 の評 価 の 平 均 を示 し た もの で あ る.活 動 グ ル ー プ は デ ー タ 数 に ま と ま り の あ るS,M, Hの 三 グ ル ー プ 間 の 差 を み た.S‑M 図1用. 語 別 の評 価 平均 値(高 齢 者 間 の年 齢別). で は,第 一 因子 と第 二 因子 に属 す る用 語 に差 が み られ た.M‑Hで. は,第 三. 因 子 に属 す る 用 語 に 差 が み ら れ た. S‑Hで. は 第一,第. 二,第 三 因 子 に属. す る用 語 に差 が み られ た.活 動 グ ル ー プ で は,Hが. き ち ん と した,上. 品 な,. 快 い,お とな し い,若 々 しい,無 難 な, 明 る い,清 潔 な,さ わ や か な 印 象 を持 つ.Sは 品 な,快 潔な. などの. き ち ん と した,上. い,お. とな し い,無 難 な,清. でH,Mと. の 違 い を示 した.図. 3は 高 齢 者 と若 年 層 の間 の差 を み た も の で あ る.. お と な しい,く. だけた を. 除 くす べ ての用 語 にお いて差 が み ら れ,若 年 層 と高 齢 者 の 印象 に大 き な差 が み られ る.次 に,高 齢 者 の 活 動 グ ル ー プ 間 及 び若 年 層 と の 間 の プ ロ フ ィー ル の 類 似 度 をOsgoodのD7)で. 表6に. 示 した.類 似 度 は 活 動 グ ル ー プ 間 で は Mが 高 齢 者 全 体 との 類 似 度 が 高 く,S とH間. で最 も類似 度 が低 くな って い. る.高 齢 者 と若 年 層 の 間 で は 類 似 度 が 図2用. (44). 語 別 の評 価 平 均値(活 動 グ ル ープ 別). 低 く,な か で もHと の 間 で は 類 似 性 が. 繊消誌.

(5) 45. く,無 難. と の 印 象 を持 っ て お り,没 個. 性 的 な装 い で あ る と の 印 象 を持 っ て い る と考 え られ る. 以 上 の 結 果 よ り,高 齢 者 は 自 己 の服 装 に 対 し て,社 会 規 範 の 意 識,保 健 衛 生 的 意 識 を持 ち,没 個 性 的 な装 いの 衣 生 活 を 送 って い る と考 え られ る.し. か し,高 齢. 者 の 自 己 の服 装 に対 す る社 会 規 範,保 健 衛 生 の 印 象 は,若 年 層 の 高 齢 者 の服 装 に 対 す る 印象 と一 致 し て い な い.ま た個 性, 多様 性 に つ い て は,高 齢 者,若 年 層 共 に, 高 齢 者 の服 装 を没 個 性 的 な 装 い で あ る と の 印 象 を持 って い る. 次 に こ れ ら の意 識 も高 齢 者 間 に あ っ て は,年 齢 及 び活 動 ス タ イ ル の違 い で 差 が み ら れ,年 齢 が高 い 方 が 社 会 規 範 を強 く 意 識 し,没 個 性 的 な装 い で あ る と考 え ら れ る.活 動 ス タ イ ル の 違 い で は,最. も活. 動 的 と考 え ら れ る ス ポ ー ツ ク ラ ブ の 会 員 が社 会 規 範. 保 健 衛 生 の 意 識 が低 い.こ. の点 か ら高 齢 者 の 生 活 の 多様 化 と服 装 意 図3用. 識 に 関係 が あ る と考 え ら れ る.現 在 高 齢. 語 別 の評 価平 均 値(高 校 生 と比 べ て). 者 と言 わ れ る年 代 の 人 達 は 第 二 次 世 界 大 表6高. 齢 者 の服 装 に対 しての 印 象 の類 似性. 戦 後 の 生 活 環 境 の 激 変 を 経 験 し て お り,平 均 寿 命 は 男76.7歳,女81.4歳(1989年)と. な り長 寿 社 会. を迎 え,高 齢 者 の 生 活 も さ ま ざ ま な ス タ イ ル を持 つ よ う に な って い る.生 活 の 多様 化 が 服 装 に対 す る 意 識 を変 え て い く と考 え られ る こ と か ら,生 活 ス タ イ ル と服 装 の関 係 につ い て,今 回 の研 究 で は 収 集 資 料 内 で の グ ル ー プ につ い て 調 べ た が,今 後 さ ら に追 跡 をす る 必要 が あ る と思 わ れ る.さ. らに. 今 回 の調 査 で は,服 装 に対 す る 男 女 別 の 印 象 の 違 い を調 べ て い な い が,こ の 点 に つ い て は,今 後 の ま っ た く な か っ た.. 追 跡 が 必要 と思 わ れ る.. 4.考. 5.結. 察. 高 齢 者 が 自己 の 服 装 に対 して 最 も強 く意 識 し て い る 点 は,社. 会 規 範,'保 健 衛 生 で あ り,社. 規 制 を 強 く 意 識 し,自 と し て,上 る く,清. 品 で,快 潔 で,さ. 己 の服 装 に対 して い. の 印 象 を 持 ち,ま. わ や か で,す. 象 を 持 っ て い る と 考 え ら れ る.次 性 に 対 し て は,自. Vol.33. No.1. 己 の服 装 に. (1992). っき りした. かなる意識 を. 会的 な. 持 っ て生 活 し て い る か を明 ら か に す る た め に,高. きちん. 齢 者 の 服 装 に対 す る 印 象 の 調 査 をSD法. た. 問 紙 調 査 で 行 い,因 子 分 析 法 に よ り検 討 し た結 果,. 明 の印. に個 性 及 び 多様 地 味 で,お. 論. 高 齢 者 が 自 己 の 服 装 に対 して,い. とな し. に よる質. 以 下 の こ と が 明 らか に な っ た. 1)高. 齢 者 の 自 己 の 服 装 に対 す る 印 象 の 調 査 よ り,高 齢 者 は,服 装 に対 して の社 会 の 規 制 を (45).

(6) 46. 意 識 す る社 会 規 範,他. 人 との 違 い を 印 象 付 け. る服 装 を意 識 す る個 性 ・多様 性,さ 衛 生 的 な健 康,健. ら に保 健. 全 さ を 意 識 す る保 健 衛 生 の. 三 意 識 を持 つ と考 え られ る. 2)高. 本 研 究 に あ た り,ア ン ケ ー トに ご協 力 い た だ き ま し た 野 々 市 健 康 ク ラ ブ の方 々,金 沢 市 高齢 者 施 設 万 寿 苑 の 方 々 に 深 く感 謝 申 しあ げ ま す.. 齢 者 の 自 己の 服 装 に 対 す る 印象 は,年 齢 に よ り違 い が み られ,年 齢 の 高 い方 が社 会 規 範. 引 用 文 献 1) 北 村 ほ か;家 政 学雑 誌,37,113(1986). られ る.. 2). 柳 瀬 ほ か;色 彩 研 究,30,8(1987). 齢 者 の 活動 ス タ イ ル に よ り,服 装 に対 す る. 3). 柳 瀬 徹 夫;繊 維 学会 誌,43,23(1987). 印 象 に 違 い が あ り,自 己 の 服 装 に対 す る 意 識. 4). 神 山 進;被 服 心 理 学,光 生 館(1985). に差 が み られ る.例 えば,活 動 的 と考 え られ る. 5). 藤 原康 晴 ほ か;被 服 心 理 学,日. 3)高. を強 く意 識 し,没 個 性 的 な 装 い で あ る と考 え. ス ポ ー ツ ク ラ ブ会 貝 に お い て は,他 の グル ー プ に比 べ て社 会 規 範,保 健 衛 生 の 意 識 が低 い. 4)高. 齢 者 と若 年 層(高 校 生)の. 会,被. 会 規 範,保 健 衛 生 で は,双 極 に別 れ る印 象 を 持 つ.高 齢 者 自 身 に比 べ て,若 年 層 は 高 齢 者 の 服 装 を 没個 性 的 で あ る と考 え て い る.. 交 さ 点. 性. 服 心 理 学 研 究 分 科 会(1988). 6) M . J . Moroney,. 間 に は,高 齢 者. の 服 装 に対 し て の 印 象 に違 い が み られ る.社. 本繊維機械 学. Facts. from Figures,. Pen-. gain, 334 (1958) 7). 小 林 茂 雄;布. の 風合 い一 基 礎 と実 際,日. 維 機 械 学 会,布 P167(1972). 本繊. の 風 合 い 編 集 委 員 会,. 格. 人 は ど の よ う な性 格 を持 った 人 に魅 力 を感 じ る の だ ろ う か. 社 会 心 理 学 に お け る対 人魅 力 研 究 で は,次. の よ うな3つ. の考 え 方 が 示 さ れ て い る.. 第一 は,人 は 自分 と 同 じ様 な 性 格 の 人 に魅 力 を感 じ る,と い う「類 似 性 」を強 調 す る考 え 方,第 二 は,自 分 に な い性 格 特 性 を持 っ た人 に魅 力 を感 じる,と い う 「相 補 性 」を 強 調 す る 立 場,そ し て 第 三 は,好 ま れ る性 格 特 性 は万 人 に 共 通 で あ る,と い う 「一 般 的好 ま し さ」を 重 視 す る立 場 で あ る.こ の3つ の 視 点 は い ず れ が 正 し く て い ず れ が 誤 り と い うわ け で は な く,数 々 の実 証 研 究 を通 じて そ の い ず れ も が 対 人魅 力 を規 定 す る重 要 な要 因 で あ る こ とが 明 ら か に さ れ て い る. 社 会 心 理 学 者 の松 井 は こ れ に関 連 して,恋 愛 関 係 の よ う な 二 者 間 の 人 間 関 係 の 進 展 の 過 程 を考 慮 し た モ デ ル を提 示 して い る.そ れ に よ れ ば,人 間 同 志 が ま ず最 初 に 出会 っ た際 に惹 か れ 合 う と き に は 「一 般 的 好 ま し さ」が 強 い 影 響 力 を持 ち,そ の 後 関 係 を持 続 さ せ て い くた め に は相 手 が 自分 と の 「類 似 性 」を も つ こ と が 必 要 と な る が,結 婚 後 の 夫 婦 関 係 の 様 に さ ら に そ れ を 深 め て い くた め に は 「相 補 性 」が重 要 な要 素 と な る. こ こで 大 切 な こ と は 「相 補 性 」は生 来 そ の 人 に備 わ っ て い た性 格 で あ る と い う よ り は, む しろ 二 人 の 関係 を維 持 して い く た め に お 互 い が 努 力 し て それ ぞ れ の役 割 を 演 じ続 け た 結 果 形 成 さ れ た もの だ と い う こ と で あ る.つ ま り人 へ の愛 情 は 時 と して み ず か ら の性 格 を大 き く変 容 さ せ て し ま う ほ どの 偉 大 な 力 を もつ,と. い う わ け で あ る.'. 心 理 学 を学 び は じ め て 十数 年 が た つ.浅 学 菲 才 の 身 で あ る こ と は い う まで も な い が,そ れ か ら得 た こ と は,人 の性 格 を見 抜 い て 優 越 感 に ひ た る とい う「傲 慢 さ」で は な く,み ず か らの 性 格 は み ず か ら の 意 志 の 力 さ え あ れ ば い つ で も変 え 得 る も の に す ぎ な い,と い う あ る種 の 「謙 虚 さ」を身 に つ け た こ と で あ っ た と考 え た い.(M.N.). (46). 繊消誌.

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