47
わが国 にお ける紙卸商 の立地展 開
The Locational Behaviours of Paper Wholesalers in Japan 塩 J‖ 亮
Makoto SH10KAWA
(平成 2年10月 11日受理)
I は じめ に
わが国経済の高度成長期 において、生産部門、特 に工業 においては、大企業を中心 に重化学 工業化、量産化が進行 した。一方、消費 においては、消費生活が高度化 し、大量消費の大衆市 場が形成 された。 これに対 して、生産 と消費 を結ぶ流通部門においては、い くつかの変革 がな された。そ してそれ らの変革 は、流通の地域構造 にさまざまな変化を もたらした 傷訓│,1982)。
流通 は地域的分業形態を示す ものであ り、地域構造の解明を研究課題 とす る地理学 にとって は、 きわめて重要な研究対象であった。 しか しなが ら、流通 に関す る地理学的研究 は、その重 要性 にもかかわ らず、資料の不足等の問題 もあ り、必ず しも十分な蓄積がみ られなか った (長 谷川,1974)。 その申で、全国的な地域間商品流通 については、従来卸売業、 とくに卸売商圏を 中心 とす る研究が主で、都市の勢力圏 との関連で明 らかにされてきた。 しか し一口に卸売業 と いって も、1次卸や2次卸 もあ り、元卸、中間卸 もあれば、最終卸 もある。 したが って、流通 機構 との関連で地域間商品流通を明 らかにす る必要がある (日野,1978)。 本稿 は、商品 の地域 間流通の分析の一段階 として、 日用消費財である紙・ 紙製品を事例 に、 その地域間流通の実態 を流通段階別 に分析することを目的としたも
日用消費財 の一つである紙 については、その生産分布 に関する研究 はい くつかみ られ るが、
流通 についての地理学的研究 は、 ほとんどみ られない。紙の流通機構 は非近代的な部分が残 っ てお り、家庭電器・ 自動車・ 加工食品など大手 メーカーによるマーケ ッティングの進んだ部門 に比べれば複雑である。 しか しなが ら、そこにおいて も、近年 さまざまな流通の変革の波が押 し寄せ、その流通構造 も変化 しつつある。本稿 においては、紙の流通構造を明 らかにする第1 段階 として、紙流通の中で主要な役割を担 っている紙卸商を取 り上 げ、 その立地展開な らびに 地域的性格を明 らかにすることを試みた。
Ⅱ 紙 の生 産 と消費 の特 色 (1)生産
わが国の紙 。パルプ産業 は日用消費財部門 として、 また基礎素材型産業 として、高度成長期 に大 きく発展 し、パルプにおいてはアメ リカ、 カナダに次 いで世界第3位、紙 については同第 2位の生産量をあげるまでになったが、高度経済成長期 とそれ以降の期間において、設備拡大 による生産過剰・ 価格競争・ 市況の低落・ 操業短縮を繰 り返 してきた。近年 において も、1983 年 に「特定産業構造改善臨時措置法」の業種指定を受 け、構造改善 を実施 した こともあ うた (1988年 3月 指定解除)。
48 塩 ′‖ 一元
1989年 のわが国の紙生産量 は2,681万 トンであるが、 この うち洋紙 は53.7%、 板紙 は41。3
%、 家庭紙 は5.0%を占めている。品 目別1)には、洋紙 においては、印刷・ 情報用紙が61.2%、
新聞巻取紙が22.4%で、包装用紙が8。2%を占めている。板紙 においては、 ライナーが44.0%、
中芯原紙が26.9%で、 これ ら段 ボール原紙が70。9%とな っている。 また家庭紙では、 トイレッ
トペーパーが49.7%、 ティッシュペーパーが 33.0%と 多い。
紙・ パルプ産業のような装置産業においては、大規模化 による利益、すなわち規模の拡大 に よるメ リッ トは大 きいが、1982年 の生産の集中度 においては、洋紙・ 板紙・ 家庭紙計で上位 5社が全生産量の34.7%を占めているにす ぎず、上位10社計で も48.0%と 少ない。 もっとも、
これは品 目によって異な り、家庭紙 (上位5社計19。9%)、 板紙 (同26.0%)は比較的低 いの に対 し、洋紙、特 に大規模生産品目で大手 メーカーに有利な新聞巻取紙 においては、上位5社 計で81。9%、 10社計で 97.8%と 高 い集中度を示 している。 しか しなが ら、 多 くの品 日で集 中 度 の低 いことは、生産面のみな らず流通面 にも影響を与え、流通機構を複雑 にさせる原因の一 つになっている。
表 1の 地域別生産量 によると、1989年 において、洋紙 (家庭紙 も含 む)
と最 も多 く、次 いで北海道 (20.3%)、 四国 (18.4%)の順 にな ってい る。
は、関東が 45.0%と 最 も多 く、次いで近畿 (17.2%)とな っている。
表1 通産局別洋紙・ 板紙生産量 (1973089年)
*静岡県 は関東 に含む。
「紙・ パルプ統計年報」 による。
121 消費
紙の消費 について 1989年 の実績か らみると、産業用消費者別には、洋紙では印届J業32.0%、
新聞業27.8%、 出版業19。7%など、板紙 は段 ボール製造業者が72.8%と圧倒 的に多 く、次 い で紙器製造業の10.6%、 印刷業の6。1%となっている。 これを品 目別 にみると、新聞巻取紙 は 新聞業が98.5%、 印刷・ 情報用紙 は印刷業が49。1%、 出版業 が31.5%、 包装用紙 は紙袋製造 業が36.5%、 段 ボール原紙 は同製造業が95。2%、 自板紙は紙器製造業が41.8%、 印刷業が40.0%
を消費 してお り、品目によらて需要者が異なっている。
都道府県別構成比では、洋紙 は東京 (63.2%)、 大阪 (17.1%)、 愛知 .6%)、 福岡 0。3%)、
では関東 が22.0%
また板紙 において
(単位:千 トン)
洋 紙 板 紙
tsTs+ |
reBe+ 1973年 ̲1989年計 8.220
(96)
100.0 15,726
(96)
100.0 7,753
(96) 100.0
│ (%)
11,083 1 100.0 777 1 7.0 608 1 5.5 4,984 i 45.0 1,232 1 11.1 1,902 1 17.2 454 1 4.1 444 1 4.0 682 1 6。 2 北海道
月護 ゴヒ 関 東* 中 部 近 畿 中 国 四 国 九 州
1,816 838 2,074 854 372 543 1,164 559
22.1
10。2
25。2 10.4 4.5 6.6 14.2 6.8
3,196 1,805 3,464 1,787 526 1,102 2,892 953
20。3
11。5 22.0 11.4 3.3 7.0
18。4
6。1
900 416 3,492 762 1,166 212 418 387
11.6 5.4
45。0 9.8 15.0 2.7
5。4 5.0
わが国における紙卸商の立地展開
北海道 (1,7%)、 富城 (1,5%)な ど、板紙 は東京 (50。5%)、 大阪 (24.7%)、 愛知 (12.7
%)、 福岡 (4.4%)、 宮城 (2.0%)な どで、
大都市地域、特に東京の比率が高い。これは、
図1で示すように、主たる需要者である出版・
印刷業が、申枢管理機能の集積 している東京 に全国の製造品出荷額 の44.4%(1987年)が 集中 していること、東京に大部分の代理店の 本社が置かれ、紙卸売業の中心 になっている
こと、などの理由によるものである。
紙 の生産・ 消費の特色 としては、生産の分 布が比較的分散 しているのに対 し、消費の分 1
布 は、大都市地域、特 に東京への集中が著 し ♂ いことがあげ られる。
Ⅲ 紙 の流 通 機 構 (1)紙の流通経路
紙 の生産者か ら消費者 に至 る流通経路 は、
紙の用途が広 いことか ら、品日、あるいは需 要先 により異 なるが、概括的には図2で示 さ
れるようになる′。それによると、①メーカー〜需要家、②メーカー〜代理店〜需要家、③メー カー〜代理店〜卸商〜需要家、④メーカー〜代理店〜卸商〜小売商の4つ の流通経路に大別さ
れる。このなかでは、1次卸である代理店と2次卸である卸商を経て需要家に流れぅ③が一般
的な流通経路であるが、量的に最 も多いのは②の経路で、新聞、印刷用紙など大 口需要家向け の場合である。 また① は一部の新聞巻取紙やたばこ巻取紙 にみ られるメーカー直販の形態であ るが、 この場合で も、実際には代理店がメーカーか ら販売業務を委任 されているケースが多い。
49
%
■■120以上 畷圏ョ10〜 19 圏国 2〜9 麟 10.6〜1.9 1: JO.5未 満 o lm 9Joo
一 価
図1 出版・ 印刷業の都道府県別 製造品出荷額構成比 (1987年)
(工業統計 による)
霙蟄
:図2 紙の流通経路
紙の卸売業者 としては、代理店・ 商社・卸商があるが、 このうち代理店とは、メーカーが自 社の取引先として指定または契約 している販売店の総称で、通常は1日本洋紙代理店会連合会お
¨
¨
②¨ 一
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①¨
¨
oe
・・
●
塩 j‖
よび日本板紙代理店会連合会 に属する大手販売店の ことをさす。
代理店 の営業活動 はメーカーとの直接取 り引 きが大部分を占めている。代理店 とはいっても、
メーカーの委託販売 は、新聞用紙など一部の商品に限 られ、大部分が仕入れ、販売の形をとっ てお り、 いわゆる代理業ではない。 これ ら代理店の中には、藩政時代 に創業 し、和紙問屋を起 源 とす るもの もい くつかみ られ、製紙 メーカーよりも歴史が古 いことになる。大部分の代理店 は、旧王子製紙時代 (戦前)のそれとは異なり、 メーカーに対 しては独立的で、その大部分 は 数社 の製品を取 り扱 ってお り、他業界の問屋のように、特定 メーカーの製品のみを扱 うほど完 全系列化 はされていない。特定 メーカーの生産品種 はおのず と限 られ、 また紙の銘柄・ 規格が 極めて多種多様なため、代理店 は数社のメーカーを仕入れ先 として幅広 く品揃えを して、需要 家の広範多岐にわたるニーズに応えている。 しか し、代理店 にはそれぞれ沿革があ り、不完全 なが らもメーカーとの間には資本系列的な関係のあるものもみ られることか ら、仕入れ先 は特 定 メーカー数社 に限 られ、主要品種 に関 しては、無差別 に仕入れの間口を広 げているわけでは ない。 また旧王子系代理店の場合 は、王子製紙・ 十条製紙 0本州製紙など同系の複数のメーカー と取引関係を維持 してお り、 このうちの特定 メニカーに偏 っていることはない。大部分の代理 店 は、 旧王子系、大昭和系、大王系などに区分 けす ることがで きる。 また高度成長期 には総合 商社 の参入が著 しか ったが、 これ らの商社 も代理店 に含 まれる。代理店 の機能 として は、商品 化機能・ 運搬機能・ 保管機能・ 金融機能・ 調査機能などがあるが、紙の流通機構 においては1 次卸 の性格を有 し、多岐多様 にわたる情報 の提供者 として、 メーカー・ 卸商・ 需要家の間の需 給調整弁 の機能 も有 している。代理店 の販売先 は、主 として新聞業・ 大手出版社・ 大手印刷業 者などである。1988年 3月 現在、 日本洋紙代理店会連合会および 日本板紙代理店会連合会加 盟の代理店数 は、それぞれ30社 111事業所、84社 186事 業所である。
総合商社 の機能 は、代理店のそれ とほぼ同様である。産業用紙 を中心 に販売 しているが、今 後、輸入紙が増大すると、その豊富な海外情報収集力を背景 に、商社の取扱量が増加 し、既存 の代理店 との競合が高 まることが予想 される。
卸商 は代理店か らの仕入れを主体 とする業者である。 ただ し、家庭紙など中小 メーカーの代 理店を兼ねているものも少な くないも卸商 は出版・ 印刷業者、製袋業者、紙器業者などの需要 者 と直結 してお り、多 くの種類の商品を揃える必要があることか ら、特定のメ,―カーの商品に 限定 されていない。卸商 の機能 としては、小 日販売機能・ 輸送機能・ 保管機能・ 金融機能など があげ られるも1988年 3月 現在、 日本洋紙板紙卸商業組合加盟の卸商数 は、760社 797事業所 である。
け)近年の紙卸売業の変化
商業統計 によると、1985年 における紙・ 紙製品卸売業の商店 は全国で8,923あ り、販売額 は 8兆2110億円にのぼ っている。 これを 1972年 と比較す ると、商店数で42.2%増、 販売額 で3
26%増の伸 びを示 している。特に販売額の増加率 は、同 じ時期の卸売業全体の伸びを上回 って いる2)。
表2は、紙・ 紙製品販売額の流通段階別・ 従業者規模別比率`
(1985年)を示 した もので あ る。一般 に日用消費財の流通機構 は、多段階性を有 していることが指摘 されているが、紙・ 紙 製品については、直取引卸33.2%、 元卸10.0%、 中間卸6。7%、 最終卸22.0%、 その他卸28.1
%とな ってお り、一般卸売業全体 と比較 して、直取引卸、特 に他部門直取引卸 (21.1%)の比 率が高い値を示 している。 このことに加えて、中間卸の比率が低い一方で、最終卸の比率が比
わが国における紙卸商の立地展開
表2 紙・ 紙製品卸売販売額の流通段階別・ 従業者規模別比率 (1985年)
(単位:10億円)
Xは秘匿を示す。
「商業統計」 による。
較的高 いことは、紙・ 紙製品の流通 においては、「元卸〜最終卸」 とい う形態 が一般 的で あ る ことを示 している。なお、商業統計 における直取引卸・ 元卸 は代理店 (商社 も含む)が、中間 卸・ 最終卸 は卸商が該当す る。
「 商業統計」 による。
表3は、従業者規模別商店数・ 販売額 (1985年)を示 したもので ある。 それに よ ると、 従 業者9人以下の商店 は、商店数では全体の72.9%を占め、 中小・ 零細企業 の多 い ことがわか るが、 これ らの商店 は、販売額では 17.6%に す ぎない。 これに対 して、従業者100人以上 の商 店 は、商店数のわずか 0.5%に す ぎないが、販売額では22.5%を占めてお り、紙卸売業 にお け る地位 は高い。次 に 1968年 の規模別構成 と比較す ると、商店数では、従業者9人以下 の商店 が7.1%増加 しているのに対 し、従業者20人以上の商店 は3.8%減少 している。 また販売額 に おいて も、9人以下の商店が6。7%増加 しているのに対 し、20人以上の商店 は 11:3%も 減少 し ている。大規模卸売業の商店数が伸 び悩む一方で、小規模な商店の増加が著 しか ったことを示
している。
こうした小規模卸売業の増加の傾向は、1975年 以降の卸売業全体 にみ られた傾向で もあ る。
1〜4人 5〜 9人 10〜19人 20‑49A 50‑99A 100‑199人 200A以上 計
卸売部門計 439 899 1,478 2,076 1,360 564 1,273
08 一 8 一
(%)
100.0 直 取 引 卸
一九 缶ロ
中 間 卸
最 終 卸
そ の 他 卸
8 3 2 7 2
176 92 58 198 375
1 5 5 3 4 3 1 4 4
8 3 1 8 6 4 1 2 5 5
527 179
X
240
X
240 145
X
91
X
64 一 一 X X
7 9 2 8 3 8 0 4 7 7 6 8 5 7 2
33.2 10.0 6.7 22.0
28。1
表3 従業者規模別商店数・ 販売額 (1985年) (販 売額単位:10億円)
1〜4人 5〜 9人 10〜 19人20‑49A 50‑99A 100〜
199人
200A
以上 計
商 店 数
卸 売 業 計 紙・ 紙製品卸
(%) (%)
198,129 48.0 4,078
45。7
115,089 27.9 2;423 27.2
59,348
14。4 1,466 16.4
30,857 7.5 733
8。2
6,916 1.7 175 2.0
1,948 0.5 35
0。4
729
0。2 13
0。1
413,016 100.0 8,923 100.0 販
売 額
卸 売 業 計 紙・ 紙製品卸
%
%
21,929
5。1
50‐5 6.2
44,644
10。4 935 11.4
55,956 13.1 1,490
18。1
78,041 18.2 2,084
25。4
51,534 12.0 1,360 16.6
37,802
8。8 564 6.9
138,363 32.3 1,273
15。5
428,291 100.0 8,211 100.0
表4 従業者規模別本・ 支店別商店数 (1976・ 85年)
1〜4人 5〜 9人 10‑19A 20〜49A 50‑99A 100人以上 計
計
19764暮 1985̀平
%
%
1,434 26.7 2,219 33.2
1,857 34.6 2,099 31.4
1,212 22.6 1,424 21.3
697 13.0 728 10.9
125
2。3 175 2.6
36
0。7 47 0,7
5,361 100.0 6,692 100.0 単
独 店
19764暮 1985年
%
%
852
25。9 1,413 36.4
1,264 38.4 1,321
34。1
757 23.0 785
20。2
371 11.3 301 7.8
42 1.3 51
1。3
3 0.1 6 0.2
3,289 100.0 3,87'7
100.0 本
店
19764暮 19854平
%
%
48 8.3 88 11.5
133 23.0 153 20.0
155 26.8 195 25.5
168
29。1
229 29.9
0 7一 4 7 5
8
︒ 7
9
︒
24 4.2 27 3.5
578 100.0 766 100.0 支
店
1976‐41 19854暮
%
%
534 35.7 713 35.0
460
30。8 624
30。5
0
1
・ 4
7
3︲0
20 一︒
44
2
.
.
158 10.6 198 9.7
33 2.2 50 2,4
9 0.6 14
0。7
1,494 100.0 2,049 100.0 塩 ∫H
特 に紙・ 紙製品の場合 には、それがいわゆる支店 (または支所)の地域的展開 と関連 があ る ことが認め られる。
「商業統計」による。
表4は、1976年と1985年の従業者規模別本・ 支店別商店数を示 している。それによると、
1976年 と比較 して、85年 においては、単独店が 61.4%か ら57.9%に 比率を下げているのに対 し、支店は27.9%か ら30,6%と高 くなっており、この1時期の支店の立地が著 しか ったことが 示されている。従業者規模別では、支店は従業者i〜4人が35.0%(19‐85年)と最 も多 く、
次いで5〜 9人の30.5%な どで、9人以下の支店が全体の65.5%を占めてお り、紙卸売業に みられる中小・ 零細な商店の増加傾向は、支店の増加によるものと言 うことができる。
図3は、紙・ 紙製品卸売業について、1985年の販売額の対全国比を都道府県別 に示 したも のである。それによると、東京 (40.0%)、 大1阪 (22。7%)、 愛知 (9。6%)な どの大都市地域が 高 く、次いで広域申心都市のある福1岡 (4.2%)、 宮城 (2.1%)、 北海道 (1.9%)、 広島 (1.2%) などで、前述の消費の分布と対応 した形になっている。なお卸売業全体の販売額と比較すると、
東京 (36.7%)、 大阪 (16.0%)、 愛知 (8.9%)の大都市地域および広域中心都1市のある福岡 (3.8%)、 宮城 (2.0%)で紙の方が比率が高 く、北海道 (3.3%)、 広1島 (2.1%)では卸売業全 体の方が高い傾向がみられる。
Ⅳ 紙卸 商の地域 的展開
次に紙卸商を、代理店・商社・ 卸商の別に、その分布および立地展開について分析を加えた。
調査 0分 析対象の紙卸商は、1984年紙・ 板紙年鑑 (紙業日々新聞社)に掲載 された 548社 と した。
わが国における紙卸商の立地展開
(1)代理店
表5は、代理店30社につ いて示 した もの である。創業時期 は、江戸期が3社、明治期 が5社、大正期が5社、昭和期 (戦前)が5
社、同 (戦後)が12社で、 全般 的 に創業年 代 は古 い。代理店 はその起源 (前身)により、
表6のように3つのグループに分類 される。
代理店は全体の7割に,あたる21社 が従業 者100人以上の大企業で、最 も多いのが東証 第1部に上場されている「日本紙パルプ商事」
の1,019人、次いで「大永紙通商」(713人)、
「大倉博進」(563人)、「 サ ン ミック通商」
(550人)、「岡本」(449人)などで、従業者 300人 以上の代理店はすべて東京 に本社を置 いている。
資本系列および仕入れ先で は、「 三幸」・
「大永紙通商」e「日本紙パルプ」・「 日亜商会」
などは、王子製紙・ 十条製紙・ 本州製紙など 旧王子系 メーカーが、「 カ ミ商事」 は大王製
紙の系列会社の愛媛製紙が、「 サ ンミック通商」 は山陽国策パルプが、「三菱製紙販売」 は三菱 製紙がそれぞれ筆頭株主 になってお り、資本系列関係 に置かれている。また、それぞれのメー
カーが、 これ らの代理店の主要仕入れ先 になっている。
☆は50%を越える仕入れ率の企業
旧王子は旧王子製紙系企業(王子・ 十条・ 本州)をさす。
53
%
‐ 20以 上 圏囲 5〜19 闘翻 2〜4 熙田 1〜1.9
Elo.9未満
O 100加
一
Lnl
図3 都道府県別販売額比率(紙卸売業1985年)
(商業統計による)
表5‑1 代 理 店 一 覧
本 社 所7E地 創業年 従業者数 仕 入元(メー カー 入元 (代 理 店 商
伊藤忠紙パルプ販売 岡 本 大 倉 博 `
進 尾 崎 商 産 カ ミ 商 事 旭 洋 銀 一 商 事 コ ミ ネ 三 幸 三 商 サ ン ミ ッ ク通 商 大 永 紙 通 商 田 村 洋 紙 店 大 一 洋 紙 千 代 田 紙 業 東京紙 パ ル プ交 易 内 外 紙 業 日本紙 パ ル プ商事 日 亜 商 会 日 藤 服 部 紙 商 事 菱 華 産 業 マ ン ツ ネ 丸 栄 丸 大 紙 業 湊 屋 紙 商 事 ミ ヤ コ 三 菱 製 紙 販 売 シ ヨ キ 平 和 紙 業
阪 大 島
棘棘 棘棘 新に 棘棘 棘棘 棘棘 棘漸 棘棘 棘棘 棘棚 棘棘 維無 棘棘 棘棘 頬継
lg72't' 1692 1889 1911 1913 1946 1948 t902 1945 t947 1947 I924 1926 1915 t942 1978 L944 1845 1940 1937 1659 1946 1869 1946 1922 1949 1938 T9L2 t922 1946
148 449 563 225 180 229 50 83 260 52 550 713 65 45 448 90 18 1,019 255 367 274 130 190 25 106 79 100 392 172 258
=興製紙 大昭和製紙 大昭和製紙 大昭和製紙
☆大王製紙 本州製紙
☆神崎製紙 大昭和製紙 王子製紙(☆旧王子)
☆中越パルプ
☆山陽国策パルプ 王子製紙(☆旧王子)
J胞難
☆大昭和製紙 山陽国策パルプ 大王製紙 十条製紙 王子製紙(☆旧王子)
王子製紙(☆旧王子)
大昭和製紙 王子製紙 山陽国策パルプ 王子製紙 大王製紙
☆う職 製紙 日本加工製紙
☆三菱製紙 特種製紙
丸紅
蜘
三菱製紙販売
洋紙 板紙 洋紙 板紙 洋紙 洋紙 板紙 板紙 洋紙 洋紙 板紙 洋紙 情報事務機用紙 漸
洋紙 灘 洋紙 洋紙 板紙 瓢 産業用紙 紙 板紙 パルプ 洋紙 加工紙 洋紙 板紙 洋紙 板紙 洋紙 板紙 洋紙
洋紙 その他(合成樹脂加工、蓄電池)
洋紙 板紙 段ポール原紙 剛 剛
洋紙 化成品 建材 轍
洋紙 板紙 化成品 紙製品 機械 脚
54
★本社 ☆支所(設置年が公表されているものは数字で示 した) 塩 り‖
表6 代 理 店 の 前 身
( )は創業年 表5‑2 代理店一覧 (本社・ 支所所在地)
聰 の
本 一 中
︸ 洋 一 商 事
一 幸 商 ンミック通商
一
¨ 一 洋 紙
¨ 中
疇
¨ 一
藤 一
器 一
栄 中 申
一 一
一 い 伊 岡 大 尾 力 旭 銀 コ 三 二 サ 大 田 大 千 東 内 日 日 日 服 菱 マ 丸 丸 湊 ミ 三 シ 平
28
☆ 74
76
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☆ 56 37 8
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25 74 74 72
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%
☆京都
812本社制
★伊予三島80大宮78横浜78静岡 ☆岡山 80鳥取
☆高崎
☆富山
☆静岡 京都 岩国
☆京都
☆新潟 北九州
☆富士
☆京都
☆小樽 旭川 釧路 帯広 苫小牧 室蘭 函館 青森
☆京都
☆京都
☆66八戸 67京都
lAl 和紙問屋
① 日本紙パルプ商事 (1845年)
服部紙商事 (1659年)
岡 本 (1692年)
大倉博進 (1889年)
マ ンツネ (1869年)
② ①か ら独立 した もの 大永紙通商 (1924年)
D メーカーの販売組織の独立、 または傍系会社 として成立 ミヤコ(日本加工製紙系)(1938年)
千代田紙業 (山陽国策パルプ系)(1942年)
三菱製紙販売 (三菱製紙系)(1912年)
カ ミ商事 (大王製紙系)(1913年)
lCl 総合商社 の系列企業 ,
伊藤忠紙パルプ販売 (伊藤忠商事系)(1972年)
湊屋紙商事 (丸紅系)(1949年)
わが国における紙卸商の立地展開
これに対 して、大昭和製紙を主要仕入れ先 に している代理店 は6社あ るが、 その うち50%
を越える仕入れ率の企業 は「大一洋紙」の1社のみで、「 岡本」・「大倉博進」 な どのかつて の旧王子系代理店 は、現在 は大昭和系 に属 してはいるが仕入れ率 は低 く、 メーカーに対 しては 独立的な立場 にある。
本社所在地 は、東京22社、大阪4社、名古屋3社、札幌1社、 伊予三 島 (愛媛)1社で、
合計が31社になるのは、2本社制 (東京・ 大阪)の代理店が1社あるためである。東京に本社 を置 く22社のうち、「 大永紙通商」 と「 丸大紙業」 は、それぞれ68,73年に大阪か ら本社 を 移転 してお り、中枢管理機能の集積が著 しく、 出版・ 印刷業 の44%が集 中 して い る東京 が、
大阪・ 名古屋などの他の大都市 よりも、本社所在地 として魅力的であることが示 されている。
こうしたなかで、名古屋 に本社を置 く「 シロキ」 は、49年に名古屋か ら東京へ本社 を移 し、
72年にまた名古屋 に戻 っている。
支所、すなわち支店・ 営業所・ 出張所 の配置 は、本社の多い東京以外 で は、 大阪22、 名古 屋21、 福岡19、 仙台14、 札幌13、 広島11、 京都7、 静岡2な どで、大都市・ 広域 中心都市 に多い。次 に本社 も加え、支所の配置のパ ターンを9つのタイプに分 けると次のようになる。
表7 本社・ 支所 (支店・営業所・ 出張所)配置のパター̀ン
タイフ゜ 本社・ 支所所在地 企業数
I 東京・ 大阪・ 名古屋・ 福岡・ 札幌・ 仙台・ 広島 …………・・」。……….・ 6
Ⅱ 東京・ 大阪・ 名古屋・ 福岡・ 札幌・ 仙台 ………1
Ⅲ 東京・ 大阪・ 名古屋・ 福岡・ 札幌 ………2
Ⅳ 東京・ 大阪・ 名古屋・ 福岡・ 仙台 ………3
V 東京・ 大阪・ 名古屋・ 福岡 ………:・・………│.・………2
Ⅵ 東京・ 大阪・ 名古屋 ………3
Ⅶ 東京・ 大阪 ………3
Ⅷ その他 ・………・・8
Ⅸ 単独店 ………2 それによると、各地方 プロックの中心都市 に支所を置いているI型の代理店 は、6社だけで あるが、4〜 6都市に支所を置いている耳〜V型の代理店 も加えれば、全体の約半数 の代理店 が全国に支所網を形成 していることになる。 これに対 し、札幌に本社を置 く「 日]刺 の場合は、
北海道内の7都市 に支所を置いているが、道外では青森 しか配置 してお らず、代理店 とは言 っ て も卸商的な性格が強いものと思われる。
次 にこれ ら本社・ 支所の設置I順序 について検討を加えた。すなわち、支所の設置年が公表 さ れている代理店8社について、各支所を設置順序に基づいて指数化 して3)、 それを各都市 ごと に集計 し平均を求めると、少ない順 に東京 (1.3)、 大阪 (2:0)、 名古屋 (3.5)、 福 岡 (3.6)、
札幌 (4.2)、 仙台 (5。1)、 広島 (5。2)とな り、東京二大阪→名古屋→福岡→札幌→仙台→広島 が一般的な本社・ 支所の設置パ ター ンということになる。 しか しなが ら下位の3都市のうちで、
札幌 と仙台 については、順位で は仙台よ りも札幌の方が上であるが、支所数 はいずれ も 14と 同数である。 またこの両都市に支所を置いている代理店は10社、札幌だけに置 いて いるのが
塩 サ││
5社、仙台だけが5社で、多 くの代理店が一つの支所で北海道 。東北の両地方を統括 している。
さらに、設置年をみると、札幌 は戦前 に3社が創業 してお り、早い時期か ら立地 していたのに 対 し、仙台 は 1970年 以降に多 くの支所が配置 されている。 これは北海道 の場合 に、 明治末か ら紙の一大生産地であったため、産地問屋1的性格 のものが初期に多 く立地 したが、紙 の消費量 については 1981年 において北海道が32万トンに対 し、東北の場合 は44万 トンと大 きく、 現 在 においては多 くの代理店が札幌よりも仙台を重視 している傾‐向がみ られる。同様 に広島の支 所が 11し かな く、 しか もそのほとん どが出張所であることについて も、(また広島県の紙卸売 業販売額の対全国比が、一般卸売業のそれ と比べて著 しく少ないことも)、 申国地方 の消費量 が13万トンと少ないことか ら説明で きる。 このように代理店の支所の地域的展開、 すなわち 販売網 の形成 は、当該地域内の紙需要量をベースに、大都市か ら広域中心都市へ と拡大 してい るが、卸売業全般の傾向と比べて、仙台・ 本L幌・ 広島の順位が異なっている点が注目される。
(2)商社
表8は、洋紙の代理店・ 商社・ 卸商別の受入・ 出荷を示 したものである。それによると、総 合商社 の受入 は「 生産業者Jの比率が 76.2%と 最 も高いが、代理店の89.9%に比 べれば低 い。
これ に対 し16.3%の 輸入 は、輸入総量の85。9%を占めてお り、 貿易 に強 い総合商社 の特性 が 示 されている。また出荷では、代理店の場合 とは異な り、「 産業用消費者」 の比率 が21.5%と 少 な く、「 卸売業者」が 70.6%と 高 い比率を占めてお り、7.6%の 輸 出 も輸 出総量の44。2%を占
表8 代理店・ 商社・ 卸商別受入・ 出荷 (洋紙 1989年)
項 目 計 代 理 店 商 社 缶ロ 商
数量 仔トン % 数量 ∈トイ % 数量 紆トン % 数量紆卜● %
受入
生 産 業 者 輸 入 卸 売 業 者
17,330 12,431
347
4。552 100.0 (100.0)
100.0 ( 71.7)
100.0 ( 2.0)
100。0 ( 26.3)
11,557 10,392 21 1.145
66。7 (100.0)
83.6 ( 89.9)
6。1
( 0.2) 25.2 ( 9。9)
1,833
1,397
298 139
10.6 (100,0)
11.2 ( 76.2)
85.9 ( 16.3)
3.1 ( 7.6)
3,939122.7
1(100.0) 643 1 5。2 1(16.3) 281 8。1
1(0。7)
3,269171.8
1(83.0)
3,946122.9
1(100.0) 113 1 81.3
1( 2.9)
21 0.6
1(0。1) 412 1 7.0
1(10。4)
3,418i31.3
1(86.6) 出荷
小 売 業 者 輸 出 卸 売 業 者 産業用消費者
17,234 139 312 5,868
10。915 100.0 (100.0)
100.0 ( 0.8)
100.0 ( 1.8)
100.0 ( 34.0)
100.0
( 63。3)
11,461 19
172 4,166 7.104
66.5 (100.0)
13.7 ( 0.2)
55.1 ( 1.5)
71.0 ( 36.3)
65。1 ( 62.0)
1,826
6
138 1,290
398
10。6 (100,0) 4.3 ( 0。3)
44。2 ( 7.6)
22.0 ( 70.6)
3.6 ( 21.5)
在 庫 778 100.0 472 259 1 33.3
「紙・ パルプ統計年報」 による。