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ホワイトペーパーCitrix DaaSが企業にもたらす価値を探る

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(1)

Citrix DaaS が企業にもたらす価値を探る

オンプレミス環境をクラウドへ移行する際に考慮すべき

重要なポイント

(2)

目次

エグゼクティブサマリー 3

Citrix DaaSの概要 5 Citrix DaaSの価値とメリット 7

短期間で導入効果をすぐ実感 7 柔軟に選べる導入オプション 10 管理、セキュリティ、事業継続計画の効率化 12

まとめ 15

付録:参考資料 16

(3)

エグゼクティブサマリー

組織が従来のPCデスクトップから仮想化ソリューション へと移行するとIT管理者はアプリケーションやデスクトッ プをオンプレミスのデータセンターにホスティングして、

そこからアクセスできるようにしました。そして、この仕 組みは、従来のPC環境よりも効率的であることがわかり ました。デスクトップやアプリケーションの配信を一元的 に管理できるからです。しかし、さらに最適化や効率化の 可能な側面が見えてきました。今やパブリッククラウドを 利用できる機会が広がり、企業はクラウドサービスを利用 することで、既存のインフラよりも効率的に運用できるも のに置き換えることが可能になりました。また、エンド ユーザーエクスペリエンスの質を高め、機敏性とセキュ リティに優れたIT環境を生み出します。このホワイトペー パーでは、従来の完全にオンプレミスに構築された環境を Citrix Virtual Apps and Desktopsのクラウドサービスに移 行したときのメリットを評価します。また、このサービス が組織の企業戦略全体にどのように適合するのか、現在と 将来のビジネスニーズに備えるうえでどのように役立つの かを考察します。

オンプレミスのCitrix Virtual Apps and Desktopsインフラ ストラクチャをクラウドの Citrix DaaSに移行すると、ビ ジネス上のメリットが得られ、また、仮想アプリケーショ ンやデスクトップの展開と管理を効率化することもできま す。オンプレミスのソリューションとクラウドサービスの ソリューションを比較して評価する場合、このような付加 価値を評価することが重要になります。シトリックスで は、IT管理部門全体にとってが大きなメリットを得られる サービスの提供を目指しています。

シトリックスのソリューションを利用するメリット 短期間で価値を実感︓どのクラウドやオンプレミス のデータセンター、ハイブリッドシナリオよりも4倍 以上速く、シトリックスのワークロードを展開できま す。新たな業務環境の提供が急に必要となる企業の吸 収合併や新規社員のオンボーディング、および契約社 員の採用など、さまざまなユースケースに迅速に対応 することができます。

柔軟な展開︓導入企業のビジネスに合わせたペースで パブリッククラウドに移行することができます。新た なワークロードやビジネス継続性の拡張からの段階的 な導入にも対応でき、必要に応じたクラウドへの移行 が可能です。IT部門は、ビジネスのニーズに合わせた スケジュールでオンプレミスの環境をハイブリッド/ク ラウドのリソースロケーションに移行できます。

管理、セキュリティ、事業継続計画の効率化︓クラウ ドサービスの統合により、オンプレミスのリソースと クラウドにホスティングされているリソースの管理を 効率化するとともに、パブリッククラウドのコストを 最大で80%削減するほか、事業継続計画と障害復旧の プランを最適化し、機密性の高い知的財産を保護しま す。

(4)

このホワイトペーパーでは、管理者やIT部門の責任者を対 象として、システム環境をクラウドへ移行する際のガイダ ンスを提供します。また、経済面で考慮すべき基本的な事 柄やCitrix DaaS固有の価値のほか、競合他社との差別化要 因である管理プラットフォームについても詳しく説明いた します。また、Citrix DaaSが提供する、下記の利点につい てご説明します。

• オンボーディング、環境の展開、本番サービスの稼働 に要する時間を短縮し、短期間でビジネスの成果を実 現する

• 事業継続計画(BCP)と障害復旧計画(DR)を柔軟 なクラウドサービスと拡張性の高いクラウドインフラ で効率化する。これにより1時間のダウンタイムで最 大10万ドルもの損失につながるようなサービス停止の リスクを回避します。

• 物理サーバーやオペレーティングシステム、データ ベース、ソフトウェアをはじめとする、オンプレミス 環境のコンポーネントをシトリックスが運用・管理す るクラウドサービスへと移行し、オンプレミス特有の インフラストラクチャコストと管理コストを削減する

• シトリックスのクラウド運用と自動化ツールで性能を 最適化し、ユーザーのビジネス要件を満たすIaaS環境 のコストを最大80%規制する

• 既存のオンプレミスデータセンターリソースを並行で 利用しながら、クラウドリソースをシームレスに統合 して、組織が望むペースでパブリッククラウドIaaSを 導入する

• オンプレミスのCitrix環境を維持するアップグレード やパッチ適用の作業は手間がかかるが、このような作 業を計画したり実施したりする必要がなくなる。シト リックスのクラウドサービスは常に最新の状態に維持 されており、アップグレードやパッチ適用に関するコ ストを最大で30%削減できる

• Citrix Virtual Apps and Desktopsテクノロジーに関する 既存のナレッジを活用し、クラウドへの移行を効率化

• ITする部門のセキュリティ管理能力を最大化し、外部の脅

威にさらされるリスクは最小限に抑えられるよう、ク ラウドの移行アーキテクチャを設計し、不測の事態に 対応できる迅速な展開を可能にする

新しいCitrix DaaSに投資し、オンプレミスで利用している 既存のCitrixソフトウェアをクラウドに移行すれば、経済 面でのメリットや、これまでにない新たなメリットが得ら れます。このホワイトペーパーをお読みになれば、これら のメリットを評価する方法を詳しくご理解いただけます。

(5)

Citrix DaaS の概要

従来の管理者にとって馴染みのあるオンプレミス構成の Citrix Virtual Apps and Desktops仮想化ソリューションで は、どのデバイスからもサービスを利用できる一方、IT部 門が仮想マシンや仮想アプリケーション、仮想デスクトッ プ、セキュリティを制御できます。また、エンドユーザー は、デバイスのオペレーティングシステムやインターフェ イスに関係なくアプリケーションやデスクトップを利用す ることが可能です。

Citrix DaaSでは、オンプレミスのソリューションと同じ

ように、どのデバイスにも仮想アプリケーションや仮想デ スクトップをセキュアに配信でき、本番環境のインストー ル、セットアップ、アップグレード、コンポーネントの設 計をほぼすべてシトリックスに任せられます。IT管理者が アプリケーションやポリシー、ユーザーを完全に制御でき る一方で、どのデバイスでも、質の高いユーザーエクスペ リエンスが実現します。Citrix Cloud Connectorを利用す るので、リソースとサービスを接続するのは簡単です。

Citrix Cloud Connectorは、Citrix DaaSと組織のリソースロ ケーションをつなぐコミュニケーションチャネルの役割を 果たします。Citrix Cloud Connectorでは、VPNトンネルや

IPsecトンネルなどの複雑なネットワーク構成やインフラ

ストラクチャ構成を用意しなくてもクラウドを管理できま す。複数のリソースロケーションを利用する場合は、それ ぞれのロケーションにアプリケーションやデスクトップと 一緒にCloud Connectorを配置します。

管理者と管理対象

以下の図では、オンプレミスによる従来のCitrix DaaS環境 とCitrix DaaS環境におけるコンポーネントの基本的な違い について説明しています。

• 制御プレーンのコンポーネント(StoreFrontおよび Workspace、Delivery Controller、SQLデータベース)

はすべてが可用性に優れた構成となっており、クラウ ドサービスにおいて中心的な役割を果たします。管 理者は、任意のハイパーバイザーやクラウドにホス ティングされているサーバー/デスクトップのVirtual Delivery Agent(VDA)ワークロードリソースだけを 集中的に管理すればよく、これら個々のハイパーバイ ザーやクラウドに定義されるワークロードロケーショ ンは、Resource Locationと呼ばれます。

• Citrix Cloud Connectorは、シトリックスのクラウド サービスとリソースを接続するリソースロケーション にインストールされ、ハイパーバイザーやパブリック クラウド、Active Directory環境においてVDAの隣に配 置されます。シームレスな連携ができるよう設計され ており、ネットワークの状態を問わずどのデバイスで も質の高いユーザーエクスペリエンスを実現すること がその目的です。Citrix Cloud ConnectorはCitrix DaaS と連携し、クラウドサービスが停止するという不測の 事態が発生した場合にも、仮想アプリケーションや仮 想デスクトップを利用できるようにします。

*VDAの定義︓VDAは、アプリケーションやデスクトップとのコネクションを確立します。

ユーザーが利用できるようアプリケーションや仮想デスクトップを実行するサーバーに インストールされ、デリバリーコントローラーでのマシンの登録を可能にするほか、ユー ザーデバイスとのHigh Definition Experience(HDX)コネクションを管理します。

従来のCitrix Virtual Apps and Desktops オンプレミスまたはプライベートクラウド

Hypervisors

Studio

Storefront SQL

Citrix Gateway AD

Delivery Controllers

Director Licensing

Server VDAs Server VDAs

Citrix Virtual Apps and Desktops Service Citrix Cloud(シトリックスが管理)

オンプレミスまたはクラウド(シトリックスが管理)のリソースロケーション Hypervisors

Cloud Connectors

Studio

Storefront SQL

Citrix Gateway AD

Delivery Controllers

Director Licensing

Server VDAs Server VDAs

環境の比較

(6)

シトリックスでは接続したいリソースロケーションに Citrix Cloud Connectorをデプロイするだけで良い、という エレガントな手法で複数のリソースロケーションを実現可 能にしています。Citrix Cloud Connectorは、管理者のコン トロールの下ですべてのコンポーネントをシトリックスの サービスに「つなぎ」ます。一度インストールすれば、そ の後にCitrix Cloud Connectorを操作することはほとんど ありません。Citrix Cloud Connectorにはシトリックスが 管理する自動アップデートサービスが組み込まれており、

Citrix Cloud Connectorでは、このサービスでパッチの適用 やアップデートが行われるため、その機能は常に最新の状 態に維持されます。セキュリティやリスク対策を強化する 観点から、Citrix Cloud Connectorでは、必要なインター ネット接続をアウトバウンドの接続だけに限定していま す。トラフィックはすべて、ポート443から発信だけが行 われます。Citrix Cloud Connectorは、HTTPプロキシで保 護されたかたちで機能するよう構成することも可能です。

StoreFrontの機能強化された後継バージョンで、シトリッ クスが提供するクラウドサービスとして利用できるCitrix Workspaceソリューションは、Windows、Linux、Web、

SaaS、モバイルのアプリケーションを使いやすいイン ターフェイスに統合できる業界初のソリューションです。

このソリューションには、新たなワークスペースインテリ ジェンスの機能も搭載されています。適切なタイミングで 適切なユーザーに最適なエクスペリエンスをセキュアに提 供できるよう、シトリックスは、オンプレミス環境とクラ ウド環境のアプリケーションやデータを完全に統合し、必

要なリソースを提供します。強化されたこのアーキテク チャでは、デスクトップやアプリケーション、ポリシー、

ユーザーなどのリソースがオーバープロビジョニングされ ないよう、シトリックスのクラウド管理者ポータルで完全 に制御できます。

Citrix DaaSは、より広範なクラウドサービスの領域を扱う完 全なデジタルワークスペースソリューションであり、組織内 の個々の役職と関連性の高い情報やアプリケーションなど のコンテンツにセキュアにアクセスできる環境を組織が実 現できるよう、シトリックスの他のクラウドサービスを統合 します。また、Citrix Workspaceソリューションは、コラボ レーションや質の高い意思決定をするうえで、あるいは本 来の業務に集中できるようにユーザーが必要とする最も重 要な情報を整理し、ユーザーが自動で入手できるようにしま す。Citrix Workspaceソリューションでは、Virtual Apps and Desktops serviceのほかにEndpoint Management service、

Contents Collaboration service、Gateway service、Secure Workspace Access service、Citrix Analytics serviceなどが提 供されます。

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Citrix DaaSの価値とメリット

このセクションでは、Citrix DaaSによって得られるメリッ トについて説明します。また、プロビジョニングや管理、

セキュリティ、エンドユーザーエクスペリエンス全体に関 連したさまざまな新機能によって実現される運用の効率化 についても扱います。IT部門がクラウドへのシステム環境 の移行を推進する場合、Citrix DaaSを利用すれば、ハー ドとソフトのコストインパクトを抑えることができます。

シトリックスは、以下で説明するようないくつもの重要 な価値をIT部門や事業部門に提供します。言い換えれば、

Citrix DaaSの活用により、導入によるビジネス効果を実感

するまでの期間を短縮でき、高い柔軟性とセキュアで管理 運用の効率化が実現するのです。シトリックスのクラウド サービスに環境を移行することで得られる付加価値を正し く評価して理解するうえで、上記のような観点を指針にす るよう、管理者の皆様にはお勧めします。

短期間で導入効果をすぐ実感

価値実現までの期間や本番で機能を利用できるまでの 期間を短縮

急速に変化する世界において、Citrix DaaSは、あらゆる 面で機敏性の向上に寄与します。このサービスを利用する ことで、各企業のシトリックス環境管理者は、ビジネスの 生産性を高めるアプリケーションやデータをセキュアに展 開しユーザーをサポートすることが可能になります。クラ ウドのサブスクリプションを開始してから、仮想マシンを 起ち上げ、いつでも何処からでもアクセスできるデジタル ワークスペースを公開するまで、Citrix DaaSならばすべて の作業がわずか数分で完了します。

従来のオンプレミスのソフトウェアでは、導入のために ハードウェア、ネットワーク、ストレージ、データセン ターなどのリソースを取得、プロビジョニングするといっ た調達と設置作業が必要です。ソフトウェアの展開もイン ストールから始まり、構成、チューニングを実施すること になりますが、多くの場合、ステージング環境でこれらの 作業を行い、本番環境で同じことを繰り返さねばなりませ んでした。本番環境で完全に機能を利用できるようになる 前のこのような前段階の作業には数週間から数か月はかか り、必ずしも作業は容易ではありません。これらの複雑な 作業は、本番環境への移行、利用者の増加によるスケール アウト、さらに視機能の追加実装と続きます。Citrix DaaS の場合、管理者はメンテナンスやパッチ適用、アップグ レード業務に割く工程を大幅に減らすことができます。

また、シトリックスでは、オンプレミスのStudioの構成を

Citrix DaaSへ移行する作業を軽減、自動化する個別のツー

ルも複数提供しています。さらに、シトリックスのインフ ラストラクチャを運用するうえでIT部門が調達する必要の あるハードウェアは大幅に減るため、サービスの提供まで に掛かる負荷は大きく削減できます。

Citrix DaaSを使用すると、ほとんどのサービスは、インス トールや構成をせず起動するだけになるため、アプリケー ションやデスクトップを短期間でプロビジョニングできる ようになります。機能の多くは完全にクラウドだけで動作 するため、追加のプロビジョニングは必要ありません。さ らに、ネットワーク、コンピューティング、ストレージの 機能を利用する場合、Citrix DaaSをパブリッククラウドや プライベートクラウドと組み合わせて使用すれば、IT部門 の作業をさらに効率化できます。インフラストラクチャの セキュリティやパフォーマンス、リソースの可用性の維持 は、Microsoft Azureなどのプロバイダーサービスが担いま す。この結果、ハードウェアの更新コストは不要になり、

IT部門は、キャパシティのプランニングや調達に時間をか ける必要がなくなります。

「シトリックスのクラウドサービスを導入すれば、問題の解決や現状の 改善にかける時間を減らすことができます。その結果、先を読み、将来 を見据えて開発を行う時間的余裕が生まれます」

– Julian Muller氏 IT運用責任者

The National Archives

(8)

一般的な業界の統計によれば、会計上の耐用年数を3年か ら5年とした場合、物理サーバーの初期の設備投資コスト は総所有コスト(TCO)の20%から50%を占めると言わ れており、残りは、サーバーの稼働やパフォーマンスの維 持、アップグレード、パッチ適用などの作業にかかる管理 コストになります。物理サーバーコンポーネントをクラウ ドサービスに置き換えれば、このコンポーネントにかける 作業や時間を抑えられるようになるため、投資から価値を 得るまでの全体の時間をすぐに短縮できます。

削減できるコスト

管理者のシナリオをシトリックスの内部で複数評価した 結果に基づくと、オンプレミスのCitrix Virtual Apps and Desktops環境を利用している代表的な5,000のユーザーで は、バックエンドリソースや必要なネットワークコンポー ネントも含め、ステージング、構成、展開、コアコンポー ネントの本番環境への移行に3週間から9週間をかけてい ます。

これとは対照的に、Citrix DaaSのモデルを利用している場 合、管理者は、VDAの展開と管理の作業とローカルActive Directory(AD)との連携だけを実施しており、それ以外 のインフラストラクチャの展開、構成、管理は、シトリッ クスが行っています。この結果、管理者が実装とテストに かける時間は著しく短縮されており、本番環境でシステム を利用できるまでにかかる時間が短くなっているのです。

「運用作業の複雑な部分は、シト リックスが自動的にやってくれま す。もはやサービスを停止すること はありません。メンテナンスの作業 はサービスの運用に影響を与えるこ となく、シトリックスが実施してく れます。おかげで、新たなビジネス プロジェクトに使える時間が増えま した」

– John Huitink氏 IT運用責任者 Geas Energiewacht

(9)

Citrix DaaSでは、管理者はPOCやステージング環境の準 備、アップグレード、新規従業員および買収先企業のオン ボーディングなどに関係するコストや作業の遅延を大幅 に削減または一掃でき、さらに常に最新のCitrixテクノロ ジーを導入できるため、大きなプラスの効果を期待できま す。

最新プラットフォームや新機能がすぐに使える

全社規模でソリューションを提供するときには常に最新の 技術を提供し続けることが重要です。特にユーザーエクス ペリエンスに関するギャップが生じている場合や、サード パーティベンダーとの連携が重要である場合、セキュリ ティ関連の問題が存在する可能性のある場合は特に迅速な 対応が求められます。しかし、ほとんどのケースでソフト ウェアのアップグレードには時間やコストがかかり、作業 は複雑です。その結果、アップグレードが遅れたり、全く 実施されなくなってしまったりすることも少なくありませ ん。多くの場合、アップグレードを避ければ短期的には問 題はなくなりますが、ユーザーは最新の優れた製品を利用 できなくなります。セキュリティも強化されません。ソフ トウェアをアップグレードできなければ、セキュリティ に脆弱性が生じ、生産性や互換性が失われ、他のテクノロ ジーとの連携で問題が発生し、メンテナンスやサポートの 面で妥協せざるを得ない状況に直面するおそれがありま す。

オンプレミスのCitrix Virtual Apps and Desktopsの場合、

年に2回から4回、更新プログラムが提供されますが、

Citrix DaaSでは、アップデートのリリースの頻度がもっと

多くなります。この点は特に重要です。Citrix DaaSの場 合、Citrix Cloudの管理プレーンや個々のサービスのアッ プグレードは自動的に行われ、アップグレードはCitrix

Cloudの運用チームによって管理されます。クラウドの

Citrix DaaSの場合、管理者は常に、オンプレミスのシステ

ムよりも早く、リリースされた時点で最新のテクノロジー を利用できます。また、手動でのアップグレードでは、運 用上のオーバーヘッドが生じ、アップグレードに時間を取 られ、アップグレードのテストも実施する必要があります が、クラウドの場合は、そのようなことはありません。そ して、ユーザーが最新の機能を利用できる一方で、VDA は、新たなリリースが出るごとに絶えず最適化されます。

アップグレードの処理はシトリックスのサービスが作業を 代行してくれるため、導入企業はインストール、データ移 行、ステージング、テスト、ロールアウトに関するコスト を削減でき、バージョンアップや構成変更に伴うダウンタ イムを抑えることが可能です。

さらに、従来のオンプレミスのCitrix Virtual Apps and

Desktopsの場合、管理者は新機能のリリース時期を知る

のに、製品ドキュメントやブログ記事、ソーシャルメディ ア、メール、ウェビナーに頼らねばならず、新機能のイン ストールと構成を手動で実施する必要があります。クラウ ドサービスはダイナミックに機能や性能向上が提供される ので、シトリックスでは、管理者コンソールのメッセージ や告知画面で直接コミュケーションを行い、強化情報や ニュースサービス、サービスの停止予定スケジュールを通 知しています。これにより、システム管理者は、新機能が いつから利用可能になるのか、ユーザーにとってどれくら いの性能改善や利便性があるのか簡単に把握することがで きます。

ソフトウェアのインストールや事前構成、継続的なメンテ ナンス、事後のアップグレードには時間がかかりますが、

Citrix DaaSを選択すれば、これらの作業を軽減できま す。管理者はサーバーなどのハードウェアを新たに調達、

インストール、メンテナンスする必要がなくなるため、貴 重な時間をより戦略的な取り組みに利用できるようにな り、別の投資に予算を振り向けることが可能です。

さらには、初めての時でも完全な本番環境を迅速に構築で きるよう、専任のCitrix Cloud Successチームが移行のす べての手順においてサポートを提供し、課題の解決を支援 します。このサービスは無償で、あらかじめ、Citrix DaaS のサブスクリプションに含まれています。このサービス では、ビジネス上と技術上の目標をお客様が達成できるよ う、お客様担当のSuccess Managerが必要なガイダンスや リソースを準備いたします。

(10)

柔軟に選べる導入オプション

さまざまな選択肢を利用しながら「個々のペースで」柔 軟にクラウドへ移行

クラウドへシステムを移行する場合、オンプレミスのアプ リケーションやデスクトップのワークロードをパブリック クラウドに全面移行することの難しさに多くの組織が頭を 悩ませています。理由は数多くありますが、セキュリティ リスク対策やプライバシーの問題、ローカルデータの主権 性に関する法律、業界の規制、予測される合併や買収など の要因が挙げられます。これらの理由が原因で、多くの企 業では、移行のペースが落ちたり、移行が完全に止まって しまったりしています。そして例外なく、クラウドサービ スの利用で得られるメリットを諦めてしまっています。

Citrix DaaSのアーキテクチャは、ほとんどの組織が対応に

苦慮しているさまざまな問題を解決できます。Citrix DaaS では、アプリケーションやデスクトップのリソースがオ ンプレミスのデータセンター、パブリッククラウド、ハイ ブリッド環境のいずれの場所にあるかは重要ではありませ ん。制御/管理のプレーンと、ワークロードが存在するリ ソース/データのプレーンは完全に分離されているからで す。エンドユーザーはクラウドの制御プレーンでアクセス や認証を行います。必要なアプリケーションやデスクトッ プのリソースにアクセスするための認証が処理されるこの 場所は、それらのリソースをホスティングしている場所と は切り離されているのです。

シトリックスのソリューションの場合、ITチームは、柔軟 かつ自由に、ワークロードをホスティングする場所をパ ブリッククラウド、プライベート管理のクラウド、ハイ ブリッド環境の中から選択できます。オンプレミスにワー クロードを配置し、管理/制御プレーンはクラウドに配置 するといったことが可能になるのです。管理者は、ワー クロードをクラウドに移行する必要はありません。Citrix DaaSは常に、パブリッククラウドと並行してオンプレミ スのVDAを管理します。Citrix DaaSはこれらすべての要 素を統合し、個々のニーズに最も適した方法でアプリケー ションやデスクトップを展開できるようにします。IT管理 者は、複数のロケーションやクラウドに展開されている アプリケーションやデータを1つのクラウドベースのコン ソールからセキュアに監視および管理できます。

さらに、オンプレミスのCitrix Virtual Apps and Desktopsを 利用しているお客様は、Hybrid Rightsからメリットを得ら れます。Hybrid Rightsとは、オンプレミスの環境をクラウド サービスへ移行する場合に、「移行期間」を設けて、お客様

が両方を併用できるライセンスを提供します。お客様は、

クラウドサービスへの移行を決定したら、移行期間を選択 します。移行期間中は、オンプレミス環境のライセンスを 変わらず利用でき、移行が完了したら、同じライセンスを クラウドサービスでそのまま使用できます。Hybrid Rights を活用すれば、クラウドサービスのメリットが最大限に得 られ、クラウドのCitrix DaaSとオンプレミスのCitrix Virtual Apps and Desktops環境の両方で、更新プログラムやセキュ リティ修正プログラム、技術サポートを利用できます。これ は、すでにオンプレミス版を利用しているお客様だけの特 別なメリットです。

Citrix DaaSを利用している管理者の多くが、クラウドへの 移行プロセスをハイブリッド環境から始めています。この アプローチでは、個々のペースでクラウドを導入し、徐々 にインフラストラクチャをクラウドサービスに移行できま す。たとえば、さまざまな国で事業を展開しており、法規 制の問題を解決する必要がある企業の場合、ワークロード を完全にクラウドに移行する前にデータ主権に関する法律 を遵守しなければならないといったケースがあります。

マルチクラウドによる異種混合の環境をサポート オンプレミスのCitrix Virtual Apps and Desktopsからク ラウドに移行する場合、管理者は任意のクラウドインフラ ストラクチャを選択し、低リスクでスムーズに移行ができ ます。ワークロードを実行する環境を1つのクラウドサー ビスにロックインされることはありません。このアプロー チでは完全に自由に、オンプレミス環境、クラウドサービ ス、ライセンスを混合できるので、管理者はアプリケー ション、デスクトップ、データをクラウドへ移行するかど うかを、また、移行する場合はいつ移行するかを選択でき ます。

Citrix DaaSとMicrosoft Windows Virtual Desktopを使用し て、仮想アプリケーションと仮想デスクトップの環境をモ ダナイズすることもできます。Windows Virtual Desktop を活用すれば、環境のモダナイズやデータセンターへの投 資の削減が容易になります。管理者は、機能豊富なシト リックスの管理ツールと組み合わせて、Windows Virtual Desktopを利用できます。Windows 10の新たなマルチ セッション機能やデスクトップオペレーティングシステム の拡張サポート、Microsoft 365 Pro Plusの最適化の機能 が活用できるほか、シトリックスのユーザーエクスペリエ ンス最適化の機能を通じ、既存のオンプレミスのアプリ ケーションやデスクトップと共存するかたちでユーザーエ クスペリエンスの質を高めることが可能です。

(11)

Citrix DaaSでは、Windows Virtual Desktop(WVD)の ライセンスを利用でき、既存のオンプレミス環境に統合 することが可能です。このハイブリッドクラウド環境で は、WVDの新規ライセンスを容易に利用できるほか、同 時に、Citrix DaaSの提供するセキュリティ、パフォーマン ス、管理、スケーラビリティ上のメリットを生かすことが 可能です。

すでにご説明したように、Citrix DaaSは複数の環境をサ ポートするため、管理者はさまざまなホスティング先にあ る使い慣れた仮想プラットフォームを選んで仮想ワーク ロードを展開できます。プラットフォームのホスティング 先には以下のような場所が選べます。

• 既存または新規のオンプレミスインフラストラクチャ

• Azure上のWindows Virtual Desktop

• Azure、AWS、Google Cloud Platformなどのパブリッ ククラウド

• 以下のいずれかのハイブリッドクラウド環境

• パブリッククラウドとプライベートクラウドの組み

• 合わせパブリッククラウドと管理者のデータセンターの 組み合わせ

• ハ イ パ ー コ ン バ ー ジ ド イ ン フ ラ ス ト ラ ク チ ャ

(HCI)

コスト効率の高い方法でクラウドとオンプレミスの IaaSを管理

Citrix DaaSには、ハイブリッド環境を検討している組織

に役立つ、クラウドベースの豊富で強力な管理ツールセッ トも用意されています。IT部門はこれらのツールを活用す れば、オンプレミス環境とクラウド環境のアプリケーショ ンとデスクトップを容易に最適化および管理できます。プ ロアクティブなシステムの健全性チェックが自動化されて

おり、定期的に実行されるので便利です。シトリックスが 提供するクラウドベースのツールの1つにAutoscaleという コンポーネントがあります。Autoscaleでは、パブリック クラウド環境でユーザーのVDAを実行する仮想マシンの稼 働負荷や利用スケジュールを予測して、自動的に環境をス ケールアップしたり、インスタンスの電源管理を実行しま す。

任意のVDAデリバリーグループにおいてパワーオンす る仮想マシンの数を大幅に拡張または縮小できるので、

Microsoft AzureやAmazon Web Services(AWS)などの パブリッククラウドでCitrix VDAを実行する際のコストが 大幅に削減されます。このような機能により、マシンごと のコストや利用履歴に基づき、削減できるコストを正確 に見積もることが可能です。また、IT管理者は、稼働スケ ジュールによって、実行する負荷によって、両者を組み合 わせて、環境規模のスケールアップやスケールダウンが柔 軟に設定できます。

それでは、スケジュールベースのシナリオで削減できるコ

ストを分析してみましょう。ここでは、上記の表にある

Azure(US West)のコンピューティングインスタンスを

利用します。このシナリオでは、ピークとオフピークの時 間を定義した水平方向のスケールアウトを使用します。オ フピークの時間におけるアクティブなユーザーの数はゼロ です。

「シトリックスのサービスのおかげで、Windows Virtual Desktopの機能 が拡張され、お客様もパートナー様も、Windows 10の仮想デスクトップ 環境が提供する新しいマルチセッション機能の拡張性やコストメリット を実感するようになりました」

– Scott Manchester氏 グループプログラムマネージャー

Microsoft社、Windows Virtual Desktop担当部門

(12)

考慮すべきいくつかの重要なポイントとして以下のような 内容があります。

• 月額のコストを算出する場合、マシンは1か月を通じ て常に(730時間)稼働しているものと想定します。

ストレージのコストはパワーオン、パワーオフにかか わらず月額固定であるとします。

• Autoscaleでは、ユーザーの行動パターンに適切に合

わせ、マシンがパワーオンしている時間を減らしま す。

オフピークの時間になると、すべてのマシンがシャットダ ウンする場合、1か月にマシンが稼働している時間は198 時間になります。削減されるコストは以下のようになりま す。

次のグラフには、常に仮想マシンがパワーオンされている

場合と、Autoscaleでパワーオン、オフを管理した場合で

仮想マシンのランニングコストの相違を示しています。

この例では、Autoscaleによるスケジュールベースの稼働 規模最適化のメリットに焦点を当てていますが、稼働負荷 ベースの最適化の場合でも、同様のコスト削減効果を期待 できます。

管理、セキュリティ、事業継続計画の効率化

Citrix DaaSの主要なメリットの1つとして、IT部門や事業 部門がセキュリティを確保しながらクラウドの導入を効率 化できる点が挙げられます。Citrix DaaSでは、必要とする アプリケーション、データ、ネットワークを信頼性の高い 統合環境でエンドユーザーが利用でき、さらには、既存の オンプレミスソフトウェア環境を拡張することや、クラウ ドを問わずハイブリッドワークスペースサービスを構築す ることが可能です。

2020年にリモートワークを取り巻く状況が一変し、さら には、新型コロナウイルスの感染拡大が続く事態を受け、

世界各国で多くの組織が事業継続計画(BCP)の在り方 を再考しています。LogicMonitor Cloud 2025 Surveyに よれば、「87%の企業がポストコロナの世界においてクラ ウド移行を加速する計画である」ことを示す統計がありま す。データの主権と知的財産の保護の観点から、ローカル でのデータ管理を支持する声は根強く残っています。しか し、クラウドにコンテンツをホスティングする形態やハイ ブリッドクラウドの環境でも、今やセキュリティや拡張性 が強化されているのです。先見性のあるIT部門は、制御を 最大化するためにも、外部の脅威にさらされるリスクを最 小限に抑えるためにも、ハイブリッドクラウド環境を利用 するようになっています。

事業継続計画と障害復旧

いままでの事業継続計画は局所的な障害を対象として設計 されていました。特定データセンターのサービス停止、短 期間の通信障害、限定された範囲の物理障害などに対応す るものです。ハイブリッドクラウドでアプリケーションや デスクトップを管理すれば、ビジネスのニーズに合わせて オンプレミスとパブリッククラウドのインフラストラク チャを統合するうえで、クラウドにホスティングされた信 頼性の高いプラットフォームを利用できます。Citrix DaaS では、オンプレミスのデータセンターやパブリッククラウ ドの複数のロケーションを対象としてグローバルレベルで 素早く、アプリケーションやデスクトップのワークロード を展開することができます。

コロナウイルスの危機に直面した際、Citrix DaaSを利用 しているお客様の状況は、他の組織とは異なっていまし た。このサービスを利用した結果、危機に対応できるITが すでに準備されていたのです。Citrix Cloudの制御プレー ンの活用により、IT部門は環境を管理するツールや監視す るツールを容易に利用できました。また、デスクトップイ メージとアプリケーションパッケージの準備が整っていた ため、すぐに新規の環境をリモートユーザーに展開できま

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した。そして、データセンターでキャパシティが超過した ときでも、クラウドにホスティングした新たなワークロー ドを簡単にオンラインにできたのです。これらハイブリッ ドサイトの管理と監視は、1つのコンソールから行いま す。高度なセキュリティ機能やユーザーアクティビティと セッションのレスポンスを監視するパフォーマンス分析の 機能も利用可能です。利用ユーザーの数が急激に増えてし まったためにサービスを提供するインフラサーバーの増設 が間に合わないときは、Citrix Virtual Apps and Desktops

のRemotePC機能が利用できます。この機能では、管理者

は既存の物理PCにVDAエージェントをインストールすれ ば、すぐにそのデスクトップトップにリモートでセキュア にアクセスできます。ユーザーがPCを使用できない時間 は最小限に抑えられます。

多くのケースでどの管理者も必要としているのは、アク ティベーション、構成、公開の機能です。従業員の数や拠 点の数を急激に増やしている企業や合併や買収によって急 速に成長している企業は、Citrix DaaSを利用し、素早く

(そしてほとんどが数時間以内に)従業員と拠点の生産性 を確保しています。ユーザーは、エンゲージメントや生産 性の維持に必要なすべてのアプリケーションとコンテンツ に、いつでも、どこからでも、信頼性の高い統合カスタム 環境を通じてアクセスできます。

管理者は、ビジネスのニーズに合わせてサービスが実行さ れるよう、リソースを容易に拡張および縮小できます。ま

た、Citrix DaaSの利用から始めて、後で追加のサービス

を購入することが可能です。追加購入は数回のクリックだ けで完了します。現在、オンプレミスのCitrix Virtual Apps

and Desktopsを使用していて、クラウドへシステムを移行

中であるか、クラウドへの移行の準備をしている管理者な ど、多くの管理者がこの方法でCitrix DaaSを利用していま す。

Citrix DaaSでは、複数のデータセンターや複数のクラウ ド、ハイブリッド環境にわたり、複数のリソースロケー ションを簡単に管理できるので、拡張やプライマリとセカ ンダリのロケーション間での移行が容易です。この分散ア プローチにより、単一障害点のリスクがなくなり、自然災 害や障害が発生したときでも、管理者はシステムの運用を 続けられます。不測の事態が発生した場合に備え、Citrix DaaSには組み込みのフェールオーバー機能が用意されて います。この機能は即座にアプリケーションやデータの バックアップを行い、システムを再稼働します。IT管理者

は、データセンターやパブリッククラウドなどのセカンダ リサイトを活用してすぐに、影響を受けたサイトの業務を 再開できます。

クラウドテクノロジーとモバイルテクノロジーにおいて、

性能が向上した一方、利用コストは低下したことから、

Clint Newell Auto Groupなど、多数の企業がイノベーショ ンや効率、事業の推進に向けた新たな手法を模索するな かで、Citrix DaaSを活用するようになっています。Clint Newell Auto Groupの最高技術責任者、Ryan Parker氏は 次のように述べています。「Citrix Cloudの管理プレーン は、アプリケーション、デスクトップ、データ、デバイス の管理とネットワークを1つのプラットフォームに統合し ます。これは、仮想アプリケーションとワークスペースを セキュアに提供するうえで最も効果的な方法です」

適切なソリューションで継続的な運用を確保する IDCによれば、インフラストラクチャで障害が発生する と、大企業の場合、平均で1時間あたり10万ドルの損失が 発生すると言います。重要性の高いアプリケーションで障 害が発生した場合は、1時間あたり50万ドルから100万ド ルと損失の額は一気に大きくなります。Citrix Cloudのプ ラットフォームとCitrix DaaSは冗長性を備えた信頼性の 高いプラットフォームで運用されているため、最大限の アップタイムと優れた障害復旧機能、フェールオーバー機 能が約束されています。この結果、エンドユーザーのサー ビス利用に影響を及ぼす運用の中断は、最小限に抑えられ ます。

シングル・サインオンによる統合認証をユーザーに 提供

今日、ビジネスユーザーは、デバイスやロケーション、

ネットワークに左右されないコラボレーションやワークス タイルを望むようになっており、現場では、IT部門の許可 を得ていないと思われるSaaSアプリケーションやクラウ ドベースのアプリケーションがシャドーITとして利用され ています。そのような部門単位の独自ITのリスクを避ける ためには、全社レベルで新しいワークスタイルを積極的に サポートするクラウド戦略を正式に提供するITアプローチ が望ましいでしょう。しかし一方でIT部門は、新たな脅威 やより巧妙化した脅威に確実に対処できる体制を整えねば なりません。Citrix DaaSでは、クラウドに環境を移行する なかで組織が直面する一般的な脅威や、より複雑な脅威に 対処するための強力なツールや機能が多数提供されます。

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Citrix DaaSは、OktaやPing、Azure Active Directoryな どのさまざまなIDプロバイダーと連携します。この結果、

ユーザーは、標準化されたIDプロバイダーと認証アクセス 戦略を利用することが可能になります。さらに認証の手法 を強化する場合、Citrix DaaSは、多要素認証のプロバイ ダーとも連携します。

ファイルも通信データも、認証情報やデータは常に 暗号化される

パブリッククラウド環境やハイブリッドクラウド環境を利 用する場合、管理者は常にユーザーのパスワードの扱いを 気にかけています。アプリケーションやデスクトップの仮 想化では、アプリケーションの利用に際してエンドユー ザーが何度もパスワードを入力しなくてもすむようにシン グルサインオン(SSO)の機能を提供することが不可欠 です。

Citrix DaaSは、この機能を提供するにあたってオンプレ ミスでパスワードを暗号化するとともに、Citrix Cloudの 制御プレーンのコンポーネントでは暗号を解除できないよ うにしています。ユーザーがパスワードをCitrixアプリに 入力すると、パスワードはCitrix Gatewayに送られます。

Citrix Gatewayは通常、オンプレミスのリソースロケー ションに展開されています。Citrix Gatewayを通過した パスワードは次にCitrix Cloud Connectorに送られます。

Citrix Cloud Connectorもリソースロケーションに配置され ています。Citrix Cloud Connectorはプレーンテキストの パスワードすべてを強力なAES 256の暗号化機能で暗号化 してからCitrix Cloudの管理(制御)プレーンに転送しま す。

クラウドのセキュリティをさらに強化するために、クラウ ドの制御プレーンには、ユーザーとアプリケーションのメ タデータだけを保存しています。すべての知的財産とア プリケーションのリソース/データを含む仮想マシンのイ メージ(VM)は、管理者のいる場所か管理者が選択した リソースロケーションに配置されます。

ユーザーの振る舞い分析でセキュリティ脅威を予 知、早期にリスク対応する

Citrix Analytics for Securityはインテリジェントな学習機能 によりユーザーの日常の振る舞いや属性を学習し、通常と 利用するアプリケーションやネットワークなど状況に乖離 があると、自動的に脅威に対処し、同時に管理者にアラー トをあげてセキュリティリスクを知らせます。

Citrix Analytis for Performanceはユーザーのアプリケー ション操作に対するレスポンスやネットワークの性能など をモニタリングし、性能低下が発生している場合にその原 因をドリルダウンして特定します。

非管理デバイスからのセキュアなアクセス

個人所有デバイスの業務利用(BYOD)のポリシーを広範 に適用していたり、大規模な請負契約やコンサルティング 契約のベースが存在していたり、パンデミックなどの突発 的な変化が発生したりした場合、個人または家族が所有し ているデバイスを使ってリモートで仕事をせざる得ない ケースが出てきますが、そのような場合には、機密性の高 い企業データに非管理対象のデバイスからアクセスするこ とが多く行われるようになります。本年末には、さらに 60億のデバイスが新たにインターネットにつながると、

業界の専門家は予測しており、これは、ハッカーにとって は、ランサムウェアなどのサイバー攻撃で付け入ることの できる隙が広がることを意味します。Citrix DaaSでは、

どのタイプのデバイスでも機密性の高い知的財産が保護さ れるよう、強力なポリシーと制御機能が提供されます。ま た、Citrix Analytics for Securityや、ゼロトラスト・セキュ リティを基本としたシトリックスのクラウドサービスの併 用で、企業の機密情報をより高度に保護する環境も実現可 能です。

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まとめ

従来のオンプレミスによるCitrix Virtual Apps and Desktops 環境は長年にわたり組織の重要な戦略的取り組みを支えて きました。しかし、ハイブリッドクラウド環境や完全なク ラウド環境の提供する課題解決や効率化などの要素を検討 すると、もはやクラウドへシステムを移行したほうがもっ と多くの価値を得られるようになっていると言えます。永 続ライセンスのソフトウェアを購入、インストール、運用 管理する場合と比較して、Citrix DaaSは、技術的にも、経 済的にも、そして付加価値の面でも、大きく差別化された さまざまな機能を提供しています。このドキュメントでこ れまでに説明してきたさまざまな要素を考慮し、クラウド 戦略の一環としてCitrix DaaSを活用している組織では、導 入決定からビジネス価値を実感するまでの期間を短縮し、

柔軟性や機敏性を高めており、さらには、管理やセキュリ ティを効率化しています。Citrix DaaSに環境を移行したと きのメリットは、単にライセンスのアップグレードに関す るメリットだけにとどまりません。Citrix DaaSでは、オン プレミスのCitrixインフラストラクチャを購入、管理する ときと比較して経済面でも戦略面でも大きなメリットが得 られます。

プロビジョニングのボトルネックを排除し、データセン ターやオンプレミス、オフプレミスのクラウド環境へ仮想 ワークロードやエンタープライズアプリケーションを自動 で展開できるようにすれば、価値を実現するまでの期間を 短縮でき、それによってさまざまなメリットが生まれま す。仮想アプリケーションや仮想デスクトップの配信機能 を評価するモデルを構築する場合、シトリックスでは、こ の点を考慮するようお勧めしています。そして、それがで きれば、IT部門は、個々のビジネス要件に合わせたペース でクラウドを導入することが可能です。シトリックスのク ラウドサービスでは、設備投資をしなくても、さらには、

冗長性を考慮することなく、キャパシティを拡張できま す。また、アプリケーションのスケール拡大と縮小や障害 復旧は自動で行われ、質の高いエンドユーザーエクスペリ エンスが実現されます。

ベストプラクティスに基づくクラウドアーキテクチャを活 用し、さまざまなクラウドベースのサービスで、シトリッ クスは大きな価値を生み出します。インフラストラクチャ の調達と管理のコストを削減するほか、セキュリティの問 題やリスクの問題を解消し、ソフトウェアのアップグレー ドにかかる時間と作業を減らします。一方で監理者はいつ も、最新の状態にアップグレードされたソフトウェアを利 用することが可能です。

シトリックスのクラウドサービスの詳細については、

https://www.citrix.com/ja-jp/products/citrix-cloud/をご覧く ださい。

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お問い合わせ 03-4577-5900

シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社

〒100-0013 東京都千代田区霞ヶ関3-2-1 霞ヶ関コモンゲート西館23F

©2021 Citrix Systems, Inc. All rights reserved. Citrix、Citrixロゴおよびその他のマークは、Citrix Systems, Inc. および/ま たはその一つもしくは複数の子会社の商標であり、米国の特許商標庁および他の国において登録されている場合がありま す。その他の社名、商品名はそれぞれの所有者の登録商標または商標です。

付録 : 参考資料

IDCソリューションブリーフィング:パブリッククラウドに おけるVDIのビジネス価値の評価(このブリーフィングに ついては、シトリックスのパートナーの営業担当者にお問 い合わせください)

Citrix Cloud Servicesの経済面における総合的なメリット の評価ガイド

Citrix Workspace Service 関連資料 未来を見据えたワークスペースの準備

Citrix Cloud Workspace service︓導入についての簡単な説 明

クラウドの無秩序な拡大を制御することでクラウド戦略を 効率化

Citrix DaaSの機能の一覧

ソフトウェア開発の段階別の説明 Citrix AutoScale

Citrix Trust Center

インフラストラクチャの削減 — 障害復旧能力の向上 Microsoft Azure TCO calculator(総保有コスト(TCO)計 算ツール)

事業継続計画(BCP)関連資料

「Citrix Cloud Business Continuity Advantage」(ブログ 記事)

「Citrix Cloud Virtual Apps and Desktopsサービスリファ レンスアーキテクチャと展開方法」

参照

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