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義(その6)――いなべ市と他都市・町の事例の比 較――

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義(その6)――いなべ市と他都市・町の事例の比 較――

著者 小鳥居  伸介

雑誌名 長崎外大論叢   

号 23

ページ 11‑32

発行年 2019‑12‑30

URL http://id.nii.ac.jp/1165/00000754/

(2)

No.23 2019

長崎外大論叢

第23号

(別冊)

長崎外国語大学 2019年12月

日本におけるフェアトレードタウン運動の展開と意義(その6)

――いなべ市と他都市・町の事例の比較――

小鳥居 伸介

The Development and the Significance of the Fair Trade Town Movement in Japan (6):

The Comparison of the Case of Inabe City with Those of the Other Towns and Cities

KOTORII Shinsuke

(3)

日本におけるフェアトレードタウン運動の展開と意義(その6)

――いなべ市と他都市・町の事例の比較――

小鳥居 伸介

The Development and the Significance of the Fair Trade Town Movement in Japan (6):

The Comparison of the Case of Inabe City with Those of the Other Towns and Cities KOTORII Shinsuke

Abstract

In this article, the development and the significance of the Fair Trade Town (FTT) movement in Japan will be examined, focusing on a comparison of the cases of Inabe City, Mie Prefecture, with other towns and cities.

Firstly, a brief history of the FTT movement in Japan is reviewed, and the goals and guidelines of FTTs in Japan are detailed. One of these six guidelines, the contribution to the vitalization of the local economy and community, was selected and emphasized to highlight the Japanese FTT committee and the FTT movements in Japan in general. Secondly, the FTT movement in Inabe City is described in detail. In 2018, Noriko Haba and the members of the FTT committee in Inabe City started the FTT movement there. They were very active in this movement, resulting in Inabe City being elected as a FTT in 2019. In conclusion, we can expect the development of the FTT movement further throughout Japan and other countries.

キーワード

フェアトレードタウン運動、フェアトレードタウン基準、SDGs

1.はじめに

 近年、グローバル化が進みつつある日本において、「フェアトレード」、「フェアトレードタウン」と いう言葉を聞く機会が増えてきた。地域による差はあるが、コーヒー、紅茶、チョコレート、衣服、

工芸品など、様々な産品がフェアトレード専門店以外の商業施設でも販売されるようになってきた。

数え方にもよるが、市場に出回っているフェアトレード商品はすでに3,000~8,000品目ほどあると言わ れる。また、中学校、高等学校、大学などの教育機関でも授業の中で、あるいは課外活動、サーク ル活動などでフェアトレードを学び、推進する取り組みが広がってきている。2018年2月には日本で 初の「フェアトレード大学」も誕生した。こうした状況の中で、特に若い世代においては、関心の濃 淡はあるものの、多くの人がフェアトレードについて何らかの認識を持つようになってきている。今 やフェアトレードは、ごく一部の強い関心を持つ層だけのものではなくなってきたといえよう。

 日本におけるこうした関心の拡大を持続的に支える取り組みとして注目されるのが、本稿のテーマ である「フェアトレードタウン運動」である。この運動は一つの町(市)全体で、地域住民、学校、

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自治体、企業が一体となってフェアトレードを推進する取り組みであり、2000年にイギリスのガース タングという町から始まり、2019年9月末現在では世界で約2,200のフェアトレードタウンが誕生して いる。日本では2011年に熊本市が第1号のフェアトレードタウンとなり、その後も名古屋市が第2 号(2015年)、逗子市が第3号(2016年)、浜松市が第4号(2017年)、札幌市が第5号(2019年6月)、

いなべ市が第6号(2019年9月)というように、次々と誕生している。筆者はこれまで熊本市の調 査に始まり、名古屋市、札幌市、陸別町、垂井町・揖斐川町、逗子市、浜松市と、フェアトレードタ ウン運動が盛んな町・市を訪ね、その推進にかかわる方々に聞き取り調査を行ってきた。

 本稿の目的は、日本独自の基準である「地域活性化」の取り組みとともに、市民と自治体の緊密な 協力により速やかにフェアトレードタウンに認定された、三重県いなべ市の事例を中心に、日本型の フェアトレードタウン運動の展開の可能性について、これまで取り上げてきた他事例との比較やSDGs との関係という視点も交えながら検討し、その意義や課題について考察するものである。

2.日本におけるフェアトレードタウン運動の展開と現状  ⑴ フェアトレードタウン運動の展開

 本節では、日本におけるフェアトレードタウン運動の展開を、各市・町ごとに紹介してみよう。

日本でフェアトレードタウン運動が始まったのは、熊本市においてである。1993年にフェアトレー ド専門店を開始した明石祥子が中心となって運動をスタートし、日本における認定組織である一般社 団法人「フェアトレードタウン・ジャパン」(FTTJ)によって、2011年6月、熊本市が日本・アジア で初、世界では1,000番目となるフェアトレードシティ(タウン)に認定された。

 名古屋市では1996年からフェアトレードショップ「風”s(ふーず)」を運営してきた土井ゆきこが設 立した「名古屋をフェアトレード・タウンにしよう会」と、タレントの原田さとみや大学生・若い社 会人が中心となって設立された「フェアトレードタウンなごや推進委員会」を含む四つのフェアトレ ード推進団体が中心となり、「フェアトレード名古屋ネットワーク」(FTNN)が発足した。FTTJか ら組織変更したフェアトレード普及・推進組織である「日本フェアトレード・フォーラム」(FTFJ)

によって、2015年9月、名古屋市は日本で2番目のフェアトレードタウンに認定された。

 逗子市ではフェアトレード研究者である長坂寿久とフェアトレードショップを経営する磯野昌子を 中心に2011年「フェアトレードタウン勉強会」(2015年から「逗子フェアトレードタウンの会」に改 称)が結成された。2016年7月、逗子市はFTFJによって、日本で3番目となるフェアトレードタウ ンに認定された。

 浜松市では国際交流協会(HICE)とフェアトレードショップ関係者、静岡文化芸術大学の下澤嶽教 授らによって2015年10月に「はままつフェアトレードタウン・ネットワーク」が結成された。2017年 11月、浜松市はFTFJによって日本で4番目のフェアトレードタウンに認定され、併せて2018年2月に FTFJによって静岡文化芸術大学が日本で初のフェアトレード大学に認定された。

 札幌市では2003年から開催されてきた「フェアトレード・フェスタ」の実行委員会を中心として2009 年、フェアトレードタウンの実現を目的の一つとする「フェアトレード北海道」が発足した。2019年 6月、札幌市は日本で5番目のフェアトレードタウンに認定され、2019年10月、北星学園大学と札 幌学院大学が2校同時にフェアトレード大学に認定された

 いなべ市についての詳細は後述するが、2018年5月に市内在住の主婦、羽場典子が中心となり、「い

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なべ市フェアトレード推進委員会」を発足した後、市民と行政との協力によって、2019年9月、いな べ市はFTFJによって日本で6番目のフェアトレードタウンに認定された。

 以上が2019年10月までに認定された日本のフェアトレードタウンである。さらにフェアトレードタ ウン認定に向けて活動を続けている事例として以下の市・町があげられる。

 岐阜県垂井町では、街づくりを主目的とするNPO法人「泉せん・垂井」を中心に2011年5月から「フ ェアトレードデイ垂井」が開催され、毎年1万人以上の来場者を呼ぶ一大イベントとなっている。ま た、「泉せん・垂井」の副代表理事を務める神田浩史が委員長となって、2014年8月には「フェアトレー ドタウン推進委員会」が発足し、その後も日本国内では「町」として初のフェアトレードタウン認定 を目指して活動を続けている。

 他にも宇都宮市、東京都世田谷区、松江市、出雲市、岡山市、北九州市などに次々とフェアトレー ドタウンの推進・実現を目指す団体が発足し、日本各地でフェアトレードタウン運動が叢生している。

 なお、文末には別表として、上述の6つのフェアトレードタウンの認定までの主な出来事を掲示する。

 ⑵ フェアトレードタウン運動のネットワーク化

 フェアトレードタウン運動の各団体がネットワーク化する動きも見られる。2010年2月には、フェ アトレードタウン推進部会のメンバーである渡辺龍也が、東京経済大学において「国際シンポジウム:

フェアトレードの拡大と深化」を開催した。この会議において、イギリスの5基準を基本としつつ、

日本独自の基準を作っていくこと、ラベル産品やWFTO(世界フェアトレード機関)団体取り扱い産 品以外の多様なフェアトレードを尊重すること、運動はトップダウンではなく、草の根主体のボトム アップで行くことを合意し、引き続き意見交換会を行っていくこととした。

 上記のシンポジウムに続いて開催された2010年5月の意見交換会では、日本はフェアトレードラベ ル産品の普及率が低く、WFTO加盟団体も3団体しかないという事情から、それ以外のいわゆる「第 3のカテゴリー」について議論が集中した。定義づけとしては、WFTOが定める10原則にコミット し、透明性を持ったフェアトレード団体が扱う産品を「第3のカテゴリー」とすることに決まった。  また、今後の継続的な活動のため、「フェアトレードタウン・ネットワーク準備委員会」が2010年7 月に発足した。

 ⑶ 日本のフェアトレードタウン基準

 フェアトレードタウン・ネットワーク準備委員会は、その後も2010年10月、2011年1月の会合にお いて、議論を進め、以下に掲げるような「日本のフェアトレードタウン基準」を策定した

 基準1 推進組織の設立と支持層の拡大

  指標:フェアトレードタウンを目指すことを規約等で明示した推進組織が設立されている。

 基準2 運動の展開と市民の啓発

  指標: 各種のイベント・キャンペーンを繰り広げ、フェアトレード運動が新聞・テレビ・ラジオ などのメディアに取り上げられる。

 基準3 地域社会への浸透

  指標: 複数の企業・複数の団体が組織内でフェアトレード産品を利用し、組織内外への普及をし

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ている。

 基準4 地域活性化への貢献

  指標:種々のコミュニティ活動と連携・連帯した行動が取られている。

 基準5 地域の店(商業施設)によるフェアトレード産品の幅広い提供

  指標1: 2品目以上のフェアトレード産品を提供する店(商業施設)が、人口3万人未満は2店 以上、3万人以上は1万人あたり1店以上ある。ただし、フェアトレードの推進・普及 を主な目的とする店(売上ないし取扱品目の半分以上をフェアトレード産品が占める店)

が1店以上あること。

  指標2:各店は2品目以上提供することを基本とするが、1品目だけの場合は0.5店として扱う。

  指標3:フェアトレード産品が年間6ヶ月以上提供されている。

 基準6 自治体によるフェアトレードの支持と普及

  指標: 地元議会による決議と首長による意思表明が行われ、公共施設や職員・市民へのフェアト レードの普及が図られている。

 上記の基準において、基準4は日本独自の基準である。日本では今、地域の過疎化や閉店してシャ ッターが下りた店ばかりが目立つ、いわゆる「シャッター街」化、活力の喪失が問題となっている。

そのため、地産地消やまちづくり・環境活動・障害者支援等のコミュニティ活動と連携して、地域の 経済や社会の活性化に寄与することを付加的な基準として定めることとしたのである10

 基準5のフェアトレード産品には、先述したWFTOの10原則に従い、「第3のカテゴリー」を含め て良いとしたが、さらにWFTOとFLO(国際フェアトレードラベル機構)が共同で定めた「フェア トレードの原則に関する憲章」の5原則にコミットしていることでも良いとした。また、「店(商業施 設)」については、「事業の透明性が確保されていること」を条件とした。店(商業施設)の数につい ては、日本ではまだ十分に普及していない現状を鑑みて、他の先進諸国よりも緩やかな基準にした。

ただ、それだけでは持続性・継続性に懸念があるため、「推進・普及を主な目的とする店が1店以上」

という条件を付加した11

 基準6については、日本の場合、イギリスのように地方議会と行政が一体化しておらず、議員と首 長がそれぞれ選挙によって選ばれる2元代表制なので、「議会の決議」と「首長の意思表明」の双方を 必要とすることとした12

 基準の並べ方については各国に任されていることから、準備委員会はフェアトレードタウン運動が たどるであろう道筋に従って順番を変えた13

 このようにして日本のフェアトレードタウン基準が定められ、次には、フェアトレードタウンの認 定組織が設立されることとなった。

 ⑷ フェアトレードタウンの認定組織

 2011年4月に、前述のフェアトレードタウン・ネットワーク準備委員会が、法人格を持つ日本にお けるフェアトレードタウンの認定組織「フェアトレードタウン・ジャパン」(FTTJ)となった14。  FTTJは、上述した熊本市のフェアトレードタウン認定、2014年3月に熊本で開催されたフェアト レードタウン国際会議の開催などを行ってきた。その後、フェアトレードタウンのみならず、フェア

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トレード全般を日本で普及、推進していこうとの考えにより、2014年10月、「日本フェアトレード・フ ォーラム」(FTFJ)へと組織変更した15

 FTFJの目的は以下の通りである16

 フェアトレードの理念と実践を日本および国際社会に普及することによって、南北を問わず経済的・

社会的に弱い立場におかれた人々が人間らしい自立した生活を送れるようにするとともに、経済およ び社会そのものを公正かつ持続的なものへと変革していくことを目的とします。

 また、次の八つの事業を掲げている17

 ⑴フェアトレードの普及および啓発に関する事業  ⑵国内および国際的なネットワーク事業

 ⑶フェアトレードの理念を実現するための政府・企業セクターへのアドボカシー事業  ⑷フェアトレードタウンおよびフェアトレード大学等の類似イニシアチブ推進に関する事業  ⑸フェアトレードタウンおよびフェアトレード大学等の基準の策定ならびに認定に関する事業  ⑹フェアトレードの理念を国内および地域社会に実現するための事業

 ⑺責任ある消費の普及等、公正かつ持続可能な社会創りを目指す活動や運動と連携した事業  ⑻その他、この法人の目的を達成するため必要な事業

 これらの目的と事業の遂行によって、国際的なフェアトレードの動きとつながりながら、より多く の人がフェアトレードを理解し、フェアトレード商品が日々の暮らしの中でより身近になるように活 動している。そうすることで、世界の中で、また日本国内で経済的・社会的に弱い立場におかれた人々 が人間らしい自立した生活を送り、経済や社会の構造そのものが公正かつ持続的になることを目指し ている。これに加えて、FTFJは、ただ国内にフェアトレードを普及するだけでなく、フェアトレー ドを通して日本の地方や地域が活力を取り戻し、持続的に発展していくことができるよう、地産地消 やまちづくりなど、地域活性化の運動と連携していくことも大事だと考えている。これらの点につい ては、以下に取り上げるいなべ市の事例を中心に、日本各地の運動の事例との比較も交えながら考察 してみたい。

3.いなべ市におけるフェアトレードタウン運動の展開

 本章で取り上げるいなべ市のフェアトレードタウン運動の展開に関する記述は、いなべ市在住のい なべフェアトレードタウン会長、羽場典子へのインタビュー及びいなべ市の訪問調査の際に筆者に提 供された情報等によるものである18。いなべ市のフェアトレード活動のほとんどに羽場が中心的に関 わっている。以下、順を追ってその概要を記す。

 ⑴ いなべ市の概要

 いなべ市は岐阜県、滋賀県と県境を接した三重県の最北端に位置する人口約45,000人の市である。

2003年12月、員弁郡北勢町、員弁町、大安町、藤原町の4町の合併により三重県内で14番目の市とな

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った。市内にはトヨタ車体いなべ工場、デンソー大安製作所、太平洋セメント藤原工場などがあり、

「ものづくり日本」を象徴する中部圏の一画として多くの企業が進出している。北に養老山地、西に 鈴鹿山脈、中央を流れる員弁川と、緑豊かな自然と平野に恵まれた地域でもあり、鈴鹿国定公園内に ある花の百名山藤原岳や滝めぐりの宇賀渓、竜ヶ岳は多くのトレッキング客を引き寄せている。また、

近年はサイクリングや新鮮な地元産品を使った食なども多くの来訪者を集めている19

 ⑵ 「いなべ市フェアトレード推進委員会」設立の経緯

 いなべ市のフェアトレードタウン運動は、羽場典子という一人の女性の思いから始まった20。  いなべ市在住の主婦で、自宅で英語教室を営む羽場典子は、2013年からミャンマーの麻薬撲滅のた めに代替作物として蕎麦を普及させるNPO法人「アジア麻薬貧困撲滅協会」に所属し、ミャンマーの 貧困や農業問題に関心を持っていた。

 2015年5月、岐阜県垂井町のフェアトレードデイで、フェアトレードタウン垂井推進委員会の会長 神田浩史、フェアトレードタウン名古屋代表の原田さとみ、垂井町長の対談を聞いて、いなべ市がフ ェアトレードタウンになったら面白いという考えが浮かんだ。その後、名古屋のワークショップや垂 井のイベントなどに参加して、その思いを強くし、偶然会う機会を得た日沖靖いなべ市長にその旨を 話したところ、市長の賛同を得ることができた。

 羽場は、2014年に国登録有形文化財として登録された「桐林館」(旧阿下喜小学校)において2017年 7月よりカフェを経営する地域おこし協力隊員の帖佐真之介、いなべ市企画部政策課の加藤雄介他、

いなべ市在住の数名のフェアトレードに関心を持つ有志たちとともに、2018年5月1日、「いなべ市フ ェアトレード推進委員会」を発足した。その後、委員会は精力的に活動し、わずか1年足らずでFTFJ へのフェアトレードタウン認定申請の提出まで到達した。その歩みは次節にまとめて記そう。

 ⑶ 「いなべ市フェアトレード推進委員会」の活動

 本節では2018年5月の推進委員会としての活動の開始から2019年3月20日、FTFJへのフェアトレ ードタウン認定申請書提出にいたるまでの、いなべ市フェアトレード推進委員会(以下、推進委員会)

の主な活動を示し、その評価を行う21

 推進委員会は、この間、上述の「桐林館」を拠点に、一般市民対象のフェアトレード講演会や大学 生向けのフェアトレード勉強会、小学生を対象にフェアトレードカレーやチョコレート作りなどのイ ベントを開催してきた。また、いなべ市内のイオンモール、デンソー大安製作所、障害者支援センタ ー、いなべ総合学園高校、こども活動支援センター等で開催されたイベントに参加し、フェアトレー ド商品の出店やフェアトレードカフェにおけるコーヒーの提供などを行ってきた。

 こうした活動が認められ、2018年の12月にはいなべ市議会で「フェアトレードの取組に関する決議」

が可決され、翌2019年2月にはいなべ市長による「フェアトレードタウン宣言」のセレモニーが執り 行われた。

 以上、2019年2月までの取り組みを見てきたが、推進委員会の努力によって行政、企業、市民が一 体となって連携し、フェアトレードタウンの実現に向けて一心に進んでいった様子がうかがえる。ま た、近隣の名古屋市のフェアトレードイベントにも積極的に参加しており、羽場をはじめとする推進 委員たちの意欲の高さが感じられる。

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 企業の協力としてはトヨタ車体いなべ工場、デンソー大安製作所、桑名三重信用金庫阿下喜支店、

イオンモール東員での出店やフェアトレードコーヒーの提供など、良好な協力関係がみられる。また、

市長や市議会との関係も良好で、無事に議会での決議と市長の宣言を得ることができた。企業や市の 協力がスムーズに進んだ要因としては、フェアトレードが、国連が掲げる「SDGs」(Sustainable Development Goals: 持続可能な開発目標)に沿っており、企業の社会貢献や市のまちづくりへの取り 組みにも好印象を与えると判断されたことが大きい。また、市への働きかけには推進委員会担当者で ある、いなべ市職員加藤雄介の貢献が大きいと思われる。

 市民への働きかけとしては、帖佐委員が運営する桐林館喫茶室でのイベントの持続的な開催も、地 域おこし協力隊としての本分を生かしながら、フェアトレードの推進と普及を図る、大変効果的な取 り組みとなっていると思われる。また、後述するいくつかの喫茶店などもすでに関心を持っている方 がおり、協力は得やすい状況であったと羽場は述べている。

 次節では、2019年3月の認定申請から2019年9月の認定にいたる、任意団体「いなべフェアトレー ドタウン」を結成してからの取り組みを見てみよう。

 ⑷ 「いなべフェアトレードタウン」の活動とフェアトレードタウン認定まで

 本節では「いなべフェアトレードタウン」の取り組みを以下に示し、その評価を行う22

 2019年3月、フェアトレードタウンの基準をすべて満たしたことを確認した推進委員会は、FTFJ に対してフェアトレードタウン認定申請書を提出した。同年9月に認定されるまでの期間、任意団体

「いなべフェアトレードタウン」として、桐林館にて「世界フェアトレード・デイ」のイベント、フ ェアトレードマーケット、講演会、地元企業とのコラボによるフェアトレード商品作り、いなべ総合 学園高校における異文化理解の授業などを精力的に実施してきた。その結果、異例の速さで、いなべ 市はフェアトレードタウンの認定を受けることができた。

 このように、いなべフェアトレード推進委員会の発足からいなべフェアトレードタウンの認定まで、

わずか1年と5カ月というスピード感のある取り組みであった。これほど速やかに認定にいたったの は、先述したとおり、羽場会長をはじめとする委員たちの努力があったことは言うまでもないが、企 業、行政、市民の間にSDGsの目標への認識が広がってきていることが大きいように思われる。SDGs で掲げる17の目標と169のターゲットの達成のほとんどに、直接または間接にフェアトレードの取り組 みが貢献し得るということが企業や行政、また学校教育の場にも認知され、市民の間にもこの認識を 持つ人々が増えてきていることが、今回の速やかな認定の背景にあるのではないだろうか。この点に ついては、後ほどあらためて考察したい。

 ⑸ いなべ市のフェアトレードタウン運動に関わる人々

 本節では、上記のフェアトレードタウン運動の展開に参画・協力してきたいなべ市の人々の中で、

筆者が接触し、直接話を聞くことができた方々のプロフィールと取り組みやそれぞれの運動に対する 思いについて、筆者のインタビューで得られた情報にもとづいて記す23

 ①羽場典子(いなべフェアトレードタウン会長)

 南山大学外国語学部英米学科卒業後、福武書店(現ベネッセ)に2年間勤務。結婚後、ECC等で非

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常勤講師を務めた後、自宅にて英語教室を開いた。その後、2013年に先述したアジア麻薬貧困撲滅協 会に所属し、ミャンマーの貧困や農業問題に関心を持つようになり、その関連でフェアトレードにも 関心を持つようになり、近隣の岐阜県垂井町の神田浩史や名古屋の原田さとみとの出会いによって、

いなべ市をフェアトレードタウンにしたいという願いを持つようになった。その後の取り組みは前節 までに述べた通りである。羽場は途上国の貧困問題の解決のためにも、多くの市民が地域全体で関わ ることのできるフェアトレードタウンという取り組みに可能性を感じ、いなべフェアトレードタウン の先頭に立って、実現に導いた。たくさんの人々の協力によって達成されたことではあるが、やはり 羽場という人物がいなければ、いなべ市をフェアトレードタウンにすることはできなかったのではな いだろうか。

 ②帖佐真之介(いなべフェアトレードタウン副会長)

 大学卒業後、10年間ほど勤めていたスターバックスを退社して、2017年、いなべ市に移住してきた。

移住の理由は桐林館の佇まいに魅かれたことが大きいという。いなべ市の地域おこし協力隊として桐 林館を拠点にカフェやアート展の他、さまざまなイベントを実施している。コーヒーの専門家として、

ルワンダやミャンマーのフェアトレードコーヒーを扱い、ルワンダの生産地を訪問したほか、ルワン ダから生産者を招いて、講演会も行った。副会長としての帖佐の役割はとても大きなものがある。桐 林館という場が、いなべ市のフェアトレード推進の中心的な拠点となっており、地域活性化ともつな がる帖佐の地域おこし協力隊としての活動は、いなべフェアトレードタウンの推進に重要な役割を果 たしていると言えよう。

 ③加藤雄介(いなべ市企画部政策課職員)

 政策課に異動して間もない2017年5月頃、羽場からいなべ市をフェアトレードタウンにしたいとの 相談を受ける。その後、2018年5月1日にいなべ市フェアトレード推進委員会が発足してから、その 担当者となった。上述した推進委員会の活動には政策課職員として随時関わってきた。いなべ市にと ってのフェアトレードタウンの意義は、地域をつなぐ横串的な役割があると考えている。フェアトレ ードタウンは、「市民が主役(市民参画)のまちづくり」のモデルケースとなりうる。行政としては、

新庁舎に隣接するまちづくり施設「にぎわいの森」をその拠点として発展していく応援をしたいと思 っている。加藤は熱意にあふれた行政マンであり、フェアトレードタウンの今後の進展のためにも欠 かせない役割を持った人物と言えよう。

 ④岳野直美(いなべフェアトレードタウン委員)

 会長の羽場とは25年来の付き合いである。夫がトヨタ車体に勤めており、海外滞在経験があるので、

共通の話題があり羽場との親交を深めた。羽場がフェアトレードタウン運動を始める際、発展途上国 の環境が少しでも良くなればとの思いで、活動に参加した。フェアトレードコラボ商品の開発や店舗 協力店、新規開拓は、ほぼすべて岳野の功績である。認定式に向けて、飛び込みで「プロキリティ」、

「ふじのいち」など多くの協力店を見つけ、フェアトレードマップも岳野の手造りである。持前の明 るい性格で、どんどん協力者が増えている。いなべフェアトレードタウンの実現には岳野の功績が非 常に大きい。

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 ⑤山本たか代(いなべ総合学園・非常勤講師)

 いなべ総合学園で英語の非常勤講師をしている。フェアトレードとの関わりは20数年前にフェアト レードでタイの子供たちの生活向上を目指す「SAIYAIの会」を発足したことに始まる(SAIYAIと はタイ語で手(輪)をつなぐという意味)。昨年5月に市のイベントでフェアトレードのブースを見て、

フェアトレードタウンの活動に参加するようになった。いなべフェアトレードタウンの委員として、

地元の高校生たちにフェアトレードの意義や価値を伝える役割を担う。学校教育の中でフェアトレー ドの取り組みを広めることは、いなべ市が今後もフェアトレードタウンとして発展していく上で重要 なポイントであり、今後も持続的にその役割を果たしていくことが期待される。

 ⑥梅山敏子(いなかや「十」経営者)

 カフェ・雑貨店を経営する。障害者施設の産品や陶芸品のほかに、地産の野菜、生協の木炭・ハチ ミツ(フェアトレード産品)なども扱っている。フェアトレードタウンのちらしを見て、2019年7月 くらいからフェアトレード食材を使ったパン作り、販売を始めた。もともと障害者との交流をしてき たので、弱い立場の人々への支援に関心があり、その意味でフェアトレードもすんなりと受け入れら れた。店にはとても田舎らしい雰囲気があり、フェアトレードと地産地消、障害者支援、高齢者支援 という、相性の良い組み合わせになっていた。今後もフェアトレード産品と地元産品とのコラボ商品 の開発が期待される。

 ⑦丸山康子(陽光ビオファーム株式会社社長・焼菓子専門店「ふじのいち」経営)

 自然栽培の野菜作り、販売をし、ケーキ・菓子作り、販売も手掛けている。10年くらい前までは神 戸FCの洋菓子店をやっていたが、自分のやりたいことをやるために、今の会社を立ち上げた。障害 者支援に関わる中で、食の重要性に関心を深め、自然栽培の野菜作りを始めた。フェアトレードは、

「いなべフェアトレードタウン」の岳野直美委員の勧めで取り入れた。フェアトレードの理念に賛同 し、フェアトレードの食材を使って商品(菓子)作りを行っている。もともと自然栽培の野菜作り、

販売という、フェアトレードの目指すところと近い志向を持っていたので、すんなりフェアトレード を受け入れられたようである。今後もより一層フェアトレードとの連携による商品開発が期待される。

 ⑧鈴木順子(いなべ市議会議員)

 フェアトレード推進決議が全会一致になるように取り組んだ。SDGsにおいて不足している部分を フェアトレードが補っていると考える。フェアトレードへの理解、フェアトレードタウンの地域活性 化への意義も徐々に理解が進んでいる。今後は「にぎわいの森」を拠点に、地域活性化を図りたいと 考えている。フェアトレードタウンの持つ地域活性化に対する意義について、深い理解のある議員で あり、フェアトレードの応援者として貴重な存在である。

 ⑨篠原史紀(いなべ市議会議員)

 フェアトレードの理念に賛同し、応援している。フェアトレードの取り組みは地域経済にとって重 要であると考えている。いなべ市では市長がトップダウンでフェアトレードを導入している。議員の 中でフェアトレードへの理解は半分程度かと思われる。篠原議員のように、フェアトレードに対する

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理解の深い議員が一人でも多くなることが今後のフェアトレードタウンの発展のためには期待される。

 ⑩森浩子(デンソー大安製作所・総務人事厚生課員)

 デンソー大安製作所のフェアトレード受け入れ窓口を務める。デンソーとフェアトレードの関わり について話してもらった。大安製作所の社員食堂で月1~2回、カフェを開き、フェアトレード商品 を販売している。社内には食堂が4つあり、利用者の多い2つで行っている。また、デンソーには、

ボランティア・ポイント制度があり、地域の方々から評価されているが、そのポイントでフェアトレ ード商品に交換できる仕組みがある。デンソーにはエコビジョンというポリシーがあり、サステナビ リティ経営でSDGs達成を目指している。大安製作所を訪問した際に森課員の他、堀誠所長、清水信 也総務人事厚生課長にも面会し、デンソーの企業理念がフェアトレードの理念と合致することがよく 分かった。このデンソー大安製作所のように、地域に根ざす大きな企業がフェアトレードを積極的に 取り入れていることは、フェアトレードタウンの進展に大きな力を与えていると思われる。

 ⑪冨永未千子(いなべフェアトレードタウン委員)

 運送会社の会計係をしている。「いなべフェアトレードタウン」ではIT担当で、ちらしや名刺づく りを担っている。2019年2月の式典を見て、フェアトレードタウンのことを初めて知り、その理念に 共感し、入会した。「フェアトレード」という言葉が特別ではなく、日常になるように努力したいとい う思いで、関わっている。いなべフェアトレードタウンを支える貴重な人材として、大きく貢献して いる。

 ⑫小林あや(いなべフェアトレードタウン委員)

 英語教室で英語を教えている。「いなべフェアトレードタウン」では会計を担当する。大阪外国語大 学の開発・環境専攻の出身であり、フェアトレードのことは大学時代から知っていて、フェアトレー ド商品も買っていた。フェアトレードタウンの理念はすばらしいと思い、2019年5月から入会した。子 どもたちにも分かりやすく、フェアトレードについて伝えてゆきたいと思っている。フェアトレード への強い共感を持って、今後もいなべフェアトレードタウンの活動を続けていかれることを願う。

 ⑬泥ひじ文吾(カフェ&ギャラリーコナラ経営者)

 鈴鹿国定公園の一画を占める宇賀渓内で、自家焙煎無農薬コーヒーや無農薬野菜、地元産の豚肉や 平飼鶏肉、有精卵等を使用し、化学調味料を使わない自家製の料理を提供している。日本自然保護協 会の会員でもあり、店の経営ポリシーにも自然環境への配慮が伺われる。もともと名古屋市内で30年 間ほど印刷会社を営んでいた。その傍ら、エコショップも営んでいた。2009年に、いなべ市に移住し てきて、フェアトレード商品も扱う現在のカフェ&ギャラリーを始めた。フェアトレードについては、

スリランカの教育支援に関わっていた知人から話を聞く中で関心を深め、2005年頃第3世界ショップ を知り、商品を購入するようになった。自然を愛し、環境に配慮した食材を選んでカフェを営む泥谷 の生き方はまさにフェアトレードの精神を体現していると考える。

 ⑭橋本雅史(桑名三重信用金庫阿下喜支店・支店長)

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 桑名三重信用金庫の理事長が、新聞でいなべフェアトレードタウンのことを知り、支店から市役所 の加藤雄介職員に問い合わせがあった。フェアトレードタウンとの関わりとしては、食堂にフェアト レードコーヒーを置くことと、阿下喜支店、いなべ市内の員弁中央支店、員弁郡の員弁支店の3店舗で フェアトレード通信等のポスターを店内に掲示していることである。こうした地域の経済や人々の暮 らしに密着した金融機関がフェアトレードタウンの取り組みに賛同し、協力していることは、フェア トレードの地域への浸透を考えると、大きな貢献であると言えよう。

 ⑮岡田浩明(いなべ総合学園高等学校・教諭)

 英語の教師。3年生の総合的な学習(異文化の理解)で、羽場、帖佐にフェアトレードについての 授業をしてもらった。いなべフェアトレードタウンの委員でもある山本たか代(いなべ総合学園・英 語非常勤講師)と協力して、文化祭でもフェアトレードの出店をした。岡田本人はフェアトレードタ ウンに深く関わってはいないが、若い高校生たちがフェアトレードについて学び、関心を深める機会 を作ってくれたことは大きな貢献である。

 まとめと分析

 以上、いなべ市を訪問した際に面談することができた関係者のプロフィールを見てきた。いなべ市 は、他のフェアトレードタウンに認定された都市の場合と比べると、人口45,000人と、日本において これまで認定されてきた中で最も小さな都市である。しかし、この小規模な地方都市において、上記 関係者のプロフィールに見るように、フェアトレードタウンの推進のために必要な人材や組織が、羽 場をはじめとする推進委員メンバーと行政組織、議会、市長、企業との連携という形で、フェアトレ ードタウンの推進のための条件としてうまく整い、協働体制が確立されている点が成功要因として上 げられる。また、企業や行政が推進しているSDGsへの貢献にフェアトレードの取り組みが資する点 が多いという面でも、フェアトレードタウンの認定を後押しする好条件が整っていたと言えよう。

4.他都市・町のフェアトレードタウン運動の概観

 本章ではこれまで筆者が訪問・調査を行ってきた、いなべ市以外の7都市・町のフェアトレードタ ウン運動の取り組み事例を振り返りながら、それぞれの特徴や課題をあらためて明らかにしてみたい。

 ⑴ 熊本市における取り組み

 日本で1番目、世界で1,000番目のフェアトレードタウンとなった熊本市は、日本におけるフェアト レードタウン運動の先駆的なモデルとして注目されてきた。熊本における運動の中心人物である明石 祥子の貢献がもちろん大きいが、地方都市としては比較的に在住外国人も多く、国際交流や国際協力 の一環としてフェアトレードが評価されたことも重要である。熊本のフェアトレードタウン認定が、

その後の日本各地における運動の展開においても大きな促進要因となってきたことは間違いない。

 イギリスで始まり、欧米中心に広がってきたフェアトレードタウン運動が政治・社会・文化的にか なり差異のある日本に導入された、その初めての場所が熊本市であったということには意味があると 思われる。人口規模の比較的大きな地方都市である熊本市(2019年4月の推計人口約73万8千人)24 がフェアトレードタウンに認定されたことにより、「タウン」=比較的小さな「町」という、元来のイ

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メージとは異なる広がりと可能性を運動の関係者たちにもたらしたのではないだろうか。

 ⑵ 名古屋市における取り組み

 日本で2番目のフェアトレードタウンとなった名古屋市は、熊本市よりもさらに大きな都市(2019 年9月の推計人口約232万人)25である。これだけの規模の都市がフェアトレードタウンに認定された ことの意義は非常に大きい。名古屋の場合は、複数の推進団体が大同団結して運動を行ったことと、

名古屋市と市民の間での環境問題への取り組みの意識が進んでいたことがフェアトレードタウンの実 現につながる大きな要因であった。

 さらに名古屋市の運動で注目されるのは若い世代への浸透が進んでいるということである。南陽高 校や愛知商業高校の取り組みでわかるように、高校生たちが非常に積極的にフェアトレードの推進活 動を行っており、大学生たちもまたサークルにおける意欲的な活動を展開している。若い世代へのフ ェアトレードの浸透は名古屋だけではなく全国的に見られる現象であるが、その動きをリードしてい るのが名古屋であろう。

 ⑶ 逗子市における取り組み

 逗子市は神奈川県三浦半島北西部、相模湾に位置する都市で、2018年4月の推計で人口は約57,000 人である26。東京や横浜のベッドタウンで、隣接の鎌倉や葉山とともに、海水浴場のある観光都市で ある。2016年7月、逗子市は日本で3番目のフェアトレードタウンに認定された。逗子市のまちづく りの指針である「世界とつながり、平和に貢献するまち」という目標と、フェアトレードの精神がう まく調和したことが、フェアトレードタウンの実現につながった。

 逗子市の特徴は隣接する横浜、横須賀に近いという立地から首都圏のフェアトレード推進の動きと 連動しやすいというメリットがあること、メディアによる市内外への認知度の広まりと、若い世代の 積極的な参加が目立つことである。「逗子フェアトレードタウンの会」代表の長坂寿久は日本のフェア トレード研究の第1人者であり、事務局長の磯野昌子はネパールでの村落開発やフェアトレードの生 産者の調査に携わり、逗子市内でフェアトレードの専門店「アマーレ」を経営している。この2名が いることが逗子市のフェアトレードタウン化の原動力となっている。

 ⑷ 浜松市における取り組み

 浜松市は静岡県の西部に位置し、2019年9月の推計で人口は約80万人である27。ホンダ、ヤマハ、

スズキなど有名な大手メーカーが生まれた産業の町として知られ、これらのメーカーの工場など働く 場があることから、定住している外国人住民の数が多く、全国的に見て大都市並みの外国人比率であ ることも浜松市の大きな特徴となっている28。このことが浜松市の多文化共生への積極的な取り組み とフェアトレードタウン運動への理解の促進につながっていると考えられる。

 フェアトレードタウンの推進という点において、予想以上にスムーズに行政との協働が進み、2017 年11月、日本で4番目となるフェアトレードタウンへの認定がなされた。また、日本で初となる2018 年2月の静岡文化芸術大学のフェアトレード大学認定についても、こうした浜松市の持つ国際的、多 文化的な理念を受け入れやすい土壌が速やかな認定への運びに貢献したのではないかと思われる。運 動の中心人物である下澤嶽も認めるように、タウンと大学の二つの認定はまさに「スタートライン」

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に立ったということであり、これから具体的な活動がいかに持続されていくか、いかにしてより広く 市民の各層に浸透できるかが問われるであろう。

 ⑸ 札幌市における取り組み

 名古屋市に次ぐ大都市である札幌市(2019年9月推計人口約197万人)29もフェアトレードタウンの 運動がさかんな都市である。札幌におけるフェアトレードの取り組みの始まりは1991年という、日本 でも最も早い時期であった。いわゆる「連帯型」フェアトレードの草分けとも言える存在が札幌のフ ェアトレードショップ「これからや」であり、ここを中心に持続的な活動を続けてきた札幌の関係者 たちの努力により、フェアトレードタウン運動が展開し、2019年6月に日本で5番目のフェアトレー ドタウンに認定された。また、2019年10月にはタウン運動の中心人物である萱野智篤の勤務する北星 学園大学と、同じく熱心にフェアトレードに取り組んできた札幌学院大学が、フェアトレード大学に 認定された30

 札幌市の特徴は、「地産地消」との組み合わせ効果が大きいことである。食糧自給率40%未満の日本 において、札幌の背後には例外的に食糧自給率200%を誇る北海道の自然の豊かさがある。すでにチョ コレートにおいて始まっているが、フェアトレード産品と地元産品をうまく組み合わせた魅力的な商 品を開発することにより、北海道の代表都市としての札幌から新しいフェアトレードタウン運動の波 を起こすことも不可能ではないだろう。

 ⑹ 陸別町における取り組み

 陸別町は北海道十勝管区内の北東部に位置する、人口2,300人余り(2019年5月現在)の町である31。 寒暖差が激しく、冬は1月の平均気温がマイナス20度にもなり、「日本一寒い町・陸別」が観光の目玉 になっている。この町のフェアトレードの取り組みは、陸別町地域ブランド開発推進専門員の秋庭智 也による「りくべつまちチョコ」プロジェクトとして始まった。このプロジェクトは町民にフェアト レードの認知を広げると同時に地域おこしにもつながり、継続して行われている。秋庭はまたフェア トレードの原料を使った特産品を次々に開発し、さらにフェアトレードの普及に努めている。

 秋庭の取り組みはフェアトレードを生かした地域振興の事例として、他のフェアトレードタウンを 目指す町・都市からも注目されている。札幌と同様、陸別もフェアトレードと北海道の豊かな自然を 生かした「地産地消」のまちおこしが可能であり、このメリットをうまく生かして、フェアトレード の普及活動を続けている。このまま順調に進めば、フェアトレードタウンの実現も十分可能だろう。

 ⑺ 垂井町・揖斐川町における取り組み

 岐阜県垂井町は揖斐川の二次支流である相川の扇状地に開けた人口27,000人余り(2019年9月現在)

の町である32。豊かな水に恵まれ、町内の各地に湧水や取水施設がある。東西の交通の要衝にあるこ とと水の便の良さから数多くの工場が立地している。まちづくりの事業はNPO法人「泉せん・垂井」が 担っており、その副代表理事である神田浩史がフェアトレードデイ等のイベント、キャンペーンを通 じて、少しずつフェアトレードを地域に浸透させ、フェアトレードタウンの実現に向けて準備を進め てきた。2019年9月現在では、すでに議会議決と首長の支持表明以外のすべての基準を満たしており、

タウン認定にはあと一歩のところまで来ている。

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 垂井町に隣接する揖斐川町は、自然環境と水・森林資源に恵まれた地域であり、単独でフェアトレ ードタウンを目指しているわけではないが、フェアトレードの理念につながる地域活性化の取り組み がさかんになっており、垂井町のフェアトレードタウンの実現に向けた動きの後押しになっている。

 垂井町・揖斐川町は陸別と同様に水・農林資源に恵まれた地域であり、地産地消の取り組みとフェ アトレード産品の利用をうまく組み合わせれば、揖斐川町での活動も含めて、垂井町のフェアトレー ドタウン認定はうまくいくのではないかと思われる。

 まとめと分析

 以上、いなべ市に先行してフェアトレードタウン運動をすすめてきた他都市・町の取り組みを見て きた。これまでフェアトレードタウンに認定された5都市(熊本市、名古屋市、逗子市、浜松市、札 幌市)を見ると、いずれも比較的に在住外国人が多いということから、多文化共生や国際協力の一環 としてフェアトレードの取り組みを後押しする機運が醸成されているように思われる。また、人口規 模という面でも、逗子市を除いて70万人~200万人台という人口の多さは、フェアトレードの理念に賛 同する企業やフェアトレード商品を扱う店舗・商業施設の数の多さという面でフェアトレードの推進 に有利な条件となっている。人口が比較的少ない逗子市の場合は、首都圏に近いという条件がフェア トレードの取り組みへの理解と推進に寄与している面があるだろう。

 一方、まだフェアトレードタウンに認定されていない陸別町、垂井町・揖斐川町の場合は、恵まれ た自然環境による地産地消の推進とフェアトレードのコラボレーションという面で、日本版フェアト レードタウンの独自基準である、地域活性化への貢献にうまく合致している。行政・議会・町長と地 域住民の理解・支持が広がれば、十分にフェアトレードタウンへの認定は可能な段階に来ていると言 えよう。

5.総括:いなべ市と各都市・町のフェアトレードタウン運動の比較及びSDGsとの関係  さて、これまでの日本各地のフェアトレードタウン運動の調査をふまえて、あらためて今回のいな べ市の事例を考察してみよう。

 いなべ市の人口は約45,000人で、規模としては逗子市に近い地方の小都市といえる。また、地理的 条件としては産業や交通の便、自然環境に恵まれており、垂井町・揖斐川町にも近い。日本のフェア トレードタウンは、これまでに認定された6つの市の事例を概観すると、人口規模では、大都市タイ プ(名古屋市、札幌市)、中都市タイプ(熊本市、浜松市)、小都市タイプ(逗子市、いなべ市)に分 けられるように思える。大都市や中都市に比べると、いなべ市は「小都市タイプ」に該当し、自然環 境や産業、観光資源などがバランスよく存在しており、日本のフェアトレードタウン基準の4にあた る「地域の活性化」(地産地消の推進)に照らしてみて、フェアトレードタウン推進の条件にうまく適 合しているように見える。

 フェアトレードタウン実現までの取り組みを見ると、認定に至るまでのいなべ市の運動は極めて速 やかであり、先行する熊本市、名古屋市、逗子市、浜松市、札幌市及び近隣の垂井町の経験も参考に しながら、かなり手際よく進められたように見える。だが、いなべ市の運動の中心人物である羽場も、

浜松市の下澤の場合と同様に認めていたことだが、ただ単に先行事例を参考にしたからうまくいった ということではないようである。むしろ筆者が考えるには、何か地域の差異を越えた時代の意識の大

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きな変化に後押しされているようにも思われる。本文中でも述べたが、SDGsの取り組みはすでに企 業や行政に浸透し、学校教育や市民のボランティアでも共通認識となってきており、フェアトレード タウンに向けた動きもこの流れに棹差していると言えるのではないだろうか。

 SDGsとフェアトレードの関係を具体的に述べると、17の目標のほぼすべてにフェアトレードは貢 献しうるが、特に「1.貧困をなくそう」、「12.つくる責任、つかう責任」、「17.パートナーシップで 目標を達成しよう」の3つは、直接的にフェアトレードの実践によって達成しうる目標であると言え よう33。今回聞き取りをした、いなべ市の推進委員や行政関係者、議員の全員がSDGsとフェアトレー ドの密接な関係を把握し、フェアトレードタウンになることがこの目標の達成に大きく寄与すること をよく理解し、行動していた。

 フェアトレードタウンの進展の度合いを見ると、市民レベルでも、行政においても、「フェアトレー ド」という言葉は、筆者がこの研究を始めてから5年余りの間でかなり浸透してきているという実感 がある。2019年だけでいなべ市、札幌市の2都市がフェアトレードタウンに認定され、さらにフェア トレード大学も2018年、2019年とわずか2年間で3校になったことでも分かるように、今後フェアト レード大学も含め、フェアトレードタウン申請の動きはますます加速し、認定される自治体も増え続 けていくことが予想される。

 フェアトレードタウン運動の進展に合わせて、大学、高等学校などの教育機関また職場においても、

今後ますますフェアトレードは浸透していくだろう。これまで筆者が取り上げた地域以外からも、日 本、そして世界各地で、新たなタウンその他の多種多様なコミュニティにおいてフェアトレードを推 進する流れは一層進んでゆくに違いない。

6.おわりに

 本稿を締めくくるにあたって、2018年3月に刊行された渡辺龍也編著『フェアトレードタウン “誰 も置き去りにしない”公正と共生のまちづくり』から、印象に残った言葉を引用する。

   大きなまちをまるごとフェアトレードタウンにして終わりではなく、その中に小さなフェアトレ ードのコミュニティ(人が集まる場)をキラ星のようにたくさん誕生させることで、公正で持続 可能な共生社会に近づけるのではないでしょうか。フェアトレード商店街、フェアトレードホテ ル、フェアトレード図書館/映画館/美術館/公園~中略~いろいろな可能性をフェアトレード タウンごとに追求して企画し、推進していってよいと思います34

 渡辺が書いたこの文の中に示された、さまざまな、「小さなフェアトレードのコミュニティ」という ビジョンは、現在進行しているフェアトレードタウンの多様な動きを予見し、先導しているように思 われる。今後ますますフェアトレードタウンの運動は日本でも世界でも加速していくであろう。日本 でも表れ始めたフェアトレード大学の動きはその一つの予兆と言えよう。最終的には、すべてのトレ ード(貿易)が「フェア」という形容をせずとも「公平」、「公正」なものとなることが、フェアトレ ードが目指す究極の目標であるに違いない。格差と貧困の拡大が問題視される現代だからこそ、共助、

共生の理念に基づくフェアトレードタウンが一つでも増えていくことが我々の希望であり、願いなの である。

(18)

謝辞

 本研究にご協力いただいた、羽場典子氏をはじめとする「いなべ市フェアトレードタウン」の委員 各位、その他あらためて今回お世話になったすべての皆様に心より感謝申し上げます。また、これら の方々には論文中での実名の掲載にも快くご許可をいただき、重ねて感謝いたします。

別表 日本におけるフェアトレードタウンの展開に関する主な出来事(2019年10月現在)

市・町名 年・月 出来事

熊本市 1993年 1999年 2003年 2009年 2011年6月

明石祥子、フェアトレードショップ「らぶらんどエンジェル」開店 明石祥子、NGO「フェアトレードくまもと」設立

明石祥子、市当局や議会への働きかけを本格的に開始

明石祥子、「フェアトレードシティくまもと推進委員会」を設立、1万人署 名活動を開始

一般社団法人「フェアトレードタウン・ジャパン」(FTTJ)により、日 本・アジアで初、世界で1,000番目のフェアトレードシティ(タウン)に認 定

名古屋市 1996年 2009年 2009年 2013年 2015年9月

土井ゆきこ、フェアトレードショップ「風”s(ふーず)」開店 土井ゆきこ、「名古屋をフェアトレードタウンにしよう会」設立 原田さとみ他、「フェアトレードタウンなごや推進委員会」設立

上記2団体含む4団体により「フェアトレード名古屋ネットワーク」発足 2014年10月にFTTJから組織変更した「日本フェアトレード・フォーラム」

(FTFJ)によって、日本で2番目のフェアトレードタウンに認定 逗子市 2011年5月

2016年7月

長坂寿久、磯野昌子、「世界フェアトレード・デー」のイベント「フェアト レードのある暮らし」開催をきっかけに、「フェアトレードタウン勉強会」

を発足(2015年から「逗子フェアトレードタウンの会」に名称変更)

FTFJにより、日本で3番目のフェアトレードタウンに認定 浜松市 2009年

2015年10月 2017年12月 2018年2月

国際交流協会(HICE)とフェアトレードショップ関係者による「フェアト レード・フェスタ」第1回の開催

静岡文化芸術大学の下澤嶽教授、HICE、フェアトレードショップ関係者に より「はままつフェアトレードタウン・ネットワーク」の結成

FTFJにより、日本で4番目のフェアトレードタウンに認定

FTFJにより、静岡文化芸術大学が日本で初のフェアトレード大学に認定 札幌市 2003年

2009年 2019年6月 2019年10月

フェアトレードショップ関係者らにより「フェアトレード・フェスタ」第 1回の開催

フェアトレード・フェスタ実行委員会を中心とするメンバーにより、「フェ アトレード北海道」発足

FTFJにより、日本で5番目のフェアトレードタウンに認定

FTFJにより、北星学園大学と札幌学院大学が2校同時にフェアトレード 大学に認定

いなべ市 2019年9月 FTFJにより、日本で6番目のフェアトレードタウンに認定

(*いなべ市の詳細は本文で後述)

(19)

1 [長坂(編著)2018:61]参照。

2 以下のウェブサイト参照。

[Fair Trade Towns International] http://www.fairtradetowns.org/

(2019年9月21日アクセス)

3 以下のウェブサイト参照。

「日本各地のフェアトレードタウン運動」http://fairtrade-forum-japan.org/townactivity/details

「フェアトレードタウンはままつについて」https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/kurashi/fairtradetownhamamatsu.

html

「いなべ市が『フェアトレードタウン』に認定」https://www.asahi.com/articles/ASM9D6F9XM9DONFB012.html (2019年9月21日アクセス)

4 明石祥子への聞き取りは、2014年9月2日に明石の店である「らぶらんど」にて、インタビュー形式で行った。明石の取り組 みについては、[明石2008:269−272]も参照した。以下のウェブサイトも参照。

「社会イノベーター公志園 明石祥子」http://koshien-online.jp/akashi/

(2019年9月21日アクセス)

5 以下のウェブサイトを参照。

「フェアトレードタウンさっぽろ」https://www.facebook.com/fairtradetownsapporo/

(2019年9月21日アクセス)

6 以下のウェブサイトを参照。

「フェアトレードタウンさっぽろ」https://www.facebook.com/fairtradetownsapporo/

(2019年9月21日アクセス)

7 このシンポジウムについては、[渡辺2012:97]の他、以下のウェブサイトを参照した。

「国際シンポジウム:フェアトレードの拡大と深化」 http://noahsft.tumblr.com/post/409356107 (2019年9月21日アクセス)

8 [渡辺2012:98]参照。なお、WFTOの10原則については、[渡辺2012:122−125]を参照されたい。

9 この基準の記述にあたっては、[渡辺2012:101−103]を参考にした。他に[長坂2014:170−172]も参照した。

10 [渡辺2012:100]参照。他に[長坂2014:171−172]も参照した。

11 [渡辺2012:100]参照。他に[長坂2014:171−172]も参照した。なお、フェアトレードの原則に関する憲章については、[渡 辺2012:125−126]を参照されたい。

12 [渡辺2012:99]参照。他に[長坂2014:172]も参照した。

13 [渡辺2012:100]参照。

14 「フェアトレードタウン・ジャパン」についての記述は、[渡辺2012:103−104]を参考にした。

15 以下のウェブサイト参照。

「日本フェアトレード・フォーラム」http://fairtrade-forum-japan.org/overview (2019年9月21日アクセス)

16 以下のウェブサイト参照。

「日本フェアトレード・フォーラム」http://fairtrade-forum-japan.org/overview (2019年9月21日アクセス)

17 以下のウェブサイト参照。

「日本フェアトレード・フォーラム」http://fairtrade-forum-japan.org/overview (2019年9月21日アクセス)

18 羽場典子には、2019年9月5日のいなべ市の訪問調査の際、同市の関係者への面談や羽場自身の取り組み等について、全面に わたって調査に協力していただき、貴重な情報を提供していただいた。

19 以下のウェブサイト参照。

「いなべ市公式ウェブサイト」https://www.city.inabe.mie.jp/kyoiku/bunka/1008057/index.html (2019年9月22日アクセス)

20 以下の「いなべ市フェアトレード推進委員会」設立の経緯についての記述は、羽場との面談や羽場本人から筆者に提供され た私信に基づく。

21 ここでの記述は「いなべ市フェアトレード推進委員会 これまでの歩み」(未公刊資料)に基づく。以下にその内容をまと めて記す。

 2018年5月 推進委員会の発足

       桐林館にてフェアトレード講演会を開催

        名古屋市開催の「コーヒー・サミット&アール・ブリュット in Nagoya TV Tower~世界とつながるおいし いコーヒーから、やさしい未来を語ろう~」(注:世界フェアトレードデーなごや2017の開催企画)にてト ークショー

    6月 いなべ市北勢市民会館にて開催の「2018スマイルフェスタ in いなべ」に出店

    7月 桐林館にて毎月開催のマルシェ「一日一」(注:ついたちいち=毎月1日に開催)に出店

参照

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