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巻 頭 言 研究開発センターの役割と今後への期待

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Academic year: 2021

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巻 頭 言

研究開発センターの役割と今後への期待

公立大学法人埼玉県立大学 理事長 田中 滋

大学経営も、医療・福祉・ビジネス分野における他の事業体と同様、時代と地域の環境に適応した機能を発揮しな くてはならない。公立大学法人埼玉県立大学が果たすべき機能としては、周知のように教育・研究・地域貢献の3つ がある。

教育については、IPEを含め、本学が開学以来果たしてきた成果を誇りに思う。研究とそれを活かした地域貢献に ついても、教員がそれぞれレベルの高い取り組み行い、同じく成果を上げてきたと理解している。

しかし、日本全体、特に埼玉県でこれから起きる人口年齢構成の急速な変化を踏まえると、時代が求めるプラット フォームとしての地域包括ケアシステムに対し、個々の研究がどうつながっているかをマッピングする視点が不可欠 ではなかろうか。研究開発センターに求められる役割には、一つ一つの研究の支援・奨励のみならず、こうしたとり まとめを世間に分かりやすく開示・広報する活動も含まれる。

地域包括ケアシステムは、2008年に「医療ニーズを併せ持つ要介護者が、施設・在宅・居住系のどのサービス を利用するかを問わず、日常生活圏域において切れ目のない連続的かつ包括的な医療・介護による支援を受けるには どうしたらよいか」から検討が始まった。

一方、2019年の地域包括ケアシステム概念はもっと広がり、予防はもとより、多世代共生を上位目的として、

多様な人々が地域で暮らしていくための仕掛けも視野に含まれている。医療・介護サービスの提供者も、法人や事業 所内だけを見るにとどまらず地域全体を視野に入れ、高齢者・障がい者・児童、それらの家族の活動と参加を支援す る力が不可欠である。

大学も、一人ひとりの研究が優れているだけでは十分条件を充たしたことにはならない時代と言えるだろう。本学 が位置する地元地域、さらには埼玉県が直面する課題をしっかりと捉え、住民はもちろん、関係団体や自治体と構想 を共にし、新たな地域づくりに協力するあり方が求められている。

研究開発センターが2018年10月に開催したシンポジウムでは、医療と社会福祉にかかわる厚生労働省幹部お 二方、および埼玉県を代表するリハビリテーションならびにコミュニティケアを提供する医療法人経営者にも出講し ていただき、多くの聴衆を前に、地域包括ケアシステムをめぐる中身の濃い議論が展開された。

さらに、同じく研究開発センターが定期的に開催する地域包括ケア推進セミナーにおいては、現場の従事者や行政 の方々の参加を得て、有益な演習を提供している。また奨励研究発表会では、地域包括ケアシステムにかかわるプロ ジェクトを含め、地域が抱える問題意識に役立つ内容の報告が行われた。

こうした活動が今後も活発化し、地域との連携を深める研究が進展する姿を信じ、大いに期待している。理事長と しての支援を続けたい。

参照

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