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消費者像についての一考察(一)

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消費者像についての一考察(一)

著者 川和 功子

雑誌名 同志社法學

巻 63

号 3

ページ 1459‑1475

発行年 2011‑09‑30

権利 同志社法學會

URL http://doi.org/10.14988/pa.2017.0000013822

(2)

同志社法学 六三巻三号(    

川    和    功   

   )  ) 三  )  )  )  ) 四  ) 

四五九

(3)

(    同志社法学 六三巻三号

 ) 五 

 はじめに

 民法典における民法の﹁人﹂概念は、もともとは﹁ブルジョワジーを抽象化して作られ﹂ )1

、﹁個々のさまざまな身分関係や内面的特性、身体的特性、性差などをそぎ落とした﹂抽象的人格をその基礎とするものであるといわれる 2

。 さらに、従来の民法典における﹁﹃人﹄の暗黙的なデフォールト値﹂は、﹁経済合理人としての事業者﹂であり

)3

、民法典は﹁強く賢い人間﹂という人間像を想定してきたとされる 4

。このような人間像から、﹁人々の実質的な平等﹂が希求されるなか 5

、具体的な﹁等身大﹂の﹁多様性を前提とした実質的平等な市民﹂への転換がなされ 6

、労働者、借地・借家人、消費者、高齢者などを含むいわゆる社会的弱者に対する法制度的支援が増加しつつある 7

。 このように、民法典においての﹁強く賢い人間像﹂は消費者などの﹁弱く愚かな人間﹂を踏まえた修正がなされてきたとされる 8

。しかしながら他方で消費者保護基本法から、消費者基本法への展開の過程で﹁保護され得る消費者﹂から﹁自立した消費者﹂への消費者の位置づけの転換が図られてきたことについて、﹁消費者法の内部﹂から﹁強く賢い人間へ﹂という消費者像が再び奨励されているとし、これはパラドックスではないかとの指摘もなされる 9

。 現代社会において、消費者のおかれる状況に目を向けると、IT化、国際化、取引形態の多様化、流通商品の多種・多様化が進み、広告、宣伝など商品に関わる情報が商品の価値を形成する重要な要素となっており、契約当事者間では、 四六〇

(4)

同志社法学 六三巻三号(     いわゆる、情報格差が拡大する傾向にある。高齢者、若者など取引的弱者を特にターゲットとした事業者の巧妙な販売手法によるさまざまな取引も行われる ₁₀

。 人の消費者であっても状況によっては﹁弱い愚かな消費者﹂、﹁強く賢い消費者﹂というつの消費者像を併せもっており ₁₁

、若者、人暮らしの高齢者など、十分な理解や判断力をもたないで契約することがある者が存在する。さらに十分に情報提供を受けたとしても、消費者は常に合理的に行動するとは限らない。このように、﹁生身の人間﹂ ₁₂

としての消費者の特質を踏まえながら、﹁消費者と事業者の構造的格差に由来する消費者法の必要性﹂ ₁₃

、消費者と事業者との間で行われる取引における﹁自由かつ公正な市場の確保﹂、﹁安全な市場の確保 ₁₄

﹂といった様々な側面から消費者像の検討を含めた消費者の保護について考察する必要性が生じている。 本稿では消費者像について﹁合理的に十分な情報提供を受け、合理的に注意深く慎重な者﹂である﹁平均的消費者﹂に加えて、ある取引方法が特定の消費者集団に向けられている場合における当該集団の平均的構成員、さらに年齢、精神的もしくは肉体的な疾病が理由で被害を受けやすい消費者集団の平均的構成員についての規定を設けたEUにおける﹁〇〇五年事業者の消費者に対する不公正な取引方法に関するEC指令﹂(以下〇〇五年EC不公正取引方法指令) ₁₅

に関連する裁判例および議論、〇〇五年EC不公正取引方法指令が国内法規化された英国の﹁〇〇年不公正な取引方法からの消費者保護規則﹂(以下〇〇年英国不公正取引方法規則) ₁₆

の検討、ならびに英国における最近の法改正の状況における議論などを主な手掛かりとして消費者像につき考察を試みることを目的とする ₁₇

四六

(5)

(    同志社法学 六三巻三号

 日本の消費者法における消費者像

 () 消費者基本法と消費者契約法 消費者法の人的な適用範囲として、消費者契約法条項は、﹁﹃消費者﹄とは、個人(事業として又は事業のために契約の当事者となる場合におけるものを除く。)をいう﹂とし、同条項は、﹁﹃事業者﹄とは、法人その他の団体及び事業として又は事業のために契約の当事者となる場合における個人をいう﹂としている。本稿はこのような﹁人的適用範囲﹂ではなく、個々の法律が描いている消費者像について考察することを目的とする ₁₈

。 消費者法といった観点からは、市場メカニズム重視の社会の実現を目指し、規制緩和を中心とする構造改革が推進されているなか、政策の基本原則が事前規制から市場参加者が遵守すべき市場ルールの整備へと転換してきたこと、商品・サービスの多様化、消費者と事業者の間にある情報・交渉力の格差を背景に、消費者が事業者と締結する契約に係る紛争が多発していることに鑑み、消費者の権利の尊重及びその自立の支援に向けて、消費者基本法、消費者契約法などを中心にさまざまな法律が制定されてきた ₁₉

。 消費者基本法、消費者契約法は事業者に対し、﹁消費者に対し必要な情報を明確かつ平易に提供する﹂責務を課す方で ₂₀

、消費者に﹁自ら進んで、その消費生活に関して、必要な知識を修得し、及び必要な情報を収集する等自主的かつ合理的に行動するよう努め﹂る義務を課す ₂₁

。 消費者基本法、消費者契約法などから想定される消費者像は、市場に主体的に参加し、﹁自ら進んで、その消費生活に関して、必要な知識を修得し、及び必要な情報を収集する等自主的かつ合理的に行動﹂ ₂₂

し、﹁事業者から提供された情報を活用し、消費者の権利義務その他の消費者契約の内容について理解するよう努める﹂者が想定されてい 四六

(6)

同志社法学 六三巻三号(    ₂₃

。また、消費者庁が取りまとめた平成年度からの五年間を対象とする新たな消費者基本計画においても、﹁消費者の安全・安心の確保﹂とならんで﹁消費者の自主的かつ合理的な選択の機会の確保﹂などが主な課題として掲げられている ₂₄

。 これらの法律および方針等においては、消費者と事業者との間に、情報の質及び量並びに交渉力の格差が存在することは認識されつつも、﹁保護される消費者﹂という側面より、﹁自立した消費者﹂という側面がより強調されているように思われる。そして取引において利益を得ている事業者の必要な情報を提供する義務が規定されるのと同様に、消費者の知識修得・情報活用義務も規定されるという形式が採用されている ₂₅

。 この点に関連して、市場メカニズムを重視する構造改革は、事前規制による、政府の市場介入を少なくし、消費者と事業者の﹁自由で創造的な活動を通じて、市場メカニズムの自律的な機能﹂に問題の解決を委ねることから、﹁市場の当事者の自由な自己決定を最大限に保証する方、その結果に対しては自己責任を厳しく問うことになる﹂との指摘もなされる ₂₆

。 しかしながら、消費者は、()事業者と比較して般的に商品に対して十分な情報を持たず、持っていたとしても十分に評価できない、()事業者と比較して十分な交渉力を持たず、取引のコストが相対的に大きい、(三)消費者は常に合理的な行動をとるわけではなく、消費者の決定は状況の圧力を受けやすい、(四)自分自身で商品を使用するため、安全性の問題があれば、回復困難な損害を受けやすい特性を有することが指摘されている ₂₇

。 このような﹁弱者としての消費者観﹂に対しては、消費生活のなかで失敗から学んでいく﹁賢くなりうる自立した消費者観﹂を前提とし、市場での競争が機能している場合には、消費者は個別には弱い存在であるが、情報の非対称性を解消する政府の積極的な活動により、市場において事業者と対置して集団としての機能を十分に発揮させることができ

四六三

(7)

(    同志社法学 六三巻三号

るとする消費者像も主張される ₂₈

。 近年消費者を取巻く状況に目を向けると、IT化、国際化の進展によって消費者・事業者の情報力、交渉力の格差はますます拡大していくこと、金融商品の取引など専門性の高い取引が増加していること、悪徳業者による巧みな手口で消費者被害が増加していること、伝統的な合理的人間像の正当性やその限界が検討されつつあり、人間が合理的な行動をとるとは限らないことも考慮する必要が生じている ₂₉

ことなどが指摘されている。 消費者取引においては情報力・交渉力の格差があり、このような格差を是正するための情報提供は非常に重要であるが、情報提供がなされればそれだけで、消費者が的確な判断を下せるというわけではない。実際には情報の質の問題や、消費者が情報を処理する能力には限界があるなどの問題が存在する ₃₀

。また消費者を取引に誘導する目的でなされる事業者の説明は、取引に関する知識、情報に不足する消費者の不合理な意思決定につながるおそれがある ₃₁

。 もちろん、﹁不合理であるから直ちに法が支援せよ﹂といえるわけではなく、﹁自発的な学習等で対処すべき場合が多い﹂ものの、学習によって改善が不可能な場合、学習を待っていられない事態が存在する場合に、相手側の弱みに付け込まない取引のルールが必要である ₃₂

。また今後層、高齢者、若者、その他精神的または肉体的な疾病、貧困等により知識、経験、理解力、判断能力などの不足のため、被害を受けやすい状況にある消費者についての対応策について考慮する必要性も生じると思われる ₃₃

。 消費者は、﹁自己の生活を維持するために商品・サービスを購入している﹂、﹁生身の人間﹂である点で、営利を目的とする事業者とは全く異なっている ₃₄

。さらに、消費者は、生命、生活の維持のために最低限必要な商品・サービスを購入するだけではなく、生活のゆとり、趣味などの追及を含めて﹁健康で文化的な生活﹂のために商品・サービスを購入する場合もある。このように生活の質を向上させる目的のための商品・サービスの購入についても、事業者がゆとりや 四六四

(8)

同志社法学 六三巻三号(     趣味を大事にする消費者の意識につけこむ行為は問題視されるべきである ₃₅

。 消費者の類型に目を向けると、高齢者、若者、幼児、制限行為能力者であるため比較的多くの取引の場面において被害を受けやすい消費者の類型も存在すれば、病気などその時々の状況により、特定の取引の場面で特に被害を受けやすい消費者の類型も存在する ₃₆

。現在、高齢者や若者、知識、経験の乏しい者を﹁定の類型として保護する﹂ことが困難なため、﹁個別事情を考慮したうえでの保護﹂が認められるものの、対応が十分になされているとはいえない。状況の濫用法理による取消権や無効主張などを活用する可能性も模索されている ₃₇

。消費者と事業者の構造的格差が存在する状況において消費者の選択、決定の自由を支援し、かつ弱者を保護するための制度設計を踏まえたより適切な消費者保護法制の構築が求められる ₃₈

 () 消費者関連法の最近の動向 消費者関連法の最近の動向に目を向けると、〇〇年に特定商取引に関する法律と割賦販売法の改正が行われていることが注目される ₃₉

。従来、政令で定める指定商品、指定役務、指定権利だけを規制対象としてきたが、新しい商品やサービスについても適用可能なものにするため、特定商取引法と割賦販売法における信用購入あっせんの場合には、原則として全商品・全役務を規制対象とし、適用除外の取引を法律と政令で除外する制度が採用された ₄₀

。 さらに、高齢者をターゲットとした訪問販売による次々販売などの深刻な被害に対し、過量販売解除権を新設し ₄₁

、次々販売において現金で支払うことが困難な高齢者に対し、年金収入や持ち家を担保に与信し、個別クレジット契約を締結させる場合が多いことに対応するため、過量販売を理由とした個別信用購入あっせん取引の契約締結から年間は個別クレジット契約を解除できることとした ₄₂

。あわせて包括信用購入あっせんと個別信用購入あっせんの双方に与信にあたっての指定信

四六五

(9)

(    同志社法学 六三巻三号

用情報機関を利用した支払可能見込み額の調査義務と支払可能見込み額を超える契約の禁止についての規定が設けられた ₄₃

。 このように、高齢者等のある特定の消費者類型が相当程度受けている﹁次々販売﹂という特定の被害に対処する形で消費者関連法の改正が行われている ₄₄

。高齢者についていえば、自宅にいることが多く﹁健康﹂﹁孤独﹂﹁お金﹂の不安につけこむ悪質業者の実態が明らかにされている ₄₅

。国民生活センターの統計によれば、契約当事者が〇歳以上の高齢者からは、毎年〇万件を超える相談案件が存在し、相談内容を販売方法や手口別でみると﹁家庭への訪問﹂﹁電話勧誘販売﹂、﹁次々販売﹂が上位三位を占める状況である ₄₆

。このことから、高齢者の保護のため、訪問販売の制限、クーリング・オフに代えて最初の説明から週間ないしは週間は契約を締結できない規制等が効果的な方法であるとする指摘もなされている ₄₇

。 若者の被害については、最近の傾向として、﹁情報・通信関連﹂が多いことが指摘されている ₄₈

。情報関連でのトラブルが多い原因として、未成年者がこれらの機器を利用する機会が多いことと、契約、プラン変更、付加サービスの追加・廃止、機種変更、解約などについて親権者の同意を得る手続きが容易であること等があげられている ₄₉

。 これらのトラブルに関しては法定代理人の携帯電話を契約する際の親権者の同意がその基本契約を元にして締結される別個の契約に対する同意を含むのかという問題、さらに、未成年者による取消権を行使することができない﹁詐術﹂の範囲の問題について考慮する必要がある。後者の問題については、積極的術策を用いた場合に限らず、﹁ふつうに人を欺くに足りる言動を用いて相手方の誤信を誘起し、または誤信を強めた場合﹂でも詐術に該当する ₅₀

、あるいは法定代理人の同意を得たことについてを誤信させるために詐術を用いた場合 ₅₁

にも取消権を行使することができないとするのか、それとも、従来の詐術についての裁判例は浪費を理由とする準禁治産者に関するものであることに鑑み、成年被後 四六六

(10)

同志社法学 六三巻三号(     見人や未成年者などの﹁保護の必要性が高い制限行為能力者の﹃詐術﹄の認定﹂はより慎重になされるべきかについて考慮する必要があることが指摘されている ₅₂

。 ﹁次々販売﹂に関していえば、客観的な﹁取引の量﹂に着目し、高齢者などを含む、判断能力等が低下し、クーリング・オフや取り消し制度を有効に活用することが困難な消費者の被害に個別的に対処する形で法が改正されている ₅₃

。しかしながら、知識、経験、理解力、判断能力等が不足している者に向けてのより全般的な対策は、十分になされているとはいえない状況である。そこで、﹁合理的に十分な情報提供を受け、合理的に注意深く慎重な者﹂である﹁平均的消費者﹂に加えて、ある取引方法が特定の消費者集団に向けられている場合における当該特定集団の平均的構成員および高齢者、若者、精神的もしくは肉体的な疾病が理由で被害を受けやすい消費者集団の平均的構成員についての規定を設けたEUにおける〇〇五年EC不公正取引方法指令および〇〇五年EC不公正取引方法指令が国内法規化された〇〇年英国不公正取引方法規則における消費者像を巡る裁判例、議論などを紹介する。これらの裁判例、議論などを手がかりに多層化された消費者類型が消費者像および消費者法制にどのような影響を与え得るのかについて若干の検討を加えたい。

三 EUにおける動向

 () 〇〇五年EC不公正取引方法指令 指令の施行に先立ち公表された〇〇年の﹁EU消費者保護に関するグリーンペーパー(〇〇年グリーンペーパー) ₅₄

﹂においては、国境を越えた(

cr os s-b or de r

)物品、役務取引の存在が、消費者のより有利な取引を探求する要

四六

(11)

(    同志社法学 六三巻三号

求へとつながり、これが国内市場における競争圧力となって、効率的で競争力のある物品、役務の供給につながるとの理解が示されている。このようなサイクルを達成するためには、国境を越えた取引が奨励される必要があり、事業者と消費者間における取引方法について加盟国ごとに異なった法律があることは、国境を越えた取引を妨げる要因になるとの指摘がなされている ₅₅

。 〇〇年グリーンペーパーは、広告および契約締結前、契約締結時、契約締結以降の事業者と消費者間の関係における実務を巡り、公正な取引方法について消費者および事業者が加盟国の規制が異なることで直面する障壁を解決するために、いかなるハーモナイゼーションが必要であるかどうかについて検討している。 ハーモナイゼーションのためには特定分野における指令を作成する特定アプローチ(

sp ec ifi c ap pr oa ch

₅₆

が望ましいのか、それとも包括的な(

co m pr eh en siv e

)、技術中立的な(

te ch no lo gy -n eu tr al

)、事業者、消費者間の取引方法について加盟国の公正ルールを調和させる枠組みとしてのEU指令(

fra m ew or k dir ec tiv e

)を作成する混合アプローチ(

m ix ed a pp ro ac h

₅₇

が望ましいのかの問題提起がなされている。特定アプローチについては、問題点として加盟国がその方針を変更する明確なコミットメントが必要になること、さらに消費者保護のための指令の多くのものについて新しい市場の発展または規制の要件が時代遅れになることによる改正が必要になることがデメリットとして指摘され、混合アプローチについては詳細な消費者保護規制の必要性を減らすことがメリットであるとされる ₅₈

。 このペーパーを含めた連の文書を受け、〇〇五年EC不公正取引方法指令 ₅₉

は、指令の保護レベルのマキシマム・ハーモナイゼーション(完全平準化)を採用し、不公正な取引方法を禁止する般条項、特に問題視される誤認惹起的取引方法(

m isl ea din g co m m er cia l p ra ct ic es

)、および攻撃的取引方法(

ag gr es siv e co m m er cia l p ra ct ic es

)、ならびに不公正条項のブラックリストを列挙するという構成をとる ₆₀

四六

(12)

同志社法学 六三巻三号(      〇〇五年EC不公正取引方法指令五条項は不公正な取引方法は禁止されると規定する ₆₁

。五条項は、取引方法は、職業上要求される注意を怠る場合、かつ、製品が提供される、もしくは製品が向けられている﹁平均的消費者﹂、またはある取引方法が特定の消費者集団に向けられている場合においては、当該特定集団の平均的構成員の、経済的行動を著しく歪め、もしくは歪めるおそれがある場合に不公正であるとされる ₆₂

。五条四項は、誤認惹起的取引方法、または攻撃的取引方法について特に不公正であるとして規定する。 五条三項は、精神的もしくは肉体的な疾病、または年齢、信じやすい等の理由から、取引方法または対象製品から特に被害を受けやすい、明確に区別できる消費者集団の、経済的行動が著しく歪められるおそれがあることを事業者が合理的に予見できる場合には、取引方法については、その集団の平均的な構成員の観点から判断されるとする。ただし、強調された声明または文字通りに受け取られることを意図していない声明を行うという、共通かつ正当な広告実務に関しては不利益は与えないとする。 〇〇五年EC不公正取引方法指令前文段によると、ある取引行為が不公正か否かの判断をする際には﹁平均的消費者﹂が基準となるとされる。﹁平均的消費者﹂とは、﹁合理的に十分な情報提供を受け、合理的に注意深く慎重な者﹂をいうが、﹁社会的、文化的、および言語的な要素も考慮に入れる﹂必要があるとされる ₆₃

。さらに、不公正取引方法から特に被害を受けやすい消費者の搾取を防ぐことも必要であることから、ある取引方法が子供など特定の集団に向けられている場合には、その取引方法の影響は当該特定の集団の平均的構成員の観点から評価されるべきであるとする ₆₄

。 前文九段は、﹁年齢、身体的もしくは精神的な疾病、または信じやすい性質のため、消費者が、ある取引方法または対象商品に関して、特に被害を受けやすい場合、かつ、当該消費者のみの経済的行動が、その方法によって歪められる恐れがあることを事業者が合理的に予測できる場合﹂には、﹁当該集団の平均的構成員の観点からその方法を判断す

四六九

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(    同志社法学 六三巻三号

ることによって、当該消費者が十分に保護されることを保証することが適切である﹂とする。ここで留意すべきは、﹁平均的消費者﹂が﹁合理的に十分な情報提供を受け、合理的に注意深く慎重な者﹂であるということは、前文には使用されているものの、条文の中では使用されていない点である。加盟国が消費者についてこのレベルを要求することを躊躇したため、条文においては﹁平均的消費者﹂のみの記載でとどめることにしたとされる ₆₅

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2011, http://www.kokusen.go.jp/soudan_now/koureisya.htmllast visited, June30, 2011. http://www.kokusen.go.jp/jirei/j-top_wakamono.htmllast visited, June30, 2011.

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(14)

同志社法学 六三巻三号(    

12)。)  13) )。

14)。)  15 CUg inrnceon05fa20ay M11f onir nmciaermom CersuBonCo-s-tessinuciloul /hf t oC/E2905E20e ivctireDe uCt ae hf t odnenromliaar Pneap)  Practices in the Internal Market ‘Unfair Commercial Practices Directive’, 2005/29/EC, 2005 O. J. L. 149/22.

16T08g Regulations20, Sra. I. No 1277.din Thero Consumer Ptection from Unfair) 

17er―e consumeragav) 

18) 

3011. 20, 19nem0720koodbJup/ho.j.gersu02on.cww://wttp, h07200720/an/-d, teisi v20lal.tm.h1st1ok-07handbo-ch2-s2﹂() 

20) 、消

21) 

22) 

23) 

24nnla/100330keikaku.pdf.stg/p visited, June30, 2011.dfin10w20, httpw://w.caa.go.jp/pla) ﹂( 25) 

参照

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