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子供の生命侵害に基づく損害賠償の拡大 : アメリ カ四州の新しい動向

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子供の生命侵害に基づく損害賠償の拡大 : アメリ カ四州の新しい動向

著者 岡本 友子

雑誌名 法經論集

67‑68

ページ 207‑241

発行年 1992‑03‑30

出版者 静岡大学法経短期大学部

URL http://doi.org/10.14945/00008968

(2)

子供の生命侵害に基づく損害賠償の拡大

    ーアメリカ四州の新しい動向1

法経論集第67・68号

目次

はじめに第1章 アイオワ州

第2章ネブラスカ州

第3章 サゥス・ダコタ州

第4章 ニュー・ジャージ州

おわりに

207

(3)

≡…ム.

覇蘭

はじめに

 近時︑未成年の子供の不法行為による死亡に基づく損害賠償に関し︑アメリカのほとんどの法域において非金

銭的損失を賠償しようとする動向が顕著に認められる︒すなわち︑両親は︑子供が両親に寄与した﹁労務︒所得

︵ω臼≦8ωき瓢$議貯鵯︶﹂を子供の死亡により失ったことによる伝統的な金銭的損失だけでなく︑これに加えて

あるいはこれに代えて︑①子供の死亡により通常の親子関係が破壊され︑親子間の有形の﹁助言.補助.ガイダ

ンス・相談︵践く帥︒ρ器゜・凶ω$匿ρぴq¢卿血毬8b&8毯ω色︶﹂を得られなくなったことによる積極的利益の喪失や︑

②親子間の無形の﹁愛情・交わり・共同生活・慰安・保護︵ざくρωoq簿ざ8ヨ欝巳o塁霞罰8ヨま詳弩血嘆o滞︒鉱o質︶﹂

を失ったことによる非金銭的損失︑さらには③子供の死亡により被った﹁悲しみ・悲嘆・傷つけられた感情︒先

立たれた気持ち・精神的苦痛︵°ゆ◎瑛o牽鵯δ捻賞6霞簿ゆ鳥けΦ嬬鐸ぴqρげ禽①鋤く①導8甘鋒ゆ旨鳥ヨΦ導鶏§αq巳ωげ︶﹂といっ

た精神的・感情的不利益についても賠償しようという動きである︒       ︵ユ︶

 この非金銭的損失の賠償は︑一九六〇年のミシガン州の譲饗ぎダ○郎o象冨判決に始まる︒芝鴇閃o判決は︑

℃①o§冨曼Uoωω菊巳Φ︵不法行為による死亡に基づく損害賠償は金銭的損失に限るという法理︶を規定する不法

行為死亡法︵︑.℃の08冨蔓ピoωω︑ωけ鉾暮㊦︶の下で︑伝統的な﹁賃金収入マイナス養育費算定方式﹂︵未成年の子供

の未成年の間の所得から同期間の子供の養育費を控除して得られる賠償額︶に従った先例を破棄し︑人間の生命

の本質的な価値をなす﹁共同生活﹂の喪失について賠償すべきことを論じたのである︒

 その後︑同様の︒略8¢巳9︒蔓ピo器︑.ωけ簿鷲①や﹁公正かつ正当な﹂または﹁死亡から生じる侵害とつりあう︺損

208

(4)

害賠償を規定する不法行為死亡法︵..○窪興巴ピ8︒︒..ω轡舞欝Φ︶を有するアメリカ諸法域で︑≦旨ぎ判決に触発さ

れた判決や立法が相次いで現れ︑今日では多様な展開をみせている︒

 筆者は︑先に浮︒ぎ判決とその意義を論じ︑同判決の影響を受けて非金銭的な損失の賠償が展開されたミシガ

       ︵2>

ン州︑ミネソタ州︑ワシントン州︑テクサス州︑モンタナ州の五法域について比較検討を試みた︒そこでの結論

を簡単に要約すると次の遍りである︒

 ω≦鴇ぎ判決以後のミシガン州では︑ミシガン不法行為死亡法を︒.℃①o§冨曙ピ◎ωω︑.Qo欝貯8から・︑O魯鶏鉱

いo乙︐ω︑︑ω$誓富に改正した上で︑新たに交わり・共同生活の喪失を明文規定した︒すなわち︑同州では︑子供の交

わり︒共同生活の喪失を非金銭的損失として賠償しているが︑両親の悲嘆・悲しみ・精神的苦痛については依然

として賠償していない︒

 ② ミネソタ州では︑一九六二年の周器撃禽ダ渉民Φ簿判決において︑℃ゆo§賦蔓いo°︒°・菊¢竃を・廃止せず︑専

ら金銭的損失の枠を拡大することにより︑労務・所得の喪失ほど厳密な意味で金銭的な損失ではないが︑交わり・

共同生活の喪失ほど非金銭的ではなく︑なお有形の利益にとどまる子供の助言・慰安・補助・保護の喪失につい

て賠償を認めた︒

 ⑧ ワシントン州では︑︸九六七年のUoo犀冨答タしdo伽色判決において︑芝嘱6胃o判決と同⁝様に︑℃①o§鑓藁

い8ω菊£ゆを維持した上で︑金銭的損失の枠を拡大して本来は非金銭的な損失である未成年の子供の未成年の問

の共同生活・交わりの喪失について賠償したが︑より感情的性質の強い両親の悲嘆・悲しみ・精神的苦痛につい

ては賠償を認めなかった.その後︑同州では︑ワシントン不法行為死亡法を改正し︑愛情・共同生活の喪失のほ

かに親子関係の破壊という項目を規定した︒そして︑この﹁親子関係の破壊﹂が両親の精神的苦痛を認めたもの

法経論集第67・68号

209

(5)

と裁判所により解釈された︒すなわち︑同州では︑℃Φ︒二昌陣窟︒居団β︒︒晦の菊¢周Φを明確に廃止するとは慮磁︸言していない 20       2が︑非金銭的損失として愛情・共同生活の喪失及び親子関係の破壊について賠償している︒

 ω テクサス・モンタナ両州で億︑それぞれ一九八三年のωき魯①Nタωo窪舞巳費判決︑一九八四年のU餌≦ωo昌

ダ鎖竃節瓢聾8凄o犀いぎ①ω判決において︑℃Φo毯冨藁い◎沼閃包①を明確に廃止し︑子供の共同生活・交わりの      の

喪失を非金銭的損失として賠償し︑感情的・精神的不利益である両親の悲嘆・悲しみ・精神的苦痛についても賠

償を認めた︒

 このように︑五法域の態様は必ずしも一様ではないが︑伝統的損害論の枠を越えて︑金銭的損失とは雷えない

有形の利益の喪失及び非金銭的損失である無形の利益の喪失や感情的・精神的不利益を認め︑これらを賠償しよ

うとする努力が続けられていることは明らかである︒そこで︑本稿ほ︑さらにアイオワ州︑ネブラスカ州︑サウ

ス・ダコダ州︑ニュー・ジャージ州を取り上げ︑これら四州の傾向について︑前稿と同様に≦饗犀o判決が波及し

た順序に従って比較検討を行いたい︒

︵1︶≦饗ぎ判決が下される以前から非金銭的な損失を認めている法域も存在する︒これらの法域は︑そもそも制定

  法上は損害賠償を厳格に制限しない︑.OΦ器鎚一ピoω゜︒..ω欝2冨を有していたので︑特に意識的に論じることなく非

  金銭的な損失を賠償していた︒それ故︑不法行為による死亡に基づく損害賠償を厳密な意味で金銭的損失に制限

  していた︑.℃のo§貯曙い◎ωω︑︑ω富窪審の下で︑伝統的な賠償論を採用した先例を明示的に破棄することによって非

  金銭的な性質の共同生活の喪失を認めた薫団oぎ判決こそが︑非金銭的賠償論の﹁噛矢﹂と評価できるのである︒

   なお︑これら薮︽o評◎判決に先行する法域及び芝︽o犀o判決の影響が今なお及ばず℃09毒莚謎U8°ゆ閃巳Φを厳

(6)

  格に維持し続ける法域の沿革と現状については︑後掲・拙稿﹁末成年子死亡の際の非金銭的損失の賠償論︵一﹀﹂

  四七六頁i四八六頁参照︒

︵2︶ 拙稿﹁未成年子死亡の際の非金銭的損失の賠償論︵一︶︵二・完︶!アメリカ法における理論動向ー﹂民商法雑

 誌一〇五巻四号四六三頁以下︑同六号七七五頁以下︵︸九九二年︶︒簡単な要約として︑拙稿﹁アメリカ不法行為

  死亡法における非金銭的損害賠償論の展開ー未成年の子供をめぐる判例と立法を素材としてー﹂比較法研究五三

 号=ご六頁以下︵一九九二年︶︑がある︒

  なお︑伝統的損害論については︑拙稿﹁アメリカ法における幼児の生命侵害に基づく損害賠償︵一︶︵二・完︶

 ー℃③o彗壁蔓いoωω閃巳①の展開とその問題点ー﹂六甲台論集三四巻三号一六三頁以下︵一九八七年︶︑三五巻一号

  三四頁以下︵一九八八年︶参照︒

法経論集第67・68号

第1章 アイオワ州

第一節≦鋤aδ≦≦Ωぞ鼠寒Φ◎ぎズ判決

 アイオワ州においては︑一八五一年に初めてアイオワ不法行為死亡法が制定された︒同法は︑死亡被害者の遺

族に遺族固有の損害賠償を認めた﹁キャンベル卿法﹂︑すなわち∪$登タイプの不法行為死亡法と異なり︑死亡時

に死亡被害者に帰属した訴権の存続を認め︑死亡被害者の①も︒$富に対して損害賠償を認めた﹁訴権存続︵ω雌雫

く葦﹂タイプのものであった︒しかし︑同法の下では・死亡した護年の震の両親が被った霧の嚢や他の忽

(7)

曇ム荷踊

損失に関して訴権は生じなかった︒そこで︑一八六〇年︑アイオワ立法府はアイオワ不法行為死亡法を改正し︑ 12       2 父親︑または制限された状況の下で母親に提起される別個の訴権を創設した︒これは︑一九三九年にアイオワ不

法行為死亡法からアイオワ民事訴訟規則︵圃o≦鋤国巳①o鳩Ω<ロ℃80㊦島舞①︶に移されたが︑一九七三年の同規則      ︵1︶八の改正まで実質的に内容は変わらず︑﹁出費及び現実の労務の喪失﹂について賠償を規定していた︒      ︵2︶    ・ 従って︑アイオワ州は︑①ω霞く冒巴タイプの一般不法行為死亡法及び②親に未成年の子供の死亡に基づく損害      ︵3︶

賠償を認める典型的なb$些タイプの特別不法行為死亡法を有する︒

 一般不法行為死亡法は賠償される損害項園については何もふれておらず︑単に認められた賠償額の配分方法の

みを規定していたので︑損害賠償の算定方法が問題となった︒そこで︑一八七三年︑︵1︶芝巴9議タOぼ8σqP肉゜        ︵4︶H節℃.幻簿ロ≦躇判決は︑子供ののω$8の遺産管理人が提起した訴訟で︑賠償されうる損失は︑子供の時期尚早

の死からΦω欝結に生じる損失︑すなわち子供が成年に達した時から平均余命の間の所得の喪失に限定されると判       ︵5︶示した︒また︑︵2︶じdΦ簿oコタ○注8α蔓ρ即図゜卿や囲9︒出ミ躇判決は︑父親が提起した訴訟で︑賠償理論は未成年

の子供の死亡により生じた金銭的損失に基づくとして︑具体的には未成年の子供の来成年の間の蓋然性のある所       ︵6︶

得から蓋然性のある生活費を控除した額の現在価値であると判示した︒さらに︑︵3︶0霞昌タQoΦ8吋判決は︑遺

産管理人には死亡した未成年者の苦痛または彼の家族が被った共同生活の喪失・傷つけられた感情・精神的苦痛・

先立たれた気持ちについて賠償される権利がないと論じた︒

 こうレて︑未成年の子供の場合︑子供の①ω紆8は子供の生命の合理的な現在価値について賠償され︑子供の両

親は出費︵医療費・看護費・適切な埋葬費︶や子供の未成年の間の労務の喪失について賠償された︒いずれにせ

よ︑子供の死亡により子供の①ω冨審や両親が被った金銭的損失のみが賠償され︑交わりの喪失や精神的苦痛は認

(8)

められなかった︒このような法状況は︑次に述べる充七葦のく3︶謹罠暑タ︒ξ゜弐8ざ靱灘が下され

るまで続いた︒

 譲霧巳o≦判決では︑死亡した宋成年の子供の共同生活・交わりの喪失及び両親の精神的苦痛が賠償されうるか

否かが争点となり︑ついにアイオワ州最高裁判所は︑未成年の子供の未成年の間の共同生活・交わりの喪失を認

       ︵8︶めたが︑両親の精神的苦痛については認めなかった︒同判決は以下のように整理される︒

    ①囲○芝︾卑Ωダ︒︒が不法行為による死亡に基づく損害賠償を規定する限り︑補償的性質のものであり︑こ

   れを現在の社会状況に照らして解釈することは裁判所の義務である︒親がHO≦︾塑Ωダ男゜︒の下で訴訟を提起

   する場合︑子供の未成年の問の共同生活・交わりの喪失は︑﹁労務の喪失﹂について賠償額を決定する際に事実審

   裁判官が考慮すべき適切な損害項目である︒

    ②≦饗ぎ判決︒哨蕊旨巽判決・いoo尊鋤濤判決は︑H◎堵掛多Ωダ・︒と異なる不法行為死亡法に基づくが︑

   死亡した未成年者の共同生活︒交わりの喪失について実質的な証拠がある場合に︑医療費・葬儀費の他に名目的

   損害賠償を越える賠償はないと判断することは︑親権に服する未成年の子供の死亡について父親に訴権を与える

   囲Oを︾即Ω<︒やc︒を無意味にするという本判決の結論を支持するものである︒

    ③われわれは︑従来の制定法解釈を破棄しているのではなく︑当裁判所に初めて提出された問題を考察してい

   るのであるから︑共同生活︒交わりの喪失をHO≦︾即Ωタ蟹︒︒の下の労務の喪失についての損害項閉として認

   めるために︑当裁判所のいかなる先例も破棄する必要はないであろう︒

    ④しかし︑子供の不法行為による死亡に基づく両親の精神的苦痛は︑HOミ︾搾Ωタ°︒の下で賠償額を決定

   する際に叢されるべき適切な損害習では麓・

法経論集第67・68号 2×3

(9)

曇ム,

員[田

第二節 ≦愛dδ≦≦ΩぞO噛スのO蒼ズ判決の評価

乏糞・蝋集◎≦判決は︑初めて未成年の子供の未成年の間の共同生活・交わりの喪失が賠償されうることを肯定し

た︒同判決により︑アイオワ州も︑ミシガン州こ・︑ネソタ州・ワシントン州と同じく︑損害賠償の新たな局面を

迎え︑﹁アイオワ州最高裁判所は︑ざ≦︾即Ω<°︒︒の新しい解釈を通じて︑今や家族の構成単位である遺族が      ︵11︶       ︵10V彼らの損失についてより公正かつ十分に賠償されることを可能にした﹂のである︒ただ︑窯碧色o≦判決は︑共同

生活・交わりの喪失に賠償を認めるために︑未成年の間の労務の喪失に共同生活︒交わりの喪失を含めるという

法技術を採用した︒そのため︑共同生活・交わりの喪失を否定した先例を破棄するには至らなかった︒この点で︑

先例を破棄することを宣言した乏鴇騨o判決・ピoo窪鋼答判決とは異なる︒

 また︑≦鍵臼o≦判決の理論構成からすれば︑共同生活・交わりの喪失は実際上子供の未成年期間に限定され︑

成年に達した子供の場合には共同生活・交わりの喪失は賠償されないことになろう︒しかし︑親子間に存在する

共同生活・交わりは将来にわたって継続するものであるから︑子供が死亡した場合に共同生活︒交わりの喪失を

未成年の間だけに制限すべき合理的理由はない︒それ故︑成人した子供の場合にも︑交わり︒共同生活の喪失の

賠償が拡大されるべきである︒      ハー2︶ さらに︑同判決が両親の悲嘆・精神的苦痛について賠償を否定した点も不十分である︒ある論者が述べるように︑

親が子供を失った実質的な損失は︑子供の愛情・共同生活・交わりの喪失に加えてまさに親の悲嘆︒悲しみ︒精

神的苦痛といった﹁非金銭的損失﹂なのである︒それ故︑裁判所は︑子供の共同生活︒交わりの喪失だけでなく

2ヱ4

(10)

両親固有の悲嘆・精神的苦痛についても︑しかも事柄の本質に従い︑両者ともに﹁非金銭的損失﹂として賠⁝償す

べきである︒このような観点から︑アイオワ立法府は圃o≦︾即Ω<.塑︒︒を︑①現実の金銭的損失︑②共同生活︑

      ︵13︶

交わりの喪失︑③受益者固有の精神的苦痛を含むように改正すべきことを主張する者もいる︒

法経論集第67・68号

第三節 その後の展開

 ≦鎚巳o≦判決の二年後︑アイオワ立法府は︑≦鴛巳o≦判決に対応して︑HO≦︾即Ω<°℃°︒︒を︑﹁親または両

親は︑未成年の子供の傷害または死亡から生じる出費及び労務・共同生活・交わりの現実の喪失について訴えう

る﹂と規定し直した︒

       ︵14︶

 しかし︑親の精神的苦痛に関しては︑零9︒滑ら◎≦判決以後も︑例えば︑一九八四年の︵4︶鵠器津①ダζぎ冨娼判決

においても︑≦母臼o譲判決を引用し︑依然として悲嘆・精神的苦痛・良心の呵責︵器ヨo湧o︶・屈辱︵疑B難節甑8︶       ︵15︶は不法行為死亡法の下で賠償されえないと判示している︒      ︵16︶

 次に︑堵舞臼o≦判決以後の︵5︶麟窪導霞ω2タ閃oa竃oけo噌Oρ判決で︑子供の共同生活︒交わりの喪失の具

体的な賠償例を見てみよう︒突然自動車が暴走し︑七歳の少年Aを含む数人の子供をはね︑小学校の建物に衝突

して止まった事案で︑アイオワ州最高裁判所は︑以下の証拠の下で︑Aの①ω㌶器に一〇万ドル︑Aの父親Xに労

務・共同生活・交わりの・喪失として六万ドルの賠償を認めた事実審裁判所の判決を支持した︒すなわち︑Aは平

均以上の極めて知的で︑真にアメリカ的な少年である︒学校の成績は優秀で教会活動に熱心で︑しばしば年上の       15 子供と運動し︑さらに漫画や他の絵画に非凡な才能がある︒また︑家族関係は緊密である︒      2

(11)

 以上のことから︑アイオワ州では︑薯幾巳oミ判決以後の判決及び一九七三年のざ≦︾即Ω<°ヤ︒︒によって︑       26       2

共同生活・交わりの喪失については賠償を認めたものの︑悲嘆・精神的苦痛については否定し続けている︒残さ

れた問題は︑共同生活・交わりの喪失は来成年の間に制限されるか否か︑成人した子供が死亡した場合︑交わり・

共同生活の喪失は認められか否か︑さらに親の精神的苦痛は認められるか否かであり︑これらは今なお明らかで

はない︒

︵1> 紹斜δミ︾O◎O閤︾窯衆㈲①嵩驚O鵠凶ω8曼瓢昌ロωo弩8鼠い勲ミ︵窯①馨竈8ごOo諺§魯絆Qミ〜卜蔚魅§尋︑

  ぎ暮︑b§ミ§智§3嵩HO≦︾ピ融渕国く°卜φ◎︒︾鱒◎︒む︵冨叙ご翼o轡Pごミ脚渕巳φo騰Ω<鵠娼税OoΦα賃①c︒渕①8段

  UΦ<鮎oOヨΦ簿ρ漣U菊︾国国ピ゜即国くじ8ρ8海卿鋒戸嶺山◎◎︵お虞ソ

︵2︶ δ≦>OOU団︾Z累幽禽ピ8翁①゜︒梓H綜Oごミ甲ゆ$ω恥ω①︵芝の露ω償娼P這GQ◎︒γ

︵3︶δ≦﹀搾Q<°憎゜︒◆

︵繧︶ 窯艶潔舞ダO繧8ひQd℃図゜Hり昏蟹即ざもφΦごミ鎖醤Q︒篇◎︒刈もゆy

︵5︶じσΦ段8メΩ鼠$窃㊤ρ蓼H°俸幣㌘4η望︒ミ嚢・お◎・︒2︒≦ω゜︒O︵H︒︒°︒HY

︵6︶ O①導︽ダωΦ8び塾o揖ご≦鋤ドさoωP悼鍵Z⇔≦3浅ちω︵お鍵︶の

︵7︶≦奪・村籍o毒く︒Ω購無宍①o蒼ぎおOZ°ミ﹄山騰⑩︵囲o≦鋤お譲ソ本判決を紹介・解説するものとして︑卜︒さ︒∪沁誤国勘

  じ陶尊噂く﹄OO︿おお︶︑がある︒

︵8︶ 本件は︑四人の未成年の子供がY市の所有・管理する公園で遊んでいる最中︑開いていた排水溝で溺死したた

  め︑八歳の少年Aと六歳の少女Bの父母Xらが︑Yに対して︑①A・Bの霧欝8の遺産管理人として︑窃汁霧oに

(12)

  対する損失に各五万ドルの賠償と葬儀・埋葬費︑②A・Bの両親として︑A・Bの未成年の間の労務の喪失及び

  A・Bの共同生活・交わり・愛情の喪失︵後に両親の多大な精神的苦痛に修正︶に各二万三九〇〇ドルの賠償を

 請求した事案である︒事実審裁判所は︑子供の共同生活・交わり・愛情の喪失及び両親の精神的苦痛についての

  請求は適切ではないとして︑Xらの請求から削除した︒Xらは︑ヨ畠◎判決・司霧撃禽判決︒轡oo窪偉︒溝判決等

  を引用し︑未成年の子供の生活費を越える労務の喪失の金銭的価値は︑希な場合を除き︑専らフィクションにす

  ぎないから︑子供の共同生活・交わりの喪失及び両親の精神的苦痛について賠償すべきことを主張して上訴︒

   アイオワ州最高裁判所は︑本文のように論じ︑結局本件では︑事実審裁判所がXらの請求から共同生活︒交わ

  りの喪失を削除した点は破棄差戻しとするが︑精神的苦痛を削除した点は肯認しうると結論を下した︒

︵9︶ もっ葺9︒蒔裁判官の反対意見は以下の通りである︒≦署吋o判決・閃¢ω︒︒鵠霞判決・ピoo導9簿判決は︑共同生活︒交

  わりの喪失を含ませるために﹁金銭的損失﹂の解釈を示す祉会学的議論であり︑不法行為死亡法の制定当時︑立

  法府が金銭的損失に共同生活・交わりの喪失を意図していたという結論を支持するものではない︒また︑譲︽o貯ρ

  判決は︑後のごd器葺o郎判決により単なる傍論と判示され︑司島蓉興判決は︑私見では全くの裁判所による立法で

  ある︒従って︑現在の算定方法が法律により定められている以上︑立法府が不法行為死亡法を改正することは格

  別︑裁判所が制定法解釈の外観の下で立法すべきではない︒≦9ρ噌繕o多゜︒愚§瓢09︵圃y翁・酢濠O面◎︵ω貯霞ぎ匂こ

  黛ω◎峰①馨ぎ伊喚︶

︵10︶ U9貯譲o嵩ダ留遷亀ミ智§卜黛ミ㌧智麟§bミ簿導§馨㌧BO夘︾国国ピ幽図閣く御お9誕㎝︵δ蕊︶°

︵11︶ご蓉貯譲窯簿氏は︑δ≦︾即Ω<°℃°︒︒の下で労務の喪失に交わり・共同生活の喪失を含ませることによる賠償額

  への影響は︑この項目の無形で感情的な性質故に劇的であるのも道理であると述べている︒⑦舞ミ 

法経論集第67・68号

2Z7

(13)

︵12︶ 9Sミ鎧◎審令︶器U閃︾宍国い゜閃図︿°舞b︒◎海ひoま゜      18︵13︶ミ象き頓゜      2

︵14>瓢錯節Φ<の諸圃g冨戸ωミ窯﹄≦°鑓ω゜︒8︵Ho≦餌H⑩゜︒心ソ

︵15︶ 具体的な事案は以下の通りである︒一九歳の青年が酒場で酒を飲んだ後自動車を運転中木に衝突して・同乗の

  青年Aを死亡させたため︑Aの両親Xらは︑認可酒類販売業者及びその保証人・従業員・酒場の所有者に対して︑

  不法行為死亡法及びU﹃鋤密ωぴo唱法に基づき訴訟を提起した︒事実審裁判所は︑不法行為死亡法に基づく全ての請

  求を却下し︑保証人に対する∪﹁鋤§ωげ8訴訟を却下し︑懲罰的損害賠償及び悲嘆・精神的苦痛・良心の呵責゜屈

  辱についての全ての請求を削除した︒そこで︑Xら上訴︒

︵16︶ 謁禽ゆ爆語①屋2<耐o裁竃08村Oρb零ヌ零﹄島刈︵H◎≦鋤お刈刈︶

第2章 ネブラスカ州

第一節 ωΦ鉱Φ誘≦﹀﹃ヨ⑦コぐo葺判決

 ネブラスカ州においては︑一九〇七年にネブラスカ不法行為死亡法が制定され︑損害賠償に関し・﹁陪審は死亡

から生じる金銭的侵害について公正かつ正当な補償とみなしうる損害賠償を与えうる﹂ことが規定された︒しか

し︑一九一九年︑ネブラスカ立法府は︑﹁金銭的侵害﹂という文言を削除し︑訴訟を提起する利益のある者が被っ

      エ 

た﹁損害額﹂について賠償されると改正した︒以来今日まで︑ネブラスカ不法行為死亡法は損害賠償の算定方法

(14)

         ︵2︶には特にふれていない︒      ︵3︶ この点につき︑一九一八年の︵1︶図疑o暮タΩ蔓o暁q融く臼ω沸畷℃貯8判決は︑ネブラスカ不法行為死亡法の下

で賠償されるのは金銭的損失に限定され︑苦痛・交わり・共同生活の喪失は適切な損害項目ではないと判示し︑      ︵4︶以後︑同旨の判決が集積した︒      ︵5︶ ところが︑一九七三年︑︵2︶もo①崔霞ω<°︾穏ヨ窪群o鐸首判決が下され︑ネブラスカ州においても︑アイオワ州同様︑

ミシガン州・ミネソタ州・ワシントン州が形成しつつあった非金銭的な損失の賠償に乗り出した︒ωΦ箆霞ω判決は︑

芝鴇犀o判決・屑蕊曽霞判決・ピ◎o閃冨嵩判決・芝費巳o≦判決を引用し︑未成年の子供の不法行為による死亡に基

づく損害賠償の算定方法は︑子供の交わり・慰安・共同生活の喪失を含むように拡大されるべき旨判示したので

 ︵6︶ある︒すなわち︑

    ①現代の経済的現実は︑子供の経済的価値という古い概念と現代の家族生活という新しい事実とのギャップを

法経論集第67・68号

強調する︒子供の死亡による損害賠償を︑近親が子供の未成年の間に得ることが合理的に期待しえ︑子供の合理

的な生活費・教育費を控除した労務の金銭的価値に制限することは︑ほとんど全ての子供を法律上無価値である

と刻印することになる︒成年に達した後も未成年者から合理的に期待される寄与を認めてさえ︑希な場合を除き︑

子供の不法行為による死亡は金銭的損失に帰着せず︑伝統的な算定方法が補償的であるという仮定は全くの法的

フィクションである︒

 ②とりわけ︑ここ一〇年間︑裁判所は︑金銭的損失または生活費を控除した労務の金銭的価値に賠償を制限す

る制定法または類似の制限の下でさえ︑未成年の子供の共同生活・交わりの喪失を含むように損害賠償の算定方       19法を拡大してきた︒      2

(15)

   ③夫婦関係に対する侵害において︑当裁判所は配偶者の交わり・慰安・共同生活の喪失について賠償を認めて  いる︒それ故︑子供の不法行為による死亡から生じる家族関係に対する侵害をより制限的に扱う論理的理由はな

  いむ   ④陪審や裁判所が扱うことを求められている他の多くの抽象的概念同様︑子供の生命の喪失に基づく損害賠償

      ︵7︶︵8︶  を算定することは困難ではない︒

そして︑ωΦ置Φ誘判決はこの判示が先例と抵触する限りで先例を破棄した︒

220

第二節 ωΦ5の蕊≦﹀﹃§①募δ霧判決の評価

 ωo箆費ω判決は︑伝統的な算定方法のフィクション性を批判し︑子供の死亡による親の実質的な損失について賠

償するために︑子供の共同生活・交わりの喪失を認めた︒﹁喪失した現実の金銭または生じた費用によつそのよう      な﹇子供の﹈生命を算定することは︑もはや存在しない社会秩序に基づく手続きである﹂から︑ωの冠①肖ω判決は︑

﹁立法府が意図したように︑親が失ったものについて賠償されるべきである場合︑厳密に金銭的な損害項目以外       ガ の損害項目が含まれなくてはならないことを認める﹂のである︒

 しかし︑ωの置霞ω判決は︑親の悲嘆・悲しみ・精神的苦痛について賠償は認められるか否かについて論じていな

い・この点につき︑次節で述べる○碧く貯判決がネブラスカ不法行為死亡法上の損失はなお金銭的損失であり︑死

亡による精神的苦痛・先立たれた気持ち・慰籍については認められえないと判示した︒

 この○母くぎ判決によれば︑子供の交わり・慰安・共同生活の喪失はあくまでも金銭的損失として認めているか

(16)

ら︑必然的に精神的苦痛.慰籍等の非金銭的損失は認められないことになる︒しかし︑子供を失った親の悲嘆゜

悲しみ︒精神的苦痛は真実のかつ深刻なものであることを思えば︑もはや金銭的ラベルにより擬制的に正当化さ

れることなく︑直接賠償を認めるのが自然であろう︒

法経論集第67・68号

第三節 その後の展開

 ωΦ冠㊥触ω判決により共同生活︒交わり︑慰安の喪失について賠償されることが確立され︑以後共同生活︒交わり︒

慰安の喪失に関する多くの賠償例が得られた︒      ハぴ  例えば︑︵3︶<餌5山①呂Φ桟αq<・ピ§鋤qき判決は︑一六歳の少年Aが農場での事故により死亡した事案で︑Aは運

動︒学問に輝かしい将来の潜在的可能性を有し︑両親の大きな慰安や共同生活の源であり︑Aの交わりの喪失は

まさに事実であったという証拠の下で︑両親の慰安・交わり・共同生活の喪失について三万二六五〇ドルは過大

ではないと判示した︒      ハぬ 

 (

S︶O鋤触鋤氏︒﹃一く・閃津︒ゴ判決は︑=歳の少女Aが友達と並んで自転車で走行中貨物トラックに衝突され死亡し

光事案で︑<蝉呂Φ暮の村σq判決が将来有望な並み外れた子供の場合に三万六七九七・八〇ドルの賠償を認めたこと︑

及びAは利発で標準的な子供で友達や先生に人気があり両親に愛されていたことから︑四万ドルの評決は支持さ

れ︑明らかに過大ではないと判示した︒

︵5︶じd§轡8評タ羅罠⁝壼u葺6§琶u葺・菩転灘は・筈の授業で西歳の少年Aの頭に

他の少年が振っなコルフのクラブがあたり︑Aは意識不明のまま二農に死亡した事案で︑=歳の少女に四万.

22i

(17)

ドルを認めた6鷲践o鉱判決を引用し︑五万ドルの賠償額は過大ではないと判示した︒

      ハや  ︵6︶○幾くぎダO◎o<鶏判決は︑二〇歳七カ月の女性Aが自動車事故により死亡した事案で︑Aの側に金銭的寄

与め合理的期待があったか否か︑Aの交わり・慰安・共同生活の喪失について合理的な金銭的価値があったか否

か︑また 般損害を﹁なし﹂とする陪審評決が極めて不十分であり証拠に反するか否か︑が争われた︒同判決は・

以上の点につき︑記録に表われた全てのことから︑葬儀費のみを認めた原判決を覆すに足りる証拠が示されてい

      ︵15︶ないと判示した︒

 以上四つの賠償例から︑未成年者の方が成人した者よりも︑交わり・慰安・共同生活の喪失は認められやすく・

また賠償額も高いように思われる︒

︵1︶簿亀あΦδΦ錆ダ︾村簿2窪◎鼻おO累ゆ鐸憩鐸ーbO刈翠≦.鍍鵠典Φc・刈︷窃おご紹窯霧野菊尊qくゆ離ω脚器ω鐸b︒

  篇ゆ認︶・但し︑一九四五年に規定された賠償額の配分方法に関して﹁金銭的損失﹂という文書が用いられている︵各

  人が被った﹁金銭的損失﹂は全ての者が被った全ての﹁金銭的損失﹂に占める翻合で配分される︶︒

︿2︶智ゑ爵智く鴨も︒↓鴬弓㈲も︒◎臼o︵お゜︒G胃︶φ

︿3︶塁︒捗婁Ω¢︒凌嵐くの村弩℃薄ρ§謬菖繍゜・り§累≦︒鎚§°・︶魯

︵4︶ 肉塾漆饒象ダU納鼻蜀㈹やお一窯⑩ヴ認さ︒bも︒α≧≦鳥蜘Σお︒︒ご一U◎誘魯ダ痩o露ド鰺駕Φ堂$ω①累超ゆ鑓も跨恥

  ︵おお︶働

︵5>ω践塞く︾§婁8鼻謹謬菖誤蓉唄翠薫﹄象゜・︒︵§ω︶﹂本判決を紹介・解説するものとして・給翼鐸

  炉雷く﹄器ρ雪ω︶為O雷回雷↓婁野菊雲レミ︵お哨゜︒︶︑がある︒

(18)

︵6︶ 本件は︑三人の未成年の子供Aらが自動車事故により死亡し︑陪審がAらの医療費︒葬儀費を認める評決を下

  したので︑両親Xらは︑①交わり・慰安・共同生活の喪失は適切な補償されうる損害項目であり︑②死亡までの

  子供の教育費・生活費の証拠は適切である︑として上訴した事案である︒

︵7︶ Xらの②の主張については︑ネブラスカ州最高裁判所は︑子供を死亡時まで養育するのに生じた︑または合理

  的に必要であった出産費・食費・衣服費・教育費・養育費・住居費の証拠を認めないのが適切であり︑﹁子供の養

  育に費やした額により損害賠償を算定する投資理論は不適切である﹂として︑これを否定した︒

   なお︑この﹁むだになった投資理論﹂については︑前掲・拙稿﹁アメリカ法における幼児の生命侵害に基づく

  損害賠償︵二・完︶﹂六甲台論集三五巻一号三四ー四一頁参照︒

︵8︶ 芝臨審主席裁判官の反対意見は以下の通りである︒ネブラスカ不法行為死亡法は︑明らかに損害賠償の評価方

  法や配分方法において金銭的損失に制限することを求めている︒それにもかかわらず︑法廷意見は︑近親者の利

  益のためにいかなる客観的基準も適用することが不可能な推墨的・仮定的な感情的価値である﹁交わり・慰安.

  共同生活﹂を金銭賠償することを陪審に認めている︒法廷意見の望みが未成年の子供の死亡に基づき情緒的損失

  を認めるように損害賠償法を変更し改正することであるにせよ︑裁判所で明確に宣言され未だ廃止されていない

  一九四五年の立法府のポリシーに従うのが裁判所の義務である︒ω①嵐Φ誘も愚§8審︽㎝︶・ひ︒O刈窯・芝・鱒伽Φ︒︒⑩︑⑩ω

  2<臨汁ρO﹂遣座oαo◎O昌什圃鵠範゜

︵9︶⑦愚§き8︵㎝︶﹄身国o竃o窯ピ゜甥望聾二㎝8

︵10︶ 9S§昌Oε︵9qNZ麟ζ¢ピ.菊団く°禽山け誤c◎°

︵11︶ <き儀gげΦ茜タU加瓢轡q餌PH露ZΦげリミP籍φ誤≧零﹄蜘◎︒Φ①︵一㊤鐸︶・

法経論集第67・68号

223

(19)

︵13︶しd税魯簿8劉タ≦ぎ誌o︒︒げ8一U︸ωfω魯8︸O幹諌§・︒8瓢豊︒︒伊ミω2・譲﹄鳥Φ︒︒O︵一零O>・ ︵12︶ O霞黛︒鎚o臨く゜霊9貫誌OZΦぴ﹈︒︒ΦbΦω客芝﹄偽①お︵Hミ︒︒︶・

︵14︶ ○霞く貯く°08<頸b8窯Φび﹄︒︒悼b蕊累乏﹄伽B㎝︵お刈㊤︶・

︵15︶○震くぎ判決の認定された事実を見ると︑死亡した娘は家族と一緒に住み弟や妹の面倒を見︑家事や家業の牛乳

  配達業を手伝いながら看護婦になるための勉強をしている︒それ故︑この事実だけからでも︑両親はこのような

  娘の死亡によりそれまで得られていた娘の交わり・慰安・共同生活を喪失したことは明らかであると思われる︒

第3章サウス・ダコタ州

第一節 ﹀コα興ωoコ≦r鮎Φ判決

 サウス・ダコタ不法行為死亡法は一八七七年に初めて制定された︒同法は︑損害賠償に関しては︑懲罰的損害

賠償のみを認めていたが︑一〇年後︑﹁懲罰的﹂という文言を削除し︑死亡被害者の遺族は死亡被害者の生命の喪      ︵1︶失について賠償されることを規定した︒      ︵2︶ この不法行為死亡法の下で︑一八九五年︑︵1︶Gっ議夢ダOぼ$けqPζ゜俸ω鍵Φ雲拶菊餌鵠≦錯判決は︑死亡被害

者の生命の喪失により受益者が被った蓋然性のある金銭的損失についてのみ賠償されうることを判示した︒

 そこで︑一九〇九年︑サゥス・ダコタ立法府は︑﹁死亡から生じる金銭的侵害につりあうと考えうる損害賠償﹂       ︵3︶と規定し直し︑﹁金銭的侵害﹂という文言を用いるとともに﹁一万ドル﹂の賠償額の制限をも規定した︒

(20)

      ハ  

 同法の下で︑夫死亡の事案ではあるが︑︵2︶ω旨搾げタ勺捲ωo簿舞δ雛︾8山Φヨ団o臨︾び︒戦儀ω⑦鋤判決は︑損害賠

償は賠犠利者に対する義的利益のム︒理的響に基づいて難kサウス.ダ.タ不法露死亡潅交わり

の琴悲嘆.苦悩及び死亡鍵︑者の死亡晶則の苦痛砥いては賠墜認めていないと潔し龍しかk充四

〇年代の三判決︑︵4︶↓億津︽タωご環↓舜蕊搾Oρ判決︑︵5︶出o鼻貯の8タ℃餌同騨ΦH判決︑及び︵6︶蜜︒ΩΦ◎創タ       ︵8︶↓亭ω冨滞寓影貯ウqOρ判決には若干の混乱も見られた︒

 この裁判上の混乱が︑一九四七年︑サウス・ダコタ立法府に﹁金銭的﹂という文言を削除させ︑代わりに﹁全

       ハ  ての﹂という文言を挿入させたのであった︒

この一九四七年法に対応して︵7︶°っぎ︒ー窪麹嫉二六歳の娘の死亡に萎繕神的蒲・共同生活

の喪失は両親が被った損害を算定する際に考慮されるべき適切な損害項目であると論じた︒同様に︑︵8︶

壽ω曇ω舞苫婁と身靴灘は・未成年の少女が死亡した妻で︑サウス・ダコタ不法行為死妄は︑共

同生活の喪失を含み︑不法行為による死亡から生じる全ての侵害について賠償を認めていると判示した︒

 ところが︑サウス・ダコタ立法府は︑一九六七年︑﹁全ての侵害﹂という文言から﹁金銭的侵害﹂という文言に

簾さ毒以来現褒で変葺藁この約召讐9︶ピ§蔓ω・幕靴灘雫された︒同判漆

一九四七年法の流れを汲む不法行為死麓の下における最後の判決であった︒ピ§露判決は︑五歳の双子の男

児Aが歩行中自動車事故により五日後に死亡した事案で︑証拠によれば︑Aは少なくとも標準の知能をもち敏捷

かつ健康で︑両親や兄弟姉妹の慰め・喜びであり︑Aは家族構成の不可欠な部分であり︑Aの悲劇的死亡が家族

に大いに悲嘆や心痛を引き起こしたことは明らかであった︒同判決は︑芝饗吋o判決を引用し︑将来の金銭的損失︑

精神的ショック・精神的苦痛︑傷つけられた感情︑悲嘆・悲しみ︑共同生活・交わり︒愛情の喪失についてわず

法経論集第67・68号

225

(21)

かに五〇〇ドルを越える賠償額は︑人間の価値についてのアメリカでの観念や正義感と調和せず︑著しく低いの 26

       2で支持することができないと判示した︒

 この判決後︑ω.U°ω↓︾鵠じご︾閃OO窯霞肖↓鴇は︑子供の不法行為死亡訴訟で用いられる陪審説示を新たに提案

遍・この新しい説示の下で・陪審は予期される享供の助言慰琴補助・保護﹂の価値を考慮しうることと

なった︒       ︵17︶ そして︑ついに一九七四年︑︵10︶︾巳Φ諺8タU鎮Φ判決は︑未成年者の不法行為死亡訴訟において︑﹁助言﹂︑

﹁補助し・﹁保護﹂という文言で表されるが︑これに限定されない共同生活・交わりの喪失は適切な損害項目である        ︵18︶と判示したのである︒この︾巳2ωoご判決は次のように整理される︒

    ①不法行為死亡法は補償的性質のものであるから︑現在の社会状況に照らして自由に解釈されるべきである︒

   従って︑過去の判例に従うことを強いられない︒

    ②薯鴇ぎ判決・閃器︒・器﹃判決・轡o突冨嵩判決・乏碧亀◎≦判決・ωΦ冠霞の判決のように︑われわれもまた︑未

   成年者の不法行為死亡事件において︑共同生活・交わり・助言・補助・保護の喪失を損害項目として含むことが

   より良い準則であると判示する︒希な場合を除き︑子供の所得は決して子供の養育費を越えないから︑名目的損

   害賠償以上の損害賠償を与えてきたいかなる裁判所も︑この準則を暗黙のうちに受け入れなければならなかった

   ことは明らかである︒

   ︐③一九六七年の立法府の意思は︑両親が被った悲しみ・精神的苦痛・悲嘆及び死亡被害者の苦痛についていか

   なる賠償も排除することのみにあった︒

    ④本件の説示で用いられた﹁慰安﹂という文言は︑精神的苦痛の軽減を含むが︑両親の精神的苦痛について賠

(22)

子供の生命侵害に基づく損害賠償の拡大

      ハ ご償を認めない以上︑混乱が生じる︒従って︑﹁慰安﹂は認められないが︑これは害のない誤りにすぎない︒

第二節 ﹀ゴαΦ誘Oコく駒欝δ判決の評価

サウス¢ダコタ州も・註Φ吋§判決により︑ミシガン州・ミネソタ州・ワシントン州︒アイオワ州と同繕︑

響賠償の新たな展開を迎えた︒︾巳①馨判決は︑﹁義的侵害﹂という要件を課した一九山ハ七年の不法行為死

亡法の下で︑未成年の子供の共同生活・交わり・助言・補助・保護の喪失について賠償を認め︑他方︑両親の悲

しみ︒精神的苦癖悲嘆については否定したのである︒また︑﹁慰安﹂は︑精神的苦痛の軽減を含んでいるから損

害項目として適切ではないと判断した︒

 要するに・︾巳Φ諺o鵠判決は︑サウス・ダコタ不法行為死亡法上に﹁金銭的侵害﹂要件が課されているために︑

﹁金銭的侵害しの枠を拡大することにより︑本来非金銭的で無形の共同生活︒交わりの喪失及び有形の助讐獄︒補

助・保護の喪失を認めたのである︒

 なお・︾巳巽ω§判決が﹁慰安﹂は精神的苦痛の軽減というニュアンスがあるから︑精神的苦痛が認められない

以上﹁慰安﹂も認められないと述べた点は︑やや神経質すぎるように思われる︒︸⇔αΦ冠ωoづ判決が基づいたミネソ

タ州の閏器ωの葭判決やネブラスカ州のω①疑興ω判決は﹁慰安﹂を認めているのである︒

第三節 その後の展開

法経論集第67・68号

227

(23)

       ︵20︶ ︾a臼ω8判決の適用範囲の問題に関して︑︵11︶国巴く◎お8タU¢巳呂判決は︑未成年の子供の︾巳震ω◎欝判       ︵21︶       ︵22︶決を成人した子供の場合に拡大し︑︵12︶凄鋤腹≦簿タoo日一嘗判決は︑死亡被害者の年齢にかかわらず︑︾巳霞ωo昌      ︵23︶

判決は適用されると論じたのである︒交わり・共同生活の喪失を認める州の多くがなお死亡被害者は未成年の子

       ︵24︶供であることを要件としていることを考えれば︑この要件を放棄した閏冨ぴq箸簿判決の意義は大きい︒

 以上のように︑サウス・ダコタ州では︑一般的準則として︑一九四七年以前の判例は︑受益者が合理的に期待

しえたであろう金銭的利益として被った将来の損失に賠償を制限した︒しかし︑サウス・ダコタ州最高裁判所は︑

ω§一9判決以後︑とりわけ子供の死亡事件において︑この一般的準則の苛酷な結果を避けるために努力した︒一

九四〇年代に︑↓¢津団判決・鎖o欝言ω8判決・露oΩΦo鮎判決という三つのやや混乱した判決が下されたが︑﹁こ

れら三判決の重大な局面は︑それぞれの判決において︑サゥス・ダコタ州最高裁判所が古い聴o§㌶蔓ご器噌巳①      ︵25︶をもっともらしく言いつくろったことである﹂︒一九四〇年代のこれら三つの判決の不調和が︑おそらく一九四七

年の..≧︸ぎ冒蔓.︑ω$ε冨に呼応したのであろう︒この一九四七年法は︑その二〇年間の施行中︑真正な交わり・

共同生活の喪失を金銭的評価することを推進した︒しかし一九六七年に︑サウス・ダコタ立法府は︑.︑諺 嵐¢蔓.︑

から..℃Φo§口Q蕊償蔓..に復帰した不法行為死亡法を制定した︒その結果︑裁判所は一九四七年以前の状態に逆

戻りすることとなった︒このような法状況の中で︑ついに一九七四年︑︾民臼ω8判決が︑︑噂8§冨蔓ぎ甘曙︑︑

ω錺鍵富の下で︑未成年の子供の助欝・補助・保護・共同生活・交わりの喪失に賠償を認めたのである︒その後︑

この判示は︑成人した子供く口鐵くo諺o離判決︶︑さらに年齢不問︵鶯鋤讐≦簿判決︶へと次第に拡大されていった︒

こうして︑﹁過去︑サウス・ダコタ州は︑不法行為訴訟における損害賠償の拡大に関して保守的な州とみられてき      ︵26︶たが︑男﹃讐≦簿判決によって︑社会の変化するニーズに応じる際に諸州の中でも進んでリーダーとなっている﹂

228

(24)

のである︒

︵1︶留魯諺滋興ω8タい巴ρ︒︒︒︒6◎U°ほ①矯﹂熱︒蕊2°芝︒鑓H賀頴q︵這凝ごOoヨヨo馨卸Z9ρ留黛導b幕︒ミ

  ぎ嘆馬b§き︑卜霧駄留ら焼魯§織O§§ミ§終曹暴評§蕊ミ遷卜§㍉ωω・⇔野男翻ダb︒ω笛b︒Qゆp︒︒︵お①︒︒Y

︵2︶°︒議匪く嘩9坤8騎p客俸ωけ゜即鯉゜る︒︒﹄°α︒︒ωふb︒諸駒≦§︵目︒︒㊤切︶・

︵3︶縛辞9§§㊦馨卸累・β゜・§§き審︵H︶b葛認昌ρ

︵4︶ω§穿ダ津Φω舞緯δ⇒ぎ巴の罎・噛き・幕實曾︒︒舳⇔器ωb膳︒︒匿≦﹃禽︵蕊ω︶・

︵5︶ 例外として︑o≦Φタ酋oげ母ユρ器6っ゜U梅①伊置卜︒乞゜妻9①罐︵H潔ω︶判決は︑不法行為死亡訴訟で︑損害

  賠償は︑死亡被害者の死亡により原告が被った扶養手段の喪失や交わり・慰安・世話の喪失に制限されると

  判示した︒しかし同判決は︑その後の判決に全く影響を及ぼさなかった︒

︵6︶ 8無なタω剛◎環↓轟鋤獣梓OP$oっ◆⇔︒︒Φ・︒弘O濱゜芝﹄鳥唄鵯︵おお︶︵五歳の子供の事案で︑事実審裁判

  所が交わり・共同生活の喪失は損害項目ではないと陪審に説示しなかった点に過誤があるY

︵7︶ 頃o鼻ぎω8ダ男9︒詩Φび﹃Oω゜⇔さ︒刈亦︒篇02°<S卜︒α露癖︵お毒︶︵=二歳の少年の事案で︑金銭的侵害は現

  実の損害または補償的損害賠償に制限され︑事実審裁判所が陪審に息子の助書・援助を考慮することを説示

  しなかった判断を肯認︶°

︵8︶ 寓oΩ①oユダ↓﹃︸あ冨諾竃竃騨oqOo4誤ψU°ω欝博漣2昏芝﹄儀蒔︒︒α︵8潔O︶︵四歳の子供の事案で︑事実

  審裁判所が子供の助言や子供の遺産についての両親の見込みを含む全ての可能な金銭的利益を与えうると

  陪審に説示した点に過誤がある︶°

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229

(25)

讐ム、

酒聞

︵9︶貯b§§①ご辱2︒8耀讐§受Φ︵箇︶・鋤島ωω巳ρ      30      2︵10︶ ω一導窪゜︒タ漆象為ωω.U°ω8臨2°≦﹄蜘ωO↓︵お窃O︶・

︵11︶≦①ω器議ω弩Φ蔓○ρダ︾伍身矯蕊◎り゜︐︒︒鉢φさ︒暢爵客芝・さ︒氏①OO︵お8︶・

︵12︶Ooヨ§Φ艮俸Z9ρ恥§ミき3︵H︶簿昏︒ω︒︒戸Hω゜なお︑三万ドルの賠償額の制限も撤廃された︒

︵13︶ ωU喚Oo鑓国国U霊≦ω︾累鴬鷲一か−刈︵竈︒︒刈︶は︑﹁全ての不法行為死亡訴訟において︑陪審はそのような訴訟を

  提起する利益のある者それぞれにそのような死亡から生じる金銭的侵害につりあうと考冬つる損害賠償を与えう

  る﹂と規定している︒

︵14︶ ピ鋤琶ぎかq<雛ω9巴辞ρ︒︒爬ω゜∪°器c︒しお累≦﹄α蕊朝肴㊤勲γ

︵15︶ この一九四七年の不法行為死亡法はその後も改正が行われたが︑賠償額の制限は︑一九五一年には↓万ドルか

  ら二万ドルへ︑一九六三年には二万ドルから三万ドルへ引き上げられたにすぎなかった︒Ooヨヨ窪け俸 窯9ρ

  恥§ミ昌o滞︵ご℃舞さの︒︒︒︒俸卜︒も︒ω鋒昌﹂ど欝゜       ︑

︵16︶ 一〇ぎωoP越ざ馨Nb§ミ§織§蝋ミ題ミミb傍壽§題聲属ω゜⇔炉国切ダ︒︒◎お︵お㌍︶・

︵17︶ ﹀巳Φ屋o鵠く°い巴ρQ︒c︒ω腰∪.揖O︾鐸①累を﹄創δN︵お↓蒔ソ

︵18︶ 本件は︑七歳の少女Aの自動車事故死に基づき︑陪審はAの父親Xに一万六五〇〇ドルの賠償を認めたため︑

  Yがサウス・ダコタ州の不法行為死亡訴訟では︑死亡被害者の共同生活・交わりの喪失について賠償される権利

  がないから︑陪審の評決は過大であるとして上訴した事案である︒

   サゥス・ダコタ州最高裁判所は︑本文のように論じ︑結局本件では︑Aは利発で優しく親切で従順な役に立つ

  子供で︑エネルギッシュで学校や教会の活動をよくし︑緊密な家族の不可欠な部分となっていたという証拠の下

(26)

  では︑嘲万六五〇〇ドルの評決は過大ではないとして︑原判決を肯認した︒

︵19︶ ≦o鵠ヨ碧裁判官は︑一九六七年法において一九四七年法以前の正確な文醤を再び採用した立法府の意思に裁判

  所が適切に従うならば︑共同生活・交わり・助言の喪失について賠償を認めない一九四七年法以前の判例法に従

  うことが求められるとして︑法廷意見に反対した︒︾講α興ωo登の§§欝o富︵嵩︶堵鋤けδO−①ド︵名くo臨ヨ餌夢い鼠ωω①簿︐

  嗣轟︶°

︵20︶ 類巴ぎお8タ∪窪巳呂鷺お㎝饗込︒創︒︒霜︵︒︒穿Ω鮮お凝ア

︵21︶ 本件は︑二七歳の男子学生Aが同乗した自動車とトラックの衝突により死亡し︑これに基づき陪審は三万五〇

  〇〇ドルの賠償を認めたため︑トラックの運転手と雇用主Yらは︑現行法の解釈は﹁助言・慰安︒補助︒保護﹂

  の喪失に賠償を認めなかった一九四七年以前の不法行為死亡法についての裁判所の解釈に基づくべきであり︑ま

  た評決は過大であるとして上訴した事案である︒そこで︑合衆国控訴裁判所は︑︾巳霞ω8判決に加え︑覇︽o閃o

  判決・O霞瓢Φ判決・男蕊ω⇒霞判決・ピoo搾冨誹判決・≦鶉︒縁巳o≦判決を引用し︑サウス・ダコタ州や他の法域にお

  ける裁判所の最近の不法行為死亡法の解釈に基づき︑事実審裁判宮が﹁金銭的侵害﹂として助言︒慰安.補助︒

  保護の喪失を考慮するように陪審に説示した点に誤りはないと判示した︒そして︑本件では︑Aは他の三人の兄

  弟よりも両親と緊密であるから︑三万五〇〇〇ドルの賠償額は過大ではないと結論を下した︒

︵22︶ 凄鋤ぴq響象く°ω邑昏㎏Gゆ鵯窯ゆ譲﹄鳥H︒︒︒︒︵ψ費屋︒︒qγ 本判決を論評するものとして︑譜§ミ斧ひぎ§︑曾黛ミ

  b寒oミげ惣ミ⑦慰§逡§ミ躇沁§o竃ミミ恥導§§恥§§︑ミ軸專ご馨︑b§さ⇔鷺ミ蛍︒︒同ω゜Pじ沁轡く嘩

  B刈︵お◎︒㎝︶°

︵23︶ 本件は︑夫がY運転の自動車に同乗中事故により死亡し︑事実審裁判所が︑死亡被害者が大人の場合︑﹁金銭的

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231

(27)

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  侵害﹂という文言は経済的損失のみを意味すると判示したため︑妻Xが同文言には共同生活・交わりの喪失も含

  まれると主張し上訴した事案である︒そこで︑サゥス・ダコタ州最高裁判所は︑死亡被害者の年齢にかかわらず︑

  不法行為死亡訴訟の受益者は共同生活・交わりの喪失について賠償されうると判示した︒

︵24︶閃冨αQ響簿判決の効果として︑①大人の不法行為による死亡に関する陪審説示の改訂︑②不法行為死亡訴訟にお

  ける弁護士の役割の変化︑③﹁金銭的侵害﹂という文言に含まれるものと除外されるものの確認︑を挙げる者が

  いる︵的§ミ鋤O審︵器¥ωHωLP野菊両︿°鉾器ω−ω騨︶︒

︵25︶ ︸魯器oP始§§き8︵浅︶植翁︒骨お︒

︵26︶ Gり§ミき審︵器︶鴇無ω﹂﹀炉菊国く齢9猶︒ω癖゜

232

第4章 ニュー・ジャージ州

第﹇節 Φお①コタoロ鐸コΦ﹁判決

  八七七年︑ニュー・ジャージ州は初めてニュー・ジャージ不法行為死亡法を制定した︒同法は︑一九一七年

      ︵←       ︵2︶に﹁金銭的侵害﹂要件が課され︑一九六七年に若干の損害項目を加えられたものの︑現在まで大きな変更はない︒       ︵3︶ このようなニュー・ジャージ不法行為死亡法の下で︑︵1︶Oo8霞ダωげo冨鰻①9噌ざO◎︒判決は︑制定法が課

した金銭的侵害は︑死亡被害者が生存し続けることにより生じたであろう金銭的利益についての合理的期待の喪

失にすぎず︑感情の侵害から生じるものではないから︑陪審は精神的苦痛・交わりの喪失について考慮しえず︑

(28)

      ゑレ金銭的侵害についてのみ賠償を認めなくてはならないと判示した︒その後も長く同旨の判決が下され続けた︒       ︵5︶ ようやく一九八一年に︑ニュー・ジャージ州は︑︵2︶○器魯ダしd鋒昌巽判決により損害賠償の拡大へ踏み出し

たのである︒○お魯判決は︑子供の不法行為死亡訴訟で︑成年までの子供の労務の喪失・将来の財政的寄与に加

え︑両親は︑子供が成長する過程での子供の共同生活の喪失及び共同生活にしばしば伴う助言・ガイダンスの金

       ︵6︶銭的価値について賠償される権利がある旨判示したのである︒同判決は以下のように整理される︒

    ①ニュー・ジャージ州の判例法は︑死亡被害者の両親に対する共同生活・助言の金銭的価値に関する説示を除

   外していない︒また︑子供の死亡事件における親の制限的な賠償と対照的に︑親の死亡事件において子供は親の

   ガイダンス・相談の喪失の金銭的価値について賠償されている︒さらに︑他の法域では︑立法または判例法によ

   り︑子供の死亡に基づく損害賠償について厳格な金銭的アプローチが緩和された︵譲団o押o判決・閃務鶏︒器目判決・

   ω巴伽巽ω判決・轡06窪費け判決︶︒それ故︑親の死亡事件で用いられたアプローチが子供の死亡事件で採用されるべ

   きでない理由はなく︑子供の共同生活・助言の金銭評価は困難であるという議論は説得力がない︒

    ②過去において︑陪審は︑両親に感情的損失に賠償額を与えたいと考えていたが︑与えられないと説示され︑

   しばしば家庭の雑用に非現実的に高い価値を与えてきた︒従って︑適切な状況下で︑両親が子供の共同生活・助

   言の喪失について賠償されることを陪審に認めることは︑被った現実の金銭的損失をより密接に反映する陪審評

   決に帰着するであろう︒

    ③共同生活・助醤・ガイダンス・相談は︑その金銭的価値に制限されるべきである︒これは︑生存している親

   から実質的損失の賠償を奪うことになるが︑そのような制限は立法府の指示の一つであり︑裁判所はそれを放棄

   する裁量はない︒

法経論集ag 67 ・ 68号

233

(29)

ヨム 百間

④子供の死亡により賠償されうる共同生活は︑老齢者豪たは病弱者により今日しぼしば雇用される﹁共同生活       認       2者﹂が提供する労務︑または著護婦が提供する労務と実質的に等価値の労務を与えるものでなければならない︒

その価値は︑他人から購入される同様の労務の市場価値に制限されなくてはならない︒

 ⑥しかし︑子供による世話から生じた親の感情的喜びの喪失は︑金銭的損失よりも精神的苦痛に類似するから︑

ニュi・ジャージ不法行為死亡法の下では賠償されえない︒

⑥子供の助言・ガイダンス・相談の価値は︑布場において専門家︵ビジネス・アドバイザー︑セラピスト︑訓

練されたカウンセラi︶から購入される同様の労務の価値に等しくなければならない︒

 ⑦将来の共同生活・助書・ガイダンス・相談の喪失の金銭的価値は幾分かより仮定的ではあるが︑通常の親子

関係が立証されれば十分に蓋然性があると認められるであろう︒

⑧なお︑共同生活の喪失は﹁金銭的侵害﹂という不法行為死亡法上の制限内にあるから︑これを認めることは

先例を破棄しない︒

第二節 Oδ雲≦0σ㎝仲葺興判決の評価

 9①窪判決は︑ニュー・ジャージ不法行為死亡法上の﹁金銭的侵害﹂要件の下で︑未成年の子供の死亡に基づ

き︑従来の厳密な意味おける経済的損失ほど金銭的ではないが有形の利益であるガイダンス・助言・相談の喪失

や性質上非金銭的な共同生活の喪失を金銭的侵害の枠を広げることにより賠償することを認めた︒そのため︑先

例を破棄する必要がなかった︒同判決は︑従来︑財政的寄与・労務の喪失という名の下で雰金銭的損失に賠償を

参照

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( 同様に、行為者には、一つの生命侵害の認識しか認められないため、一つの故意犯しか認められないことになると思われる。

ただし、このBGHの基準には、たとえば、 「[判例がいう : 筆者補足]事実的

特定非営利活動法人..

翻って︑再交渉義務違反の効果については︑契約調整︵契約

の繰返しになるのでここでは省略する︒ 列記されている

発生という事実を媒介としてはじめて結びつきうるものであ

そこで、そもそも損害賠償請求の根本の規定である金融商品取引法 21 条の 2 第 1