楽譜を読み取る力を育てる歌唱活動についての研究 : 学習指導要領における〔共通事項〕に着目して
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(2) 目 次. 凡例. はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 1. 第1章 小学校学習指導要領による概論 第一1節 〔共通事項〕とは・・・・・・・・・・・… .’’’’’’’’’3. 第2節 歌唱活動の取り扱い・・・・・・・・・・・・・・・… ’・’’’8 第3節 〔共通事項〕と歌唱活動の関連性・・・・・・・・・・・・・・… 12. 第2章アンケート調査について 第1節アンケート調査の目的・方法・・・・・・・・・・・・・・・・… 15 第2節アンケート調査の内容・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 19 第3節 大学生アンケート調査の結果・分析・・・・・・・・・・・・・… 36 第4節 小学生アンケート調査の結果・分析・・・・・・・・・・・・・… 63 第5節 大学生及び小学生へのアンケート調査についての総合的な考察・… 80. 第3章 アンケート調査及びインタビュー調査に基づく実状. 第1節教員へのインタビュー調査の目的・方法・内容・・・・・・・・… 82 第2節 教員へのインタビュー調査による小学生の実状・・・・・・・・… 86 第3節 アンケート調査及びインタビュー調査に基づく歌唱活動の実状・… 95. 第4章 分析結果に基づく歌唱指導の授業実践 第1節 授業実践の目的・方法・・. ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ … .・ ・ ・ ・ … 102. 第2節 授業実践の内容・分析・・. ・ ・ … . ・ . ・ ・ . ・ ’ ・ ・ ・ … 112. 第3節 授業実践の考察・・…. . . . . . . . . . ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ … 144. おわりに・・.’...’’..’’. ’ . . . . ・ . . ・ ・ ’ . . ・ ・ ’ … 152. 謝辞・・・・・・・・・・・・…. . . . . . . . . . . . . . . . . … 155. 参考・引用文献及び資料・・・…. . ・ ・ . ・ . . . ・ ・ . ・ ・ . ・ . . ・ ・156. 資料編.
(3) 凡 例. ・引用文献、参考文献を表す場合は、『. 』を付す。. ・引用、参考文献については、著者、出版社、発行年を明記する。. ・引用部分は、文章中に「」を付す。. ・筆者による追加説明には、(. )を付す。. ・文章中の楽曲名、作品名には、『. 』を付す。. ・楽曲名を示す場合、「曲目」を用い、それ以外の場合は「曲」と示す。.
(4) はじめに. 平成20年3月に告示された小学校学習指導要領の改訂によって取り扱われる歌唱共通 教材の楽曲数が各学年とも増加し、歌唱活動の充実が挙げられた。また同時に〔共通事項〕 が新設された。〔共通事項〕とは「音色、リズム、速度など音楽を特徴付けている要素や、 反復、問いと答えなどの音楽の仕組みを聴き取り、それらの働きが生み出すよさや面白さ、 美しさなどを感じ取ること、「音符、休符、記号や音楽にかかわる用語」を音楽活動を通し. て理解すること」と示されており、表現及び鑑賞の各活動の中で共通した内容として扱わ れるものである。これらは音楽に親しむうえで支えとなる基本的な能力であり誰にとって も必要となるものである。. 筆者は過去に、「ト音記号」の意味が分からない大学生がいると聞き、小学校で習ってい. るはずの学習内容でさえも理解していない場合があることを知った。音楽を表現するには 音符を音にするだけでなく、楽譜を読み取ることによって曲に対する興味・関心を高め、 曲想や曲の構造を捉えることも求められる。また、楽譜からより多くの情報を読み取るに は、音楽にかかわる用語を知識として正確に身に付けておかなければならない。そのため には、楽譜を活用して効率よく理解させることができるような指導をすることが求められ る。児童がこのような指導を受けることによって、楽譜を通して音楽の読み取りや理解が 可能となり、それを音楽として表現する能力を獲得することへとつながっていくと考えら れる。では、教科書に記載されている音符や記号などを、小学生の段階で知識として身に 付けさせるにはどのような指導をすればいいのだろうか。また、そこから楽譜を読み取る 力は、どのように育てることができるのだろうか。. そこで本研究では、〔共通事項〕の内容に着目した歌唱活動を通して、児童に楽譜を読み 取るカをより適切に身に付けさせるには、どのような指導をすればいいかを研究していき たい。ここでは、楽譜を読み取る力に重点を置くため、〔共通事項〕のイに示されている、. 音楽にかかわる記号や用語を中心として考察していくものとする。 その方法として、まず、教科書を出版している3社の歌唱教材の取り扱いを比較する。. 1.
(5) そこから、歌唱教材における音楽にかかわる記号や用語について、実際とのように教科書 の中に取り入れられているかを知ることができる。次に、小学生と大学生を対象にアンケ. ート調査を行う。このアンケートの結果から、小学生と大学生それぞれの音楽に関する知 識や能力の実状について把握し、歌唱活動における実状と照らし合わせて考察する。さら に、その結果を参考にして、音楽にかかわる記号や用語に関する知識を身に付けさせる歌 唱指導を実践していく。. 音符、休符、記号や音楽にかかわる用語に対する理解を深めていくことで楽譜を自主的 に読み取ることにも関心が高まり、表現に対する意欲が生まれると考えられる。このよう な過程の中で、児童が音楽を通して表現する能力を育てる指導方法を探究する。.
(6) 第1章 小学校学習指導要領による概論. 本章では、本研究の観点である新学習指導要領における〔共通事項〕が、どのように位 置づけられているか、また、歌唱活動が学習指導要領の中で、どのように取り扱われてい るかを見ていく・。. 第1節 〔共通事項〕とは. 本節では、〔共通事項〕について述べていく。まず、〔共通事項〕について述べた後に、 新学習指導要領の中での音楽科改訂の趣旨や要点などの観点から、〔共通事項〕を見ていく こととする。また、ここでは、それぞれの項目について、小学校学習指導要領、同解説(総 則編、音楽編)の中から抜粋する。. (1)〔共通事項〕について. 1)〔共通事項〕の定義. 平成20年告示の新学習指導要領より、表現及び鑑賞の内容は、歌唱、器楽、音楽づく り、鑑賞の活動ごとに示されるようになった。〔共通事項〕とは、それらのすべての活動に. おいて、共通に指導する内容を各活動の指導内容から独立して示したもので、表現及び鑑 賞の能力を育成する上で共通に必要となるものである。小学校学習指導要領解説(音楽編) では、次のように記載されている。. 〔共通事項〕. (1)「A表現」及び「B鑑賞」の指導を通して、次の事項を指導する。 ア 音楽を形づくっている要素を聴き取ることとその働きを感じ取ること イ 音符、休符、記号や音楽にかかわる用語を理解すること (小学校学習指導要領解説(音楽編)p.14).
(7) 〔共通事項〕は、r独立した領域や活動分野ではな」1く、表現及び鑑賞それぞれの活動 を通して指導する内容として示されている。すなわち、歌唱、器楽、音楽づくり、鑑賞の 各活動では、〔共通事項〕と活動における指導事項の両方を取り扱い、関連性をもった指導. が求められていることが分かる。そして、各活動の学習内容が深まるだけでなく、それら の活動によって、〔共通事項〕の内容の学習が高まっていくという相互関係がある。. 2)〔共通事項〕の内容 ここで、小学校学習指導要領解説(音楽編)の中に記載されている、各学年における〔共. 通事項〕の内容を挙げていく。ただし、前学年と比較して追加された内容に一重下線を、 また、前後の学年と異なる部分に二重下線を、それぞれつけることとする。. 〔第1学年及ぴ第2学年〕 2 〔共通事項〕. (1)「A表現」及び「B鑑賞」の指導を通して、次の事項を指導する。 ア 音楽を形づくっている要素のうち次の(ア)及び(イ)を聴き取り、それらの働きが生 み出すよさや面白さ、美しさを感じ取ること。 (ア)音色、リズム、速度、旋律、強弱、拍の流れやフレーズなどの音楽を特徴付けている 要素 (イ)反復、問いと答えなどの音楽の仕組み. イ 身近な音符、休符、記号や音楽にかかわる用語について、音楽活動を通して理解する こと。. (小学校学習指導要領解説(音楽編)pp.33・34). 1初等科音楽教育研究会編『最新 初等科音楽教育法政訂腕小学校教員養成課程用』 音楽之友社 2011p.22 4.
(8) 〔第3学年及び第4学年〕 2 〔共通事項〕. (1)「A表現」及び「B鑑賞」の指導をとおして、次の事項を指導する。 ア 音楽を形づくっている要素のうち次の(ア)及び(イ)を聴き取り、それらの働きが生 み出すよさや面白さ、美しさを感じ取ること。 (ア)音色、リズム、速度、旋律、強弱、音の重なり、音階や調、拍の流れやフレーズなど. の音楽を特徴付けている要素 (イ)反復、問いと答え、変化などの音楽の仕組み. イ 音符、休符、記号や音楽にかかわる用語について、音楽活動を通して理解すること。 (小学校学習指導要領解説(音楽)pp.48−49). 〔第5学年及ぴ第6学年〕 2 〔共通事項〕. (1)rA表現」及びrB鑑賞」の指導を通して、次の事項を指導する。 ア 音楽を形づくっている要素のうち次の(ア)及び(イ)を聴き取り、それらの働きが生 み出すよさや面白さ、美しさを感じ取ること。. (ア)音色、リズム、速度、旋律、強弱、音の重なりや租塑饗主、音階や調、拍の流れや フレーズなどの音楽を特徴付けている要素 (イ)反復、問いと答え、変化、音楽の縦と横の関係などの音楽の仕組み. イ 音符、休符、記号や音楽にかかわる用語について、音楽活動を通して理解すること。 (小学校学習指導要領解説(音楽編)pp.65・66). 以上を比較してみると、低学年で基礎的な内容が示されていて、中・高学年と学年が上 がるにつれて、新たな内容が付け加えられて拡充されていることが分かる。例えば、中学 年では音の重なり、音階や調、変化が、高学年では租童2饗圭、音楽の縦と横の関係がそ れぞれ挙げられる。さらに、低学年のみに「身近な」という言葉が用いられており、自分. 5.
(9) の身の回りの音符や休符などに興味・関心をもつことができるように配慮されている。 以上のように、〔共通事項〕では、「音楽を特徴付けている要素(ア)」や「音楽の仕組み (イ)」を聴き取り、それらの働きが生み出すよさや面白さ、美しさを感じ取ること、「音符、. 休符、記号や音楽にかかわる用語」を、音楽活動を通して理解することが、ア、イの二つ の事項で示されている。. 〔共通事項〕ア(ア)では、音色、リズム、速度、旋律、強弱、拍の流れやフレーズ、音 の重なり、音階や調、和声の響き、(イ)では、反復、問いと答え、変化、音楽の縦と横の. 関係の中から、低・中・高学年の発達段階に応じて、それぞれに必要なものが示されてい る。〔共通事項〕イは、「第3指導計画の作成と内容の取扱い」2(6)に示された音符、. 休符、記号や音楽にかかわる用語を、音楽活動を通して理解することについて示されてい る。児童の学習状況を考慮して、取り扱うこととされているものは次に示すものである。. 。 J. J. 月 1 等 』. 」. J ♪ ♪ ♪. 吾 g:舳1ぺ l1. ブ. 匂. ! 砂 ρ 仰 V (プレス〕. 旦 且 4 4. 五. 4. 6. ・ く二:こ1 8. 二〉. r一一■三…帖■ 11::l1 (以微妃け). ∩ 汀 (夕一イ) {スラ・…り. l l1 (阪復記事チ}. >. 「 F (7’クセン1・). (スタッカ・…ト〕. 2文部科学省『小学校学習指導要領』東京書籍 2008p.82 6. 」、。。.
(10) また、これらの音符、休符、記号や音楽にかかわる用語において、指導する内容として 示されている音符、休符、記号などの種類は、これまでよりも「6種類増えている」3。(次 の図のとおり。). J.一.圭♪.「コ・(ブ用. 増えた音符、記号は、r付点2分音符」、r付点4分音符」、r付点8分音符」、r16分音符」、. rブレス記号」に加えて、付点8分音符と16分音符を合体させたrダッカ」と呼ばれる 付点音符である。. 平成10年12月に告示された小学校学習指導要領において、音符や休符、記号について は、第3指導計画の作成と各学年にわたる内容の取扱い2(5)で示されている。その中 で音符に着目してみると、示されている音符の種類は、「全音符」、「2分音符」、「4分音符」、. 「8分音符」のみである。このことから、「付点」がついた音符は今回の改訂で増えだとい うことが分かる。. 平成10年、20年の小学校学習指導要領それぞれにおいて、「児童の学習状況を考慮して」. 4という文言が含まれており、児童の実態に合わせて授業に取り入れることが望ましいと されている。しかし、学年が上がるにつれて音楽科の授業時間数が少なくなるにも関わら. ず、取り扱われる音符や休符、記号が増えていることから、特に、高学年においては限ら れた時間の申で、他学年より難易度が高い内容を理解させることが教師の指導力として求 められていると考えられる。. 3初等科音楽教育研究会編『最新 初等科音楽教育法〔改訂版〕小学校教員養成課程用』 音楽之友社 2011p.23 4坪能由紀子(編著)『小学校学習指導要領の解説と展開 音楽編』教育出版 2008p.143 7.
(11) 第2節 歌唱活動の取り扱い. 本節では、小学校新学習指導要領における歌唱活動の取り扱いについて述べていく。. (1)歌唱活動の内容 小学校学習指導要領において、歌唱は、「A表現」における活動の一つとして置かれてい. る。第1学年から第6学年までに、歌唱の活動を通して、次の事項を指導するように示さ れている。. ア 聴唱・視唱すること イ 音楽を感じ取って歌唱の表現を工夫する ウ 楽曲に合った表現をすること 工 声を合わせて歌うこと (小学校学習指導要領解説(音楽編)p.13). 学習指導要領では、歌唱活動を、「児童がこれまでに様々な経験を経て培った感性を働か. せて、自らの声で楽曲の表現を工夫し、思いや意図をもって歌うもの」1と位置付けてい る。この項目は、基礎的な歌唱の能力を高めるために必要な指導内容を示している。。具体. 的には、「音楽を聴いたり楽譜を見たりして歌うこと、曲想を感じ取って歌唱の表現を工夫 し自分の思いや意図をもって歌うこと、歌唱の活動を支える歌い方を身に付けるとともに. 楽曲に合った表現をすること、声を合わせて演奏すること」2と記載されている。上記の 4点の内容を、学年や発達段階を考慮して指導しなければならない。各学年の指導に関し ては、小学校学習指導要領解説(音楽編)において、次のように示されている。. 1文部科学省『小学校学習指導要領解説(音楽編)』教育芸術杜 2008p.15 2文部科学省『小学校学習指導要領解説(音楽編)』教育芸術杜 2008p.15.
(12) 低学年では、範唱を聴いて歌うとともに階名の模唱や暗唱に親しんだり、楽曲の気分を. 感じ取って歌詞の表す情景や気持ちを想像して表現を工夫し自分の思いをもって歌った り、表現の支えとなる歌声や発音の仕方を身に付けたり、友達の歌声や伴奏を聴きながら 自分の声を合わせたりすることが指導のねらいとなる。. 中学年では、範唱を聴いて歌うとともにハ長調の楽譜を見て歌ったり、曲想を感じ取っ て歌詞の内容や曲想にふさわしい表現を工夫し自分の思いや意図をもって歌ったり、表現 の支えとなる歌い方を身に付けたり、友達の歌声や副次的な旋律、伴奏を聴いて自分の声 を合わせたりすることが指導のねらいとなる。. 高学年では、範唱を聴いて歌うとともにハ長調及ぴイ短調の楽譜を見て歌ったり、曲想. を感じ取って歌詞の内容や曲想を生かした表現を工夫し自分の思いや意図をもって創造 的に歌ったり、表現の支えとなる歌い方を身に付けたり、各声部の歌声や全体の響き、伴 奏を聴いて、自分の声を友達の声と調和させて歌ったりすることが指導のねらいとなる。 (小学校学習指導要領解説(音楽編)p.15). (2)歌唱指導の方法 歌唱指導には、「聴唱法」と「視唱法」の二つの方法がある。. 1)聴唱法 聴唱法とは、噺しく歌を指導する場合に、いろいろな方法でくり返し聞かせ、子どもの. 聴覚をたよりに歌を覚えて歌わせる方法」3である。教師が歌ったり、CDなどの音源を 流したりして児童に聴かせて、学習させる。この場合、楽譜を使わないため、児童には音 楽理論や楽譜を理解するカが不要であり、耳で覚えてすぐに歌えるというメリットがある。 しかし、指導する立場の教師は、「正確に曲を覚えておく必要があり、手本になるなどとあ. る程度の演奏能力が要求される」4ため、教師の負担が大きいと考えられる。. 3高萩保治『実践音楽科教育法』建串杜 1976p.102 4初等科音楽教育研究会『最新 初等科音楽教育法〔改訂版〕小学校教員養成課程用』音 楽之友社 2011p.52.
(13) 2)視唱法 視唱法とは、「楽譜・記号を通して歌を総合的に読みとる方法」5である。児童が、教科. 書などに記載されている楽譜を見ながら曲を習得する。教師は、必ずしも手本になって歌 って教材を教える必要はなく、児童が楽譜を読みながら歌わせていくことができる。しか し、教師も児童も楽譜を読みとるカをもっていることが必要とされるため、一定の知識と 技術が必要となる。. 聴唱法と視唱法は、実際の指導において、児童の理解度や発達段階、演奏時間の長短な ど、さまざまな状況に応じて、適宜選んで用いることが望ましいと考えられる。例えば、 聴唱法は、主として低学年向けであり、演奏時間が比較的短い曲の歌唱指導に適している。. また、視唱法は、主として高学年向けであり、演奏時間の長い曲やパートが分かれている 合唱曲の歌唱指導に適している。. (3)歌唱教材について. 教科書の歌唱教材を見ると、民謡、わらべうた、芸術歌曲、歌謡曲などがさまざまなジ ャンルの曲目が取り入れられている。小学校学習指導要領の第2内容の取扱いと指導上の 配慮事項(3)では、「イ 歌唱教材については、共通教材のほか、長い間親しまれてきた. 唱歌、それぞれの地方に伝承されているわらべうたや民謡など日本のうたを含めて取り上 げるようにすること。」6と示されている。各学校の児童の実態に合った教材を幅広い視野 から選び、指導の工夫をすることが求められる。 また、小学校学習指導要領の音楽科の主な改訂の要点の申に、「歌唱共通教材の充実」が. 示されている。歌唱共通教材は、教科書の中で各学年4出ずつ、6年間で全24曲があげ られている。これまでは、第1学年から第4学年においては、各学年4曲の中から3曲を 含めて扱うこととされていたが、今回の改訂で、4曲すべてを扱うこととされた。また、. 5高萩保治『実践音楽科教育法』建常杜 1976p.102 6文部科学省『小学校学習指導要領解説(音楽編)』教育芸術杜 2008p.72 10.
(14) 第5学年及び第6学年において、これまでは、各学年4曲の中から2曲を含めて扱うこと とされていたが、今回の改訂で、各学年4曲の中から3曲を含めて扱うこととされた。そ して、この24曲のうちの17曲が文部省唱歌である。これらの文部省唱歌は、「明治の終 わりから大正にかけて作詞作曲され、文部省が全国の尋常小学校で共通に歌わせるために 編纂した尋常小学唱歌がもとになっている」7。 歌唱共通教材を全体的に見てみると、児童の発達段階を考慮して、学年ごとに取り扱う 内容を示していることが分かる。また、歌唱活動では斉唱から合唱まで、すべて網羅する 内容になっており、高学年になると教師の指導力がさらに求められる。. 7初等科音楽教育研究会『最新 初等科音楽教育法〔改訂版〕ノ』・学校教員養成課程用』音. 楽之友社 2011p.56 11.
(15) 第3箇 〔共通事項〕と歌唱活動の関連性. 本節では、本章第1節で述べた〔共通事項〕と第2節で述べた歌唱活動の関連性につい て考察する。. まず、平成20年告示の小学校学習指導要領解説(音楽編)に示されている音楽科にお ける改善の基本方針・具体的事項から見てみる。. 改善の基本方針では、②の中で「小・中学校においては、音楽に関する用語や記号を音 楽活動と関連付けながら理解することなど表現と鑑賞の活動の支えとなる指導内容を〔共 通事項〕として示し、音や音楽を知覚し、そのよさや特質を感じ取り、思考・判断する力. の育成を一層重視する。」1と示されており、〔共通事項〕が歌唱活動を含むr表馳につ いて学習する際の基本事項とされていることが分かる。また、改善の具体的事項の中では、 「(ア)表現領域(「歌唱」、「器楽」、「音楽づくり」の三分野)、鑑賞領域及び〔共通事項〕. で内容を構成する。〔共通事項〕については、例えば、音楽を特徴付けている要素や音楽の. 仕組みを聴き取り、それらの働きによって生み出される音楽的な面白さやよさを感し取る こと、音楽に関する用語や記号などを音楽活動と関連付けながら理解することなどを具体. 的に示す。」と書かれている。例えば、rダッカ」と呼ばれる付点音符は、第5学年の歌唱 共通教材の中に含まれている『こいのぼり』で使われており、この歌唱教材の中では、リ ズムを正確に歌い分けることがポイントになっている。. また、歌唱活動においては、本章第2節でも述べたように、全学年を通して4つの事項 を指導するように示されている。その中で、〔共通事項〕が大きく関わっている事項が「イ. 音楽を感じ取って歌唱の表現を工夫すること」2であると考えられる。 ここで、小学校新学習指導要領における、各学年の事項イの取扱いを挙げる。. 1文部科学省『小学校学習指導要領解説(音楽編)』教育芸術杜 2008p.3 2文部科学省『小学校学習指導要領解説(音楽編)』教育芸術杜 2008p.13 12.
(16) 〈第1学年及び第2学年〉. イ 歌詞の表す情景や気持ちを想像したり、楽曲の気分を感じ取ったりし、思いをもつ て歌うこと。 (小学校学習指導要領解説(音楽編)p.23). 〈第3学年及び第4学年〉. イ 歌詞の内容、曲想にふさわしい表現を工夫し、思いや意図をもって歌うこと。 (小学校学習指導要領解説(音楽編)杜38). 〈第5学年及ぴ第6学年〉. イ 歌詞の内容、曲想を生かした表現を工夫し、思いや意図をもって歌うこと。 (小学校学習指導要領(音楽編)p.54). この事項は、音楽を感じ取って歌唱の表現を工夫する能力を育成するために、歌詞の内 容や曲想にふさわしい表現を工夫し、思いや意図をもって歌う内容を示したものである。 ここでの「曲想」は、「その楽曲に固有な気分や雰囲気、味わい、表情を醸し出しているも. の」3とされている。この曲想を示しているものが、〔共通事項〕のアで挙げられている、 音楽を特徴付けている要素や音楽の仕組みである。. このように、歌唱活動を通して、〔共通事項〕として示されている、音楽を特徴付けてい る要素や音楽の仕組み、音符、休符、記号や音楽にかかわる用語を理解し、さらに、その 理解したものを歌唱表現に生かすことが大切であると言える。 また、〔共通事項〕は、小・中学校の9年間にかけて指導される。小学校では、中学校で. の学習を見通して、この〔共通事項〕をくり返し、授業の中に取り入れ、基礎的・基本的 な楽典的要秦を知識として身に付けておく必要があると考えられる。また、名前や意味な どをただ暗記するだけでなく、表現活動を通して、実際の音楽の中に生かすことができる. 3文部科学省『小学校学習指導要領解説(音楽編)』教育芸術杜 2008p.18 13.
(17) 力を身に付けさせるような指導が必要である。. 一方、近藤幹雄氏は、児童に対して、このような基礎的な音楽能力を身に付けさせるに は、教科書の教材に加えて、ソルフェージュ教育をすることが効果的であると述べている。 確かに、楽譜を読み取る力を身に付けるにはソルフェージュ教育が不可欠である。しかし、. 「ソルフェージュは、狭義には読譜練習を指すものであるが、より効果的で楽しいもので. あるためには、ソルフェージュの意味や予備段階の教育を考える必要がある」4ため、児 童の実態を十分に把握し、教師自身も基礎的な音楽能力を身に付けていることが求められ る。だが、音楽の理解や適切な表現のためには、ソルフェージュ教育の重要性についても 留意すべきであろう。. 全学年において、音符、休符、記号や音楽にかかわる用語などの指導も同時に行い、楽 譜と音が関連していることを意識させながら、児童が実際の音楽の中で、楽譜を読み取る ことに慣れ親しむように指導する必要がある。この点については、〔共通事項〕との関連を. 十分に配慮しながら、楽しい歌唱活動が展開できるように選択する教材や指導方法、児童 との関わり方などを工夫していくことが求められる。そのためには、児童の実態把握を十 分に行い、指導内容・方法を考慮していかなければならない。. 4近藤幹雄『音楽指導の技術』国土杜 1975p.83 14.
(18) 第2章アンケート調査について. 本研究の中で大学生と小学生の実態を把握するために、大学生と小学生それぞれを対象 としたアンケート調査を実施した。また、アンケート調査を実施した小学校の音楽科担当 の教員へのインタビュー調査も実施した。 本章では、上記のアンケート調査について、述べていく。. 第1節アンケート調査の目的・方法. 本節では、現在の実態把握をするためのフィールドワークとして、小学生と大学生 へのアンケート調査を行った目的・方法を述べることとする。また、小学生を対象と したアンケート調査用紙を作成するにあたって行った事前調査についても述べる。. (1)事前調査 小学生を対象としたアンケート調査用紙を作成するにあたって、事前調査を行った。 まず、事前調査を行ったことについての情報をまとめる。. ・期間:2011年6月∼7月 ・場所:A小学校 ・方法:授業観察. ・学年:第2学年(1クラス). 15.
(19) 次に、この事前調査を行った目的を述べる。それは、さまざまな資料を見るだけで は分からない、次の3点を知るためである。. ①言葉の言い回し、表示方法 ②現在、学習している内容 ③指導展開. ①…小学校第1∼6学年において、既習している漢字や語彙の量が違うと考えられる ため、学年ごとにアンケート調査用紙を分けるべきだと分かった。知識の量は、. 学年の中にも個人差があることを考えて、漢字には学年ごとの既習状況などを考 慮した上で、基本的にルビを付けることにした。. ②…音楽の教科書と実際の進行状況を比較して、どの学年も同じくらいのぺ一スで学 召しているものとみなし、その上で、楽典的内容の質問項目を設けることにした。. 基本的に、前の学年で学習するとされている内容を質問項目の申に含むものとし て、該当学年で学習するとされている内容は、教科書での取り扱われる場所や時 期などを考慮して含むか含まないかを決めることとする。. ③…第2学年では、4分音符、8分音符、4分休符、8分休符のそれぞれの名前との ばす(休む)拍数だけでなく、「タン」や「ウン」などの読み方も指導しているこ. とが分かった。指導されている児童の様子を見ると、名前より読み方の方を覚え ているように見られた。それは、教師からの問いかけに、自信を持って発表しよ. うと手を挙げている児童の数が示していた。このような実態から、第2学年の質 間項目には、音符・休符の読み方も含めることとした。. これらのような情報を得た上で、アンケート調査用紙を作成した。推敲する中で、. この事前調査をした小学校の校長先生と音楽専科教諭に見ていただいた。最初に事前 調査をする前に作成していたアンケート調査用紙案を見せると、少し難しいと思われ. 16.
(20) た。それは、②の点を考慮していなかったためである。アンケート調査の中で、楽典 的内容を多く含むことになるため、このアンケートによって音楽理論に対して、さら に苦手意識をもつことになってはいけない。このように、アンケート調査後の授業に も影響を及ぼさないように、作成することができた。. (2)アンケート調査の目的. アンケート調査は、小学生と大学生を対象として行う。まず、音楽そのものに対す る考え方や、自分が受けている(受けてきた)音楽の授業など学校現場における音楽 活動に対する考え方を知るためである。そのことによって、音楽に対する嗜好が楽譜 を読み取ることへ、影響を及ぼしているかが分かる。また、第1章で述べたように、 新学習指導要領に〔共通事項〕が新設されたが、その中でも特に、小学校学習指導要領 解説音楽編の「第4 指導計画の作成と内容の取扱い」2(6)に示されている内容に関. して、どのくらい理解しているのかを知るためである。そうすることで、歌唱活動の 中で楽譜を読み取る際に、どのような点でつまずきがあるのかが分かり、歌唱指導を するときの留意点の1つになると考える。. (3)アンケート調査の方法 まず、小学生と大学生それぞれを対象としたアンケート用紙を別々に作成する。. 作成するにあたって、まず小学校の授業を見学し、事前調査を行った。そうするこ とで、小学生を対象としたアンケートを作成する際の質問項目の問い方や言い回しを 考えることができる。また実際の授業で、小学校学習指導要領解説音楽編のr第4 指 導計画の作成と内容の取扱い」2(6)に示されている内容をどのように授業の中で取 り入れているか、どのくらい理解しているのかを見ることができ、だいたいの予想を することができた。加えて、低学年では授業の中で音符・休符の名前よりも読み方を 重視して教えていたことを知ることができたため、質問項目の中に「読み方」も設け ることとした。大学生を対象としたアンケートは、小学生を対象としたアンケートの. 17.
(21) 内容に質問項目を加えていった。内容に関しては、本章第2節で述べることとする。. 作成したアンケートは、4つの小学校(全学年)と大学生(1学年)に記入しても らう。小学校は、音楽専科教諭や担任教諭に空いている時間に実施してもらえるよう に預ける。大学生は、ある1つの授業の中で実施してもらう。. 18.
(22) 第2節 アンケート調査の内容. 本節では、大学生及び小学生を対象としたアンケート調査の質問項員の内容について述 べていく。ただし、大学生を対象とした質問項目が、後に述べる小学生を対象とした質問 項目と同様の内容が存在するが、それぞれで説明を述べることとする。. (1)大学生を対象としたアンケート調査の内容 大学生を対象としたアンケートは、回答者の基本情報と大間4間で構成している。大間. 1∼大間4は、音楽活動に対する回答者自身の過去と現在の状況や、今までに受けてきた 学校の音楽の授業について尋ねた内容である。大間3は、小学生を対象としたアンケート の大間5で尋ねたように、〔共通事項〕イで示されている「第3 指導計画の作成と内容の. 取扱い」2(6)に示された音符、休符、記号や音楽にかかわる用語を、第6学年の教科 書の中で取り扱われているものに基づき、テスト形式で尋ねた内容である。大間4は、第 6学年で取り上げた、和声(カデンツァ)について尋ねた同様のフレーズである。これは、. 小学生のアンケートと同様、レイアウトの関係上、大間3と並べて表記すると視覚的情報 として読み取りにくいと判断したため、大間3と4に分けただけである。 ここからは、口の中にアンケートで取り上げた質問項目を簡単に示し、その後に項目ご との説明を述べていく。(アンケート原本は、巻末資料にあげることとする。). 19.
(23) 1)基本情報 * アンケートに回答した月目 * 学年 (学部・大学院 O回生) * 所属 (コース・分野名). * 年齢 * 性別. アンケート用紙の表紙に、回答者の基本情報の欄を設けた。ここには、上記の質問項目 を尋ねた。学年と所属、年齢を聞くことで、年齢や所属しているコースによって、それぞ れの回答の傾向が見えてくるのではないかと予想したからである。また、性別によっても 変わってくるとも考えたため、基本情報の中に取り込んだ。回答方法は、それぞれ空白欄 を設け、学年は「学部・大学院」、性別は「男性・女性」とし、あてはまるものに○をつけ る形式とした。. 2)大問1 1.あな一た自身のことについてお聞きします。. ①教員志望ですか。 →rはい」と答えた方は、志望している校種に○をつけてください。 【小学校・中学校・高等学校・幼稚園・保育士・その他】. 大学生を対象としたアンケートを配布するのを、教育大学の中と考えていたため、①で 教員を志望しているかを尋ねた。この質問項目によって、教員になってから音楽を教える ことがあったり、働く中で音楽を使ったりするがが分かる。それは、小学校志望している 場合、基本的に全教科を教えると考えられているため、音楽科の勉強をしているかが例え る。また、幼稚園・保育土では、歌唱活動や遊戯活動の際に教員によるピアノ伴奏が多く 使われているのが見られる。そのため、伴奏の練習などによって音楽に携わっているとい う可能性が高いと考えられる。回答方法は、志望しているかを間う項目では【はい・いい え】を選択する形式をとり、志望している校種に○をつける形式で小学校から保育士まで. 20.
(24) を挙げた。. ②過去に音楽関係の習い事(ダンスを含まない)等をしていましたか? →「はい」と答えた方は、下の質問にもお答えください。 ・何をしていましたか?【ピアノ・電子オルガン・声楽・合唱団・その他の楽器】 ・また、今も続けていますか? ・今までで、何年間していますか?. ②では、回答者の音楽関係の習い事の経験の有無を尋ねた。小学生を対象としたアンケ ートでも尋ねたが、大学生は小学生に比べると継続している年数を長いと考えられるため、. 音楽関係の習い事の内容に加えて、現在の状況と継続期間を質問項目に含めた。また、音 楽関係の習い事の内容を問うときに、ダンスを含まないものとする。本研究でのアンケー トの回答結果として、音楽活動の中での楽譜を読み取るカに関して知りたいため、楽譜を 使わないと思われるダンスを含まないとした。回答方法は、音楽関係の習い事をしていた かどうかと現在の状況の項目では【はい・いいえ】を選択する形式にした。また、音楽関 係の習い事の内容を答える項目では、あてはまるものに○をつける形式(複数回答可)に、. 継続期間を答える項員には年数を空欄に年数を書き込む形式にした。. ③過去に音楽関係の部活くダンスを含まない)に所属していましたか? →rはい」と答えた方は、下の質問にもお答えください。 ・何をしていましたか?【合唱・吹奏楽・軽音楽・邦楽・その他】 ・また、今も続けていますか?. ・今までで、何年間していますか? ③では、回答者の音楽関係の部活動の経験の有無を尋ねた。小学生は特別活動の領域の 中でクラブ活動をしている。その中に、活動の内容で音楽活動主としているクラブ活動も. 存在するが、所属しているのは高学年だけであり、経験年数も長くて2年になる。小学生 を対象としたアンケートでは、全学年に共通した質問項目を省いた。大学生を対象とした. 21.
(25) アンケートでは、②で述べたように、音楽関係の部活動の内容に加えて、現在の状況と継 続期間を質問項目に含めた。また、音楽関係の部活動の内容を問うときに、ダンスを含ま ないものとする。この理由は②で述べたものと同様である。回答方法は、音楽関係の部活 動をしていたかどうかと現在の状況の項目では【はい・いいえ】を選択する形式に、音楽 関係の部活動の内容を答える項目では、あてはまるものに○をつける形式(複数回答可) に、継続期間を答える項目には年数を空欄に年数を書き込む形式にした。. ④音楽に限らず、暗記することは得意でしたか? 今は、暗記することは得意ですか?. ④では、回答者の暗記力について尋ねた。これは、音楽には直接的に関わらない質間内 容であるが、音符、休符、記号や音楽にかかわる用語を演奏に活かすためには、まず、そ のものを覚えなければいけない。日常生活の中には、暗記する機会はある。普段の生活で 暗記が得意であるのに、音符、休符、記号や音楽にかかわる用語を暗記するのは苦手とい う人は、それほど存在しないと考えられる。そこで、「音楽に限らず」と明記し、尋ねた。 回答方法は、【はい・いいえ】を選択する形式にした。. ⑤日常生活の中で、歌ったり演奏したりすることは好きですか? それは、なぜですか? 理由を下の()の中に答えてください。 ⑤では、回答者が日常生活の中における演奏活動への嗜好を尋ねた。現代における生活. のなかでは、運転をしたりTVを観ていたりすると、自然にBGMとして音楽が耳に入っ たり自ら聴く目的で音楽を流したりすることが多い。しかし、ここでは音楽を聴く活動で はなく、歌唱や器楽の演奏活動を自ら日常生活の中に取り入れる場合として回答する項目 とする。回答方法は、好きかどうかを【はい・いいえ】を選択する形式に、またその理由. を()の空欄に書き込む形式にした。. 22.
(26) ⑥日常生活の中で音楽をよく聴きますか? また、よく歌いますか?. ⑥では、回答者が日常生活における歌唱・鑑賞の音楽活動の有無を尋ねた。これは、⑤ の演奏活動への嗜好に対比させた内容であり、嗜好と行動の相互関係をみるものである。 回答方法は、どちらも【はい・いいえ】を選択する形式にした。. ⑦カラオケによく行きますか? ⑦では、カラオケヘ行くかどうかを尋ねた。これは、⑥の歌唱活動の有無と関連してい るが、それほど重点を置いているわけでなく、回答者がこのアンケートを回答するに当た って、あまり固く考えすぎないための質間内容とした。回答方法は、【はい・いいえ】を選 択する形式にした。. ⑧歌ったり、楽器を演奏したりすることに自信がありますか? ⑧では、回答者の歌唱・器楽の音楽活動に対する自信の有無を尋ねた。表現活動をする ことに対する自信とは、自分自身の演奏が上手がそうでないかということに捉えられる。 しかし、ここでは上手がどうかは間わず、自分自身での自信の有無だけを問うものとする。 回答方法は、【はい・いいえ】を選択する形式にした。. ⑨楽譜を見て、音符や記号を読み取ることに抵抗を感じますか? ⑨では、楽譜を読み取ることに対する抵抗の有無を尋ねた。本研究のキーワードの1つ にもなっている「楽譜を読み取ること」に対して、大学生はどのように考えているのかを 闘う。また、音楽活動に対する嗜好によって抵抗の有無や大きさが変わってくると考えら れるため、その相互関係をみるための質間内容でもある。回答方法は、【はい・いいえ】を 選択する形式にした。. 23.
(27) ⑩ 平成20年に告示された新学習指導要領の音楽科の中に、〔共通事項〕が新設された ことを知っていますか?. また、この〔共通事項〕がどのようなものか知っていますか? ⑩では、本研究の着目点である1共通事項〕に対する興味・関心を尋ねるものである。 このアンケート調査の対象とした大学生が初等教育教員養成大学の学生であるため、小学 校学習指導要領の改訂などに関する情報に、どのくらい興味があるのかを調査してみたい と考え、この質問項目を設けた。小学校教諭を目指す者なら、主要4教科(国語科・算数 科・理科・社会科)だけでなく、実技教科である音楽科に関しても学習しなければいけな い。そのため、この質問を見ることで音楽科の内容に対して、今後興味をもつ機会にもな るであろうと考えた。回答方法は、【はい・いいえ】を選択する形式とした。. ⑩ 下の曲目は、小学校音楽科における歌唱共通教材(各学年4曲、全学年24曲)です。 それぞれの曲に対して、あてはまるものに○をつけてください。. (1曲につきOは1つです) ⑪は、小学校音楽科における歌唱共通教材、全24曲に対する興味・関心・理解に関し て尋ねる内容である。それぞれの曲をどの程度知っているかを5段階で問う。その5段階 は、「題名も曲も知らない」、「題名は知っているが、曲は知らない」、「題名も知っているし、. 曲も少し知っている」、「題名も知っているし、曲も半分くらい知っている」、「題名も知っ. ているし、曲もだいたい知っている」とした。回答方法は、全曲それぞれの名前と回答者 の知っている程度の段階を示した表の欄に○を書き込む形式にした。(表の形式は、巻末の 資料編のアンケート用紙として載せるものとし、ここでは省略する。). 24.
(28) 3)大間2 2. あなたが過去に通っていた学校や、受けていた音楽の授業についてお聞きします。. ①音楽の授業が好きでしたか? それはなぜですか? 理由を下の()の中に答えてください。 大間2では、回答者の過去の学校現場の様子や、受けていた音楽の授業についての質問 項目である。. ①では、音楽の授業に対する嗜好と、またその理由を尋ねた。ここで、音楽の授業が好 きかどうかを問うことで、授業に対する姿勢や態度を知るきっかけになる。また理由を聞 くことで、嗜好の理由を知り、後で導き出す指導法に留意点として活かせる。さらに、日 常生活の中での音楽を好んでいても、学校の音楽の授業を好んでいないという可能性が考 えられるため、これらの相互関係も見られる。回答方法は、好きかどうかを【はい・いい え】を選択する形式に、またその理由を()の空欄に書き込む形式にした。. ②音楽の授業が楽しかったですか? ②では、音楽の授業を受けることやその内容が楽しかったかを尋ねた。ここでは、①の 音楽の授業に対する嗜好との相互関係も見ることができる。回答方法は、楽しかったかど うかを【はい・いいえ】から選択する形式にした。. ③ 音楽の授業で、好きな活動は何でしたか?. 下のA∼Dから2つまで選んでくださ. い。. A.歌唱(歌う、合唱する) B.器楽(楽器を演奏する). C.鑑賞(CDを聴く、ビデオを観る) D.創作(音あそび、音楽づくりをする). ③では、小学校音楽科の指導内容である、A表現の領域から歌唱、器楽、創作(音楽づ くり)の3分野とB鑑賞の全4活動の中から、好きであった活動を選ぶ質問項目である。. 25.
(29) それぞれの項目に活動内容を示すことで、選択しやすくした。回答方法は、A∼Dの記号 に2つまで○をつける形式にした。ここセ、最も好きな活動とされるものを導き出すため. にも1つのみにしようとも考えたが、回答結果がバラバラになってしまうことも考えられ るため、2つまでという限度を設けた。(回答されていない場合は、なしと考える。). ④音楽の授業で、今でも印象に残っていることはありますか? →「はい」と答えた方は、いつ、どのような内容だったかを答えてください。 いつ:【小学校・中学校・高等学校】. 内容 ④では、音楽の授業で印象に残っている内容を尋ねた。この質問によって、内容がプラ スのものであれマイナスのものであれ、どの時期の授業が印象に残りやすいのかが見られ る。回答方法は、残っている内容があるかどうかを【はい・いいえ】から選択する形式に、. その内容を()の空欄に書き込む形式にした。. ⑤音楽の授業で、歌うことは好きでしたか? それはなぜですか? 理由を下の()の中に答えてください。 ⑤では、③で尋ねた小学校音楽科の指導内容の中でも歌唱活動に限定し、嗜好を尋ねた。. 本研究のキーワードの1つでもある歌唱活動は、音楽の授業の中でも多くの学校が他の活 動よりも時間をかけている。その歌唱活動は、児童・生徒にとってどのような影響を与え ているのかを嗜好の視点で見るために、この質問項目を設けた。回答方法は、好きかどう かを【はい・いいえ】で選択する形式に、理由は()の空欄に書き込む形式にした。. ⑥ 音楽の授業で、歌うことは楽しかったですか? ⑥では、⑤に加えて、音楽の授業の中での歌唱活動に対する興味・関心を尋ねる内容で ある。⑤と⑥との質問内容より、それぞれの相互関係を見ることができる。回答方法は、 楽しかったかどうかを【はい・いいえ】で選択する形式にした。. 26.
(30) ⑦楽譜を見て、音符や記号に気をつけながら歌うことができていましたか? また、今ではできると思いますか?. ⑦では、教科書や副教材を使った歌唱活動の中で、歌詞だけではなく音符や記号が載っ. ている楽譜(5線譜)をきちんと読み取ることができていたかを尋ねた。また過去と比べ て現在の状態はどうであるかも尋ねた。これは、自己判断での回答となる。楽譜を読み取 ることに対して自信があることは、積極的に音符や記号を学ぶということにつながると考 えたためである。回答方法は、両方ともできるかどうかで【はい・いいえ】を選択する形 式にした。. ⑧ 楽譜を見て、音符や記号に気を付けながら楽器を演奏することができていました か?. また、今ではできると思いますか?. ⑧では、⑦の器楽活動(楽器を演奏する)に関して尋ねた。目的、回答方法は⑦と同様 である。. ⑨学校行事の中で、全校合唱などの歌唱活動がありましたか? ⑨では、学校行事の中での歌唱活動の有無を尋ねた。学校現場での歌唱活動は、入学式 や卒業式など多くの学校行事の中において重要な役割になっている。それは小学校、中学 校、高等学校すべてにおいて、共通して言えることである。このように、歌唱活動に触れ る機会が多ければ、児童・生徒にとっ七音楽そのものや歌唱活動に対する興味・関心も変 わるきっかけになることも可能性として考えられる。回答方法は、有無を【はい・いいえ】 で選択する形式にした。. ⑩朝の会や終わりの会、LHRなどで歌唱活動はありましたか? ⑩では、学校現場の中でも学校行事を含まない、学級での活動の中での歌唱活動の有無 を尋ねた。(「LHR」は高等学校でのロングホームルームの略である。)筆者の小学校では、. 27.
(31) 「音楽係」を設けて毎日朝の会や終わりの会で歌唱活動や器楽活動(リコーダー演奏)が あったため、回答者の学校ではどうだったのか気になったため、この質問項目を設けた。 回答方法は、有無を【はい・いいえ】で選択する形式にした。. ⑩高等学校での芸術で、音楽の授業を選択しましたか? ⑮では、高等学校の芸術科で音楽を選択したかどうかを尋ねた。高等学校は義務教育で はなくなり、音楽科の授業もカリキュラムの関係により選択制で行われる。そのため、音. 楽を選択しない生徒は授業の中においては3年間、音楽に接することがないということに なる。その中で、音楽を選択するということは、少なくとも音楽に興味・関心があるとい うことが分かる。回答方法は、したかどうかを【はい・いいえ】で選択する形式にした。. 4)大間3 3. 次の音符や休符、記号の名前を、()の申には記号の意味を答えてください。 なお、分からないところがあれば、空白のままでもかまいません。. 大間3では、〔共通事項〕イで示されている「第3 指導計画の作成と内容の取扱い」2 (6)に示された音符、休符、記号や音楽にかかわる用語をテスト形式で、どのくらい理 解しているかを尋ねた。〔共通事項〕で挙げられている全てのものを尋ねる予定であったが、. アンケート用紙での表記の関係上、いくつかを省略した。アンケート用紙に記載した音符 や記号は、次に述べる通りであり、回答しやすいように基本的に音符、休符など種類別で 並べた。(表としては、巻末の参考資料として載せることとする。). ◇アンケート用紙に記載した音符、記号. ・付点2分音符 ・2分音符 ・付点4分音符 ・4分音符 ・8分音符 ・4分休符 ・8分休符 ・息つぎ(ブレス記号) ・シャープ ・ナチュラル ・ト音記号 ・へ音記号. ・4分の4拍子 ・4分の3拍子 ・8分の6拍子 ・4分の2拍子 28.
(32) ・フォルテ ・ピアノ ・メッゾ・フォルテ ・メッゾ’ピアノ ・スタッカート ・アクセント ・タイ ・スラー ・クレシェンド ・デクレシエンド ・速度記号(」=72). 5)大間4 4.次の曲の和音に、和音記号(I,W,V)を書いてください。 ’. ●. 吾(). (・). ()(. ). (). 大間4では、和声(カデンツァ)を尋ねた。この内容は、小学生を対象にしたアンケー トの大間6(第6学年のみ)と同様である。旋律(メロディー)は、『静かにねむれ』の1 フレーズを抜粋した。このフレーズを選んだ理由は、ハ長調で、和声(カデンツァ)が基 本的分かりやすい曲と判断したためである。学習指導要領や教科書の改訂により、和音(I,. 1V,V)を学習していないことも考えられたが、どのくらい理解しているかを見るために も質問項目として設けた。回答方法は、ト音記号で書かれた和音の下の()にI,IV, Vの和音記号を書き込む形式である。一. (2)小学生を対象としたアンケート調査の内容. 小学生を対象としたアンケートは、大間5間(第6学年のみ、大間6間)で構成してい る。大間1∼大間4は、回答者の基本情報や音楽、また学校の音楽の授業について尋ねた 内容である。大間5は、小学校学習指導要領解説音楽編の「第4 指導計画の作成と内容 の取扱い」2(6)に示されている 音符、休符、記号や音楽にかかわる用語を、各学年、. 教科書に基づいたものをテ子ト形式で尋ねた内容である。大間6は、第6学年のみ和声(カ デンツァ)について尋ねた内容である。これは、アンケートのレイアウトの関係上、大間. 5と並べて表記すると視覚的情報・として読み取りにくいと判断したため、大間5と6に分. 29.
(33) けただけである。. また、学習指導要領と同様に低・中・高学年に分けてアンケートを作成しようとしたが、. 次の2つの理由によって1学年ごとに作成した。理由の1つ目は、和声(カデンツァ)を 学習するのが第5学年であり、アンケートを実施する時期と教科書の単元の順番を考慮す ると、第6学年だけでしか尋ねることができないと判明したためである。2つ目は、各学 年での既習漢字の量や言い回しなど質間の表記の面で問題が生じたためである。. ここからは、口の中にアンケートで取り上げた質問項目を簡単に示し、その後に項目ご との説明を述べていく。(アンケート原本は、巻末資料にあげることとする。). 1)大間1 !.あなたの学年・クラス・性別・習い事について教えてください。. ① 学年・組 ② 性別 ③ 音.楽に.関する習い事をしていま.す.か。. ⇒rはい」と答えた人は、何の習い事をしているか教えてください。 【ピアノ・合唱団・その他の楽器】. 大間1では、回答者の基本情報を尋ねた。 ③では、音楽に関する習い事をしているかどうかという内容である。音楽に関する習い 事をしていることが、普段の生活の中で音楽に対しての思考や、音楽の授業に対する思考 に影響を及ぼす可能性があると考えたためである。回答方法は、習い事の有無を【はい・ いいえ】を選択する形式に、習い事の選択肢としては、小学生の習い事でよく見られるピ アノ、合唱団をあげ、それ以外の場合はその他の楽器の欄に記入する形式とした。. 30.
(34) 2)大間2 2.あなたの普段の生活について、あてはまるものにOをつけてください。. ①音楽をきくことが好きですか。 ②歌うことが好きですか。 大間2では、回答者の普段の生活で、好んで音楽に関する活動に取り組んでいるかどう かという内容である。ここから、普段の生活の中での音楽に対する嗜好があることで、音 楽の授業に対する関心や態度も変わってくると予想できる。回答方法は、【はい・いいえ】. の選択肢を設けた。理由も尋ねたかったが、小学生に「なぜ好きか」と尋ねても回答しに くいと考えたため省略した。. 現在、TVを観ていると必ず流れているJ・POPやアニメソングが小学生の中でも人気の あるものとして考えられるため、①では音楽そのものを聴く機会があるかどうかを尋ねた。 (「きく」という漢字の表記は、本来「聴く」であるが、アンケート実施上、「聞く」との. 違いなどで質問が出ないように、ひらがな表記とした。)②は、本研究が歌唱活動に関する 内容であるため、特に歌唱に関するものを尋ねた。. 3)大間3 3.音楽の授業について、あてはまるものに○をつけてください。 ① 音楽の授業は好きですか。また、音楽の授業は楽しいですか。. ②音楽の授業の中で、好きなことは何ですか。下のA,B,C,Dの中から2つま で選んでください。. A.歌唱(歌う活動、合唱活動) B、器楽(楽器を演奏する活動). C.鑑賞(CDやビデオで音楽をきく活動) D.創作(音楽づくりをする活動). 大間3では、音楽の授業に対する嗜好を尋ねた。回答方法は、①では【はい・いいえ】. の形式で、②では「A,B,C,D」の形式で選択肢を設けた。②に関しては、学年によ 31.
(35) って表記を変えた。第1・2学年では、活動内容を「歌唱→歌う、器楽→楽器を演奏する」 というように分かりやすく表記した。第3∼6学年では、上記のような表記である。. ①では、音楽の授業に対する嗜好や興味を尋ねた。これによって、大間2での普段の生 活の中での音楽への嗜好と関係性が見えるのではないかと考えた。さらに、普段の生活で は音楽を好んでいるが授業になると好まない場合も、この質問項目で分かる。また、「好き」. と「楽しい」を分けて尋ねたのは、音楽の授業が好きだから楽しい、好きではないから楽 しくないとは限らないと考えたためである。②では、小学校音楽科の中での活動内容4つ の歌唱、器楽、鑑賞、創作を取り上げて、その中から好きな活動を選択する。そこから、. どの活動が好まれているかが分かる。また、音楽活動の中でも、本研究で取り上げる歌唱 活動に対しての嗜好状況を知るためである。. 4)大間4 4.あなたの音楽の授業における活動について、あてはまるものを○で囲んでください。 ① 授業で歌うことが好きですか。また、授業で歌うことは楽しいですか。. ②楽譜を見て、音符や記号に気をつけながら、歌うことができますか。 ③楽譜を見て、音符や記号に気をつけながら、楽器を演奏することができますか。. 大間4では、音楽の授業の中の活動について尋ねた。回答方法は、いずれも【はい・い いえ】の形式である。ここでも、理由を尋ねたかったが大間2でも述べたように、回答し にくいと考えたため省略した。. ①では、本研究で取り上げる歌唱活動に対して、児童がどのように思っているかを尋ね た。歌唱活動が「好き」と「楽しい」を分けた理由は、大間3で述べたものと同様である。. ②、③では、本研究の楽譜を読み取る力について、児童自身でどのように感じているかを 尋ねた。これは児童の自己判断の回答であり、どれくらい読み取ることができ、それが正 しいかどうかは分からないが、大間5で取り上げるため、ここでは問わない。. 32.
(36) 5)大間5 ◆第1学年用 5、下の音符や記号で、見たことがあるものに○をつけてください。いくつ つけても かまいません。. ◆第2学年用 5.次の音符、休符の名前を書いてください。()の中には、その音符の読み方を書い て<たさい。わかちないところがあれぱ、そ・のままとはしても、かまいません。. ◆第3∼6学年用 5.次の音符、休符、記号の名前を書いてください。わからないところがあれば、その、 ままとばしても、かまいません。. 大間5では、小学校学習指導要領音楽科「第3 指導計画の作成と内容の取扱い」2(6) に示されている音符、休符、記号や音楽にかかわる用語、和声について尋ねた。質問項員 として取り上げる音符や記号は、教科書出版社3杜(教育芸術杜、東京書籍、教育出版) それぞれの教科書で取り扱われている全教材と、それぞれの教材で取り扱われている音符 や休符を調べ、各学年に相当するものを選択した。ただし、アンケート調査をする時期を 考慮して、その学年の教科書に記載されているから既習済みであるとは考えにくいため、 前学年の教科書の内容と比較しながら尋ねる内容を考えた。このような点に気をつけて、. 大間5に関しては、第1学年と第2学年と第3∼6学年で質間の仕方を変えた。回答方法 についても共に述べることとする。. まず、第1学年では、五線譜が使われているのにもかかわらず、音符や休符の名称や意 味を教授する内容が含まれていない。(東京書籍の『どきどきどん1いちねんせい』でリピ ート記号を、『せんろは つづくよ どこまでも』でダカーポ、フィーネと書いてあり、そ の記号の名称は記載されておらず、楽譜の読み方として意味が説明されているのみであり、. 33.
(37) 教材の中で学ぶ内容として取り扱われていない。)そのため、他学年と同様に音符や休符の. 名称や意味を尋ねることができないため、第1学年の教科書に記載されている5線譜の中 の音符や休符、記号(ト音記号、4分休符、4分音符、8分音符、8分休符、ブレス記号) を取り上げた。回答方法は、音符や記号に○をつける形式である。. また、第2学年では、実際の音楽の授業の中で、音符や休符の名称や意味だけでなく、 「タン」や「ウン」などの読み方に対しても、重視して教えている様子が例える。そのた. め、4分音符、8分音符、4分休符、8分休符の名称と意味に加えて、読み方も回答する 欄を作成した。回答方法は、音符の名称を空白欄に、読み方を()に書き込む形式であ る。. 第3∼6学年での音符や記号の取り扱いに関しては、どの教科書も同じような内容で記 載されており、第1・2学年のような不具合が無さそうだったため、学年ごとに質問項目 を増やしていく形式をとった。回答方法は、それぞれの空白欄に書き込む形式である。そ れぞれの学年で取り上げた音符や記号は、以下の通りである。. ◇第3学年 ・付点2分音符 ・2分音符 ・付点4分音符 ・4分音符 ・8分音符 ・4分休符 ・8分休符 ・ト音記号 ・ブレス記号. ◇第4学年 ・付点2分音符 ・2分音符 ・付点4分音符 ・4分音符 ・8分音符 ・4分休符 ・8分休符 ・4分の4拍子 ・ト音記号. ◇第5学年 ・付点2分音符 ・2分音符 ・付点4分音符 ・4分音符 ・8分音符 ・4分休符 ・8分休符 ・ト音記号 ・シャープ ・ナチュラル ・スタッカート ・ブレス記号 ・フォルテ ・ピアノ ・クレシェンド ・デクレシエンド. ・4分の4拍子 ・8分の6拍子 ・4分の3拍子 ・タイ 34. ・ブレス記号.
(38) ◇第6学年 ・付点2分音符 ・2分音符 ・付点4分音符 ・4分音符 ・8分音符 ・4分休符 ・8分休符 ・息つぎ(ブレス記号) ・シャープ ・ナチュラル ・ト音記号 ・へ音記号. ・4分の4拍子 ・4分の3拍子 ・8分の6拍子 ・4分の2拍子 ・フォルテ ・ピアノ ・メッゾ・フォルテ ・メッゾ・ピアノ ・スタッカート ・アクセント ・タイ ・スラー ・クレシェンド ・デクレシエンド. 6)大間6 6.次の曲の和音に、和音記号(I,1V,V)を書いてください。. 大間6では、和声(カデンツァ)を尋ねた。この内容は、第5学年の教科書に記載され ているが、現時点で第5学年が既習かどうか分からないため、第6学年のみの質問項目と した。旋律(メロディー)は、『静かにねむれ』の1フレーズを抜粋した。このフレーズを. 選んだ理由は、ハ長調で、和声(カデンツァ)が基本的分かりやすい曲と判断したためで. ある。回答方法は、ト音記号で書かれた和音の下の()にI,IV,Vの和音記号を書き 込む形式である。. 35.
(39) 第3節 大学生アンケート調査の結果・分析. 本節では、大学生を対象としたアンケート調査の結果を質問項目順に述べていく。(アン ケート集計表は、巻末資料にあげることとする。). 大学生を対象としたアンケートは、兵庫教育大学学部1回生及び大学院1回生の計180 名に回答してもらうことができた。(過年度生若干数を含む。)このアンケートは、学部1 回生を対象とした必修科目の授業中に時間をいただき、回答してもらうという形をとった。. テスト実施日で、教室が3つに分かれたため、各教室の先生方にアンケート実施・配布等 でご協力をいただいた。アンケート実施目に関する詳細を次に述べ、その後に各アンケー ト質間項目に対する結果を述べることとする。. (1)アンケート実施について. 目時12011年8月2目火曜目 第3時限目(13:10∼14:40) 場所:兵庫教育大学 共通講義棟108教室、111教室、214教室 配布教:201名 回答数:180名. 36.
(40) (2)アンケート調査の結果・分析. 1)基本情報 * アンケートに回答した月目 * 学年 (学部・大学院 ○回生). * 所属 (コース・分野名). * 年齢 * 性別 (* アンケート実施目に関しては先ほど述べたため省略する。). * 学年. 学部1回生:156名(86.7%) 学部4回生:2名(1.1%). 大学院1回生 22名(12.2%). * 所属と全体での割合 (学部). 学校教育系コース:33名(18.3%) 幼児教育系コース:22名(12.2%) 学校心理系コース:9名(5.0%) 言語系コース(国語分野):12名(6.7%) 言語系コース(英語分野)=16名(8.9%) 自然系コース(数学分野):13名(7.2%) 自然系コース(理科分野):12名(6.7%) 社会系コース:15名(8.3%) 芸術系コース(音楽分野):3名(1.7%) 芸術系コース(美術分野):5名(2.8%). 37.
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3 学位の授与に関する事項 4 教育及び研究に関する事項 5 学部学科課程に関する事項 6 学生の入学及び卒業に関する事項 7
を育成することを使命としており、その実現に向けて、すべての学生が卒業時に学部の区別なく共通に
を育成することを使命としており、その実現に向けて、すべての学生が卒業時に学部の区別なく共通に