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情報経済学的視点から見た企業の研究開発活動

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Academic year: 2021

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(1)

情報経済学的視点か ら見た企業の研究開発活動

中 條

安芸子

How Should

We Evaluate

R&D Activity

within

the Framework

of

Economic

Theory

of Information?

Akiko Nakajo

When we refer to economic theory of information, it includes how uncertainty affects decision making, what characteristics information goods have what information activities are,what kind of effects information sectors have, and so on.

In this paper, we examine the characteristics of information goods (invisible, easy to be conveyed, able to be copied with lower cost, individable in supplying and consuming, hard to be priced).

Then we especially focus on R&D at firm as an internal information activity, dealing with the problems such as why R&D activity is done within an organization and whether R&D output can share the same characteristics of ordinary information goods or not.

In addition, we discuss difficulty in evaluating R&D output which is an information "input" for the production sector of the same firm and management of R&D projects they are engaged in simultaneously.

1.は じ め に 情 報 経 済 学 と一 口 に い っ て も、 不 確 実 性 の 経 済 の 下 で 意 思 決 定 をす る 際 、'必要 と され る情 報 の 特 徴 を分 析 す る もの 、 情 報 を一 つ の財 と して 考 え 、 従 来 の 経 済 財 の 枠 組 み で捉 え る こ とが で き る か を検 討 した り、 情 報 財 の 持 つ 新 しい 経 済 的 な特 性 を考 え る もの 、 情 報 を生 み 出 して い く経 済 的 な活 動 の 位 置 づ け を考 え る もの 、 情 報 産 業 を定 義 して そ の 産 業 の 規 模 や 連 関効 果 を計 量 的 に 把 握 す る もの 、 な ど多 岐 に わ た る 。 こ こで は 、 情 報 と い う財 が どの よ う な特 徴 を持 っ た財 を範 疇 に含 む の か 、情 報 財 の 一 般 的 な捉 え方 を ま とめ 、 そ の う え で 、 企 業 が 行 っ て い る研 究 開 発(R&D)活 動 を 組 織 内 部 の 「情 報 活 動 」 と して 考 え る 。R&D活 動 が 生 み 出 して い る 技 術 的 な 知 識 は 、 情 報 財 の特 徴 を 部 分 的 に もつ 一 方 、 R&D活 動 な らで は の独 特 な性 質 を もっ て い る。 さ ら に、 そ の 特 異 性 の 故 にR&D活 動 の 評 価 や 予 算 配 分 、 管 理 な ど は通 常 の 経 済 活 動 に お け る そ れ と は か な り様 子 が 異 な る。 そ れ もあ わ せ て検 討 す る 。

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2.情 報財 の と ら え方 経済 財 と しての特 徴 大 平 ・栗 山(1995)で は 、 財 と して 情 報 を認 め る に は 次 の 三 つ の 条 件 を満 た す こ とが 必 要 だ と して い る。 第 一 に 、 そ の 情 報 をあ る媒 体 に記 録 あ る い は複 製 が で き る こ と。 第 二 に 、 複 製 の 際 に は 、 オ リ ジ ナ ル の生 産 ほ ど資 源 は 投 入 し な くて よ い 。 第 三 に、 情 報 は複 製 さ れ て も オ リ ジ ナ ル と 同 じ価 値 が あ る こ と、 の 三 点 で あ る。 つ ま り、 情 報 財 は低 コ ス トで コ ピ ー が 可 能 で あ り、 従 来 の 企 業 行 動 理 論 の 枠 組 み の 中 で 考 え れ ば 、 企 業 が 積 極 的 に情 報 財 を生 産 す る イ ンセ ンテ ィ ブ は な い 。 少 な くと も フ ァー ス ト ・ム ー バ ー に は な り に くい 。 新 た な情 報 財 を 自 らが コス トをか け て 生 産 しな く と も 、 先 駆 者 の 生 み 出 した も の を、 先 駆 者 よ り も低 コ ス トで 同 じ よ う に 生 産 可 能 だ か ら で あ る。 大 平 ・栗 山 の 第 三 の 条 件 が 保 証 され て い れ ば 、 追 随 者 は 、 低 コス トの 分 、 利 潤 が 先 駆 者 よ りも多 くな る と考 え ら れ る 。 こ う した状 況 下 で は 、 情 報 財 市 場 へ の 情 報 財 の 供 給 が 過 少 に な る(い わ ゆ る 排 除不 可 能 性 あ る い は非 占 有 性 に よ る過 少 生 産)。 社 会 的 に望 ま しい水 準 の生 産 量 を得 る た め に は 、情報財 に対 しそ の 便 益 を保 証 す る こ と を、 生 産 者 に制 度 上 約 束 しな け れ ば な らな い(特 許 制 度 、著作権 な ど)。 情 報 財 の 持 つ 性 質 を列 挙 し、 か つ 具 体 的 に 情 報 財 が そ れ ぞ れ どの よ う に そ の 性 質 を持 ち 合 わせ て い る か 、 詳 し く検 討 した の が廣 松 ・大 平(1990)で あ る。*1 情 報 財 の 性 質 が 、 物 的財 の そ れ と明 らか に 異 な る 要 因 は 、 情 報 と い う もの が 目 に見 え な い 、 か つ そ の 内容 が伝 達 され や す い こ と にあ る た め だ と考 え られ る。 しか も、 伝 達 さ れ る情 報 財 は 、 物 的 財 と異 な り、 生 産 者 の 任 意 の 分 量 で 供 給 を区 切 る こ とが で き ない 。 た と え ば 、 「デ ザ イ ン」 の 場 合 、 完 成 した もの が 全 体 と して意 味 を もつ の で あ っ て 、 デザ イ ン の分 割 供 給 は され な い 。 デ ザ イ ンの 内 容 は 、 伝 達 さ れ る前 は全 く不 明 だ が 、 ひ とた び公 表 さ れ れ ば 、 す べ て が 知 られ る こ とに な る。 こ の こ と は 、 デ ザ イ ン の 需 要 者 に と っ て 「不 確 実 性 」 を 与 え て い る 。 事 前 に そ の 情 報 の 内 容 を知 ら な い た め に 、 あ る い は 、 需 要 者 に とっ て 結 果 的 に 不 必 要 な 財 、満 足 の い か な い(効 用 が 高 ま らな い)財 の 可 能 性 が あ る場 合 で も、 情 報 財 を購 入 す る こ とに な る。 従 来 の 財 が 、効 用 を高 め る こ と を確 実 に認 識 して購 入 さ れ る の と対 称 的 で あ る。 そ して 、情 報 財 の価 値 は 、 市 場 で取 り引 き され て い る場 合 に はそ の 価 格 で直 接 に、 取 り引 き され て い な い場 合 に は 、情 報 財 の 利 用 に よっ て新 た に生 み 出 され る もの の 価 値 で 間接 的 に把 握 さ れ る 。 企 業 の 場 合 、 情 報 財 の 利 用 に よ る 生 産 性 の 向 上 な ど が 代 表 的 な例 で あ ろ'う。 他 の 経 済 主 体 か ら 情 報 財 を購 入 せ ず 、 物 的 生 産 に 中 間投 入 と して 情 報 財 を 利 用 して い る の で あ るか ら、 コ ス トで と ら え る こ と も多 い 。 ど の よ う な 需 要 者 が 対 象 に な る か に 依 存 して 、 情 報 財 の 供 給 側 に とっ て 果 た して そ の財 の 市 場 価 格 が 成 立 す るか ど う か 、 不 確 定 な面 が あ る 。 需 要 者 側 か ら見 て 、 情 報 財 は次 の 二 つ の 側 面 に お い て 限 定 的 な価 値 を持 っ て い る 。 第 一 に、 霄 要 者 が 消 費 者 で あ れ 企 業 で あ れ 、特定 の需要 者 のみ が 欲 す る情 報 財 が あ り、 必 ず し も需 要 量 は価 格 に依 存 しな い こ とが あ る 。 極 端 な例 で は 、 あ る 情 報 財 の 需 要 者 が 唯 一 で あ る と き、 一 般 的 な競 争 市 場 は 存 在 せ ず 、 限 定 され た需 要 者 の み が そ の 財 の価 値 を認 め て い る こ とに な る 。 第 二 に 、 情 報 財 を購 入 しそ の 消 費 に あ た っ て 、何 らか の前提 条 件 が 課 せ られ る 場 合 が あ る 。 た と え ば 、 そ の財 の 利 用 に は 先 行 投 資 が 必 要 で あ っ た り、 他 の 財 ・ サ ー ビ ス との 結 合 消 費 が 必 要 な と き で あ る。 そ の 際 、 そ れ ら前 提 条 件 を満 たす こ との で き な い 潜 在 的 需 要 者 は 、 こ の情 報 財 の 購 入 を あ き ら め る か 、 そ の 条 件 を満 足 す る よ う行 動 し濠 け れ ば な ら

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な い 。 す な わ ち、 こ の と き こ の財 の 市 場 に は需 要 者 に と っ て の 厂参 入 障 壁 」 が 存 在 して い る 。 前 述 した情 報 財 の もつ 性 質 と、 こ う し た情 報 財 の 価 値 が 必 ず し もそ の 価 格 で 把 握 され な い 限 定 性 を 考 え れ ば 、 情 報 財 の 市 場 は 成 立 しな い こ と もあ り、 さ らに 、 成 立 した市 場 に お い て 価 格 調 整 メ カ ニ ズ ム が働 か な い こ と に な ろ う。 3.企 業 組織 内部 の 情 報 活 動:研 究 開発 活動 の位 置 づ け 企 業 の 内外 で さ ま ざ ま な 「情 報 」 が 生 産 され て お り、 経 済 活 動 上 の 意 味 が 企 業 に と っ て 無 視 で きな い こ と は明 白 で あ る 。 したが っ て 、 「情 報 財 」 に は そ れ を生 産 す る主 体 、取引形態 に よって全 く異 な っ た機 能 が あ り、 ひ と く く りにす べ きで は な い こ とが わ か る 。 情 報 経 済 学 の 系 譜 の 中 で 、 マ ッハ ル ー プ の 「知 識 産 業 」*2の 考 え方 が 必 ず 紹 介 さ れ る が 、情報 財 を そ の機 能 に よ り区 分 して 、 果 た して い る役 割 を分 析 した と い う意 味 で 、 ポ ラ ト(1982)の 研 究 の 方 が 意 義 深 い 。 市 場 で取 り引 き さ れ て い る 情 報 、 す な わ ち情 報 財 の生 産 を 主 た る活 動 と し て い る 部 門 だ け で な く、 組 織 内 部 で 生 み 出 し消 費 され て い る情 報 に も注 目 した の で あ る。*3マ ッハ ル ー プ の分 類 に 従 う と、 産 業 と して 部 門 が 成 立 して い る もの と、企業 等組織 内 の活動が主 とな っ て い て 、 産 業 部 門 と して成 立 して い な い(た とえ ば研 究 開発)も の とが 混在 して しま う 情 報 財 の生 産 活 動 の 分 析 が な され る 以 前 は 、 宮 沢(1963)の よ うに 、 一 国 経 済 を 製 造 業(物 的 生 産 部 門)と サ ー ビス 業 の 二 部 門 に分 け て 、 そ の 依 存 関係 を産 業 連 関 表 を用 い て 明 らか に した 研 究 も あ っ た。 しか し、 そ の 時 点 で 、 日本 経 済 の 構 造 は製 造 業 中心 で あ り、 サ ー ビス 業 の 活 動 は 製 造 業 の発 展 に依 存 して い る 形 で あ っ た。 サ ー ビ ス業 の 内 容 が 物 的 生 産 活 動 の た め に必 要 と さ れ る もの は 、 中 間財 的 に把 握 し よ う と して い る の だ が 、 そ う い っ た サ ー ビ ス が 果 た して 前 述 し た情 報 財 を含 んで い る の か 。 少 な くと も組 織 内 で 生 産 され 消 費 され て い る情 報 財 は意 識 され て い な い 。 多 くの研 究 をみ れ ば 、 情 報 産 業 を分 析 す る の か 、 そ れ と も情 報 財 の 分 析 をす る の か 、 い さ さ か 混 同 して い る よ う に思 わ れ る 。 大 平 ・栗 山 の 指 摘 す る 「情 報 の 産 業 化 」 と 厂産 業 の 情 報 化 」 の 違 い で あ る 。 そ こ で 、 こ こ で は 議 論 を 、 企 業 が そ の 組 織 内 部 で 行 っ て い る 情 報 活 動 に しぼ っ て 、そ の 目的、 特 徴 を考 え る こ と にす る。 (1)R&D活 動 が 内 部化 さ れ る必 然 性 企 業 が 行 っ て い る情 報 活 動 に は 、 主 と して 、 市 場 調 査 、 広 告 、研 究 開発(R&D)活 動 の 三 つ が あ る。 い ず れ も、 そ の 企 業 の 生 産 活 動 に付 随 した 活 動 で あ り、 売 り上 げ あ る い は利 潤 最 大 化 を 目 指 す う え で の 戦 略 的 な 意 味 を も っ て い る 。R&D活 動 を情 報 活 動 に含 め る の は 、 こ の 活 動 に よ って 生 み 出 され る の が 「技 術 的 知 識 」 どい う情 報 財 だ か らで あ る。 市 場 調 査 や 広 告 の 活 動 が 晴報 の 収 集 ・加 工 ・提 供 を 目的 とす る の に対 し、R&Dは 情 報 の 生 産 で あ る 点 が 大 き く異 な る 。 広 告 活 動 の ね ら い は 製 品 の 差 別 化 で あ り、 市 場 調 査 は需 要 の 見 極 め で あ るか ら、 いず れ も販 売 戦 略 と して恒 常 化 して お り、 生 産 活 動 に つ い て の不 確 実 性 に 影 響 は 与 え な い 。 外 向 き の活 動 と も 言 え る 。

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一 方、R&Dは 新 技 術 の 開 発 で あ り、 新 しい 生 産 プ ロセ ス や 新 製 品 を生 み だ して い くと い う、 内 向 きの 活 動 で あ る。 生 産 技 術 の 変 化 が 結 果 と して期 待 さ れ て い る が 、 確 実 に成 功 す る わ け で は な い 。 新 しい 技 術 は 、 い ま ま で の 生 産 コス トを引 き下 げ る こ と に貢 献 した り(プ ロ セ ス ・イ ノ ベ ー シ ョ ン)、 新 た な 製 品 を生 産 し成 熟 前 の 市 場 へ 利 潤 を求 め て参 入 す る こ と を可 能 に す る(プ ロ ダ ク ト ・イ ノ ベ ー シ ョン)。 こ の よ う に考 え る と、 企 業 が 行 う情 報 活 動 の うち 、 広 告 と市 場 調 査 は外 部 に 委 託 す る形 は 容 易 に あ り得 るが 、R&Dに 関 して は 、 外 部 化 され に くい傾 向 が あ る こ とが わ か る。 R&Dと い う情 報 活 動 を外 部 化 し ない こ との メ リ ッ トは 、 生 産 技 術 に 関 わ る知 識 の機 密 性 が 保 た れ る可 能 性 が よ りあ る と期 待 さ れ る点 で あ る 。 む ろ ん、 技 術 的知 識 に は、 外 部 へ と内 容 が伝 わ りや す い とい う情 報 財 の 性 質 が あ る 。 しか し、R&D活 動 を そ の 企 業 組 織 内 部 で 行 う こ と に よ り、 生 み 出 され た知 識 が 、 単 に流 れ 出 た だ け で は模 倣 さ れ な い よ うな 工 夫 が で きる 。 も し、R&Dを 外 注 し た り外 部 か ら技 術 的 知 識 を購 入 した場 合 、 同 じ知 識 の 需 要 者 へ 簡 単 にspilloverが生 じる 。 そ れ に よ っ て 、 そ の 知 識 の新 規 性は 瞬 く間 に平 準 化 し、 そ れ を利 用 した生 産 活 動 に よ る利 潤 の独 占 は望 め な くな る 。 も っ と も、R&D専 門 の 経 済 主 体 は な か な か 成 立 せ ず 、R&D市 場 の で きに くい面 もあ る。 また 、 い ま企 業 が どの よ う な技 術 的needsを もっ て い るか は 、 自 らが も っ と も よ く把 握 して い る は ず で あ り、 そ のneedsやneedsの 変 化 に 素 早 く対 応 す る に は や は り内 部 に研 究 部 門 を抱 え て い た 方 が よい と言 え る。 反 対 に 、 外 部 化 し ない こ との デ メ リ ッ トは、 研 究 ・開発 に対 し企 業 が 投 資 をす る と、 成 功 す る か ど うか 確 実 で な い とい う リ ス ク を負 う点 で あ る 。 投 資 したR&Dが 失 敗 に終 わ る と、 そ の コ ス ト は 回 収 で きず にサ ン ク コ ス ト化 す る 。 も し外 部 か ら成 功 した研 究 成 果 だ け を購 入 で き れ ば 、 技 術 の不 確 実 性 に伴 う 回収 困 難 な コ ス トは負 担 せ ず に 済 む の で あ る 。 た だ 、 生 産 技 術 に関 わ る知 識 の 要 素 に は 、 製 品特 性 的 な面 と、 企 業 特 性 的 な面 が あ る 。 後 者 は 、 前 述 した研 究 開 発 の 際 の 失 敗 を も 「負 の 知 識 財 産 」 と して 含 む こ と も考 え られ る た め 、 次 の プ ロ ジ ェ ク トに そ れ が 生 か さ れ て い く場 合 に は 、 必 ず し も失 敗 は す べ て が サ ン ク コ ス ト とは 限 ら な い で あ ろ う。 大 平 ・栗 山 の 計 測 で は 、 日本 の 経 済 構 造 上 、 情 報 活 動 が 生 み 出 す付 加 価 値 は 、 組 織 内 の 情 報 活 動 の 方 が 、 情 報 支 援 財 や 情 報 サ ー ビ ス の そ れ よ り も大 き い とな っ て い る 。 自家 消 費 的形 態 の 企 業 内活 動 は 、 実 は か な り経 済 的 意 義 を も っ て い る の で あ る 。 (2)内 部 組 織 の 経 済 学 か らの ア プ ロ ー チ:分 業 と取 引 コ ス ト い わ ゆ る 内 部 組 織 の 経 済 学 の 考 え方 か ら も、R&D部 門 が 企 業 の組 織 内 部 に形 成 され る こ とが 説 明 で き よ う。 企 業 活 動 が 、 財 ・サ ー ビ ス の 生 産 部 門 と 、技 術 開 発 のR&D部 門 に 分 け られ る とす れ ば 、 内 部 組 織 に お い て 分 業 体 制 に な っ て い る こ と と 同 じで あ る 。 こ の 場 合 、 生 産 と そ れ に 関 わ る技 術 の 改 良 ・開 発 と い う専 門 分 野 を 業 務 内 容 に もつ の で あ る か ら、 水 平 的 分 業 で あ る 。 組 織 上 部 か らの 「刺 激 」 に よ ってR&Dが 営 ま れ て い る の で は な い 。 外 部 にR&D活 動 を委 託 し な い の は 、 市 場 よ り も内 部 組 織 の 方 が 、 よ り適 切 な成 果 を よ り低 コス トで 効 率 よ く伝 達 して い るか ら に ほ か な らな い 。 市 場 が 選 ば れ るの か 、 組 織 が 選 ば れ る の か 、 そ の基 準 の 一 つ は 「取 引 コ ス ト」 で あ る。 R&D成 果 を組 織 内 で 取 り引 き して い る 際 に は、 当然 、 そ の 所 有 権 の移 転 は な い 。

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一 方、R&Dを 外 注 し、 成 果 を市 場 取 引 を通 じて 手 に入 れ る と、 内 部 取 引 よ り も取 引 コ ス トが 大 き くな る可 能性 が あ る。 取 り引 き され る技 術 的 知 識 は 、購 入 す る際 に 自社 へ の 適 応 性 を判 断 す る必 要 が生 じる。 そ の た め に 資 源 、 時 間 、 ヒ トが 投 入 さ れ 、 そ の 分 の機 会 費 用 が取 引 コス トに付 加 さ れ る の で あ る 。 ま た 、R&Dを 請 け負 う側 が 、発 注 内 容 に よっ て は、R&D成 果 に企 業 特 性 を付 与 しなけ れ ば な らず 、 こ の 場 合 は 成 果 の需 要 者 が 一 人 とな り、 独 占 市 場 を形 成 す る。 こ の と き、R&D成 果 の 価 格 は 上 昇 し、 取 引 交 渉 も活 発 に な り、結 果 的 に取 引 コス トの増 大 を招 く。 これ を 踏 ま え る と、R&Dの 内 容 が 基 礎 的 な もの で あ る う ち は 、企 業 特 性 の程 度 が 低 く、 外 部 に 委 託 し市 場 取 引 が な さ れ る 可 能性 もあ るが 、 応 用 ・開 発 段 階 に な る に つ れ て 、 内 部 取 引 が 選 択 さ れ て い くこ とが わ か る。 R&D成 果 を市 場 取 り引 き しな い と きに は 、 ど の よ うな機 会 費 用 を払 う可 能 性 が あ る だ ろ うか 。 今 井 ・伊 丹 ・小 池(1982)で は 、R&Dを 内 生 化 す る と、生 産 部 門 や 販 売 部 門 とR&D部 門 と で は 、 イ ンセ ンテ ィ ブ や 行 動 様 式 が 異 な り、 そ の た め 組 織 全 体 の 効 率 が低 下 す る と指 摘 して い るが 、 内 部 取 引 の 際 に か か る取 引 コス トは い わ ば モ ニ タ リ ン グ あ るい は マ ネ ジ メ ン トの た め の 費 用 で あ り、 市 場 取 引 の コ ス トを 上 回 っ て組 織 の 効 率 を低 下 させ る ほ ど大 きい もの とは 判 断 で きな い 。 モ ニ タ リ ン グ の 費 用 と は 、 こ の 場 合 、 生 産 部 門 がR&D部 門 へ 提 示 した研 究 計 画 に 基 づ い て 、 R&D活 動 が 行 わ れ て い る か 、 組 織 内 分 業 の 進 捗 状 況 を知 る た め の 費用 で あ る 。 生 産 部 門 か らの 要 請 が 、 現 在 の 中心 的 な 製 品 に 関 わ る か 、 新 規 事 業 の足 が か りな の か 、 い ず れ に しろR&D活 動 の 進 み 方 は企 業 戦 略上 決 定 的 で あ る 。 また 、 マ ネ ジ メ ン トの 費 用 と して考 え られ るの は 、 第 一 に、 部 門 間 の イ ン セ ンテ ィ ブ の 強 さが 異 な る場 合 、 た と え ば生 産 部 門 の 要 請 内 容 が研 究 側 か ら み て 開発 意 欲 が わ か な い と き 、 あ る い は 逆 にR&D部 門 と して は興 味 の あ る研 究 内容 で も生 産 部 門 で はそ の技 術 を用 い た 製 品 を 市 場 に供 給 す る 意 欲 の な い と き、 発 生 す る部 門 間 の 調 整 費 用 で あ る。 第 二 に、R&D活 動 が プ ロ ジ ェ ク ト形 式 で 行 わ れ て い れ ば 、 プ ロ ジ ェ ク ト問 の 予 算 配 分 の た め に 、 プ ロ ジ ェ ク トの 事 前 評 価 や 管 理 方 法 な どの 検 討 が 必 要 とな って 、 費用 が 発 生 す る 。 R&Dに 関 す る評 価 や 予 算 配 分 につ い て は 後 に4.(2)で 詳 し く検 討 す る こ と にす る。 で は 、 内 部 分 業 に よ っ て(1)ど う い っ た 目的 を達 成 し よ う と して い る の か 、(2)部 門 間 で伝 達 され る もの は何 か 、(3)部 門 間 で 配 分 さ れ る もの は何 か 、(4)部 門 間 で 再 分 配 され る もの は 何 か 、 を考 え る 。 まず 目的 に つ い て で あ る が 、 生 産 部 門 は短 期 的 に は利 潤 の 最 大 化 も し くは売 り上 げ の 最 大 化 を 目的 と して い る 。 と こ ろ が 、 同 じ産 業 内 で(つ ま り直 面 して い る市 場 が 同 じ企 業 の 場 合 〉 均 衡 状 態 に な れ ば 利 潤 は 理 論 上 ゼ ロ と な る こ と が予 想 され る。 そ の 状 態 を打 破 す る た め に は 、 技 術 の 変 化 を も た ら して 生 産 コ ス トを 下 げ利 潤 を独 占 す る か 、 ま だ 均 衡 に達 して い な い市 場 に 参 入 を は か るか 、 い ず れ に しろ生 産技 術 の 変 化 を 自 ら創 り出 さ な け れ ば な ら な い 。 そ れ を 実 現 す る た め 、 内 部 組 織 上 、R&D部 門 を抱 え る こ と に な る 。 2つ の 部 門 間 で伝 達 さ れ る もの は 、 生 産 部 門 か らR&D部 門 に 対 して 、 ど うい っ た 生 産 技 術 が 必 要 か と い う研 究 計 画 で あ る 。 こ の 計 画 に は 、 意 志 決 定 部 門 を通 じて 、予 算 や 期 間 な ど も示 され よ う。 期 限 が 伴 うの は 、 あ る程 度 の プ ロ ジ ェ ク トの 成 功 失 敗 の見 通 しを 立 て 、 期 限 を切 る こ と に よ っ て 失 敗 の 際 の サ ン ク コス トを膨 張 させ な い た め で あ っ た り、 ま た 、他 企 業 が 同 様 の研 究 開 発 に 成 功 しな い う ち に成 果 を挙 げ な け れ ば技 術 の 差 別 化 に は な ら な い か らで あ る 。R&D部 門 か ら生 産

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部 門 に対 して は 、 要 請 の あ っ た技 術 がR&D成 果 と し て伝 達 さ れ る 。研 究 計 画 、 成 果 い ず れ も情 報 の形 態 を と る。 部 門 間 で 配 分 さ れ る もの は資 本 と労 働 で あ る が 、2つ の 部 門 が 専 門分 野 を持 つ こ とか ら、 労 働 は 企 業 内 で 均 一 と は 考 え られ ず 、R&D部 門 へ は 技 術 に 関 す る専 門 職 が 配 置 され よ う。 資 本 に 関 して も生 産 部 門 とR&D部 門 とが 区 別 され る。 こ の こ と は 、 第4の 問 題 点 、 す な わ ち再 配 分 に関 わ る 。 通 常 、 生 産 活 動 に参 加 し た生 産 要 素 に所 得 が 分 配 され る構 造 だ が 、R&D活 動 に投 入 され た 要 素 へ は 直接 的 な所 得 を生 んで い な い こ とか ら、 分 配 され るべ き もの が な い 。R&D部 門 は 、 そ れ 自 身 に よ る利 潤 の 獲 得 を 目指 す もの で な く、 組 織 全 体 の 成 長 の 基 礎 を担 う。R&D成 果 が 生 産 活 動 の 中 で 利 用 され 、 生 産 活 動 が所 得 を生 む の で 、 生 産 要 素 へ の 分 配 が さ れ 尽 くさ れ れ ば、R&D要 素 へ の還 元 は な い の で あ る 。 したが っ て 、R&D成 果 へ の報 酬 、 あ る い は 対 価 は 、 要 素 所 得 で は把 握 で きな い こ と に な る。 4.研 究 開 発 活動 の情 報 活 動 上 の特 異 性 (1)一 般 的 な情 報 財 との比 較 R&D活 動 が 、 経 済 財 と して の情 報=技 術 的 知 識 を生 み 出 して い る とす れ ば 、 そ の性 質 は 一 般 的 な情 報 財 の もの と どの 程 度 合 致 す るの か 、 あ る い は、R&D活 動 な らで は の 特 異 性 を もつ の か 。 ま ず 、R&D活 動 のoutputで あ る 知 識 は 、 情 報 財 が もつ と され る 「公 共 財 的 性 格 」 を完 全 に 備 え て い る と は言 え な い 。 情 報 の 形 態 を と る知 識 あ る い は 製 品等 に体 化 され た 技 術 的 知 識 は 、 確 か に 知 識 の 開 発 者 以 外 へ とそ の 内 容 が伝 播 す る。 し か し、 伝 播 して い る の は 知 識 の す べ て で は な い 。 ま た 、仮 に そ の 技 術 開発 に投 資 せ ず して す べ て を知 り得 た と して も、 そ れ を生 産 活 動 に生 か す こ とが 可 能 か ど う か は不 明 で あ る 。 これ は前 節 で 述 べ た知 識 の 企 業 特 性 を反 映 して い る 。 第 二 に 、 情 報 財 の特 徴 と して 市 場 で の 「非 対 称 性 」 が 挙 げ られ るが 、 そ も そ もR&Dに 関 して そ の 成 果 が 、 市 場 を通 して取 り引 き され る こ とは ま れ で あ る。R&D活 動 を組 織 内 部 の情 報 活 動 と し た方 が 望 ま し い理 由 は前 述 した とお りで あ る 。 技 術 的 知 識 に は 、 そ れ を 開 発 した 個 別 主 体 の 固 有 性 が 付 帯 され(そ の 主 体 が そ れ まで に蓄 積 した技 術 的 知 識 の ス トッ クで 表 現 され よ う)、 知 識 の 需 要 者 に と っ て 一 般 性 の 占 め る 部 分 は少 な く、 ま た、 需 要 者 自身 の 知 識 ス ト ック に も依 存 して 、 そ の 知 識 の価 値 は異 な る。 た と え ば そ の知 識 に関 す るR&D活 動 が 必 要 で す で に な さ れ て い る場 合 と、 R&Dが 必 要 と さ れ て い なが ら コ ス トを負 担 で きて い な い 場 合 で あ る 。 した が っ て 、 も し 「非 対 称 性 」 が あ る とす れ ば 、 そ れ は 情 報 財 と して の 非 対 称 性 で は な く、 個 別 主 体 の技 術 的 特 性 に依 存 し た も の とな って い る はず で あ る 。 第 三 に、 情 報 財 は 、 オ リ ジ ナ ル の生 産 者 が 生 産 す る よ り も低 コス トで 、 時 に は コ ス トを ほ とん どか け ず に 、 コ ピー で き る と され る 。 しか し、 技 術 情 報 は 前 述 した よ う に 、 生 産 主 体 の 技 術 上 の 固 有 性 を反 映 して お り、 そ の 場 合 に、 果 た して 低 コ ス トで 同 様 の も の を生 産 で き る 保 証 は な い 。 ま して 、 そ の 技 術 情 報 を利 用(消 費)す る に あ た っ て 、 付 加 的 に 技 術 的 知 識 が 必 要 と な る な らば (情 報 の 結 合 消 費 の 形 態)、 簡 単 に は コ ピー で き な い こ と に な る。 一 方 で、R&Dの 成 果 は 「不 可 分 割 性 」 の性 質 を もつ 。 技 術 情 報 は 一 つ の 体 系 と して初 め て意 味 が あ る 。 た と え ば 、 あ る新 製 品 の 生 産 技 術 が 開 発 され た と し よ う。 一 口 に技 術 とい っ て も、 生 産 技 術 は 様 々 な 技 術 要 素 か ら成 り立 っ て い る 。 い わ ば 、 数 多 くの科 学 技 術 分 野 に属 す る個 別 の 技 術

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が くみ 合 わ さっ て 、 一 つ の 生 産 技 術 を構 成 し、 そ の 組 み 合 わ せ が 異 な れ ば ま た違 う技 術 に も な り、 また 、 新 しい 組 み 合 わ せ が 開 発 され た り もす る で あ ろ う。 した が っ て 、R&D活 動 にお け る 基 礎 研 究 と は 厂技 術 要 素 」 そ れ 自 身 の 開 発 に 近 く、 応 用 研 究 ・開 発 研 究 の段 階 に な れ ば技 術 要 素 の 新 た な組 み 合 わ せ の 開発 で あ る 。 この と き、 生 産 技 術 に関 す る 情 報 が そ の 一 部 分 、 た と え ば 、 組 み 合 わ せ た 技 術 要 素 の種 類 が わ か っ て も、組 み 合 わ せ た 方 が 公 表 さ れ な か っ た り、 組 み 合 わせ る 際 に 必 要 と さ れ る 知 識 が 公 開 さ れ な け れ ば 、 結 局 この 生 産 技 術 を利 用 す る こ と は で きな い 。 した が っ て 、 技 術 情 報 に は情 報 財 の もっ て い る 「不 可 分 割 性 」 の性 質 が あ る 。 こ の こ と は、 前 述 した 、 知 識 は容 易 に は模 倣 で き な い 性 質 を 実 は 裏 づ け て い る。 (2)R&D活 動 の 評 価 と資 源 配 分 内部 消 費 さ れ る情 報 財 を生 み 出 すR&D活 動 で あ るが 、 企 業 の もつ 資 源 を投 入 し行 わ れ て い る以 上 、 他 部 門 との 関 連 で 限 ら れ た資 源 の 効 率 的 な配 分 を考 え な け れ ば な ら ない 。 R&D部 門 へ の 資 源 投 入 は 「投 資 」 の性 格 を もつ 。 一 般 的 に考 え て 、 今 期 の 活 動 が今 期 の 生 産 活 動 に貢 献 し、投 下 した 資 金 を 回収 す る こ と は で き な い か らで あ る 。 しか し、 通 常 の 投 資 と比 較 し 、 て 異 な る点 が あ る。 第 一 に 、R&D活 動 の不 確 実 性 は 、 一 般 に言 う と こ ろ の 投 資 リス ク と同 質 で あ ろ うか 。投 資 の 場 合 の リス ク とは 、 確 率 的 な 要 因 に よ っ て そ の 変 動 が 存 在 す る こ と を い い 、 そ れ は 統 計 的 に評 価 し て投 資 行 動 に盛 り込 む。 一 方 のR&Dに 関 す る不 確 実 性 は 、 い わ ば 評 価 で き な い か ま た予 測 で きな い もの で あ る 。 第 二 に 、R&D活 動 の 失 敗 は、 必 ず し も完 全 な る 失 敗 で は な い 点 で あ る 。 一 般 の 投 資 は 失 敗 す れ ば資 金 回収 を望 め な い が 、R&Dの 失 敗 は企 業 に と っ て 一 つ の 「学 習 」 で あ る た め 、 新 た な 技 術 的 知 識 の 蓄積 と も考 え られ 、 将 来 のR&D活 動 、 生 産 活 動 に 貢 献 す る可 能性 が あ る。 第 三 に、 も しR&Dに 対 して も、 投 資 の 限 界 効 率 の 考 え 方 を適 用 す る な らば 、R&Dの もた らす 収 益 の割 引 現 在 価 値 を導 くた め の 利 子 率 が存 在 す る だ ろ う か 。 これ は 非 常 に想 定 しに くい。 さ て 、R&D活 動 に 資 源 を投 入 す る に あ た り、 活 動 の 評 価 が 必 要 と な る 。R&D活 動 の 評 価 は 、 個 々 の プ ロ ジ ェ ク トに つ い て な さ れ る も の と、 企 業 が 同 時 に複 数 の プ ロ ジ ェ ク トを 並 行 して 行 っ て い る場 合 に は 、 全 体 の 調 整 の た め に な され る もの の2つ に大 別 され る。 そ して 、 プ ロ ジ ェ ク トの マ ネ ジ メ ン トを常 に考 え る こ と も必 然 的 に 要 請 され る。 プ ロ ジ ェ ク トご と の 評 価 とは 、 そ の研 究 開 発 期 間 が 、 通 常 一 会 計 期 間 に 収 ま らな く と も、 期 毎 に コス トを 見 積 もる た め に 必 要 な 中 間 的 評 価 で あ る。R&Dの 特 質 と して 、 前 述 した よ うに 、 同 じ 会 計 期 間 内 で は 費 用 ・収 益 の対 応 は つ か ず 、 評 価 に そ の 基 準 を用 い る こ とは 好 ま し くな い 。 期 毎 に プ ロ ジ ェ ク トの 見 直 しを は か る 際 に は、 累 積 コス トと総 予 算 と の比 較 、 活 動 成 果 と して の 技 術 的 知 識 が 、 果 た し て 当 初 の 目的 に そ っ た もの で あ る か と い う対 応 関係 、 また 逆 に予 期 しな い 画 期 的 成 果 で あ っ た場 合 に は 目標 の 修 正 、 と い っ た評 価 基 準 が あ る と考 え ら れ る。 プ ロ ジ ェ ク トの成 果 の み に着 眼 す る 最 終 評 価 よ り も、 こ う した 中 間 的 評 価 がR&Dに とっ て 重 要 で あ る。 第 二 の 評 価 、 全 体 の 調 整 とは 、R&D部 門 へ どの 程 度 の 資 源 を配 分 す る か 、 複 数 の プ ロ ジ ェ ク ト に 、 そ の 限 ら れ た 資 源 を どの よ うに 割 り振 る か 、 そ う した マ ネ ジ メ ン ト的 評 価 で あ る。 こ の 評 価 は、R&Dプ ロ ジ ェ ク トは単 に コ ス トの比 較 だ け で は 不 十 分 で あ るた め 、 困難 を伴 う。 個 別 プ ロ ジ ェ ク トは 、 そ れ ぞ れ に 目標 を掲 げ て い る が 、 一 つ の プ ロ ジ ェ ク トの 成 果 が 汎 用 性 を

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もつ 場 合 、 特 定 の生 産 活 動 に利 用 さ れ る ば か りで は な い 。 基 礎 研 究 に 近 け れ ば 近 い ほ ど 、 企 業 全 体 と して共 有 で き る技 術 的 知 識 の 追 加 的 蓄 積 とな り、 他 のR&Dプ ロ ジ ェ ク トの活 動 に影 響 を与 え る。 した が っ て 、 あ る プ ロ ジ ェ ク トの成 果 の 「性 格 」 を評 価 し、R&Dの 進 捗 状 況 を踏 ま え 、 現 状 のR&D全 般 に わ た っ て 見 直 す こ と もあ り得 る 。 また 、 企 業 戦 略 上 、 新 規 の プ ロ ジ ェ ク トを 開始 す る か ど うか の 判 断 は 、 第 一 に、 す で に 進 行 中 のR&Dに 関 連 して 必 要 で あ る か ど う か 、 第 二 に 、 今 ま で の プ ロ ジ ェ ク トの 方 針 を変 更 し中 止 す る もの が あ る か ど うか 、 第 三 に 、 生 産 活 動 に お け る新 規 参 入 な どの 際 、 全 く新 しい 技 術 的 知 識 の 創 造 が 必 要 と な る か ど うか 、 とい っ た基 準 が 考 え られ る 。 しか し、R&D活 動 の 評 価 、 特 に第 二 の評 価 につ い て は 、 プ ロ ジ ェ ク ト間 の 比 較 は可 能 か とい う、 根 本 的 な 問 題 を常 に抱 え て い る 。 比 較 す る 指 標 と して は 、 各 プ ロ ジ ェ ク トの コ ス トと成 果 で あ る 。 そ れ ぞ れ の コス トが 、 そ の 合 計 で み て 企 業 の負 担 能 力 を上 回 る場 合 に は 、 い ず れ か の プ ロ ジ ェ ク トを 断 念 す る こ とに な る 。 技 術 的 に要 請 され るR&Dの 必 要 最 低 水 準 が 存 在 す れ ば 、 各 プ ロ ジ ェ ク トの 予 算 を均 等 に 削 減 す る形 で 、 全 体 の コス トを抑 制 す る こ と は で き な い か ら で あ る。 こ の と き、 断 念 す る プ ロ ジ ェ ク トの 選 択 に 際 し、経 営 戦 略 上 の優 先 順 位 な ど も考 慮 され よ う。 しか し、 各 プ ロ ジ ェ ク ト毎 に独 立 採 算 性 を と っ て い る わ け で は な い し、 新 規 の プ ロ ジ ェ ク トの 成 果 を予 測 して 既 存 の プ ロ ジ ェ ク トの成 果 と比 較 す る の は 難 しい 。Coomsら(1987)が 指 摘 して い る よ う に、 プ ロ ジ ェ ク トの 当 初 の 目的 と は別 に 、 予 想 外 の成 果 が 得 ら れ る 可 能 性 もあ る 。 5.お わ り に こ れ ま で 見 て き た よ う に、R&D活 動 の 成 果(技 術 的知 識)を 情 報 財 の 一 種 と して と ら え、 これ が 企 業 組 織 内 部 で取 引 さ れ る とい う 点 で 、R&D活 動 を組 織 内 部 の情 報 活 動 と考 え た。R&D成 果 は 情 報 財 の 特 徴 を 部 分 的 に も ちつ つ も、R&D特 有 の 性 質 ゆ え に、 一 般 的 に い わ れ て い る情 報 財 と異 な る性 質 を も って い た 。 企 業 が 必 要 と され る技 術 的 知 識 を外 部 か ら購 入 せ ず 、R&D活 動 を組 織 内 部 で 行 い 、 そ の 成 果 を 自 らの 組 織 内 へ 投 入 す る の は 、 そ こ に何 らか の合 理 的理 由 が あ るか らで あ る 。 また 、 複 数 の プ ロ ジ ェ ク トが 同 時 並 行 的 に実 施 さ れ て い る場 合 に は 、 必 ず プ ロ ジ ェ ク ト間 の比 較 ・評 価 と調 整 が な され て い る はず で あ る。 特 に 、R&Dの 評 価 の シス テ ム は、R&D成 果 が 客 観 的 評 価(市 場 価 格)を もた な い た め に、 数 量 的 に把 握 す るの は 難 しい こ とが 多 い 。 した が っ て 、R&D活 動 の 収 益 性 も推 定 し に く くな る。 自 ら がR&Dを 行 わ な か っ た と した と きの 機 会 損 失 で 機 会 利 益 を考 え る こ と もあ るが 、 本 文 で も触 れ た よ う に 、 そ の 企 業 が 過 去 の活 動 の 結 果 と して 蓄 積 した知 識 ス トッ ク に依 存 して 、 そ う した 機 会 利 益 も変 化 す る で あ ろ う。 ま た 、R&Dが 成 功 す る か ど う か 、 そ して そ れ を生 か した 製 品 が 市 場 に供 給 可 能 な段 階 まで 到 達 す る か 、 リ ス ク を推 定 す る の は、 個 々 のR&Dプ ロ ジ ェ ク トご とに 異 な っ て くる こ と もあ って 、 非 常 に難 しい 。 こ の 分 野 にお け る計 量 分 析 は 、 こ う した 困 難 の た め に 決 定 的 な 方 法 論 を見 い だせ な い ま ま きて い るが 、 早 急 にR&D活 動 の 成 果 を把 握 す る指 標 づ く り と評 価 の 方 法 の 編 み 出 さ れ る こ とが 期 待 さ

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れ る 。 (注) *1こ の 中 に含 まれ る の は 、教 育 、研 究 開 発 、 コ ミュ ニ ケ ー シ ョン(通 信) 、情 報機器、情 報サ ー ビス で あ る *2ポ ラ トの 分 類 は 、 市 場 に情 報 を供 給 す る 第 一 情 報 部 門 、 組 織 内部 で 消 費 され る情 報 サ ー ビ ス を生 産 す る第 二 情 報 部 門、 そ れ 以 外 の 非 情 報 部 門 と な っ て い る 。 *3彼 らが 挙 げ た性 質 は 、 公 共 財 的 性 質 、 不 確 実 性 、 外 部 効 果 、不可 逆性、不 可分割性 、減価 速 度 、 以 上 の6つ で あ る。

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参考文献

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参照

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