2006 年度 JBIC 円借款事業 中間レビュー報告書 評価者: 三菱UFJ リサーチ&コンサルティング 原 洋一 中間レビュー現地調査時期:2007 年 7 月 案件名:チュニジア共和国「エルジェム~スファックス間高速道路建設事業」(L/A No. TS-P23) [借款概要] 承諾額/契約同意額/実行額: 12,501 百万円/7,380 百万円/6,101 百万円(2007 年 5 月末時点) 借款契約調印: 2002 年 3 月 貸付実行期限: 2009 年 12 月(L/A 発効日より 7 年) 実施機関:チュニジア高速道路会社 維持管理機関:チュニジア高速道路会社 中間レビュー選定基準:プログレス・レポート未入手 [事業目的] 首都チュニスの南方に位置する都市エルジェムからスファックスまでの高速道路(50.3km)及び連絡道路(6.0km)を整備することにより、同地域における効 率的な生産・物流体制の確立をはかり、もって同国の南北地域の統合的な経済発展に寄与する。 コンサルタント:日本工営(日)・SCET Tunisie(チュニジア)
コントラクター:Afrique Travaux/Soroubat(ロット 1:El Jem-El Hancha 間)、SBF/ETEP(ロット 2 : El Hancha-Sfax 間)(チュニジア) [結果概要] 項目 事前評価結果(2002 年 3 月) 中間レビュー結果及び 中間レビュー時に想定される事後評価内容 [妥当性] (1) 国家政策レベル 策定中の第10 次 5 カ年計画(2002-2006 年)では、第 9 次 5 カ 年計画(1997-2001 年)に引き続き「産業競争力強化のためのイ ンフラ整備」を政策指針の一つとして位置づける方向で検討され ている。インフラ整備の中では特に物流の円滑化、迅速化を図り、 産業競争力を強化するための運輸セクターが重要な位置を占め (1) 国家政策レベル 第11 次 5 カ年計画(2007-2011 年)においては、開放的な市 場、生産性の向上、新規雇用の創出等を通じ、年率 6.1%の経 済成長の達成を目指している。そのなかで、産業競争力を強化 するための運輸セクターは引き続き重要な位置を占めている。 特に高速道路網の整備については、隣国との経済交流・貿易活
ている。 一方、EU との自由貿易協定の締結(1995 年)に基づき EU と の間で関税障壁の段階的な撤廃(2008 年までに完全撤廃)が予定 されており、貿易、流通の活性化が見込まれるところ、運輸イン フラの整備は重要課題となっている。 (2) 施策レベル 運輸セクターの中でも道路については、同国における陸上輸送 の主体として旅客で9 割以上、貨物で 8 割以上を占めており、道 路整備が同国の経済活動に与える影響は大きい。道路セクターに は第9 次 5 カ年計画における運輸セクター予算で最大の割り当て がなされている。 運輸セクター投資額 (単位:百万ディナール) 第8 次 5 カ年計画 (1992-1996) 第9 次 5 カ年計画 (1997-2001) 道路 487 781 鉄道 290 336 港湾 157 625 空輸 646 630 その他 27 43 合計 1,607 2,415 (出展:経済開発省) 道路整備の中でも物流・人の移動の効率化を図り、産業競争力 を強化する為のバック・ボーンとしての高速道路整備は重要視さ れており、1998 年 9 月に高速道路開発計画が策定され、同計画に 基づき、首都チュニスを中心として、南部へ延びる約260km、西 発化、観光など人的交流の一層の促進のために投資を続けるこ との重要性が強調されており、幹線道路と地方道路の整備を進 めること、工業地帯や商業都市を連結するためのネットワーク 構築の必要性が指摘されている。 2008 年を目標とする関税障壁撤廃スケジュールは引き続き 有効であり、事前評価時の想定どおり2008 年以降の貿易・流通 の一層の活性化が見込まれており、国家政策レベルにおける本 事業の重要性が引き続き認められる。 (2) 施策レベル 運輸セクターにおける道路セクターの位置づけや重要性は 変わっていない。事前評価時以降の国家開発計画(第10 次及び 11 次 5 カ年計画)における運輸セクター投資額は下表のとおり である。運輸セクターのうち道路セクターに対する割り当ては 各々57%(10 次)、31%(11 次)となっており、最大の予算配分先 となっており、引き続き道路セクターの重要性は高い。 運輸セクター投資額 (単位:百万ディナール) 第10 次 5 カ年計画 (2002-2006) 第11 次 5 カ年計画 (2007-2011) 道路 1,558 2,057 鉄道 409 1,782 港湾 178 1,003 空輸 527 1,685 その他 55 80 合計 2,727 6,607 (出展:開発国際協力省) 事前評価時に確認された高速道路開発計画は現在も存続し ており、その一環として本事業が実施されている。本事業によ
部へ延びる約140km、北部へ延びる約 50km の 3 つの軸を中心に 高速道路整備を進めている(2012 年までに 5 つの高速道路、総延 長約520km の建設を目標としている)。 (3) 計画レベル 首都チュニスと、チュニジア第2 の都市スファックスとを結ぶ 既存の国道(GP1 線(本事業対象区間を含む))は、同国の重要 な幹線道路で交通量(特に大型トラック等の商業車)が多い。同 国道は片側1 車線の一般道路であり、同地域の経済活動の活発化 に伴って交通量は今後年間 4.6%の割合で増加していく見込みで あり、交通事故、輸送時間の増加等の問題が懸念される。かかる 問題点を解消し、安全性の向上及び物流の効率化を図るべく、新 規高速道路を建設する必要がある。 り建設される部分は、左記のチュニスから「南部へ延びる約 260km」のうち「エルジェム~スファックス」間の 50.3km 分。 同路線は、欧州投資銀行(EIB)支援による「ムサケン~エルジ ェム」路線と同時に建設が進められており、両者を併せた「ム サケン~スファックス間(97.7km)」が完成すれば、建設済みの 高速道路総延長は356km となり、全体計画(総延長 520km)の 68%が開通することになる。 (3) 計画レベル チュニスから地中海沿岸を南下しリビア国境に伸びる陸路 の重要性は高い。スファックスは商工業都市として発展を続け ており、海浜部の再開発によって新しく市街地が形成され、同 市の南近郊では新しい石油精製施設を建設予定である等、産業 発展の中心となっている。更に、ムサケン北方のスース市近郊 において新空港建設計画もあるなど、交通量年間 4.6%の成長 率予測は妥当である。従って、本事業へのニーズ・優先度の高 さは事前評価時より不変である。 本事業はチュニジアの国家政策、施策に合致しており、高速 道路建設への高いニーズが確認できたことから、本事業の必要 性・妥当性は極めて高いものと判断できる。 [有効性] (インパクト) (1) 運用効果指標等 ① 定量的効果 指標名 高速道路 供用前 (2006 年) 高速道路 供用後7 年 (2013 年) (a) 運用指標 既存国道 14,338 10,762 日交通量 (1 日平均交通量 (台)/年) 高速道路 (本事業) - 10,762 (1) 運用効果指標等 ① 定量的効果 指標名 中間レビ ュー時 (2007 年) 高速道路 供用後7 年 (2015 年) (a) 運用指標 既存国道 - 11,775 日交通量 (1 日平均交通量 (台)/年) 高速道路 (本事業) - 11,775
(b) 効果指標 走 行 費 削 減( デ ィ ナール) 42.94 39.25 時間短縮 1 時間 36 分 55 分 既存国道 94.3 64.6 交通事故減少(件) 高速道路 (本事業) - 57.0 (c) 内部収益率 EIRR(経済的内部収益率) 18.9% FIRR(財務的内部収益率) 4.5% ② 定性的効果 首都チュニスと商工都市である第2 の都市スファックスが高速 道路により繋がることによる経済活動の活発化、産業発展の促進 が期待される。 (b) 効果指標 走 行 費 削 減( デ ィ ナール) - 39.25 時間短縮 - 55 分 既存国道 - 64.6 交通事故減少(件) 高速道路 (本事業) - 57.0 運用指標について、本事業は道路を新設するもので未だ供用 開始されていないことから、「高速道路(本事業)」の実績値は 存在しない。一方、「既存国道」のデータは設備住宅省が5 年毎 に計測しており、2007 年の年間平均 1 日交通量の計測が現在進 行中である。数値計算の前提条件については、実施機関である チュニジア高速道路会社(STA)との協議結果、事前評価時の 前提条件が引き続き妥当なものと判断された。他方、工事進捗 の遅れから、供用開始が 2008 年以降になることが想定される 為、目標年は2015 年(供用開始後 7 年)となると予想され、事 前評価時の需要予想(交通量年間4.6%成長)を用い、2006 年の 予測値を基にして計算すると暫定的に 2015 年は 11,775 台(既 往国道、高速道路各々)という数値が導かれる。 効果指標について、目標値は高速道路供用後をターゲットと しているが、建設される道路規格は当初予定のとおりであるこ と、及び事前評価時の前提が引き続き有効と判断し得ることか ら、効果指標の変更は現時点では必要ないと判断した。 ② 定性的効果 スファックス市の海浜部の再開発と新しい市街地の形成、近 郊における工業化の進展、スース近郊の新空港建設計画、リビ アとの交易の活発化などの要因から、経済活動の活発化及び産 業発展の促進が引き続き期待される。現在、これらの定性効果 を阻害するような外的要因は予見されず、事後評価時にはこれ
(2) 有効性及びインパクトに影響を与えうる要素の分析 (i) 環境・社会配慮 環境への影響については、高速道路沿線において、騒音影響 が懸念される範囲内に住宅及びその他騒音に敏感な対象(学校、 病院、図書館等)がないこと、また工事中に発生する排水につ いては排水処理場まで、廃棄物については廃棄物処理場までそ れぞれ運搬され適切に処理されることから、環境への著しい影 響はないことを確認している。 本事業における自然環境/社会環境への影響については、雇 用されるコンサルタントによりモニタリングされる。 (ii) 住民移転・用地取得 392ha の用地取得及びアクセス道路沿いの養鶏場の鶏舎移設 を要するが、住民移転は発生しないことを確認している。用地 取得については、設備住宅省が取得予定地の地価算定に基づき 行うが、本事業地の各地方自治体が主体となり設立された用地 取得委員会(国、農民組織等も参加)が、土地所有者への説明、 交渉等にあたることとなっている。審査時、全取得予定地の地 価算定が終了しており、2002 年半ばには用地取得につき土地所 有者との合意がなされる予定である。 (iii) 他ドナーとの役割分担 本事業の北部区間であるムサケン~エルジェム線は EIB が融 資予定である。完成時期は本事業と同時期となる予定であるが、 事業の進捗をフォローする必要がある。 らの定性的効果が発現していることが期待できる。 (2) 有効性及びインパクトに影響を与えうる要素の分析 (i) 環境・社会配慮 環境への影響については、左記の事前評価時想定どおりであ り、工事進行の過程で騒音被害、排水による汚染、廃棄物処理 に伴う問題等は生じていない。環境に配慮しつつ、工事に必要 な許認可はすべて取得しながら実施を進めている。 コンサルタントによる自然環境、社会環境への影響に対する モニタリングは適切に行われている。 (ii) 住民移転・用地取得 用地取得は設備住宅省により予定どおり完了。住民移転も発 生していない。 なお、養鶏場の鶏舎については、移設の必要は結局生じなか った。養鶏場の敷地の一部が工事用地にかかっていたが、この 一部分の区画のみを所有者に補償金を支払って取得した結果、 工事は支障なく進めることができた。サイト視察の際、対象鶏 舎を訪問したところ鶏舎から道路工事対象部分までは充分な距 離があり、また従業員へのヒアリングでも問題なきことを確認 した。 (iii) 他ドナーとの役割分担 EIB融資対象区間(ムサケン~エルジェム線)と本事業(エ ルジェム~スファックス線)の完成時期はほぼ同時期(2008年3 月)の予定であり、有効性への影響はないことが見込まれる。
(3) 持続性に影響を与える事項 (i) チュニジア高速道路会社(STA)の運営・維持管理体制 STA は 1992 年に高速道路の建設、運営、維持・管理を目的と して設立され、政府とのコンセッション契約に基づき高速道路の 建設、運営、維持・管理を行っている。2001 年末現在、資本の 87%が政府出資、残りは、国営銀行等の公的機関による出資とな っている。 2000 年末時点での STA の職員数は 217 人である。 高速道路の料金徴収、維持・管理については各高速道路につい てSTA 内に運営課(Operational Sub-division)を設置する予定(各 運営課はそれぞれ料金回収約50 名、維持管理約 20 名で構成)。 (3) 持続性に影響を与える事項 (i) チュニジア高速道路会社(STA)の運営・維持管理体制 2005 年末現在、チュニジア政府の保有比率は 95.99%であり、 2001 年末の 87%に比べ政府の保有比率は増加している。 2006 年末時点での STA の職員数は 363 人である。その推移 と今後の増員予定は下表のとおり。なお、STA 職員の採用・増 員及びこれにともなう一般管理費の財源はSTA の自己資金によ ることが原則で、政府が直接・間接に係わることはない。従っ て、2007 年以降の増員計画の実現可能性は STA の財務マネジメ ント能力によるところが大きく、今後もSTA の財務状況をモニ タリングすることが重要と思われる。 STA における人員推移と今後の増員予定 2003年 2004年 2005年 2006年 2007 年 (予定) 2008 年 (予定) 2009 年 (予定) 353 人 358 人 360 人 363 人 377 人 446 人 530 人 (出所:チュニジア高速道路会社(STA)) 本事業区間を含む「ムサケン~スファックス線」の運営課は、 現時点では未だ設置されておらず、同路線の完工・開通後に設 置される見込み。計画では、料金回収班、維持管理班を併せて 計84 名から構成される予定。充分な技術能力を持った人材が投 入される見込みであり、路線規模(97.7km)に見合った適切な人 数配置となっている。 プログレス・レポート作成の体制は、スファックスの現場事 務所に常駐する STA 所属の所長が執筆し、チュニスの STA 本 部の担当者がチェックのうえ、総裁名にてJBIC に提出すること となっている。同レポートの第1 回分は提出が遅れたものの、 現地調査直前の2007 年 6 月に JBIC パリ事務所に提出された。
(ii) STA の財務・経営状況 2002 年時点現在、STA は黒字経営を行っており財務状況も良 好である。同国では1990 年から高速道路が有料化され、STA か らの要請に基づき今後、高速道路の料金値上げが実施される見込 みである。STA の効率的な経営体制のもと、今後とも現在の営業 収益と営業費用の比率は概ね2 対 1 のバランスで安定的に推移す ることが見込まれており、債務の返済にも特段問題がないものと 思われる。 なお、本事業において設置される料金所については、チュニジ ア側の要望でSTA の自己資金にて建設される予定。 (iii) STA の運営・維持管理における技術 STA では電子カードによる自動料金収受システムを導入する など、高い運営・維持管理能力を有する。 (ii) STA の財務・経営状況 STA の自己資本比率は、46%~50%程度の範囲で推移してお り安定している。高速道路基金を通じた政府からの増資によっ て払込資本額は 1998 年から 2006 年にかけて約 32 倍に増加。 2006 年時点の短期支払能力を示す流動比率は 376%、長期支払 能力の目安となる固定比率は 140%と妥当な水準にある。財務 構造の安全性の観点から問題はない。 ただし、一般管理費・再委託費・既往インフラ維持管理費等 の営業費用の増大により利益率(下表参照)が毎年悪化してお り、営業キャッシュ・フローも安定していない。利益改善のた め、STA では 2003 年に道路料金の値上げ及びコンセッション料 値下げを政府に対して申請し認可された経緯があるが、現時点 では未だSTA の財務状況改善という効果としては発現していな い。STA は円借款の直接借入人であることからその財務状況に ついて引き続き注意深くモニタリングしていく必要がある。 2003年 2004年 2005年 2006年 総収入 100% 100% 100% 100% 営業費用 86.5% 96.6% 94.9% 99.3% 営業利益 13.5% 3.4% 5.1% 0.7% (出所:チュニジア高速道路会社(STA)) 円借款区間の料金所の設置については、隣接するEIB支援区 間の料金所と一緒に、EIB資金によって建設される予定である。 (なお、これは、EIB支援区間において節減できた建設費用を有 効活用するために、STAが当初自己資金で調達するとした計画 を変更し、EIB事業の一部として建設することにしたもの。) (iii) STA の運営・維持管理における技術 現在、電子カードによる自動料金収受の割合は16%、手作業 による収受は84%となっており、STAでは今後も電子カード普
及を更に促進していく方針である。 実際に、既往の「チュニス~ムサケン」「チュニス~ビゼル ト」の両路線を走行した結果、道路や料金所のメンテナンス状 況は大変良好であり、STAの高い運営維持管理能力が確認でき た。 参考情報 [効率性] (1) アウトプット (2) 期間 (1) アウトプット (a) 土木工事 ①高速道路(延長:50.3km(アスファルト舗装)、幅員:34.0m 片側2 車線:3.5m×4=14.0m、中央分離帯:12.0m 路肩:4.0m×2=8.0m ) ②連絡道路(延長:6.0km(アスファルト舗装)、幅員:26.0m 片側2 車線:3.5m×4=14.0m、中央分離帯:6.0m 路肩:3.0m×2=6.0m ) ③インターチェンジ:3 ヵ所 ④橋梁:4 ヵ所 ⑤跨道橋:27 ヵ所 ⑥その他構造物(排水溝、交通安全施設等) (b) コンサルティング・サービス ①施工管理(現場監督、進捗管理及びレポートの作成等) ②環境配慮(マネージメント及びモニタリング。モニタリング 項目は、表流水及び地下水の水質、埃など大気汚染の状況、騒 音、土壌汚染、動植物への影響等) コンサルティング・サービスの想定M/M は計 343M/M(Foreign、 Local 全て含む)。 (2) 期間 2002 年 3 月 – 2006 年 3 月(49 ヵ月) (1) アウトプット (a) 土木工事 スコープはほぼ計画通りであり大きな変更はない。(軽微な 変更点として、橋梁の数が、当初予定の4ヵ所から3ヵ所に変更。 これは入札時にケド・チェリタ地区の80m橋梁を、排水路を兼 ねたボックス・カルバート(=道路の下を通る地下道)に変更 したことによる。) (b) コンサルティング・サービス TOR、M/M ともに計画通り。 (2) 期間 2002 年 3 月- 2008 年 3 月予定(73 ヵ月)
工事は2005 年 4 月に着工、2008 年 3 月完工予定。 プロジェクト全体の実施期間が遅延した主要因はコンサルタン トおよびコントラクター選定に時間を要したことによる。(コン サルタント選定は2 年 4 ヶ月の遅延、コントラクター選定は 1 年6 ヶ月の遅延)。 尚、サイト視察時(2007 年 7 月)の工事の完成状況は 60%、現在 (2007 年 11 月末)では 80%程度であり、2008 年 3 月の完工を 目指している状況にある。 [教訓及び提言] [教訓] ・本事業のように高速道路が新設かつ建設中で供用開始されていないことから交通量調査の実績がない案件においては、今後、完 工後の事後評価に備え、実施機関に対し運用効果指標測定のためのデータ収集及び体制整備をリマインドしておくことが望まし い。また、特に、JBICの駐在員事務所がない国で事業を実施したり、実施機関が初めて円借款事業を実施する場合には、プログレ ス・レポートによる定期的な進捗報告が行われるよう、実施機関に対する注意喚起やモニタリングを強化する必要がある。 [提言] ・現時点では、EIB融資による建設区間と同時期完工(2008年3月)の見込みではあるが、本事業の工事進捗が予定通りに終わらな い可能性もあることから、効果発現に向けて引き続き事業進捗をフォローする必要がある。 ・円借款の直接借入人であるSTAの財務状況については、営業利益率の悪化が見られることから、特に損益状況と営業キャッシュ フローの推移を中心に引き続き注意深くモニタリングを継続する必要がある。将来のキャッシュフロー確保の前提として、2003年 度に引き続いて今後もSTAが申請する高速道路料金値上げ及びSTAが政府に支払っているコンセッション料の値下げが、政府に認 可されること、および営業費用が大幅に増加しないことが重要な要素である。 [事後評価時用設定指標] 事前評価時に想定した指標 (1) 日交通量(1 日平均交通量 (台)/年) (2) 走行費削減(TD) (3) 時間短縮 (4) 交通事故減少(件) (5) 内部収益率:EIRR 18.9% FIRR:4.5% 事前評価時に設定された左記の評価指標項目に変更はないが、 目標年次は変更の必要が生じている。