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実川恵子先生のご退職にあたって

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Academic year: 2021

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本学部で教鞭をとられてきた実川恵子先生が,今年度をもってご退職されることになりました.これ までの先生のご活躍に対して,ひとことお礼の言葉を述べさせていただきます. 実川先生は,立正大学大学院在籍中の1974年に文教大学の前身である立正女子短期大学の助手に着任 されました.その後,文教大学付属中・高等学校の非常勤講師,文教大学女子短期大学の講師,助教 授を歴任された後,2003年に文教大学教育学部に教授として移籍され現在に至ります.のべ40年にわた り,本学園でご研究・ご教鞭をとられたことになります. ライフワークとしては,日本の古典文学,中でも後拾遺和歌集を中心とした和泉式部など女流歌人の 革新的な歌風について,また,和歌文学から平安朝物語文学への変容などの研究テーマについて取り組 まれてきました.今回,本学を退職されるにあたり,これまでの研究成果を総括して,『後拾遺和歌集  新風と「をかしき風躰」』(武蔵野書院 2020)も公刊されることになっています. 本学部の学校教育課程国語専修に着任してからは,ご専門の古典関係の授業から,時には絵本に関す る授業まで担当され,現在は日本文学概論,日本文学講読Ⅰ,日本文学史Ⅰ,日本文学演習Ⅱ・Ⅲ,卒 業研究を担当していただいております.ご専門の学識を踏まえながら,幅広い経験や知見から,熱心 に,そしてフランクに学生の指導にあたっていただき,多くの学生が先生の学問に触れて成長していま す.特に,本学部の受験科目には古典分野がないため,古典の知識が少ない学生,そもそも古典嫌いに なった状態で入学してくる学生が少なくない中,先生の指導を通じて古典が好きになった,もっと古典 を研究したくなったといった学生が増えたことも,同じ国語専修の教員として大変喜ばしい限りです. 先生の授業は,なぜ学生たちを惹きつけるのか.「古典への愛がある」と学生たちは答えます.先生 の語り口調は大変に情熱的です.一語一語に込める熱量があります.この熱の源泉がどこから来るの か,何かの折に伺ったことがあります.「そんなことはないわよ」と照れ笑いを浮かべながらも,先生 はご自分の古典文学研究のきっかけとなった大学時代のことをお話しくださいました. 先生は,いわゆる「団塊」の世代,全共闘世代として,学生運動,学園紛争のまっただ中に青春時代 を過ごしたそうです.「いろいろな意味で自分の存在や価値観,生きる意味をつきつけられた学園生活 だった.そんな,なんとなく満たされない,悶々とした生活の中で,私の心をとらえたものは文学だっ た.」「言葉で綴られた限りない魅力の世界の数々に触れて,更にその神髄に近づきたいという気持ちに なった.それはその時出会った若い先生方の影響だった.」教員紹介誌にはこのようにあります. 先生はご自身が学生時代に体験した古典文学研究との出会いを,本学の学生たちに追体験させようと されてきたのではないか,若い瑞々しい感性をもったひとりの教員として「なんとなく満たされない, 悶々とした生活の中」にいる学生たちに指導をされていたのだ,と思うのです. 国語専修に移籍していただいてから17年の間,国語専修主任として,文教大学国文学会会長として, 教室運営にもご尽力いただきました.学生たちだけでなく専修の教職員も,先生には大変お世話になり ましたことに心から感謝いたします.先生の今後の益々のご活躍と健勝を心からお祈りするとともに, 本学部へのご教示やご鞭撻を引き続きお願いしたいと思います.ありがとうございました. (はぎわら としゆき 文教大学教育学部学校教育課程国語専修主任) (おことわり) 実川先生の経歴・主要業績につきましては,ご本人の意向により本誌掲載を割愛させていただきます. (紀要委員会)

実川恵子先生のご退職にあたって

萩原 敏行

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