R.Browningの"'The Statue and the
まこと
Bust"の持つ真の意味について.
渡 邊 清 子
は じ め に
かつて
Wm.LyonPhelpsが
"Nopoem ofBrowining'Shasgivenmore troubletohiswhole‑souledadmirersthan "TheStatueand theBlュst":and yet,ifthis is taken a.sa paradox,its meaning is abundantly clear"(1)
と言 ったことがあるが,それにつ いて は後 に詳細 に述べ ることにす
る。確かにこの作品が
19世紀後半の
Victoria朝時代に書 ゝれたものとしては, 多少物議をか もしだ したとして も,止むを得なか ったか もしれない。本論文 に 於いては,初めにこの題の背景になっている物語 りを, よ く理解す るために, 注意深 く詩行を追 って,半 ば訳 しなが ら,その大意をのべてみたい。そ して詩
まこ と
人がこの作品の中で何を 「 真」 としているかを探 り,当時代の人々の持 った問 題点 に対 し,詩人が与えた解答に耳を傾けてみることにす る。
(2)
̀̀TheStantlleAndTheBust"
この 「 騎馬像 と胸像」 は
1855年1
1月1
5日に初 めて
Menand Womenの中 に所載出版 されたロマ ンテ ックな絵画的な物語詩である。内容 は半ば伝説 にも
(1) William LyonPhelps;RobertBT・OWning,How toKnowm m(TheBo‑bbs‑MerrillC
0
.,Indianapoli
s,1915)p.272.(2)
本論文に引用される詩行は凡て下記の全集による。題名のこの詩は
Vo1.3の
pp.393‑402に所載されてある。
SirF.G.Kenyon,(With introductionsby);TheWorksorRobert Browning;Centenary Edition in Ten Volumes, (AmsPress,Inc.
,
New York,1966)1
とずいた ものであるが
,Browning独特な豊かな想像力 によってフィクション 的な要素がかな り含 まれていると言われる。 この詩 には
,4行 よりなる最後の 連をのぞいて,全部 3 行よ りなる連が 83 もある 。2 5 0 行よりなるかな り長 いこの 詩の
rhymeschemeは
ABA,BCB,CDC,DEDと続 き,最後のところでは
ⅩYX,
YZYZと結ばれている。韻律 は
anapaestを交 えた
iambictetrameterが主 であ
るので比較的読みやすい
。Symonsは
terzarimaで書 ゝれた この詩 を
"Despite thedifficultyofthemetretheverseissingularlyfreshandmusical ."と 称え,更 にこれを
"‑oneofBrowning・sbestnarratives
"(3) とはめている。
Phelps
はこの詩が多 くの善良な人々を困惑 させ たの は "
‑itseems(ona‑verysuperficialview)tosympathisewithunlawfullove
;
" (4) だか らだ,つ ま り不法 な愛 に肩入 れ してい るよ うに見 え るか らだ とい う。 しか しそれが
Browningの本心であ ったかどうか,やはり物語の内容 をよ く読んでみ る必要 がある。先づ語 り手 は次のように話 し始める。
There'sapalaceinFlorence,theworldknowswell Andastatuewatchesitfrom thesquare
,
Andthisstoryofbothdoourtownsmentell.
(ll. 1‑3)
人々に良 く知 られていた宮殿 ( 当時の
RiccardiPalac e ,今の
PalazzoAntinl ori ) はフロレンスにあった。それ と向かい合 った広場
Piazzadall'Annunzia‑ taに
1つの立像が立 っていて,宮殿の
1つの窓の辺 りにその視点 はしっか り向
けられていた。 この宮殿 と馬上姿の立像 とにまつわる話を市民が物語 って聞か せて くれるというのである
。F.G Kenyonによれば この
statueは
DukeFerdi‑ nandの姿をかたちどった もので,当代一流の彫塑家
GiovannidaBologna又一 名
JeandeDouaiによって制作 された ものだ とい うことであ る
。Kenyonは更 に物語 につ いて
"Thestoryisbasedonatraditionassociatedwiththe (3) ArthurSymons;AnlnlT・OductionTotheStudyofBrowning(J.M.Dent&SonsLtd‥ London,1923)p.127. (4)William LyonPhelps;ibid..p.273.
statue
, ‑
,forthebust‑thereisnowarrantinthetradition." (5)と胸像 はまさしく
Browningの独 自の創作であったことを明 らかにしている。
DeVane
が言 うように, この詩がいつ書 ゝれたか明瞭で はないが, 詩 の中 に言及されている場所 とか,伝説 の内容 は
Browningが
1847年
4月 にフロ レン スに来て間 もない頃に耳 に していたことは確かである。 しか し詩人 は彼 らしい 流儀で 「 市民の語 り草」 という形式 を用 いて書 いている
oDeVaneもや は り
"ThelegenddoesnotgiveBrownlngWarrantforthebustofthelady
,
though thereisan empt≠ shrineunderthewindow,andartisticbalance demandedthebust." (6)と述 べてい る
。Harringtonは
"Thebustseems toゎeBrownlng,sinvention.Headmitsthere,snonetherenow." (7)と簡単 に言 い切 っている。 しか
LSutherlandOrrは胸像 の ことにつ き次 の如 く 証言する。
"He(Browningの意)
leavesthe"bust"intheregionoffancy,
bystatingthatitnolongerexists.Buthetellsusthatitwasexecutedi
n
"dellaRobbia"ware,specimentsofwhich,sti l
l,atthetimehewro‑te,adornedtheoutercorniceofthepalace." (8
)とo
"dellaRobbia"と いうのは
"terra‑Gotta"焼 (テラコッタ焼,つ ま り赤土 の素焼 にエナメル塗 料をつけた もの)の ことだそうである。以上で
Bustの ことはさてお き, 物語 の本筋に入 って行 くことにす る。
Agesago,aladythere,
Atthefarthestwindow facingtheEast Asked
,
"Whoridesbywiththeroyalair?"( l l .
4‑6)(5) SirF.G.Kenyon;ibid.,Vol
.
3,p.xliv.(6) William ClydeDeVane;A BrowningHandbook(F.S.Crofts&Co.. New York,1935)p.208.
(7) VernonC.Harrington;BrouノningStudies(RichardG.Badger,The Gorham Press,BostonU.S.
A
.,1915)p.117.(8) SutherlandOrr;A Handbook To TheWorksofRobeT・lBT・OWning (G.BellAndSons,London,1927)p.206.
3
Thebridesmaids'prattlearoundherceased;
Sheleanedforth,oneoneitherhand;
Theysaw how theblushofthebrideincreased‑
(ll. 7‑9)
昔
Riccardi家 に嫁 いで来たばか りの花嫁が,宮殿の東向 きの一番端の窓辺か ら下をのぞいて見ていた。その時 , 1 人の立派な凌々 しい馬上姿の若 い青年が 通 りすがるのをみとめた,そ してあれはどなたかと尋ねた。
彼女の結婚式 に介添 として,はペ らせた
2人の腰元達 は左右 に従 っていたが, ぴたりとお しゃべ りを止めて,窓か ら体をの り出 してみている女主人をみた。
彼女 らは花嫁の頬の赤 らみの増すのを見てとった。
Theyfeltbyitsbeatsherheartexpand‑ Asoneateachearandbothinabreath Whispered
,
"TheGreat‑DukeFerdinand."(9)
( l l .
10‑12) Thatself‑sameinstant,underneath,TheDukerodepastinhisidleway, Emptyandfinelikeaswordlesssheath.
( l
l.
13‑15)腰元達 は新夫人の胸の動侍で,彼女の胸の高鳴 りを感 じた。そ して同 じに一 気に
,「フェルディナ ン ド公爵様で ございます
。」 と噴いた。
丁度同 じその時,窓の下を公爵がゆったりと馬に跨 って来た。 まるで刀身の ない鞘の如 くに,邪心な く,貴公子然 として。
Gayherode,withafriendasgay,
(9) Harrington
は
DukeFerdinandI(Ferdinandde'Mediti) は
1549年に生
まれ,彼 の兄
FrancescoIの後 をつ いで
1587年 に
GrandDukeofTuscanyの位につき
,1609年に死んだ.と記している。彼は在世中,善政を行い,その繁栄
に寄与したため大いに人望を高めたと言われている
。Berdoeは
"Ferdinandlwas GrandDukeofFlorence"(p.520)と言い
,DeVaneは彼の没年を
1608年
(p.208)としている。
Tillhethrew hisheadback‑ "Whoisshe?"
‑ "A bridetheRiccardi(10)bringshometo‑day."
(ll. 16‑18)
公爵ははでやかに乗 って行 く,彼の友 と同 じようにはでやかに。彼 はさっと 振 り返 り
,「あのひとは何者」 と聞いた。「リカルディが今 日お連れ して来た花 嫁です」 との答があった。
その美 しい花嫁の姿を
Browningは次のように描 く。
Hairinheapslayheavily Overapalebrow spirit‑pure
‑
Carvedliketheheartofthecoal‑blacktree
,
( l l .
19‑21 )
Crispedlikeawar‑steed'sencolure‑Andvainlysollghttodissemblehereyes Oftheblackestblackoureyesendure.
( l l .
22‑24)し
ん
あたか も黒檀の心か ら彫 り出 したかのような彼女の髪 は,ふさふさと重 く, 妖精のそれのように純潔で蒼白な額の上 に置かれていT =。彼女の黒髪 は軍馬 の たて髪のように波打 っていて,我 らの眼が持ち得 る最大限の美 しい黒 さを目立 だたせまいとす るかの如 くであった。
Andl
o
,abladeforaknight'semprlSe Filledthefineemptysheathofaman,‑ TheDukegrew straightwaybraveandwise.(ll. 25‑27) (10)EdwardBerdoe;TheBrowning Cyclopaedia (GeorgeAllen&Unwin
Ltd.,London,1931)p.52
1 .に日く
vRiccaT・diJanoblefamilyofFlore‑ nce.‑ThePalazzoRiccardi,aproudandstatelyresidence,wasbegun in1430byCoimodeiMedici.Itremainedinthepossessionofthefa‑ milytill1659,whentheysoldittoGabrieleRiccardi;buttowardsthe endorthelastcenturyltWasboughtbytheGrandDuke, ‑I
"5
Helookedather,asalovercan;
Shelookedathim,asonewhoawakes:
Thepastwasasleep,andherlifebegan.
( l l .
28‑30)するとみよ !騎士の進取の気性
(enterprise)にふさわ しい刀身が,人 の見 事な空ろな鞘の中に入 った。太公はたちまち勇敢になり,賢明になった。彼は 彼女をみた。恋人だけがするように。彼女 も彼をみた。初めて目が覚めたも′ のゝ ように。過去は眠 りの如 きものであって,今 こそ生 きた彼女の生活が始まった のであった。
Now,lovesoorderedforboththeirsakes
,
A feastwasheldthatselfsamenight lnthepilewhichthemightyshadow makes.( l l
. 31‑33)さて愛が この
2人のためにそう命 じたのであろうか。大 きな影を投 じている 高層な大建築の中で, まさにその夜,晩餐の宴が催 された。
Browning
のいっ もの くせとで も言 うべきか,彼は物語の本筋 に直接深 い関 係があるとも思われる次の二速で, この大 きな暗い影を投 じている建物にまつ わる歴史的な説明を加えている。 しか しこれはこの若い
2人の不幸な未来を暗 示するために用いた詩人の
1つの道具立てと思えぬこともない。
(ForVisLargaisthree‑partslight
,
Butthepalaceovershadowsone,
BecauseofacrimewhichmayGodrequite!
( l l
. 34‑36) ToFlorenceandGodthewrongwasdone,
Throughthefirstrepublic'smllrderthere ByCosimoandhiscursedson.)
( l l .
37‑39)なぜな らばヴィア ・ラルガ通 りの四分の三は明るいが,宮殿の影がその一角 に覆いかぶさるように暗い陰を落 としている。それは神が懲罰 し得 る罪の故で あった, と伝え られている。
その罪 とは
Medici家の祖先
Cosimoと,その呪われた息子 とによ って, 当時 のフロレンス共和国が亡ぼされ,神 と人 とに対す る反逆 と謀反が行われたとい
ま
ち
うことである。つまりこれは非行に対する神罰の証拠である, と市の人々はい うのである。
TheDuke(withthest年tue'sfaceinthesquare) Turnedinthemidstofhismultitude
Atthebrightapproachofthebridalpalr.
( l l .
40‑42)今広場で立 っている立像そっくりの顔をもつ公爵 は,多数の来客に取 り囲ま れなが ら, はれやか に近 ずいて くる結婚 して問 のない
2人 の方 を振 り向 い た
。 (ll)Facetofacetheloversstood A singleminuteandnomore,
Whilethebridegroom bentasamansubdued‑
Bowedtillhisbonnetbrushedthefloor
‑
FortheDukeontheladyakissconferred
,
As‑thecourtlycllStOm WasOfyore.ヽ
( l l .
43‑48)遠 くか ら互 に初めて相見た時,‑ E ]惚れ して しまった恋人同志 ( 公爵 と新夫
(ll) EdwardBerdoe;ibid..p.517.
この夜の宴について
Berdoeは
"Thatnight therewasafeastinthehouseofthebride,andtheGrandDukewas present"と記している.が筆者は研究社英文学叢書の
Brouノningpoems1925年発行
,p.364にある 「 ‑晩宴会があった。そこへ
Riccardi夫妻も招かれた。」
という解群の万に従いたい
。l
l.40‑48を読んでそう判断する。
人)はこゝで初めて顔を合せることになった。 しか しそれはほんの一瞬の出合 いで,それより長 くはなかった。花婿の
Riccardiは恐れ入 った様子で,つはの 広い帽子が床の上を払 うまで低 く,腰を屈めてお辞儀を した。彼がそうしたの は公爵がその夜夫妻を招待 して くれ,更に新夫人に対 して,古式の礼に従 って 口付けを賜 ったか らだった らしい。
Inaminutecanloversexchangeaword?
Ifaworddidpass,whichldonotthink, OnlyoneoutofthethollSandheard.
(ll. 49‑5
1 )
Thatwasthebridegroom.Atday'sbrinkHeandhisbridewerealoneatlast lnabedchamberbyataper'sblink.
( l l
. 52‑54)公爵 と新夫人 ( 恋人同志)が互に顔を合せた一瞬の問に, はたして言葉が交 せ られるだろうか。私はそんなことは出来ないと思 うが, もし 1 口で も言責が 交 されたとして も,千人の中の
1人にしか,それは聞かれなかったであろう。
ところがその 1人 とはまさに新郎 ( 夫)に,であった。彼は聞き捨てな らぬこ とを聞いた らしい。
1
晩中続いた宴会か ら夜が今まさに明けようとする頃,夫妻は家 に戻 って来 て,やっと 2 人切 りになれた。ろうそくのちらちとまたゝく寝室の中で向い合っ て。
Calmlyhesaidthatherlotwascast
, メ
Thatthedoorshehadpassedwasshutonher Tillthefinalcatafalkrepassed.
( l l .
55‑57)夫は公爵 に対する妻の心のゆらぎを察知 してか,静かに冷静に,彼女の運命
は定まったことを宣告 した。つまり彼女が今通 って入 って来た扉は,彼女の屍
をのたせ輿が運び出される時まで閉ざれて,再び開かれることはない, という のであった。
Theworldmeanwhile,itsnoiseandstir, Throughacertainwindow facingtheEast, Shecouldwatchlikeaconvent'schronicler.
(ll.58‑60) Sincepasslngthedoormightleadtoafeast.
Andafeastmightleadtosomuchbeside
,
He,ofmanyevils,chosetheleast.(ll.61‑63)
以上
11.58‑63までは嫉妬深い夫が妻に命 じたことの内容を話 して いる所で ある。彼女が幽閉されている間,東に面 している一定の窓を通 してのみ,外界 の騒音やどよめきを,尼僧院の記録係がするように,のぞいてみることが許 さ れた。 というのは. もし扉か ら外界に出れば,それは饗宴へとつながって行 く。
更に饗宴 は他のそれ以上の饗宴へ と導かれて行 く。だか ら彼 は悪意の うちで も 一番軽いのを彼女に与えたのだと告げたのであった。
"FreelyIchoosetoo,
"
saidthebride‑"Yourwindow anditsworldsuffice
, "
Repliedthetongue,whiletheheartreplied‑
(ll. 64‑66)
"IfIspendthenightwiththatdeviltwice,
"Mayhiswindow serveasmyloopofhell
"Whenceadamnedsollllooksonparadise!
(ll.67‑69)
新夫人 は . 「 私 もむ しろ望んでそ うしていた ゞきましょう」 と言 った
。「あな
たが きめ られたその窓 と,それか ら望 める世界だけで十分で ございます」 と口
ではそう答えなが ら心では , 「もし私があの悪魔 とこゝで もう一夜す ごすな ら,
彼の示 したあの窓が,天国をのぞいてみる地獄の小窓 とな って くれ ます よう に !」 と悲痛な気持になって願 った。そして次のように希望をのべる0
"IflytotheDukewholovesmewe
l l ,
"Sitbyhissideandlaughatso汀OW
"EreIcountanotheraye‑bell
.
(ll. 70‑72)
̀‥T isonlythecoatofapagetoborrow
,
"Andtiemyhairinahorse‑boy'strim
,
"Andisavemysoul‑butnottO‑mo汀OW"‑
(ll. 73‑75)
「 私は私を愛 していて下 さる公爵様の所に飛んで行 きましょう。あのお方の お側に座 って,悲 しかったことどもを笑いとば したいのです。今宵 も又夕べの 祈 りの鐘の音を数える問に。そうするためには私はた ゞ小姓の上衣を借 りて男 装 し,少年馬子のように,髪を短 く丸め込めさえすればよいのです。そうすれ ば私 は私の魂を救えるのです。 ‑けれど明日は駄 目。 」 と新夫人 は夫か ら逃亡 することを願いなが らも蹄糟 してそれを実行 し得 なか ったのである。 (
"She checkedherselfandhereyegrew dim) 1.76.彼女 ははやる気持を抑えた, そして眼は涙でかすんで しまったのであった。
"Myfathertarriestoblessmystate:
"Imustkeepitonedaymoreforhim.
(ll.77‑78)
"Isonedaymoresolongtowait?
"MoreovertheDukeridespast,∫know;
"Weshallseeeachother,sureasfate."
(ll. 79‑81)
夫人が恩 うま ゝに動 けなかった理由を次のように弁明 し, 自らを慰めようと した。
10
「 私が嫁いで くる時,私を送 って来て下 さったお父様 は,高 くなった私の身 分を祝福 され, まだ この地に止 まってお られるのです。だか ら私 はもう
1日, 彼のため,私の身分を保 っておかねばな らないのです。 」 と。 更 に彼女 は続 け て
,「もう
1日待っ ことが,そんなに長いので しょうか. ま して公爵様 は馬 に 乗 られて,お通 りになることを私 は知 っています。私達 はその時,お互 に相見
ることが出来 るのです もの。運命の如 く必ず。 」 と力強 く言 った。
Sheturnedonhersideandslept.Justso!
Soweresolveonathingandsleep:
Sodidthelady,agesago.
(ll. 82‑84) でhatnighttheDukesaid,"Dearorcheap
"Asthecostofthiscupofblissmayprove
"Tobodyorsoul,Iwilldrainitdeep.''
( l l .
85‑87)それか ら彼女 は寝返 りをうって眠 って しまった。全 くそのま ゝに。我々 もこ のように物事の対 して,心のけ じめをっけて眠 りにつ くものである。幾世代前 に所夫人が したように。
その夜,公爵 は次のように言 った。「 夫人に捧 げるこの愛 の杯の値が高か ろ うとも,低かろうとも.我が肉体に危害を与え,或は魂を傷つける程の高価な ものになろうとも, それを飲み干 して しまお う。 」 と。そ して
Andonthemorrow,boldwithlove
,
Hebeckonedthebridegroom (closeoncal l ,
Ashisdutybade,bytheDuke'salcove)( l l .
88‑90)翌朝,愛の力によって大胆 になった太公 は, 新郎 の
Riccardi(12)を招 き寄 せ
た。 ( 新郎 は職務上,呼ばれた らす ぐ応 じられるように,太公の部屋近 くには
(12) Riccardiはフロレンスの貴族で
Ferdinand太公の宮廷に仕えていたらしい。
ベっていなければならなかった。 )
Andsmiled"̀Twasaveryfuneral,
̀̀Yourladywillthink,thisfeastofours
, ‑
"A shametoefface,whate'erbefall!
(ll.91‑93)
"Whatifwebreakfrom theArnobowers,
"AndtryifPetraja,coolandgreen,
"Curelastnight'sfaultwiththismornlng'sflowers?
(ll.94‑96)
公爵は彼に向か って微笑 し
,「 昨夜の我々の饗宴 はまるで葬儀のようだ った とあなたの御夫人 は思われたで しょう。 どのようにしてで も, この恥を拭い去 らねばな らない !我々は一緒に
Arno湖畔にある邸か ら,繰 り深 く,涼 しい
Pet‑ raja(pitra:ia)別掛 こ行 き,今朝咲いたばかりの美 しい花によって,昨夜の 失礼を慣わ して貰えるかどうか試 してみたい, どうだろう。 」 と誘いかけた。
Thebridegroom,notathoughttobeseen Onhissteadybrow andquietmouth
,
Said,
"Toomuchfavour formesomean!(ll.97‑99)
新郎はその しっか りした額や静かな口元に,心中にある思いを少 しも表わさ ず 「 私の如 く卑 しき者 に対 して,身に余る御好意でございます。」 と感動 して みせた。そ して程 よい理由を作 って申 し出を辞退 しようとした。
"But,alas!myladyleavestheSouth;
"Eachwindthatcomesfrom theApennine
"Isamenacetohertenderyouth:
(ll. 100‑102)
"Norawayexists,thewiseoplne
,
"Ifshequitsherpalacetwicethisyear,
̀̀Toavertthefloweroflife'sdecline.
(ll.103‑105)
「ですが,困 った ことに,私の妻 は南国の出です。それでアビイナイ ン山か ら来 る風 はどれ も若 くて, きゃしゃな彼女 にとって毒 になります。賢 き方の申 しますには,彼女が今年再び宮殿を出て行 くな らば,彼女の美 しい花の生命の 衰えを防 ぐ方法 は全 くないとのことです」 という。
QuoththeDuke
,
"A sageandakindlyfear."MoreoverPetra).aiscoldthisspring:
"Beourfeastto‑nightasusualhere!"
(ll.106‑108)
「 何 と賢 い親切な配慮であろうか。その上, ビ トラ‑ヤの山の今年の春 はま だ寒い。今夜の晩餐会はいつ ものように此所で しょう !」 と大公は仰せ られた。
Riccardi
の妻にもうー度会 いたいと願 ったのを, うまくはぐらかされた太公 は 次の如 く独 り言をい う。
Andthentohimse
l f ‑
"Whichnightshallbring"Thybridetoherlover'sembraces,fool‑
"Oriam thefool,andthouarttheking!
(ll.109‑
11 1 )
"Yetmypassionmustwaitanight,norcool‑
"Forto‑nighttheEnvoyarrivesfrom France
"WhoseheartIunlockwiththyse
l f
,mytool.(ll. 112‑114)
「 汝の花嫁を,いっの夜になれば,彼女の恋人である私の腕に抱 くことが出 来 ようか。馬鹿者めが‑もしそ う出来なければ,私 は愚かなるもの,そ して汝 は王である !しか しこの私の情熱 にもかかわ らず.
1夜得たねばならな' い。 こ の情熱が冷えて しまってはな らぬのだが。 ‑なぜな ら今宵はフランスの大使が こゝに来 られる。その大使の胸の うちを,私の単なる道具にす ぎない汝 と一緒
13