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多孔質体内べき乗則非ニュートン流体の熱流動に関 する研究

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Academic year: 2021

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多孔質体内べき乗則非ニュートン流体の熱流動に関 する研究

著者 井上 昌彦

雑誌名 静岡大学大学院電子科学研究科研究報告

巻 20

ページ 144‑146

発行年 1999‑03‑31

出版者 静岡大学大学院電子科学研究科

URL http://hdl.handle.net/10297/1541

(2)

氏名 。(本

)  

  

  

  

(岡山県

)

学 位 の種類

 

 

 (工

)

学 位 記 番号

  

工博 甲第

  167  

学位授与の日付

  

平成 10年 3月 21日

学位授与の要件

  

学位規則第4条第 1項 該当 研究科導攻の名称

  

電子科学研究科

 

電子材料科学

学位論文題目

  

多孔質体内べき乗則非ニュー トン流体の熱流動に関する研

論 文 審 査 委 員   (委員長)

教 授 石 井

 

 

教 授 荒 木 信 幸 助教授

 

 

   

  

助教授

 

 

 

 

教 授

 

  

多孔質体内の非ニュー トン流体の熱流動現象の熱流体力学的観点からの把握は、機械工学、化学工 学、土木工学お よび食品工学などの分野の工業的応用 を考える上において極めて重要である。本研究 では、現実の純粘性非ニュー トン流体の多 く表現 しうる べ き乗則非ニュー トン流体"に注 目し、

多孔質体内の熱流体力学的挙動 を、理論 と実験の両側面 より詳細 に検討 した。

純理論的立場か ら、多孔質構造体内部の微視的空間に第一原則(質量、運動量、物質お よびエネル ギーの保存則)を適用 し、直接数値計算により多孔質体内の熱流動現象の詳細 を把握することも原理 的には可能である。 しか し、現実の多孔質体にあっては、構造体の幾何学的形状が極めて複雑で不規 則な場合が多い。 したがって、実際の問題 に直接数値計算を適用することは現在 また将来においても 不可能 と考えるべ きである。幸いにも、現実の問題においては多孔質構造体内部の詳細が要求される ことは少な く、その空間平均値が重要 となる。このような状況を踏まえ、本論文では、数値計算上都 合の良い構造体モデルを想定 し、その構造体周 りの微視的流動場 について、直接数値シミュレーショ

ンを実施 ヒ 得 られた微視的計算結果に空間平均処理を施すことで、モデル定数を純理論的に決定す る試みを提案 した。

まず、構造体モデルとして、無限角柱群からなる二次元モデルおよび無限立方体群からなる三次元 モデルを考え、微視的支配方程式を周期境界条件の下に有限体積法により解いた。巨視的流れの方 向、気孔率およびレイノルズ数を種々変え計算 を実行 し、得 られた微視的計算結果を空間平均する手

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続 きを経て透過率および慣性効果に関する係数 を求め既存の経験式 との比較・検討を行 った。その結 果、Nakayama―Shenoyが 予測 したように、 レイノルズ数が高 くなると圧力勾配は流体のべ き指数に依 存 しな くなり、擬塑性流体 もダイラタント流体 もニュー トン流体の値 に漸近する ;微視的結果に基づ く透過率の理論値は、既存の経験式 と良好な一致 を示 し、Christopher―Middlelllanの経験式 における迷 路係数 を調節 した式で相関 しうる ;二次元モデルでは表現 し得ない多孔質体慣性効果が、三次元モデ ルにおいては気孔率 との関数関係 において的確に表現 しうるが、そのレベルは実験的に観測されるも のより低めに予測 される ;等 の事実が明 らか となった。

さらに、巨視的流れに垂直 に巨視的に線形な温度勾配が印可 された熱流動場の微視的数値 シミュ レーションを実施 し、微視的結果を積分 し、熱分散に起因する見かけの熱伝導率に関する検討 を行 っ た。その結果、巨視的流れに垂直に巨視的に線形な温度勾配が印可 された場での巨視的一様流 を考え る時、構造体の一ユニットに注 目し、多孔質体内の熱分散の寄与を含む見かけの熱伝導率を求めるこ とができる;分子熱拡散 に比べ熱分散が支配的 となる高ペクレ数下においては見かけの熱伝導率は流 体のべ き指数に依存 しな くな り、擬塑性流体、ダイラタン ト流体およびニユー トン流体 に共通 した表 現が可能 となる ;低ペ クレ数域ではペ クレ数の1.7乗に、また高ペクレ数域ではペクレ数の1乗に比例

し増加する;等の事実が明 らか となった。

実験的側面においては、多孔質体内の非ニュー トン流体の熱流動に関する測定データが存在 しない 点に留意 し、CMC流体 を使 った粒子充填流路内強制対流 に関する実験 を実施 した。擬塑性流体 につ いて流動抵抗および熱分散の測定を行い、微視的計算結果に基づ く理論値およびニユー トン流体に対 する既存の実験データの比較・検討を行 つた。その結果、粒子充填流路内の擬塑性流体流の圧力降下 の測定 より算出 した巨視的圧力勾配は微視的数値計算結果に基づ く理論値および既存の経験式 と良 く 一致する ;等熱流束の下で加熱 される粒子充填流路の熱流動場 を加熱流路内で十分に発達 したプラッ グ単相値のそれに対応 させることでヌ ッセル ト数の測定値 より見かけの熱伝導率を算出することがで きる ;高 ペクレ数域 において熱分散に起因する見かけの熱伝導率は̲粒子がク レ数に比例 し増加す る ;測 定データを相関 し求めた見かけの熱伝導率に関する実験式 は微視的数値計算結果に基づ く理論 値 と良好 な一致 を示す ;等 の事実が明 らか となった。

以上、列挙 したように、今まで、ほとんど報告1されていなかったべ き乗則非ニュー トン流体の多孔 質体内における熱流動現象が、微視的数値シミュレーションおよび管路内の熱流動実験 を通 して明ら か となった。

‑145‑

(4)

論 文 審 査 結 果 の 要 旨

多孔質体内非ニュー トン流体熱流動の熱流体力学的観点か らの把握は、機械工学、化学工学、土木 工学および食品工学などの分野における工学的応用を考える上において極めて重要である。工学上重 要なテーマであるにもかかわらず、多孔質体内の非ニュー トン流体の熱流動に関する研究報告は極め て少ない。

本研究では、現実の純粘性非ニュー トン流体 を表現すべ く、べ き乗則非ニュー トン流体に注 目し、

多孔質体内の熱流体力学的挙動 を、理論 と実験の両側面 より詳細 に検討 している。

純理論的立場から、多孔質構造体内部の微視的空間に第一原則(質量、運動量、物質お よびエネル ギーの保存則)を適用 し、直接数値計算により多孔質体内非ニュー トン流体の熱流動現象の詳細 を把 握することは、原理的には可能である。 しか し、現実の多孔質体にあっては、構造体の幾何学的形状 が極めて複雑で、直接数値計算を適用することは、現在 また将来においても不可能 と考えるべ きであ る。幸いにも、現実の問題においては多孔質構造体内部の詳細が要求されることは少なく、その空間 平均値が重要 となる。この点を踏まえ、本論文では、構造体モデルを想定 し、その構造体周 りの微視 的非ニュー トン流体熱流動場 について、直接数値 シミュレーションを実施 し、得 られた微視的計算結 果 に空間平均処理 を施す ことで、モデル定数 を純理論的に決定することを試みている。

まず、構造体モデルとして、無限角柱群か らなる二次元モデルおよび無限立方体群か らなる三次元 モデルを提案 し、微視的支配方程式を周期境界条件の下に有限体積法により解いている。巨視的流れ の方向、気孔率およびレイノルズ数を種々変え計算を実行 し、得 られた微視的計算結果を空間平均す る手続 きを経て透過率および慣性効果に関する係数を求め既存の経験式 と良好な一致な得 られること を示 している。 さらに、巨視的流れに垂直に巨視的に線形な温度勾配が印加 された熱流動場の微視的 数値 シミュレーションを実施 し、熱分散 に起因する見かけの熱伝導率を理論的に求めている。

本論文の実験的側面 においては、多孔質体内の非ニュー トン流体の熱流動に関する測定データが存 在 しない点に留意 し、cMc流体 を使 った等熱流束加熱壁 を有する粒子充填流路内の強制対流 に関す る実験 を実施 している。擬塑性流体について流動抵抗および熱分散の測定を実施 し、測定値 と微視的 計算結果 に基づ く理論値が良好 な一致 を示す ことを明 らかにしている。

以上要約するように、本論文は多孔質体内非ニュー トン流体の熱流体の解明において、熱工学上寄 与するところが極めて大 きい。よって、本論文 を博士(工)の学位 を授与するに十分な内容を持つ も のと認める。

‑146‑

参照

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