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牛肉の食味性に影響を及ぼす要因に関する研究 Studies on the factors involved in beef palatability

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Academic year: 2021

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要旨

牛肉の食味性に影響を及ぼす要因に関する研究

Studies on the factors involved in beef palatability

飯田文子

TPP の導入に伴う国産牛肉の消費の低下を防ぐために、国産牛肉の食味性を 活かした保存並びに調理方法を明らかにすることは重要な課題である。本論文 では、牛肉の加熱方法、脂肪含量並びに長期熟成処理を取り上げ、それぞれが 食味性に及ぼす影響を調べた。

第 1 章では、国産牛肉をロースト、グリル、煮熟、真空低温調理、電子レン ジで調理した後、官能評価、クッキングロス、破断特性、一般成分並びにうま 味成分を測定した。その結果、グリルおよびロースト調理では多汁性が高く、

官能評価でも高値を示した。煮熟調理は全ての評価で中くらいの評価であっ た。真空低温調理による牛肉は、やわらかく、うま味強度も高いが、香りの評 価値が低かった。電子レンジ調理はいずれも低値であった。 以上の結果か ら、グリルおよびロースト調理が、国産牛肉の最適加熱条件であると判明し た。

第 2 章では、牛肉の脂肪含量が食味性に及ぼす影響を調べた。黒毛和牛の格 付け等級 2-5(粗脂肪含量 24~49%) 34 頭を用いて、グリル調理した各牛肉の 官能評価、理化学成分及び物性測定を行った。その結果、粗脂肪含量の増加 は、肉質評価のやわらかさ、多汁性、脂っこさを増加させた。脂肪含量の過度 の増加は、水分を減じると同時に、タンパク質量とうま味成分量も減らした。

脂肪の存在は、うま味や風味の感覚を増強し、総合評価を高めたが、その含量 には適量があり、約 36%が最も食味性が高いことが明らかとなった。

第 3 章では、黒毛和牛肉のドライエイジング法による 60 日間の長期熟成が食 味性に及ぼす影響を調べた。但馬牛 5 頭を用いて、と畜 4 日から 60 日までの一 定期間貯蔵したロース肉の官能評価、うま味成分分析、破断測定を行った。その 結果、官能評価による「やわらかさ」は、熟成期間中に大きな変化は認められな かった。官能評価による「風味」と「うま味の強さ」は熟成に伴い増強し、30- 40 日で高値を示した。肉中のグルタミン酸量とイノシン酸量から算出されるう ま味強度は 40 日間の貯蔵で最大値を示した。以上から、風味を増強させるうま

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味強度が最も高い 40 日間が最適な熟成日数であると判明した。

本論文で得られた知見は、国産牛肉の特徴やそれを活かした調理方法や保存 方法の解明に少なからず貢献したと考えられる。また、国産牛肉をわが国の誇る 主要な畜産物輸出品目の1つとして確立するための条件を示唆しうることもで きたといえよう。

参照

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