フランスにおける銀行統制 -- 一九四五年法成立の要因とその結果
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(2) う段階 に至り、これが国家 千渉 の主たる動因となってくる。. 従 って 、国家の銀行 制度の統制は 、単 に、銀行 制度全体の中での銀行 経営のよりよい機能という目的 から、経済制. 度全体の中での銀行 制度のよりよい機能ということが目途されるに至る。 かくて 又、統 制規 定の内容も二種 に区別 される。即ち 、. ―つは、銀行 資産の流動性と安全性とを確保するよう銀行 経営体の組織 と機能を規 制して 、預 金の保誰を狙 うもの. であ る 。. ―つは、経済全体の需要に照らし、経済政策に基づいて 、諸 貨幣 の発行 を規 制し 、さらに又、信用配分 の方 途をも. 指揮 せ んとするものである。前 者が、銀行 統制といえるならば、この後 者は信用の統制というぺき ものである。. このように、統制の動因の変化に基づき 統制内容も変転 してくるものであるが、同時に叉、統制方 式も必らずしも. 統制内容と照応するものでは ないが 、集 中化の過程を経てゆくものと考えられる。即ち 、国家 の干 渉 は、銀行 制度に. 自主調整を委ね 、国家 自らは随時干渉 を行 うと いう方 式から、中央銀行 に規 制権を与 えて間 接的に干渉 する方 式へ、. さらに国家 自らが銀行 制度を統制すべく行 政体によりこれを行 わし める、と いう段階 を経るであろう。. 注①. かかる 一般的なシェー マ は、 フランス ではどのように展 開されて来たであろうか。. これを本 稿 の直接の対象 とするのでは ないが 、 しかし、 「 一九四五 年の銀行 統制法成立の諸要因とその結果」を明ら. かにするには、さかのぽってフランス におけ る銀行 統制の発展 過程を知 る必要がある。. これの解析によって 、 「 一九四五 年法による銀行統制」の特色が自ずから明確になるのであ る 。. 注一、同法は、フ ラ ンス銀行、四 大 預金銀行の公営化法をも同時に含んでいる。 本稿では、「 銀行制度全体の統制法」のみを取扱う。. - 52 -.
(3) 「公営化法」の成立動因とその結果に つい ては、別 稿で論ずるつもりである。. 二 、 第 二次 大 戦 前 の 銀 行 統 制. フランス に おい ては 、第 一次 大戦前 には 、銀行 制度を監督 ・統制しなけ ればならぬ という緊 急の事 態や、客観 情勢. は生起し てい なかっ た ようであ る。し かし 乍ら 、戦 後 は、戦 時金 融に よる銀行 業の財 政 諸困難 、経済の千渉 主義の一. 般化などで、銀行 分 野に おいても、監督 統制に よる銀行 改革 というム ード は 急速 に 醸成 さ れ てきていた。. 大 戦 後特に、 一九ニ ―年のL eB a n qu eIn du nst r i ell ede chi n eの破産以 来 、銀行 統制の種 々の法 案が悲出し 頻々 注① と繰返さ れ るに 至っ た。 A〖. " が誤員法案として上 程された。これは、銀行 一九二三年一月十九日 C ons ncai s e s t ional nq nesfra e ilna de sba. 代表六 名、商 、エ 、農 業連 盟各二名、会 計検査 官 一名、参事 院代表一名、大 臣 代表五 名、計 十九名から構成さ れ るも. ので、財 務諸表の検閲 権 を持ち 、全ての証券 発行 に ついて認 可権 を与 へられ、定期 的に諸銀行 家 と協 巖するというも のであっ た。. "とい 'e il sup 一 九二五 年一月には、C h a sta ne tがそれをさ らに強い形で再 提案した。 ょL C onse de sba ngue s er ior. う、全国銀行 事 務局を商 務 省の下に設け 、この機 関が銀行 業全てに 係わ る諮 問機関と なるも のであっ た。この提案は . 注② 社 会党によっ て大 き く賞揚された。 ー. 一 九二八年にはC h ast a net Au t e rion法 案が出た。これは、 「刑に服し た者は一切銀行 業に つかせ ない」というも. のであっ た。. - 53 -.
(4) Q. 貯蓄家 保護の為の諸手法の分 析建 「 一九二九年には、政府 は、種 々の要求 に基づき 、二九年二月五 日デ クレ により 、. 立」 を行 う委員 会 を指 名するまでに至った. 前 二者は、所 謂 銀行業の全般統制に属する法案であるが、 これら法案の登場 は経済的なる客観 的動因から生じ たも. 専ら貯蓄家 保護を目 後 者は、 政治的動因からである 。 社 会 主義者グルー プが提 案した教義上 の要求であ り 、 のではなく 、. 途 し、その為の銀行 業の健全経営を狙 ったものである 。不健全経営の続出 にその動因があると みてよい のであろう。. これら諸動因は、しかし 乍ら、法 案を制度化ず るまでには熟していなかったのである。上 述諸提案は、全 て、具 体 `化せ ず立法化は 一九三0年以 来の銀行 恐慌 を 必要としたのである 。. 一九三 0年六 月十九日、 フランス では最初の銀行 に対する国家干 渉が行 われるに至った。 ―つは、銀行 に課せ られ. る禁 止業務を明確にしたのである。 これは、銀行 の行 い得る取引 業務を法的に規 定するその 端緒 が見られるのである. が 、禁 止業務のリス トを明 確にしたとはいい乍ら、その目的は従 来の銀行 諸業務に加え て、動産に対する投 資や株 式. 取引 業務を入 れることにあった。. 第 二は、銀行 業及ぴ同種 の職業は刑に服した者及び破 産者で示談 を得た者も、 これに従 事 出来ないことと なった 。. この点は、前 述の一九二八 年法案が具 休化されたわけ である。. しかし乍ら、その内容は、銀行 統制というよりも、む しろ銀行 業として認 められる諸条件 を規 定したに止まり、銀. • 行 経営の安定化、健 全化、ひい ては、預 金者保設を目的としたものであることは明白 である。. フランス においても、多 かれ少かれ、 一九三0年の世界 恐慌 に巻き込まれた。群少 銀行 は言うに及ばず、大 銀行 の. 破 産 を惹起させ たのである。. - 54 -.
(5) l eは財政困難 に陥り、 フランス 銀行 及び国庫の補助 金 交付 が初 めて n. i d'A s cee a td eLorra 三 0年 十二月 B anque. t は最大商 業銀 di e cr ueNat le ona de 行 われ、 フランス 銀行 の監督 の下、干 渉 されるに至ったのである。 ついでB anq i. 行 六社 の内 の一社 であって、これだけ の銀行 の財政困難 はフランス 銀行 や他 の大 銀行 でも解決し得ない程 のものであ. 注③. った ので、再 び国 庫貸付 が行 われざるを得なかった のである。その結果、当 銀行 はL eBanque Nat i onal e pourl e. c n cee r om mer st tl eI du i eとして 、再 組織 され政府が役 員 を指 名し 、 フランス 銀行 の監督 を受 け るに至ったのである。. フランス では、 こ のような銀行 に対する補助 金交付 、それに基づく監督 という制度が具 体化されたのは、 これが初 め. 注④. てであり、又、相次 ぐ 財政困難 の結果かかる法案が続 出 した のであった。 この期において左罠 諸政党は銀行 の全般統. 制、銀行 改革を強調し、 一九三四年には、CGTの綱 領 の中で銀行 公営化が再 び呼 ばれたのである。. しかし乍ら、フランス では、他 の諸 国で採られた如き 、全 般的な銀行 救済という意図 を以 った 銀行 統制は生じ なか. 全般的性格のものではなく銀行 とはいい難 い ような小規 模経営が破 産に瀕し そ の理由 はフランス の銀行 恐慌 は、 った 。. た だけ であるからである 。 しかし破 産銀行 は、 そ の内でも不良経営•投 機的取引 を行 っていたものに限られておったの 注⑤ であり組織 的集団 的な性格は特になかった のである。 とは云っても、 預 金 者保護が社 会問題化する ことは当然であ る 。. かくし て、この三 0年 の大 恐慌 を契 機 として 、法制化されたるものは、 貯蓄家 保護 の改善増進 という視角 から経営. の指揮 機関の責任 強化、株 主の経営統制 の強化とい うことであり、これを間 接的に会社 諸 法の修正 によって銀行 分野. にも雄用させ たのであった。. 即ち 、大 恐慌 期にあっても貯蓄家 保護、株 主保股 という目的 で、 健全経営 を目がけ ることで滴足されて いた のであ. る。固有 の意味 の銀行 統 判は何ら制度化されず、未 だに、個別 経営を対象 とした 統制の域を出 なかった のである。. - 55 -.
(6) 所 謂 、銀行 分 野の全般改革 といわ れる包括 的銀行 統制は、その後 一九三 七年 、人民戦 線政府登場後 、社 会主義諸政. e tが主 宰した ” •C om mis s ionBr un e" t に よって、 初めて具 体的内容に亘って審議 され 党 を代表して、誤員 、 B run. たのである。 注⑨ この委員 会の結論は、およそ次 の如くであった 。. 一、 フランス 銀行 総裁 の主宰の下 に機能する銀行 委員 会が設け られ 、これが信用の盆督 統制の任に当るのである。. その構成は国家 、銀行 、利 用者、の三 者から成るが、国家 代表がその過半 数を占 めることになっている。. 一、新 設既 設を問わず、全ての銀行 は大蔵大臣 に通達する義務がある。先 き の銀行 委員 会の勧告 後 、銀行 の開設合. 併 を行 うこと。 つまり、事前 の隠可を必 要とする。 一、銀行 に対する検査 組織 の確立、及ぴ 、銀行 業界の団体の創設。. 一、 フランス 銀行 に対して、月間 の運営状 態を通達する義務、さらに、年 度末決算財 務諸表と同一 の形式で三 ヶ月. 毎 に、財 務諸表を公開する義務。. 以上 の如き が決定されたのであるが、先 に述べ たように、 この委員 会は、人民戦 線政府の所謂構造改革 の 一環とし. フから主張さ れて来 ての銀行 分 野におけ る改革 草案なのであった 。かくして、 一九二0年 頃 より、社 会主義諸グルー。 l. ていた銀行 改革 と、その意図 において同 なのである。. 銀行 経営の諸条件 に関する提案、あるいは法合が、銀行 恐慌 をその直接の契 機とし、預 金者保護 を目 的としている. に対して、この全般的改革 案の客観 的契 機は、直接探し求 めることは出来ない のである。専ら、社 会主義 者の政権掌 注⑦ 握 という政 治的契 機から 生じたものである。ただ注 意すべきは、かかる改革 の提案が、 一般にも益々容 認 されて来て. - 56 -.
(7) い た とい うことである。それは、フランス の銀行 は信用供与 を差し控え、又、好況 時には高い割引 率で過大 な信用供. 与 を行 ったり、信用供与 の醤とその供与 の条件 に ついて専横 的であった、ということからである。社 会主義グルー プ. が従 来より主張して来ていた金融専制•独 占資本 専横の排除 という面がこれである。. ともあれ、 こ のプルネ ー 委員 会の諸 結 論は、三 八年第 二次 大 戦 への突入 によって、 日 をみることは出来 なかった 。. 戦 争金融の為には、これが当然利 用される如く考えられるが、逆 に銀行 統制概念 自体が放 棄されたのであった。当 委. 員 会の提 案は、専ら政治的意図 の下に出されていたものであって、政 変に よって、忘れ去られてし まったものである。. し かし 乍ら、当 委員 会の結論の内容は、四一 年、四五 年の組織 的な銀行 統制諸法の内容の具 体的基礎をなした ので. ー. ある。しかし、 その意図 ・性格においては、夫 々明確に区別 されるものである。以 下、論点をそこに集 中する。. 以 下参照。 注1、法案提案については、. , .3 -3 . pp 68 71 s1940 sF r se i sa an sB anque rL e ge H. nbur e L auf. , . •Dupo .18 2 . . 3 2 pp anc e 195 nF r r e c t i ond uc di te Iadi re de s banque se t 61e C ont r n tL e PC. .3 .pp .c 69 it e nbur L anf 注 2、H. ge r. op. ^. ," l Fr ac e .'P olt Sc i e nc e l• ly vo sin i c a G.M ye T he N at i onalizat i ono Q uar t e r ま J un. e r s fbank ga r e t 注3、M ar . pp .18 1949 9. ー. ー. ー. • ,L e • pp . .2 5 3 42 2 3 sN a de nF r e195 anc ns e o i sat nt i onali t me 注4、Ahme M ouve soy n Se t ー. .2 , 4 32 it. pp 注5、P. top. c C.Dupon. , .c .3 43 7 . pp 5 it 7 注6、H. r op nburge L aufe. .c , .3 . pp 6 5 53 5 it 注7、H. L auf r op nburge e. - 57 -.
(8) 、 一九 四 一年 法 と 一九 四 五年 法. 前 章 で明 らかなように、結局、第二次 大戦 までは、銀行 制度へ の組織 的なる統制千渉 は存在 しなかった と云える。. 第 一章 で述べ た銀行 統制の発展 類型 の内、第一 の貯蓄家保護目的に 基づく、 「より よい銀行 経営」 という段階 に達して い ただけ であった 。こ の点 を除け ば全 き 自由 活 動が保障されていたのである。. し かるに、敗北 休戦 の年、一 九四o i 四一年、及び 解放後 一九四五 年には、全 般的なる銀行 統制が行 われるに至っ. た 。夫々 一 九四 一年六 月十 三、十 四日法、四五 年十 二月二日法及び 四六 年五 月二十 八日 デクレに よってである。. こ の両 法は、同 一 目的を持っていた 。即ち 、急 を要する経済回復 である。それを行 い得るのは、国家 だけ であること. が聡識 さ れ 、それ が為に、国家に全 般経済指揮 の集 中的権力が委ねられる必要があった。銀行 統制強化もこの枠外に. 出 るも の ではない。む しろ、それが為の銀行 統制でもあったのである。こ の限りでは両法はその目的において何ら区. 別 さ れ るものではない。しかし、両法 を深く吟味 することに よって、両者のニュア ンス の相違 は、赦 然となる のであ. る 。本 稿 の目的は、 「四五 年法の成立要因とその結果」であるが、それを明確に把握 する為に、まず両法で夫々 設け. られた指 揮 統制諸組織 体の比較検 討 を行 うことにする。. 銀行及び 信用に関する四五 年の統制法は、 一九四一年諸法を強く踏襲 している。ここで扱う指揮 統制諸機関も、既. に四 一 年法で設立されていた ものである。しかし、四一 年法のこ れら の諸機関に関する規 定は、重 要 なる諸点で大き. く修 正 されたのである。否 、む しろ、 これら諸規 定そのものには、 表現上 ほ とん ど変更が認め られない としても 、内 実 に お い ては、本 質的変革が行 わ れているのである。. - 58 -.
(9) いう迄もなく 、 これら管迎諸機関は 、銀行 語企業 をある種の指示に限せ しむるた め、又これら指 示が充分 に股行 さ. れ るよう、かかる意味 で設立されたものである。 そ こで当然に、 まずその必要な指 示を立案する ことの出来る機関 、. 第 二に、その指示を関 係諸企業 に伝達 する経路 としての機関、第 三に、 伝達 されたる指 示の執行 を統制監督 する機関. が必要となろう。. .法規順 守 を監骨 するC o四一年諸法は、銀行 及び金融諸企 業 の全般指揮 を行 うC omit nen t n pues eperma de sba. ontr 6ledesba nque s 、 銀行 又は金融業 として登録 された諸企業 の利 益保護を代表 する A s sc mm i s r i onde s o ci a t ions. 以 上 の三機関を設立し たのであった。 s lle ione s s ofe pr. この内、指揮 • 監督 機開は種々の重要な点 で大 きく変革 されたのであるが 、 この変革 を吟味 することに よって、四. 五 年諸法の特長を浮彫 りにすることが出 来るのである。以 下四五 年法を中心 として、必要に応じて、四一年諸法と対. 比 し、 この変革 は如何なる意義を持ち如何なる結果をもた らすかを抽出 し てゆき たい。. 以 下法規定の条文は、主 として、 注、 ー. , ," . " pp ,3 による。 83 533 es P. ex t op cit n u A u C.Dupo. 指揮機関ー国家信用審議会 (LeCons nalduCr cilnatio edit ). 四一年諸 法 ( 以 下旧法と称す) では、銀行 常設委員 会 ( d6r L e ga nisa C om i r ma t ion t ne ) と称したものであ epe nt. る。呼 称が変更 されたばかりではないノ同 じ指揮 機関 といい乍ら、四五 年法( 以 下新 法とす)において、最も多 く の、. - 59 -.
(10) 構成 及 び. 議長. し かも最も菫要な変革 が行 われているのである。. 曰. 旧 法では、銀行業者六 名ないしはそれ以上 の構成で、その内 一名が議長となるものであった。 これが、新 法では、. 四 0名の構成とな り、政府代表の大 臣 が議 長となることになった。 まず、その構成は、各界 の各階 層の代表から成る. が、利用者十 名、労働組合代 表七名、政 府各 省代表七名、銀行 及び取引 所 代表―四名、議長 (大臣) 、 副議長(フラン ス 銀行 総裁 ) 。計 四0名である 。. 旧 法 で は、 同 種 利害関係者の代表、 即ち 、 銀行 業 者のみが会 巖し 、 その内 一名が主宰するという指揮 様関であったもの. が、 各界 各層の異種 利害関係の諸代表者の会 脹 する様関となり、 し かも、金 融諸根関代表 ―四名と云 えば相当 数の如く. で あ るが 、 官営・半 官営の設立休がその内 七名を占めることが義 務づけ ら れてい 実 は政府の直属の又は統制している 、. る 。さ ら 、 に他 七名中三名は、 公営銀行 を代表する。私 営銀行 、 金 融業者の代表は、 わずかに三名にすぎ ない。し かも、. 注①. 私 的利益代表というよりも銀行 、金 融業の 経験に照らして、熟達し たる者より選ばれるという立場 に おいてである。 かくし て、私 営銀行 の利益代表は極度に縮少 さ れるに至った。. さ らに 、 四 0名の構成員 中、 所 謂、 公権 を常に代表すると見散 されるものは法規 上だけ でも十 九名に達し ている 。 加う. るに議 長は、 通常大蔵大臣であり 、 副議 長とし て、フランス 銀行 総裁 が指揮 機能に制度的に参加 するに至ったのである 。. 権限. 私 営諸設立休の利益代表排除 とあいまっ て、国家信用審誤会 は、行 政休的性格を強く 帯ぴるに 至ると推察 されると. ころである。 口 組織 及 び. - 60 - ..
(11) ’織. 国家 信用審脹 会は 、旧 法 での銀行常設 委員 会 ( 旧法二 八条) とは異って 、法人 格が与 えられておらず実 質的な組織. ,これらは銀行協 会に属 す ‘ とはいえない。現 に予算 もなけ れば、事 務局も持 た ない のである。旧 の委員 会 の場合 に は、. ぃる 金 融諸企業 が共同出 資で提供 していたものであった (四六 条)。 新 法では、 これら全てを フランス 銀行 が行 うことに. さらに 、 、なり 、 指揮 機能に必要な全ての基礎資料 も フランス 銀行 の提供するものであ る。 これがため 、 フランス 銀行 内 _ ditが新 設 された。前 者は信用諸条件 e C r ldu a er n le a r で、二 つの部 局 ぜ2i ce 0� g d esRisq ect1 r C ent uesと D i e. に つい て 、資料 の蒐集 、調査 分 析を行 い、信用政 策の形成の基礎 を提 供する。後 者は、特に、 これによって、 フラン. ス 銀行 総 裁 に助言 し 、 審脹 会 ・フランス 銀行 の行 う信用統制 の方法術 技 を示唆する という目的を与 えられている 。 事実. に お いては、 これが審議会 の事 務局として槻 能し審脹 会 に提出 される問題全てを準備 し、その決 定について の手続 き 注②. を とっ てい るのである。 し かも重 要なことは 「当部 局が審議 会の決 定形成に参与 する ことになり、さらに 審議 会の諸. 政策決 定の事実上 の立案権製 となっ 毀料虹集ば かり でなく、 決定 は、屡 々当部 局のそれであった」 という事実 であ る 。. や i. 権. 艮 F. この制度 が審感 会 の権威 を フランス 銀行 に実質 的 に委ね てしまう ―つの要因と考えられ るのである。 ' ,て いるのである 。. •. ` ` 審誤 会 は決 定権 と諮 問 権 を与えられている。新 法では、新 たに司 法機能をも果す こととなっ、 た。即ち 、 「銀行 の業種 .. , 分 類 」に対して の銀行側 から の訴 を審判 する所謂控訴 院となった(465 1 78 )。 これは 、 旧法では後 述 の銀行 統制 委 員 会 の権 限であったものである。. □ さらに 又、投 資銀行 と これ の監督 を行 う政府 コミ セー ル との間 の調停を行 うも のとなった(45.1 2. 2) 。. - 61 -. 組.
(12) 決 定権 限に ついての変更 は次 の如 くである。. 旧法 で規 定された委員 会の諸 決定権全てを 「フランス 銀行 を介し て」行 使することとなった。この 「フランス 銀行. を介し て」 とい う条件は甚 だ大き な意味 をもち 、審議会の決定諸 権 限を名目的にしてしまう危 険が察知 されるのであ. る。実 は、新法 のかかる規 定が制度化されるま でには、政府法 案と議会 案とは、この点 でー 審誤会の決 定権 に つい て. ー 大きく距 りがあったのである。政府は、旧委員会の保有 し た決 定権 を、信用の指揮 権を全て フランス 銀行 に与 え審. 議 会 は政府 直属 の全くの諮 問機関とし て立 案し ていた (政府法案十 四条)。これに対し、 議会の財 務委員会 は、全 く 注③ 逆 の立場 をとっていたのである。「旧委員 会の諸職 権は全て審議 会に継承 される」 とした。これが法制化されたので. あ る が、「フランス 銀行 を介し て 」という但 し書 きが つけ 加えられたのである。この挿入句 は、 この間 の当時の政府 案. i により、審 と議 会案との妥協 の産物 である。 この結果は、一応 プランス 銀行 は新 機関 D i r e cti onGene ra C re dtt lde. 誤 会活 動の 為の 準備機能をの み行 うとい う限定されたものとなったの である。. とこ ろ が、種 々の理由 から、これに疑 問符 が打 たれるのである。後 述するところである。審脹 会の決定権 は、以 上. ったが、決定権の内容はしかし大き く改変 されているのである。 の如き 経由 を 経て 一応認められるに至ー. 決 定権 は、個別 的に、銀行 あるいは銀行 業 者に適用されるものと、業界 全般 に及 んで適用されるものと、 二種の決. 34%:)。 ・茄 33. 941 1 定権に区別 されている (. まず 、 個 別 的な性格の決定には 、 国民 ・地方 経済 の立楊 に照らして銀行 業 の登録許 可及びその登録からの削除権 ( 34. 冷 1)Jl ) と銀行 の支社 の閉 鎖 、銀行 合併 を決定することが出来る ( 34 � 2)Jl )。 新 法 ではこれら個別 的決定の内 、前 者. は、旧 法 の規 定そのま まが継 承 され た が、後 者は、決定権はなくなり立案権しか与 えられていない。. - 62 -.
(13) 他 方、 全般に亘る決定に就 いても、重 要な問 題が生 ずるのである。. 十 三条、十 二項 では、「信 用審 感会は フラン ス銀 行 を介 し、銀行常設委員会 の有 したる全権限 を行使 し:. 」 とあ . . .. るに拘 らず‘旧法 で咬 銀行常設委員会が直接の決定 を行使し得たものが、 ー 例 えば‘協 定、 銀行経営 の業務資格条件 、. 共 同サ ービ スの設置、流動 性に関する諸規 定、競争 の規 制ー新法 十 三条においては審艤 会に は、 立案、提案、勧告 権. し か与 えられ なくなって いる。. さらに、十四 条において業務活 動の基本 的規 定1例 えば信 用 諸様閲 の貸借対照 表 の作 成公表、銀行業務 に適用すべ. き規 定、 銀行保有 有 価証券 の構成に開する規 定、証 券の発行借換に 関する信用諸 機関の義 務等ーは国民 大臣 、大蔵大. 臣 のデ クレ (命令) がこれ を行うとされている。旧法 では、 これら基本的規 定 は第 一の貸 借 対照表 の作 成は除 き旧委. 員 会の資格 に 存したものであった。新法 で は単 に 「 建感 する 」に止まる のである。. 新法 の新 しい条文 は、 全て審議 会の立案諮 問機船に係わるものであり、何 ―つ決定機能は含 まれて いない。わず か. に、旧 委 員 会の 「決 定権」 が受け 継 がれ た だけ である。し かも、今 見てきた如 く、 そ の 「決 定権」 は、わずかに、個. 別 的性 格 の決定 の内、 登録 許 可及び その削除 権のみとなって いる。し かも、こ の決定権 は実質上 最終 決 定 には至 ら ぬ. のである。後に見るところである。. 審眼 会は、 もはやほと んど立案諮 問機関と して の意義し か持ち 得ない かの如 く であ る。. 逆 に、後 述の銀行統 制委員 会のこの種 の規 定権 が大巾 に強化されて いるのであ る。'. この銀行 統制委員会 は、 審誤会が各界各階 磨代 表 が雑居 している組織 であるに 対して 、 ほと んど 全く行 政様 関の代 表. で 占め られて いる こと を合せ考 えて見れば 、 当委員 会の規 定権 の拡 大は、 大き な意味 をも った ものであるといえ よう 。. - 63 -.
(14) 次 に、諮 問様能 の 内容の変更 を見 よう。. 旧法では、 その四十 条において、 わずかに、 しかも抽象 的に触 れ てい るのみである。即 ち新 しい信用諸方 式に妥 当. する 為の、国家 の必要に最もよく順応 する信用の為の、諸企業の活 動の規 定に必要と認 められる諸改訂 の為 の法律 及 び規 定上 の諸改革 を提 案するのみである。. 新 法では、 その十三 条において諮 問機能に関して、長々と規 定されている。その内容は要するに、 銀行 制度の根構. と信用投資 の全般政策に対する立案提案諮 問機能 である。政府 の経済政策、信用政策、金融に関する指令 に関して、. その計画 、立 案に提案諮 問 とい う何らかの形で参加するのである。 つま り、新 たに、 信用 投資 の全般政策 に参与 する. こととなっ たのである。但 し、留意 すべきは、旧法では、決 定権さえ認 められた銀行制度 の張 構 の面については政府. に 対しては、「立案、提 案」となり、 経済信用政策に関しては、「諮 問」、「 参 考意見」 に止まることである。具 体的に. は後 述するが、信用政策に つい ては、 審議 会は、政策、立 案檄 関ではないのである。. 以 上 、指揮 機関としての新 旧両 機関の法規 定上 の比較 から、次 の如く言 い得よう。. i. 旧法においては、政府 が委 員会 の人 事権を持ち 、さらに政府 コミ ッシ・ ョナー が委 員会に 出席し、諸 決定の否 認 権を. 保有 していた。しかし乍ら単 一の利 害関係者が協 同し、 主宰する、信用指揮 に腺 する協同決 定機関であることには変 り なかっ た。政府 干渉 は、事後 統制たることを前 提としていたのである。. 新 法の信用審誤会 は銀行 信用 の指揮 に つい ては立案を行 い、 信用政 策に つい ては、捉 案諮 問根能が与 えられた。し かも、 これら諸権限の行使 は、 フランス 銀行 を介するのである。. 法規上 そうあるだけ ではなく、 法人 格を剥奪 され、実質 的な組織 のない機関となっ たが為に、実際 に活 動するに は. - 64 -.
(15) 注④. フランス 銀行 を介 さ ざるを得なくなる。「信用審議 会は実際 上 フランス 銀 行 の副理事 会である」 と云わ れるまでに至. ,るであろう。その上 、他 方において、審議 会の構 成は ほぼ半 数を常に行 政諸団 体の代表 が占め 、議長、副誤 長は、大. 臣及 び フランス 銀行 総裁 とな っ た。 ;. 注1、指名権は全て政府の保有するところであるが、現実には、たとえ推鷹されても、政府の任命者が代表とな っていたようであ. .0p .19 .p .c る。 (Myers 9 it ) .0 . 195 .F rench B a . 注2‘ J.S. G. W il s on ture a n d c nki n gS ruc re di t polic 7p y t 3 1 it .0 ,o p . pp . pp .0 03 . cit .c ls ,op に詳しい。 尚、これら部局に ついては、M y rs 00 1 222 W ion e 3-3 2 8. 65 -. . 9 参照 .o p .p .c 注3、 D it t upon 2. .96 ,o p . cit .p ls 注4、W i on. 統制機関 I 銀行統制委員会(r C o m mis s i sba onde c nq u on es) tr6I ede. 銀行 統制委員 会は、指揮 機関と金融 諸企 業の間 の調停機関とし て、裁 判権 を保有 し、さらに、 これとは異質であ る. が 、法規 定の適 用順守の 監視権 、銀行 金融 諸制度全体 に亘る広範 なる勧告 権 を所 持し ている。. い 構. 旧 委 員 会では、公権代表 は 一名にすぎ なく、し かも、金融 諸企 業の代表 が参 画し ていたのに対し て、五 名中、三 名. 重 要なる銀行 職員 組合 の代表 一名、である。. な った 。即 ち、 フラン ス銀行 総裁 を会長とし て、以 下大蔵 省国庫局長、参事 院財 務部 長、国民 経済相 信用部 長、 最も. 旧 法では、 フランス 銀行 総裁 、大蔵 省国庫 局長、銀行 常設委員 会眠 長がその構成員 であった。 これが新 たに五 名と. 成.
(16) ま でが純 然 たる公権代表であり、しかも、金融業代表は排除 されている。この二面から、かくして、相 対的に も絶 対 的に も当 委 員 会の性格は、大巾に官僚 的性格を補強 されたといえよう。 限. 当 委員 会は控訴 院であるばかりでなく、審議 会とは別 の諸 状況 を考慮 し得るところの裁 判所 である 。しかし当委員. 要求 を、当委員 会が解決 するという権 限である。. としては、信用審誤 会の行 う、先 に触 れ た個別 的決定ー銀行 業の登録削除 、銀行 合併ーに対する企業側か ら の 取消し. 一 、新 旧法とも、同 種 の処 罰 権を与え てい るが、特に問題であるのは、当委員 会のも つ取消権 である 。具 体 的問題. い は企 業 経営者の活動 を停 止することが 出来るようになっ た。. かくして、当委員 会が裁 判所 を介 して、逮 法行 為を監視するのではなく 、自 らの手 で、その該 当する企業活動ある. 5� ) 1 5l!;なっ た(4 。. 新 法では、公認 され てはい ないが営 業停止を決定されたる企業に も、全 て、消 算人を指 名することが 出来るように. 護 を行 う手法 をもたなかっ たのである。. 公式に認 められていない銀行 には及ばなかったのである。他方違法行 為の結果、公認が解除さ れたる場合 、債権 者保. 旧 法 では‘ 達 反 する 企業を裁 判所 に起訴 することが 出来るのみであった。しかも、起訴し得るその対象 の範 囲 は、. 両法 では異なるのである。. 一、監督携 関として、法及び規 定の順守 の監視 を行 うのであるが、 これに対する迎 法行 為の処 分に就 い ては、新 旧. 権. 会の 出し たる判決は最終 決 定ではなく、改 めて、審眠 会に再審 さる べき ものである。 だがしかし、さらに瑚脹 会が、. - 66 -. (口).
(17) 当 委 員 会 も同 じ よ う に認 め る よう な新 し い再 決 定 を行 わ な い場合 、 当 委 員 会 の決 定 が 通 る と解 釈 され、 決 定 さ れ た 注① の であ った。個 別 的 決定 に つい て、 指 揮 機 関 と統 制 機 関 のど ち らが最 終 の決定 権 を 持 ち得 るの であ ろう か。明 ら か に 注② 統 制 委 員 会 の地 位 は絶 対的 のも のであ る 。「終 局 の最 高 権威 は当 委 員 会 に存 す る」、 と見 倣 され得 る と ころ であ る。. 一、 金 融 業 務 の基 本 的規 定 の制 定 権 は、旧 法 で は、 わ ず か に金 融 設 立 休 の最 低 資 本 額 、及 び提 出 す べき経 理 上 の諸. 資 料 の形 式 の制 定 にし かす ぎ な か った ( �lf?, #i; llsl\: )。 新 法 では相 当 に拡大 さ れ る に至 った ので あ る。 し かも重 要 な. 点 はそ の拡 大 さ れ た る制 定 権 は‘ 旧 の銀 行常 設 委 員 会 の 「 全 般 的 な る決 定 権 限 」 に属 し たも のが移 行 さ れ た のであ る 。. ). '? v l5. 16 %:) � :r. fp.. 7. l/ 5 � ) 、 最 低資本額. の決 定 櫂. 冷) 、銀. (6. 比 率 の制 定 権 を介 し て、支 払 能 力 、流 動 性 確 保 の た め の規 定 権 を公 私 預. (46. 経 営 資 本 に対す る貸 付 限 度 率 、同 じく、 同 一法 人 若 し く は同 一人 流 動 比率 、 、 さ ら に重 要 な も の に、. (46lcp:r. こ の こと は即 ち、 旧 常 設 委 員 会 を継 承 し た信 用 審 誤 会 が当 然 所 持 す べき諸 権 限 が剥 奪 さ れ た と いう こと にな る のであ る。. ( 11 �. 統 制 委 員 会 は、 新 た に、 正 規 の銀 行 業 務 以 外 の活 動 の認 可 権 行 の分 類 権. (46. への貸 付 限 度 率 、 株 式 不 動 産 取 得 率 、 及 び銀 行 保 有 有 価 証 券 に対す る フラ ン ス銀 行 で の可 動 証 券 の最 低 保 有 率 等 井 汎 ヽ こ 17. 1$%:). 金 銀 行 に対 し て保有 す る こと と な った。 これ によ り銀 行 の諸 融 資 の方 向 を間 接 的 に決定 す る こと も出 来 、 銀 行 経 営 の 注⑧ 日常 業 務 活 動 に大 き く作 用 を及 ぽす権 限 を所 持 す る に至 った と いえ よう. かく し て当 委 員 会 は、 本 来 規 定 順 守 を 監 視 す る統 制 様 関 であ ったが、規 定 権 を合 せ持 つこと にな り、 自 ら が決定 し. た規 定 を順 守 さ せ る よう自 ら が そ の監 督 を行 う と いう混 種 的 性 格 を帯 び る こと にな った。. 一、 全 く 新 し い権 限 とし て、 公 営 化 さ れ た四大 預 金 銀 行 の従 米 の株 主 総 会 の諸 権 限 を保有 す る に至 った。例 えば 、. 一. - 67.
(18) 公営 銀行 の定 款 の修 正 (46:¥r. 7V 3 *. '. 注④. 法定分配額 を控除 した後 の利益 配当 権である 。これら決 、 ) 監査人 の指 名権 、. 定権を 統制を任 とする委員 会が附与さ れ た のである 。. 次 の如く 明言 でき よう。 以 上によって、、. 、間 接 の公権代表 で占められた ことから統制委員 信用審議 会と同 様、構成員 は銀行 職員代 表 を除 き、 ほとんど直接、. 会は 、旧 法よりさらに強く、政府 行政体的性格を帯ひる。. 監 督 権 の広範 囲化 により審隈 会 の及 ば ない分 野にも干渉 し、裁 判権 の強化により、指揮 機関の個別 的決定 の権限を. 無 価値 にし得、 基本 的業 務規 定の制定権を賦与 されたことより指揮 機関のこの種 権限を剥し たこと。. かく し て当委員 会 の権威 は、指揮 機関たる信用審議 会の諸 権 限が縮少 されたに対して、相対 的 にも又、絶 対的にも. 、 D upont. op. cit. p.146. 1 . p.307 W iison, op. cit. . p307 参 照 ilson. op. c.it. 広範 囲且 つ強化されたことである。 注 注2 、 3. 、 Sensoy, op. cit. p.255. W. 注 4. l. 九 四五年法成立 の結 果. 、 M yers, op. ,cit., p.198. 注 ヽ. 四、. 以 上、指揮 機関と統制機関の両者夫 々 の構 成及ひその権 限機能の更 改を後づけ て来たのである。そこから推論し得 る こと は次 の如 く である 。. - 68 -.
(19) 一九四 一年諸 法に基 づく銀行 •金 融股立 体の特 理根棉 においては、指揮 機関たる銀行 常設委員 会 は、専ら協 同的性. 格の組織 であり、公権の諸決定 の否 隠 権 により、事後 統制を受け るものであった。統制槻 関たる銀行 統制委員 会 は、. ー判 決権 は別とし て、 ほとん ど決定 機能を有 さず専ら煎督 、提案 、勧告 機能を果たすにすぎ なかった。. かく て、両 槻 関の諸 権限は、決定I執行 の線に沿っ て、夫 々明確 に分離 されていたのである。分権機構を基 礎 とし ヽ こ。 てし f. し かも公権は指揮 機関よりも、統 制機関にそのウ エイトを置いているのである。両 機関の公権 代表の構成 比がこれ. を示し てい る 。そこから、公権は 「事後 統制 」のみを目 途したものであると推 論し 得るのである。 かかる状 態は、四五 年諸法で大きく変更 さ、 れた。. ― つは、新 た に創 設された信用審議会 は、協 同的性格を全 く失い 、さらに銀行 という業種 的性格すら喪 失 した ので. ある。多種 の利 害関係集団 が代表され、その中で国家及 ひそれに類 する諸 代表が ほぼ過半 数を占 め、私 営銀行 代表 は. わずかに三名で 「経験 」に照らし てのみ参与 するに至ったからである 。他方 銀行 統 制委員会も官僚 的性格をさらに補. 強されたのである。かくし て、 信用指揮 統制 の両機 関の行 政休化ー所 謂 「国家 化 」( et � ti s a tion) ー の傾 向 が顕著とな. ったのである 。. 第 二は、機関の国家 化だけ ではなく、同 時 に、当然指揮 機関の権限た る ぺき 、決 定権、規 定権が、 一部 は政府の直. 接 決定に、 一部 は最も行 政体的性格 をも つ銀行 統制委員 会 に移行 し た 。かくて、 これら諸権 限の ほと んど全 ては、窮. 極 のところ、公権 の行使 するところとなり得 よう。政府は、決定 • 制定に対する単 なる 「事後統制」の立場 から、自. ら決定 を下し 自ら統制を行 う地位 になったのである。. - 69 -.
(20) 即 ち 、信用管 理諸 機 関の集 中化と同時 に、信 用統 制 の諸 機能の集 中化が生起した ものであると云え る 。. 以上 は、信 用 の管 理諸 機関を軸とし て、四 一年諸 法 と四五 年諸 法 の比較 対照 を行い 、そ の間 の変更 を明らかにし、. 管 理諸 機関及びそ の諸 機能 の性 格 の変化を推 論した も のである。. 「信用管 理統制 の国家化」が明瞭 となったと思 われるが、国家 化とは具 休 銀 行制度 全体を公権 のも のにす るというl. 的に 何を意味 するか。 つま り、信 用 の集 中管 理は何処 で、誰 によっ て行われてい る のか。という具 体問題が生起 し よ う 。 これを分 明に して こそ、四五年 諸 法 の性格を知 ることが出来る。. 四一 年諸 法が制定されるまでは、 フランス では、信用指揮 はほと んど 理論 上の論陵 にすぎ なかった。銀行 統制 など. も論外であっ て、それに要 する銀行業務規 定や、種 々 の資料 は無秩序 のままであった のである。無 論 、銀行 制度 に対. する公権 干渉 は行わ れた こともあったが、 これは全く偶 発的例外 的 のも ので、経済政策 の一 環として、かくて又、信 注① 用政策上 行われたもので はなかった. しかし、 フランス 銀行 は無 意識 の内に、信用統制は行っ てい た のである。し かも、政 府 の信用政策に基き 信用指揮. をも行っ てはいた。 だが しかし 、この信用指揮 統制は強制力 を持た なかっ た のであ る 。 実務を通して のみー主 として再 注◎ 割引 率操作ー信用統制 の機能を果していたにすぎ ない のである. しかるに、四 一年諸 法 の制 定で事 情は変った 。少 くとも法律上 、信用指揮 に専念 する機関が 設け られた。信 用指揮. 会は、強制力 をも つ諸規 定を銀行制度 に課す る ことが 可能 とな の権威 は二分さ れ る に至 った のであ る。銀 行常 設委員谷. り、 フランス 銀行 は、 この委 員会に 、指揮諸方 法を要求 する立場となったわけ である。委員 会は指揮 機関と しては、 注® 機 能 しなかった と見る立場もあり、即断 し得ないと ころであるが、 少 くとも、指揮 系統 の二元性 が 生じた わけ であ る 。. - 70 -.
(21) 四五 年諸 法では、この二元性は如何に解決 されたであろうか。. 旧法の銀行常 設委員 会の諸権限 は 、 新 設 の信 用審諮 会 に移 行した 。しかしこれら諸権限は極 度に縮小されたが 、 さら. に 、「フラン ス銀行を介 し て」行使 さ れるものである。実際 においても又 、フラン ス銀行 の 一部 局 D i i r ect o n gene ra l. du c r edit が審談 会の立案 、勧告等 の形 成に大きく参 加していること先 に見 た 通りであ る。. しかも、 フラン ス銀行総裁 は実質上 の会長 であ る。 月一回 の会談 を行う審議 会に おい て、会長 た る大臣 は、新 設 注④ 以 来五 年間 に、わずか三回 し か出席 していない程 である。その上 、フラン ス銀行 の理事 の内、直 接公権 を代 表する公 注⑤ 共 金融諸 機関の代表四名は全て、信 用審隊 会 にも兼任 す るのである。 フラン ス銀行と信用審議 会の結び つきは、人 事 面においても、緊密 なものがあ る。. かくて、フラン ス銀行が 、「逆 に信用蒋談 会を介 して」 、自 己の意志を業務 を通してでなく 強制決定として通すこと が出来 るよう になったと見倣 し得るのである。. そ の上 、 しかもフラン ス銀行 総裁 は 、 銀 行統制委員 会の会長 でもあ り 、 さらに公権代表の 、 参 事 院財政部長 、大蔵省国 注⑥ 庫局長 は、フラン ス銀行の理事をも兼 任 してい る。その上、統制委員 会の職員 はフラン ス銀行から採用されてい る。. ここにおいても、フラン ス銀行と統制委員 会の人 事面 の緊密 な ることが知 られ るの であ る。この銀行統制委員 会は、. 本 来 の統 制・監督 諸 権限の外に、業務規定 の決 定権を大巾 に与 えられ るに至っ てい る。しかもこの委員 会の規 定根 能 注⑦ iec ionG en 邑 及 び、 信用政 策の形 成 の t di e du c e r t には、 信用 政 策に関 してフラン ス銀行の右腕 であ る、 先 の D r. 甚 礎を提 供 す る C ent sRi s が実質 的に参与 し、統 制監督 機能には、フラン ス銀行 の検査 官が外部 監査 と ue sq lde a r 注⑧ いう形 でこれを行ってい るのである。. - 71 -.
(22) フ ラ ン ス 銀 行 は 、 か く し て 、 決 定 ー 執 行 ー 統 制 とい う 管 理 機 構 全 て に 主 宰 す る と 言 え る の で あ る 。. 以 上 の 如 き ` 結 果 を 生 じ た と し て 、 何 故 、 わ ず か 四 •五 年 の 間 に か か る 変 化 が 生 み 出 さ れ た の で あ ろ う か 。 と い う. t. t. t. `. , 0p. ci . pp.278-280 �函瑯 t Dupon t. 一九 四 五 年 法 成 立 の 諸 要 因. 一章 で述 べ. 問 題 が 残 る 。 そ れ に答 え る に は 、 新 旧 両 法 の成 立 時 の 諸 条 件 、 夫 々 の 法 律 の制 度 化 の諸 動 因 を 知 ら ね ば な ら な い 。. 、 Sensoy,op.cit.,p.228.. 注 1 , pp.482 . 注 2 ‘ Laufenburger, op. cit. 、 Dupoi:it, 0p. ci., pp.291 注3 、 W ilson, 0p. ci., p.291. 注 4. 注 5. ‘ 預 金 部 長 (Le Di recteur general de l a Cai sse des Depots e t Consi gnati ons). ' ク レ ジ ・ナ シ ョ ナ ル総 裁 (Le Presi dent-Di recteur du Credi t N a ti onal ). sse N at rect eur general de l a Cai i onal e de CreditA gri col e) 国 立 漿 業 信 用 金 庫 総 裁 (Le D i. フ ラ ン ス不 動 産 銀 行 総 裁 (Le Gouverneur du Credi t Foncier de France) t. 、 W ilson, op. ciゞ p.302. 注6. 、 W ilson,0p. cit., p.300. 、注 7. 、. 、 Sensoy,op. ci., p.254. 注 8. 五. 二 章 で 明 ら か な 如 く 、 結 局 、 第 二 次 大 戦 ま で は 、 金 融 諸 制 度 への組 織 的 な 統 制 千 渉 は 存 在 し な か った 。. た 、 信 用 統 制 の 発 展 類 型 の 内 、 最 初 の 貯 蓄 家 保 護 目 的 に 基 づ く 「よ り よ い 銀 行 経 営 」 と い う 段 階 の み が 具 現 し て い た. - 72 -.
(23) のであった。 この点を除け ば、全 き自巾活 動が保 障されていた。. 第二次 大戦 及びそ の後 の情勢 も、銀行自業 休にとっては、銀行 制度 が変 革さ れざるを得ないというような状 態に は. なかった 。 注① いわ ゆる財政 困難か ら来 る公椛 の救済 も何ら必要とはしなかったのであ る。. そこで、救済 という意味から金融 制度がそ のために、全般改革 の対象 にならねならら ぬということは考 えられなか. ったと観 ることが出 来 るのである。. 事実 、四一年諸 法 は、「工業 生産 の臨時組織 ( !' o r g anis at ion provisoi a produ c r ed;il dus tri n n t io ell e) と題する i. 応急法 の 一環 とし て制定されたも のである。そ の目的は、経梢諸 部門 の秩序回 復、 生産諸設備 の回復 の為、それ に奉. 仕 するものと して金阻 制度 を 応急法 の中におり込 み組織化 することにあっ た。敗北休戦 という非常時期 であった 一九. 注②. l. 四 0年 、四 一年 には国家 の非 常時 におけ る暫 定的な経済指押を必要 とし、そ こで 、 一経済 活 動部門を、 当局の指揮. の下 におき、そ の当 局I組織 委員 会ーを中心 に して公権 に協 同するという方 策が採られた のであった。 かくして、金融諸 制度に関する四一年 諸法 の意図 は次 のようなものとなる。. 金融制 度それ自体は、困雖な状 態にあっ たわけ ではないから、政 府の補助 救済という面は持っておらず又、貯蓄家. 保訛 という面も持ってはいない。目的は、将来政 府の経済金融政 策を執行 せ しむ るに際 して、金融諸 制度を、そ の政. 策 に参 加せ しめるような秩序を作 っ ておくことにあり、従 って、政 府の政策 を円滑 に履行 せ しめるよう、金融諸 制度 を 全体 として組織 しておき、統制するにあった。. そ こで政府 は、自 己 の慈志 を 伝達 することの出 来る一組織休 を各経済 部門毎 に設け 、必要に応じて、政 策の履行 を. - 73 -.
(24) 注③ 課 す るとい うことを狙 った のであ る。「職業 全体 の指揮 を全て手 中に しょうとはしなか った のであ る」 。. 事実 、そ の後 中心と なる組織 体 は、金 融 の専門家 に よ って構 成されることが政府 の希望 であり、さら に金融諸 制 度. 自身 を束縛 す ること になる、 法規 定の制 定をかれらに委託 しているのであ る。そこで自らが束縛さ れ る厳 しい義務や、 注④ 規 定を法 律 におり込む ことが避け られた のは当然 であ っf. 事 実 、法に服する金設諸 企業 の範 囲 や、信 用 の指揮 監督 諸 機 関の構 成、あ るいは様能について詳細 に規 定されてい. るだけ で日常業務活 動に 関する技術 的規 定ー新 法の銀行 統制委員 会 の保有 する、前 述した 如き基本 的な業 務諸規 定ー. に つい ては、ほとんど触れ られ てはい ない のであ。. ち なみに 、指揮 機関たる銀行 常設 委貝会 は如何 なる機能を果 すべきも のと して規 定されたかとい うに次 の如く であ る。. 旧法 33条)目的をも つのであるが 、 全般に亘 る決 定は、「 信用技術を規 定 し」 、 「金融諸 職業 の組織 を完 成する」 ( その. 為に決定すべ き具 体 的内容は、協 定、銀行 経営 の諸 条件 の規 制、共同 サービス の設置、流勤 性に 関する諸 規 定、人員. 旧法33) の養 成、競 争の取締規 則、な のであ る。 (. ここから、四 一年諸 法 の意図 は、信用統制 に存 するのではなく、む しろ、主として、銀行業 の協同化^ 組織 化、銀. 行 経営 の合 理化 の促進 にあ ったと観 てよいであろう。. 必要時には、協 同組織 を介 して、金融諸 企業 の協 力を得、信用統制を行 わ んとの立場であ った のであ る。現 に、 四 注⑤ 年 諸 法 の制 定時 に、政府 はこの立場 を表明 しているのであ る。これが、指揮根 関は協 同的性格を有 し、 自主規 制 自 一, 主協 定 の場 と なり、公権 は事後 統制を原則と していた所以 で あ る。. ー·. - 74.
(25) 他方、 一九四 五 年、解放後 の経粕可建 に際 して は経済の計 面 が緊急 に嬰 情され、 経済諸活 動は統 一的指揮の下 に行. われねばならなかっ た。 その為 には、就 中 、金 融 制度 は国家の胴接統 制 下に服さねば ならぬ の であ る。. 全般 的な経済計 面 の下 では、恐慌を主 た る契機 として登瘍 した如 き銀行 経営 休の統 制、 あ るいは、再割引率 操作 に. よ る、中央銀行 の業 務を通 じて行われ る 律的調整 に よっ て景的なる信 用統制を行 う と いう ことでは、 この経済 計画. の遂行 は保間さ れ な い。 慨的統 制にお いても 、法的規 制 が行 われ、 さらに、 貸 出 し•投資 に対す る事前認 可の如 き 注⑥ 直 接 的 規 制 等 、 いわゆ る質 的統 制が行 われねばならな い。. 銀行 制度 を経済 諸活動の謂整巽素 として利用 す るだけ では不充分 であり、租極 的に、資金 面にお いて、推進要素 に. しなけ れば なら な いのである。 これが ためには、銀行 統 制だけ ではなく、信用統 制も 、その方式 はとも かく 法的規 制. に基 づき、集 中 的であ ると同時に、絶 対的 のも のであり、さらに持続的 であ らね ば なら な いであろう。約言 すれば 、 経院 の計面化 は、信用 の計画化 を必然 なら しめ るの であ る。. ここに お いて、行 政体的性格の集中管 狸統制 が結果 し、その秤狸統 制の方 法は、銀行 制度 の統 制よりも 、日常 業 務. J. 活動をも規 制す る信用 の統 制に重点 がおかれ、 これが制度化さ れ るに 至るの であ る。これらが四五年諸 法の銀行 信用. 統制の性格 となっ て具 現 して いるものと考え られ る。 事実 、四一年 法 は、「O r ga nisa ti ondepr o fe s sionbancair e. と称されたに 対して、四五年 汰の クイ トル は 「O rganis red i t」 で あ る。 at iond n c. ー. ,p. 参照 注1、Dup o t.C'.l n p.c i t. 7 2 ,pp. t. 注2、 D up ot n. op.ci 7 28 2参照 ,p.9 . 注3、 D upon t.op.cit 2. - 75 -.
(26) ,p.29 .ci . 注 4、Dupont t .op ー. ,pp .2 . .ci 3 8 22 8 t son.op l Wi ,op.ci ,p.3 . .注 5、Dupont 5 t. 注 6、四五年諸法では、質的統制 の様式は明記されていないがその意図は明臼なのである。. 例えば、十三条信用審謡会 の諮間、勧告機能を規定した条文には、次 の如きがある。 、、、、、、、 、、、、 直接的な国家の金融授助ー株式投資補助金交付、財政援助‘間接的な国家 の干渉ー企業成績の保障、融資忍可通告書発行に. - 76 -. 注、 これによ って特定産業あるいは企業に、 銀行貸付を受けさせ、 政府がこれを保障するのであ 関して諮問を受ける。(. る) 、、、、、、、、、 、、、、 指令省」に対する勧告を行う。他 復輿 ・近代化 ・輸出入諸計画融疫のため咲本供与の優先順立。信用配分 に関する全ての 「. 方現に、戦後行われた信用統制は灯付の事前認可制度、融資対象の優先 リストの作成。複数公定歩合制度の適用等質的統制. ,pp.3 ,pp ,op .2 .W i . . .ci 7 63 9 2参四応 t 9 8 3 0 0 が行われたのである。( Dupont t son,op.ci. 六、 結. 堀‘ 又 、信 用供 与 に対 す る巨 大 銀 行 の専 横 に反 対 す る立 場 が、 社 会 主 義 的 諸 グ ループ の銀 行 改 革 の主 張 と あ いま って、. 他方、 フラ ン スの銀 行分 野 では特 に、 巨 大 銀 行 の集 中 がす で に顕 著 で あ って、 これ が国家 主 権 を侵害 す る と いう立 .. 家 保 謹 目 的 の下 に規 定 さ れ た ので あ った。. 初 め て若 千 の経 営 統 制 を受 け る に至 ウた のみ で あ る。金 融 恐 慌 経 済 ・恐 慌 を契 機 と し て、 よ り よ い銀 行 経 営 が、 貯 蓄. 第 二次 大 戦 ま で は、 フラ ン スの銀 行 諸 企 業 は、 ほ と んど完 全 な る自 由 主義 を順 守 し てお った 。一九 三 0 年 にお いて、. び.
(27) 震 々、全般統制 ・規 制を提唱 して来ていた。 一九三七 年の プ ルネー 委員会 の審答 した銀行統制方 式は かかる動きが集. 約 さ れ たものであった。し かし乍ら、フランス の当時 の経済社会 において、 がかる統制方 式が要求さ れ るその直接的. 9. 塞盤 は存 しなく 、専ら、社会 主義政府の社会 経済の構造改 革という政治的意図 の 一喋 として登場したものにすぎ な か. っだ. 一九 四 一年諸 法 も 、 銀行制度それ自体 を直 接 の対象 とせ る改造 ではなく 、「工業の 臨時組織 法」 に附随 して制度化さ. れた ものである。ド イ ツと の交戦 停 止の直後施 行されたこの法律 はヴィシィ政府によったのであるが 、その政府 の 意. , 図 ば、全般商 工業分野の経済回復のために要 する銀行の信用供与 を、必要に応じて容易 にす ることであった。その 大 ‘ め の命令系統 を組織 したのである。. 制定された管 理諸根 関により、信用統 制 、配 分政策を行わしめんとしたものではなく、政府の政策の伝 達履 行 の経. 路と し て 銀行制 度の指揮槻 関及 ひ職業 組合を制度化し 、監督 、統制 の面だけを行政体 的性 格の統 制委員会 に委ねたわ け である。. 銀 行制 度自体の協同 に よる自 主調整を期待 し、 必要時に のみ干 渉 するという理念 に基づいていたのである。. , し から ば、 ー一 九四五 年諸法による統 制強 化は如何なる理由 によってであろう か。. 四 一年諸法成 立時と同 様の経済回復 . '再建 という要因によってである。 但 し 、そのニュア ンス は異っているとみ. なければならぬ 。旧法が臨時 応急法 であり、 経済活動の臨時統 制に依 ると すれば、 四五 年諸法は経済の計 画 化に よる. の である。それが ため に、経済計 画 を推進 してゆく信用政策を 必要と する。信用 の計 画 化が要求さ れ る。 これが集 中 ‘ 的 強制的 なる信用の管 理統制 を必然ならしめたと考 えられる‘。.. - 77 -.
(28) 統 制強 化 の要因は明らかになった として 、 「四五 年諸法 におけ る管理統制様 式 の如 きが何故制度 化されるに至 っ た か」 という問題が残 るのであ る。. 経済 の計画 化 のため の信用統 制なら ば、中 央 銀行を介 したる強 力な法 的干渉 で以 って行 われ得るであろう。そ の方. が信方統 制 は強 力且 つ集 中的となろう。現 に、経済計画化を企画 した解放 後 のド ゴー ル政府はこの方 式を採 ら んとし. た のである。. それ なのに 、何 故信用管 理統 制に極 端な分権 制度方 式が制定されたのであろうか。それには、今 ―つ別 の要因が作. 用して いる とみなけ ればなら ぬ。. 銀 行及 ひ信用の統 制と同時に、 フランス 銀行 及ひ四大預 金銀行 の公営 化も 制定されたことでも明らかであ るが、四. 五 年諸法 の管 理統 制方 式は、 経済社 会 化を標傍し て来た社 会主義集団 の要求 が容認された結果である。管 理統 制方 式. に は大 き く政治的要因が作 用 して いる のである。 アン チ・ エタ テ ィザシ ョン が受 け 入れられて、フランス 銀行へ の集. 中化が排除 されて、分権制度 が成立 し、他方 分権化された諸機関 も、国家 ・利用者 ・労働 者 の三部 制に よる構 成を原. 則 とするに至り、私 的銀行 は大きく排除 された のである。. かくして四五 年諸法が社 会 主義理念 に基 づく「構造改革」 の 一康 として 成立したという面を盾過 することは出来な. い 。そこに政治的要因 を見出 すことが出 来 るのである。. では、 「四五 年諸法 の成立要因 は一体何処 に求め るべきか」、ということになろう。. ,wi pont 経済的と政 治的の二要因に分れて いるようである。例 え ば、前 者は D u l s on後 者は 炉 nso y の立場 であ. る 。し かし、二者択 一のも のではあって は なら ないであろう。何よりも、 信用管理統 制の強 化集 中化 の要因 と、それ. - 78 -.
(29) が ため の諸方式 の成立要因 は区別 され ていなければならな いからである。. '. 前者 は経済計画 化が必然に要求 したものであり、後者 の フランス 特有 の管 理統制制度 は社 会主義勢 力 の政治圧力 の故 に結果 したものと見倣すぺき である。. しからば、さらに かかる政治的圧 力 の結 果成立 した管 理統制方式 は社 会主義諸集 団 の理念 した、銀行制度 及び 「信 用 の社 会化」 を達 成した か、あ るいは、 その方向に 行くものであろう か。. 実 は、 そ のよう な社 会化要求 があった が故に 、 それだ け逆 に、銀行制度 の私 的利 害を より 容易 に排除 ●得、 フラン. ス銀 行 の地位 が 急激 に高まってしまった のであ る。銀行及び信用 の統制 は全てこ の中央 銀行に 、実務 を介 して で はな. く、それ迄与 えられな かった法的強制力によって集 中される に至 った のであ る。先 にみた通りである。. 従 って構造 改革 の一 環と して、 社会化 ・公営 化 の方 向を企図された諸方式 は、 逆 に中央銀行を媒 体と した‘ 信用及び. 銀行制 度 の国家 化を 容易 なら しめた のであるといえよう。. - 79 -.
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