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(1)

標準新演習 地理Ⅱ 

 指導のポイント

【指導のねらい】 ★世界から見た日本の位置と日本の領域と領土問題,日本の標準時と時差の計算方法について理解させる。 ★日本のさまざまな地域区分,都道府県と県庁所在地についてつかませる。

1

日本の姿

◆指導ページ P.7 ~ 12 ◆ 

第 4 章 日本の地域構成と世界から見た日本の姿

重要事項の確認

1 日本の位置と領域 (P.7) ⑴ 世界から見た日本の位置   ユーラシア大陸の東,太平洋の北西部,北緯 20 〜 46 度,東 経 122 度〜 154 度,島国〔海洋国〕 ⑵ 日本列島   北海道・本州・四国・九州と周辺の島々,北海道〜沖縄=約 3000 km ⑶ 日本の領域 面積:約 38 万 km² ① 領域…領土・領海(12 海里)・領空(領土・領海上空) ② 経済水域〔排他的経済水域〕   領海を除く沿岸から 200 海里以内の海域。水産資源等は沿 岸国のもの。日本の経済水域は,国土面積の 10 倍以上。 ⑷ 領域をめぐる問題 ① 北方領土…北海道の東,歯舞群島・色丹島・国後島・択捉 島,現在はロシアが占拠。 ② 竹島…島根県に属する,現在は韓国が占拠。 ③ 尖閣諸島…沖縄県に属する,中国・台湾と対立。 2 標準時と時差 (P.8) ⑴ 標準時   標準時子午線上に太陽が位置するときを正午 ① 日本の標準時子午線…東経 135 度線(兵庫県明石市) ② 複数の標準時がある国…東西に長い国(アメリカ,ロシア等) ⑵ 時差   各地の標準時の差。経度 15 度= 1 時間の時差。 ⑶ 日付変更線   日付を改める基準となる線。太平洋上,ほぼ経度 180 度の経 線に沿う。 3 地域区分と都道府県 (P.9) ⑴ 地域区分 ① 7 地方区分   北海道地方,東北地方,関東地方,中部地方,近畿地方, 中国・四国地方,九州地方 ② 細かい区分   中部地方:東海地方・中央高地・北陸地方   中国・四国地方:山陰地方・瀬戸内地方・南四国地方   中国地方:山陰地方・山陽地方 ③ その他の地方区分   東日本・西日本(フォッサマグナ〔新潟県糸魚川市と静岡県 静岡市を結ぶ〕を境)など。 ⑵ 都道府県 ① 都道府県… 1 都(東京都)1 道(北海道)2 府(大阪,京都府) 43 県。 ② (都道府)県庁所在地…(都道府)県庁が置かれている都市。 ③ 県境…地形を利用したものや,昔の国の境界を利用してい るものが多い。 ④ 市町村…各都道府県は,さらに市町村に分かれる。1999 年から市町村合併が進んだ。

補足知識・留意事項など

1 日本の位置と領域 ・日本の北端は択捉島,東端は南鳥島,南端は沖ノ鳥島,西端は 与那国島。 ・日本と同緯度の国は韓国,トルコ,スペインなど。同経度の国 はオーストラリア,フィリピンなど。 ・沖ノ鳥島は,経済水域を守るため,護岸工事された。 ・北方領土は,歯舞群島,色丹島,国後島,択捉島。第二次世界 大戦後にソ連が占領。現在はロシアが占拠しており,日本政府 は返還を要求。 ・1 海里は約 1852 m,200 海里で約 370 km ◦日本の領域と経済水域 2 標準時と時差 ・日付変更線は経度 180 度の線にほぼ沿っていて,1 日の始まり が最も早いのは,日付変更線のすぐ西側の地域。 ・日付変更線を東から西に超える場合,日付を 1 日進める。西か ら東に超える場合は 1 日戻す。 ・本初子午線はイギリスのロンドンを通る。 ・時差= 2 地点の経度差÷15 3 地域区分と都道府県 ・県庁所在地名は,18 の道県で道県名と異なる。  (北海道:札幌/岩手県:盛岡/宮城県:仙台/栃木県:宇都 宮/群馬県:前橋/茨城県:水戸/埼玉県:さいたま/神奈川 県:横浜/山梨県:甲府/石川県:金沢/愛知県:名古屋/滋 賀県:大津/三重県:津/兵庫県:神戸/島根県:松江/香川 県:高松/愛媛県:松山/沖縄県:那覇) ・内陸にある県は 8 県。  (群馬県,栃木県,埼玉県,山梨県,長野県,岐阜県,滋賀県, 奈良県) ・県の境界線は昔の国の境界を利用しているところもある。  (長野県,富山県,滋賀県,奈良県,香川県,徳島県,高知県, 愛媛県) ・最も多くの県と県境を接する県は長野県(8 県)。 40° 45° 30° 35° 20° 25° 日本の東端 東経153度59分 日本の北端 北緯45度33分 日本の西端 東経122度56分 135° 130° 125° 120° 115° 140°145° 150°155°160° 日本の南端 北緯20度25分 択捉島 沖ノ鳥島 与那国島 おき の とり 南鳥島 みなみ とり よ な ぐに 東 シ ナ 海 択捉島 沖ノ鳥島 与那国島 おき の とり 南鳥島 みなみ とり よ な ぐに 東 シ ナ 海 日本の経済水域 (国連海洋法条 約による) オホーツク海 オホーツク海 太平洋 太平洋 日本海 日本海 40° 45° 30° 35° 20° 25° 日本の東端 東経153度59分 日本の北端 北緯45度33分 日本の西端 東経122度56分 135° 130° 125° 120° 115° 140°145° 150°155°160° 日本の南端 北緯20度25分 択捉島 沖ノ鳥島 与那国島 おき の とり 南鳥島 みなみ とり よ な ぐに 東 シ ナ 海 択捉島 沖ノ鳥島 与那国島 おき の とり 南鳥島 みなみ とり よ な ぐに 東 シ ナ 海 日本の経済水域 (国連海洋法条 約による) オホーツク海 オホーツク海 太平洋 太平洋 日本海 日本海

(2)

標準新演習 地理Ⅱ 

 指導のポイント

【指導のねらい】 ★山地や河川などを中心に世界の地形の特徴について理解させる。 ★日本の地形・気候の特色と区分,自然災害と特徴的な地形についてつかませる。

2

日本の自然環境

◆指導ページ P.13 ~ 18 ◆ 

重要事項の確認

1 世界の地形 (P.13) ⑴ 造山帯   造山帯に沿って,けわしい山脈や島々が並ぶ→地震・火山の 噴火などによる災害が多い,観光資源・地熱なども豊富。 ① 環太平洋造山帯   アンデス山脈〜ニュージーランド,日本を含めて太平洋を 囲むように連なる。 ② アルプス・ヒマラヤ造山帯   アルプス山脈〜ヒマラヤ山脈〜インドネシア東部。 ⑵ 安定した陸地   多くは,地盤の変動が少なく,長い間の風化・侵食で地形が 平たんな安定大陸。   ユーラシア大陸のシベリア・アフリカ大陸・北アメリカ大 陸・南アメリカ大陸・オーストラリア大陸→広大な低地や平 原・南極大陸→氷の下に大平原。 2 日本の地形 (P.14) ⑴ けわしい山地   環太平洋造山帯の一部,国土の約 4 分の 3 が山地と丘陵地。 ① 「日本の屋根」…中央部に高くて険しい飛驒山脈・木曽山 脈・赤石山脈→日本アルプス。 ② フォッサマグナ…静岡県と新潟県の間を南北に走る断層帯。 ⑵ 変化に富む海岸   砂浜海岸,岩石海岸,リアス式海岸 ⑶ 日本の周囲の海   太平洋,日本海,オホーツク海,東シナ海 ① 海溝〔日本海溝〕…太平洋側,深さ 8000 m 以上 ② 大陸棚…東シナ海,水深 200 m までの浅い海底→好漁場 ③ 潮目…暖流の黒潮〔日本海流〕と寒流の親潮〔千島海流〕がぶ つかる→好漁場 ⑷ 日本の川   短くて流れが急,流域面積がせまい ⑸ 平らな地形の平地 海岸部→平野,内陸部→盆地 ① 扇状地…川が山間部から平地に流れ出るところに土砂が堆 積→扇形の地形(果樹園などに利用) ② 三角州…川が海に流れ出る河口に土砂が堆積→平たんな低 地(水田などに利用) ③ 台地…低地より一段高い位置の土地(畑などに利用) 3 日本の気候と自然災害 (P.15) ⑴ 気候の特色   温帯〔温暖〕湿潤気候,季節風〔モンスーン〕→四季が明確,梅 雨や台風→降水量が多い ⑵ 気候区分   北海道,日本海側,太平洋側,中央高地,瀬戸内,南西諸島 ⑶ 自然災害   地震→津波,火山の噴火→火砕流,集中豪雨→洪水・土石流, 台風→高潮,夏の低湿→冷害,少雨→干害,山岳地域→なだれ ⑷ 人間活動と災害   自然災害+人災→被害が拡大 ⑸ 防災対策 防災マップ(ハザードマップ)の作成

補足知識・留意事項など

1 世界の地形 ・世界の大陸は 6 つ ユーラシア大陸…地球上の全陸地の約 35%を占める。 アフリカ大陸…地球上の全陸地の約 20%を占める。 北アメリカ大陸…地球上の全陸地の約 14.3%を占める。 南アメリカ大陸…地球上の全陸地の約 12%を占める。 南極大陸…地球上の全陸地の約 8%を占める。 オーストラリア大陸…地球上の全陸地の約 5.2%を占める。 2 日本の地形 ・砂浜海岸は鳥取砂丘が有名。 ・リアス式海岸とは,山地の沈降により形成された出入りの激し い複雑な地形の海岸。三陸海岸,若狭湾など。 ・海流は,暖流:黒潮〔日本海流〕と対馬海流。寒流:親潮〔千島 海流〕とリマン海流。 ・日本の河川で最長は信濃川,流域面積最大は利根川(世界最長 はナイル川,最大はアマゾン川) ・扇状地は甲府盆地が有名。 ・台地と低地の境目は,かつて城をつくる場所に選ばれた。 ・東日本では南北方向に高くけわしい山脈。 ・西日本では紀伊,中国,四国という山地が東西に連なる。 ・九州地方では,阿蘇山,桜島のような活発な火山がある。 3 日本の気候と自然災害 ・北海道の気候…冷帯,梅雨がない,冬に寒い。 ・日本海側の気候…冬は北西の季節風の影響で雪が多い。 ・太平洋側の気候…夏は南東の季節風の影響で高温多雨。 ・中央高地の気候…少雨,年間の気温差が大きい。 ・瀬戸内の気候…少雨→干害の被害を受けやすい。 ・南西諸島の気候…亜熱帯,年間通して高温多雨。  *それぞれ雨温図で特徴を確認するとよい。 ・日本の冬→太平洋側と日本海側(中央の山脈を境)にわける。 ・冷帯(亜寒帯)…北海道 ・亜熱帯…南西諸島 ・温帯  日本海側(冬の降雪・くもり)      太平洋側(冬の晴天が長く続く)      中央高地(高地は冷帯に近い)      瀬戸内(夏の降水量がやや少ない)  *日本地図で位置を確認するとよい。

第 4 章 日本の地域構成と世界から見た日本の姿

(3)

標準新演習 地理Ⅱ 

 指導のポイント

重要事項の確認

1 世界の人口 (P.19) ⑴ 世界の人口分布 ① 世界の人口   約 72 億人(2014 年)(アジアに 6 割,アジア・アフリカ・ 南アフリカに 8 割) ② 人口密度   寒帯や乾燥帯など自然条件が厳しい地域は低い。 ⑵ 増え続ける人口   20 世紀後半から急増。特にアジア・アフリカ・南アメリカ (人口爆発) ⑶ 世界の人口問題 ① 発展途上国の人口問題   人口爆発に対し,生活環境の整備等が追いつかない→スラム ② 先進工業国の人口問題 少子化,高齢化の進展。 2 日本の人口 (P.20) ⑴ 減少し始めた日本の人口 ① 日本の人口 1 億 2700 万人(2014 年) ② 人口の変化   1940 年代後半のベビーブーム以降,経済成長・医療の発 達などで増加→ 1980 年過ぎから少子高齢社会へ(世界一の長 寿国)→人口減少へ ⑵ かたよる日本の人口分布  ・高度経済成長以降   地方から都市部へ→東京・大阪・名古屋の三大都市圏の形成。  ・1970 年代後半以降    地方中枢都市が成長。    〈例〉札幌(北海道),仙台(東北),広島(中国),福岡(九州) ⑶ 人口構成の変化   人口構成を男女別に示した人口ピラミッドで表す。  ・日本の人口ピラミッド    「富士山型」→「つりがね型」→「つぼ型」と変化 3 日本の過疎・過密問題 (P.21) ⑴ 日本の過密地域   企業等が集中する大都市に多い。特に東京大都市圏。 ① 過密問題 交通渋滞・住宅難・大気汚染・ごみ問題等 ② ドーナツ化現象   かつては都心の人口が減少,郊外ニュータウンなどの人口 が増加。 ③ 都心回帰現象   1990 年代以降,都市再開発が進み,再び都心に近い地域 の人口が増加。 ④ 郊外ニュータウン   1960 年代〜 1970 年代に建設。現在は,人口の高齢化や住 宅の老朽化が進む。 ⑵ 日本の過疎地域   山間地域や離島を中心に拡大。 ① 限界集落   高齢化が極端に進み,65 歳以上の人口が過半数の地域。 ② 過疎地域の活性化 町おこし・村おこし・産直事業

補足知識・留意事項など

1 世界の人口 ⑴ 世界の人口分布 ① 現在世界で一番人口が多い地域はアジア。国別では,中国, インド,アメリカの順である。 ② 人口密度は,人口÷面積で求める。 ⑵ 増え続ける人口  ・人口が増える国は主に発展途上国であり,労働力確保のため に子ども生むことが多い。以前は出生率が高かったが子どもの 死亡率も高かった。しかし,医療の発達により,出生率が変わ らないまま死亡率が下がったため,人口が増加している。世界 で最も人口増加率が高い地域はアフリカ。 ⑶ 世界の人口問題  ・人口が急増することによる諸問題対策として,中国では「一 人っ子政策」と呼ばれる人口抑制政策が行われてきた。現在は 行われていない。(2015 年末廃止)  ・先進国では,不足する労働力確保のため,移民の受け入れな どを行う。 2 日本の人口 ⑴ 減少し始めた日本の人口  ・日本の人口は 2005 年から減少し始め,65 歳以上の人口が 20%を越え,超高齢化の段階にある。このため,高齢者福祉の ための働く世代の負担が大きくなるとされている。 ⑶ 人口構造の変化  ・富士山型…発展途上国に多く,年少人口の割合が多い(多産 多死)。  ・つりがね型…出生率も死亡率も低い形で,先進国に多い。  ・つぼ型…つりがね型から,さらに出生率が下がるとこの型に なる。  ・日本の人口ピラミッドだけでなく世界の国との比較も必要。  ・フランスなどで行われている出生率増につながる政策も考え させるとなお良い。 3 日本の過疎・過密問題  ・都市部は過密地域,山間部などは過疎地域。過疎地域は人口 が減少し高齢化が進むことで地域社会の維持が困難となっている。 過疎地域では,人口流出を食い止めるため,新たに産業を興した り,伝統工業を盛り上げたり,観光に力を入れるなどの活動を 行っている。また,インターネットを活用して特産品を全国に産 地直送する産直事業を行う地域もある。  ・人口がどうなることが過密・過疎か,それぞれの問題点と対策 は何かについて,混同せずに覚えることが大切となる。 【指導のねらい】 ★世界の人口とその特徴,人口問題について理解させる。 ★日本の人口とその特徴,人口分布,過密・過疎問題とその影響についてつかませる。

3

日本の人口

◆指導ページ P.19 ~ 24 ◆ 

第 4 章 日本の地域構成と世界から見た日本の姿

(4)

標準新演習 地理Ⅱ 

 指導のポイント

【指導のねらい】 ★世界の資源の分布やエネルギー問題,日本の資源・エネルギー問題とさまざまな発電方法について理解させる。 ★日本の産業の特徴と日本の産業の世界とのつながりについてつかませる。

4

日本の資源・エネルギーと産業

◆指導ページ P.25 ~ 30 ◆ 

第 4 章 日本の地域構成と世界から見た日本の姿

重要事項の確認

1 世界の資源・エネルギー (P.25) ⑴ かたよる鉱山資源の分布   石炭…広く世界に分布   石油…ペルシャ湾〜カスピ海・カリブ海に集中 ⑵ 持続可能な社会の実現   世界的にエネルギー消費量が増加→温室効果ガスの増加によ る地球温暖化対策が必要→太陽光・風力などの再生可能エネル ギーや植物を利用したバイオエタノールの活用 2 日本の資源・エネルギー (P.25) ⑴ 資源輸入大国日本 鉱山資源の生産量少ない→輸入に依存 ⑵ 日本の電力   1950 年代までは水力発電,現在は火力発電・原子力発電が中心。 ① 火力発電…工業地域・都市に近い臨海部。温室効果ガスを 排出。 ② 原子力発電…地盤の安定した臨海部。温室効果ガスを排出 しないが,安全性と放射性廃棄物の問題あり。 ⑶ 資源の活用と環境への配慮 リサイクルなど。 3 農林水産業 (P.26) ⑴ 世界から見た日本の産業 小規模な自作農が多い(北海道のぞく)。 ① 稲作…機械化が進み,兼業農家が多い。 ② 野菜…近郊農業,促成栽培,抑制栽培,施設園芸農業 ③ 果樹栽培   東日本…りんご,中央高地…ぶどう,西日本…みかん ④ 畜産   鹿児島県・宮崎県など…肉牛・豚・にわとり ⑵ 農業の課題   農業人口の減少と高齢化,貿易自由化による安い輸入農産物 との競争→食料自給率の低下 ⑶ 世界からみた日本の林業   青森ひば,秋田すぎ,木曽ひのき,吉野すぎなどの針葉樹林 を建築材として利用。 ⑷ 世界から見た日本の漁業   「とる漁業」(遠洋漁業・沖合漁業)から「育てる漁業」(養 殖漁業・栽培漁業)へ。 4 工業・商業・サービス業 (P.27) ⑴ 日本の工業…京浜・阪神・中京・北九州を中心に発展 ① 太平洋ベルト   関東地方から九州北部にかけて,京浜・中京・阪神・北九 州の工業地帯と京葉・東海・瀬戸内などの工業地域が連なる。 ② 新しい工業地域   工業の地方分散,工業団地の開発が 1970 年代以降に増加。 ⑵ 加工貿易から海外での現地生産へ ①・② かつては加工貿易に依存→世界各地での現地生産へ (日本国内は産業の空洞化) ⑶ 日本の商業・サービス業…第 3 次産業 ① 多様化する商業   コンビニエンスストア,郊外の大型スーパー,オンライン ショッピングなど。 ② 拡大するサービス業   介護サービス業(医療・福祉),情報サービス産業(IT)の 発展。

補足知識・留意事項など

1 世界の資源・エネルギー ⑴ 石油…サウジアラビアや西アジア   石炭…中国・アメリカやインド   鉄鉱石…ブラジル,中国など ⑵ 近年,中国などでエネルギーの消費量が急増している。 2 日本の資源・エネルギー ⑴ 世界的には火力発電中心の国が多いが,カナダ・ブラジルは 水力,フランスは原子力が中心。日本は原子力発電が増えてき ているが,火力発電が中心である。また,近年は原子力発電の リスクが問題視されている。 3 農林水産業 ⑴ アメリカでは大規模で企業的な農業が行われている。 ① 九州などでは稲作以外の作物もつくる二毛作が行われて いる。積雪で冬は農業ができない東北・北陸などは水田単 作地帯。 ② 近郊農業…大都市周辺で行う   促成栽培…夏野菜を冬〜春先に出荷する(四国や九州)   抑制栽培…冬野菜を夏場などに出荷する   施設園芸農業…ビニールハウスなどを利用する(促成栽培 で用いられる) ⑶ 日本は国土の約 3 分の 2 が森林。しかし,農業と同様で,林 業人口の減少,高齢化と外国産の安い材料との競争などの問題 がある。 ⑷ 日本は世界有数の水産国だが,排他的経済水域の設定により, 遠洋漁業が衰退。現在は漁獲量が減り,世界有数の水産輸入国 になっている。養殖漁業は魚介類が大きくなるまで人工的に育 てる,栽培漁業はふ化させた稚魚を放流し,大きく育ったもの をとる。漁業種類別漁獲量の推移のグラフも同時に扱うとよい。 4 工業・商業・サービス業 ⑴ 日本の工業はかつて軽工業が中心→高度経済成長期を経て重 化学工業が発展。近年は IC などのハイテク産業。 ① かつては,京浜・中京・阪神・北九州の 4 つの工業地帯中 心だったが,1970 年代以降,高速道路や空港周辺に工業団 地を形成するようになった。 ⑵ 加工貿易   原料や燃料を輸入し,工業製品を輸出する方法。近年,企業 の多くは,貿易摩擦の解消や安い労働力を求めて,外国に進出 している。 ⑶ 第 1 次産業は農林水産業,第 2 次産業は鉱工業・建設業など, 第 3 次産業は商業・輸送・サービス業など。   日本の産業別人口は,第 1 次産業が最も少なく,第 3 次産業 が最も多い。

(5)

標準新演習 地理Ⅱ 

 指導のポイント

【指導のねらい】 ★グローバル化(交通網・通信網の発達)とその影響について理解させる。 ★日本の貿易の特徴・日本の地域間の結びつき(交通網・通信網の発達・輸送方法の変化)についてつかませる。

5

世界と日本の結びつき

◆指導ページ P.31 ~ 36 ◆ 

第 4 章 日本の地域構成と世界から見た日本の姿

重要事項の確認

1 世界の結びつき (P.31) ⑴ 交通網の発達 ① 時間距離の短縮   航空機・船の高速化,交通網の整備により,時間距離が短縮。 ② 先進工業国間   人やものの移動が多い。 ③ 輸送手段   航空輸送…重量の軽い IC(集積回路)など。   海上輸送…重量の重い機械類・石油・石炭など。 ⑵ 通信網の発達   海底ケーブルから通信衛星へ。インターネット等,世界の通 信網が発達。しかし,設備費の問題から先進国と発展途上国の 間で地域格差が生じる。 2 日本の貿易 (P.32) ⑴ 国際貿易 貿易額:1980 年から 2012 年で約 9 倍に。 ① 先進工業国間 輸出入ともに機械類が中心。 ② 先進工業国と発展途上国間   かつて…先進工業国が原料・食料を輸入,工業製品を輸出。  現在…発展途上国から先進工業国への工業製品の輸出も 増加。 ⑵ 日本の貿易   かつて…加工貿易   現在…製品の輸入が増加→加工貿易がくずれる ⑶ 貿易摩擦   日本の輸出超過が原因でアメリカなどとの間で貿易摩擦(世 界貿易機関〔WTO〕が問題解決へ) ⑷ サービスの貿易の進展   輸出入ともにアメリカ・ヨーロッパが上位。 3 日本の地域間の結びつき (P.33) ⑴ 高速交通網の整備   1960 年代以降,新幹線・高速道路・航空路の整備が進展→ 全国が高速交通網で結ばれる。 ⑵ 情報通信網の発達   通信ケーブル・通信衛星の整備→情報通信網の拡大→時間・ 場所に関わらず情報のやり取りが可能に ① 光ファイバーケーブル網の整備   情報の高速化,インターネットの利便性向上 ② 携帯電話の通信網の整備   日本中ほとんどが通信・通話可能。 ⑶ 人や貨物の輸送 ① 人の輸送   近距離:電車・バス 中距離:新幹線 長距離:航空機 ② 貨物の輸送   鉄道の割合が減少→トラックなどの道路交通が増加。高速 道路のインターチェンジ付近にはトラックターミナルが立地。 また,海上輸送も低料金かつ大量輸送が可能というメリット がある。

補足知識・留意事項など

1 世界の結びつき ⑴ 交通網の発達  ・世界的に航空輸送が増加している。(IC 等の電子部品,生鮮 食品など)  ・観光や仕事で海外へ行く人や,日本で働く外国人労働者も増 加している。 ⑵ 通信網の発達  ・国際電話や衛星放送,インターネットの普及により,世界の 通信網が発達した。  ・通信施設の整備が遅れている地域では,携帯電話が普及して いる例もある。 2 日本の貿易 ⑴ 国際貿易…世界貿易機関(WTO)が世界貿易を促進。 ⑵ 日本の貿易  ・原料を輸入し製品を輸出する加工貿易で発展→多額の貿易黒 字による貿易摩擦が問題に→牛肉・オレンジ等の輸入自由化や 輸出国での現地生産へ  ・日本の主な貿易港   成田空港,東京港,名古屋港など。  ・日本の主な貿易相手   中国やアメリカ。石油はサウジアラビアなどの西アジア諸国, 石炭・鉄鉱石はオーストラリア,穀物はアメリカから多く輸入。 3 日本の地域間の結びつき ⑴ 高速交通網の整備  ・新幹線   1964 年に東海道新幹線が開通。その後,山陽・東北・上 越・秋田・山形・長野・九州・北陸新幹線が開通。2016 年 3 月には北海道新幹線(新青森-新函館北斗)が開通。  ・高速交通網は大都市を中心に放射状にのびる→地方都市間の 整備は遅れている ⑵ 情報通信網の発達   オンラインショッピングなど自宅で買い物が出来るようにな るなど便利になった一方で,個人情報流出など新たな問題も起 こっている。 ⑶ 人や貨物の輸送  ・旅客・貨物とも鉄道の割合が減少し,国内輸送手段は自動車 が中心になった。  ◦国内輸送の内訳の変化 (2015/16年版「日本国勢図会」ほか) 航空 0.0 0.2 船 1.1 航空 0.3 貨物 旅客 りょかく 1960年 2012年 1960年 2012年 船 45.8% 43.3 自動車 22.8% 鉄道 75.8 5.6 65.3 0.2 28.9 51.5 5.0 自動車 15.0 鉄道 39.2 (2015/16年版「日本国勢図会」ほか) 航空 0.0 0.2 船 1.1 航空 0.3 貨物 旅客 りょかく 1960年 2012年 1960年 2012年 船 45.8% 43.3 自動車 22.8% 鉄道 75.8 5.6 65.3 0.2 28.9 51.5 5.0 自動車 15.0 鉄道 39.2

(6)

標準新演習 地理Ⅱ 

 指導のポイント

【指導のねらい】 ★九州地方の自然環境(地形・気候)や結びつきを強めている現状について理解させる。 ★九州地方の産業(農業・工業)の特徴や沖縄のくらしについてつかませる。

6

九州地方

◆指導ページ P.41 ~ 46 ◆ 

第 5 章 日本の諸地域と身近な地域の調査

重要事項の確認

1 自然環境 (P.41) ⑴ 概要   日本の南西部に位置,ユーラシア大陸が近く,古くから大陸 との交流がさかん。南西諸島をはじめ離島が多い。   8 県…福岡県,佐賀県,長崎県,大分県,熊本県,宮崎県, 鹿児島県,沖縄県 ⑵ 地形   火山が多い(世界最大級のカルデラがある阿蘇山,普賢岳, 桜島)→地熱発電に利用。北部に筑紫山地,筑後川,筑紫平野, 中央部に九州山地,南部にシラス台地。 ⑶ 気候   暖流(太平洋側:黒潮〔日本海流〕 日本海側:対馬海流)  →冬でも温暖。南西諸島は亜熱帯。 ⑷ 防災への取り組み   火山の噴火や集中豪雨,台風などの自然災害対策。防災マッ プ(ハザードマップ)の作成。 2 九州地方の結びつき (P.41) ⑴ 結びつきが強まる各県 高速道路や新幹線の整備。 ⑵ 中心都市・福岡   九州地方の地方中枢都市。政府の出先機関や企業の支社が 集中。 3 工業の転換と地域への影響 (P.42) ⑴ 鉱工業地域からの転換 ① 重工業発祥の地   20 世紀の初め,現在の北九州市に官営の八幡製鉄所を建 設→筑豊炭田と中国から輸入した鉄鉱石・石炭を使用し,鉄 鋼を生産→北九州工業地帯とよばれる ② 工業の地位の低下   1960 年以降,石炭から石油へのエネルギー革命により, 鉄鋼の生産量が激減。 ③ 機械工業への転換   IC〔集積回路〕など電子機器の工場や自動車工場を誘致。 ⑵ 環境保全の取り組み ① 鉄鋼業がさかんだった北九州市   1960 年代,北九州市では大気汚染・水質汚濁などの公害。 が問題に→エコタウン事業に取り組む ② 公害病を克服した水俣市   八代海沿岸で四大公害病の 1 つである水俣病が発生→反省 を活かし,環境モデル都市に ③ 都市化の進む福岡市   ヒートアイランド現象対策に,ビルの壁面・屋上を緑化。 4 農業 (P.43) ⑴ 自然環境を生かした農業 ① 九州北部…二毛作・棚田 ② 九州南部…畑作・畜産 ③ 宮崎平野…促成栽培(ピーマンなど) ④ 沖縄…さとうきび・パイナップル・電照菊。 5 沖縄のくらし (P.43) ⑴ 歴史 かつては琉球王国,現在は米軍基地問題を抱える。 ⑵ 自然災害への備え…しっくいで固め,石垣でおおわれた家。 地下にダムなどで,かんがい用水利用。 ⑶ さかんな観光業 第 3 次産業人口の割合が全国 1 位。   環境保全…リゾート開発による,さんご礁の破壊を防ぐ。

補足知識・留意事項など

1 自然環境 ⑴〜⑷  ・江戸時代の鎖国下において,唯一の外国との窓口であった。  ・カルデラとは火山の頂上付近にできたくぼ地のこと。  ・筑紫山地はなだらか,九州山地はけわしい。  ・シラス台地は火山灰が厚く堆積した土地。  ・日本周辺の海流は全部で 4 つ。北から流れる寒流は,太平洋 側:千島海流(親潮),日本海側:リマン海流  ・南西諸島は亜熱帯性気候で,さんご礁が発達。  ・九州地方は台風の通り道である。また,梅雨時期の集中豪雨 による被害も大きい。 2 九州地方の結びつき ⑴⑵  ・東海道・山陽新幹線の終着駅は福岡県の博多駅。2011 年に は九州新幹線が全線開通。  ・福岡空港はアジア各地への直行便が多い。  ・陸路は関門トンネル・関門橋で本州と結ばれている。 3 工業の転換と地域への影響 ⑴ 工業地域からの転換  ・IC 工場が増えてからはアメリカのシリコンバレーにちなん で,シリコンアイランドとよばれる。また,自動車工場は九州 北部に多いことから,九州地方はカーアイランドとよばれるこ ともある。 ⑵ 環境保全の取り組み  ・高度経済成長期の四大公害病は他に,四日市ぜんそく,イタ イイタイ病,新潟水俣病。  ・水俣病の原因は工場排水に含まれる有機水銀(メチル水銀)。  ・ヒートアイランド現象とは,都市の中心部の気温が高くなる こと。 4 農業 ⑴ 自然環境を生かした農業  ・二毛作…同じ土地で 1 年に 2 種類の作物を作ること。  ・九州南部のシラス台地は火山灰で土地がやせているため,畑 作や畜産がさかん。  ・促成栽培は,ビニールハウスなどを利用した施設園芸農業で 行われる。 5 沖縄のくらし ⑴ 歴史  ・15 世紀に琉球王国が成立→明治時代に沖縄県となる→第二 次世界大戦では国内唯一の地上戦に→第二次世界大戦後,アメ リカの統治下に→ 1972 年,日本に復帰→現在,島の約 2 割が 米軍基地

(7)

標準新演習 地理Ⅱ 

 指導のポイント

【指導のねらい】 ★中国・四国地方の自然環境(地形・気候)について理解させる。 ★中国・四国地方の産業(農業・工業)の特徴や,交通網の発達の様子,過疎化が進んでいる現状についてつかませる。

7

中国・四国地方

◆指導ページ P.47 ~ 52 ◆ 

第 5 章 日本の諸地域と身近な地域の調査

重要事項の確認

1 自然環境 (P.47) ⑴ 概要   九州の北東に位置,中国山地の北側を山陰地方,瀬戸内海に 面した地域を瀬戸内地方,四国山地の南側を南四国地方。   9 県   中国地方:鳥取県,島根県,山口県,岡山県,広島県   四国地方:香川県,徳島県,愛媛県,高知県 ⑵ 地形   3 つの海(日本海・瀬戸内海・太平洋)に面し,2 つの山(中国 山地・四国山地)がある。 ⑶ 気候 ① 山陰地方   北西の季節風→冬に雪が多い ② 瀬戸内地方   温暖,年間を通じて降水量が少ない→ため池(讃岐平野) ③ 南四国地方   南東の季節風や黒潮〔日本海流〕の影響→温暖多雨。 2 産業 (P.48) ⑴ 工業   瀬戸内工業地域(重化学工業が中心・瀬戸内海の水運を利用)。  倉敷市水島・周南市・新居浜市:石油化学コンビナート   倉敷市・福山市:製鉄所 ⑵ 自然環境を生かした農業 ① 南四国や瀬戸内…温暖な気候   高知県:ピーマンなどの促成栽培   岡山県:ぶどう  愛媛県:みかん ② 山陰…鳥取:なし ③ 鳥取砂丘の緑化の取り組み…かんがい設備を導入。   らっきょう・メロンなどを栽培。 ⑶ 漁業   瀬戸内海では養殖などの「育てる漁業」がさかん。   広島県:かき  愛媛県:まだい 3 交通網の発達と地域の変化 (P.49) ⑴ 交通網の発達   高速道路(中国自動車道・山陽自動車道),山陽新幹線,本 州四国連絡橋→本州と四国が陸上交通で結ばれる→ストロー 現象(交通整備の結果,大都市へ人が吸い寄せられること) ⑵ 人口が集中する瀬戸内地方   瀬戸内海沿岸の太平洋ベルトに集中(広島県,岡山県) ⑶ 地方中枢都市・広島   第二時世界大戦末期,アメリカ軍によって原子爆弾投下→戦 後は復興して人口 100 万人を超え,平和記念都市としての役割 を担う。(原爆ドームが世界文化遺産に登録) ⑷ 過疎化が進む山間地域・離島   中国山地・山陰・南四国で過疎化が進む→地域の実情に応じ た町おこし・村おこしを行う。   地域経済の活性化:インターネットを利用した産地直送など。   高齢化対策:地域住民への福祉サービスを提供

補足知識・留意事項など

1 自然環境 ⑴ 概要  ・中国地方では,中国山地より北を山陰地方,南を山陽地方と よぶこともある。 ⑵ 地形  ・中国山地はなだらか,四国山地はけわしい。瀬戸内海は島が 多い。全体的に平野は少なくてせまいのが特徴。 ⑶ 気候  ・中国・四国地方は,気候が日本海側・瀬戸内・太平洋側で異 なるので注意が必要。(それぞれの雨温図などでイメージを持 たせるとよい。)  ・瀬戸内地方の雨が少ないのは,中国山地と四国山地にはさま れているのが要因。  ・坂出市や鳴門市などの沿岸では,潮の干満を生かして塩田で 塩がつくられていた。 2 産業 ⑴ 工業  ・瀬戸内海は海上輸送に便利→工業が発展  ・呉市・尾道市は造船所,広島市が自動車工場。 ⑵ 農業  ・南四国では,かつて米の二期作がさかんだったが,現在は施 設園芸農業がさかん。  ・鳥取砂丘は日本最大の砂丘。 ⑶ 漁業  ・養殖漁業や栽培漁業は「育てる漁業」。  ・他に,高知県室戸市はまぐろの遠洋漁業,土佐清水市はかつ おの一本釣りが有名。 3 交通網の発達と地域の変化 ⑴ 交通網の発達  ・本州四国連絡橋は児島・坂出ルート(瀬戸大橋),神戸・鳴門 ルート(明石海峡大橋など),尾道・今治ルート(瀬戸内しまな み海道)がある。四国から本州への移動が容易になった一方で, フェリーの廃止や四国地方の商業が衰退。 ⑵ 広島市,岡山市,高松市,松山市などの県庁所在地の多くは 城下町であった。 ⑶ 地方中枢都市・広島  ・中国・四国地方の世界遺産は,原爆ドームのほかに,広島県 の厳島神社,島根県の石見銀山遺跡。

(8)

標準新演習 地理Ⅱ 

 指導のポイント

【指導のねらい】 ★近畿地方の自然環境(地形・気候)や災害への備えについて理解させる。 ★近畿地方の産業(農業・工業)の特徴や大阪の大都市圏,古都京都・奈良などの地域の特徴についてつかませる。

8

近畿地方

◆指導ページ P.53 ~ 58 ◆ 

第 5 章 日本の諸地域と身近な地域の調査

重要事項の確認

1 自然環境 (P.53) ⑴ 概要   2 府…大阪府,京都府   5 県…三重県,滋賀県,兵庫県,奈良県,和歌山県   古くから多くの人々が住む。中国や朝鮮半島との交流もさか ん。かつては政治・経済の中心地。 ⑵ 地形と気候   日本海,瀬戸内海,太平洋に面する。若狭湾・志摩半島→リ アス海岸 ① 北部…北西の季節風→冬に降水量が多い ② 中央部…琵琶湖(滋賀県)・淀川→大阪平野,京都盆地,奈 良盆地 ③ 南部…南東の季節風→夏に降水量が多い,紀伊山地 ⑶ 災害への備え ① 台風   土地の低い大阪平野や伊勢湾周辺→高潮や洪水の被害→堤 防や水門・監視システムを整備 ② 震災の教訓を生かす   1995 年阪神・淡路大震災→住宅の耐震化など対策が進む 2 大都市圏の形成 (P.54) ⑴ 大阪大都市圏〔京阪神大都市圏・関西大都市圏〕   三大都市圏の 1 つ。ターミナル駅から住宅地・商業地・行楽 地を結びつけたまちづくり。 ① 中心都市・大阪   江戸時代の商業の中心地で「天下の台所」,現在も問屋街 は卸売りの中心。 ② 国際都市・神戸…開港以来,貿易で発展。 ⑵ 開発されたニュータウン   中心部の過密解消のため,郊外の千里・泉北のニュータウン を建設。神戸市はポートアイランド(海上のニュータウン)。 3 古都奈良・京都 (P.54) ⑴ 多くの文化財   5 か所の世界文化遺産,国宝・重要文化財の約 5 割が集中。 ⑵ 古都奈良・京都   平城京(710 年奈良県)・平安京(794 年京都府)から発展→伝 統的な町なみが残る→京都市景観条例により保全 4 産業 (P.55) ⑴ 工業 ① 阪神工業地帯…せんい工業を中心に発展。戦後,沿岸部に 石油化学コンビナートが建設された。 ② 阪神工業地帯の伸び悩み…パネルベイ(液晶パネルや太陽 電池の工場〔堺市・尼崎市など〕),工業以外の再開発も進む。 ③ 伝統工業…西陣織・京友禅・清水焼・奈良筆など ⑵ 農業   大都市の郊外→近郊農業(伝統野菜=京野菜),和歌山県のみ かん・梅 ⑶ 林業   温暖で降水量の多い紀伊山地→吉野すぎ,尾鷲ひのきなど良 質な樹木が育つ

補足知識・留意事項など

1 自然環境 ⑴ 概要  ・現在も大阪・神戸・京都を中心に,人口や産業が集中。 ⑵ 地形と気候  ・リアス式海岸とは,複雑に入り組んだ海岸地形のこと。  ・北部にある天橋立は日本三景のひとつ。  ・琵琶湖は日本最大の湖で,滋賀県の面積の約 6 分の 1 を占 める,かつては水質汚染が深刻化したが,現在では改善,1993 年にラムサール条約に登録。  ・紀伊半島の南東部は南東の季節風→日本有数の多雨地帯 2 大都市圏の形成 ⑴ 大阪大都市圏  ・三大都市圏は東京,大阪,名古屋で形成。  ・大阪湾には,24 時間発着可能な関西国際空港がある。  ・神戸は現在でも日本有数の国際都市で,世界有数のコンテナ 港の神戸港がある。 ⑵ 開発されたニュータウン  ・1960 年代の千里ニュータウンが日本初。 3 古都奈良・京都 ⑴ 多くの文化財  ・近畿地方の世界文化遺産は,法隆寺地域の仏教建造物・姫路 城・古都京都の文化財・古都奈良の文化財・紀伊山地の霊場と 参詣道の 5 つ。  ・京都は伝統的な町なみが残っていることから,外国人観光客 も多い。 4 産業 ⑴ 工業  ・阪神工業地帯は,大阪湾を中心に,姫路市から和歌山市にか けて広がる。  ・東大阪には中小工場が多く,先端技術産業を支える。  ・近畿地方は歴史と文化を反映した伝統工業もさかん。 ⑵ 農業  ・産地名のついた九条ねぎや賀茂なすなどの京野菜は伝統野菜 として流通。 ⑶ 林業  ・日本有数の林業地帯だが,近年は外国からの木材輸入の増加, 林業従事者の減少と高齢化などの課題がある。

(9)

標準新演習 地理Ⅱ 

 指導のポイント

【指導のねらい】 ★中部地方の自然環境(地形・気候)について理解させる。 ★中部地方の産業(農業・工業)の特徴や地域・世界との結びつきについてつかませる。

9

中部地方

◆指導ページ P.59 ~ 64 ◆ 

第 5 章 日本の諸地域と身近な地域の調査

重要事項の確認

1 自然環境 (P.59) ⑴ 概要   9 県…愛知県・静岡県・山梨県・長野県・岐阜県・福井県・ 石川県・富山県・新潟県   日本列島の中央部に位置。太平洋側を東海地方,中央部を中 央高地,日本海側を北陸地方。東海道・中山道などの街道が発 達。 ⑵ 地形   中央高地を南北に走る飛驒山脈・木曽山脈・赤石山脈(日本 アルプス),富士山・浅間山などの火山,木曽川・富士川・信 濃川(長さ日本第 1 位)・神通川などの河川,太平洋側に濃尾平 野,日本海側に越後平野,中央高地には甲府盆地・松本盆地 ⑶ 気候 ・北陸地方…日本海側の気候,北西の季節風で冬に降水量が多 い豪雪地帯。 ・中央高地…中央高地の気候,標高が高く,冬の寒さが厳しい。 また,一年を通して降水量が少ない。 ・東海地方…太平洋側の気候,暖流の影響で,冬でも比較的暖 かく,夏の降水量が多い。 2 工業の発展 (P.60) ⑴ 東海地方 ① 中京工業地帯   豊田市の自動車工業をはじめとする輸送機械の生産がさかん。 四日市の石油化学コンビナート,東海市の製鉄所,瀬戸市・ 多治見市の陶磁器・ファインセラミックス。 ② 東海工業地域   浜松市の楽器・バイク,富士市の製紙・パルプ業など。 ⑵ 中央高地   戦前は製糸業→戦後は精密機械工業→近年は IC(集積回路) や電子部品などの電気機械工業 ⑶ 北陸地方   金属・化学工業(黒部ダムなどの水力発電),鯖江市のメガネ フレームなどの地場産業,輪島塗・加賀友禅など伝統的工芸品 をつくる伝統産業。 3 自然環境を生かした農業 (P.61) ⑴ 北陸地方   客土による土地改良→日本を代表する水田単作地帯に(銘柄 米の栽培) ⑵ 中央高地   扇状地(甲府盆地・長野盆地):ぶどう・ももなどの果樹栽培   八ヶ岳などの高冷地:高原野菜の抑制栽培 ⑶ 東海地方   牧ノ原台地の茶,沿岸部の日あたりのよい斜面のみかん,ビ ニールハウスでのいちご・メロン,渥美半島の野菜(施設園芸 農業),知多半島の花 4 地域・世界との結びつき (P.61) ⑴ 人口分布 平野部に集中,山間部は過疎化がすすむ。 ⑵ 交通網の発達と地域の結びつき   東海道新幹線・東名高速道路などの大動脈→沿線に政令指定 都市(人口 50 人以上) ⑶ 名古屋大都市圏 名古屋市を中心とする地域 ⑷ 世界との結びつき 名古屋港・中部国際空港

補足知識・留意事項など

1 自然環境 ⑴ 概要  ・中央高地は日本アルプスがあり,「日本の屋根」ともよばれ る。  ・岐阜県の白川郷,富山県の五箇山の合掌造り集落は世界文化 遺産。  ・福井県の若狭湾岸には原子力発電所が多く立地。 ⑵ 地形  ・日本の河川で長さ 1 位は信濃川,流域面積 1 位は利根川。  ・神通川は下流でイタイイタイ病が発生。  ・盆地のまわりには扇状地というゆるやかな傾斜地が発達。  ・濃尾平野西部の木曽川・揖斐川・長良川下流の低地では,洪 水から家や農地を守るため,村を高い堤防で囲む輪中をつくる。 ⑶ 気候  ・中央高地の高原地域は夏でも比較的涼しいため,別荘地が見 られる。 2 工業の発展 ⑴ 東海地方  ・中京工業地帯は名古屋市を中心に三重県北部から岐阜県南東 部まで。  ・大規模な自動車組み立て工場の周辺には,部品をつくる関連 工場が数多く立地。  ・豊田市は地域全体で自動車の生産を行い,地域経済に大きな 影響を与える企業城下町に発展。 ⑶ 北陸地方  ・地場産業は,農家の副業として,農業をできない冬に発達。 3 自然環境を生かした農業 ⑴ 北陸地方  ・新潟県の越後平野を中心に,東北地方とならぶ日本の穀倉地 帯。富山県では,米の裏作としてチューリップの球根を栽培。 ⑵ 中央高地  ・高原野菜はレタス,キャベツ,はくさいなど。 4 地域・世界との結びつき ⑵ 交通網の発達と地域の結びつき  ・東海地方の政令指定都市は名古屋市,浜松市,静岡市。 ⑷ 世界との結びつき  ・北陸地方とロシア・中国・韓国などとの交流を進展させる環 日本海経済圏構想がある。

(10)

標準新演習 地理Ⅱ 

 指導のポイント

【指導のねらい】 ★関東地方の自然環境(地形・気候)や人口の集中について理解させる。 ★関東地方の産業(農業・工業)の特徴や東京大都市圏の特徴についてつかませる。

10

関東地方

◆指導ページ P.65 ~ 70 ◆ 

第 5 章 日本の諸地域と身近な地域の調査

重要事項の確認

1 自然環境 (P.65) ⑴ 概要   本州のほぼ中央に位置。   1 都…東京都   6 県…神奈川県・千葉県・埼玉県・群馬県・栃木県・茨城県 ⑵ 地形   平地:日本最大の関東平野→関東ローム(火山灰が堆積した 赤土)におおわれている。   河川:利根川(日本最大の流域面積)   海岸:太平洋に面した地域→単調な砂浜海岸,東京湾→埋め 立て地が多い。 ⑶ 気候 大部分が太平洋側の気候   冬:北西の季節風(「からっ風」)により乾燥する。   夏:都市部はヒートアイランド現象   *小笠原諸島…亜熱帯の気候 ⑷ 集中する人口 日本の総人口の約 3 分の 1 が集中 2 大都市圏の形成 (P.66) ⑴ 東京大都市圏の形成   首都東京を中心。東京 23 区のほか,5 つの政令指定都市。 ⑵ 日本の首都・東京   日本の中枢機能が集まる。外国企業の約 7 割が事務所を設置。 ⑶ 通勤・通学圏   郊外から東京への通勤・通学者が多い→郊外では夜間人口よ り昼間人口が少ない。 ⑷ 人口集中による都市問題   地価の上昇やゴミ問題など過密による問題をかかえている。 ⑸ 都市機能の分散   神奈川県:横浜みなとみらい 21  千葉県:幕張新都心   埼玉県:さいたま新都心  茨城県:筑波研究学園都市 ⑹ 他地域・海外との結びつき ① 他地域との結びつき   高速道路や鉄道が東京から放射状に発達。通信網の整備。 ② 空港・港   国内線:東京国際空港(羽田)   国際線:成田国際空港(千葉県)   港:東京湾岸を中心に貿易港が点在。 3 産業 (P.67) ⑴ 第 3 次産業の発達   東京・神奈川・埼玉・千葉→第 3 次産業の人口が 7 割をこ える。 ⑵ 工業 工業生産額は日本の約 3 割を占める。 ① 臨海部…京浜工業地帯・京葉工業地域を形成。茨城県は鹿 島臨海工業地域。 ② 内陸部…北関東工業地域を形成(工業団地が点在)。 ⑶ 大都市圏と結びつく農業 ① 関東平野…畑作:近郊農業,工芸作物(栃木のかんぴょう, 群馬のこんにゃく)         畜産:生乳,にわとり ② その他の地域…高原野菜の輸送園芸農業(群馬県嬬恋村) ⑷ 保養地・行楽地の充実   〈理由〉人口が多く,交通の便がよいから。   〈例〉お台場(東京),中華街(横浜)など

補足知識・留意事項など

1 自然環境 ⑵ 地形  ・関東地方は平地の占める割合が大。  ・伊豆諸島,小笠原諸島や南鳥島,沖ノ鳥島は東京都に属する。 ⑶ 気候  ・海岸部は暖流の黒潮〔日本海流〕の影響で冬でも暖かい。 2 大都市圏の形成 ⑴ 東京大都市圏の形成  ・関東地方の政令指定都市は横浜市,川崎市,相模原市,さい たま市,千葉市。 ⑵ 日本の首都・東京  ・中枢機能は,国会議事堂,官庁,最高裁判所など。 ⑶ 通勤・通学圏  ・近年,都心や臨海部の再開発により,人口のドーナツ化現象 は弱まる。 ⑸ 都市機能の分散   新宿を新都心,池袋・渋谷などを副都心とする。 3 産業 ⑵ 工業  ・京浜工業地帯(東京都・神奈川県の東京湾沿岸部を中心に発 達)は機械工業の割合が高い。  ・横浜港や川崎港千葉港は石油などを多く輸入。  ・東京都は,日本や世界の情報が集まるため,出版・印刷業が 集中。  ・京葉工業地域(千葉県の東京湾沿いを中心に発達)は化学や金 属工業の割合が高い。  ・北関東工業地域は,埼玉・群馬・栃木・茨城に工業団地が点 在→電気機械・自動車・IC・コンピュータなど組立型の機械 工業 ⑶ 大都市と結びつく農業  ・大都市に近い有利な条件を生かし(近郊農業),特に茨城県と 千葉県の農業生産額は日本有数。  ・利根川沿いの低地には水田も広がる。  ・関東平野の台地では畑作が中心。  ・房総半島や三浦半島は冬でも温暖→ 1 年中野菜や花を出荷

(11)

標準新演習 地理Ⅱ 

 指導のポイント

【指導のねらい】 ★東北地方の自然環境(地形・気候)について理解させる。 ★東北地方の産業(農業・工業)の特徴や伝統的な文化の特色についてつかませる。

11

東北地方

◆指導ページ P.71 ~ 76 ◆ 

第 5 章 日本の諸地域と身近な地域の調査

重要事項の確認

1 自然環境 (P.71) ⑴ 概要  ・本州北部に位置。  ・6 県…青森県・岩手県・秋田県・山形県・宮城県・福島県。 ⑵ 地形  中央:奥羽山脈,西側:出羽山地,東側:北上高地  北上川下流:仙台平野,最上川下流:庄内平野  日本海側:砂浜の海岸線,三陸海岸南部:リアス海岸 ⑶ 気候:冷涼な気候 ① 日本海側:冬は北西の季節風と暖流の対馬海流の影響で雪 が多い。 ② 太平洋側:夏に寒流の親潮〔千島海流〕の影響でやませと呼 ばれる冷たく湿った北東の風が吹く。 2 中心都市・仙台 (P.71) ⑴ 地方中枢都市・仙台市   東北地方の政治・経済・文化の中心地。 3 農林水産業 (P.72) ⑴ 農業 ① 日本の穀倉地帯   稲作がさかん…秋田平野・庄内平野・仙台平野・北上川流 域など。  *減反政策…米の生産量を減らす政策。転作や品種改良。 ② 果樹栽培   津軽平野:りんご 山形盆地:さくらんぼ・洋なし   福島盆地:もも ③ その他   冷涼な気候を利用:キャベツ・きゅうり・ほうれんそう・ りんどう ⑵ 林業:青森ひば・秋田すぎが有名。 ⑶ 水産業:三陸海岸沖の潮目,親潮と黒潮がぶつかる部分は好 漁場,リアス式海岸ではこんぶ・わかめ・かきなど の養殖がさかん。 4 伝統的な生活と文化 (P.72) ⑴ 伝統行事:国の重要無形民俗文化財に指定。 ⑵ 伝統的な町なみ:角館の城下町や黒石市の「こみせ」 5 伝統産業と新しい工業 (P.73) ⑴ 東北地方の伝統産業 ① 伝統産業   地元の森林資源や鉱産資源を利用して伝統工芸品を作成。 ② 伝統的工芸品:津軽塗・会津塗・天童将棋駒など。 ③ 伝統産業の課題  ・海外からの輸入品の増加で生産が停滞。  ・職人の高齢化  ・後継者の育成→訓練校を設置。 ⑵ 新しい産業の発達 ① 地場産業の発達   漆器・酒・みそ・しょうゆなどの工業が発達。 ② 生活の変化と工業  ・かつて:冬に出かせぎに行く人が増加。  ・1970 年代以降:東北自動車道・東北新幹線などの高速交 通網の整備が進み,機械工業が活発に。  ・1990 年代以降:自動車工場や部品工場も進出。

補足知識・留意事項など

1 自然環境 ⑵ 三陸海岸南部のリアス式海岸(津波の被害を受けやすい)   2011 年 3 月,東日本大震災の津波で多数の犠牲者が出る。 ⑶ 気候:他の地方に比べて高緯度に位置。北と南では年平均気 温の差が 3 ~ 4℃ある。 ① 夏は晴天が多い。 ② 冬の積雪量は少ない。やませによる冷害が発生。  ・冷害…冷夏による農作物への被害。 2 中心都市・仙台 ⑴・宮城県の県庁所在地  ・江戸時代の城下町から発展した「杜の都」 3 農林水産業 ⑴ 農業 ① やませの影響で冷害が生じることもある。  *減反政策… 1970 年以降,食生活の変化により米の消費量 が減少→米が余る→米の生産量を減らす。  ・低温に強い米の開発・品種改良が進む→銘柄米の開発 ② 冷涼な気候を利用:キャベツ・きゅうり・ほうれんそう・ りんどう  ・牧畜:北上高地の肉牛が全国的なブランド ⑶ 水産業 ・潮目…暖流と寒流がぶつかる海域 4 伝統的な生活と文化 ⑴ 伝統行事 東北三大祭り ・(仙台)七夕まつり(宮城) ・青森ねぶた祭(青森) ・秋田竿燈まつり(秋田) ⑵ 伝統的な町なみ ・角館…武家屋敷の町なみ→観光資源 ・黒石…アーケードなどの町なみ 5 伝統産業と新しい工業 ⑴ 東北地方の伝統産業 ① こけし・家具・鉄器など   →職人を育成,農家の副業として発達 ② 他には,南部鉄器・鳴子漆器など ⑵ 新しい産業の発達 ② 東北自動車道に沿って工業団地を造成→ IC〔集積回路〕・ 半導体・電子機械など機械工業が発達。

(12)

標準新演習 地理Ⅱ 

 指導のポイント

【指導のねらい】 ★北海道地方の自然環境(地形・気候)について理解させる。 ★北海道地方の歴史や産業(農業・工業)の特徴についてつかませる。

12

北海道地方

◆指導ページ P.77 ~ 82 ◆ 

第 5 章 日本の諸地域と身近な地域の調査

重要事項の確認

1 自然環境 (P.77) ⑴ 概要   日本の北の端に位置。日本の総面積の約 2 割を占める。 東北地方とは津軽海峡で隔てられる。 ⑵ 地形  中央部:日高山脈・北見山地/西側:石狩平野・上川盆地/ 東側:十勝平野・根釧台地 *火山活動への対処   気象庁による避難情報の発信,防災マップの作成,砂防 ダムの設置,避難訓練の徹底などで噴火による被害が減少。 有珠山をジオパークに認定。 ⑶ 気候:冷帯(亜寒帯),気温と湿度が低く,梅雨がない。 ・日本海側:冬は北西の季節風と暖流の対馬海流の影響で雪が 多い。 ・太平洋側:夏の南東の季節風が寒流の親潮〔千島海流〕の影響 を受けて冷やされ濃霧が発生。 ・オホーツク海:流氷 2 開拓の歴史と都市の発達 (P.78) ⑴ 北海道の開拓の歴史 ① 先住民族・アイヌ:漁や狩りをして生活 ② 北海道の開拓   明治時代,政府が北海道開拓使を設置,各地から移住した 屯田兵などによる開拓が進められる。 ③ アイヌ文化の継承へ   伝統的な文化を受け継ぐための取り組みが進められる。 ⑵ 都市の発達:人口の多くが都市部に集中。 *札幌市…北海道の道庁所在地で政令指定都市。新千歳空港は 航空交通の拠点。 ⑶ 自然環境を生かした観光産業   さっぽろ雪まつり,富良野盆地の花畑,世界自然遺産の知床 など。エコツーリズムがさかん。 3 産業 (P.79) ⑴ 農業:日本の食料基地と呼ばれる。 ① 稲作:石狩平野は日本有数の稲作地域。もともと泥炭地。      →客土により土地改良や排水施設の建設。 ② 畑作:十勝平野は日本最大の畑作地域。小麦・てんさい・ じゃがいも・あずきの生産がさかん。  ・北海道の畑作農家一戸あたりの耕地面積   →日本の全国平均の 15 倍以上。  ・輪作や混合農業(酪農と畑作)を営む。 ③ 酪農:根釧台地が中心。 ④ 農業の課題:食の安全性に配慮した農産物の生産。 ⑵ 水産業:世界有数の漁場。漁獲量が全国第 1 位。 ⑶ 自然環境を生かした工業   地元の農産物を加工する食品工業が発達。  ・牛乳→バター・チーズ/大麦・ホップ→ビール/   木材→製紙工場

補足知識・留意事項など

1 自然環境 ⑵・洞爺湖…カルデラに水が溜まった湖。 ・ジオパーク…重要な自然遺産を含む,自然に親しむための 公園。 ・火山によって形成された地形の一部→国立公園に指定。  ◦オホーツク海の流氷    1 月半ばサハリンを南下,海は一面流氷原におおわれる。3 月末,沖に去り始める。4 月「海明け」…すべての流氷が見え なくなる。海をおおう流氷原は,プランクトンを育て,流氷の 下の魚介類を乱獲から守る役割を果たしている。 ◦釧路湿原   広さは約 21,000ha,主にあしのはえる草原とはんのきの林 が分布。特別天然記念物タンチョウ・キタサンショウウオ・ エゾカオジロトンボなどが生息する。野生生物の宝庫(→ラム サール条約に登録) ◦ラムサール条約   1971 年,イランのラムサール会議で採択。水鳥の生息地と して国際的に貴重な湿地を開発や環境破壊から守ろうとする もの。 2 開発の歴史と都市の発達 ⑴ 北海道の開拓の歴史 ② 屯田兵…北方の警備の役割を兼ねた開拓農民。       →アイヌ人は土地を奪われ,人口も減少。 ③ 伝統的な文化:音楽・踊り・生活様式など。 3 産業 ⑴ 農業 ② 輪作…同じ土地で異なる農作物を順番に作る。 ◦さかんな酪農   冷涼な気候は,牧場や家畜の飼料栽培に適する。明治初め の開拓からアメリカの農業をとりいれ,牧畜と畑作が結びつ いた農業が行われてきた。戦後は,政府のすすめで乳牛飼育 中心の酪農が急速にさかんになった。 ◦根釧台地の酪農   パイロット・ファーム 55 年,国際復興開発銀行の資金を 借り,1 戸あたり農地 10ha, 乳牛 10 頭の規模でスタート,64 年までに,361 戸が入植,規模は約 30ha に拡大,入植時の借 金や飼料費などで,経営は苦しく,約半数の農家が離農した。   ◦新酪農村   別海町を中心に 73 年,1 戸あたり農地約 50ha, 乳牛約 70 頭という規模でスタート,分散した農地を交換しあい,家の まわりに農地を集め大規模な機械化で作業を行う。約 20 年で, 酪農家 1,150 戸,乳牛飼育 93,000 頭に達する。ここでも借金は 多く小さな酪農家は離農している。 ⑵ 水産業  すけとうだら・ほっけ・さけ・ほたてがいなどの水揚げ量が 多い。

武士のしきたりをもとにまとめられたもので 守護・地頭の仕事や領地に関する決まりを定めた憲法

(13)

標準新演習 地理Ⅱ 

 指導のポイント

【指導のねらい】 ★地形図(縮尺・方位・地図記号・等高線)について理解させ,地形図の読み取りができるようにする。 ★地域の調査するポイントをとらえ,調査の方法についてつかませる。

13 身近な地域の調査-地形図・資料の読み取り

◆指導ページ P.83 ~ 88 ◆ 

第 5 章 日本の諸地域と身近な地域の調査

重要事項の確認

1 地形図の読み取り (P.83) ⑴ 地形図の種類:国土交通省国土地理院が発行。   5 万分の 1・2 万 5 千分の 1 の地図 ⑵ 縮尺  ① 縮尺の大小    2 万 5 千分の 1 の方が 5 万分の 1 よりくわしい。    →分母が小さいほど実際の距離に近い。  ② 実際の距離の計算    実際の距離=地図上の長さ×縮尺の分母    地図上の長さ=実際の距離×縮尺  ③ 面積:縮尺の 2 乗倍に縮小。 ⑶ 位置と方位   位置:緯度・経度   方位:方位記号がなければ,真上が北。      上が北でないときは,方位記号をつけ,方位記号の上 が北。 ⑷ 地図記号   土地利用や建物・施設・道路などを記号化。   おもな地図記号  ・土地利用を示すもの   田( ),畑( ),果樹園( ),くわ畑( ),   茶畑( ),広葉樹林( ),針葉樹林( )  ・建物,施設を示すもの   市役所( ),町役場( ),警察署( ),消防署( ),   郵便局( ),工場( ),発電所( ),小中学校( ),   高等学校( ),病院( ),老人ホーム( ),神社( ),   寺院( ),図書館( ),博物館・美術館( ),風車( ),   城跡( ),史跡( ),墓地( ),灯台( ),漁港( ) ⑸ 等高線:土地の高さや起伏を示す。   →等高線 狭い=傾斜が急       広い=傾斜がゆるやか ⑹ 地形図の読み取り〔読図〕   縮尺→等高線の様子→土地利用   (市街,農地・森林の分布,鉄道・道路など様子) ⑺ 新旧の地形図を比較:地域の変化   土地利用・建物・道路・地名の変化に着目。 2 地域の調査 (P.83) ⑴ テーマを決める   ポイント:自然環境,他地域との結びつき,環境,産業,  人口や都市や村落,生活・文化,歴史的背景 ⑵ 調査を行う   野外観察・聞き取り調査,資料・文献の収集 ⑶ まとめと発表   調査結果の整理→考察・まとめ→発表→意見交換 

補足知識・留意事項など

1 地形図の読み取り ⑵ 縮尺  ② 長さの単位に注意する。100cm → 1 m,1000 m→ 1km, 100,000cm → 1km。    2 万 5 分の 1 の地形図の場合,地形図の 1cm は実際の距 離では 0.25km で,実際の距離の 1km は地形図の 4cm。同 様に 5 万分の 1 の地形図の場合,地形図の 1cm は実際の距 離では 0.5km で,実際の距離の 1km は地形図の 2cm という 基本的なことは覚えておいた方が正答を早く導き出せる。  ③ 2 万 5 千分 1 の地形図上で 1 辺 8cm の正方形の実際の面 積を求める場合,面積は 1 辺の実際の長さ× 1 辺の実際の長 さで求められる。具体的には,1 辺の実際の長さ= 8cm × 25,000 = 200,000cm = 2km で,2km × 2km = 4km2 となる。 必ず長さを実際の長さに変換して計算するようにする。 ⑶ 位置と方位 北 北 南 北北東 南南 西 北北西 南南東 西 東 方位記号 16 方位 北西 南東 西北西 東南東 北東 南西 東北 東 西南西 4 方位 8 方位 + 16 方位 + + ―― ⑷ 地図記号   学校は「文字」の「文」,神社は「鳥居」,港は船の「いか り」,消防署は江戸時代の火消しが使用していた「さすまた」 といわれる道具の形を図案化したものである。  ※紛らわしい地図記号には注意する。  ・工場( )・発電所( )・灯台( ) 警察署( )・交番( )  ・水準点( )…山頂など見晴らしのよい所にある   三角点( )…高さの基準で,等高線といっしょに見る  ※建物の記号…市役所・病院・郵便局・学校などの公共施設に 特に注意する。   土地利用…農作物の種類(水田か畑か果樹園か),針葉樹か広 葉樹かなどに注意。  ・2020 年のオリンピックに向け,外国人にわかりやすく,誤 解のないマークが考えられている。 ⑸ 等高線  ・等高線(主曲線)の間隔は 2 万 5 千分の 1 の地形図では 10 m ごと,5 万分の 1 の地形図では 20 mごとに引かれている。 また,計曲線(太い等高線)の間隔は 2 万 5 千分の 1 の地形図 では 50 mごと,5 万分の 1 の地形図では 100 mごとに引か れている。地形図上の標高を知るためのヒントとなるので重 要である。 ⑹ 地形図の読み取り  ・特色ある地形(扇状地(山の斜面の果樹園の地図記号)・三角 州(複数の河川)・リアス海岸(複雑な海岸線))について地形 図からも判断できるようにする。 2 地域の調査   地域の調査で行われる資料の読み取りは入試でも必要とされる 分野なので,問題を解くことで慣れさせるようにする。

参照

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