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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

雑音画像中の軌跡群を検出する構文解析型アルゴリ ズムに関する研究

高橋, 伸弥

九州大学システム情報知能システム工学

https://doi.org/10.11501/3166853

(2)
(3)

雑音画像中の軌跡群を検出する 構文解析型アルゴリズムに関する研究

高橋伸弥

2000年 2

(4)

目 次

1 序論

l.1 研究の背景

l.2 研究の概要 l.3 論文の構成

i

1

i

U

2 多元信号軌跡とそのモデル化 2.1  まえがき .

2.2 多元信号軌跡の定義 2.3  信号軌跡の種々の性質 2.4  構造記述文法

2.5 多元基本動作の定義 2.5.1 個別基本動作

2.5.2  相互基本動作

2.5.3  3本以上の軌跡の相互基本動作 2.5.4  多元基本動作

2.6 多元信号軌跡のモデル化の例 2.7  まとめ

5v

υb

8 9 9 9 2 3 5  

4B 1

1 1

1

3 正規文法モデルを用いた多元信号軌跡の解析 3.1  まえがき

3.2 有限状態オー トマトンによる多元信号軌跡のモデル化 .

17 

18 

(5)

3.3  多元信号軌跡の解析アルゴリズム 18 

3.3.1  問題の設定 18 

3.3.2  単元基本動作の評価 20  3.3.3  2元基本動作の評価 21  3.3.4  解析アルゴリズムの構築 22  3.3.5  基本的な考え方と軌跡の探索空間 22 

3.3.6  解析アルゴリズム 22 

3A  ピームサーチによる計算量の低減 26 

3.5  元数たに関する一般化 . 27  3.5.1  軌跡の探索空間と解析テーブル 27  3.5.2  角ヰキ斤アルゴリズム 28 

3.6  評価実験 . 29 

3.6.1 実験の概要 29 

3.6.2  2本の平行な正弦曲線の検出 ‑ ・・ 31  3.6.3  周期が等しく振幅の異なる 2本の正弦曲線の検出 34  3.6.4  2本の方形波の検出 ‑ ・ 35  3.6.5  ビームサーチの効果 ‑ ・ ー ・ 38  3.6.6  3本以上の軌跡の検出 42 

3.7  まとめ ‑ ・ ・ ・ ・ 47 

4 正規文法モデルを用いた多元信号軌跡解析アルゴリズムの拡張‑遅延を伴う

軌跡群の検出 50 

4.1 まえがき .

4.2  遅延を伴う多元信号軌跡のモデル化 . 4.3 遅延を伴う軌跡群の解析アルゴリズム

4.3.1 問題の設定

U

1

Uυ

R u k d k d

υ F D

d r

4.3.2  解析アルゴリズム • .J.4  ビームサーチによる計算量の低減

(6)

.

t.6  評価実験 • .

t.6.1  実験の概要 .

t.6.2  遅延を伴う 2本の正弦曲線の検出 .

t.6.3  ビームサーチの効果 .

t.6. t. 遅延を伴う 2本の方形波の検出 .

t.6.5 遅延を伴う 3木の正弦曲線の検出 .

t.7  まとめ

5

, 

5i 

r-~

)/ 

U

つ ん

vh

υ

︒ ︒

U

UhUU

5 文脈自由文法モデルを用いた多元信号軌跡の解析 5.1  まえがき.

5.2  文脈自由文法によるモデル化

5.3  CYK法に基づいた解析アルゴリズム 5.3.1 問題の設定

5.3.2  解析テーブル

5.3.3 解析アルゴリズム.

5.4  ビームサーチによる効率化 .

5.4.1  アルゴリズムの計算量と効率化 5.4.2  ビームサーチを導入したアルゴリズム 5.5  .J元信号軌跡検出への一般化

5.6  評価実験

5.6.1  実験の概要

5.6.2  ビームサーチの効果 5.6.3 RGモデルとの比較 . 5.7  まとめ

9 9 9  

PO

UU

1 i 1

d1144ο

円 ︒

{ i

i F i

i

iiii

11  11 

, 

79  81 

6 結 論 83 

参考文献 86 

A 多元信号軌跡解析システムの実装 90 

(7)

第 1章 序 論

1 . 1   研究の背景

画像からの軌跡の検出は パターン認識/理解のための基本的かっ重要な問題の 一つである.近年の計算機利用の急速な拡大に伴い,医用画像処理や図面の自動認 識など多くの分野で軌跡の自動検出の高精度化の要求が高まっている.

軌跡を自動検出する方法としては濃度値の最大点を連ねるというのが最も簡単 な方法であるが 重畳雑音のレベルが高くなると検出性能が急速に低下する.そこ で,検出しようとする軌跡の構造に関する知識を用いたモデルを用意し,モデルに 一致する軌跡を追跡しようとする方法がとられる.最も単純な例としては,軌跡の 連続性や平滑性を利用して検出を行う方法がある.また,対象軌跡、の構造に関する 先験的な知識を積極的に利用する方法と して構造解析的パターン認識と呼ばれる方 法が検討され,システマティックな扱いを容易にするために,文一句‑単語という 階層構造を持つ形式文法でモデルを記述し,その構文解析手法を応用して検出する 方法が提案されている [1

, ]

[2

  , ]

[3]. 

連続性を用いて軌跡検出を行った例としては, Ncyの行った,

x

線写真からの

機械部品の輪郭線の検出[4]がある.そこでは,画像中の軌跡、探索を最適経路問題と 見なし,動的計画法を用いて大局的な最適解を探索することにより,軌跡を検出し

ている.また, Neyは同じ枠組みで,連続性および平滑性を利用した音声ノてラメー タ軌跡の検出 [5]も検討している.構文解析的な手法を用いて軌跡検出を行った例と しては, Bnnkeらによる,雑音画像中からの正弦曲線の検出が挙げられる [6].そこ では,対象信号の性質を文脈自由文法で記述し解析するという方法を提案しており,

重畳雑音に対してロバストな検出が可能なことを示している.

これらの軌跡検出法の拡張の一方向として,複数軌跡すなわち軌跡群の検出問題

(8)

がある .Kopec [T]はサウンドスペクトログラム中の 3本のホルマント軌跡を動的計 画法に基づく軌跡検出アルゴリズムの繰り返し適用で検出している.佐藤ら

[ 8 ]

は心 臓エコー画像中の心臓運動軌跡を やはり軌跡検出処理の繰り返し適用で検出して いる.これらの試みでモデルに利用している事前知識は連続性とか,平滑性といっ た,個々の軌跡の性質に留まっている.また,処理が個々の軌跡ごとに行われるた め,局所的な最適解を求めることになり,大局的な最適解とはいえない軌跡を検出 する場合があると予測される.

本研究はこのような問題意識に立ったもので,個々の軌跡、に関する事前知識に加 えて軌跡、聞に存在する相互的知識の利用を可能とし,かつ局所解を避けるため軌跡 群全体としての最適解を得る枠組みを提案し,その有効性を検討したものである.

1 . 2   研 究 の概要

本研究は,個々の軌跡の振舞いと軌跡相互間の関係とを考慮したモデルを用い て,軌跡群を高精度に検出することを目的としたものである.本研究で対象とする 軌跡、は,時間あるいはそれに代わるインデックスで順序付けられた連続な時間関数 信号である.画像中に想定した時間軸上に複数の信号が存在する場合,この信号を 軌跡群あるいは多元信号軌跡、と総称する.後者は本数を意識する場合に用い,具体 的には 2元信号軌跡 k元信号軌跡、等の表現を用いる. 1本の軌跡は単元信号軌跡

と呼ぶ.

多元信号軌跡を検出するために,個々の軌跡の振舞いと軌跡相互間の関係に関す るモデルを形式文法で与え,モデルが生成する軌跡(群)と入力多値画像との間で京 大一致をとる形で解析を行う.解析の結果として,検出された軌跡(群)とそれらの 各部に対する解釈(ラベル付け)及び一致の度合の評価値を得る.

本研究は大別して 3部より成る.(1)まず,正規文法モデルで生成される軌跡群 と最もよく一致する軌跡群を 動的計画法により探索するアルゴリズムを提案した.

さらに計算量の低減のためにビームサーチを導入した.テスト画像を対象とした芙 験を行い,高精度な軌跡、の検出が可能なことを示した.(2)次に,上記の正規文法モ

(9)

デルを片jし、た軌跡検山アルゴリズムを 未知lの遅延を伴う軌跡群を検出する場合へ と拡張し,テスト画像を対象とした実験によりアルゴリズムの布効性を示した.(3)  最後に,よ り複雑な形状の軌跡群を表現するために モデルを文脈白白文法にレベ

ルアップし, CYE法に基づいた軌跡群の検出アルゴリズムを提案した.テスト jDij

i

象 を対象として,正規文法モデルを用いたアルゴリズムとの比較実験を行い,検山手!?

度に関する相対的優位性を示した.

1 . 3   論文の構成

本論文は,以下のように構成される.

第2章は,以下の章への準備を行ったものである.本論文で検出対象とする多冗 信号軌跡の定義と そのモデル化について述べ いくつかの例を示している.

第3章では,正規文法で記述される軌跡群を検出するためのアルゴリズムを提案 している.このアルゴリズムでは,個々の軌跡、の振舞いと軌跡聞の相互関係とに関 するモデルを正規文法で記 述し 動的計画法を用いてモデルに最もよく 一致する軌 跡群を検出する.さらにビームサーチを導入して計算量の低減をはかる.正 弦 山 線 および方形波を対象とした検出実験を行い アルゴリズムの有効性を示している.

4章では,第3章のアルゴリズムを拡張した,未知の遅延を伴う軌跡群の検出 アルゴリズムを提案している.このアルゴリズムでは 遅延のない状態での各軌跡 の振舞いと軌跡聞の相互関係とに関するモデルを用意し 遅延量を最適化パラメー タに含めた探索問題を動的計画法を用いて計算することにより モデルに最もよく 一 致する軌跡群を検出する.正弦曲線を対象とした検出実験を行い,遅延を伴う軌

跡群が検出可能なことを確認している.さらに,方形波を対象として,第3章 の 子 法との比較実験を行い,提案したアルゴリズムが検出精度に関する相対的優位性を 持つことを示している.

第 5章では,文脈自由文法で記述される軌跡群の検出法を検討している.CYI¥:  法に基づく検出アルゴリズムを提案し ビームサーチによる高速化を検討する.正 弦曲線を対象として正規文法モデルを用いる第3章の手法との比較実験を行い,よ

(10)

り高精度な軌跡、検出が可能なことを確認している.

最後に第6章で,論文のまとめと今後の課題について述べる.

(11)

第 2 章

多元信号軌跡とそのモデル化

2 . 1   まえがき

本章では,本論文で検出対象とする多元信号軌跡の定義と,そのモデル化につい て述べ,いくつかの例を示す.

従来の研究では 複数の軌跡を対象とする場合でも 個々の軌跡に関する知識に 基づいたモデルを使用して軌跡を検出しており,多元信号軌跡であることはほとん ど意識していない任1 多元信号の場合,軌跡、群全体の性質をモデルとして与えるこ とで,より高精度な軌跡、群の検出が可能になると考えられる.本章では,この考え に基き,個々の軌跡の性質に加え軌跡、相互間の性質をも考慮して,形式文法により 軌跡群をモデル化する方法を検討'する.

2 . 2   多元信号軌跡の定義

図2.1に本研究で対象とする多元信号軌跡の例を示す.この例は人工的に 2本の 正弦曲線を生成して雑音を重畳したもので, Bunke [6]が用いた例を 2元信号軌跡に 拡張したものである.本論文では,図 2.1のように時間軸t(t = 1 ,・・ ,T)と1次元 の空間座標軸 ;l(17 1,・・., ̲>:)を想定したディジタル画像

A=

α(:r, 

t )  

(2.1 ) 

を扱うこととする.α(:r,t)は時刻 t,位 置 zにおける濃度値である.この画像中に 含まれる k本の軌跡

x ( t ) =  ( : r 1 ( t)

,:r2(t),・・ :l:A:

( t ) )

が求める軌跡群である注2 以

t王I本研究のように軌跡聞の関係を考慮、して軌跡、を同時検出するアイデアとしては, :MontanarIら の文献[9]に平行な 2本の軌跡の検出について触れられているが, 具体的な検討はされていな v) ̲ 

(12)

χ 

図 2.1:多元信号軌跡の例

の例のように,

2

次元図形であって,

(1)いずれかの方向に時間軸tが展開できる

(2) 時間軸に直交するような:r軸をとり,位置(い:え:7.:む:,刈)でのt j濃農度値σα',(川え:77. れる

(3) 濃度の高い画素の連続(軌跡)として時間信号

x ( t )

が含まれている

という条件を満たす画像を対象とする .以 下 で は , 説 明 の 簡 単 化 の た め:fi(t) ~

:l:i+ (t)とする.また,上記のような画像中に軌跡として含まれる信号を信号軌跡と 呼び¥信号が複数ありうることを明示する場合,

I

多元」を付ける.

2.3  信号軌跡の種々の性質

信号軌跡には,連続性,平滑性などのように比較的, 一般的で低レベルなものか ら,例えば正弦波形, 三角波形, U"字形,更にはい 最初は 1時刻

3

点の勾配でず ち上がり,その後は平坦で……"といった対象の具体的形状を示す高レベルなもの まで種々の性質を考えることができる.多元となった場合にはこれに加えて信号 軌 跡相互間の性質を考える必要が生じる.その場合も 2本の軌跡、はほぼ平行 , 2

(13)

本の軌跡が徐々に接近する", 2本の軌跡、が合流する"といった 2本の軌跡のあ る時刻での関係を示す低レベルのものから, 2本の軌跡は,一貫して軸対象で,最 初平行で,ついで徐々に離れ,その後平行かつ水平に推移し,最後は時間軸に対し て垂直な軌跡で合流する"というような具体的な一個の物を記述するレベルまで考 えられる.

本研究では,以上のような信号軌跡の種々の性質に対して,軌跡群の低レベルな 性質すなわち最も基本的な構成要素である画素の動作を終端記号として定義し,具 体的形状を示すような高レベルな性質を形式文法の書換え規則によって記述するこ

とを考える.

以下,本論文では,多元信号軌跡の局所的な振舞いを多元基本動作と呼ぶことに する.軌跡の本数

( k )

を明示する場合には,

k

元基本動作と呼ぶ.特に単元信号軌 跡の場合には単元基本動作と呼ぶ.

2.4  構造記述文法

軌跡群の構造は,表2.1で定義される形式文法を用いてモデル化される.ここで,

開始記号 Sはt= 1から t= 

T

に至る軌跡群の全体構造に対応し,非終端記号は凹 像中の時間的部分構造に対応する.終端記号は多元基本動作の制約条件を満たす画 素の動作に対応する.以下,立体の英大文字(例えば

A

B

C

など)で非終端記号,

立体の英小文字(例えば州入cなど)で終端記号,ギリシャ小文字(例えばα

, s ,

γな ど)で長さ O以上の記号列を表すものとする.ここで,記号列の長さとは記号列中 に含まれる記号の個数を示す.以下では,終端記号aがη個連続した記号列を aの n連 接 と 呼 び , ど と 表 す (η:自然数).ま た 任 意 個 数 の 連 接 は ど と 表 す.

形式文法は, 書換え規則の性質から, (1)正規文法, (2)文脈自由文法, (3)文脈 依存文法, (4)句構造文法の4種に分類される.本論文では,まず第3章で,最も某 本となる正規文法モデルを用いた多元信号軌跡の検出アルゴリズムを検討し,第 5 章で文脈自由文法へと拡張する.正規文法および文脈自由文法の書換え規則は次の

(14)

表 2.1:形式文法の定義

( 1

公,1‑今,

P

S )

1!~v 非終端記号(英大文字)の集合 時 : 終端記号(英小文字)の集合

p  : 書換え規則(0'→グ)の集合 S  : 開始記号 Sε VN

(1)  正規文法 A → aB または A → a (2)  文脈自由文法 A→

これらの文法により生成された記号列は それぞれ正規言語 文 脈 自 由言語と呼 ばれる.文脈白白文法は正規文法と比較して より高度な言語記述能力を持つ.例 えば,記号列 anb'''は正規文法では記述不可能だが 文脈自由文法では記述可能で ある.使用する文法の記述能力が高いほど厳密なモデル化が可能となる.

2 . 5   多元基本動作の定義

多元信号軌跡、をモデル化するために,まずモデル文法の終端記号に対応する多元 基本動作を定義する.多元基本動作は,多元信号軌跡としての軌跡群の局所的性質 を表すものであり, 個々の軌跡の振舞いと軌跡、相互間の関係とよりなる.前者を個 別基本動作,後者を相互基本動作と呼ぶ.個別および相互基本動作としては種々考 えられるが,ここでは基本的なものだけを用意し,必要に応じて追加していく方針 をとる.

(15)

2 . 5 . 1   個別基本動作

まず個々の軌跡の局所的な動作を表す個別基本動作を定義する.表 2.2に,基本 セットとして用意した個別基本動作を示す.表中の制約条件が軌跡の局所的振荒い を示し,隣接する時刻の :7・座標ド =.r(t)とU

r (

t ‑1)の問の関係を与える.各 個別基本動作を図2.2に示す.ここで,図中の実線矢印は,各個別基本動作の制約条 件を満たすよつな, 1時刻前の座標からの遷移を示している.本論文では連続な軌 跡を扱っているので,①の九(連続)はデフォルトと考えるべきである.¥7は検出対 象とする軌跡、の最大傾斜である.これを超える傾斜の軌跡は垂直とみなして,⑥

③で処理する.

2 . 5 . 2   相互基本動作

次に 2本の軌跡間の関係を表す相互基本動作を定義する.表2.3に,基本セット として用意した相互基本動作を示す.表中の制約条件は 隣接する時刻における ::t 座標:t:1二 木1( t ) , ;7.: 2 ;7.: 2 t )とYl二 : r(t ‑

1 )

, Y2 :(t ‑

1 )

との間の関係を与える. 表に示した相互基本動作のうち,① ⑤を図 2.3に示す.

2 . 5 . 3   3 本以上の軌跡の相互基本動作

3本以上の軌跡群に対しては,隣りあう 2本の軌跡問の相互基本動作の組合せ によって記述することとする.ここでは,隣接する軌跡聞にのみ相互基本動作を指 定することとし,

k

本の軌跡に対して,

k  ‑

1組の相互基本動作を指定する.例え ば, :7̲: t ) , :1t ) ) :f 3 t )の3本の軌跡に対しては,ぇ:(t)と:f2(t)の問の相互基本動作 と, :f2 (t)と 勺(t)の問の相互基本動作を指定し, :7: (t)と:r3(t)の間の相互基本動作 を省略する.

(16)

表 2.2:個 別 基 本 動 作 の 例

個別基本 動 作 制 約 条 件(マ三 0)

①  F、~ 連 続 .1・‑守三 .lJlキ 勺

②  水平

③  1・/ 単 調 増 加 rーマ三 .1/く .1

④  I""'.̲  単 調 減 少 1

!J ~ ./" +マ

⑤  "/(0) 勾配指定 (れ:勾配)

⑤  垂 直 グく./"‑ ¥7 01" 1/ 

>    . " /

+マ

⑦  垂直(上向き) グ く 1'‑ ¥7

③  垂直(下向き) y 

./"+マ

tj1  y=x+2  y=x+1 

y=x 

・ ‑

xl y=x  1

x l .、与・・・杢. x

y=x1 y=x2

連続 水平

単調減少 勾配指定

図 2.2:¥7二2の場合の個別基本動作 (実線矢印 :制約条件を満たす遷移,破線矢印 : 制 約 条 件 を 満 た さ な い 遷 移 )

(17)

表2.3:相 互 基 本 動 作 の 例

相 互 基 本 動 作 制 約 条 件

①  S 平 行

Y 2  ‑ Y 1   = 

:12‑

. 1 : 1 

②  S<  間隔拡大

Y 2  ‑ Y 1   < 

.r.7:

③  S 間隔縮小

Y 2  ‑Y 1   > 

:山 一 Tl

④  S~ 軸 対 象 :

Y 1   =  Y 2  ‑

:L2

⑤  S 分 岐 .rlく :1

2

Y l

Y 2 = 

⑥  Sコ 合 流 T1 

:12 .1

Y 1   <  Y 2  

⑦  Sa(s 間 隔 指 定 (グ:間隔) :r:1:2

③  S1U 

( 1

w )

間 隔 大 ( :間隔) T1 ‑ T

>  f 3 w 

⑨  ηS(/3η)  間隔小(仇:間隔) :f1 ‑ 勺 く 。『

t;1  y2 

I L  

x2 

y

2

l : t : :  

Y 1 l   y1 

x1  x1 

平行 間隔拡大 間隔縮小

  .,

よx2 

y2~ y~, X2 y2 

│ 、ヲト..x y1 平、~I 司~ x1  y1 

x1 

軸対称 分岐 @ 合流

(18)

表 2.4:記号辞書の例

終端記号 元 数 個別基本動作

1ε1争 k  軌跡 1(./"1)  軌跡 2

( : C 2 )  

γ 0'1γ × 

γ¥ 

T'¥̲  γ

九:水平または単調増加 (単元信号軌跡) b: 軌跡 1は単調減少,軌跡 2は水平

2 . 5 . 4   多元基本動作

相互基本動作 制約条件

×  r ‑ ¥7 

: S  

: S  

:1  1

'1くy]三:r:

+ マ

:r2

Y 2

:1' 1く Yl三:1'1

+ マ

s‑‑ 1' ¥7 

: S   Y 2

T2 :t:

Y l

Y 2

.L2

L ̲  

c 軌跡、 1は単調減少,軌跡、2は単調増加,

2本の軌跡は軸対称

多元基本動作は,個別基本動作と相互基本動作の組合せで指定される.多元基本 動作の制約条件を満たす画素の動作 すなわち個別及び相互基本動作の制約条件を 同時に満たす画素の動作が,終端記号となる.表2.4に,終端記号を定義するための 記号辞書の例を示す.表の右端に,各終端記号に対する多元基本動作としての制約 条件を示す.これらの制約条件は,表2.2

2.3を参照することにより求めることがで きるため,次節以降の記号辞書では省略する.表中の 一"は 基本動作を特に指 定しない場合,もしくは他の基本動作により自明である場合を意味する.また表中 の x"は,単元信号軌跡に対する相互基本動作指定のように基本動作の指定が不 可能な箇所である.

(19)

x

x1 

;←a*+;+b*一→;.ゲ白一一b一‑..:

図 2.4:多元信号軌跡の例 1(2本の軌跡)

終端記号 元数 個別基本動作 相互基本動作 vε V

軌跡 1(:rl)  軌跡2(:r2) 

a  2  γ 1・→ 01' γ/ 5=: 01'  ~

T'¥̲  γ‑,  01'  '1""..  &01' S

a 軌 跡 lは単調増加,軌跡2は水平または単調増加,軌跡問の関係は平行または間隔 縮 小

b:軌 跡 lは単調減少,軌跡2は水平または単調減少 軌跡、聞の関係は平行または間隔 拡大

2 . 6   多元信号軌跡のモデル化の例

以上の基本動作を用いた多元信号軌跡のモデル化の例を以下に示す.

多元信号軌跡のモデル化の例 1

図2.4の軌跡をモデル化するために,表2.5の記号辞 を用意する.表に定義され た終端記号&】bを使用すると,図の 2本の軌跡をい*b*)*と表すことができる.この 記号列は, 2本の軌跡がともに単調増加しながら間隔縮小する状態と単調減少しな

(20)

x2 

x1 

t . ‑

a

b... c*ー→d.e*...f...ゲ ギ t  図 2.5:多元信号軌跡の例 2(矢印)

終端記号 元 数 個別基本動作 相互基本動作 vεlケ k  軌跡 1

( : r 1 )  

軌跡2

( : r

2) 

v.  ×  × 

Sc ancl  S;:. 

γ→ 

δ

1¥ s...

f  (2→)1  γ 7""  ら むlcl,~

a :

連続(単元軌跡)

b:垂直(下向き)な軌跡 1と垂直(上向き)な軌跡、22本の軸対称、な軌跡に分岐

c :  

2本の軌跡、ともに水平

d:軌跡 1は垂直(下向き),軌跡2は垂直(上向き), 2本の軌跡は軸対称 e 軌 跡 1は単調増加 軌跡2は単調減少 2本の軌跡は軸対称、

f:軌 跡 1は単調増加 軌跡2は単調減少 2本の軌跡は軸対称、かつ 1本の軌跡に合流

(21)

する正規文法の書換え規則は,開始記号を

S

,非終端記号を

A j B

として,

s

→孔'.,....J.., 

S→

a B .  A

a A .  A

b B ) B

bB.B

a A .  B

b

となる.

多元信号軌跡のモデル化の例 2

次に図 2.5の軌跡のモデル化の例を示す.表 2.6で定義された終端記号仕fを使用 することにより 図 の 軌 跡 を ど

b c * c l e

マ ゲ と 表 す こ と が で き る . こ こ で , ど に 対 応 する軌跡としては 図中に示されていない任意の連続な軌跡、を想定している.この 記号列を生成する正規文法の書換え規則は,開始記号を

S

,非終端記号を

A j B i C ) D

として,

s

aA A

aA A

bB B

C B B

c l C C

c C C

→fD; 

D

→ 

aD.D

a

となる.

多元信号軌跡のモデル化の例 3

図 2.5の軌跡に対して,水平平行な部分(胴)と間隔縮小する部分(頭)との聞の← 短に関する記述を追加する場合には 文脈自由文法を用いてモデル化する必要がある.

この場合,表 2.6の終端記号

a ‑ f

を使用することにより,図の軌跡をど

b c m c l e η f

ど('m.

η)と表すことができる.この記号列は,開始記号を

S

,非終端記号を

A ) B

C ) D j E

と して,

s

A b B D e f A )  A

aA

A

a .   B

c B )  B

c )  D

CDE

C

c .   D

→ 

c

l

E

e

という文脈自由文法の書換え規則により生成できる.

2.7  まとめ

本章では,検出対象とする多元信号軌跡、の定義と,そのモデル化について述べ,

いくつかの例を示した.本章 で 提 案した多元信号軌跡のモデル化は,個々の軌跡、の

局 所 的 振 舞 い だ け で な く 軌 跡 相 互 間 の 関 係 も 考 慮 し た 方 が より高精度な軌跡、の検 出が可能になるとの考えに基づくものである.個々の軌跡の局所的振舞いを示す個 別基本動作と,軌跡相互間の関係を示す相互基 本 動 作 と を 用 意 し,それらの組合せ により多元基本動作を定義した.多 元 基 本 動 作 の 制 約 条 件 を 満 た す よ う な 画 素 の 動

(22)

2.2, 2.3で示した個別/相互基本動作は 現段階で準備した基本的なものを例とし て示したものであり 必要に応じて追加することができる.

(23)

第 3 章

正規文法モデルを用いた多元信号軌跡 の解析

3 . 1   まえがき

本章では,軌跡群検出法研究の第一段階として,正規文法(以下,

RG)

モデルと 動的計画法とに基づく検出法を提案する.

RG

モデルと等価な有限状態、オートマトン (以下,

F S A )

モデルを準備し,

FSA

モ デルによって出力される軌跡群と入力多値画像との問で最大一致をとる形で解析を行 う.

FSA

の各状態は軌跡群の時間的部分構造に対応し,出力記号は多元基本動作の 制約条件を満たす画素の動作に対応する.局所的な決定は行わずに

FSA

によって 制御される状態の遷移と各状態で指定される経路群とを動的計画法(以下, DP) [10]  によって並列的に探索することにより モデルに最大一致する軌跡群を定める.な お処理対象となる入力画像は濃淡画像のままであって 線分候補の抽出等の前処理 は一切想定していないことを注意しておく .

以上の考えに基づいて 多 元 信 号 軌 跡 解 析 ア ル ゴリズムを構築し,さらにビー ムサーチ[11]を導入して計算量の効率化をはかる.説明の簡略化のため,まず、単冗 お よ び2元信号軌跡の検出について記述する.3本以上の軌跡の検出への一般化は 3.5節で論じる.

(24)

3 . 2   有限状態オートマトンによる多元信号軌跡のモ デ ル

イ ヒ

次式で定義される FSAを用いた多元信号軌跡のモデル化について説明する.

FSA  = 

(Q ~; ムqo

F ) 

tF qJ  1l FSBB

Q:状態集合

{ ρ )

u:出力記号集合

{ n }

(出力記号 η は多元基本動作(RGでの終端記号)に対応する) ム:状態、選移規則 (b(p川 =q は IJ-Lq を意味する. ただし pq ε Qiηε~) qo:初期状態 qoε Q

F:最終状態集合

{ f } f

εF C Q  

まず,実際の画像との接点となる各出力記号を,多元基本動作により定義する. 次に具体的な全体構造および部分構造を各状態で定義する.さらに状態間の遷移規 則を与える.例として 表 3.1の出力記号を想定し 遷移規則が図 3.1の状態遷移│文 のように与えられる場合を考える.この遷移規則は b*という記号列を出力する.

すなわち,最初は水平平行で,ある時刻(状態遷移点 (A→ B))を境にして単調増

加かつ間隔拡大に変化するような 2本の軌跡を表すモデルとなっている.このモデ ルによって生成される 2本の軌跡の例を図 3.2に示す.

3 . 3   多元信号軌跡の解析アルゴリズム

3 . 3 . 1   問題の設定

入力画像A =α(:r,

t )

の中から,与えられた FSAモデルに最大一致する軌跡群を

検出するという問題を考える.この問題は,モデルに従う軌跡群のうち,その軌跡上 の濃度値の総和が最大になるものを探索する問題である.例 え ば2本の軌跡、の場合,

(25)

出力記号 元 数 個 別 基 本 動 作 相 互 基 本 動 作

T/  k  軌 跡 1

( : r l )  

軌 跡2

( : r 2 )  

a  2  γ→ 

γ S

a :

軌跡1, 2ともに水平

b:軌跡1, 2ともに単調増加,軌跡聞の間隔は拡大

3 . 1 : FSA

に よ る モ デ ル の 記 述

( S

:初期状態,

B :

最終状態)

3

a‑‑‑‑̲‑̲ ι* 0.:  x2 

x1 

3 . 2 :FSA

モデルが出力する軌跡、の例

(26)

FSAモデルM が出力する軌跡群の集合をL(M)とすると, {( .r t); (:1' 

J  ) 

}ε L(M)  という条件の下, 目的関数

( α ( . r 1 ,

t) 

a ( .

7:2t))  (3.2 )  1=1 

を,

L (

λイ)に関して最大化する問題として定式化することができる.すなわち

G(A)M)=~n出 L(ルイ)

E

(α(:r1't) 

+

α(:r2, t)) 

{(X] 1)(X21)}εL(A;f ) 

(3.3 ) 

この最大化問題は,時刻fを段とする多段決定過程と見なすことができ, DPを用 いて解くことができる.各段での出力記号の評価は, 2.5.1節で説明した個別基本動 作と 2.5.2節で説明した相互基本動作とに対する制約条件の下で DP漸化式を計算す

ることにより行われる.

以下では,まず単元基本動作を評価する DP漸化式について説明し,次いで2元 基本動作を評価する DP漸化式を説明する.その後,それぞれの DP漸化式と FSA

を統合した解析アルゴリズムを構築する.

3 . 3 . 2   単元基本動作の評価

単元信号軌跡の基本動作である単元基本動作は, 2.5.1節で定義した個別基本動 作によって指定される.表 2.2の 個 別 基 本 動 作 ① ⑤ は , 次 の DP漸化式によって 評価される.

g (

t ) =

α(73t)+mpxlg(U31‑1)l

( 3

.4 ) 

ここでg(:t)は,座標(:r,t)までの最大累積濃度値である.g(:r, t)には, (:1',  t)が軌 跡上にあると仮定した場合の,軌跡の評価値 α(:rグ)が累積される.yは点(川t)に 接続する 1時刻前の点の :r座標である.この

u

に対する制約の与え方によ って,衣 2.2の個別基本動作 ① ⑤が指定される.

個別基本動作⑥ ③(垂直)は別の DP漸化式(3.5)によ って評価される.

(27)

111 ti it l

I

ll i

1

1i  l

4'uu 

n y  

1i   jJl

T Zlll

川 一

U

Z 2

円 一

llll

'1 SI ll i

L

Gy

‑ 一

4l 

ο (3.5 ) 

右辺第 l項の

α : (

t )

の和は, 垂直成分を評価するための項である.1 時刻の遷移待 に積算を行う他の基本動作とのバランスのため,この和を垂直成分の線分長で平均 化している在1

3 . 3 . 3   2 元基本動作の評価

2元信号軌跡の基本動作である 2元基本動作は, 2.5.2節で説明したように,個 別基本動作と相互 基本動作の組合せにより定義される.

2

元基本動作の評価は,与

えられた制約条件の下で,次の DP漸化式を計 算することによ って行われる.

g(:7.:1, :.7:2, t) =α(.1:1,.':.72,t)

+ 守安

[g(Y1,Y2, t ‑1)]  (3.6) 

。~(:r: 1t)+ α( 勾?

α (

,:1:2,t) 2

( 3 . 7 )  

ここで g('.:.71,:r2,t)は,座標(.T1,t), ('.:.72, t)までの 2本の軌跡の最大累積濃度値であ り

, α(:r , :1: 2, t)は時刻 tにおける 2個の画素(川,t),(:"12,t)の平均濃度値である. g(::t1::7.2, t)には,(:1.1,t),(::t2パ)が軌跡上にあると仮定した場合の, 2本の軌跡、の平 均濃度値が累積される.Y1, Y2は,それぞれ点(川,t),(:r2' t)に接続する 1時刻前の点 のえ:座標を表す.この Yl

Y2に与える制約条件によって, 2元基本動作が指定され る.個別基本動作として, 垂直"が指定されている場合には,式 (3.11)を2元に拡 張した評価式を使用する.なお,式

( 3 . 7 )

において濃度値の平均を用いているのは,

分 岐,合流などによって生じる元数の変化に対応するためである注2

j主lこの平均化を行わないと垂直成分が優先して検出される傾向が生じる.(3.5)はこのよ うな 傾向は好ましくないとの立場をとったものである.

注2平均化を行わないと元数の多い軌跡を検出する傾向が生じる.

(28)

3 . 3 . 4   解析アルゴリズムの構築

前節までに説明した

DP

漸化式と

FSA

を統合して解析アルゴリズムを構築する.

こ の 解 析 ア ル ゴ リ ズ ム は , 連続 音 声認 識 に 用 いられ る フ レ ー ム 同 期

DP

[ 1 1 ] . [ 1 2 ]  

に類似した考え方に基づいている.フレーム同期

DP

法は単 語列 の 生 成 モ デ ルに某 づ く 連 続音 声認識法で,各フレーム(時刻)を単語遷移点と仮定して最適 な 単語列と 遷 移 点 を 探索する.ここでは, 最適 な 記 号 列 と 状 態 遷 移 点 の 探索に同様のアルゴリ ズムを用いる .

3 . 3 . 5   基本的な考え方と軌跡の探索空間

FSA

の 各 状 態 ρ毎 に 探索空 間

( x

,t,

p )

を 対 応 さ せ , 与 え ら れ た 状 態 遷 移 規 則 に したがって,t 0の 初 期 状態か ら そ れ ぞ れ の 探 索空間 を 経 由 し て t Tでの京 終 状態

f

に至る 経 路 の う ち , 累 積 濃 度 値g(x

T

f)が最大になる経路を見つける.

3 . 3

に,

3 . 2

節で例示したモデルを用いて,入力画像 α(:Lス)から

2

本 の 軌 跡 どb* が検出される様子を示す.状 態 A,Bに対応して 2個 の 探 索 空 間 を 用意し,各々で記 号 列 ど お よ びb本に対応する 2本の軌跡を検出する.検出すべき軌跡は最初は状態、A

にあり,何処かの時点で状態Bに移り,最 後 は 状 態Bで終了する.このような 2本 の軌跡で,時 間 全 体 に わ た っ て の 軌 跡 上 の 平 均 濃 度 値 の 累 積 値 が最大 にな るも のを 探索する.

各々の状態に対応する軌跡の基本動作は, 式 (3 .4 )~(3.6) の DP によって評価さ れることは,すでに述べたとおりである.あ ら た に 考 慮 す る 必 要 が あ る の は 状 態 間 の 遷 移 で あ る . 以 下 に そ の 解 析 ア ル ゴリズ ム を 示 す.

3 . 3 . 6   解析アルゴリズム

いま状態聞の遷移が,状態遷移規則 d(p

η) qによって行われるとする (p

q

ε

仏 ηε~) .

3 . 3 . 2

, 

3 . 3 . 3

節 の

D P

式 を 拡 張 し , こ の 状 態 遷 移 規 則 の 制 御 を 組 み 込 む ことによって解析アルゴリズムを得る.

3 . 3

の 探 索 空 間 に 対 応 し て 次 の よ う な 解 析 テ ー ブ ル を 用意する.

(29)

s t a t e   A 

X↑ 

a ( x , t )  

i n p u t  image 

X1  ~ ~

12‑‑‑‑‑‑t  T 

a a . . . . . .   ・  . . . . . . . . . . .  a 

bb 

・ . .

H

・ ・

図 3.3:解 析 ア ル ゴ リ ズ ム の 概 念 図

• g(:r, tlq) :時刻 tで状態 qにあり,軌跡が1本 (k1)で:むを通るとしたとき の,その時刻までの最大累積濃度値を記憶する.

bp(:l、スIq):上記に対応し, 1時刻前の状態、 p と軌跡、の位置

u

とを記憶する.

• g(:rl' :r2, tlq) :時刻fで状態、qにあり,軌跡が2本

( k = 

2)で 川,:7.:2を通るとし たときの,その時刻までの最大累積濃度値を記憶する.

bp(川,:r2, 

q) :上記に対応し,1時刻前の状態 p と軌跡の位置 uとを記憶する.

初 期 設 定

初 期 状 態 qoでの元数kによって,以下のように初期設定を行う.

(30)

(i) k 1の時,

n u n U  

O A U

υ4ρt 

OJ

∞ 

1

11 '

1l it t

p  一 一

U

rtt¥

J (3.8 ) 

(ii) k 2の時,

n

fE lt

F

BE E

一 一

J

ii

U

f

Jη ' l ¥ 

jJ qo

pヂqo

(3.9) 

時刻fにおける処理

f 1,2,・・

T の各時刻で各状態 qにおいて,各ぇ:(単元の場合),各

( r :

1, :7:2) 

( 2元の場合)に対し,次の [lJ‑ [3Jを実行する. [ 1 

J

単元信号軌跡検出

式 (3.4)に対応して,表2.2の① 1ーか ら ⑤ 1/(0)のいずれかの記号 nにより状 態、pから状態qへ遷移する各:1に対して, ]J  yをパラメータとして

g(T.,tlq) 

=

α

( 1 :

, t) 

m,?̲x m̲ax [g(y, t ‑1 

p)]  (3.10) 

b(pη)=q 

を計算し

ι

,上式の最適なパラメ一夕

ω (

p,

) ω

y bp(:11

約条件は,状態遷移規則 d(

ω

p

η川)二 qの記号ηによつて与えられる.ここで同ーの

基本動作の継続は,同一状態の連続を示す遷移規則 d(p,η)=pによって実現する.

式 (3.5)に対応しては, 表 2.2に⑥ ③で示した個別基本動作 垂直 "(Tl,rr,Tj)で 定義された記号ηによって遷移する状態qにおいて,各:7・に対して,p

yをパラメー

タとする次の式が評価される.

_0αC~ , t) 

g (

ぇ,:

I  q ) 

ln.~x m^~x 11 ~ ... , 

9 (y, 

I  p )  

6

︑︑

1ar

‑ E

11qJ 

r s

上式の計算の後,最適なパラ メータ (p

y)をbp(:r

q)に格納する.個別基本動作 垂直"は継続を許さないものとし,p戸qなる d(p,n) qに対して,式(3.11)が 評価される.

(31)

s t a t e A  

g ( x , t / C )  

g( , x

t / 

B )  

f

夫??印

t/ 

A) 

H t ¥ a ( x ; ふ)

X=(X1,X2) 

υ 

図 3.4:DP 漸化式の計 算の様子

[ 2 

2元信 号軌跡検出 式 (3.6)に対応して,

g( :7:2,t I 

q )  

=α(九 九t)+mpxT

[g(Yl,Y2, t ‑1 I p)]  (3.12) 

o(pn)=q 

を計算 し,up(川,:7:2, q)に上式の最適なパラメータ (p

Yl

, 

Y2)を格納する.ここで,

パラメータ Yl

Y2に対する制約条件は, 2元基本動作を表す η によ って与えられる.

2元 の 場 合 に お い て も , 基 本 動 作 が 継 続 を 許 さ れ て い る な ら ば ,p qなる 6(p,η) qを 評 価 し , 継 続 が 許 さ れ て い な い な ら ば,p 

qとする.図 3.4に式

(3.12)の処理の様子を示す.

[ 3 

J

元数の変更

相互基本動作のうち, Sc(分岐)"と Sコ(合流)"では,それぞれk

1→ 2, 

k 2→ lなる元数の変化が生じる.よって,分岐の場合には式 (3.10),(3.11)を 計 算 し た 後,

qLqa

= 4

ιt

'EA3E

お お

P4  

ι

'll/ZEE バ民一

・ ‑

一 一 PA  

4'L

内ノ

fl¥ 

UJ (3.13) 

(32)

によって元数の変更を行う.合流の場合には式 (3.12)を計算した後,

g(.r, t p)ニク(.r.r, t p)  (3.1.J)  によって元数の変更を行う.

バックト ラッ クによる最適軌跡の検出

T までの処理が終了した時点で

( : : . 1 , 

f) argma.x[g(Tf)]  (3.15) 

または

(ん;九f)argmax 

[ g ( . C l

Tf)]  t'iF ο uh ''l '

によって,軌跡の終端と最終状態とを決定する.この点から b旬'p(:lt

b句'pベ(~川1,匂,t

川 I q ω )

を参照してパツク トラツクすることにより,求める軌跡を検出する.

検出された軌跡とモデルとの一致度は,

G(A , M)  = 

m

[9(:

: 1 , T 

f)]  (3.17) 

または

G(

μ

A

M片=)

m 〉 : f

旬[g(:1工 川 :

によつて計算される.なお,式 (3.17),(3.18)で求められた軌跡の評価値が極端に小 さい場合は,モデルに対応する軌跡は検出されなかったと判定する.

3.4  ビームサーチによる計算量の低減

以上に説明した,FSAモデルを用いた多元信号軌跡解析アルゴリズムの計算 について考察する.サイズ̲¥:"x T の入力画像から, 2元信号軌跡を検出する場合,

与えられた FSAモデルの状態数を

I Q I

,遷移規則数を│ム!とすると,各時刻 tで

( : 7 :

1, T2P) (1三Cl

:r2)':jJ

ε

Q)の評価を行うため,時間計算量は 0(1ム1̲¥:"2T)

(33)

となる.また検出に必要な解析テーブルのサイズすなわち空間計算量は, 0(1ο1_~2T) となる.特に,探索空間のサイズは _~2 に比例するため 探索空間の圧縮によるア ルゴリズムの効率化が必要となる.

そこで探索空間を圧縮するための方法として 連続音声認識などで用いられてい るビームサーチ (bcarnscarch) [11]の導入を検討する.ビームサーチは, 最適経路と

して可能性の低いものは以後の計算から除外するという枝刈りを行い,枝刈りの結 果残った点だけを計算することで,探索空間を圧縮し計算量を大幅に低減する効率 化手法である.ここで,枝刈り条件をパスした点の集合をビームと呼ぶ.

枝刈りは,各時刻での累積濃度値gと枝刈りの基準として用意するしきい値との 比較により行われる.しきい値の求め方としては様々な方法が考えられるが,ここで は,文献[11]で用いている方法を採用する.各時刻t‑1でgn川 二 max[g(xJ‑1

p)]  (x (~l:何) Or 

( : r

l(t),.1'2(t)) )を求め,

B (  

t) 9nw.l一入(入:余裕分を与える定数)をし

きい値とし, g(x, t p)が

B (

t)未満の点 (x,tp)に続く軌跡の探索を打ち切る.耳支 適な余裕定数入の値は対象画像の品質や与えられるモデルによって異なるため,実 験的に求める必要がある.

3 . 5   元 数 た に 関 す る 一 般 化

3.5.1  軌跡の探索空間と解析テーブル

前節までに説明したアルゴリズムを,k本の軌跡x(t)

(:rl(t), :l:2(t),・・・3九・(t))  を検出するアルゴリズムに一般化する.まずk本の軌跡に対して,探索空間 (x

tp)  を用意する (x=(:rl2,・ ,:rk),l三:r:S;  :1:S;  ..三九三̲¥",1三f三T

p:状態). 

与えられた

FSA

モデルの状態遷移規則にしたがって,t 

0

の 初 期 状 態 か ら 各 状 態 に対応するそれぞれの探索空間を経由して,t T での最終状態

f

まで至る経路の うち最大の累積濃度値を与える経路を見つける.

まず上記の探索空間に対応して次のような解析テーブルを用意する.

(34)

の時刻までの最大累積濃度値を記憶する.

up()(xJq) :上記に対応し, 1時刻前の軌跡の位置

ν

と状態ρとを記 憶する.

3 . 5 . 2   解析アルゴリズム

初期設定

時刻 t0で,初期状態f]

o

での元数kに対し,以下のように初期設定を行う.

n u

n

oiOA 

=

f

pa υ4  

fB

EE

'

FBEEt

‑ ‑

jqSF

n u  

r' '

t

1K

 

UJ (3.19) 

各時刻tにおける処理

1,2,・・・

Tの各時刻で各状態 qにおいて,各Zに対し 3.3.6節と同様の処理を 行う.式 (3.6)に対応して DP漸化式はp

ν = 

(Yl

, 

Y2γ

yん)をパラメータとして,

ザ ) ( Z 3 tlq)=; 芝 山 ? 巾

m m g(k)

ス ‑

p)1  (3.20) 

κ‑ァ‑

γ 1=1  5l(pn)=q 

となる.ただし個別基本動作として 垂直"が指定されている場合には,式(3.11) をk元信号軌跡に拡張した式を評価する.

以上の k本の軌跡を検出するアルゴリズムの時間計算量,空間計算量はそれぞれ

0 ( 1

1 ‑ > :

んT),O(IQI̲>:kT)となるが, 3.4節で説明したビームサーチを一般化して適 することで,計 算量の低減が可能である.枝刈 りの基準には 3.4節と同様の基準を用 いる.すなわち,各時刻t‑1であnαェ二 rnax[g(k)(X,t‑11 p)]を求め,e( t) = gnw.x一入 をしきい値としてがん)(x

, 什

p)

e(t)であるような点 (x

tp)に続く軌跡の探索を 打ち切る.

1¥ックトラック

T までの処理が終了した時点で

G(A

M) = で ア [ g ( 川 , T

f ) ]  

(3.21

参照

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