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t t スモン患者検診データベースの追加・更新と解析

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Academic year: 2021

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A. 研究目的

全国のスモン患者を対象として、 毎年、 スモン患者 検診が実施されている。 スモン患者の現状と動向を正 確に把握する上で、 スモン患者検診データを適切な形 で整備・保管するとともに、 有効に活用することが重 要である。 これまで、 スモン患者検診データベースに ついて、 新しい年度のデータを追加して更新するとと もに、 その解析を検討してきた。

本年度は、 1977〜2018 年度のスモン患者検診データ ベースに 2019 年度データを追加して更新するととも に、 同データベースの解析として、 スモン患者検診の 受診継続の関連要因を検討した。

B. 研究方法

1 ) データベースの追加・更新

1977〜2018 年度のスモン患者検診データベースにお いて、 患者番号に基づいて 2019 年度の検診データを 個人単位にリンケージして追加・更新した。 検診デー タの内容としては、 「スモン現状調査個人票」 のすべ ての項目 (介護関連項目を含む) とした。 なお、 年度 内の複数回受診では 1 回の受診結果のみをデータベー

スに含めた。 データ解析・発表へ同意しなかった受診 者では、 受診したことのみを記録し、 検診結果のすべ てを含めなかった。

スモン患者検診の全受診者数と年度別受診者数につ いて、 それぞれ、 スモン調査研究協議会による第 1 回 と第 2 回の全国調査の患者数 (9,249 人、 1972 年) と の比、 年度別の健康管理手当受給者数との比 (受診率) を算定した。

2 ) データベースの解析

基礎資料として、 スモン患者検診データベースを用 いた。 解析対象者としては、 スモン患者検診を 2011〜

2013 年度に 1 回以上受診、 かつ、 2014〜2016 年度に 1 回以上受診した 713 人とした。 受診継続の有無として は 、 集 団 検 診 ま た は 訪 問 検 診 を 2017〜2019 年 度 に 1 回以上の受診とそれ以外 (すべて未受診) の別とした。

集団検診の受診継続の有無は、 集団検診を同期間に 1 回以上の受診とそれ以外の別とした。 訪問検診の受診 継続の有無は、 訪問検診を同期間に 1 回以上の受診か つ集団検診の受診なしとそれ以外の別とした。 関連要 因として、 地域ブロック、 性別、 年齢、 Barthel index、

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スモン患者検診データベースの追加・更新と解析

―2019 年度データの追加と検診受診継続の関連要因―

橋本 修二 (藤田医科大学) 川戸美由紀 (藤田医科大学) 亀井 哲也 (藤田医科大学) 世古 留美 (藤田医科大学)

久留 聡 (国立病院機構鈴鹿病院)

研究要旨

スモン患者検診データベースについて、 2019 年度の検診データを追加・更新し、 1977〜

2019 年度で延べ人数 33,194 人と実人数 3,868 人となった。 同データベースの解析として、 ス モン患者検診の受診継続の関連要因を検討した。 受診継続割合は年齢と Barthel index など の状況によって大きな差が生じたこと、 および、 その差に対して訪問検診が縮小方向に強く 影響したことが示唆された。

(2)

世帯構成を選んだ。 有意性検定にはカイ二乗検定を用 いた。

(倫理面への配慮)

スモン患者検診データベース (個人情報を含まない) と統計情報のみを用いるため、 個人情報保護に関係す る問題は生じない。 スモン患者検診データベースの解 析は藤田医科大学医学研究倫理審査委員会で承認を受 けた (承認日:令和 2 年 2 月 18 日)。

C. 研究結果

1 ) データベースの追加・更新

スモン患者検診の受診者数 (データ解析・発表へ同 意しなかった者を除く) は 2019 年度が 483 人であっ た 。 1977〜2019 年 度 の デ ー タ ベ ー ス 全 体 は 延 べ 人 数 33,194 人と実人数 3,868 人、 1988〜2019 年度データベー ス (個人単位の縦断的解析が可能) は延べ人数 29,211 人と実人数 3,448 人であった。

図 1に、 スモン患者検診の受診者における 1970 年 時点の年齢分布を示す。 スモン調査研究協議会による 全国調査の患者数 (9,249 人、 1972 年) と比べると、

スモン患者検診データベースの全受診者数は全年齢で は 42%、 0〜59 歳では 53%であった。

図 2に、 年度別、 スモン患者検診の受診者数と受診 率を示す。 年度とともに、 受診者数の減少に対して、

受 診 率 は 1990 年 度 の 27% か ら ほ ぼ 単 調 に 上 昇 し 、 2019 年度が 43%であった。

2 ) データベースの解析

表 1に、 関連要因別、 スモン患者検診の受診継続状 況を示す。 受診継続割合は検診全体が 73%であり、

集団検診が 56%と訪問検診が 18%であった。 地域ブ ロ ッ ク 別 の 受 診 継 続 割 合 に み る と 、 検 診 全 体 が 71〜

80%と大きな差がなく、 有意でなかった。 訪問検診の それは地域ブロックでやや異なった。

性別と年齢別の受診継続割合をみると、 検診全体が 男性 71%と女性 75%と大きな差がなかった。 訪問検 診のそれが女性で男性よりも大きい傾向であった。 年 齢とともに、 検診全体が 64 歳以下の 93%から 90 歳以 上 の 56% ま で 単 調 に 低 下 し 、 こ の 傾 向 は 有 意 で あ っ た。 年齢とともに、 集団検診が低下、 訪問検診が上昇

と逆の傾向であり、 いずれの傾向も有意であった。

Barthel index と 世 帯 構 成 別 の 受 診 継 続 割 合 を み る と、 検診全体が Barthel index により 0〜39 の 49%か ら 85〜の 81%まで単調に上昇し、 この傾向は有意で あった。 Barthel index とともに、 集団検診が上昇、

訪問検診が低下と逆の傾向であり、 いずれの傾向も有 意であった。 検診全体が世帯構成の一人暮らしで 72

%、 夫婦のみで 78%、 その他で 72%と大きな差がな く、 有意でなかった。 一人暮らしは夫婦のみとその他 と比べて、 集団検診のそれが低い傾向、 逆に訪問検診 のそれが高い傾向であり、 集団検診の傾向が有意であっ た。

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図 1 スモン患者検診の受診者における年齢分布 (1970 年)

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図 2 年度別、 スモン患者検診の受診者数と受診率

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D. 考察

スモン患者検診データベースの追加・更新として、

ス モ ン 患 者 検 診 の 2019 年 度 デ ー タ を 追 加 し 、 1977〜

2019 年 度 を デ ー タ リ ン ケ ー ジ し た 。 1988〜2019 年 度 (32 年間) では、 検診項目が同一であり、 スモン患者 における検診結果の経年変化を個人単位に解析するこ とが可能である。 今後ともデータベースの維持管理・

拡充とその活用を進めることが重要と考えられる。

スモン患者検診を 1 回でも受診したスモン患者は、

スモン調査研究協議会の第 1 回と第 2 回の全国調査の 患者数と比較すると、 42% (1970 年時点の 0〜59 歳で 53%) に相当した。 この全国調査がスモン患者をすべ て把握しているわけでないが、 スモン患者の多くがス モン患者検診を受診したとみてよい。 また、 スモン患 者検診の受診者数は年度とともに減少しているものの、

受診率 (受診者数/健康管理手当受給者数) は上昇傾 向で、 2019 年度で 43%であった。 健康管理手当受給 者数は厳密にはスモン患者検診の対象者数と同一でな

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表 1 関連要因別、 スモン患者検診の受診継続状況

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いものの、 おおよそ対応していると考えられる。 した が っ て 、 ス モ ン 患 者 検 診 結 果 に よ っ て 、 1988 年 度 以 降のスモン患者全体の病状とその変化をある程度把握 でき、 また、 最近にはその把握がより向上していると 考えられる。

スモン患者検診データベースの解析として、 スモン 患者検診の受診継続の関連要因を検討した。 本解析で は 、 ス モ ン 患 者 検 診 を 2011〜2013 年 度 に 1 回 以 上 受 診、 かつ、 2014〜2016 年度に 1 回以上受診の継続的な 受診者を対象とし、 また、 集団検診または訪問検診を 2017〜2019 年度に 1 回以上受診を受診継続と定めた。

都 道 府 県 に よ っ て は 、 2〜3 年 で 地 域 全 体 を カ バ ー し ているためである。 受診継続割合は検診全体が 73%、

集団検診が 56%と訪問検診が 18%であった。 地域ブ ロックによって、 検診全体の受診継続割合に大きな差 がなく、 一方、 訪問検診でやや異なった。 最近、 訪問 検診は全国的に拡充されつつあり、 全国と地域ブロッ クでの検診全体の受診継続に大きく影響していること が確認された。

検診全体と集団検診の受診継続において、 高い年齢 と低い Barthel index がその低下に強く関連していた。

よく知られている通り、 身体機能の低下が集団検診の 受診に大きな障害となるためと考えられる。 一方、 訪 問 検 診 の そ れ に お い て 、 高 い 年 齢 と 低 い Barthel in- dex がその上昇と強く関連していた。 これは、 訪問検 診が身体機能の低下者への対応として実施されている ためと考えられる。 本解析の検診受診継続では、 スモ ン患者の死亡に伴う未受診が影響している。 とくに、

80 歳 以 上 の 高 年 齢 で は こ の 影 響 が か な り あ る と 考 え られる。 また、 世帯構成が一人暮らしでは、 夫婦のみ とその他と比べて、 受診継続割合は検診全体で大きな 差がなく、 一方、 集団検診で低く、 訪問検診で高かっ た。 これより、 集団検診の受診継続にはスモン患者の 身体状況とともに、 家族の補助者の存在が強く影響す ること、 および、 訪問検診がスモン患者の身体状況と 補助者の存在の影響を緩和することが示唆された。

E. 結論

スモン患者検診データベースに 2019 年度の検診デー タを追加・更新した。 同データベースの解析から、 ス モン患者検診の受診継続割合は年齢と Barthel index などの状況によって大きな差が生じたこと、 および、

その差に対して訪問検診が縮小方向に強く影響したこ とが示唆された。

G. 研究発表 1 . 論文発表

なし 2 . 学会発表

1 ) 亀井哲也, 世古留美, 川戸美由紀, 橋本修二. ス モン患者検診データベースに基づく検討 第 1 報 受 診率の推移. 日本公衆衛生雑誌, 67 (特別付録):

410, 2020.

2 ) 世古留美, 亀井哲也, 川戸美由紀, 橋本修二. ス モン患者検診データベースに基づく検討 第 2 報 視 力・歩行状況の推移. 日本公衆衛生雑誌, 67 (特別 付録):410, 2020.

3 ) 世古留美, 亀井哲也, 川戸美由紀, 橋本修二. ス モン患者検診と医療費公費負担の利用状況. 藤田学 園医学会誌, 44 (suppl):44, 2020.

H. 知的財産権の出願・登録状況 なし

I. 文献

1 ) 久留 聡ほか. 令和元年度検診からみたスモン患 者の現況. 厚生労働行政推進調査事業費補助金 (難 治性疾患政策研究事業) スモンに関する調査研究班 令和元年度総括・分担研究報告書. pp. 27-50, 2020.

2 ) 橋本修二, 亀井哲也, 川戸美由紀, 世古留美, 久 留 聡. スモン患者検診データベースの追加・更新 と 解 析 ― 2018 年 度 の 追 加 , 受 診 状 況 の 分 析 と 医 療 受給者証の所持状況の観察―. 厚生労働行政推進調 査事業費補助金 (難治性疾患政策研究事業) スモン に関する調査研究班 令和元年度総括・分担研究報 告書. pp. 121-125, 2020.

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参照

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