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早 稲 田 大 学 大 学 院 情 報 生 産 シ ス テ ム 研 究 科
博 士 論 文 審 査 結 果 報 告 書
論 文 題 目
A Study on Metaheuristic-Based Fuzzy Stochastic Optimization Models toward
Management Engineering Applications
申 請 者 WANG, Shuming
情 報 生 産 シ ス テ ム 工 学 専 攻 経 営 工 学 研 究
2 0 1 0 年 1 2 月
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事 象 に 含 ま れ る 不 確 定 性 に は 、 ラ ン ダ ム 性 と あ い ま い さ が あ る 。 ラ ン ダ ム 性 を 取 扱 う 方 法 と し て ラ ン ダ ム 変 数 が 用 い ら れ 、 あ い ま い さ を 扱 う 方 法 と し て フ ァ ジ ィ 集 合 が 用 い ら れ て い る 。 ラ ン ダ ム 性 と あ い ま い さ が 同 時 に 存 在 す る 不 確 定 な 事 象 を 表 現 す る 方 法 と し て K w a k e r n a a k は 1 9 7 8 年 に フ ァ ジ ィ ラ ン ダ ム 変 数 を 提 案 し た 。 フ ァ ジ ィ ラ ン ダ ム 変 数 は ラ ン ダ ム 変 数 や フ ァ ジ ィ 変 数 の 自 然 な 拡 張 に な っ て お り 、 工 学 問 題 の 取 扱 い で フ ァ ジ ィ ラ ン ダ ム 変 数 を 用 い る こ と は 、 統 計 的 な デ ー タ 構 造 の 表 現 だ け で な く 専 門 家 の 知 識 の 扱 い に お い て も 、 柔 軟 な 枠 組 み を 提 供 す る 。
上 記 の 利 点 を 考 慮 し て 、 フ ァ ジ ィ ラ ン ダ ム 変 数 は 、 水 資 源 管 理 、 デ ー タ 包 絡 分
析 (D E A) な ど の 分 野 に 導 入 さ れ て い る 。 し か し な が ら 、 従 来 の ほ と ん ど の フ ァ
ジ ィ 確 率 モ デ ル で は 線 形 問 題 を 扱 っ て い る 。 非 線 形 問 題 を 扱 う 数 少 な い 研 究 も 限 定 さ れ た 三 角 型 フ ァ ジ ィ 数 な ど 計 算 の 簡 単 な フ ァ ジ ィ ラ ン ダ ム 分 布 を 前 提 と し て い る 。
本 論 文 は 経 営 工 学 の 重 要 な 応 用 分 野 で あ る 3 つ の 非 線 形 最 適 化 問 題 、 す な わ ち
( 1 )シ ス テ ム 信 頼 性 最 適 化 問 題 、( 2 ) 2 段 階 施 設 最 適 配 置 問 題 、( 3 ) 2 段 階 リ ス ク 最 適
化 問 題 に 対 す る 、 一 般 的 な 分 布 の フ ァ ジ ィ ラ ン ダ ム 係 数 を 用 い た 非 線 形 最 適 化 問 題 を 扱 っ て い る 。 こ れ ら の 問 題 を 解 く 従 来 の フ ァ ジ ィ 確 率 モ デ ル の 研 究 に は 非 凸 分 布 の フ ァ ジ ィ 集 合 を 許 容 す る 研 究 は そ れ ま で 存 在 し な い 。 本 研 究 で は 、 そ れ ぞ れ の 問 題 構 造 に 応 じ て 3 つ の フ ァ ジ ィ ラ ン ダ ム 非 線 形 最 適 化 モ デ ル を 定 式 化 し 、 メ タ ヒ ュ ー リ ス テ ィ ッ ク 法 を 組 込 ん だ 近 似 ア ル ゴ リ ズ ム を 提 案 し 、改 良メ タ ヒ ュ ー リ ス テ ィ ッ ク 法 に そ れ ら を 組 込 む こ と で 問 題 の 解 を 得 る 方 法 を 構 築 し て い る 。 最 後 に 実 際 の 問 題 に 適 用 し た ケ ー ス を 説 明 し て い る 。 以 下 簡 単 に 各 章 の 説 明 と そ の 評 価 を 述 べ る 。
第 1 章 、「 緒 論 」で は 、本 研 究 の 背 景 と 関 連 研 究 に つ い て 述 べ 、本 論 文 の 研 究 の 動 機 と 目 的 、 位 置 付 を 明 ら か に し て い る 。 最 後 に 本 論 文 の 構 成 を 説 明 し て い る 。 第 2 章 、「 基 礎 的 な 理 論 的 概 念 」で は 、以 下 の 章 の 説 明 で 必 要 な フ ァ ジ ィ ラ ン ダ ム 変 数 の 基 本 概 念 と 定 義 を 説 明 し て い る 。
第 3 章 、「 フ ァ ジ ィ ラ ン ダ ム 寿 命 を も つ 信 頼 性 最 適 化 モ デ ル 」で は 、フ ァ ジ ィ ラ ン ダ ム 環 境 で の 信 頼 性 最 適 化 問 題 を 議 論 し て い る 。 こ こ で の 問 題 は 部 品 の 寿 命 が フ ァ ジ ィ 数 で 与 え ら れ た 場 合 の 信 頼 性 最 適 化 を 扱 っ て い る 。 寿 命 が フ ァ ジ ィ ラ ン ダ ム 変 数 で 表 さ れ る シ ス テ ム 部 品 の 冗 長 配 置 に つ い て 費 用 と 信 頼 性 を そ れ ぞ れ 評 価 基 準 と す る 2 問 題 を 非 線 形 フ ァ ジ ィ ラ ン ダ ム 最 適 化 モ デ ル と し て モ デ ル 化 し 、 一 定 費 用 で の 信 頼 性 最 大 化 を 目 的 関 数 と す る 最 適 化 モ デ ル( F R - R A M I モ デ ル)と 一 定 信 頼 性 で の 費 用 最 小 化 を 目 的 関 数 と す る 最 適 化 モ デ ル (F R - R A M I I モ デ ル ) の 2 モ デ ル と そ の 近 似 解 法 ア ル ゴ リ ズ ム に 基 づ く メ タ ヒ ュ ー リ ス テ ィ ッ ク 法 を 提
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案 し て い る 。 特 に 、 信 頼 性 関 数 の 定 式 化 を 行 い 、 す べ て の 寿 命 係 数 が 凸 分 布 で あ る 場 合 の 解 析 的 な 計 算 方 法 を 示 し て い る 。一 方 、寿 命 係 数 が 非 凸 分 布 で あ る 場 合 に つ い て は 、 解 析 的 な 計 算 が で き な い た め 、 収 束 性 を 保 証 す る 近 似 ア ル ゴ リ ズ ム I を 提 案 し 、 そ の 信 頼 度 を 計 算 し て い る 。 ま た 、 探 索 能 力 を 向 上 さ せ る た め に 改 良 遺 伝 ア ル ゴ リ ズ ム を 導 入 し 、 そ れ に 近 似 ア ル ゴ リ ズ ム I を 組 込 む こ と で 、F R - R A M I と I I を 効 率 的 に 解 い て い る 。こ の 結 果、同 一 計 算 時 間 で の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 実 験 で 従 来 の タ ブ ー 探 索 よ り 信 頼 性 最 大 化 問 題 で 目 的 関 数 値 の 2 . 0 6 %、 コ ス ト 最 小 化 問 題 で 目 的 関 数 値 の 0 . 8 4 0 %優 れ た 値 が 得 ら れ る こ と を 示 し た 。
第 4 章 、「 フ ァ ジ ィ ラ ン ダ ム 係 数 を 含 む 施 設 最 適 配 置 モ デ ル 」 で は 、2 段 階 フ ァ ジ ィ ラ ン ダ ム 施 設 配 置 モ デ ル (F R - F L M R) を 構 築 し 、 そ れ を 解 く た め に 近 似 ア ル ゴ リ ズ ム に 基 づ く メ タ ヒ ュ ー リ ス テ ィ ッ ク 解 法 を 提 案 し て い る 。 本 モ デ ル は 2 段 階 フ ァ ジ ィ 確 率 2 値 計 画 問 題 を 解 く た め の も の で あ る 。 第 1 段 階 計 画 法 で は 、 す べ て の 可 能 な 配 置 候 補 に 対 し て 最 適 期 待 利 益 を 決 め て い る 。 個 々 の 配 置 候 補 の 利 益 を 計 算 す る た め に 第 2 段 階 計 画 問 題 を 解 い て い る 。最 初 に モ デ ル 解 析 の た め に す べ て の フ ァ ジ ィ ラ ン ダ ム 変 数 の 有 界 条 件 の も と で F R - F L M R の 最 適 値 の 上 限 と 下 限 の 値 を 導 い て い る 。 次 に 、 モ デ ル 解 法 の た め に こ の モ デ ル の 連 続 フ ァ ジ ィ ラ ン ダ ム 係 数 に つ い て ( 1 )期 待 収 益 関 数 を 計 算 す る シ ン プ レ ッ ク ス 法 を 組 込 ん だ 近 似 ア ル ゴ リ ズ ム I I を 提 案 し 、( 2 )近 似 ア ル ゴ リ ズ ム I I を 突 然 変 異 ベ ー ス 2 値 蟻 コ ロ ニ ー 最 適 化 ア ル ゴ リ ズ ム(M B A C O)に 組 込 む こ と で 、こ れ を 効 率 的 に 解 い て い る 。 同 一 計 算 時 間 で の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 実 験 で 、 本 提 案 メ タ ヒ ュ ー リ ス テ ィ ッ ク ス 法 が 他 の 粒 子 群 最 適 化 、 遺 伝 ア ル ゴ リ ズ ム 、 タ ブ ー 探 索 の 2 値 モ デ ル よ り も 、 そ れ ぞ れ 2 . 9 6 % , 3 . 2 9 % , 2 . 2 2 %優 れ た 解 を 得 る こ と を 示 し た 。
第 5 章 、「 フ ァ ジ ィ ラ ン ダ ム 不 確 定 性 の も と で の リ ス ク 最 適 化 モ デ ル 」で は 、一 般 に 用 い ら れ る 平 均 リ ス ク を 最 小 化 す る リ ス ク 最 少 化 基 準 よ り 厳 し い 、 最 大 リ ス ク を 最 少 化 す る Va R(Va l u e a t R i s k)基 準 を フ ァ ジ ィ ラ ン ダ ム 変 数 の 問 題 に 適 用 し て 、Va R 基 準 で の 2 段 階 リ ス ク 最 適 化 モ デ ル を 構 築 し た 。 本 モ デ ル は 2 段 階 フ ァ ジ ィ 確 率 連 続 計 画 問 題 を 解 く も の で あ る 。 第 1 段 階 計 画 法 で は す べ て の 可 能 な 候 補 に 対 す る 最 適 な Va R を 決 定 し て い る 。こ の た め 第 2 段 階 計 画 法 で は 第 1 段 階 の 各 候 補 に つ い て 損 失 を 計 算 し て い る 。ま ず 、フ ァ ジ ィ ラ ン ダ ム Va R基 準 を 定 義 し 、 そ れ を 目 的 関 数 と す る リ ス ク 最 適 化 モ デ ル を 構 築 し 、 ラ ン ダ ム 係 数 の 有 界 条 件 の 下 で 最 適 Va R の 上 限 値 と 下 限 値 を 示 し て い る 。次 に 、フ ァ ジ ィ ラ ン ダ ム Va R の 関 数 構 造 と モ デ ル 構 成 に 基 づ い て モ デ ル の Va R 評 価 関 数 を 計 算 す る た め に 、そ の 解 法 と し て 二 分 割 法 と シ ン プ レ ッ ク ス 法 か ら な る 近 似 ア ル ゴ リ ズ ム I I I を 提 案 し て い る 。 さ ら に 近 似 ア ル ゴ リ ズ ム I I I を 改 良 粒 子 群 最 適 化 (M N P S O) に 組 み 込 む こ と で こ れ を 効 率 的 に 解 い て い る 。 同 一 計 算 時 間 で の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 実 験 に よ っ て 、 本 近 似 ア ル ゴ リ ズ ム I I I を 組 込 ん だ 提 案 メ タ ヒ ュ ー リ ス テ ィ ッ ク 法 は 、 他 の
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粒 子 群 最 適 化 や 遺 伝 的 ア ル ゴ リ ズ ム の 混 合 連 続 ヒ ュ ー リ ス テ ッ ク ア ル ゴ リ ズ ム よ り も そ れ ぞ れ 2 . 6 5 % , 3 . 7 7 %探 索 能 力 が 優 れ て い る こ と を 示 し た 。
第 6 章 、「 実 問 題 へ の 応 用 」で は 、上 記 3 章 ,4 章 と 5 章 で 提 案 し た フ ァ ジ ィ 確 率 最 適 化 モ デ ル を 評 価 す る た め に 実 問 題 を 用 い た ケ ー ス ス タ デ ィ を 行 っ て い る 。 ケ ー ス I で は 、 メ キ シ コ の カ リ ザ ル 河 に あ る ダ ム 制 御 シ ス テ ム の 信 頼 性 最 適 化 問 題 を 扱 っ て い る 。 こ こ で は ダ ム 制 御 部 品 の 寿 命 が 専 門 家 の 経 験 知 か ら 得 ら れ た フ ァ ジ ィ 数 で 与 え ら れ て い る 。 こ の よ う な 制 御 シ ス テ ム の 部 品 の 冗 長 配 置 の 最 適 化 問 題 を 第 3 章 で 提 案 し た モ デ ル (F R - R A M s I と I I) を 用 い て 解 い て い る 。 ダ ム 制 御 シ ス テ ム の 信 頼 性 問 題 で 、 従 来 の ラ ン ダ ム 変 数 を 用 い る 確 率 最 適 化 モ デ ル と 比 較 し て 、 本 モ デ ル で は 3 . 3 6 %の 信 頼 性 の 向 上 が 得 ら れ る こ と を 示 し た 。 ケ ー ス I I で は 決 定 の 基 礎 と な る 需 要 が フ ァ ジ ィ 数 で 確 率 的 に 与 え ら れ て い る 台 湾 の 冷 凍 食 品 配 送 セ ン タ ー の 施 設 配 置 問 題 に 焦 点 を 当 て 、 第 4 章 の 施 設 配 置 モ デ ル
(F R - F L M R) と 第 5 章 の 2 段 階 Va R 基 準 最 適 化 モ デ ル( F R P - Va R )を 適 用 し て 、 そ
れ ぞ れ 問 題 を 解 い て い る 。 冷 凍 食 品 の 施 設 配 置 問 題 で 、 従 来 の ラ ン ダ ム 変 数 を 用 い る 確 率 最 適 化 モ デ ル と 比 較 し て 、 本 モ デ ル で は 3 7 . 7 %の 期 待 利 得 の 向 上 が 得 ら れ る こ と を 示 し た 。 両 ケ ー ス ス タ デ ィ で 、 提 案 し た メ タ ヒ ュ ー リ ス テ ィ ッ ク ア ル ゴ リ ズ ム の す べ て の 解 に つ い て 全 数 探 索 で 評 価 し た 結 果 、 こ れ ら す べ て の 問 題 で 良 好 な 解 を 得 て い る こ と を 確 認 し た 。
第 7 章 、「 結 論 と 将 来 の 研 究 」で は 、本 論 文 を ま と め 、本 研 究 で 得 ら れ た 成 果 を 総 括 し 、 今 後 の 研 究 課 題 に つ い て 論 じ て い る 。
本 論 文 の 主 要 な 貢 献 と し て 、特 に 次 の 点 が 評 価 で き る 。シ ス テ ム 信 頼 性 最 適 化 、 2 段 階 施 設 最 適 配 置 、2 段 階 リ ス ク 最 適 化 に 関 し て 3 つ の フ ァ ジ ィ 確 率 最 適 化 モ デ ル を 構 築 し た 。 こ れ ら の 解 法 と し て 近 似 ア ル ゴ リ ズ ム と メ タ ヒ ュ ー リ ス テ ィ ッ ク 法 を 融 合 す る こ と で 、 フ ァ ジ ィ 確 率 問 題 を 効 率 的 に 解 く 方 法 を 示 し た 。 さ ら に 実 際 の 問 題 を 用 い た ケ ー ス ス タ デ ィ に よ り 提 案 モ デ ル が 現 実 の ラ ン ダ ム 性 と あ い ま い さ が 同 時 に 存 在 す る 不 確 定 環 境 で の 意 思 決 定 に 適 用 可 能 で あ る こ と を 示 し た 。 以 上 の こ と か ら 本 論 文 は 工 学 的 価 値 が あ る も の と 評 価 で き 、 今 後 の 経 営 工 学 の 分 野 の 発 展 に 、 寄 与 す る と こ ろ が 大 で あ る 。 よ っ て 、 本 論 文 は 博 士 ( 工 学 ) の 学 位 論 文 と し て 価 値 あ る も の と 認 め る 。
2 0 1 0 年 1 1 月 2 4 日
主 査 早 稲 田 大 学 教 授 工 学 博 士 ( 大 阪 府 立 大 学 ) 和多田淳三 早 稲 田 大 学 教 授 工 学 博 士 ( 東 京 工 業 大 学 ) 村 田 智 洋 早 稲 田 大 学 教 授 工 学 博 士 ( 早 稲 田 大 学 ) 李 羲 頡 早 稲 田 大 学 教 授 博 士(工 学)( 大 阪 大 学 ) 小 柳 恵 一 早 稲 田 大 学 教 授 博 士(情 報 工 学)( 九 州 工 業 大 学 ) 古 月 敬 之