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グローバル時代における我が国の大学の展望 −日本

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(1)

グローバル時代における我が国の大学の展望

−日本・米国・欧州の留学生政策の比較−

髙 良   要 多

概要

 グローバル化が進む社会において、わが国の 高等教育業界も善し悪しに関わらず、その影響 を確実に受けている。グローバル化に対応すべ く、我が国においては高等教育の国際化を目的 とし、「留学生

30

万人計画」や「グローバル

30」といった留学生政策が施行されているが、

果たしてこれらが適切な政策であるかは定かで ない。本稿では、留学生

30

万人計画とグロー バル

30

の策定に至るまでの経緯と現状を検証 し、その特徴を明らかにすると共に、米国の留 学生政策であるフルブライト・プログラム、ア ブラハム・リンカーン留学委員会や、欧州の高 等教育政策であるエラスムス計画、ボローニャ

プロセスの目的および特徴を明らかにし、我が 国の留学生政策と比較する。比較により、我が 国の政策の問題点を明らかにし、このグローバ ル時代に適した政策の在り方を考察する。

1.はじめに

 2008年に日本政府は大学の教育研究の国際 競争力を高め、グローバル化に対応する戦略展 開の一環として「留学生

30

万人計画」骨子を 発表した。日本の高等教育機関に在籍する留学 生数約

12

万人を、2020年を目途に、倍以上の 数値である

30

万人に増加させる目標を掲げた 計画の発表は、高等教育に携わる関係者に波紋 を投げかけた。 単純に学生数だけを考えてみ ても、在籍する留学生数が2倍以上になること は、それに関わる支援体制、すなわち学生寮の 充実、生活支援体制、教学支援体制、奨学金制

度等の充実を図らなければならず、少子化によ る大学経営冬の時代においては経営を圧迫する ものになると容易に予想することができる。留 学生の受け入れには様々な事柄を考慮しなけれ ばならない。実際に留学生

30

万人計画は、教 育を管轄する文部科学省だけでなく、外務省、

法務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省 を含めた6省の連名により提起されており、留 学生の受け入れが単に高等教育機関のみが担う 役割でないことが考慮されている。しかしなが らこれまでの留学生受入れの経緯、また現状を 考慮すると、やはり今の留学生数の倍以上であ る

30

万人を受入れる本計画の実現性は非常に 厳しいものであると考える。留学生政策に取り 組むには、国内にある問題を解決するだけでな く、グローバル社会に対応し、国際競争力を向 上させる方策を講じなければならない。そのた めには国内の問題を分析するだけではなく、グ ローバルな視点からも分析しなければならな い。本稿では、我が国の留学生政策をより多角 的に検証するために、国内の視点から検証する だけでなく、海外の留学生政策の事例からも検 証する。

2.我が国の留学生政策

2. 1 留学生 30 万人計画に至る経緯

2. 1. 1 留学生受入れ 10 万人計画

 1983年(昭和

58

年)当時、約1万人程度で あった留学生数を、21世紀初頭を目途に

10

万 人にまで増加させることを目標とした「21世

(2)

紀への留学生政策に関する提言」、通称「留学 生受入れ

10

万人計画」(以下「10万人計画」)

が、当時の内閣(第1次中曽根内閣)によって 打ち出された。この

10

万人計画が策定された 背景には、当時日本における留学生数が他の先 進諸国に比べ際立って少なかったことがあげら れる。1982年当時、米国は

31

万2千人、英国 は5万3千人、ドイツ(西ドイツ)は5万7千 人、フランスは

11

万9千人の留学生を受け入 れており、約8千人に留まっていた日本の留学 生数と比較すると、他の先進諸国の受入れ数は 大きく異なっていた(寺倉

2009:29)。また留

学生交流が日本と諸外国との相互理解の促進や 教育、研究水準の向上、開発途上国の人材育成 等に資するものであり、重要な国策の一つであ ると政府によって認識されてきたことや、当時、

日本と各国との経済摩擦の激化から、対日批判 が高まっていたため、経済界を中心に、人的交 流の必要性に対する認識が高まっていたことも 背景にあったと考えられる(寺倉

2009:29)。

そして日本政府は当時

11

万9千人の留学生を 受け入れていたフランスをモデル国とし、10

万人という数値目標を定めた。

 図1が示すように、留学生数は

1994

年まで 順調に伸び、以降4年間やや停滞の時期がある が、1998年から再度留学生数は増加し、つい に

2003

年(平成

15

年)に留学生数が

109,508

人となり、その数値目標は達成される。しかし ながら、留学生の受入れ増加が、果たして我が 国と諸外国の相互理解の促進や、教育・研究水 準の向上、開発途上国の人材育成等に貢献した のかは、疑問を抱く者も少なくない。茂住によ れば、10万人という量的な達成は、入国管理 政策の規制緩和と中国や韓国等のアジア諸国の 経済的状況によるところが大きく、日本が「ア ルバイトをしながら勉強できる国」として認識 され、それが経済格差のある周辺の国々から留 学生の増加を牽引してきたと指摘している(茂 住

2009:43)。

2. 1. 2  中央教育審議会「新たな留学生政 策の展開について」

 2003年

12

月に文部科学省の中央教育審議会

- 4 -

ものであり、重要な国策の一つであると政府によって認識されてきたことや、当時、日本 と各国との経済摩擦の激化から、対日批判が高まっていたため、経済界を中心に、人的交 流の必要性に対する認識が高まっていたことも背景にあったと考えられる(寺倉 2009 : 29 )。そして日本政府は当時 11 万 9 千人の留学生を受け入れていたフランスをモデル国と し、10 万人という数値目標を定めた。

図 1 が示すように、留学生数は 1994 年まで順調に伸び、以降 4 年間やや停滞の時期が あるが、1999 年から再度留学生数は増加し、ついに 2003 年(平成 15 年)に留学生数が

109,508 人となり、その数値目標は達成される。しかしながら、留学生の受入れ増加が、

果たして我が国と諸外国の相互理解の促進や、教育・研究水準の向上、開発途上国の人材 育成等に貢献したのかは、疑問を抱く者も少なくない。茂住によれば、 10 万人という量的 な達成は、入国管理政策の規制緩和と中国や韓国等のアジア諸国の経済的状況によるとこ ろが大きく、日本が「アルバイトをしながら勉強できる国」として認識され、それが経済 格差のある周辺の国々から留学生の増加を牽引してきたと指摘している(茂住 2009: 43 )。

10,428 12,410 15,009

18,63122,154 25,643 31,251

41,347 45,066

48,56152,40553,787 53,847

52,921

51,047 51,298 55,755

64,011 78,812

95,550 109,508

117,302 121,812

117,927 118,498 123,829

0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000 80,000 90,000 100,000 110,000 120,000 130,000 140,000

<図1.1

図1  我が国の留学生の推移(大学・専門学校等の在籍者数)

> 我が国の留学生の推移(大学・専門学校等の在籍者数)

文部科学省及び(独)日本学生支援機構調べ

(3)

1

、10

万人計画の数値的目標達成をうけて、

これまでの総括と今後の留学生政策の展開につ いての答申を発表した。この答申では相互交流 という観点から、2つの点のアンバランスにつ いて指摘している。第一は留学生数と日本人学 生の海外派遣者数のアンバランスである。2003 年の統計によると、受入れ数は

109,508

人、日 本人の海外派遣は

76,464

人である。海外派遣 数の在学者数に占める比率では、1.5%と、受

入れ数の

2.6%に比べると1ポイント以上差が

ある。第二は留学生の出身国と日本人学生の留 学先のアンバランスである。留学生受入れ全体 の9割以上がアジアからの留学生であり、中国

70,814

人を筆頭に韓国、台湾を加えると全

体の8割に達している状況に比べ、海外に留学 する日本人の全体の6割が北アメリカへの留学 であり、これにヨーロッパへの留学を加えると 全体の約8割に達する状況から、留学生の受入 れと日本人学生の海外派遣による相互交流がバ ランス良く行われているとは言い難い。この2 点から理解できるように、留学生の受入れ・派 遣による相互理解の促進という観点においては アンバランスな状況であり、答申においても、

これまでの国の政策において、国際貢献という 観点から留学生受入れに重点が置かれており、

日本人の海外留学への政策的対応が不十分であ ると指摘している(文科省.中教審

2003:5-

7)。

 答申では更に留学生の質や受入れ体制につい ても意見が述べられている。各大学等において は、入学者選抜、教育研究指導、在籍管理など の受入れ体制を十分に整えることなく、安易に 留学生を受入れたため、結果として学習意欲等 に問題のある留学生を在籍させているのではな いかという懸念が増していると指摘されている

(文科省.中教審 2003:8)。

 これらを踏まえ中央教育審議会は、新たな留 学生政策の基本的方向として、留学生の受入 れ・派遣の両面での一層の交流の推進

、各大学

がより主体的な役割を果たすことを基本とする こと、日本人の海外留学への支援、留学生の質 の確保と受入れ体制の充実、日本学生支援機構 設立等による留学生や大学等に対する支援体制 の強化を答申により提言した(文科省.中教

2003:7-

9)。しかしながら、留学生政策

が次の段階へと移行するのは本答申の5年後、

2008

年まで待つこととなる。

2. 1. 3  新政策「留学生 30 万人計画・骨 子」策定に至るまでの経緯

 2008年1月、当時の首相である福田首相は、

「留学生 30

万人計画」(以下「30万人計画」)を 策定することを国会の施政方針演説で述べた。

これを受けて中央教育審議会は留学生特別委 員会を設け、新たな留学生政策に関する審議を 始めた。また

2008

年の「骨太の方針」には2

同年度中に「グローバル

30(国際化拠点大学

30)」等のプログラムを始めとする留学生 30

人計画を策定し、具体化を進めるとの項目が盛 り込まれ、同年の7月に閣議決定された「教育 振興基本計画」にも3

、留学生 30

万人計画を関 係府省が連携して計画的に推進し、留学生受 入れを拡大させることが盛り込まれた(寺倉

2009:41)。以上の検討を経て、「留学生 30

人計画」骨子が策定され、2008年7月

29

日の 閣議後の閣僚懇談会において報告された。

2. 2 留学生 30 万人計画

2. 2. 1 留学生 30 万人計画・骨子

 2008年7月以降、30万人計画は、我が国の 国家政策として、留学生政策として認知され、

関係省庁、高等教育機関によって取り組まれて いる。本計画の概要は、図2のとおりである。

 本計画の趣旨と方策を、文部科学省発行の冊 子から抜粋し紹介する。本計画の趣旨は、まず、

1 中央教育審議会の主な所掌事務は、文部科学大臣の諮問に応じて教育・生涯学習・スポーツの更新に関する重要事項を調査審議し、文 部科学大臣又は関係行政機関の長に意見を述べることである。中教審は5分科会を設置しており、各分科会には必要に応じて部会が設 置される。留学生政策の展開に関しては大学分科会の留学生部会が審議している。

2 内閣府に設置された経済財政諮問会議が「経済財政改革の基本方針2008−開かれた国、全員参加の成長、環境との共生」として答申し たもの。「骨太の方針」はキャッチフレーズ的に使われている。

3 教育振興基本計画は、2008年から2012年までの5年間に取り組むべき施策を総合的・計画的に推進するもので、中央審議会の答申に 基づき、2008年7月に閣議決定された。

(4)

図2 留学生 30 万人計画の概要

「留学生30 万人計画』骨子に基づき筆者作成

- 7 -

趣 旨

アジア、世界との間のヒト、モノ、カネ、情報の流れを拡大する「グローバル戦略」を展開 する一環として、2020年を目途 に留学生受入れ30万人を目指す。

高度人材受入れと連携させながら、国・地域・分野に留意しつつ、優秀な留学生を戦略的 に獲得していく。

アジアをはじめとした諸外国に対する知的国際貢献等を果たすことに努めていく。

関係省庁・機関が総合的・有機的に連携して、我が国への関心を呼び起こす動機づけか ら、入試・入学・入国から大学等や社会での受入れ、就職など卒業・修了後の進路に至る まで、体系的に方策を実施する。

外務省 経済産

業省 法務省 文部科 学省

国土交 通省

厚生労

働省 大学 独立行 政法人 企業

総合的・有機的連携による方策実施

•日本文化、社会、教育に関し情報発信し、日本のブランドを確立す るイメージ戦略

•海外における日本語教育拠点の増加と日本語教育の推進

•日本留学の情報提供と相談サービスの展開 1. 日本留学への誘い

~日本留学への動機づけと ワンストップサービスの展開~

•入試など留学に関わる大学等の情報発信の強化

•入試の簡素化、および渡日前の宿舎や奨学金採用等の決定促進

•留学生リクルートのための大学等の海外拠点展開

•入国審査等の簡素化および審査期間の短縮 2. 入試・入学・入国の入り口の

改善

~日本留学の円滑化~

•国際化の拠点となる大学を30選定し重点的育成

•英語のみによる学位取得を可とし、国際的な教育研究拠点づくり

•外国人教員の採用や、留学生受入れのための組織体制強化

•海外留学の促進を図るために、大学等における9月入学の促進 3. 大学等のグローバル化の

推進

~魅力ある大学づくり~

•大学宿舎整備、民間宿舎確保の円滑化、公的宿舎の効率的活用

•国費外国人留学生制度、私費留学生学習奨励費の改善と活用

•地域・企業等の交流の支援や、全国レベルの交流推進会議創設

•国内の日本語教育の充実と、カウンセリングなど生活支援の取組 4. 受入れ環境づくり

~安心して勉学に専念できる 環境への取組み~

•大学における留学生の就職支援の取組の強化

•産学官が連携したインターンシップの活用、就職支援や企業支援

•在留資格の明確化、在留期間の見直しの検討等

•元日本留学生のフォローアップの充実と、人的ネットワーク構築 5. 卒業・修了後の社会の

受入れ体制の推進

~日本の社会のグローバル化~

<図

1.2

> 留学生

30

万人計画の概要

「留学生

30

万人計画』骨子に基づき筆者作成

(5)

アジア、世界との間のヒト、モノ、カネ、情報 の流れを拡大する「グローバル戦略」を展開す る一環として、2020年を目途に留学生受入れ

30

万人を目指すことである。また、高度人材 受入れとも連携させながら、国・地域・分野な どに留意しつつ、優秀な留学生を戦略的に獲得 していくこと、第3にアジアをはじめとした諸 外国に対する知的国際貢献等を果たすことにも 努めていくこと、さらに、我が国への留学につ いての関心を呼び起こす動機づけから、入試・

入学・入国の入り口から大学等や社会での受入 れ、就職など卒業・修了後の進路に至るまで、

関係省庁・機関等が総合的・有機的に連携して 計画を推進すること、以上の4点である。そし てこれらを体系的に実施するために、①「日本 留学への誘い 〜日本留学の動機づけとワンス トップサービスの展開〜」、②「入試・入学・

入国の入り口の改善

〜日本留学の円滑化〜」、

③「大学等のグローバル化の推進〜魅力ある大 学づくり〜」、④「受入れ環境づくり〜安心し て勉学に専念できる環境への取組〜」、⑤

「卒業 ・

修了後の社会の受入れの推進〜社会のグローバ ル化〜」という5つの具体的方策が提示された

(文科省.高等教育局 2009:3-

6)。

 このように

30

万人計画を実施するにあたり、

5つの分野での具体的方策が掲げられ、関係省 庁、大学、機関等が総合的・有機的に連携して これら具体的方策を推進していくものとされ た。そして

30

万人計画が発表されてから、直 ちに実施に移された方策は、やはり中核的とも 言える「大学等のグローバル化の推進」事業で あった。

2. 3 グローバル 30

2. 3. 1  国際化拠点整備事業(グローバル 30)の公募

 30万人計画の方策の中の「大学等のグロー バル化の推進」では、図

1.2

にあるように、国 際化の拠点となる大学を

30

選定し重点的育成 を図ることが盛り込まれている。30万人計画 策定の翌年、2009年4月に文部科学省の所管 法人である日本学術振興会は、「国際化拠点整 備事業 〜グローバル

30 〜」(以下「グローバ

30」)の公募要領を発表し、留学生受入れの

拠点となる大学を選定する作業に取組み始め た。本事業の対象機関として様々な制約や条件 がある中、国立大学

15

校と私立大学7校が応 募し、提出した書類やヒアリングを踏まえた結 果、国立大学からは、東北大学、筑波大学、東 京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九 州大学の7大学が選定され、私立大学からは、

慶應義塾大学、上智大学、明治大学、早稲田大 学、同志社大学、立命館大学の6大学が選定さ れた。そして選定された

13

大学には、2億円 から4億円程度を5年間継続して支援されるこ とが決定された。

2.3.2 グローバル 30 の構想

 グローバル

30

に選定された大学は、申請時 に国際化拠点の整備に係る構想(以下「構想」

という。)を提出している。この構想は、中長 期的なビジョンの下に国際的に質の高い人材が 集まる拠点となる大学を構築しようとするもの で、30万人計画の「大学等のグローバル化の 推進」において取り組むことが掲げられた具体 的方策を推進させるためのものであった。その ため大学は以下の6つの内容を構想の中で満た すことが義務付けられ、さらにこれらを実現す るための手順、時期等を明示することが求めら れた。

①  英語による授業のみで学位を取得できる コースの設置

② 留学生受入のための環境整備

③ 拠点大学の国際化

④  海外における留学生受入のための海外大学 共同利用事務所の整備

⑤ 達成目標

⑥ 国際化拠点の運営体制

 グローバル

30

に選定された大学は、この6 つの構想の具体化のために、英語によるコース の設置や、学生リクルート、海外オフィスの開 設、また教職員の採用などに取り組み始めた。

しかし、グローバル

30

に選定された大学が、

自ら課した目標が非常に大きく、困難なもので あり、学内から様々な懸念と意見が出されるの は容易の想像がつく。また、果たしてグローバ ル

30

30

万人計画の目標を達成するために、

適した方策であるかの検証はされておらず、そ の懸念や意見が反映されたかのように(内閣府

(6)

2009、内閣府 2010)、2009

年と

2010

年に行わ れた行政刷新会議「事業仕分け」(以下「事業 仕分け」)において、グローバル

30

は二度に渡 り、「予算削減」、「一時凍結」との判断を下さ れることとなった。

2. 4  留学生 30 万人計画、グローバル 30 の検証

2. 4. 1  留学生 30 万人受入れ数値目標の 妥当性

 2006年に文部科学省は、一橋大学・留学生 センターに「留学生交流の将来予測に関する調 査研究」を依頼した。本調査研究の中では、30 万人という目標数の数的根拠となった、留学生 の動向に関する数値予測がされている。調査メ ンバーの一人である新田によると、オーストラ リアの非営利組織

IDP

の報告書では4

、世界全

体の留学生数が

2025

年には

769

万人に増加す ると予測している(横田ほか

2007:122-123)。

そして日本の世界における現在(2007年度)

の留学生受入れ割合である

4.2%を維持すれば、

2025

年には約

32

万人になるであろうと試算し ている。他にも、過去一定期間の留学生の受入 れ数の伸び率が、その後も継続するであろうと 仮定し、最も留学生数の伸び率が高かった期間 の

1999

年から

2006

年までのデータによって計 算し、その結果

2025

年の予測数が

32

万人にな ると試算している。(横田ほか

2007:3-

7)。

さらに委託調査研究では、各大学に対し、5年 後、10年後にどの程度の数の留学生を受け入 れたいかについてアンケート調査を実施した。

そしてアンケート調査から得られた数値に基づ き、2025年の受入れ数予測を

23

万人と試算し た(横田ほか

2007:100-101)。

他の2手法か ら得られた数値である

32

万人に対し約9万人 の差があるが、調査チームは各大学の回答が現 在の受入れ制度に基づくものであり、抜本的な 変革を前提としているのではないと述べ、ある 程度の改革が遂行されることを前提に、2025 年の受入れ目標としては敢えて

30

万人という 分りやすい数字を揚げることとした(横田ほか

2007:101-102)。この委託調査研究を受けて中

央教育審議会は、留学生の受入れ環境づくりが 早急に必要であるといった意見から、2025年 から更に達成目標年を早め、2020年に

30

万人 を受け入れるとの目標に設定した(文科省.中 教審。留学生特別委員会

2008)。

 前述の通り、3つの手法による

2025

年の留 学生数予想値は、かなり楽観的な見方に基づい て試算されていることが理解できる。しかし花 谷は

1999

年以降の留学生数増加が、入管法の 緩和や私立大学の定員数確保のための施策が大 きく影響していると主張しており(花谷

2007:

43-44)、無理やりと言っても過言でない方法で

留学生数を増加させた期間でもある

1999

年以 降の留学生数伸び率に基づいた試算による数値 が、はたして適切な数値なのかは疑わざるを得 ない。また世界の留学生数が今後増加すること

4 IDP Education Pty Ltd:オーストラリア38大学とSEEK.COM社によって所有されている機関であり、オーストラリアの大学に関する情

報提供、入学申請手続き等を行うサービスを27カ国60箇所のオフィスを通して展開している。

図3 世界の留学生数と世界における日本の留学生受入れシェア

出所:OECD, Education at a Glance 2009: OECD Indicator, 2006-2010

- 11 - 2.4.2.

グローバル

30

の検証

30

万人計画の数値目標の規模を考えると、それが国家的事業であり、我が国の大学全体 で取り組まなければならないことは一目瞭然である。しかしながら文部科学省は、特定の 大学のみを支援する方策であるグローバル

30

を策定し、現在のところ

13

大学のみが選定 されている。その

13

大学が国際化を推進できるよう補助金が投入されているが、果たし てこのグローバル

30

が我が国の大学の国際化を推進する事業なのかは疑問が残る。

3

つの 観点からグローバル

30

の問題を検証したい。

第一は、大学間の国際化格差である。潤沢な資金によりグローバル

30

指定校は、国際 化の整備を整え、留学生を惹きつけるカリキュラムや環境をつくることできる一方、それ 以外の大学は少子化に伴う大学経営の厳しさにより、留学生を誘致するために英語による プログラムや教職員の体制の充実を図れない状況が続くであろう。大学経営の厳しさは周 知の通りである。留学生が増えれば経営的にも助かるのではないかという声も聞くが、実 際はそうではない。国際交流協議会(以下「JAFSA 」)のアンケート結果によると5、私費 留学生に対し多くの大学が学費減免措置を取り、約

3

割から

5

割の授業料を免除している

(JAFSA 2010 )。またそれ以外にも大学独自の給付奨学金や学習奨励費、留学生寮の維持

5 JAFSA (国際教育交流協議会)は、大学の国際教育交流に関する情報交換・調査・研究・研修・出版・

提言等の諸活動を行う特定非営利活動法人

アンケート調査によると、回答74大学のうち、51大学が30% 、4大学が40%、16大学が50% の学費減 免を留学生に対し行っている。

2,738,507 2,852,296 2,957,364 3,082,420 3,343,092

4.0% 5.0%

4.4% 4.2%

3.8%

0%

1%

2%

3%

4%

5%

0 1,000,000 2,000,000 3,000,000 4,000,000 5,000,000

2004 2005 2006 2007 2008

世界の留学生数 世界における日本の留学生受入れシェア

(出所)OECD, Education at a Glance 2009: OECD Indicator, 2006-2010

<図

1.3

> 世界の留学生数と世界における日本の留学生受入れシェア

(7)

は否定できないが、世界における我が国の留学 生受入れ割合の

4.2%を今後も維持できるかは

定かでない。図3は

2004

年から

2008

年までの 世界の留学生数と、それに対する我が国の世界 における留学生のシェア数を表記したものであ る。図が示すように、世界の留学生数は順調に 数値を伸ばす一方、我が国の

2008

年度のシェ ア数は

2007

年度のシェア数から数値を下げ、

4.2%から 3.8%となっていることから、今後ど

のようにシェア数が伸びていくかは不明瞭であ る。また日本の大学の留学生受入れ体制の抜本 的な変革を前提にしているなど、30万人とい う数値の根拠がすべて楽観的予測に基づいてい ることから、果たして実現可能な目標数値なの かは疑問を持たずにはいられない。

2. 4. 2 グローバル 30 の検証

 30万人計画の数値目標の規模を考えると、

それが国家的事業であり、我が国の大学全体で 取り組まなければならないことは一目瞭然であ る。しかしながら文部科学省は、特定の大学の みを支援する方策であるグローバル

30

を策定 し、現在のところ

13

大学のみが選定されてい る。その

13

大学が国際化を推進できるよう補 助金が投入されているが、果たしてこのグロー バル

30

が我が国の大学の国際化を推進する事 業なのかは疑問が残る。3つの観点からグロー バル

30

の問題を検証したい。

 第一は、大学間の国際化格差である。潤沢な 資金によりグローバル

30

指定校は、国際化の 整備を整え、留学生を惹きつけるカリキュラム や環境をつくることできる一方、それ以外の大 学は少子化に伴う大学経営の厳しさにより、留 学生を誘致するために英語によるプログラムや 教職員の体制の充実を図れない状況が続くであ ろう。大学経営の厳しさは周知の通りである。

留学生が増えれば経営的にも助かるのではない かという声も聞くが、実際はそうではない。国 際交流協議会(以下「JAFSA」)のアンケート 結果によると5

、私費留学生に対し多くの大学

が学費減免措置を取り、約3割から5割の授業

料を免除している(JAFSA 2010)。またそれ以 外にも大学独自の給付奨学金や学習奨励費、留 学生寮の維持管理等留学生関連事業経費等、大 学持ち出しの金額は少なくはない。しかもこれ らは直接経費であって留学生に関わる教職員の 人件費は含まれていない。しかるべき助成がな ければ大学が留学生数を増加させることは困難 である。しかしながら、グローバル

30

では、

13

大学のみが支援されるという限定的で不公 平なものとなっている。

 第二は、継続性である。グローバル

30

の実 施期間は5年となっている。教育の改革が5年 でできるであろうか。例えば新しい英語プログ ラムを開設するにしても、カリキュラム編成等 準備に時間がかかり、実際に学生募集を始める ためには1年または2年かかるだろう。そして プログラム初年度に入学した学生が卒業する時 に、グローバル

30

の実施期間が終わるのであ る。またグローバル

30

の期間終了後は各大学 自らの予算においてこれらの経費を賄わなけれ ばならない。補助金に頼った新コースの設置や 国際化の推進は、逆に将来の大学経営を苦しめ るものとなりかねない。

 第三は、海外大学との競争である。グローバ ル

30

構想によると、英語による授業のみで学 位を取得できるコースの設置によって留学生を 惹きつけると目論んでいるが、英語で勉強した い学生は、英語圏の大学に行くだろう。日本の 大学が海外の大学と競争するために取り組まな ければならないことは、研究、教育の質保証で ある。優れた研究が行われているとか、世界的 に著名な研究者や教授がいる、更には就職に有 利な大学である、といった大学の根本的な力を 付けなければ、世界の大学と競争することは できない。英語による授業のみで学位が取れる コースの設置が、あたかも大学の質を保証し、

国際競争力を有するという理論は、説得力に欠 けるものである。では日本の大学が国際化を展 開し、国際競争力を有するために出来ることは 何であろうか。次章からは米国と欧州の留学生 政策に着目し、検証したい。そしてそこから得 られる知見によって、我が国がどのように大学

5 JAFSA(国際教育交流協議会)は、大学の国際教育交流に関する情報交換・調査・研究・研修・出版・提言等の諸活動を行う特定非営

利活動法人

アンケート調査によると、回答74大学のうち、51大学が30%、4大学が40%、16大学が50%の学費減免を留学生に対し行っている。

(8)

の国際化を図ることができるか考察したい。

3.米国の留学生政策

 本章では、アメリカの留学生政策であるフル ブライト・プログラムと、2004年に創設され たアブラハム・リンカーン留学委員会について 検証する。本章の狙いは、事業や計画の整合性 を論じるのではなく、検証によりこれら事業の 意義を明らかにし、併せて、日本の政策と比較 することにより、我が国の留学生政策のあり方 を考察することである。

3.1 フルブライト・プログラム

3.1.1 フルブライト・プログラムの設立

 1945年、第二次世界大戦の終盤、日本に原 子爆弾が落とされた数週間後、J.ウィリアム・

フルブライト上院議員は、「他国との相互理解 が、米国の安全保障にとって、有史以来最重 要課題となった」と述べ、国際紛争を回避す る手段として、戦後西側諸国・同盟国との関 係を強化する手段として、教育交流の重要性 を強調し国際教育の価値を訴えた(Walter and

Colligan1965:8-

9)。そして米国議会にフル ブライト交流計画の法案を提出し、終戦の翌年

1946

年8月1日、この法案はトルーマン大統 領によって承認され、政府主導の留学交流プロ グラムとして正式に発足した。

 準備期間を経て、1948年にフルブライト・

プログラムは始動し、2010年までに

155

カ国 以上と交流協定が締結され、約

30

万人が当プ ログラムに参加している。

3.1.2  日米間におけるフルブライト交流 計画

 日本では、1951年8月に当時のアメリカ合 衆国大使であるウィリアム J.シーボルトと吉 田茂外務大臣との間で、日米相互の人物交流に 関する覚書が交わされ、翌

1952

年より日米間

のフルブライト交流計画が始動した。2011年 現在まで日本人約

6,200

人、米国人約

2,300

人 が同プログラムに参加している。フルブライト に選ばれた奨学生は「フルブライター」と呼ば れ、世界各地で同窓会を組織し、財政支援等の 活動を行っている。また

2010

年度ノーベル化 学賞を受賞した根岸英一はフルブライターであ り、これまで日米間のフルブライターから5名 のノーベル賞受賞者が輩出されている。他の分 野でもフルブライターが活躍し、ビューリッ ツァー賞受賞者2名、大使

57

名、大臣6名、

国会議員

17

名、最高裁判事

12

名、弁護士

120

名以上、企業のトップ

450

名以上、ジャーナリ スト

220

名以上、学長・総長・学園長

170

名以

上、教授

4,400

名以上、音楽家・芸術家・作家

130

名以上を輩出している6

 財政面では、約

30

年間は米国政府が資金を 拠出してきたが、1979年からは日本政府と折 半することになり、それまで日米間のフルブラ イトを運営していた在日アメリカ合衆国教育委 員会の名称を改め、日米教育委員会とした。そ して現在は民間の資金援助も含め、年間米国人 約

50

名、日本人

50

名の計約

100

名に奨学金を 支給している。

3.1.3  フルブライト・プログラムと日本 の国費留学生制度の比較

 フルブライトが学生・研究者を引き付ける大 きな理由の一つは、その手厚い支援体制にある と考える。フルブライト奨学金は基本的に全学 支給であり、往復航空券(現物支給)、生活費

(留学先によって金額が異なる)、授業料(大学

院留学プログラムのみ)および家賃、着後雑費、

別送荷物、同伴家族に対する補助手当が含まれ る(日米教育委員会

2010)。一方我が国にもフ

ルブライト奨学金と肩を並べる奨学金制度が存 在する。国費外国人留学生と呼ばれる奨学金は、

日本留学が決定した学生、またはすでに日本に 留学している学生を対象にしたものであり、現 在学部レベルでは約

450

名、大学院レベルでは

4,700

名が奨学金を支給されている。その待遇

は、往復渡航費用(航空券)、授業料、そして

6 日米教育委員会「日米間におけるフルブライト交流計画」、『フルブライト交流計画』http://www.fulbright.jp/keikaku/overview.html フル ブライト交流計画概要の貢

(9)

奨学金として月額

125,000

円から

158,000

円ま で支給される非常に手厚いものとなっている7

留学生

30

万人計画の具体的方策の中でも、国 費留学生制度が更に改善されると謳われている が、フルブライターと

JAFSA(国際教育交流

協議会)の会員を対象に行われたアンケートの 結果によると、国費留学生制度は奨学生数も少 ないフルブライトよりも貢献度が低いと見なさ れている。表4は、フルブライトと日本の国費 留学生制度の貢献度を比較するために、アン ケート結果をまとめたものである。

 アンケートによると、フルブライト、国費留 学生制度に関する質問事項に対してのフルブラ

イターと

JAFSA

会員の評価は、細かな違いは

あれども著しい相違はない。両奨学金制度に対 し、両者が同じような理解を持ち、同じような 評価していると考えて良い。そして両者のフル

ブライトと国費留学生制度に対する評価を見る と、両制度の貢献度評価に大きな違いがあるこ とが理解できる。フルブライトの各項目に関す る評価では、フルブライター、JAFSA会員共 に「米国の文化や価値観の伝播」、「国際政治に おける米国の理解者の獲得」、「研究パートナー の獲得」、「先端的情報や有能な人材の獲得」に 対し肯定的評価をした人の割合が約

70%から

90%と高い。しかし日本の国費留学生制度

の同じ項目に関する評価では、フルブライトの 評価とは大きく異なり、肯定的評価をした人の

割合が約

30%から約 60%と著しく低い評価と

なっている。また「非常に貢献している」とい う回答に着目してみると、国費留学生制度がフ ルブライトに比べ更に低い評価を受けているこ とが理解できる。フルブライト奨学金と同等以 上の手厚さにも関わらず、教育関係者の認識に

7 外務省「国費外国人留学生とその待遇(YLPを除く)」、『日本へ留学を希望される方へ』http://www.studyjapan.go.jp/jp/toj/toj0306j.html  外務省による外国人向け日本留学情報発信サイト

フルブライト・プログラムの貢献度評価(肯定的に評価した回答の%)

フルブライター

JAFSA

会員 少し貢献 非常に貢献 少し貢献 非常に貢献 国際政治における米国の理解者の獲得

27.8 59.5 87.3 35.1 45.6 80.7

ビジネスパートナーの獲得やビジネスチャンスの拡大

39.5 25.1 64.6 29.8 35.1 64.9

米国の文化や価値観の伝播

32.8 59.9 92.7 23.2 62.5 85.7

他国の文化・社会の理解

45.3 22.7 68.0 31.6 8.8 40.4

研究パートナーの獲得

43.6 30.8 74.4 38.6 42.1 80.7

先端的情報や有能な人材の獲得

42.7 31.1 73.6 26.3 47.4 73.7

米国への憧れの喚起

34.4 20.8 55.6 21.1 36.8 57.9

国益を超えた世界平和の実現

36.7 19.8 56.5 15.8 1.8 17.6

国益を超えた途上国の発展

38.7 17.6 56.3 15.8 7.0 22.8

日本の国費留学制度の貢献度評価(肯定的に評価した回答の%)

フルブライター

JAFSA

会員 少し貢献 非常に貢献 少し貢献 非常に貢献 国際政治における日本の理解者の獲得

45.9 9.6 55.5 46.6 6.9 53.5

ビジネスパートナーの獲得やビジネスチャンスの拡大

34.3 5.2 39.5 27.6 8.6 36.2

日本の文化や価値観の伝播

50.8 15.1 65.9 53.4 10.3 63.7

他国の文化・社会の理解

46.8 13.9 60.7 38.6 5.3 43.9

研究パートナーの獲得

38.6 8.3 46.9 41.4 10.3 51.7

先端的情報や有能な人材の獲得

28.7 5.6 34.3 24.1 6.9 31.0

日本への憧れの喚起

19.6 3.7 23.3 20.7 1.7 22.4

国益を超えた世界平和の実現

18.8 5.4 24.2 17.2 1.7 18.9

国益を超えた途上国の発展

29.6 8.5 38.1 50.0 10.3 60.3

表4 フルブライター・JAFASA 会員による評価

出所:白土悟・坪井健・横田雅弘、前掲書、309貢。

(10)

おいて国費留学生制度の評価が低い理由として 考えられるのは、そもそもこの制度の目的や理 念が明確でなく、また相互交流の推進や人材育 成に結びついていないからではないだろうか。

 奨学国費留学生制度は、一定の条件を満たし た外国人留学生のみが奨学生の対象であり、海 外へ行く日本人学生は対象となっていない。ま たフルブライトのような面接を含む人物評価の 査定がなく、書類審査のみで奨学生が決定され る。このように相互交流に結び付かず、選考に おいても機械的な奨学金制度であるため、目的 や理念があったとしても、単なる成績優秀者へ の経済的援助という側面しか強調されない現状 がある。

3. 2 アブラハム・リンカーン留学委員会 3. 2. 1  アブラハム・リンカーン留学委員

会設置までの経緯

 フルブライトにより、これまで多くの学生、

研究者、ジャーナリスト等がアメリカに留学し、

またアメリカから協定国へ留学した。長年続く プログラムの運営は、各国に知米家を育て、ま た米国内に各国の専門家を育ててきた。また米 国の高等教育は、国際的に比類ない立場を堅持 しており、世界における留学生数のシェアを見

ても

20%近くを維持している(経済協力開発

機構

2009:330)。また世界大学ランキングで

8

、トップ 400

大学中

86

大学が米国の大学で あり、トップ

20

大学に

13

大学がランクインし ていることから(QS 2010)、米国の研究レベル の高さ、教育の質を伺うことができ、優秀な人 材の留学先のオプションとして常に順位が高い ことが理解できる。留学生を誘致し、優秀な人 材を確保するという点で米国の大学の国際化は 十分にその体制が整えられているが、一方で、

米国人の外国語運用能力はヨーロッパなどの先 進諸国のそれと比べて依然として低く、諸外 国への関心の低さもしばしば問題視されている

(有本ほか 2007:25)。そしてその懸念がより

叫ばれるようになった一つの出来事が

2001

年 に起きた。

 2001年9月

11

日に起きた同時多発テロであ る。米国の安全保障を覆すテロが米国内で起き たことは、政府関係者のみならず教育関係者に も大きな衝撃を与えた。同時多発テロやそれに 続くイラク戦争を契機として、アメリカ教育協 議会(American Council on Education)などの教 育関係機関は、高等教育国際化のための「国策 としての支援体制」が不十分であることを指摘 し、政府としての対応の欠如や遅延が、「国際 競争力のある人材育成」という点において、国 家を危機的状況に直面させていると主張した

(有本ほか 2007:35)。また米国人学生の国際

化の遅れに対し早くから懸念を示し、米国にお ける外国語教育強化を求める法案を

1985

年に 提出していたポール・サイモン上院議員は、グ ローバル化時代に国家の安全保障、外交問題を 担う若者の育成を支援するアブラハム・リン カーン留学委員会(Commission on the Abraham

Lincoln Study Abroad Fellowship Program:以下、

「リンカーン委員会」)の設置を提案した。そし

てリンカーン委員会設置は

2003

年に連邦議会 によって承認され、翌年

2004

年1月には設置 のための歳出予算案が可決され、10月には正 式にリンカーン委員会が発足した(船守

2007:

3)。

3. 2. 2 リンカーン委員会の目標と提案

 リンカーン委員会は、2005年

11

月に「国 際 的 対 応 能 力 と 国 家 の ニ ー ズ

」(Global Competence & National Needs)というタイトル

の報告書を発表し、「国際的ステージでは、知 らないということが国家に損害を与える可能性 がある。ヨーロッパ、アジア、アフリカ、南米、

東欧、旧ソ連、中東のどの地域であろうと、ま たは外交、対外関係、国家安全保障、通商、金 融、その他どの問題であろうと、知らないとい うことが国家に大きな損害を与える。」という メッセージを発し、①「グローバル化と経済競 争」、②

「国家安全保障」、

「アメリカのリーダー

シップ」、④「留学の教育的価値」、⑤「国際的 コミュニティーへの積極的な参加」という

5

つ の分野に関しての現状を分析すると共に、留学

8 QS World University Rankings 2010

(11)

を一般化し年間

100

万人の留学派遣を目指すこ とを提言した(Lincoln Commission 2005:5)。

リンカーン委員会は、この数値が、毎年アメリ カの大学で準学士、学士号を取得する学生の 約

50

パーセントにあたると提示し、留学者数 がこれまでの年間増加率

9.7%を維持すれば、

2017

年には年間

64

万人となり、加えて奨学金 やプログラムの展開によって留学生数を伸ばす ことができれば、2017年までに年間留学生数

100

万人と目標として設定できると考えている

(Lincoln Commission 2005:9)。

4.欧州の留学生政策

 本章では、欧州の留学生政策に着目したい。

欧州にはイギリス、ドイツ、フランスと、学生 数の上でアメリカに次いだ留学生受入れ国が あるが、本章では、これら3国の留学生政策 に焦点を当てるのではなく、欧州として取り 組んでいる政策に焦点を当てる。古い大学なら ば、その創立は

11

世紀や

12

世紀に遡り、大学

(university)の歴史はヨーロッパから始まった

と言っても過言ではない9

。しかし現在の世界

規模で見る大学の状況は、教育の質、マーケッ トどちらとも米国が圧倒的な力を有している。

古い伝統や制度を持つ欧州の大学も、教育と研 究、学生確保の面で国際的競争力を持つための 変革が求められており、欧州統合以前から、高 等教育の改革に取り組んできた。本章の狙いは、

欧州統合以前と以降の高等教育改革および留学 生政策の目的と展開方法を明らかにし、我が国 の留学生政策のあり方を考察することである。

4. 1 エラスムス計画の概要

 欧州の高等教育の国際化に関する動きは、

EU

の前身である欧州共同体(EC)時代に遡 ることができる。1985年

12

月に当時の欧州委 員会(European Commission)より閣僚会議に エラスムス計画の提案書が提出され、約1年 半に及ぶ閣僚理事会での協議を経て、1987年 6月に計画の実施が決定された。エラスムス

(ERASMUS)とは、中世の高名な人文主義者・

神学者の名前であると同時に、この計画の正式 名である

European Community Action Scheme for the Mobility of University Students(

大学生の移 動に関する

EC

の活動計画)の頭文字からくる ものでもある。エラスムス計画は、欧州域内の 国際競争力の向上に向け、人の交流の促進と、

その基盤としての学位等の国際的通用性の確保 が肝要であるとの立場から提案され、①

EC

全 体として人的資源の養成・確保すること、② 世界市場における

EC

の競争力を向上させるこ と、③加盟国大学間の協力関係を強化するこ と、④

EC

市民という意識を育てること、⑤域 内での協力事業への参加経験を学卒者に与える ことを目標として設定した(文科省.中教審.

留学生部会

2002)。そしてエラスムス計画の実

施に伴い、1989年には

European Credit Transfer System (欧州大学間単位互換制度、

以下

「ECTS」)

が導入され、単位互換促進のために各大学は講 義内容の明確化、評価方法に関する情報提供、

単位取得・単位互換の標準化等に取り組み始め た。そして

1992

年のマーストリヒ条約締結後、

エラスムス計画は、教育の包括的政策であるソ クラテス計画の一部として位置付けられ、2011 年の現在もソクラテス計画の中のエラスムス計 画として実施されている。

4.2 エラスムス計画の4つの成長期 4.2.1 第1成長期

 エラスムス計画の発展には、大きく分けて4 つの成長期がある。第1成長期は、パイロッ ト・プロジェクトとしての時期であり、計画が 開始された

1987

年から

1995

年までを指す。第 1成長期は、エラスムス計画が発足し著しく発 展を遂げた時期であった。各大学の教員が持つ ネットワークを利用し、コンソーシアム等を発 足させながら、学生交流プログラムを参加大学 の学部間で行い、学生交流を活発化させていっ た。開始当初は

3,244

人だった学生交流は、毎 年参加者数を増加させ、1994年には

54,379

人 に達した。そしてこの第1成長期の間に、マー

9 ヨーロッパ最古の大学であるイタリアのボローニャ大学(Università di Bologna)は1088年に創設され、その後1096年頃にイングラン ドのオックスフォード大学(University of Oxford)、1150年頃にフランスのパリ大学(Université de Paris)が創設された。

(12)

ストリヒ条約が締結された。さらに

1995

年に は

EU

発足当時の

12

加盟国に加え、3カ国が 新たに加盟し、エラスムス計画の交流地域も拡 大された(上別府ほか

2009:2-

3)。

4. 2. 2 ソクラテス計画と第2成長期

 第2成長期は、エラスムス計画がマーストリ ヒ条約締結後、ソクラテス計画の一部として発 展していった時期であり、1995年から

1999

年 を指す。「内政干渉でない学生交流、教職員交 流を通した外圧の活用」、

「域内の国際化」、 「ヨー

ロッパとしての高等教育の国際競争力」という 3つのミッションを掲げ、学生交流の支援だけ でなく、国際カリキュラムの開発や、教員の交 流等、事業展開も多様化し、欧州の高等教育の 国際化が促進する時期となった(上別府ほか

2009:3)。ソクラテス計画では、これまでの

学生・教職員の交流やカリキュラムの共同開発 を学部に替わり個々の大学・高等教育機関が主 役を務めることになり、このように責任の主体 を学部から大学の中央に移すことにより、行政 面での支援体制を改善し、欧州の学術交流・高 等教育協力について個々の大学が一貫した政策 を持つことが期待できるようになった。

 1997年には、欧州理事会と

UNESCO

が欧州 域内の高等教育の相互認証を目指し、欧州全体 の高等教育制度の枠組みの統一と質の保証を 謳ったリスボン宣言が発表され、1998年には、

欧州市民の移動性と就職の可能性を高め、欧州 全体の発展を目指すために1つの教育圏として 発展することを謳ったソルボンヌ宣言が発表さ れ、そしてこれら一連の宣言の流れを具体化し た計画に同意したボローニャ宣言が

1999

年に 発表された(上別府ほか

2009:4)。

4. 2. 3  ボローニャ宣言と第3成長期、第 4成長期

 欧州

29

カ国、31の高等教育行政区分担当官 が署名したボローニャ宣言は、国際的にも注目

を集めた。ボローニャ宣言では、欧州各国が補 完性原則を超えて、これまで維持してきた独 自性や教育システムを自ら変えていき、「ヨー ロッパ高等教育圏」(European Higher Education

Area)の設立を目指すと表明したのである。吉

川はこのような変化をもたらした要因を次のよ うに述べている(吉川

2003:82)。

「この変化を可能にした最大の要因は、ヨー

ロッパの高等教育が国際競争力に関して危機に 直面しているとの共通認識であったと理解され る。その危機感は、ヨーロッパ統合に伴う域内 労働市場の成立にとどまらず、アジア、ラテ ン・アメリカ等からの留学生獲得競争における アメリカの優位、さらには分校の設置やイン ターネットを通じて高等教育を行なう外国から の教育提供者、つまり超国家教育(transnational

education)の進出といった内外からの挑戦に基

づくものである10

。」

 ボローニャ宣言を受けて、各国が改革に乗り 出した期間、2000年から

2006

年までが第3成 長期である。ボローニャ宣言に基づき、段階的 に改革を進めるために、ボローニャ・プロセス として欧州は取り組み始めた。ECTSが欧州全 体の正式な単位制度として発展し、更に単位互 換をより確実にするため、エラスムス計画によ るプログラム等へ参加を証明する学位補足証明 書としてディプロマ

サプリメントも開発され、

運用され始めた。特筆すべきは、ボローニャ・

プロセスの進捗状況を確認する場が定期的に設 けられていたことである。2001年にはプラハ で開催された閣僚級会議(プラハ・サミット)

後、次回会議までの2年間のガイドライン(プ ラハ・コミュニケ)が採択され、2003年には ベルリンサミット後、ベルリン・コミュニケが 採択、そして

2005

年にはベルゲン・サミット ではボローニャ・プロセスの後に続く将来的方 向性が協議され、合意された。このように定期 的な確認の場で、必要と思われるプロセスが追 加されたり、取り組むべき内容が合意されたり と、改革を推し進める体制が着実に強化されて いたのである。

10「国境を越えた教育(transnational education)」では、学習者が、プログラムを提供する教育機関が設置されている国とは異なる国に住み ながら、あらゆる種類の高等教育プログラム、教育コース、遠隔教育を含む教育サービスを受けることができる。このようなプログラ ムは、プログラムが運営されている国とは異なる国の教育システムに属している、またはあらゆる国家システムから独立して運営され ている。

(13)

 第4成長期は、ボローニャ・プロセスの後の 更なる発展を目指す、2007年から

2013

年の7 カ年にあたる。既にソクラテス計画の一部と なっているエラスムス計画は、7カ年計画の 生涯教育プログラム事業の1つとして展開さ れることになった。年間

16

万人の学生および

26,000

人の教員の移動を支援しているエラスム

ス事業は、生涯教育という枠組みの中で、他の 事業と連携しながら、高等教育における交流だ けでなく、企業との連携や学生雇用の欧州域内 での流動性の向上等にまで支援を拡げようとし ている(上別府ほか

2009:5-

6)。

5.我が国の留学生政策と大学の展望

 本稿の目的は、我が国の留学生政策を検証す ることにある。米国および欧州の政策を、我が 国の政策と比較することにより、我が国の現在 の留学生政策の問題点を浮かび上がらせ、指摘 することにある。そしてその上でグローバル時 代において我が国に必要な留学生政策につい て、更には我が国の大学の展望について考察す る。

5. 1 我が国の留学生政策に見る問題点

 我が国がグローバル時代に直面する様々な問 題に対処するために、大学の国際化を図ること は、社会における大学の役割を考えると、必要 不可欠な事である。しかしこれまでの記述によ り、現在我が国が大学の国際化のために取り組 んでいる政策には、4つの懸念すべき内容が 含まれていることが明らかになった。第一は、

2020

年までに留学生受入れ

30

万人を目指すと いう目標である。楽観的算定と根拠の無い変革 を基にした数値目標の実現可能性は疑わざるを 得ないものである。第二は、大学の国際化の継 続性の欠如である。特定の大学のみを5年間支 援することにより、我が国の大学の国際競争力 を図ろうとする事業では、長期的な改革が期待 できず、支援期間が終わると同時に国際化の推 進も停止するという状況が容易に想像できる。

第三は、特定大学のみの支援による大学間の国 際競争力格差の拡大、安易なカリキュラム改革 やコースの増設、また数に重点を置いた留学生

の受入れによる、我が国の大学の教育の質低下 である。そして第四は、留学生の受入れのみに 偏った政策である。予算配分でも明らかなよう に、我が国では、自国民の国際化は重要視され ていない。日本人学生の内向き志向が一段と進 むなかで、海外へ留学する日本人が減少するこ とは、我が国においてグローバル化に対応する ためのスキルを持った人材が減少することでも ある。では、我が国はどのような政策を打ち立 て、また大学はどのように国際化を図り、国際 競争力を有し、このグローバル時代に必要な人 材を提供する機関となりうるだろうか。次に米 国と欧州の留学生政策の特徴を述べ、その上で グローバル時代において我が国に必要な留学生 政策について、更には我が国の大学の展望につ いて考察する。

5. 2 米国の留学生政策の特徴

 第3章では米国の留学生政策であるフルブラ イトとリンカーン委員会を検証してきた。検証 の結果、両政策が共有する意図(目的)と特徴 が明確となった。第一に、フルブライト、リン カーン委員会共に国家の有事に際して提起され ていたことは、米国における留学生政策が国家 の安全保障を意識したものであると特徴付ける ことができる。フルブライトは第二次世界大 戦中に構想が練られ、リンカーン委員会は

9.11

同時多発テロを機に進展している。まさに両政 策は、国家安全保障という明確な目的を持った 政策である。

 第二の特徴は、その両政策が相互交流または 自国の学生の海外派遣を重要視する点である。

フルブライトは米国と外国との双方向の交換留 学制度である。またリンカーン委員会は、米国 の学生を海外に留学させることを目的としてい る。安全保障やグローバル時代に起る様々な問 題へ対処できる人材を確保するために、留学生 を確保することや、相互交流を促進することだ けでなく、自国民の海外留学を大幅に促進させ ることにより対応しようとしている。

5. 3 欧州の政策の特徴

 第4章ではエラスムス計画、ボローニャ・プ ロセスの目的やその展開方法を明らかにしてき

(14)

た。欧州のこれら高等教育政策は包括的なもの でもあるので、留学生政策として明確に位置付 けることは難しい。しかし学生の国家間での移 動、また欧州域内の大学との連携による学生、

研究者、教員、大学職員の交流が含まれている ことや、日本や米国の留学生政策と共通する点 もあり、参考にできることが多々ある。

 欧州の高等教育に関わる政策は、エラスムス 計画から始まり、その後様々なプロセスを経て 現在に至るが、その第一の特徴としてあげられ るのが、非常に短いスパンで進捗状況の確認の 場が持たれ、修正や追加が行われていることで ある。政治体制の変化に伴い、政策の枠組みが 変化することもあったが、基本的にはエラスム ス計画という

EC

時代からの政策が柱となって いる。さらに発展的な改革を促進させるために 必要な事柄をボローニャ宣言やその後のコミュ ニケの採択等で明らかにし、必要な方策が追加 されたが、一連の流れでこれらが行われている ため、柔軟性を持ちつつも常に一貫したものと なっている。

 第二の特徴は、高等教育の質的保証を図るこ とで、学生の欧州内での流動性を促す一方で、

他方、優秀な人材を欧州域内に留めておくこ と、優秀な人材を欧州域外から確保しようとし ている点である。ECTSやディプロマ・サプリ メントの導入という教育システムの抜本的な改 革によって、これまで各国の独自の教育システ ムや制度によって阻まれていた学生、研究者、

教員、大学職員の交流が活発化され、流動化が 促進されたことは、エラスムス計画の当初の目 的であった、「EC全体として人的資源を養成・

確保すること」、「世界市場における

EC

の競争 力を向上させること」、「加盟国大学間の協力関 係を強化すること」、「EC市民という意識を育 てること」を達成するのに大いに貢献している と思われる。

5. 4  むすび―我が国の留学生政策と大学 の展望

 米国の事例と欧州の事例は、5.1で提示した 4つの問題点を解決するために、国家として、

また大学として取り組むべき事柄を、具体的に 示している。即ち、①「目的の明確化と目標の 具体化」、②「持続可能な政策の立案」、③「日

本人学生の国際化」、そして④「教育環境の強 化と研究力の向上による教育の質の保証」であ る。以下、順次、それについて考えていく。

 ①「目的の明確化と目標の具体化」―本稿に おける考察により、我が国の留学生政策の目標 値が根拠に乏しいことは、明らかである。30 万人という数値の算定方法は示されたが、な ぜ

30

万人の留学生受入れが必要なのかという 点は、明確にはされていない。米国の事例から は、安全保障という明確な目的があり、そのた めにフルブライトやリンカーン委員会が必要で あると明確に述べられている。欧州の事例では、

エラスムス計画が欧州域内の国際競争力の向上 と、欧州の高等教育のヨーロッパ化という目的 があることが明確である。そしてそれらを達成 するために具体的方策が策定され、取り組まれ ている。しかし我が国の留学生

30

万人計画は、

30

万人受入れを達成するための方策案は充実 しているが、その目的が不明瞭なため、それら 方策が効果的であるのかも不明瞭である。例え ば留学生の受入れが国家の安全保障に繋がると いう理念を示すなど、目的を明確にするべきで あろう。

 ②「持続可能な政策の立案」―我が国の留学 生政策を見ると、エラスムス計画やフルブライ トのように継続性がないことが一目瞭然であ る。10万人計画が達成された後、次の

30

万人 計画までは期間が空き、段階的プロセスが無 かったため、留学生政策に一貫性が見られな かった。またグローバル

30

に至っては5年で 期間を終える。5年で大学の体制がどれくらい 変えられるであろうか。30万人計画では大学 の国際化だけでなく社会の国際化も図ろうとし ている。5年や

10

年で出来ることではないだ ろう。今後グローバル化はますます進み、社会 の情勢もどう変わるか予想がつかない状況のも と、我が国は欧州が取り組んでいるように、長 期的展望を持ちつつ、短いスパンでのフィード バック機会をつくり、状況に合わせて対応して いく柔軟性を持たなければならない。また約

60

年も続くフルブライトのように、プログラ ムが継続性と持続性を有することにより、人材 の確保という点においても継続性と持続性を有 することができる。

 ③「日本人学生の国際化」―我が国は、留学 生の受入れのみによってグローバル化に対応し

参照

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