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人文学部留学生相談室の1035日 : ケース・スタデ ィーを含めて

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人文学部留学生相談室の1035日 : ケース・スタデ ィーを含めて

著者 森 由紀

雑誌名 三重大学日本語学文学

8

ページ 148‑135

発行年 1997‑06‑29

URL http://hdl.handle.net/10076/6514

(2)

人文学部留学生不日談室の1035日

‑ケース・スタディーを含めて

糸己

【キーワード】留学生相談,アドバイジング,カウンセリング, 留学生専門教育教官,ISA(InternationalStudents Adviser)

1..留学生相談室開設の経過

はじめに、タイトルに掲げた̀1035日,の意味を説明してから本題に入るこ とにしたい0本稿は、人文学部留学生専門教育教官として赴任して以来の3年 間の記録を相談室の歩みを中心に纏め、分析を試みようとするものであるが、

標題中の数字は3年間には満たない日数となってし1る。1994年4月1日、相談 担当として着任した当日から、本学留学生センターの所属に移る前日の1997年

3月31日までの間の日数を総計すれば、365日に3をかけ、さらに閏年の1日 分をプラスして、1096日となるはずである。なぜその数字に満たないれ答え は、留学生相談室として正式に開設を宣言したのが1994年6月1日であり、標 記の数字からは、4月および5月の日数が除いてあるからである。

とはいっても、当初、学内には専ら留学生を対象とする相談室と名のつくス ペースが一切設けられていなかったため、相談に対応するための準備臥着任 直後全くのゼロから始めなければならなかった。まず、学内の事情を知り、さ らに他大学での実情を参考にするため、手に入る資料には、折にふれ努めてあ

たってみるようにした。

しかし、何より、実際の相談にあたる上で具体的に役立ったのは、3コマほ ど担当した留学生向けの日本語クラス1)において、直に留学生に接し、本学に 学ぶ留学生自身の現状の一端に触れられたことであった。

2.相談部門と教育部門

留学生相談指導と日本語教育指導の両立について臥性格の異なる二つの任 浄を同時に維持することは難しいという声もしばしば聞かれる。しかし、双方

の時間配分のバランスに配慮しさえすれば、相乗的な効果をもたらす面もある ことをむしろ積極的に評価したい。その点、当初から相談業務以外に日本語指

‑148‑

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導をも分担させていただいたことで、両者の負担が理想的なバランスを保つ限 りにおいて、留学生への有益なアドバイスを支える源となったといえよう。

ただ1年目は学内に留学生相談室と銘打たれた部門がなかったため、厳密に いえば人文学部留学生専門教育担当教官として配属されたはずであったが、事 実上他学部の留学生の相談にも応ぜざるを得ない傾向が、ことに強かった。2 年目にあたる1995年度からは、教育学部に専門教育教官が採用され、教育学部 専門校舎内に留学生相談室が開設された。これによって、学内での連携を維持

しつつ指導をすすめる足がかりができた。

それはそれとして、筆者の場合は、主として日本語・日本事情科目を主体と して担当している関係上、全学部の留学生が授業を履修してきており、どの学

生からでも相談があれば、基本叩こ学部を問わず対応することにしていた0た

だし、各学部特有の閉塞や専門科目に関する質問は、手元に資料もなく安易に 答えるわけにはゆかないので、各学部の留学生専門教育教官や指導教官あるい は留学生担当の事務官の方に問い合わせ、しかるべき回答者を本人に紹介して 引き継そようにした。

なお、「教育研究学内特別経費」の募集に応じたところ、1994年・1995年の 2年間に亘って各学部の留学生関係教官と共同プロジェクトを組むことが認め られ、全学的な横の連絡をとらせていただく絶好の機会となった。このプロジ ェクトメンバーで初年度実施したアンケート調査2)を通じ、留学生の専門指導 における問題点を多角的な面から探ることができた。さらにそれらの調査結果 がもとになって、最終年度報告書を兼ねた『留学生受入れハンドブックー交流 の絆をつなげるために「』3)の作成へと結びついたと言える。

3.事例報告 3.1.入管関係

在留期間は「留学」の在留資格に対しては、法務省令で1年または6カ月と 規定されている。従って在留期限の1カ月前には、在留期間更新許可申請書に 指定された各種証明書類を添えて提出し、いわゆるビザの延長手続きをとらな ければならない。正規学生の場合は、1年間の期間が認められることが多いが、

研究生・聴講生(国立大学の場合、科目等履修生にあたる身分)の場合は、6カ 月が一般的。その際漆付書類の記載事項の一つとして、留意しておかなければ ならないのは、履修科目の合計時間数である。これは、とくに科目等履修生の

身分で受け入れた留学生において問題が生じた。出入国管理及び難民認定法(以 下「入管法」と略称す)第7条第1項第2号の基準を定める基準省令では、「専

ら聴講による教育を受ける研究生または聴講生」は、「1週間につき10時間以

‑147一

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上聴講をすること」と定められている。従って10時間の要求を満たすためには、

1コマ2時間相当として都合5コマを最低でも履修しなければならない。

次に、かなり特殊なケースであるかもしれないが、入管宛に指導教官・日本 語担当教官と連名の嘆願書を提出して事なきを得たという経過で、強く印象に 残っている事例がある。それは、夏休みに一時帰国した留学生が、母国でパス

ポートを盗まれてしまい、再入国のための証明が立たず、前期定期試験の期間

中はおろか、後期に入っても再来日許可が下りなかったというもの。見通しが

非常に難航した例である。たまたま夏に筆者が参加した名古屋異文化コミュニ ケ「ションセミナーのアドバイザー・セッションで指導を受けた際知り合った

トレーナーや参加者に意見を求め、ビザの再申請書類に嘆願書を添えての提出 に踏みきった(資料1参照)。結果的に申請は程なく認められ、本人も母国で凍 券再交付を受けることができ、年内には、復学が適った。また、一時は、留年 が危ぶまれたが、本人が履修申告した科目の各担当教官の方々のあたたかいご

配慮により、本来なら出席不足で評価不可のところレポートによる追加課琴を 与えていただいたり、期末試験の受験資格を認めていただいたりできた。結果

的に本人の熱心な努力の甲斐もあったとはいえ、なんとか進級が叶えられた。

似こも、日本国際教育協会の推進制度利用による短期留学生の受入れにあた っては、機関保証を採用している関係上、ビザ取得のために大学側が「在外資 格認定証明書」の交付を入管で申請しなければならない。来日までに交付を受

けた証明書を本人に転送して、現地の在外公館(領事館)で最終的に査証交付を 受ける段取りが必要となってくる。

入管関係の問題は、細かくあげていけばきりがないが、一般的解決法の詳細 は、後掲の参考資料に示したハンドブック類をご参照いただきたい。本稿では、

相談にあたる中でとくに印象に残り、重要と記憶されるケースに焦点をあてて 概観し紹介するにとどめる。

3.2.学業関係

大学院入学資格と本国での本人の学歴不足が問題となり、当然受験できると 思って提出した大学院の入学願書が不受理になった例があった。本人の落胆ぶ りと受入れ以降の指導に対する不満ははかりしれず、どうして研究生として受 入れた時にその見通しを明らかにし、学歴不足を補うような指導をしてもらえ なかったのかという抗議を生んだ。本学人文学部の場合、大学院入試は秋であ

り、幸い2月に3年次編入の入試が予定されており、別のチャンスが残されて いることがわかった。学部の3年生としてであれば、本人の学歴でも充分資格

を満たすこと牽伝え、準備に取りかかるよう励ました。また、最終的に大学院

に進学するにしても、その前に専門の基礎となる科目を学部でしっかり積み上

‑146‑

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げてから大学院での研究をした方が効果的であることを強調し、理解を促すよ う説得した。本人は、年齢的にも若くないということで、かなり焦ってはいた

が、全く進学の通が閉ざされたわけではなく、回り道ではあるが、努力すれば、

大学院進学につながっていることを納得し、編入のコースを目指し、無事合格

を果たした。

学歴不足の問題は、中国やマレーシアなど、日本と教育制度の異なる国から 来日した留学生の場合にしばしば問題が起こる。受入れ時には、安易な気持ち でなく、学歴不足が問患とならないか充分調査して、本人の希望とも照らし合 わせた上で、将来につながる指導が可能かどうか見極めてから受入れを決める のが、賢明といえよう。また、決して安くない負担を覚悟で滞在する学生のた めにも、冷静な判断が望まれる。とくに研究生の場合には、正規留学生と違っ て奨学金制度等の援助にほとんど応募資格がなく、学費減免措置の点でも公的 補助を受けるチャンスがないなど、厳しい現実になっている。

この他、学業の内容的な問題、とくに日本語習得上の問題では、日本語能力 試験1級の受験関連、奨学金応募の際の課題作文の添削、ロータリー定例会で のスピーチの草稿づくり等が持ち込まれることが多かった。また、非漢字圏の 学生からは、漢字学習の相談をしばしば受けた。今年度より留学生センターで 日本語の授業計画がたてられることになり、初級から上級までレベルに応じた クラスを5段階に分けて準備し、漢字クラスも中級と中上級相当レベルに各1 クラスずつ新設された。

3.3.交通事故

今でも鮮明に印象に残っているケースに、相談室開設早々飛び込んできた交 通事故の事例がある。・このケースは、留学生会館(寮)に住んでいる正規の学部 留学生が、バイクで名古屋郊外のバイト先に向かう途中、乗用車に接触され転 倒し、入院を要する外傷を負ったというものであった。三重在住の学生が、な

ぜ名古屋郊外でアルバイトしていたかというと、本学編入前には、名古屋の大 学に通学していた関係で、引き続き従来からの仕事に就いていたためである。

入院は、18日間で済んだものの、その後1年以上にわたり、後遺症を訴えて 本学大学病院にも定期的に通院していた。

まず、このようなケースでは、初期対応がポイントとなる。辛い、同期に編

入した日本人学生の奔走を得て、諸々の連絡がほぼ順調に運んだ。はじめての 相談事例ながら大きな課題をもたらしたケースであったが、何よりもまず本人 を支える人々との連携の大切さを教えられた。

交通事故の例では、被害者になるばかりではなく、加害者になってしまった ケースもある。こちらは、案内標識に気を取られて赤信号を見落としたために

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停車中の乗用車に追突したという事例である。車は本人のものであったが、任 意保険に加入していなかったために当初はかなり解決が難航すると予想された。

ただ相手に与えた人的被害の度合いが比較的軽く、物損に対する損害賠償も相 手方の理解と保険会社の協力により、本人の負担がかなり軽減された結果とな り、胸をなで下ろした。

留学生の場合、日本人からの好意によって譲り受けるなどして車の所有者と なる例があるが、保険の面倒までは配慮されず譲ってもらうだけであったり、

譲渡の時点では保険期間が残っていても、一旦保険が切れてしまうと掛け金を 惜しんで任意保険にまで加入しないケースも多く、往々にして事故に遭遇した 場合トラブルを引き起こす。車を運転している学生に対しては、折をみて保険 等の加入状況等を確かめ情況に応じてアドバイスしておく必要があるだろう。

3.4.家族関連

家族の関係で問麗になるのは、既婚者の場合、配偶者の呼び寄せと未鹿学児 童の保育施設への入所希望である。また、稀に小学生でも低学年児童の場合に は、親が学童保育への申し込みを希望してくる。入所の申請のために日本語の 授業の受講証明書を求めて相談にくる場合があるというわけである。

前者の例で、配偶者を呼び寄せるにあたっては、入管のチェックが相当厳し く、申請に行っても、窓口の職員に書類の不備を指摘されて一度では済まず、

何度か足を運んで、やっと受理してもらえたという例や、通常本人であれば、

1〜2カ月程度でもらえるはずの返事が、家族の呼び寄せになると倍以上の期 間待っていてもー向に返事がもらえないという声も聞く。

後者のケースは、留学生本人は、大学に籍を置いているので、在学証明等必 要書類が発行されるが、保育園に申請するには、両親双方の状況を証明する書 類が必要となっている。そこで、家族(妻の場合が多いが、妻本人が留学生の場 合、夫)の方から、子供を保育園に入園させるにあたって、日本語講座等の受講 を証明してほしいという申し出が多かった。ただし、現在留学生センターの開 いている日本語講座は、補講も含めて本学に在籍中の留学生のみを対象とし、

家族の受講は認められなくなったため、この点に関する問題は、今年度以降は

生じないであろう。

3.5.交流促進

学内の国際交流、留学生交流促進のために、初年度は、留学生相談室が中心 となって、年数回程度、交流パーティー等の企画をした。さらにこの活動に集

■まってくれた留学生や日本人学生を核として、2年目からは、サークル結成に 向けての下地づくりを心がけた。現在は、三重大学多文化の会MAMU(軋1ti‑

CulturalAssociationofMieUniv.)が主体となって国際喫茶という名のもと

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にほぼ毎月さまざまなテーマで交流活動を広げている。ふだん筆者の担当は留 学生対象の授業が中心であるため、日本人学生と常時コンタクトを取るのは難

しかったが、自らすすんで協力者になってくる学生も現れ貴重な力となった○

この体験を得てから、一部の授業(人文学部専門自由選択科目「日本の言語 と社会」;森(1996:105)参照)を日本人学生にも開放してきた。単位は留学生 にしか出ないものの、留学生と日本人学生が一つの授業でディスカッションす

ることにより多文化に触れ日常気づくことのない側面に光を当てる場として提 供している。単位が出ないからか否か、日本人学生の参加数は少ないが、授業 に加わって果たしている役割は積極的に評価できる。この試みは、留学生にと

っても、日本人学生と会話し、テーマに沿っそ共同作業することができる有意 義なチャンネとなっている。そこでは、より全体的な目的のために思わぬ能力

が引き出される可能性もある。留学生だけを対象とする授業では日本語能力を 集中的にトレーニングしていく必要がある一方、日本人との合同授業ではより ホリスティックな面で留学生の力が発揮され、応用力を育むコミュニケーショ ンが進んでいるものと観察される。

なお、1997年度前期は、留学生センターの1コマでこの試みを続けている。

前記の授業は、学部の専門科目であり、上級以上のレベルであったが、今回は、

中級レベルの日本語補講(「多文化交流ゼミ」)での実施である。実ははじめ 日本人学生(4名)が留学生(14名)の会話力のレベルに退屈して逃げていくの ではないかとの不安がわずかにではあるが拭えず、クラスの参加者の関心等バ

ランスをはかりながらのスタートであった。が、現在のところ参加者はいづれ も楽しんで課題をこなしている様子である。四月の授業開始から連休をはさん で数回を経た程度の段階であり、評価的判断を下すことは無意味かもしれない が、レベル差を超えて伝えあえる内容を共有することが決して不可能ではない という手応えをもつに至っている。この授業に関する経過は、また後日、別の 報告の機会に預けたい。

4.地域との連携のために

前項3の各事例報告においては、主として学内での連携の必要性が問われる ケースを取りあげた。本項では視野を広げて、学外の関係機関や関係者との連 携が求められる問題について考えておきたい。

4.1..ホームステイ

近年、国立大学でも短期交換留学などの新しい受入れ身分の留学生が増えつ つあり、1年に満たない期間の滞在のために高額な礼敷金を支払って部屋を借

りることに抵抗を持つ留学生も多くなってきている。また、せっかく日本に滞

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在する以上、日本人の家庭に受け入れてもらい日常レベルでの生活文化を身に つけたいと来日前からつよく希望してくる学生もいる。

私立大学などでは、留学生別科といった形で1年間程度の集中日本語プログ ラムを組み、全員にホスト・ファミリーを紹介して、日本語・日本文化を学ば せるコースに留学生を受け入れている学校もかなり以前からある4)。

本学ではそこまで大々的にホームステイによる受入れ申実施される計画はな いとしても、急な受け入れを求める留学生からの要望に右往左往しないために

も、ふだんから市民の協力者との連絡を保っていく必要があろう。ホームステ イ先確保の必要性は、今後ますます高まるように感じられる。また、留学生の

側からの希望がしいてなくとも、受入れを希望する家族があれば、紹介しマッ チングをすすめてみることによって、交流の接点が拡がっていくはずである。

実際、今年度受入れのある交換学生からの要請に応じて、昨秋ホームステイ 先の候補を探し始めた際、津市の思わぬ側面に気づかせられることになった。

津市には、ホームステイ・イン津実行委員会が7年ほど前から結成されており、

定期的に毎年5月のゴールデンウイークに名古屋大学の留学生を会員の家庭に 受入れ活動をおこなっている。また、2、3年前から軋秋の津まつりに三重 大学の学生が招かれてホームステイさせてもらっている。しかし、いずれも一 泊からせいぜい一週間程度の受入れに過ぎない。不定期にも海外の視察団等の ホームステイを弓悼受けたりするときくが、長くて3カ月が限度で、それ以上 長期の受入れを経験した家庭はないとの答えが返?てきた。その時点で臥1

年間のホームステイ受入れ家庭を求めることに、ほとんど期待がもてなかった。

さらにこの会での問題は、ホームステイの費用をこれまで全く受け取らずに純 粋のボランティア活動を貫いてきたという点にもあった。たとえ長期になって

もこの姿勢はくずしたくないという考えが強く、こちらから、他の機関での実 施例をあげておよその受入れ金額を示しても決して費用を受け取るとは言って

もらえず、この点でも難航した。このこだわりがネックになって長期受入れに 踏み切れない家庭もあるのではないかと推測したくなるほどであった。

しかし、会長を務める方に対する相談担当者からのたびたびの厚かましい問 い合わせに、なんとかしないと哀れと思われたのか、わざわざ会員全員にホー ムステイ受入れ可能期間についてアンケートをしてくださったのであった。そ の結果、半年くらいなら様子を見て受け入れてもよいという家庭が2軒ほど見 つかったとの回答をいただいた。譲歩して、必ず一年続けてとは言わず、半年

ずつ別々の受入れ家庭でもあればありがたいと伝えておいたのが、意が通じた ような回答であった。さらに本人の来日までに、一方の家庭から1年間通して お弓慢けしても構わないとの申し出をいただいた。事前に本人のプロフィール

ー142‑

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等ある程度詳しいデータも紹介し、また受け入れ家庭からも本人宛に家族紹介 の写真を添えたメッセージを出していただくなど、親しみを演出するのに幸い

協力的な家庭であったため、受入れ後もまずまずうまくいっている様子である○

なお、受入れ費用については、会の方針とは全く別に、当事者同士の合意に 基づき、実費をやりとりするというところで落ち着いているらしい。こちらも 負担感がやや軽くなったものの、ボランティアのこだわりの難しさとある一面 でのかたくなさに由来する恐ろしさを実感した次第であった。

4.2.日本語ボランティア育成5)

本学国際交流基金の主催で、週2日夜間に開講されていた学内及び地域在住 外国人対象の日本語クラスが、留学生センター開設を機に夏期集中日本語講座 へと役割をバトンタッチすることになった。従って本学で平日に開講される日 本語講座は、先にも触れたとおり、すべて学内関係者に限られることとなった。

そこで、学外の日本語学習者のための受け皿を準備する必要に迫られること となった。これまで、津市内には、中央公民館主催の日本語教室があり、毎土 曜日、午前中は英語圏、午後はポルトガル語圏の外国人対象に開かれてきた。

また、筆者のアドバイスで日本語ボランティアクラスを運営していたJSSは 日曜の夜に橋北公民館で活動を続けていたところ、今年に入って夜間管理者の 不在に伴い利用を閉め出され、教室確保に不安を感じていた。教室を確保する に当たって次に紹介するMIELの活動に合流し、津市国際交流協会の協力を 得て中央公民館2階の集会室を全面的に利用できることとなった。

参考)MIELの発足について

三重県国際交流財団日本語指導者養成講座の修了生によって、1997年4月から津市内 2ケ所で外国人のための日本語教室が開かれる運びになった。その開設の大きな推進力と して縁の下の力持ち的存在をつとめたのは、1996年度秋冬実施の日本語指導者養成講座修 了生が中心であった。加えて財団からの案内で養成講座修了OBの参加も得られた。さら に開設準備を進める中で呼びかけに応じて一般市民の方からも協力者が現れ、講座スター

ト後も輪が広がりつつある。

講座のひとつは、中央公民館を会場に1997年4月6日から毎週日曜日の夜開講されてい る。こちらの日本語講座の核となったのは、2年ほど前からやはりボランティアで、橋北 公民館を会場に日本語指導をはじめていたJSS(Japanese馳eakingSociety)のクラ

スであった。

もう一方の教室は、財団の講義室を利用して、金曜日の午前中に開かれている。こちら は同年4月11日にスタートした。

日本語支援グループは、双方をあわせて略称MIEL(MieInternationalExchange&

Leamingassociation)とし、「三重国際交流学びあいの会」として月1回程度連絡と学 習会を兼ねた合同ミイーティングをおこなっている。

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5.おわりに一今後の課題を含めて

留学生相談業務に関連し対応してきた任務について考察するにあたり、記録 ノートやファイルを繰ってこの3月までの3年間を改めて振り返ってみると、

取り上げた項目以外にも飛び込んできた細々とした相談を拾うことができる。

留学生以外からの相談では、学内で受け入れた外国人研究者などから日本語 学習について問い合わせを受けることが何回かあった。夏期休暇の後半や9月

・3月のちょうど授業の切れ目に当たる時期には紹介できる講座がなく、かと いって市民ボランティアの日本語教室もつい先頃までは数が少なく、時間的に

もレベルの上でも希望に添えず、あまりの選択肢の少なさに問い合わせてきた 主と共にやるせない思いを噛みしめることもあった。それでもできるだけの手 を尽くして半ボランティアの個人教授を頼み、マッチングがうまくはかれたと

きは、疲れが和らく、といったようなサイクルの繰り返しだっ.たように思う。

ひと口に留学生相談といっても、個々の救助サインの内容は、多岐にわたる 小さな単位で区切られた課題の連続であって、なかには、緊急性の高いものも 混じってくる。さらに一人に処方した対応が必ず次のケースにも成功をもたら すとは言い切れない部分が多々あるように思われる。入管の対応ひとつ取って も、時期によって相手によって変更が加えられてくることはあっておかしくな い、と覚悟しておいた方がいい。もちろん、機械的に決まった答えを入力して おけば済むことがらもあるにはあるが、相談の相手はあくまで人間なので、微 妙なところで条件が入れ替わり、従って処方も結論も前のプロセスとは似て非 なる経過を辿ってしまうことになる場合もあり得る。

数々の相談に付きあううち、アドバイザーないしカウンセラーに求められる のは、ひとえに柔軟性ではないかと考えるようになった。それはすなわち、相

談する側/される側の垣根に固執しないことではないだろうれ相談する側に 歩み寄りすぎると、同情に流れてしまい、真の問題点が引き出せないままで終

わらせてしまうおそれが出る。逆に相談の受け手側に身を固めてしまうと、権 威ばかりが横行して共感が育たず、かえって反発を招いてしまう結果に至るか

もしれない。かつ、留学生の相談に関わるということは、訪れた学生のプライ バシーに立ち入りすぎず、本人が留学生活を送る上で行き詰まっている問題を 共有し⊥少しでも解決に近づけられるよう̀ェンがワーメンドし(力づけ)支援してい

くことに他ならない。

その際、問題解決は、相談担当者のみに任せていればよいというものではな く、職員も含めた留学生関係者が一体となって取り組む姿勢が改めて求められ る。そのためら;は単に心構えを説くだけでなく、実際の対応に際して共有でき る視点をより確実にしていかなければならない。具体的には、教官・職員双方

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の関係者を対象として、多文化理解や人間関係形成力を育てるワークショップ 等の研撲の機会を積極的に取り入れていくべきであると提案したい。

注1)担当は、共通教育科目の日本語(会話ないし講読)・日本事情及び人文学 部専門科目の「日本の言語と社会」の計3コマ。他に、夏期日本語集中講

座(7月末‑8月初旬)・日本語講座(火・木夜)も分担。

2)『留学生の専門指導における教育改善に向けて‑1994年度実施学内アン ケート報告集』1995年3月刊

3)内容は、留学生受入れ担当者向けに編まれたもので、受入れ・指導・送 り出しの3章を中心として本学の状況を交えて情報提供している。

4)東海近辺では名古屋に南山大学留学生別科があり、京都には立命館大学

One

yearPrograA、同志社AKP(AssociatedKyotoProgran)、関西外国

語大学留学生別科などがあげられる。多くが欧米系の留学生であり、アジ ア系の学生とは異なる面で問題点が出てくることも多い。例えば南山大の 場合、ホームステイ先の開拓と依頼、受入れ後の調整のために専従の職員 がついている。事前にホスト・ファミリーに対する受入れ心得のレクチュ アなどを実施したり、ポイントをまとめた冊子を配布したりするなど、ま さにホストファミリーの確保が一大業務であることを窺わせる。

5)地域的な研究として、昨年度三重県と大学を中心とする高等教育機関の 関係者らが「ボランティアの育成及び手法の研究」をテーマに県内のグル ープを中心に聞き取■り調査をおこない、筆者も一員として協力した。1997 年1月、国際ボランティアグループをはじめとした部会に分かれ̀̀三重に ボランティアの新風を"と銘打ったシンポジウムが開かれた。また、同年

3月、『ボランティアの育成及び活動手法の研究一三重にボランティアの 新風を!‑』と麗した研究報告書がまとめられているム

参考文献

hrphy‑Shige皿atSu,SandN.KosⅦge.1997.DevelopingSupport Services andE血cationalPrograASforInternationalStudents.Bu11etinof

InternationalCenter,UniversityofTokyo

伽rphy‑Shigenatsu,SandN.Kosuge.1996.TheUniversityofTokyoIn‑

ternationalCenterAdvisingRoomCaseReport.BulletinofInter‑

nationalCenter,UniversityofTokyo

‑139‑

(12)

留学交流事務研究会編著1996.『留学交流執務ハンドブック平成8年度』

第一法規出版 J∬SA(外国人留学生問題研究会)1995.『留学生担当者の手引(受入れ編)』

凡人社

(財)日本国際教育協会編集1997.『留学交流/特集/留学生のカウンセリング』

ぎょうせい 100のトラフ寸ル解決マニュアル調査研究グループ編著1996.『外国人留学生

の100のトラブル解決マニュアル』凡人社 大橋敏子他1992・『外国人留学生とのコミュニケーション・ハンドブック』

一アルク

G・ホフステード著/岩井紀子・八郎訳1995.『多文化世界』有斐閣 由紀1996・「専門日本語習得の支援に向けて」『三重大学日本語学文学』

第7号 資 料1.

嘆願書の例

平成6年11月×日

△△△入国管理局 御中

突然ながら、このほど三重大学◎◎学部☆年生の**という学生がビザを紛失し、再度申請 するに当たり、本人の情況について一言ご説明申し上げたく、一筆添えさせていただく次第で す。

**さんは、今年4月、本学◎◎学部に入学以来、熱心に授業に出席し、勉学を続けてまい りました。本人の祖父がかつて和歌山に30年間荏任していた関係もあり、蜘\頃から日本に 対して深く関心を寄せておりました。来日して留学生となり、日本文化について広く学ぶこと

は、かねてよりの夢でもありました。向学の志も高く、本学での学業の続行を非常に強く祈願 しております。

現在、母国への一時帰国中にパスポート並びにピザを不注意で紛失するアクシデントに遭い、

再交付を待っておりますが、一刻も早く再来日し、勉学に戻ることを 本人のみならず、大学 側の教官・学務職眉一同待ち望んでおります。本人臥後期10月開講のクラスに対して履修 の意欲充分で、既に受講希望科目を指定し、履修申告済みです。

すでに後期の授業が始まって1カ月近く経過しております。つきまして駄本学◎◎学部留

学生**のビザ再申請に対して、迅速なご措置ご配慮賜りますよう、心よりお願い申し上げ

るものです。

‑138‑

(13)

監̲軋旦.

人文学部留学生相談室のホームページ(開設当時)

三重大学人文学部留学生相談室のホ∵ムページ

目次

◎人文学部留学生相談室の利用について 1.留学生相談室の紹介

2.相談日時 3.相談室の場所

4.留学生のための情報提供 5.相談室の図書・資料の閲覧

6.相談室が中心になって開いた交流会

◎三重大学に学ぶ外国人学生のホームページ

◎三重大学国際喫茶

人文学部留学生相談室の利用について 1.留学生相談室の紹介

1994年4月、人文学部に留学生相談室がつくられることになり、開設に むけて準備がはじめられました。同じ年の6月から実質的に留学生のための相 談を中心とする活動がスタートしました0

名称は、人文学部留学生相談室ですが、どの学部の留学生が利用してもかま いません。とくに日本語・日本事情の授業を履修している場合、相談室は教室 から便利な場所で、立ち寄りやすいと思います。気軽に利用してください0

留学生のみなさんのために相談室でおこなっているしごと臥次のようなこ とです。

*修学上の相談および指導

*生活上の相談および指導

*相談業務に関わる記録の作成

*相談業務充実のための調査および研究

*留学生に必要な情報の収集および提供

‑137‑

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*図書資料等の閲覧および貸出

*学内および地域社会との相互交流の企画・調整 2.相談日時

次のような時間帯で、留学生の相談に応じます。また、長期休業期間中、と くに夏期は、日本語集中講座の時間割などの関係で予定を変更することがあり ます0掲示に注意してください。なお、特別に必要があれば、あらかじめ連絡 をとってからたずねてください。

ただし、図書・資料を利用したいとき臥相談室があいていれば、相談時間 以外でもかまいません。

毎週月曜日

PM15:00〜17:00 火曜日 PM14:00〜16:30

木曜日

PM15:00〜17:00

3.相談室の場所

留学生相談室は、一般教育校舎2号館の1階にあります。エレベーター・ホ ールを抜けて、学生コンピュータ室の手前の部屋です。

4.留学生のための情報の提供について

a.プレオリエンテーションについて

入学予定の留学生にあてて案内を作成します。人文学部の入学予定者には、

入学手続書類とともに渡します。入学式のあと、一斉に行われる新入生オリ エンテーションにさきだって、新しく三重大学で学ぶ留学生の方々に相談室 に来てもらい、入学後の生活その他について説明する機会をもうけます。

b.その他

留学生として日本で生活する上で役に立つ情報を集め、提供していきます。

必要な情報、知りたいことがあったら、問い合わせてみてください。

また、相談室の入り口のすそ左よこに掲示板があります。いろいろなお知 らせが出ています。みなさんからもお知らせがあれば、もってきてください。

5.相談室の図書・資料の閲覧

a・雑誌および新聞(1994年度定期購読分)

・『日本語ジャーナル』(月刊),アルク

・咽際交流』(季刊),国際交流基金

・咽際文化会館会報』(季刊),国際文化会館

・『国際交流文化の歩み』(年刊),同

・『留学交流』(月刊),日本国際教育協会編/ぎょうせい

・『留学生新聞』(月2回),㈱アシワ・ハ○シフイツタ・コミ工トショげ

・『外国学生新聞』(月刊),外国学生新聞社

‑136‑

(15)

・"The Mie

Times"(月刊),Group

T.M.T.

b.その他の図書

上にあげた定期刊行物の他、日本語の学習を助けるために、日本語教材、

参考書、大学・大学院の入学案内などをとりよせて、そろえるようにして

います。

一例ですが、以下のような図書を借りることができます。

・『外国人留学生のための大学院入学案内1995‑96』,アジア学生文化協 会編/同文館出版

・『私費外国人留学生のための大学入学案内1994年度版』,日本国際教 育協会編/大学通信

・『平成6年度外国人留学生大学人試問題集第1分冊日本語・小論文編』, 専門教育出版

・『予想と対策日本語能力試験1級受験問題集』,アルク

・『予想と対策日本語能力試験2級受験問題集』,アルク

・『日本語学習使い分け辞典』,講談社

・"JAPAN

ALMANAC1995h朝日新聞社

☆★相談室が中心になって開いた交流会★☆

1994年以来、

ています。

'94☆6月25日

☆7月29日

☆12月21日 '95☆4月9日

☆4月21日

☆6月28日

☆7月15日

☆11月18日

☆1月27日

☆2月22日

つぎのような企画をたてて、学内や地域との交流をはかっ :松阪散策のつどい

:七夕そうめんパーティー

:年わすれ民族衣装交換会

:津倍楽公園べのお花見 :新入生歓迎パーティー :卓球大会

:サマー・パーティー :おそうじティーパーティー

:七草がゆともちを味わう会 :第1回国際喫茶OPEN

三重大学人文学部留学生相談室の貞はここで終わりです。

editby酋ORIYuki

yuki@h皿an.皿ie‑u.aC.jp

‑135‑

[本学教官]

参照

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7ORDER LIVE FACTORY 「脱色と着色」~FINAL~ 追加公演情報 11月3日(木・祝)【1回目】開場 13:00/開演 14:00 【2回目】開場 17:30/開演

 春・秋期(休校日を除く)授業期間中を通して週 3 日(月・水・木曜日) , 10 時から 17 時まで,相談員

月〜土曜(休・祝日を除く) 9:00 9 :00〜 〜17:00

7:00 13:00 16:00 23:00 翌日 7:00 7:00 10:00 17:00 23:00

日時:2013 年 8 月 21 日(水)16:00~17:00 場所:日本エネルギー経済研究所 会議室 参加者:子ども議員 3 名 実行委員

令和4年3月8日(火) 9:00 ~ 9:50 10:10 ~ 11:00 11:20 ~ 12:10 国  語 理  科 英  語 令和4年3月9日(水) 9:00 ~ 9:50 10:10 ~