中学校における「献立作成」のプログラム学習
野
口
道 子1 緒 言
能力の異なる多数の生徒を,、どのようにして積極的に学習に参加させその効果をあげるか は,学習指導上の大きな課題である。プログラム学習はそのための一つの方法として研究され てきた。これはまた教育工学のソフトウエア開発の道でもある。プログラム学習では,学習者 の進度差をいかに処理するかが問題点の一つであるが・「献立作成」の場合は能力に応じて到 達の程度に幅を持たせることが容易であり,それが個々の学習者の意欲を高めることにもなる と思われる。そこで中学校,技術・家庭(女子向き)第1学年の「青少年期の献立の作成」に プログラム学習を実施して検討を行なった。
皿 研究方法
第1次案を長崎市内のA,B, C 5校で昭和47年4〜5,月に実施し,その結果に基づいてプ ログラム・シートやテストの内容を改訂し第2次案を実施した。
1 対 象
D校(辺地1級地,中規模校),E校(長崎大学附属中学校)の第1学年女子各1ク ラス
2 実施時期 昭和47年9〜10月 5 方 法
(1)前提テスト (7分間)
(1>次の①〜⑤のことばと,もっとも関係の深いものを,右の⑦〜㊥の申から一つ選んで,
()の中にその記号を書きなさい。
①たんぱく質(
② たまご (
③ 目玉焼き (
④栄養所要量(
)
)
)
)
⑤ 食品群別摂取量の めやす ( )
⑦ 食品
④ 調理
㊥栄養素
㊤ わたくしたちが健康な生活をしていくために必要な熱量や 栄養素の:量
④ わたくしたちが実際にとっている熱量や栄養素の量
㊥栄養所要量をみたすには,どんな食品をどれだけとったら よいかをまとめたもの。
㊥わたくしたちが実際にとっている食品の量
② 次の食品は下のどの食品群にはいりますか,()の中にその番号を書きなさい。
きゅうり(),トマト(),みかん(),ピーマン(),ねぎ(),なす(),
ジャム(),こんにゃく(),もやし(),さやいんげん()
①いも類 ②さとう ③まめ。まめ製品 ④緑黄色野菜 ⑤淡色野菜 ⑥くだもの⑦その他
(2)事前(後)テスト(10分間)
( )組 ( )番 氏名( )
次の三つの献立は,12歳女子の1人1日分です。下のグラフは,それぞれ「あやすのも のさし」を使って,食品群ごとに分量を書いたものです。(朝・昼・夕食にわけてありま す。)栄養上,いちばんよいと思うのはどれですか。解答らんに○をつけなさい。ほかの 二つは,栄養上,わるいところを書きなさい。
① ② ③
、
献 立 食 品
分量(9}献 立 食 品
分量(9)献 ⊥ 並食 品
分量(9米 飯
米130 米 飯 米 130 米 飯
米130
朝みそ し る
み そも や し
禔@あ げ
20 R0 P0
朝 みそ し る み そ
焉@や し
禔@あ げ
20 R0 P0
朝
みそ し るみ そ 焉@や し
禔@あ げ
20 R0 P0
目玉焼き 卵
50
目玉焼き 卵50
せん切りキャベツ 油 2 こざかなつくだ煮
こ ざかな10 油 2
キ ャ ベ ツ 30 せん切りキャベツ キ ャ ベ ツ 50
こ ん ぶ 10
食こんぶっくだ煮 こ ん ぶ 10
こ ん ぶ10
こぶ ま き こ ざかな5 あ さ づ け は く さ い 30
食
こぶ ま き
ご ざ か な ウ と う
§
さ と っ , 5
食あ さ づ け
だいこん葉20
昼パ ン パ ン
o タ 一 粉120@15
あ さ づ け
だいこん葉20
パ ン パ ン パ ン
粉120昼 サンドイッチ バ タ ー n ム
粉120
@15 じゃがいも
70 昼 バ タ ー
W ヤ ム810
じゃがいも ノ ん じ ん
30
R0 食
いため煮香@ 乳 タ 一 香@ 乳
5180
ソーセージと
・リの油いた
ソーセージ L ャ ベ ツ
70 V0 き ゅ う り
10
P0 米 飯 130 め に ん じ ん 10
油 5
マヨネーズソース 10
すき ゃ き
牛 肉 160
.牛 乳牛 乳 180
夕
食
牛 乳 牛 乳 180
と う ふ50
食く だ も の り ん ご 100
く だ も の り ん ご loo ね ぎ 50
米 飯 米130
夕
ちらしずし 米ゥんびょうオ い た け 150
T2
しゅんぎく ヘ く さ い
70
T0 夕
すましじると う ふ ルうれんそう
50 P0
しらすぼし(小魚)
5
こんにゃく30
焼きざかなあ じ 90
白 身 魚れん こ ん
ノ ん じ ん
ウ と う
30 Q0 P0 P5
食
卵ウ と う 50 Q0
さといも・に じんのいた ゚煮
さ と い も
ノ ん じ ん@油さ と う
R070
T3
すましじる
と
つふ 50 食
おろしあえだ い こ ん
50食
ほうれんそう5 あ さ づ け か ぶ 40 り ん こ
50く だ も の り ん ご 50 く た も の り ん ご 150 ウ と ら
しらすぼし(小魚)54
穀 類 い も 類
さ と っ油 脂
ま め魚・肉。卵 牛 乳 こ ざかな 海 そ
緑黄色やさい淡色やさい
く だも↓
①
↓
②
↓
③
図■■朝食 皿昼食 囮夕食
解答らん① ② ③
(「めやすのものさし」は著者案,実用新案登録出願中)
(3)プログラム学習 (60分間)
目標… 青少年向きの献立作成の基本方針をいうことができ,
ができる。
それにしたがって献立を批判すること
学習のしかた
・これからわたくしたちの「献立作成」について,「プログラム学習」という方法で学習しま しょう。
・これは自分のペースでひとりで学習する方法です。ほかの人のことを気にしないて,よくわ かるまで考えて学習しましょう。
・番号のついたわくの問題を,上から順にといてゆきましょう。
・答えは一毅下のわくの左に書いてありますから,自分で答えを書くまでは,みえないように カバーでかくしておきましょう。
よく考えないで答えをみてしまうと,自分の力になりません。
・答えは1=二1の中に書きます。i三1の中に二つのことばが書いてあるところは,どちらか を消します。
漢字がわからないときは,かなでよろしい。答えを書いたら,すぐ答え合わせをしましょ う。違っていたらもう一度,よく読み直し,わかったら正しい答えを,あいた所に書いてお きましょう。(はじめの答えを消さないこと。)
・わからないときは,手をあげて先生に質問しましょう。
・この学習に必要なプリントは,別冊にとじてあります。
・教科書は示されたときに,その部分だけみましょう。
食品を食品群に分けて,
全部とれているかをみる。
・牛乳・ござかな・写そう
・緑黄色野菜
・くだもの
1.栄養 2.健康,からだ
(1)まず,食事記録をだしましょう。食事のとり方は,それで よいでしょうか。およそのよし悪しを知るには,どうしたらよ
いでしょうか。
② 自分のものについてしらべる前に,食事記録例1の食品を 食品群に分けてみましょう。
まったく,とれていない食品群がありますか。あれば次に書 きなさい。
(3)この食事では,とれていない食品群が三つあります。この ような食事がつづけば,IL lがかたより1rlによくあ りません。あなたの食事記録ではどうですか。あとでしらべて
みましょう。
(4)栄養がかたよらない,よい食事をするには,そのときの思 いつきで調理しないで,1 {をたてて食事をするのがよい のです。
献立,計画
栄養
答えは次に。(7)で答えた
ときは順序は違ってもよい。
① このみ,嗜好,好きき らい,味
②費用,予算,経済,価 格
③能率,時間,手数ダ手 間,調理法
はい
または いいえ①動物性
②あぶらっこい
① めやす
②栄養i所要量
(5}献立をたてるときは,このように[_1を考えることが
たいせつです。
(6)栄養のほかに,どんなことを考えなければなりませんか。
{まず,わかるだけ書きなさい。わからないときは,そのまま にして(7)に進み,ヒントを読んで(7)で答えなさい。}
(7)献立の条件
栄養1ξ「コ…せっかく栄養を考えて食品を選んでも,おいしく 食べられないと役に立ちません。
1②_コ…家庭の収入には,かぎりがあります。
匝=コ…たとえば,朝食は二枚に間に合うように作らねば なりません。
(8)このように,献立をたてるときは,栄養,このみ,費用,
能率を考えることが必要ですが,1年では,おもに栄養とこの みを考えて,献立をたてる勉強をしましよう。
教科書81ページを開きなさい。
3表の献立例をみながら,次に進みなさい。
⑨ この献立は,12歳の女子の1人分です。
口絵4,5ページにこの献立のできあがりの写真と,その材 料を示してあります。81ページの表とくらべて,よくみましょ
う。
この献立は好きですか。1はい,いいえ1
α①青少年期には・いっぱんに・このようなi①植物陸,動物圏 の食品を奪いた1②あぶらっこい,あっさりした1調理がこのま れます。
成人や老人とは,このみが違いますから,家庭の献立をたて るときは,ほかの家族のこのみも考えることがたいせつです。
α1}この献立は栄養上はどうでしょうか。12歳の女子の栄養 所要量がとれるでしょうか。どの食品群も食品群別摂取量の 匝 1の分量が使ってあれば,だいたい1② 【がとれ
るとみてよいのです。
(12}81ページの献立例は,食品群別摂取量のめやすの分量が使 ってあるか,どうかがすぐわかるように食品の分量は,それぞ れの食品群のらんにわけて書いてあります。そして,食品群ご とに1日分の1=tをだしてあります。
合計
食品群別摂取量のめやす
穀類が7g,油脂が1 9,緑黄色野菜が5gめや すより多い。ほかはめやす
と同じ。 (どの食品群もめ やすとほとんど同じ。)
12歳の女子の栄養所要量
をとることができる。 (栄 養上よい。)
はい。
または いいえ。
食品群別摂取量のめやす
油脂はめやすより5g多 い。ほかはめやすに同じ。
答えは次に
(13 この合計を1 です。
1とくらべればよいの
⑬ この献立ではどうなっていますか。
㈲ そこで,この献立は次のようにいうことができます。
(16)次にプリントの献立例2をみましょう。これも12歳の女子 の1人1日分です。・この献立は好きですか。【はい,いい型
㈲ 栄養上はどうでしょうか。それをしらべるには,l lとくらべればよいのです。
㈹ こんどは数字を記入するかわりに,「めやすのものさし」
を使って,グラフを書いてみましょう。
「めやすのものさし」と台紙をだしなさい。台紙には,朝食と 昼食の分はもう書いてありますから,夕食の分を書き加えてご
らんなさい。 (色えんぴつがよい。)
グラフを書き終わったら,食品群ごとに,1日の合計はめや すよりどれだけ多いか,少ないかをしらべて,次に書きなさ
い。
(19答えが違ったときは,食品群のわけ方は正しいか,目もり のはかり方に間違いはないか,しらべなさい。
⑳ それではこの献立も,教科書の献立と同じに栄養上よいで しょうか。二つの献立のグラフ(教科書のものはOH:Pをみな さい。)をくらべて違うところを書きなさい。
わからないときは,そのままにして(21)に進み,ヒントを 読んで(21)で答えなさい。
⑳ どちらも各食品群の合計は,食品群別摂取量のめやすとほ とんど同じですが,朝・昼・夕の配分のしかたはどうでしょう
眺1
教科書の献立は,朝・昼
・夕の配分にかたよりが少 ない。例2は,かたよりが
多い。
教科書の献立
①食品群別摂取量のめやす
②毎食なるべくかたよらな い。
⑳めやすの分量は,かならずしも朝・昼・夕に告ずつわけて とる必要はありませんが,毎食なるべくかたよらないようにと る方が,栄養上よいのです。この点からどちらの献立がよいで しょうか。i l
㈱ つまり,栄養上よい献立をたてるには,食品群の1日分の 合計をおよそ匝 1に合わせ,しかも『1亟 1ようにするのがよいのです。
食 事 記 録 例 1
献立 食㌃\\
朝
食
昼
食
ト 一 ス ト
ゆ で 卵 キャベツの 着いため
紅 茶
米 飯
焼きざかな
かまぼこ煮つけ
煮 ま め
きんぴらごぼう
劉ピけ・ツ
夕
食
米 飯
卵のスープ
鶏肉のソテー つけ合わせ
粉ふきいも 野菜サラダ
食 パ ン バ タ 一
卵
キ ャ ベ ツ油 紅 茶
さ と う 米 塩 さ け か ま ぼ こ さ と う
うずらまめ
さ と う ご ぽ う さ と う
油 ピーナッツ
寸 寸
鶏 肉 油
じゃがいも
き ゅ う り キ ャ ベ ツ
油
穀 類
い
も
類
さ と
う油
脂
まま磁
・品
さ肉か
な・卵
牛こ海蓑
乳なう 緑野 黄 色菜
淡 色
野
菜く
だ
も
の献立例2(12歳女子)
献 立 食 品i分量(、)
朝
食
昼
食
ト 一 ス ト
紅 茶
生
野
菜米 飯
ゆ で
卵
こんぶ入り煮豆
め ざ
し
劉牛 乳
夕
食
米
飯
す ま し じ る
さ し
みと ん か っ
つけ合わせ 粉ふ き い も
ほうれんそうひたし
つ け も の
く だ も の食 パ ン マ 一 ガ リ ン
紅
さ と
茶
う
ト マ ト
米
卵
だこ
さ
い ん
と
ず ぶ
う
め
ざ し
牛
乳
米 と う ふ
ほうれんそう
ぶ り
だ い こ ん
ぶ小
ノぐ
じ
た 麦
ン
卵 油
や が い 肉 粉
粉も
ほうれんそう
き ゅ う り
み か ん
(粉)120
15
2 10 100 150
50 5010 相 10 180 150
5010
90 50 70 少量〃
〃
10 70 60 70
150
(使用教科書は全国職業教育協会編, 技術・家庭 女子用1)
皿 結果および考察
1. 目標の到達度
評価マトリックスは表11〜4のとおりである。
表1−1,1−3ともB+:F=0であるからプログラムの混乱効果はないとみてよい。E+
F+Gの価は表1−1では2であるが,λ12検定でE+F+G=0との聞に有意差は認められ ないので,前提テストも妥当とみられる。
目標の到達度(C/C+D)はD校で85.7%,E校で95.0%であり,一応,学習の目標に達し たと思われる。一せい学習を行なった対照クラスは,両校とも実施クラスとの間に能力差がな いように編成されたものである。D校の実施クラスと対照クラスの目標到達度の差について,
表1−1 評価マトリックス
(D枚実施クラス)
表1−2
R
十
十
(D枚対照クラス)
;:受
十
十
十
A
4
C 50E
0
G
2
B
o
D
5
F
o
H
0
R P談2
十 十
十
十
十
8
53
0
0
0
1
o
0
表1−5
(E枚実施クラス)
R
十
十
表1−4
(E枚対照クラス)
P訣
十
十
十
4 40
0
0
0
5
0
0
R
十
十
十
十
十
47
0
0
5
0
0
R一前提テスト,Pr事前テスト, P2一事後テスト,+,一は各テストの合格,不二三を示す。
冗2検定を行なった結果は,有意差はなかった。E校では対照クラスに事前テストを行なわなか ったので,両クラスのA+C/A+B+C+Dを比較したが,これにも有意差は認あられなか った。このことで両クラスの学習の効果を単純に比較することはできないが,プログラム学習 でも,一せい学習とほぼ変わらない学習効果をあげることができたと思われる。
2.学習の定着度
D校において生徒が次時に作製した献立を①食品群の分類は正しいか,②食品群別摂取量の めやすに合っているか,③5食の配分は適当か,④味の調和はよいか,⑤調理材料の分量は適 当かの五つの観点から評価した。このうち,本学習と直接関係のある②と③について,実施ク
ラスと対照クラスを比較した結果は表皿のとおりであった。
実施クラスの生徒は,新しい方法で学習 することで意欲的に取り組んだこともあろ うかと思われるが,プログラム学習が定着 度が高かったといえよう。しかし,これが 実践と結びつくためには,実物,実物標 本,ピクチュアー・フードなどによって数 量を把握することが必要であると思われ るb第1学年では,まず栄養と嗜好に重点 をおき,ことに栄養上の基本的な条件に合
表∬ 献立の評価
②
③
実施クラス 対照クラス 実施クラス 対照クラス
よ い
4125 58
31
わるい 1
16
4犯
X2
**
**危険率1%で有意差あり
う献立を作ることができるよう指導する必要があると思う。その点ではプログラム学習はじゅ うぶん効果をあげたといえるであろう。
ろ.所要時間
両校とも早い者は40分間で終了したが,未終了者がD校で18名/42名,E校で2名/49名あ った。両校の未終了者の率についてλ12検定を行なった結果,1%の危険率で有意差が認めら れた。両校の知能テストは方法が異なるので知能の面から比較することはできないが,図1に みられるように個人差はテストの成績よりも所要時間にでてくるようであり,この点にもプロ グラム学習の利点が認められると思う。E校の生徒中,知能偏差値の上位12名のグループと,
下位12名のグループの所要時間の差につき,t検定を行なった結果は表皿のとおりで有意差は なかった。E校の場合は上位と下位との差が少ないので,所要時間に有意差がなかったものと 思われる。
30 事
鋒
亥20
毒 点
お10
点 満 墨
0
o
■ :。1=鴛 ・=・●;書.ち の 糞
● ●
o
●
● ●
45 魑50 55 所要時聞(分)
図1 所要時間と目標の到達度
60
表皿 知能と所要時間
上位グループ
下位グループ 人数
12
/2
知能偏差値
(京大NX)
平均 66
55
SD
1.5
5.5
所要時間
(分)
平均
50.2
53.9
SD
7.2
5.7
はじめてのプログラム学習を生徒はどのように受け取ったであろうか,アンケート調査の結 果は表IVのとおりであった。
よい理由の第一は,自分のペースで勉強できる,つい 表W アンケート調査 でわかりやすいことがあげられ,わるい理由としては,
先生の説明の方がわかりやすい,テストのようで疲れ る,もっと広範囲のことを勉強したいなどがあげられ た。プログラム学習では多くの資料を使い,必要に応じ て教師と個別に対話しながら,自分のペースでじっくり と学習を進めていくことを目指していたが,はじめての 試みとして2時間(プログラム学習の正みは60分間)以 上を費すことは,はばかられたし,第1次案の結果にか
よ
いよ く な い どちらでもよい
D 校
37
3
1
E 校
26
12
12
んがみ食品群分類の正誤がなるべく影響を及ぼさないように考慮したことから,大幅に内容を 縮小した。これは学習者の思考活動や技能の訓練をおさえることになった。また,資料の準備 もじゅうぶんでなかった。一方,学習者の側にも最初のこととて,ややもすればテストを受け るような緊張感があり,教師への質問もあまりなかった。たしかに,適切なプログラムを作 り,適切に運用するのは困難なことである。作成に要する時闇,労力,費用も大きい。しか し,多くの教師が作成に協力し,またプログラム・シートは備えつけにするなどの方法を講じ た.り,時間も学習の全部と限らず一部をこれにあてることも考慮するなど研究すれば,回路を
切り開いて独自の効果をあげることができると思われる。一定のプログラム・シートを使って も教師の個性を発揮できるのである。家庭科の学習において,どこに,どのようなプログラム 学習を行なうのがよいか,今後さらに研究を重ねたい。
w 総
括中学校第1学年女子に「青少年期の献立の作成」のプログラム学習を実施し,対照クラスと 比較して学習の効果を検討した。その結果は次のようであった。
1.
2.
3.
4.
目標の到達度は,プログラム学習の場合も一せい学習の場合も変わらなかった。
学習の定着度は,プログラム学習の場合がよいようであった。
所要時間には個人差がかなりあったが,到達目標にはあまり差がなかった。
プログラム学習は,その内容や運用を適切にすれば,個人の能力に応じた学習法として 効果をあげることができると思われる。
おわりに実施校の石原裕子教諭,稲葉正子教諭,木田橋宮子教諭,寺田啓子教諭,山ロ元恵 教諭,吉村美智子教諭ならびに生徒の方々に感謝いたします。
参考文献
(1}
(2)
(3)
(4}
(5)
(6》
(7)
(8)
文部省, 中学校指導書技術・家庭編 開隆堂(1970)P.112〜135 全国職業教育協会編, 技術・家庭,女子用 開隆堂(1971)P.69〜82 羽仁説子,馬場信雄ほか 技術・家庭,女子 実教出版(1971)
デール・M・ブレソワー, 学習プログラム作法 日本ソノサービスセンター(1965)
沼野一男監修 プログラム学習入門 東芝教育技法研究会(1971)
堀和子,斎藤広子,斎藤久子,今井幸子,教授工学,1,P、205〜24ろ 山森利之,教授工学,2,P.126〜156
小栗貢,教授工学,2,P.182〜187