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鵜飼康東先生の定年ご退職にあたって

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鵜飼康東先生の定年ご退職にあたって

その他のタイトル Dean's Message to Professor Yasuharu UKAI

著者 上島 紳一

雑誌名 情報研究 : 関西大学総合情報学部紀要

巻 42

ページ 1‑2

発行年 2015‑02‑28

URL http://hdl.handle.net/10112/8831

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鵜飼康東先生の定年ご退職にあたって

総合情報学部長 上島 紳一

 鵜飼康東先生は,1970 年 3 月に早稲田大学第一政治経済学部経済学科をご卒業後,一橋大学 大学院経済学研究科修士課程に進学し,1975 年 3 月に同博士課程単位修得後に退学された.直 ちに関西大学経済学部専任講師として奉職され,1980 年には助教授に昇進された.1981 年 9 月 から 1 年半の間には,ハーバード大学大学院経済学研究科フルブライト研究員として,また 1989 年 9 月から 1 年間には,オックスフォード大学聖アントニーズカレッジにおいて客員研究員と して研鑽を積まれている.その後,総合情報学部設置準備委員として学事,人事などに関する 学部骨子の策定に奔走され,1994 年 4 月の発足とともに経済学分野の教授として着任された.

引き続き学部創成期の執行部体制を支え,その後,大学協議員として全学的な意思決定にも参 画された.2014 年 3 月関西大学の定年ご退職に際して,長年の本学に対するご貢献に対し,名 誉教授の称号が授与されている.その後も関西大学政策創造学部特別任用教授として教育・研 究に携わっておられる.

 教育・研究の面においては,先生は大学間連携の重要性を提唱され,関係する他大学と経済 学共同セミナーを立ち上げて多数の優秀な人材を育成し,社会に送り出された.このセミナー を萌芽として,分野横断型の全学的研究拠点を構想され,関西大学ソシオネットワーク戦略研 究センターとして実現された.設立者,そしてセンター長として組織を長期に渡り運営する一 方で,中心研究者として持ち前の広い視野と発想力で,社会科学と情報学の学際領域を開拓さ れ,同分野の若手研究者の育成にも積極的に努められた.更に,同分野の発展を企図して,研 究用のミクロ・データ収集と政策支援ソフトウエアのアーカイブの整備にも努められ,研究資 源の共有を進められた.この結果,同センターは,2008 年度に新制度として発足した文部科学 省共同利用・共同研究拠点の全国 5 拠点の 1 つとして認定されソシオネットワーク戦略研究機 構に改組された.先生の学術研究に対する精神は現在も同機構に引き継がれ,2013 年度から継 続して経済政策分野の拠点として再認定され,現在に至っている.

 また,早くから分野を問わず外部資金の導入による研究の加速力を指摘され,自らが牽引車 となって文部科学省私立大学学術研究高度化推進事業や科研費などの大型研究費の導入を実践 するとともに,海外有力出版社と連携して新しい論文形態のあり方や研究成果の公開・流通の あり方を議論したり,先進的な遠隔共同研究設備を整備する等々,研究支援の数々の局面で先 鞭をつけられ,同時に若手研究者の研究環境の醸成にも貢献された.

 こうしたご多忙の中にあっても,鵜飼先生は,ご自身で多数の学術書,学術論文,論考など を発表し続けられている.詳細は後に示される通りであるが,いずれも先端的な経済学や経済 政策学と情報学の視点の融合を目指した内容となっており,時に経済政策学の問題を情報学の 角度から捉え,時に視座を変えて先端的な情報技術を経済学の角度から議論するなど,学問的

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な視点を自在に設定し,鋭い分析力と論理展開力を存分に振るって問題に切り込まれている.

 また,先生は学術以外の領域においても造詣が深く,特に歌歴においては,角川短歌賞を受 賞され,また,現代歌人協会会員,日本文藝家協会会員に推薦されている.文学著書,論稿そ して評論も上梓されるなど,同分野の発展にも貢献されている.先生の学問的・文化的な感性 の広がりは誠に大きく,すべてが高度な次元で融合されているのであろう.

 総合情報学部,そして関西大学の歴史の中に確かな足跡を残された鵜飼先生のますますのご 健勝と今後の一層のご活躍をお祈りする次第である.

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