著者 武藤 玲子, 竹石 トシ子
雑誌名 星薬科大学紀要
号 8
ページ 3‑5
発行年 1959
URL http://id.nii.ac.jp/1240/00000010/
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武藤玲子,竹石トシ子 サイロキシンの比色定量法
Reiko Muto and Toshiko Takeishi:The Colorimetric Determination of Thyroxine Combined Iodine.
The colorimetric determination of thyroxine combined iodine was examined and afundamentally new method was established.
The new method is based on the fact that iodine dissolves in chloroform to show astable violet color. Ten cc.3.49×10一5〜7.88×10− M. chloroform solution of iodine is suitable for analysis.
Optical density of the violet chloroform solution so obtained is measured. This color follows the Lambert−B㏄r s law within the above concentration of iodine.
This method(加also be applied亡o亡he detemination of th oxine com施ed i(戒ine in iodinated casein.
サイロキシン分画ヨードの定量法として多くの場合滴定法が用いられている. しかしながら共存する総ヨード 量がサイロキシンヨードに比して非常に多いヨード化蛋白の定量には滴定数による偏差が著しくなる欠点がある。
また血清蛋白結合ヨード(P・B・1・)の定量に近時盛んに用いられているBarker法はヨード化蛋白に対しては鋭 敏すぎて遊離ヨードの影響までを定量値にあらわし不便である.
著者らは人工ヨード化蛋白の研究上,以上のごとき総ヨード対サイロキシンヨードの比が大なる検体に応用し うる比色法を考案したので報告をする次第である.またこの法を用いて数例のサイロキシン定量を実施した結果 を発表する.
サイロキシン分画ヨードの定量
標準原液としてNaI溶液(12量1mg/cc)を用いる.原液を順次蒸留水で希釈して各種濃度の標準液を作成 し,次に各液の一定量に硫酸酸性下にNaNO2液を添加し遊離してくるヨードをクロロホルムの一定容に転溶さ せて後,光電比色計により各々の吸光度を測定した.(Table I).
この値に従つてヨード値検量線を作製した結果は Fig・1に示すように大体において直線関係であること がわかる.また測定に適するヨ〜ド量は0.1〜2mgで あることも示されている.従つてBlau変法を主とす るサイロキシン部分の分画溶液に本比色法を組合わせ ると簡易にヨード化蛋白申のサイロキシン分画ヨード の定量を実施することができる.
つぎに本定量法を用いての若干の実験例を報告す
る.
ヨード化蛋白の中間加水分解物中のサイロキシン量 ヨードカゼインを実験の部記載のように処理して得 た中間加水分解物を酸可溶ペプチドおよび酸不溶ペプ チドに分画しそれぞれの分屑につき上記比色定量を実 施した・この結果をTable nに示す.酸不溶ペプチ
ドにサイロキシンヨードが多く含まれること,ならび に熟成ヨード化蛋白より出発した酸不溶ペプチド分屑
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一→ 1、mg、
Fig.1
に特に多くサイロキシンヨードが存在することがわかつた.
ヨード化条件のサイロキシン生成量におよぼす影響
前報に従つてヨード化した各種ヨードカゼイン中にサイロキシン量を比色法により定量した.(Table m)この 表より明かなように熟成ヨード化した蛋白中に著しくサイロキシン量生成が見られる.
Table I. Optical Density of Iodine
叉1・三, 0.3 0.5
mg. mg
0.7 1.O
mg mg
9
5m
L 9
3m
L9
1m
L 1.7 2.O
mg. mg
12345
ave「age
0.014 0.039 0.072 0.014 0.037 0.073 α゜1°1α゜41α゜7°
0.012 0.041 0.071 [0.01010.037 0.071
−一 1
α0121α039{α071
0.081 0.125 0、085 0.126 0.085 0.125 0.085 0.125 0.089 0.124 0.085 0.125、
l l
0.140 0.144.
0.152 0.144 0.144
l l
°・16510・182μ21°1α259 α17qO・189[α199α248 1:ll; 鴎㌶1:;ll
α・6∋α2・∋α25・α2鼠
2.1 mg}
9
5m
2
ー1−9
3m
2
0.261 0.279 0.321 0.251 0.322.0.299 0.254 0.308 0.349 0.272 0.307 0.365
10.279 0.304 0.409
゜・145L軌165 18『°・21°、°・25°1°・265 0.304 0.320
Table IL
Tyrosine Content Total Iodine Tyroxine Iodine Tyrosine
1
CaseinYield of Thyroxine in the Iodinatein
{・・p・・n・A」…n・⇒・・p・・n・C
讐器砦・1°°L
1・・p・…D
5.50 6.20 0.341 0.58 10.6
|
5.24 6.28 0.29 0.50
9.4 ﹂
4.56 4.68 0.22 0.37 8.2
2.70 3.10 0.06 0.14 5.2
1.07
2.25 0.02 0.41 3.7
A.B.−acid insoluble pepton C. D.−acid soluble peptone Table III. Thyroxine in Various Iodinated Caseines Obteined under 60°C Incubation
Total Iodine
Thyroxine Iodine Thyroxine Content
Thy・・xin・×100 Tyrosine
Case三ne (1) }O・e・・e(…)陣se…(・・B)
6.13 0.54 0.91 16.6
6.02 0.38 0.64 11.3
2.59 0.19 0.33 11.3
実 験
の 部
比色定量法
検体(0・19)に30倍量の40%Ba(OH)2を加えて水浴中20時間加水分解を続ける.分解液に水を加えて50 倍量に希釈し,20%HC1をもつて酸性となし,同容のBuOHをもつて抽出する.ここに得たBuOH層は5%Na2 CO3を含む4N−NaOHの同容にて洗い,ついで水半容にて水洗する.
Niルツボ(内容50cc)中にBuOH層を定量的に移し蒸発して得た残査に常法のとおりNa2 CO3十K2 CO3等 モル混合物109を混和しカロ熱熔融させる.熔融後10分間加熱を続け放冷後,100ccの沸騰水中にルツボのまま
5
投入し完全に溶解させる.ルツボはよく水にて洗い洗液を溶出液に合併し涼過する.
恒液は濃硫酸にて酸性となし10%NaNqα5ccを添加し遊離してくるヨードを正確に秤取した10ccのCHCI3 に転溶させる.発色した液の一部(4cc)を測定管にとり光電比色計にてヨード標準液と比色定量する.
ヨード化蛋白の中間加水分解法
比重1.3のNaOH液209に蒸留水100ccを加えてアルカリ液とする.撹拝しながらこの液にヨードカゼイン 409を除々に加える.反応時の温度は85〜90°に保ち90分正確に撹拝を続ける.ついで180ccの蒸留水を加え
て希釈し比重1・1のHNO3を徐々に添加してPH 4.0に至らしめる.遠心分離して沈澱部分と可溶部分に分け 沈澱部分はPH 4.0の水10ccで洗い洗液は可溶部分に合併する.
不溶部分は再び100ccの水に移し少量のNaOHを加えて溶解せしめる.両者の溶液をそれぞれセロフアン膜 に入れ流水下2日間透析をする.後アルコールエーテル等容混液を加えて沈澱させ,60°Cで乾燥する.
頁 行 誤
1
正4 Table n↓3 Tyroxine Thyroxine