リビアへの船舶輸出にかかる調査

全文

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リビアへの船舶輸出にかかる調査

2008 年 3 月

社団法人 日 本 中 小 型 造 船 工 業 会

助 成

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は じ め に

昨 年 (

2007

年 ) 度 実 施 し た リ ビ ア 造 船 需 要 調 査 に お い て リ ビ ア 海 事 産 業 の 概 要 を 把 握 し た 。そ の 調 査 の 結 果 と し て 、以 下 の ま と め を 導 い た と こ ろ で あ る 。

(

1

) タ ン カ ー 需 要 に 関 し て は 、リ ビ ア 側 に お い て 石 油 増 産 状 況 を 見 極 め つ つ フ ァ イ ナ ン ス 面 も 含 め た 計 画 を ま と め る ま で に は ま だ 時 間 を 要 す る 状 況 に あ る が 、 国 営 石 油 会 社

NOC (National Oil Company)

が 石 油 輸 送 の チ ャ ー タ ー 全 般 を 掌 握 し て い る の で 、政 府 と し て チ ャ ー タ ー 契 約 と い う 形 で 自 国 企 業 を 優 遇 す る こ と は 可 能 で あ り 、

T

A. Mariner Shipping Management LTD.( 民 間 海 運 会 社 、 以 下 Mariner

社 )等 は か か る 政 府 の バ ッ ク ア ッ プ を 得 て 、将 来 的 に 大 き く 発 展 す る 可 能 性 も あ る 。日 本 側 の 船 台 も 数 年 は タ イ ト な た め 、リ ビ ア 側 の 需 要 と う ま く タ イ ミ ン グ が 一 致 す る 可 能 性 も あ る こ と か ら 、将 来 の 発 注 の 可 能 性 に 備 え て リ ビ ア 会 議 の ア ク シ ョ ン プ ラ ン に 沿 っ て 技 術 的 サ ポ ー ト を 提 供 す る 等 の 関 係 を 継 続 し て い く べ き で あ る 。 具 体 的 に は 、 リ ビ ア 側 の 要 人 を 日 本 に 招 聘 し て 、 意 見 交 換 、 施 設 見 学 等 を 通 じ た 交 流 を 図 る こ と も 一 案 で あ る 。

(

2

) タ グ ボ ー ト 等 の 港 湾 サ ー ビ ス 船 舶 に つ い て は 、港 湾 サ ー ビ ス 自 体 を 国 営 会 社

SPC (Socialist Ports Company) が 継 続 し て い く の か リ ビ ア 政 府 の

方 針 が 不 透 明 で あ る が 、い ず れ に し て も 現 在 の 船 舶 の 更 新 は 不 可 避 と 考 え ら れ る の で 、

SPC

の 船 舶 更 新 計 画 の 作 成 に 積 極 的 に 関 与 し て い け ば 何 ら か の ビ ジ ネ ス を 呼 び 込 む 可 能 性 が あ る( タ グ ボ ー ト 自 体 の 建 造 が 現 実 的 で は な い 場 合 に も 舶 用 機 器 等 の 供 給 は 可 能 )。 こ の 可 能 性 に か け る と す れ ば 、 例 え ば 、リ ビ ア 側 に 専 門 家 を 派 遣 し て 造 船 需 要 の 具 体 化 、建 造 船 舶 の 絞 込 み 、建 造 計 画 、フ ァ イ ナ ン ス 計 画 な ど の 作 成 を サ ポ ー ト す る と い う 案 が 考 え ら れ る 。

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Mariner

社 が 計 画 し て い る ア ン カ ー ハ ン ド リ ン グ ボ ー ト は 、短 期 的 な 需 要 と し て 有 望 と 考 え ら れ 、今 後 益 々 需 要 が 高 ま る 可 能 性 が あ る と こ ろ 、日 本 側 で 対 応 可 能 な と こ ろ が あ れ ば 積 極 的 に 対 応 し て い く べ き で あ る 。

以 上 の ア ク シ ョ ン を 将 来 的 に 実 現 化 し て い く た め 、リ ビ ア の 主 要 船 主 の 長 期 的 な 造 船 需 要 に 関 す る 更 な る 情 報 、リ ビ ア 側 が 船 舶 購 入 の た め に 利 用 可 能 な 融 資 、 将 来 の 造 船 需 要 に 影 響 を 及 ぼ す 可 能 性 の あ る 政 府 の 政 策 等 に 関 し 、 最 新 情 報 の 収 集 等 昨 年 度 調 査 結 果 の フ ォ ロ ー ア ッ プ を 行 っ た 。

ジ ェ ト ロ ・ パ リ ・ セ ン タ ー 船 舶 部

( 社 団 法 人 日 本 中 小 型 造 船 工 業 会 共 同 事 務 所 )

デ ィ レ ク タ ー 岩 本 泉

ア シ ス タ ン ト イ ザ ベ ル ・ コ ン テ

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目 次

1. 最 新 の 経 済 情 勢 ··· 1

2. 長 期 的 な 船 舶 建 造 需 要 2.1 船 舶 代 替 需 要··· 3

2.2 追 加 の 船 舶 の 需 要··· 6

2.3 需 要 予 測 の ま と め ··· 10

3. 船 舶 向 け 融 資 ··· 10

4. 政 府 の 政 策 4.1 海 外 か ら の 投 資 の 促 進 ··· 13

4.2 リ ビ ア 船 舶 の 優 遇 政 策 ··· 13

4.3 海 運 事 業 体 の 民 営 化 ··· 14

4.4 国 際 協 定 へ の 参 加··· 15

4.5 評 価 ··· 15

5. ま と め··· 15

別 添 資 料 1 リ ビ ア 国 基 礎 デ ー タ ··· 17

別 添 資 料 2 リ ビ ア 関 係 者 コ ン タ ク ト 先 一 覧··· 25

別 添 資 料 3 リ ビ ア の 海 事 事 情(ジ ェ ト ロ 海 外 事 情 報 告 会 資 料 2008 年 1 月 30 日) ···· 26

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1. 最 新 の 経 済 情 勢

リ ビ ア の 経 済 は 、 高 比 率 で 成 長 し て き た 。 世 界 銀 行 の 最 近 の 評 価 に よ る と 、 リ ビ ア の 実 質 GDP(Gross Domestic Product:国 内 総 生 産) は 、2006 年 に 8.1 パ ー セ ン ト 成 長 し 、 過 去 3 年 間 に わ た っ て 高 成 長 を 続 け て い る 。こ の 10 年 間 の 残 り の 期 間 に リ ビ ア の GDP は 、6.5~7.5 パ ー セ ン ト の 比 率 で 成 長 し 続 け る で あ ろ う と 、 世 界 銀 行 は 予 測 し て い る 。

1.6 %

4.8 %

8.2 % 8.4 %

8.1 %

7.5 % 7.3 %

6.5 %

1996-99 2000-03 2004 2005 2006 2007 2008 2009

- - - Forecast - - - - -

Avg. Avg.

出 典: 世 界 銀 行 (経 済 発 展 及 び 見 通 し 2007 年 7 月 ) 図 1-1 リ ビ ア の 実 質 GDPの 成 長 パ ー セ ン テ ー ジ

高 い 経 済 成 長 の 結 果 と し て 、 リ ビ ア は 、 か な り の 国 際 準 備 金 を 蓄 積 し て き た 。2007 年 半 ば 現 在 、リ ビ ア の 総 国 際 準 備 金 は 590 億 ド ル 、つ ま り 2007年 の 輸 入 額 29 ヶ 月 分 に 達 し 、且 つ 、現 在 の 勘 定 剰 余 金 は GDPの 48.5 パ ー セ ン ト で あ る と 、IMF(International Monetary Fund: 国 際 通 貨 基 金) は 指 摘 し て い る 。 こ の 国 の 輸 入 額 は 最 近 、 年 率 18 パ ー セ ン ト で 急 速 に 増 加 し て い る に も か か わ ら ず 、 こ の よ う に 貿 易 黒 字 及 び 成 長 を 達 成 し て い る 。

石 油 の 輸 出 に よ っ て 、 リ ビ ア 経 済 は 継 続 的 に 実 績 を 上 げ て い る 。 炭 化 水 素 は 、 リ ビ ア の GDP の 73.8パ ー セ ン ト を 占 め て い る と 、IMF は 見 積 も っ て お り 、こ れ は 、他 の 産 油 国 で 見 ら れ る 比 率 よ り か な り 高 い 値 で あ る 。グ ル ー ブ と し て の OPEC諸 国 の 場 合 、非 炭 化 水 素 産 出 物 が GDP に 占 め る 割 合 は 、平 均 57.3 パ ー セ ン ト で あ る 。リ ビ ア で は 、非 炭 化 水 素 産 出 物 が 占 め る 割 合 は 、26.2パ ー セ ン ト で あ る 。

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(10億 ド ル)

2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011

$0

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$40

$50

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Exports

Imports

Forecast

出 典: 国 際 通 貨 基 金 (リ ビ ア ・ ス タ ッ フ 報 告 書 2007年 4月 )

図 1-2 リ ビ ア の 輸 出 額 及 び 輸 入 額 の 伸 び

上 に 示 し た よ う に 、輸 出 額 及 び 輸 入 額 は 、今 後 5年 間 に わ た っ て 大 き く 伸 び る 見 込 み で あ る 。2007 年 か ら 2011年 の 間 に 輸 入 額 が 77 パ ー セ ン ト 増 加 し 、輸 出 額 が 61 パ ー セ ン ト 増 加 す る と 、IMF は 予 測 し て い る 。輸 出 額 と 輸 入 額 の 間 の 不 均 衡 に よ っ て 巨 額 の 貿 易 黒 字 が 発 生 す る で あ ろ う 。今 後 5 年 間 に わ た っ て 、輸 出 額 の 値 は 輸 入 額 の 値 を 累 積 値 で 1,200 億 ド ル 上 回 る 見 込 み で あ る 。

IMF に よ る と 、「 米 国 が 制 裁 措 置 を 解 除 し て 以 来 数 年 の 間 に リ ビ ア は 、 マ ク ロ 経 済 安 定 性 を 維 持 し な が ら 経 済 成 長 を 向 上 さ せ る こ と に 成 功 し ( 且 つ ) リ ビ ア の 中 期 的 財 政 見 通 し は 、 好 調 の ま ま で あ る と 予 想 さ れ る 。」 と 見 て い る 。

こ の 環 境 に お い て は 、 リ ビ ア は 、 明 ら か に 、 イ ン フ ラ ス ト ラ ク チ ャ ー を 改 善 し 現 代 的 技 術 を 取 得 す る の に 必 要 な 投 資 を 行 う た め に 必 要 な 極 め て 強 力 な 財 政 能 力 を 持 っ て い る 。

し か し 、 後 述 の よ う に 、 船 舶 は そ の 投 資 対 象 と し て 優 先 度 の 高 い 事 項 と な ら な い 可 能 性 が あ る こ と に も 留 意 が 必 要 で あ る 。

輸 出 額

輸 入 額

予 測 額

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2. 長 期 的 な 船 舶 建 造 需 要

リ ビ ア の 海 運 セ ク タ ー の 改 善 は 、 投 資 を 必 要 と す る セ ク タ ー の 一 つ で あ る 。 リ ビ ア 船 籍 の 既 存 の 老 朽 化 船 舶 を 代 替 す る こ と 及 び リ ビ ア の 船 積 み 能 力 を 拡 大 し て 将 来 の 輸 送 需 要 に 応 え る よ う に す る こ と が 、 そ の 対 象 で あ る 。 ま ず 、 老 朽 化 船 舶 の 代 替 需 要 の 可 能 性 に つ い て 考 察 し 、 次 に 追 加 の 船 舶 の 潜 在 的 需 要 を 評 価 す る 。

2.1 船 舶 代 替 需 要

Lloyd’s Register に よ る と 、 リ ビ ア 船 籍 の 船 舶 は 、 約 150 隻 あ る 。 既 存 の 船 隊 を 船 舶 の 主 要 タ イ プ 別 に 区 分 し 、 代 替 の 必 要 性 を 推 測 す る 。

( 1 ) タ ン カ ー

リ ビ ア で は 、6 隻 の タ ン カ ー が 登 録 さ れ て い る 。LPG運 搬 船 3 隻 、製 品 タ ン カ ー1 隻 、 給 油 タ ン カ ー1 隻 、 並 び に 保 管 及 び 沖 合 荷 降 ろ し に 使 用 さ れ る FSO (Floating Storage and Offloading Vessel) 1 隻 が こ れ に 含 ま れ る 。FSO を 除 い て 、 こ れ ら の タ ン カ ー は 特 に 古 い わ け で は な い 。 ほ と ん ど は 、1990 年 以 後 に 建 造 さ れ た も の で 、 今 後 5 年 な い し 10 年 間 就 役 し 続 け る も の と 見 込 ま れ る 。し か し 、FSOは 、確 か に 、代 替 の 必 要 が あ り 、 当 該 運 航 業 者(ENI:イ タ リ ア 石 油 会 社 )は 、代 替 船 を 検 討 し て い る 。1986年 に 建 造 さ れ た 小 型 給 油 タ ン カ ー も 寿 命 の 終 末 に 近 づ き つ つ あ り 、5 年 な い し 10 年 後 に は 、取 替 え の 候 補 に な る 可 能 性 が あ る 。

1 1 1 1 1 1

3 3

Pre-1970 1970

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2005 2006

2007 Libyan Registry

Open Registry

出 典 :Lloyd’s Register

図 2-1 リ ビ ア の タ ン カ ー の 船 齢 プ ロ フ ィ ー ル

リ ビ ア 国 に 直 接 登 録 さ れ て い る 船 舶 の 他 、 リ ビ ア の 船 主 は 、 リ ビ ア 国 へ の 登 録 の リ ス ク を 回 避 し フ ァ イ ナ ン ス を 得 易 や す く す る 目 的 で 、 若 干 の 便 宜 置 籍 船 タ ン カ ー を 所 有 し て い る 。GNMTC は 、マ ル タ 国 籍 の 6 隻 の タ ン カ ー を 運 航 し て い る 。こ れ ら の う ち 5隻 は 、2002年 以 後 に 建 造 さ れ た ア フ ラ マ ッ ク ス・サ イ ズ の 原 油 運 搬 船 で あ る 。6 番 目 の も の は 、2004年 に 建 造 さ れ た プ ロ ダ ク ト タ ン カ ー で あ る 。こ れ ら の 便 宜 置 籍 の タ ン カ ー は 、 船 齢 か ら 見 て 、 い ず れ も 今 後 5年 な い し 10 年 間 は 、 引 き 続 き 利 用 さ れ る は ず で あ る 。

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( 2 ) 一 般 貨 物 船

リ ビ ア 国 籍 で 登 録 さ れ た 一 般 貨 物 船 が 12 隻 あ る 。 こ れ ら の 全 て が 小 型 船 で あ り 、 船 齢 は 20 年 を 超 え て い る 。半 数 以 上 は 、1970年 代 か ら の も の で あ り 、1 隻 は 、1940年 代 か ら の も の で あ る 。 当 該 一 般 貨 物 船 の う ち の 数 隻 は 、 売 却 さ れ た と 報 告 さ れ て い る が 、 新 船 主 は 不 明 で あ る 。GNMTCは 、12 隻 の 一 般 貨 物 船 の う ち の 3 隻 を 所 有 し て い る 。当 該 一 般 貨 物 船 の 残 り は 、 雑 多 な 小 規 模 会 社 が 所 有 し て い る 。 現 時 点 で は 、 運 航 業 者 に 代 替 建 造 の 計 画 は な い 。 し か し 、 将 来 の 貿 易 増 に 対 処 す る た め に 、 こ れ ら の 船 舶 の う ち の 少 な く と も 数 隻 を 多 目 的 貨 物 船 と 取 替 え る 必 要 性 が 出 て く る 可 能 性 が あ る 。

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2007

出 典 :Lloyd’s Register 図 2-2 リ ビ ア の 一 般 貨 物 船 の 船 齢

民 間 の Mariner社1 は 、昨 年 ま で キ プ ロ ス に 登 録 さ れ た 小 型 多 目 的 貨 物 船 を 運 航 し て い た 。 こ の 船 齢 15 年 の 3,972 総 ト ン の 貨 物 船 は 、2006 年 後 半 に イ ン ド の 会 社 に 売 却 さ れ 、 今 は 、 イ ン ド 国 籍 で 登 録 さ れ て い る 。 経 営 陣 に よ る と 、T.A.マ リ ナ ー は 、 そ の 活 動 の 重 点 を タ ン カ ー 輸 送 並 び に 沖 合 石 油 及 び ガ ス ・ セ ク タ ー 用 の 船 舶 に 変 更 し た と の こ と で あ る 。 同 社 は 、 最 近 、 沖 合 タ グ ・ サ プ ラ イ 船 の 契 約 を 締 結 し て い る 。 ま た 、30,000

~35,000載 荷 重 量 ト ン の プ ロ ダ ク ト タ ン カ ー を 購 入 す る 計 画 が あ る 。

( 3 ) タ グ ボ ー ト 等

43 隻 の リ ビ ア 船 籍 の タ グ ボ ー ト が 特 定 で き た 。こ れ ら の う ち の 半 分 以 上 は 、政 府 に よ っ て 所 有 さ れ て お り 、 港 湾 で の 船 舶 支 援 の た め に 利 用 さ れ て い る 。 こ の ほ か に 、 牽 引 ・ 海 運 サ ー ビ ス 総 合 会 社 (General Company for Towing and Marine Services) と い う 政 府 所 有 会 社 は 、 船 舶 支 援 の た め の タ グ ボ ー ト を 6 隻 所 有 し て い る 。 残 り は 、 ほ と ん ど 、 NOC (National Oil Corporation) に よ っ て 所 有 さ れ 、運 航 さ れ て い て 、船 舶 支 援 の た め に 使 用 さ れ て い る 。

1 昨 年 度 調 査 レ ポ ー ト「 リ ビ ア 造 船 需 要 調 査 」(2007 年 3 月( 社 )日 本 中 小 型 造 船 工 業 会 )2-1 (2) 参 照

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出 典 :Lloyd’s Register 図 2-3 リ ビ ア の タ グ ボ ー ト の 船 齢

タ グ ボ ー ト の 船 隊 は 、 比 較 的 古 く 、 深 刻 な 取 替 え 問 題 が あ る 。 タ グ ボ ー ト の 更 新 計 画 は 、 老 朽 化 機 材 を 取 替 え る 現 実 の 必 要 性 か ら 遅 れ を と っ て し ま っ て い る よ う で あ る 。 タ グ ボ ー ト の 全 船 隊 の う ち 、23 隻 の タ グ ボ ー ト は 船 齢 20 年 を 超 え て お り 、8 隻 は 、 船 齢 30 年 以 上 で あ る 。 こ れ ら の 高 船 齢 タ グ ボ ー ト の 多 く は 、 今 後 5 年 な い し 10 年 の う ち に 代 替 の 必 要 が あ る と 思 わ れ る 。2000 年 以 後 、5 隻 の タ グ ボ ー ト し か 取 得 し て い な く 、2 隻 の タ グ ボ ー ト は 、2007年 に 納 入 す る よ う に 発 注 済 み で あ る 。こ れ ら の 新 し い タ グ ボ ー ト は す べ て 、ダ ー メ ン・ゴ ー リ ン ヒ ェ ム (Damen Gorinchem) に よ っ て 建 造 さ れ て い る 。 既 存 の タ グ ボ ー ト 船 隊 の 船 齢 を 考 慮 す れ ば 、 ま た 、 こ の 国 が 国 際 貿 易 の 促 進 を 図 る に あ た っ て 海 上 運 送 需 要 が 増 加 す る こ と に 対 処 す る 必 要 性 を 考 慮 す れ ば 、 も っ と 速 い ペ ー ス で の 代 替 が 必 要 と な ろ う 。

( 4 ) 漁 船

60 隻 を 超 え る 漁 船 が リ ビ ア 国 籍 で 登 録 さ れ て い る 。少 な く と も 3分 の 2 は 、リ ビ ア 水 域 で 漁 業 に 使 用 さ れ る マ グ ロ・ト ロ ー ル 船 で あ る 。こ れ ら の 船 の 長 さ は 、25 メ ー ト ル か ら 60 メ ー ト ル に わ た っ て い る 。漁 船 の 約 半 分 は 、1990年 ~1992年 の 期 間 内 に 建 造 さ れ た 。残 り は 、す べ て 、船 齢 が 25 年 を 超 え て い る 。1992 年 以 後 リ ビ ア 国 籍 の 漁 船 は 1隻 も 建 造 さ れ て い な い 。

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出 典 :Lloyd’s Register 図 2-4 リ ビ ア の 漁 船 の 船 齢 プ ロ フ ィ ー ル

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近 い 将 来 に リ ビ ア の 新 し い マ グ ロ ・ ト ロ ー ル 船 が 建 造 さ れ る か ど う か は 、 不 確 か で あ る 。 な ぜ な ら ば 、 現 在 、 地 中 海 の マ グ ロ 漁 獲 量 は 、 大 西 洋 マ グ ロ 保 護 国 際 委 員 会 が 設 定 し た 割 当 量 を 超 過 し て い る か ら で あ る 。 欧 州 連 合 は 、 今 年 、 ク ロ マ グ ロ の 漁 獲 割 当 量 を 10 パ ー セ ン ト 引 き 下 げ る 計 画 を 検 討 中 で あ り 、 環 境 保 護 団 体 は 、 当 該 業 界 の 職 業 的 生 き 残 り を 確 保 す る た め に 、 割 当 量 を 半 分 に 引 き 下 げ る よ う ロ ビ ー 活 動 を 行 っ て い る 。

( 5 ) そ の 他 の 船 舶

更 に 約 30 隻 の そ の 他 の 船 舶 が リ ビ ア 船 籍 に 登 録 さ れ て い る 。 こ れ ら の 雑 船 舶 に は 、 浚 渫 (し ゅ ん せ つ) 船 6 隻 、 水 タ ン カ ー8 隻 、 起 重 機 船 、 水 先 案 内 船 等 が 含 ま れ る 。 こ れ ら の 船 舶 の 約 半 数 は 、船 齢 30 年 以 上 で あ る 。過 去 3 年 以 内 に 建 造 さ れ た も の と し て 、 イ タ リ ア の ク レ モ ナ (Cremona) 造 船 所 で 建 造 さ れ た 83 メ ー ト ル の ホ ッ パ ー 付 き 浚 渫 船 1 隻 及 び ダ ー メ ン ・ ゴ ー リ ン ヒ ェ ム (Damen Gorinchem) に よ っ て 建 造 さ れ た 15 メ ー ト ル の 水 先 案 内 船 2 隻 が あ る 。

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1995 1996

1997 1998

1999 2000

2001 2002

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2007

出 典 :Lloyd’s Register

図 2-5 リ ビ ア の そ の 他 船 舶 の 船 齢 プ ロ フ ィ ー ル

こ の グ ル ー ブ の 船 舶 の 船 齢 を 考 慮 す る と 、 今 後 5 年 な い し 10 年 の 間 に 若 干 の 代 替 需 要 が 発 生 し そ う で あ る 。 特 に 、 浚 渫 船 の 既 存 船 の 一 部 は 老 朽 化 し て い る 。 浚 渫 船 の う ち の 1 隻 は 1968年 か ら の も の で あ り 、2 隻 は 1984年 か ら の も の で あ り 、こ れ ら の 船 舶 の 代 替 需 要 は 明 ら か で あ る 。

2.2 追 加 の 船 舶 の 需 要

リ ビ ア の 石 油 及 び ガ ス ・ セ ク タ ー 、 リ ビ ア の 経 済 成 長 並 び に そ れ に 伴 う 輸 入 額 / 輸 出 額 の 伸 び に よ っ て 、 追 加 の 船 積 み 能 力 の 必 要 性 が 高 ま る 。

( 1 ) 石 油 及 び ガ ス ・ セ ク タ ー

NOCの 会 長 の 言 に よ れ ば 、「 リ ビ ア は 、世 界 中 で 最 も 重 要 な 石 油 及 び ガ ス 生 産 国 の 一 に な る は ず で あ る 。」NOC は 、415 億 バ レ ル の 確 認 石 油 埋 蔵 量 が あ る も の と 推 定 し て い る 。こ れ は 、世 界 の 確 認 石 油 埋 蔵 量 の 3.4パ ー セ ン ト で あ る 。こ の 石 油 埋 蔵 量 は 、ア フ

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リ カ で 最 大 の 石 油 埋 蔵 ベ ー ス で あ る 。 リ ビ ア は 、 石 油 の 生 産 量 を 2008 年 10 月 ま で に 現 在 の 1.6 百 万 バ レ ル / 日 の レ ベ ル か ら 2.0 百 万 バ レ ル / 日 ま で 増 や し 、 更 に 2015 年 ま で に 3.0 百 万 バ レ ル / 日 ま で 増 や す こ と を 計 画 し て い る 。 こ の 生 産 量 増 加 を 達 成 す る た め に 、 約 300 億 ド ル の 資 本 支 出 を 計 画 し て い る 。

NOCは 、将 来 の 石 油 生 産 量 増 大 に 対 応 す る た め に 国 内 の タ ン カ ー の 総 ト ン 数 を 増 や す こ と に 関 し て ま だ 正 式 計 画 は 有 し て い な い 。NOC は 、石 油 生 産 そ の も の に 関 し 急 速 な 変 化 の 途 上 に あ り 、 海 上 輸 送 を 含 む 物 流 に 関 す る 戦 略 は 、 石 油 生 産 の 上 流 へ の 投 資 に 係 る 戦 略 に 比 べ て 優 先 度 が 低 い も の と 考 え ら れ る 。 経 営 陣 は 、 国 際 石 油 会 社 を 引 き つ け て リ ビ ア の 油 田 の 探 査 及 び 開 発 に 投 資 さ せ る こ と に 重 点 を 置 い て き た 。NOC は 、そ の 生 産 目 標 を 達 成 す る た め に 、 毎 年 50 ヶ 所 の 探 査 油 井 を 掘 削 す る と い う 目 標 を 持 っ て い る 。 国 際 石 油 会 社 を 引 き つ け て こ の 目 標 を 達 成 す る と い う こ と が 、 現 在 の NOC の 経 営 陣 の 関 心 の 中 心 で あ る 。

し か し 、NOC と し て は 、NOC 又 は GNMTCの 内 部 に あ っ て 貿 易 活 動 に 利 用 す る た め の あ る 程 度 の 輸 送 能 力 を 自 前 で 確 保 し た い と の 考 え を 持 っ て い る よ う で あ る 。NOC と の 相 次 ぐ チ ャ ー タ ー 契 約 を バ ッ ク に GNMTC が 2006 年 に ア フ ラ マ ッ ク ス ・ タ ン カ ー を 3 隻 購 入 し 、更 に 最 近 2隻 の ア フ ラ マ ッ ク ス・タ ン カ ー と 2 隻 の プ ロ ダ ク ト タ ン カ ー を 購 入 し た こ と に こ れ が 示 さ れ て い る 。こ の 3 隻 購 入 一 括 取 引 の た め の 借 入 契 約 の 際 に 、消 息 筋 の 次 の 言 を 引 用 し た 報 告 が あ る 。「 こ の 取 引 は 、ア フ ラ マ ッ ク ス・サ イ ズ 以 上 の そ の 他 の 船 舶 及 び 若 干 の 小 型 の 船 舶 に 係 る さ ら に 大 き な 中 期 計 画 に お け る 第 1 段 階 で あ る と み な す べ き で あ る 。」

NOCは 、そ の 将 来 の 船 舶 需 要 を 明 確 に し て い な い が 、最 も 大 き く 見 積 も る と 、こ の 会 社 は 、 今 後 5 年 な い し 10 年 の 間 に 12 隻 以 下 の 追 加 の ア フ ラ マ ッ ク ス ・ タ ン カ ー 及 び 10 隻 の VLCCを 必 要 と す る で あ ろ う と 見 ら れ る 。し か し 、 こ れ ら の 数 字 は 、NOC の 所 有 船 舶 総 ト ン 数 (GNMTC に 所 有 さ せ る 場 合 を 含 む ) 対 チ ャ ー タ ー 船 舶 総 ト ン 数 の 将 来 の 混 合 比 に 全 面 的 に 左 右 さ れ る 。

仮 に 、 取 引 は 、 主 と し て 、 欧 州 又 は 北 米 に 対 す る FOBで あ っ て 、NOC が 輸 送 の 決 定 を 下 し 、 全 輸 送 量 の 半 分 を 自 社 ( 又 は GNMTC) 所 有 タ ン カ ー で 輸 送 、 残 り を チ ャ ー タ ー ・ タ ン カ ー で 送 る と い う 方 針 を と る と し た 場 合 、NOC は 、 今 後 10 年 に わ た っ て 、 原 油 タ ン カ ー の 大 口 の 潜 在 的 顧 客 で あ る 可 能 性 が あ る 。 し か し 、 上 述 の 仮 定 に 変 化 が あ る と 、 追 加 の 所 要 の 原 油 タ ン カ ー の 隻 数 が 変 化 す る 。

上 述 の よ う に 、GNMTC は 、 最 近 、NOC へ の チ ャ ー タ ー 用 に ア フ ラ マ ッ ク ス ・ タ ン カ ー 、プ ロ ダ ク ト タ ン カ ー を 続 け て 購 入 し て い る が 、こ れ は 、NOC の 輸 送 の た め の 国 内 船 舶 総 ト ン 数 を 増 加 さ せ る た め の よ り 長 期 的 戦 略 の 始 ま り で あ る 可 能 性 が あ る 。 ト リ ポ リ の HB グ ル ー ブ の 最 高 経 営 責 任 者 (且 つ GNMTC が 民 営 化 さ れ る 前 の GMTC の 前 オ

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ー ナ ー) で あ る フ ス ニ ・ ベ イ(Husni Bey) 氏2は 次 の よ う に コ メ ン ト し て い る 。

「GNMTCが そ の 船 隊 を 拡 張 す る つ も り で あ る と 聞 い て い る が 、 ど の よ う に し て 、 ど の 規 模 ま で 、 と い う こ と は 、 現 時 点 に お い て は 答 え に く い 。GNMTC は 、 タ ン カ ー を 更 に 3 隻 購 入 し た こ と に よ っ て 、現 在 そ の 船 隊 を 増 大 し 、新 規 に 市 場 に 再 参 入 し て 以 来 合 計 6 隻 を 所 有 し て い る 。」

こ の 国 で は ま た 、そ の 精 製 能 力 を 増 大 さ せ よ う と し て い る 。NOC は 、今 後 5 年 又 は 8 年 の 間 に そ の 精 製 及 び 石 油 化 学 能 力 を 更 に 発 展 さ せ る た め に 、35 億 ド ル を 割 り 当 て た 。 ま た 、 我 が 国 企 業 連 合 の 製 油 所 建 設 計 画 も 報 道 さ れ て い る3

精 製 産 出 物 の ほ と ん ど は 、 現 地 市 場 で 利 用 さ れ る が 、 若 干 の 石 油 製 品 及 び 化 学 薬 品 は 輸 出 さ れ る 。こ れ ら の 輸 出 品 に よ っ て 、25,000~40,000載 荷 重 量 ト ン 範 囲 の 追 加 の プ ロ ダ ク ト タ ン カ ー1 隻 又 は 2 隻 の 必 要 性 が 発 生 す る 推 定 さ れ る 。 こ の 必 要 性 に 対 し て 、 す で に 関 心 が 持 た れ て い る 。前 述 の よ う に 、Mariner社 は 、30,000~35,000 載 荷 重 量 ト ン の 製 品 タ ン カ ー を 取 得 す る こ と に 関 心 を 持 っ て い る 。

リ ビ ア に は ま た 、大 量 の ガ ス 埋 蔵 量 が あ り 、確 認 埋 蔵 量 は 現 在 BPに よ っ て 46.5 兆 立 方 フ ィ ー ト と 推 定 さ れ て い る 。NOC は 、70~120兆 立 方 フ ィ ー ト と い う も っ と 高 い 数 字 を 推 定 し た 。 重 要 な こ と で あ る が 、 こ の ガ ス 埋 蔵 量 は 、 欧 州 連 合 の 消 費 市 場 に 近 い こ と か ら 、 輸 送 コ ス ト の 観 点 か ら 開 発 対 象 と し て 特 に 魅 力 的 な も と な っ て い る 。 探 査 契 約 及 び ガ ス 田 で の 生 産 共 有 の た め に 2007 年 8 月 に ロ ン ド ン で 行 わ れ た 競 り 取 引 の 第 4 ラ ウ ン ド に 28 ヶ 国 か ら の 67 社 が 出 席 し て い た こ と に よ っ て 、こ の 埋 蔵 物 の 魅 力 が 示 さ れ て い る 。

ス テ ー ト イ ル (Statoil) 及 び ガ ズ ・ ド ・ フ ラ ン ス(Gaz de France) か ら リ ビ ア の 将 来 の ガ ス 生 産 に つ い て ヒ ア リ ン グ し た と こ ろ に よ れ ば 、両 者 と も 、LNG の 輸 出 の か な り の 潜 在 的 な 成 長 能 力 を 認 め て い る 。 ス テ ー ト イ ル に よ る と 、 ブ レ ガ (Brega) LNG プ ラ ン ト を 元 の 3.2 百 万 メ ー ト ル ・ ト ン ( 年 間 ) に 戻 す た め に 進 行 中 の 改 修 工 事 を 完 了 す る こ と の 他 に 、3 つ の 新 し い LNG プ ラ ン ト を 建 設 す る と い う 計 画 を 有 し て い る 。し か し 、あ わ せ て 次 の こ と を 指 摘 し た 。 「 リ ビ ア で は チ ャ ン ス の 窓 口 は 民 間 セ ク タ ー に 開 放 さ れ た も の の 、 こ の 国 で 実 際 に 事 業 を 行 う た め に ク リ ア ー し な け れ ば な ら な い 複 雑 性 へ の 対 処 は 極 め て 困 難 で あ り 、 こ の 点 を も っ て 、 リ ビ ア は 未 だ 高 リ ス ク の 国 で あ る と 言 わ ざ る を 得 な い 。」

ガ ス の 輸 出 は 、イ タ リ ア へ は パ イ プ ラ イ ン( グ リ ー ン ス ト リ ー ム・パ イ プ ラ イ ン4)で 行 わ れ 、 欧 州 及 び そ の 他 の 市 場 へ は LNG 運 搬 船 で 行 わ れ る 。 前 回 の 報 告 書 で は 、 ブ レ ガ ・ プ ラ ン ト の ア ッ プ グ レ ー ド に 対 応 す る た め に 標 準 サ イ ズ の LNG 運 搬 船 4 隻 の 必 要 性 を 推 定 し た 。 ス テ ー ト イ ル が 計 画 し て い る 追 加 の LNG プ ラ ン ト が 実 際 に 建 設 さ れ た 場 合 に は 、 こ の 数 字 は 3 倍 と な る 可 能 性 が あ る 。

2 2006 年 9 月 開 催 の 「 リ ビ ア - 日 本 ・ 造 船 交 流 会 議 」 に も 出 席 。 別 添 コ ン タ ク ト 先 リ ス ト 参 照

3 2007 年 12月 14日 付 日 本 経 済 新 聞 の ト ッ プ 記 事

4 シ シ リ ア 島 ま で の 520k m を 結 ぶ イ タ リ ア - リ ビ ア 間 の 海 底 パ イ プ ラ イ ン 。2004 年 開 通 。

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ガ ス・フ ロ ー か ら の LPG 及 び ナ フ サ 製 品 の 増 加 に 対 処 す る た め の LPG 運 搬 船 の 必 要 性 も 生 じ る で あ ろ う 。こ の 需 要 は 、沿 岸 貿 易 用 の 1隻 又 は 2隻 の タ ン カ ー 及 び ナ フ サ 輸 出 貿 易 用 の 2 隻 又 は 3 隻 の 手 ご ろ な サ イ ズ の タ ン カ ー 程 度 で あ ろ う と 推 定 さ れ る 。追 加 の LNG プ ラ ン ト が 建 設 さ れ た 場 合 は 、 こ の 種 タ ン カ ー の 需 要 は 、 か な り 増 え る こ と に な る で あ ろ う 。

最 終 的 に 、 石 油 及 び ガ ス ・ セ ク タ ー に よ っ て 、 沖 合 支 援 船 舶 、 海 上 建 設 機 器 、 及 び 海 上 保 管 及 び / 又 は 生 産 設 備 の 必 要 性 が 相 次 い で 発 生 す る で あ ろ う 。 し か し 、 こ れ ら 全 て で は な い に せ よ 、そ の 多 く に は 、他 国 企 業 の 参 入 が 見 込 ま れ る 。例 え ば 、ト タ ー ル (Total) は 、9 月 に 、 ブ ロ ッ ク 1375 で の 沖 合 掘 削 作 業 を 支 援 す る た め に 補 給 及 び 揚 び ょ う サ ー ビ ス を 提 供 す る 業 者 を 入 札 に 出 し た 。 要 件 と し て 要 求 さ れ た の は 、 出 力 が 15,000 馬 力 で ボ ラ ー ド 引 張 力 が 180メ ー ト ル・ト ン の 揚 び ょ う タ グ ボ ー ト 2 隻 で あ る 。請 負 業 者 候 補 の 国 籍 に は 制 約 は な か っ た 。し か し 、沖 合 支 援 機 器 の 所 有 権 及 び 操 作 は 、NOCの 要 求 一 つ で リ ビ ア 企 業 を 優 遇 す る こ と が 可 能 な 分 野 の 一 つ で あ る 。現 時 点 で は 、NOCが 現 地 の コ ン テ ン ト 要 件 を 課 そ う と し て い る 徴 候 は な い 。 そ し て 、 ス テ ー ト イ ル (Statoil) に よ れ ば 、「 機 器 を 沖 合 セ ク タ ー に 納 入 す る た め の 要 件 を 満 た す こ と の で き る 現 地 企 業 は 現 在 の と こ ろ 存 在 し な い 」 と の こ と で あ る 。Mariner社 は 、 こ の 分 野 に 進 出 す べ く 必 要 な オ フ シ ョ ア サ ポ ー ト 船 な ど の 調 達 を 希 望 し て い る が6、NOC が 同 社 を 積 極 的 に 育 成 す る 可 能 性 は あ る 。

( 2 ) 貨 物 船

前 述 の よ う に 、 リ ビ ア の 経 済 は 非 常 に 速 い ペ ー ス で 成 長 し て き た 。 や が て 、 輸 入 品 及 び 輸 出 品 を 処 理 す る た め の 追 加 の 船 舶 の 必 要 性 が 、こ の 成 長 に よ っ て 発 生 す る で あ ろ う 。 し か し 、 現 時 点 で は 、 ド ラ イ ・ カ ー ゴ 運 搬 へ の 参 入 に つ い て の 現 地 の 関 心 は 高 く な い 。

現 在 リ ビ ア 船 籍 の 貨 物 船 は 、 非 常 に 少 数 で 、 こ の 分 野 で 積 極 的 に 発 展 を 追 及 し て き て い る 現 地 会 社 は な い 。Mariner 社 も 前 述 の よ う に 所 有 し て い た 一 般 貨 物 船 を イ ン ド に 売 却 し こ の 分 野 を 優 先 し て い な い 。

大 き な 要 因 と し て 、 地 中 海 に お け る コ ン テ ナ ・ フ ィ ー ダ ー と RO/RO 船 運 航 者 の 間 で 作 ら れ た 既 存 の ネ ッ ト ワ ー ク が 上 げ ら れ る 。 最 近 、 グ リ マ ル デ ィ (Grimaldi: イ タ リ ア 海 運) は 、RO/RO サ ー ビ ス を 提 供 す る た め に 、 リ ビ ア の 港 に 寄 港 を 始 め て い る 。 ま た 、 マ ル タ 及 び 地 中 海 の そ の 他 の 港 か ら 運 航 す る フ ィ ー ダ ー 船 も リ ビ ア の 港 に 寄 港 し て い る 。 こ れ ら の 既 参 入 者 と 競 争 し て リ ビ ア の 船 主 が RO/RO 船 又 は フ ィ ー ダ ー 船 を 経 済 的 に 運 航 し 得 る と は 考 え が た い 。 要 す る に 、 貨 物 船 の 分 野 に お い て は 、 リ ビ ア に は 需 要 は 生 ま れ 難 い と 予 想 さ れ る 。

5 東 部 沖 合 い に あ る 油 田 Al Jurfの 別 称

6 「 リ ビ ア 造 船 需 要 調 査 」(2007 年 3月 ( 社 ) 日 本 中 小 型 造 船 工 業 会 )2-1 (2)参 照

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( 3 ) 港 湾 作 業 船

貿 易 が 増 加 す る と 、 船 舶 入 港 の 件 数 が 増 え 、 交 通 の 増 加 に 対 応 す る た め の 船 舶 支 援 タ グ ボ ー ト の 必 要 性 が 発 生 す る 。 多 分 、 現 在 の 在 庫 品 で あ る 高 船 齢 低 出 力 の タ グ ボ ー ト の 多 く に 取 っ て 代 わ る Z ド ラ イ ブ 付 の ボ ラ ー ド 引 張 力 の よ り 高 い タ グ ボ ー ト の 必 要 性 が 発 生 す る で あ ろ う 。

2.3 需 要 予 測 の ま と め

リ ビ ア の 将 来 の 石 油 及 び ガ ス 輸 出 に 対 応 す る た め の 追 加 の タ ン カ ー の 必 要 性 が か な り あ る よ う に 思 わ れ る 。 今 後 5 年 な い し 10 年 の 間 に 、12 隻 以 下 の ア フ ラ マ ッ ク ス ・ タ ン カ ー 、10 隻 の VLCC、1 隻 又 は 2 隻 の 製 品 タ ン カ ー 、4隻 (多 分 こ の 隻 数 の 数 倍) の LNG 運 搬 船 、1 隻 又 は 2隻 の 沿 岸 タ ン カ ー 、 及 び 2 隻 又 は 3隻 の ナ フ サ ・ タ ン カ ー の 必 要 性 の 可 能 性 が あ る と 推 定 で き る 。 数 隻 の タ ン カ ー の 代 替 の 必 要 性 も 予 想 さ れ る 。

残 念 な が ら 将 来 の 船 舶 の 調 達 に つ い て 確 定 的 な 計 画 を 握 っ て い る 人 物 、 機 関 は リ ビ ア に は 存 在 し な い 。NOCは GNMTCに 自 社 船 隊 を 拡 充 さ せ る な ど の 動 き を 見 せ て い る が 、 今 だ 諸 会 社 を 引 き つ け て 上 流 の 探 査 及 び 生 産 活 動 に 投 資 さ せ る こ と に 余 念 が な く 、 海 運 は 後 回 し の 感 が あ る 。 リ ビ ア に 船 隊 拡 充 の 動 き が 出 て き た も の の 、 ど こ ま で ど の 程 度 の 計 画 な の か 、NOC が 海 上 運 送 に 係 る 方 針 を 明 確 に 定 め る ま で は 、不 透 明 な 状 態 の ま ま で あ る 。

老 朽 化 タ グ ボ ー ト の 代 替 の 必 要 性 も 増 大 し て い る よ う に 思 わ れ る 。2007年 納 入 を 目 処 に タ グ ボ ー ト 4 隻 が 最 近 発 注 さ れ た こ と に よ っ て 、 こ の こ と が 示 さ れ て い る 。 過 去 15 年 の 間 、毎 年 平 均 1隻 未 満 の 港 湾 タ グ ボ ー ト が 取 得 さ れ た 。す べ て Z ド ラ イ ブ 推 進 機 能 付 の 高 出 力 タ グ ボ ー ト が 毎 年 2 隻 ~6 隻 の ペ ー ス で 発 注 さ れ る こ と の で は な い か と 予 想 さ れ る 。

3. 船 舶 向 け 融 資

リ ビ ア で は 、 限 ら れ た 状 況 下 で は あ る が 、 船 舶 購 入 の た め の 融 資 は 利 用 可 能 で あ る 。 2006年 3月 に 、リ ヨ ン・イ ン ド ス エ ズ 銀 行 (Crédit Lyonnais Indosuez:本 社 フ ラ ン ス) の 子 会 社 で あ る キ ャ リ オ ン 銀 行 (Calyon Bank) は 、GNMTC の ア フ ラ マ ッ ク ス ・ タ ン カ ー3 隻 の 購 入 に 対 し て 融 資 を 行 っ た 。こ の 取 引 は 、NOC と の チ ャ ー タ ー 契 約 を 担 保 と し た 総 額 約 2億 ド ル の も の で あ っ た 。NOC の 財 務 力 を 考 慮 す れ ば 、 そ の 長 期 チ ャ ー タ ー に よ っ て 民 間 銀 行 か ら 融 資 を 引 き 出 す こ と は こ の 例 の よ う に GMNTC 又 は リ ビ ア の そ の 他 の 会 社 に と っ て 可 能 で あ る と 考 え ら れ る 。

し か し 、新 品 又 は 中 古 の 船 舶 の 購 入 を 望 む リ ビ ア の 民 間 船 主 が 、NOC に よ る バ ッ ク ア ッ プ を 得 ず に 商 業 銀 行 か ら 融 資 を 受 け る の は 非 常 に 困 難 で あ る 。 リ ビ ア の 船 舶 セ ク タ ー で 長 期 間 積 極 的 に 活 動 し て き て い る 会 社 で あ る HBグ ル ー ブ の 会 長 フ ス ニ・ベ イ(Husni Bey) 氏(2.2(1)参 照 )に よ る と 、以 下 の よ う に 民 間 セ ク タ ー で の 融 資 の 利 用 可 能 性 が リ

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ビ ア で の 主 要 関 心 事 で あ る と の こ と で あ る 。

「 現 段 階 で の 私 た ち の 最 大 の 関 心 は 融 資 で す 。 リ ビ ア の 問 題 は 、 国 民 の 手 に 十 分 な 資 本 が な い と い う こ と で す 。 国 民 が 貧 乏 な 状 態 で 政 府 は 裕 福 で あ る と 、 こ の 状 況 を 記 述 す る 人 も い る で し ょ う 。 資 金 の 元 は 銀 行 の よ う な 金 融 機 関 に 握 ら れ て い ま す が 、 金 融 機 関 は 民 間 セ ク タ ー を 支 援 す る と い う 役 割 を 果 た し て は お り ま せ ん 。 自 己 資 金 だ け が 頼 り と い う こ と で す 。 融 資 を 受 け る こ と は 非 常 に 困 難 で す 。 リ ビ ア の 経 済 と 現 地 の 企 業 家 が 同 じ 方 向 に 前 進 す る た め に は 、 銀 行 が 同 じ 方 向 に 動 か な く て は な り ま せ ん が 、 す み や か に は 、 そ う な ら な い で し ょ う 。 な ぜ な ら ば 、 銀 行 の 経 営 者 が 引 受 け る リ ス ク は 、 こ れ ら の 機 関 か ら 取 得 す る 報 酬 に 見 合 っ て い な い か ら で す 。」

ユ ニ バ ー サ ル 海 運 会 社 (Universal Shipping Company) の 会 長 は 、船 舶 の 購 入 に ど の よ う に 資 金 調 達 を す る の か と の 新 聞 記 者 の 質 問 に 対 し 、 政 府 に 融 資 援 助 を 期 待 す る 必 要 が あ ろ う と 述 べ て い る 。 同 社 が 中 古 船 舶 の 購 入 に 関 す る 意 見 書 を 政 府 に 提 出 し た 、 遅 か れ 早 か れ 公 的 フ ァ ン ド が 利 用 可 能 に な る で あ ろ う と 語 っ て い る 。同 会 長 は 、会 社 の 発 展・

拡 張 の た め に 、 外 国 の 投 資 者 を 捜 し て い る と い う こ と も 述 べ た が 、 商 業 銀 行 が 船 舶 融 資 を 引 き 受 け る 可 能 性 に 関 し て は 触 れ な か っ た 。

船 舶 融 資 の た め の 新 し い 融 資 ル ー ト を 開 く 可 能 性 の あ る 最 近 の 画 期 的 な 進 展 は 、BNP パ リ バ ( BNP Paribas、 本 社 フ ラ ン ス) が リ ビ ア の 銀 行 業 セ ク タ ー に 参 入 し た と い う こ と で あ る 。2007 年 8 月 に 、BNP パ リ バ は 、51 パ ー セ ン ト ま で の オ プ シ ョ ン 付 き で サ ハ ラ ・ バ ン ク (Sahara Bank) の 株 式 19 パ ー セ ン ト を 取 得 し 、 リ ビ ア で 全 面 的 な 銀 行 サ ー ビ ス を 展 開 す る 最 初 の 外 国 銀 行 と な っ た 。 こ の 取 引 は 、 リ ビ ア の 銀 行 業 セ ク タ ー を 再 編 成 し よ う と す る 政 府 主 導 の 行 為 の 一 環 で 行 わ れ た 。 銀 行 業 務 の 規 制 の 自 由 化 、 支 払 い 制 度 の 近 代 化 、及 び 商 業 興 信 所 の 創 設 が 、更 に 計 画 さ れ て い る 。こ れ ら の 計 画 は 、「 リ ビ ア の 金 融 セ ク タ ー の 急 速 な 発 展 に 拍 車 を か け 、 こ れ を 近 隣 諸 国 の 銀 行 制 度 の レ ベ ル に す る こ と 」 を 意 図 し て い る 。

も う 1 件 の ブ レ ー ク ス ル ー の 可 能 性 は 、 世 界 銀 行 の 従 属 機 関 で あ る IFC (International Finance Corporation:国 際 金 融 公 社) に よ る 財 政 援 助 の 利 用 可 能 性 に あ る 。世 界 銀 行 の 貸 付 窓 口 は 再 び リ ビ ア に 対 し て 開 か れ 、2007 年 7 月 に 政 府 は 、リ ビ ア の 改 革 過 程 を 促 進 す る た め の 支 援 を 受 け る た め に 、同 銀 行 と の 100 万 ド ル の 技 術 協 力 協 定 に 署 名 し た 。IFC は 、民 間 会 社 に 積 極 的 に 融 資 し 、ベ ン チ ャ ー 企 業 に 対 す る 支 援 も 請 け 負 う 。 船 舶 、 特 に 比 較 的 小 型 船 舶 の 取 得 に 係 る プ ロ ジ ェ ク ト が 、 そ の ポ ー ト フ ォ リ オ に 含 ま れ る 。IFCは 、 リ ビ ア の 民 間 の 海 運 会 社 に 対 す る 融 資 機 関 の 代 表 的 な も の と な る 可 能 性 が あ る 。

昨 年 度 の 調 査 レ ポ ー ト で 報 告 し た よ う に7、リ ビ ア で 営 業 し て い る そ の 他 の 銀 行 と し て は 、 ア ラ ブ 銀 行 (Arab Banking Corporation)、 ア ー メ ン 銀 行 (Amen Bank)、 イ ス ラ ム 銀 行(Islamic Banking Corporation)、 及 び ア ラ ブ 石 油 投 資 銀 行 (Arab Petroleum

7 昨年度調査レポート「リビア造船需要調査」(2007年 3月(社)日本中小型造船工業会)5-4参照

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Investments Corporation [APICORP]) が あ る 。 こ れ ら の 銀 行 は 、 リ ビ ア に お け る プ ロ ジ ェ ク ト に 融 資 を 行 っ て い る が 、 い ず れ も 船 舶 購 入 に 対 す る 融 資 を 行 っ た と い う 情 報 は な い 。

リ ビ ア 中 央 銀 行 (The Central Bank of Libya) は 、 国 立 事 業 体 及 び 公 立 事 業 体 に 対 す る 銀 行 機 関 及 び 財 務 代 理 機 関 と し て の 役 目 を 果 た し て い る 。 ま た 、6 行 の 国 有 商 業 銀 行 と 48 行 の 国 立 銀 行 も あ る 。リ ビ ア・ア ラ ブ 外 国 銀 行 (Libyan Arab Foreign Bank) は 、 国 有 商 業 銀 行 の 中 で 最 大 の も の で あ り 、30 ヶ 国 を 上 回 る 国 に 子 会 社 や 関 連 会 社 を 持 っ て い る 。 そ の 他 の 銀 行 と し て は 、 ジ ュ ム フ リ ヤ 銀 行 (Jumhuriyya Bank)、 国 立 商 業 銀 行 (The National Commercial Bank)、 ウ ン マ 銀 行 (Umma Bank)、 及 び ワ ー ダ (Wahda Bank) が あ る 。こ れ ら の 銀 行 の い ず れ に 関 し て も リ ビ ア の 船 主 に 対 し て 大 規 模 融 資 を 行 っ た と い う 情 報 は な い 。

船 舶 購 入 向 け の 資 金 調 達 を 行 な う 能 力 は 、 リ ビ ア で 登 録 さ れ た 船 舶 に 抵 当 権 を 設 定 す る 海 外 の 貸 し 手 に と っ て 受 け 入 れ 可 能 な 法 的 ・ 制 度 的 枠 組 み の 欠 落 に よ っ て 影 響 を 受 け て い る 。 リ ビ ア で 登 録 さ れ た 船 舶 は 、 こ の よ う な 制 度 的 な 欠 陥 の た め 、 融 資 の 担 保 条 件 を 満 た さ な い と 思 わ れ る 。 こ の た め 、 民 間 海 運 会 社 は 、 リ ベ リ ア 、 マ ル タ 等 の オ ー プ ン レ ジ ス ト リ ー 制 度 の 国 に 船 籍 を 登 録 す る こ と が 必 要 に な る も の と 考 え ら れ る 。

事 実 、民 間 銀 行 の 融 資 を 受 け たGNMTCの 3隻 の タ ン カ ー も マ ル タ に 登 録 さ れ 、ま た 、 Mariner 社 の 船 舶 は 全 て サ イ プ ラ ス に 登 録 さ れ て い る 。 こ の 様 な 便 宜 置 籍 に よ り 、 船 舶 ビ ジ ネ ス に お い て は リ ビ ア の 制 度 等 に 起 因 す る カ ン ト リ ー リ ス ク は 回 避 で き る も の と 考 え ら れ る 。

最 近 の リ ビ ア の タ グ ボ ー ト 購 入 の 資 金 は 、 サ プ ラ イ ヤ ー 側 へ の 融 資 と い う 形 態 で あ っ た 可 能 性 も あ る 。 最 近 の タ グ ボ ー ト の す べ て を 供 給 し た 会 社 で あ る ダ ー メ ン (Damen) は 、 リ ビ ア 側 顧 客 に 対 し て 一 括 融 資 を オ フ ァ ー し 、 最 近 、4 隻 の タ グ ボ ー ト を 一 括 し て リ ビ ア に 供 給 し た 。そ の う ち 、3隻 は ミ ス ラ タ FTZ (Misurata Free Trade Zone) に 、1 隻 は リ ビ ア 政 府 社 会 主 義 港 湾 会 社 (Libya Government Socialist Ports Company) 向 け の も の で あ る 。 最 終 的 に サ プ ラ イ ヤ ー 側 の 融 資 が 実 際 に こ れ ら の タ グ ボ ー ト を 供 給 す る た め に 使 用 さ れ た の か ど う か 、又 は 現 金 取 引 で あ っ た の か ど う か な ど は 、不 明 確 で あ る 。 最 終 的 な 融 資 元 を 特 定 す る こ と が で き な か っ た 。

融 資 環 境 を 要 約 す る と 、NOC が 長 期 チ ャ ー タ ー に よ っ て 取 引 を 保 証 す る な ら ば 、少 な く と も 1 つ の 商 業 銀 行 を 介 し て 融 資 は 利 用 可 能 で あ る 。 し か し 、NOC に よ る 支 援 の な い 、 又 は 政 府 に よ る 保 証 の な い 、 民 間 セ ク タ ー の 小 規 模 会 社 に と っ て は 、 融 資 を 受 け る こ と は 困 難 な 状 態 の ま ま で あ る 。

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4. 政 府 の 政 策

リ ビ ア で は 、ム ア マ ル・カ ダ フ ィ 大 佐 の 下 で の 約 40年 が 経 過 し 、ま た 20 年 を 超 え る 国 連 及 び 米 国 の 制 裁 を 経 た 現 在 、 事 業 環 境 及 び 投 資 環 境 を 改 善 す る た め に 、 様 々 な 改 革 が 開 始 さ れ て い る 。

4.1 海 外 か ら の 投 資 の 促 進

海 外 投 資 促 進 法 (1997 年 法 律 第 5 号)8 は 、 経 済 の 多 様 化 、 リ ビ ア 国 民 の 技 術 訓 練 の 助 長 、 及 び 地 域 発 展 の 向 上 に 関 す る 政 府 政 策 の 基 盤 を 提 供 し て い る 。 こ の 法 律 は 、 よ り 低 額 の 税 金 及 び 通 関 手 数 料 を 適 格 会 社 に 課 す こ と に よ っ て 外 国 投 資 を 助 長 す る こ と を 意 図 し て い る 。 こ の 法 律 第 5 号 に 従 っ て 、 工 業 及 び 農 業 用 の 輸 入 機 械 装 置 、 工 具 、 及 び そ の 他 の 資 本 設 備 は 、 す べ て の 関 税 及 び 税 金 が 免 除 さ れ る 。 更 に 、 プ ロ ジ ェ ク ト の 実 施 に 必 要 な 機 器 、 予 備 部 品 及 び 原 材 料 は 、5 年 間 免 除 の 対 象 と な り 、 プ ロ ジ ェ ク ト 活 動 に 係 る 所 得 税 も 同 様 で あ る 。 こ れ ら の 報 奨 は 、 適 格 会 社 の み が 享 受 で き る 。

LFIB (Libyan Foreign Investment Board : リ ビ ア 海 外 投 資 審 議 会) は 、 法 律 第 5号 に 基 づ き 投 資 案 件 を 審 議 し 必 要 な 勧 告 等 を 行 う た め の 機 関 と し て 創 立 さ れ た 。LFIBは 、

「 税 金 、 入 国 、 及 び 労 働 に 関 す る 問 題 の 処 理 等 の 外 国 の 投 資 者 が 必 要 と す る サ ー ビ ス を 提 供 す る ワ ン ス ト ッ プ・シ ョ ッ プ 」の 役 割 を 果 た す よ う 構 築 さ れ て い る 。法 律 に よ っ て 、 LFIBは 、申 請 後 15 日 以 内 に 行 動 す る こ と が 要 求 さ れ て い る が 、実 際 に は 、こ の 期 限 は 順 守 さ れ な い こ と が あ る 。

4.2 リ ビ ア 船 舶 の 優 遇 政 策

明 記 さ れ た 政 府 の 政 策 は な い が 、NOC は 、明 ら か に リ ビ ア が 管 理 で き る タ ン カ ー を 利 用 す る こ と を 方 針 と し た も の と 見 ら れ る 。2006年 の ア フ ラ マ ッ ク ス タ ン カ ー3隻 の 購 入 、 2007 年 の 同 タ ン カ ー2 隻 追 加 購 入 及 び プ ロ ダ ク ト タ ン カ ー2 隻 の 購 入 ( い ず れ も GNMTC を 船 主・運 航 者 と し て 利 用 )に こ の 方 針 が 示 さ れ て い る 。NOC は 、商 業 戦 略 上 、 自 ら の コ ン ト ロ ー ル の 効 く 船 舶 へ の ア ク セ ス を 確 保 し て お く こ と が 有 益 で あ る と 判 断 し た 模 様 で あ る 。NOC は 、 こ れ ら の 船 舶 が 商 業 的 に 成 功 す る こ と を 確 実 に す る た め に 、 FOB 輸 送 に 関 し て は 、 直 接 的 に 又 は GNMTC を 介 し て 管 理 す る タ ン カ ー を 優 遇 し て い く で あ ろ う 。

GNMTC は 、 こ の よ う な NOC の バ ッ ク ア ッ プ を 受 け て 、 今 後 益 々 、 船 隊 を 拡 充 し て い く と 思 わ れ る 。2007年12月27日 か ら 、ハ ン ニ バ ル・カ ダ フ ィ 氏9が 、High Management Advisorと し て GNMTCの 経 営 に 加 わ っ た と 発 表 さ れ て お り 、政 府 と の 関 係 は 不 透 明 な が ら も 、こ れ ま で 以 上 に 政 府 の バ ッ ク ア ッ プ を 得 や す い 体 制 と な っ た こ と は 明 ら か で あ る 。

8 昨年度調査レポート「リビア造船需要調査」(2007年 3月(社)日本中小型造船工業会)5-1参照

9 カ ダ フ ィ 大 佐 の 四 男 。2007年 10月 、 コ ペ ン ハ ー ゲ ン の ビ ジ ネ ス ス ク ー ル に お い て 、 海 運 ・ ロ ジ ス テ ィ ッ ク ス の MBAを 取 得 し て い る 。

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NOC 及 び GNMTC の こ の よ う な 動 き 以 外 に は 、 政 府 の 政 策 が 見 て 取 れ る よ う な 動 き は な い 。

4.3 海 運 事 業 体 の 民 営 化

リ ビ ア 政 府 は 、 重 大 な 民 営 化 計 画 に 着 手 し た 。 こ の 計 画 は 、 国 有 会 社 の 完 全 又 は 部 分 的 所 有 者 に な る こ と に よ っ て 達 成 さ れ る も の で あ る 。 こ の 計 画 を 実 施 す る た め に 、 民 営 化 委 員 会 が 設 立 さ れ た 。2003年 以 後 に 40 社 を 超 え る 国 有 会 社 が 民 営 化 さ れ た 。最 も 新 し い 主 な 民 営 化 は 、 国 立 石 油 公 社 (National Oil Corporation) の 下 流 子 会 社 で あ る タ モ イ ル・ア ン ド・オ イ リ ン ベ ス ト (Tamoil and Oilinvest) の 部 分 的 売 却 で あ っ た 。2007 年 6 月 に 、NOC は 、こ れ ら の 子 会 社 の 65 パ ー セ ン ト 所 有 権 を 米 国 の 民 間 投 資 会 社 で あ る コ ロ ニ ー ・ キ ャ ピ タ ル (Colony Capital) に 売 却 す る こ と に 同 意 し た 。

し か し 、 こ れ ま で の と こ ろ 海 事 分 野 で は 民 営 化 は 進 ん で い な い 。 港 湾 セ ク タ ー に 海 外 の 港 湾 サ ー ビ ス 会 社 を 勧 誘 す る 計 画 が あ っ た が 、 現 在 ま で の と こ ろ 、 こ の 計 画 は 保 留 に な っ て い る 。 国 立 港 湾 庁 (National Ports Authority) を 再 編 成 す る 計 画 の 却 下 を 2005 年 に 全 国 人 民 委 員 会 (General People’s Committee) が 決 定 し た こ と が 影 響 し て い る 。 リ ビ ア 港 湾 の 改 善 の た め に は 、 海 外 の タ ー ミ ナ ル オ ペ レ ー タ ー の 力 が 不 可 欠 で あ ろ う と 考 え ら れ る 。

港 湾 セ ク タ ー で 活 動 的 な 数 社 の 会 社 か ら リ ビ ア の 港 湾 民 営 化 の 問 題 に つ い て ヒ ア リ ン グ を 行 っ た と こ ろ に よ れ ば 、 リ ビ ア の 港 湾 で の 営 業 権 又 は 経 営 契 約 を 取 得 す る こ と に つ い て 大 き な 関 心 は 有 す る も の の 、 リ ビ ア で 営 業 す る こ と の 複 雑 性 及 び 不 確 実 性 が 懸 念 事 項 と な っ て い る 。 契 約 を ま と め る た め に か な り の 時 間 及 び 努 力 を 注 ぎ 込 ん だ 後 で 、 最 終 段 階 で プ ロ ジ ェ ク ト が 撤 回 さ れ る 可 能 性 が あ る こ と が 、 最 大 の 懸 念 事 項 で あ っ た 。

最 終 的 に は 、 リ ビ ア の 港 湾 は 、 民 営 化 さ れ る で あ ろ う 。 リ ビ ア の 港 湾 は 、 非 常 に 非 効 率 的 で 同 国 の 輸 出 入 の 足 か せ に な っ て い る と 広 く 認 識 さ れ て い る 。 民 営 化 は 、 港 湾 の 効 率 及 び 作 業 を 改 善 す る た め に 有 効 な 手 段 で あ る と 一 般 に 認 識 さ れ て い る 。 リ ビ ア は 、 リ ビ ア の 港 湾 で の 作 業 を 改 善 す る た め に 民 間 セ ク タ ー の 活 用 が 不 可 欠 で あ る と 思 わ れ る 。

海 運 セ ク タ ー で は 、GNMTC は 元 々 民 営 化 の 対 象 に は 上 げ ら れ て い な か っ た 。 昨 年 の 調 査 の 段 階 で は 、民 間 会 社 で あ る Mariner社 へ の 吸 収 合 併 も う わ さ さ れ て お り 、GNMTC は 最 終 的 に は こ の 方 向 で 民 営 化 さ れ る 可 能 性 が あ っ た 。し か し 、2006年 来 、急 速 に タ ン カ ー 船 隊 を 拡 充 し て き て お り 、 経 営 体 制 に も 、 ハ ン ニ バ ル ・ カ ダ フ ィ 氏 が 加 わ る な ど 、 政 府 と の 結 び つ き が 一 層 強 く な っ て き て い る 。 現 時 点 で は 、 同 社 の 民 営 化 が 考 慮 さ れ て い る 徴 候 は な く 、 し ば ら く は 現 在 の ス テ ー タ ス が 維 持 さ れ る も の と 思 わ れ る 。

一 方 、ユ ニ バ ー サ ル 海 運 会 社 (Universal Shipping Company) の 会 長 は 、次 の よ う に 語 っ て い る 。「 私 は 、こ の 会 社 の 民 営 化 を 歓 迎 し ま す し 、政 府 に 対 し て ユ ニ バ ー サ ル 海 運

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を 民 営 化 の 対 象 と す る よ う 提 案 書 を 書 き ま し た 。」し か し 、現 在 ま で の と こ ろ 、こ の 会 社 は 民 営 化 の 候 補 と は な っ て い な い 。

4.4 国 際 協 定 へ の 参 加

リ ビ ア は 、 種 々 の 国 際 協 定 へ の 加 盟 又 は 加 盟 予 定 国 で あ る 。2004 年 に 、 リ ビ ア は 、 WTO( 世 界 貿 易 機 関 構 ) へ の 加 盟 を 申 請 し て い る 。 実 際 に 加 盟 が 認 め ら れ る ま で に は 、 加 盟 交 渉 等 の た め ま だ ま だ 時 間 が か か る も の と 思 わ れ る が 、 海 外 か ら の 本 格 的 な 投 資 を 呼 び 込 む た め に は 、 加 盟 交 渉 等 に よ っ て 投 資 環 境 を 整 備 し て い く こ と や 、WTO の 各 種 ル ー ル の 確 実 な 履 行 が 確 保 さ れ る こ と が 必 須 で あ る 。

同 国 は 、1989年 の ア ラ ブ ・ マ グ レ ブ 連 合 (Arab Maghreb Union) の 加 盟 国 で あ り 、 こ の 連 合 は 、 チ ュ ニ ジ ア 、 ア ル ジ ェ リ ア 、 モ ロ ッ コ 、 モ ー リ タ ニ ア 、 及 び リ ビ ア の 間 で 免 税 貿 易 を 実 施 す る こ と を 目 的 と し て い る 。リ ビ ア は 、23 加 盟 国 の 経 済 連 合 で あ る サ ヘ ル ・ サ ハ ラ 諸 国 国 家 共 同 体 (Community of Sahel-Saharan States) の 創 立 加 盟 国 で あ る 。リ ビ ア は ま た 、通 商 統 合 を 増 進 す る こ と を 意 図 し た 大 ア ラ ブ 自 由 貿 易 地 域 (Greater Arab Free Trade Area) 及 び 欧 州 地 中 海 パ ー ト ナ ー シ ッ プ (Euro-Med partnership) に も 参 加 し て い る 。

4.5 評 価

経 済 を 再 編 成 し 活 性 化 し よ う と す る 努 力 が な さ れ て い る に も か か わ ら ず 、 リ ビ ア の リ ー ダ ー シ ッ プ 構 造 は 、 非 常 に 中 央 集 権 化 さ れ た ま ま で あ る た め 、 規 制 改 革 や 虚 弱 な 規 制 環 境 に よ っ て 混 乱 が 生 じ て し ま っ て い る 。 こ の よ う な 状 況 に よ っ て 、 海 外 の 投 資 家 は リ ビ ア へ の 投 資 の 意 欲 を 失 っ て い る 。 同 国 は 、 過 渡 期 に あ る と 言 え る が 、 リ ビ ア で の ビ ジ ネ ス の 困 難 さ に よ っ て 多 く の 好 機 が 相 殺 さ れ て し ま っ て い る 。

5. ま と め

第 2 章 に お い て 、 今 後 5 年 な い し 10 年 に わ た る ア フ ラ マ ッ ク ス ・ タ ン カ ー 、VLCC 及 び LNG 運 搬 船 の 比 較 的 魅 力 的 な リ ビ ア の 市 場 を 特 定 し た 。 こ れ ら の タ ン カ ー は 、 明 白 に 造 船 会 社 に 対 す る ビ ジ ネ ス チ ャ ン ス を 意 味 し て い る 。 必 要 で あ る と 予 測 さ れ る 少 数 の プ ロ ダ ク ト タ ン カ ー 、LPGタ ン カ ー 、及 び ナ フ サ・タ ン カ ー は 、小 規 模 で は あ る が 魅 力 的 な 市 場 で あ る 。 更 に 、 船 舶 支 援 の た め の タ グ ボ ー ト 等 も 供 給 の 対 象 と な ろ う 。 こ れ は 、こ の 種 の 船 舶 を 専 門 と す る 造 船 所 に と っ て は 魅 力 的 な チ ャ ン ス と な る 可 能 性 が あ る 。

も う 1 つ 確 実 な 分 野 は 、 港 湾 の 近 代 化 で あ る 。 リ ビ ア は 、 コ ン テ ナ の 取 り 扱 い 、 ド ラ イ・バ ル ク 及 び 液 体 の 移 送 、LNG 積 み 込 み 設 備 等 の た め の 広 範 囲 の 機 器 を 必 要 と す る で あ ろ う 。 リ ビ ア で タ グ ボ ー ト ・ サ ー ビ ス を 実 施 す る た め の 営 業 権 も 、 タ グ ボ ー ト 運 航 業 者 に と っ て 関 心 事 で あ る 可 能 性 が あ る 。 港 湾 建 設 及 び 改 良 も 港 湾 建 設 会 社 に と っ て 興 味

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