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中木和彦

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(1)

64

充填塔内における液分布について

中木和彦

TheDistributionofWaterinthePackdTower

6yKazuhikoNAKAKI

Theauthorstudiedthedistributionofwaterinatowerof247mm・diameterrandomly packedwithRaschigringsoflOmm・diameter・Waterwasdistributedwithadistributor (diameter=90mm.)oftheshower-typeatthetopofthetower・

Theratioo/00(o=distributionofwaterinthepackin9,00=。istributionatthetop ofthepacking)couldbeobtainedbydimensionalanalysisofthedistancebetweenthetopof thepackingandthedistributor(力),theradiusofcurvatureofthedistributorplate(γ),the

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Z/γ≧5o/00=0.0065(Z/")0.24(F/力、/百)-o、13(Z/γ)1.7 wheregistheaccelerationofgravity.

1.緒

充填塔における気液間の熱,または物質移動の容量係数を解析するためには,充填層内の液分布状

に関する知識が必要になってくる。既往文献によっても明らかであるように流下液は層内できわめ 態に関する知識が必要になってくる。既往文献によっても明らかであるように流下液は層内できわめ て複雑な変化をするので,充填層の上端で均一に注がれても充填層の下端まで均一に流下するとは考 え難く,しかも充填層内の流下液の分布が均一であるか否かは,充填塔で蒸留,吸収,抽出などの操 作を行なう場合の能率の良否に大きく関係する。いかなる条件で分布が均一になるか,あるいは分布 状態に関係をおよぼす因子にはどのようなものがあるか,またその影響はどの程度であるか,これら のことは充填塔を取扱う場合にきわめて重要なことである。本実験では如露型液分配器を使って,充 填層上の液分布と層内の液分布との関係を分配器の位置と有孔板曲率半径,流量,充填層高さより調 べ,その結果を報告する。

2..実験装置および方法

第1図は実験装置の概略説明図である。塔は内径247〔mm〕,高さ200,300,400〔mm〕の空塔3個を 用意して’充填層高さに応じて組承替え,塔上中央に如露型の液分配器を,塔の,低部には同心円状に

-64-

(2)

中木:充填塔内における液分布について 65 区画した受器(各環状の面積は中央より順次,729, 70.9,69.4,137.6,128.1cm2)をおいて,給水量,充填 層の高さ,充填層上の分配器までの距離をそれぞれ変え て,受器の各室に集まる水量を測定した。分配器は直径 90mm,深さ25mmの容器の一面に曲率半径が142, 127,102,85mmの有孔板を適宜に取り替えられるよう にし,一面は3/4〃のガス管に連結し,オリフィス計を 経て定水位槽に連結した。塔下部と受器との間には,遮 断板をおき,流れが定常に達したときに遮断板を迅速に 除去して,水を受器に一定時間集めたのち,ふたたび水 を遮断してから各室の水量を測った。分配器に取り付け た有孔板の孔の径は1.0mm,ピッチ10mm,正三角形 配置に73個あけた。充填物は肉厚1.3mmの10mm ラシヒリングを使い,不規則に充填して,層の高さを 0,15,30,45,60,75cmに変え,その充填層高さごと に充填層上から液分配器までの距離をそれぞれ10,15,

2),25cmに変えて実験した。なお充填層の空間率は各 高さについて同一値の0.73をえた。

〒匠

1.定水位槽

2.オリフイス計 3.パルプ

4.分配器

5.充填塔 6.遮断板

7.受器

⑤ ① ロⅢ

第1図実験装置の略図

3.実験結果および考察

実験結果の整理は,以前に藤田,筆者')が液分配器の液分布の結果を整理するに用いたと同じく,

分布の良否を数値的に表わすために自乗平均偏差Oを用いた。

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(1)

ここでAは塔の全断面積〔m2〕,Ajは各室の断面積〔m2〕,Fは塔の平均給水量(全流量を全断面 で除した値〔m3/m2・hr〕),Fjは各室における流量〔ms/m2・hr〕である。

もし,分布が完全に均一であれば各室とも(Fj/F-1)はOとなり,oの値はOとなる。したがっ て,実際はoがOに近いほど均一分布に近いことを示す。液分布の良否は分布曲線の承でも明らかで あるが,同時にoの大小を比較すれば,さらに数的概念が明らかになる。

充填層内での液分布の良否がいかなる因子によって,どのような影響を受けるかは,きわめて複雑 であるが,おもな因子として

(1)給水量,(2)充填層高さ,(3)充填層上と分配器との距離,(4)分配器の分布板曲率半径,

(5)塔径,(6)充填物の種類,大きさ,充填法,(7)分布板の大きさ,孔径およびピッチ,(8)供 給液の密度,粘度

などがあげられる。このように充填層内での液分布には数多くの因子を含玖,その機構を解明するこ とは困難である。本実験では(5)の項以下を一定のものを使用したので,(1)~(4)項について次 元解析を行ない,一般式を見出した。すなわち,ある充填層高さにおける液分布oは,次のように示

され

o=′(F,〃,γ,.z,g)(2)

(2)式を次元解析して,3個の無次元項がえられる。

告=c(÷)α(志)β(÷)『(3)

65-

(3)

66

金沢大学:工学部紀要3巻1号1968年

COは充填層高さが0の場合,すなわち充填層上の分布oを表わし,Zは充填層高さ〔m〕,力は充填

層上と分配器どの距離〔m〕,γは分布板の曲率半径〔m〕,gは重力加速度,C,α,β,γは実験によっ

て定めるべき値である。

測定値の一部を用い,(1)式によって・を求めたのが第1~3表である(表巾のQは受器の各室 の流量〔m3/hr〕)これより液分布曲線を第2~4図に示し(横jl1ll1は各室の面積に比例した長さを表わ し,図の中心線が塔の中央である),図中にoなどそれぞれの値を付記した。第2図は分布板曲率半径

γ,充填層高さZ,分配器と充填層との距離〃を一定にした場合の流量Fの変化による液分布曲線で

あり,第3図はγ,Zが一定,Fがほぼ同じい値で,力を変化させた場合のもの,第4図はハル,F を一定にし,Zを変えた場合の液分布曲線図である。

第1表流量と分布の関係

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γ=0.102mZ-Ob30m力=0.25m 第2図.分布曲線 0.35

第2表分布器の距離と分布の関係

γ-0.127mZ=0.30,F=5.0m

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第3図分布曲線

γ=0.127mZ=0.30m 0.59110.42610.26110.204

-66

(4)

中木:充填塔内における液分布について 第3表充填層高さと分布の関係

γ=0.142mルー0.15,F=4.5m

67

第5~8図に曲率半径142, 127,102,85mm有孔板4種の 場合について,〃,Zがそれぞ れの値をとる場合のびとPの

関係を示した。

以上に示した第2~4図の液 分布曲線,および第5~8図の 分布線図を比較検討して,液分 布の良否に影響をおよぼす諸因

子,すなわち流量,層高さ,分

配器と充填層間の距離,有孔板

の曲率半径などについて本実験

で明らかとなった諸点について

述べる。

1)流量(F)の影響 Z=0.30,ルー025mにおけ Z〔m〕 0.010.1510.3010.4510.6010.75

Q,〔×10-2,3/hr〕

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6.68 8.73 ao3 3.06 4.82

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第2図にγ=0.102,Z=0.30,〃=020mにおけ

るFによる分布曲線を一例として示しあり,また第5~

8図からもわかるごとく,Fが増加するにしたがってひ が小となり,プロットした線の傾斜は負になる。すなわ

ち分布が良好になる。内田,藤田2)3)も充填層上に均一

に水を流下させた場合について同様な結果をえている。

しかしあとに述べるγ,〃,Zにも関係するが,Fがある

程度以上になると,反対に液分布が悪くなり,傾斜が正

⑥に変る。これは液分布曲線にも現われているように,流

⑤量の少ないときは塔中央部を流れ,流量が増加するにし

④たがって塔壁に液が移動して液分布が均一化に向う。さ

らにPを増すと,液の塔壁への移動量も増し,中央部に

鬘、:f雲織薑飴の騨果。の値が大きくなる。分配器と充填層上との距離の関係を示した第3図の液

分布曲線図から,ほぼ一定のFに対して〃が大仁なるほ どdが小さくなる傾向がある。これは充填層上の分布に

関連し,層内にも大きく影響をおよぼす。ことに有孔板 曲率半径との関係でγを小さくするとoの傾斜は急にな

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①②③④⑤⑥

0 0.15 0.30 0.45 0.60 0.75

第4図分布曲線

る。

γ-0.142m〃=0.15m 3)充填層高さ(Z)の影響

第4図はγ=0.142m,〃=0.15,,F=45,3/m2・hrにおいて充填層高さの関係を示している が,はじめ充填層高さが増すと液分布はよくなり,Z=0.45mで最小で,それ以上になるとoが 大きくなる。しかしγが小で,〃が犬になるとびの傾斜の負から正に移る点が早くなるのは第5~8 図から明白である。これについてKirschbaum4)は塔頂中央部の承の流水であるが,液が流下する につれて周囲に限りなく広がり,たけの高い塔では塔底中央部にはほとんど落ちてこないと述べ,

-67-

(5)

68 金沢大学工学部紀要3巻1号1963年

第5図γ=0.142mの場合の流量と分布の関係

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(6)

中木目充填塔内における液分布について

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第6図γ=0.127mの場合の流量と分布の関係

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金沢大学工学部紀要3巻1号1968年

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(8)

中木:充填塔内における液分布について

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(9)

金沢大学工学部紀要3巻1号1963年

Scott5)も塔中央部に流して,ほ ぼ同じい結果をえたと述べてい る。しかし内田,藤田3)は塔上 の流水が均一であるときは充填 層高さは分布にほとんど影響が

ないと述べている。

4)有孔板の曲率半径(γ)の 影響

第5~8図から明らかである ように,曲率半径が小であるほ どoの傾斜は急になり,負から 正に変わる点が早くなる。

以上,液分布におよぼす影響 を第2~4図,第5~8図よ り,その傾向を考察したが,こ

lTi 第9図./COと〃んの関係,γ=0.127mの場合 Z,/h

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いて次元解析して,一般式(3)

を求めた。(3)式の左項O/00 は,充填層内の液分布゜と,それ と同一条件の充填層上(Z=0)

の液分布。・の比で,充填層上の 液分布が層内の液分布に影響を

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と〃んの関係,r-0.102mの場合

第10図。/oo

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第11図。/CO/(z/〃)0.24とF/ルリ/宮の関係

-72-

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(10)

中木:充填塔内における液分布について 73 与えると考えられるからである。実測値Q5

から(3)式の無次元項を計算し,各項

Oイト

の指数を順次決定した。なお,第5~8

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図でのo傾斜が正になる部分は実測で明 らかであるように,塔壁側に液の移動量 が多くなり,中央部への流下割合が減じ て,oが増大するの急であるから計算の 対称から除外した。

1)(Z/h)の指数

まず,有孔板曲率半径γごとに(びん。)

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と(Z/〃)を対数方眼紙上に数種類のP

’qo

についてプロットすると直線的関係がえ

Op

2s456810

られた゜第9,10図はγ=0.127,0.102

〔m〕の場合を示したが,他の曲率半径 z;/i

も同じ傾斜がえられ,(3)式中の指数第12MU甥終)…と(")の関係

α=0.24であることを知った。 2

2)(Fノルヘ/豆)の指数

つぎに(F/"V盲)の影響を承るため

に(o/び゜)/(Z/〃)0.24と(F/〃V百)とを

ヱh

プロットしたのが,第11図である。はじr

め充填層高さが大になると液分布はよく

なるが,Z=0.45mを最低として,そ

れ以上では反対に悪くなる。これらの線

lFf=5千Ffl

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はすべて平行であるから,(F/"9V百)

第'3図最小。の半とZの関係

の指数βは-0.13がえられる。

3)(Z/γ)の影響

最後に同じく対数方眼紙上に(O/0。)(F/ノケ9V百)0.13/(Zノル)0.2Jおよび(Z/γ)をプロットすると第

12図に示されるようにすべてが,ほぼ直線上にのる。しかしその傾斜はZ/γ=5で正負が逆になり,

したがって指数γ,恒数Cは(Z/γ)の値によって決定されねばならない。すなわち Z/γ≦5の場合

γ=-0.95

C=0.44

Z/γ≧5の場合

γ=1.7

C=0.0065

となる。以上より次の二つの実験式がえられる。

Z/γ≦5d/゜。=0.44(Z/")0.24(F/"9V百)-0.13(Z/γ)-0.9訂(4)

Z/γ≧5°/゜。=0.0065(Z/")0.2`(F/hV百)-0.13(Z/γ)1.7(5)

4.緒曾

本実験において,流量,充填層高さ,充填層上端と分配器の距離,有孔板曲率半径をパラメータと

-73-

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(11)

74金沢大学工学部紀要3巻1号1963年

して次元解析を行ない,(4)(5)式の関係がえられた。すなわち,流量の増加にしたがってoの値 は減少し,分布がよくなるが,さらに流量が増加すると逆に分布が悪くなる。dの最小値を示す点の

(Fソb/γ)とZについて半対数方眼紙上にプロットすると,第13図より

(Fル/γ)eM2z=12 (6)

がえられる。これは藤田,筆者')が前に充填物のない場合について求めた値18より小さい。また,有 孔板の曲率半径が小さく,、液分配器と充填層の上端の距離が大きいほど,oの傾斜が大きくなる。

充填層の高さが増すにつれて,はじめは液分布はよくなるが,Z=0.45m以上になると,かえっ て悪くなる。しかし有孔板の曲率半径γも影響し,Z/γ=5のあたりで最小になる。

本実験を行なうにあたって,4年生であった塚本靖彦君の協力によるところ多大であり,謝意を表

する。

参考文献 藤田,中木:化学機械14,279(1950)

内田,藤田:工業化学雑誌39,887(1936)

内田,藤田:工業化学雑誌41,578(1938)

Kirschbaum,E、:Z・Ver・deut、1,9,75,1212(1931)

Scott,AH.:Trans・Inst・Che、.E、9.13,211(1935)

1)

2)

3)

4)

5)

(原稿受付1962年9月30日)

-74-

参照

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