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脳障害児の予防をめぐって

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子どもの脳の発達と生活

脳障害児の予防をめぐって

小児保健研究室 向 井 幸 生

1 はじめに

  子どもの脳の発達と生活 というテーマを与えられました。脳の発達と 生活 というテーマは いかにも 教育 研究所紀要のテーマにふさわしいのです。ところが筆者は医学畑の出身であり,教 育学部に籍を置いておりながら,おはずかしいことにとても 教育 についての専門家とは言えない のが実情です。ところが,上記のテーマについて,医学的な面から論ずるにしても,既に大脳生理学 や小児神経学のテキストブックに記されているようなことを,ここで改めて持ち出すのではいかにも 芸がありません。上記のテーマで執筆することを気軽に引き受けましたものの,いざ執筆の段になっ て はたと考え込んでしまいました。

 そこで,思いきった我田引水を行い,上記のテーマを,筆者の現在いだいている研究課題に引ぎつ けて論ずることに致しました。このやり方の方が子どもの脳の発達についての,今H的な問題に触れ ることにもなると思います。どうか御容赦いただきたいと存じます。

 脳が人間の心身両面にわたるすべての活動をコントロールする中枢であることは、申し上げるまで もありません。学習や身体運動のような意識的な活動のみでなく,消化・吸収・呼吸es循環などの,

いわゆる植物性機能といわれる直接生命の維持に関わる諸機能もまた脳の統制下にあることはよく知 られています。

 したがって,脳の健康が障書されると,人間の心身両面における諸活動のすべてに支障をきたすこ とになります。

 このような事情は子どもの場合も,成人の場合と同様です。ただ,子どもの場合,脳の成長発達と いう要因が加わるので,問題がより複雑になるのは事実です。

 脳の機能が障害された小児のことを,ここでは一般に脳障害児と呼ぶことにします。 (小児神経学 や臨床心理学では脳障害児という言葉は後述の微少脳機能不全症候群と同義的に用いられることもあ ります)。脳障害児の問題を根本的に解決する唯一の方法はその予防にこそあるのです。そこで,本 稿では脳障害児の予防対策について論じます。

 さて,ロジャースは,人間の健康(H)は,遺伝的主体的要因留)および環境要因(e)の関数 であると述べました。すなわち,

        H鴫f(9,e)

のように表現できるとしています。これは生態学的な考え方による健康観です。

 近年における急激な社会変動は,人間の環境を激変させました。環境の悪化には公害による自然環

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境の破壊のみでなく,社会経済的環境,びいては教育的環境(受験地獄など)の変化をも含むもので あることは,申し上げるまでもありませんが,本稿では,環境汚染と子どもの脳の健康の問題にふれ たいと思います。

 脳損傷児の問題は,まずその発生予防にこそ努めなければならないことは後に詳述致しますが,こ の脳障害児の予防というのは比較的新しい研究領域と言えます。新しい領域には新しい研究 方法

と新しい 指標 とが必要です。ちょうど新しい文学が,新しい文体と結びついたものであるのと同 様砿鞘らは,噺徽として藻剛、児潔鯉(発達神籔学)を提唱してし・ます。これは麟

害児の予陣を推進するために誕生した新しい研究領域ですが,実はこの集団小児神経学は脳障害児の予 防のみではなく,現代の小児神経学が逢着しているさまざまの困難な問題を解くための鍵の1っを提供 するものであると筆者らは考えています。この集団小児神経学の輪郊についても略述してみたいと思いますb

2小児における各種脳障害とその症候

 本論にはいる前に,小児の脳の健康がそこなわれた時,小児はどんな状態に陥るのか,簡単に述べて みたいと思います。換言すれば,子どもの脳の病気のうち代表的なものにはどんなものがあり,また それらにはどんな症状がみられるのかということです。

 子どもの脳障害のほとんどは,表1に示すように①脳性麻痺・②精神薄弱・③てんかんg④微少脳 機能不全症候群(以下M。C。 D。と略)のいずれかに属すると考えてよいと思います。その他にも脳 腫瘍など稀な病気をあげればきりがありませんが,ここでは触れないことに致します。

 上記の4っの状態像の,一般小児における有病率は極めて高く脳性麻痺:約。.2%,精神薄弱約3.o

%(この中には器質性脳障害によらないものも含まれるが),てんかん約1.0%とされています。M.

C.D .。は診断基準がまだ明確でないため,有病率もはっきりしません。ところで上記の4っの 病 (正確には 状態像 と言うべきでしょう)は,互いに深い関連をもっています。極めて乱暴な 言い方をすればこの4っの病気は本来1っの病気であり,その現われ方と程度が違っているだけだと 考えることも可能であります。雑な言い方を許していただければ,これらの4つの状態像を神経学的

な観点からながめた時,これらはいずれもその大部分が器質性脳障害(それぞれ程度の差はあるにし ても)を基盤として発症するものです。またそれ故に, M。C。D。の行動異常や学習障害 が,

精神薄弱児,てんかん児の行動異常,学習障害 と本質的に異なっているわけではありません。そ して,その器質性脳障害は,いずれの場合にも似たような病因によってもたらされます。難産,生下 時仮死,未熟産,出生後の頭部外傷等によってもたらされた器質性脳障害を基盤として,上記の4っ

の状態像のうち,どれを発症してもおかしくはないのです。

 そのうえ,表1に示しましたように,この4つdi.状態像は互いに共通ないくつかの症状をもってい ます。ひきつけなどの発作性症候,行動異常,学習の障害,微少運動障害(不器用さ)などが共通に みられる症候です。

 ある症例の経過を観察しているうちに,今まで見られなかった別の症候が新たに出現してきた時,

「別の病名(状態像名)に変えなければならなくなる,といったこともしばしばおこります。たとえば,

M.C。 Dcとして、経過観察中の児童が,てんかんの発作を合併してきたために,もはやこれをM。

C。D.と呼ぶことができなくなり, てんかん+行勤異常 などと診断を変更することがあります。

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それほどまでに上記の4っの状態像の境界は不明確であり,便宜上のものであるにすぎないのです。

 ただ,一般的には脳性麻痺が最も重症であり,精神薄弱,てんかんの順に軽くなり,M. C. D。

が最も軽症だとは言えると思います。

3脳障害児はまず予防をこそ

 脳細胞は,一旦損傷を被ると,それを修復させることは絶対にできません。このことは,3年前に 死んだ人をもう一一度生き返らせることができないのと同じぐらいに不可能なことです。従って器質性 脳障害の根治療法はあり得ないことになります。

 誤解を恐れずに申し上げますと,だからこそ脳損傷はまず予防にこそ努めなければならないのです。

もちろんこのような発言は脳障害児の治療教育や整形外科的,神経学的な治療の努力に対して水を差 すためのものではありません。どんな時代が来ても,すべての脳障害を完全に予防することは不可能 ですから,今後もより効果的な 治療 への努力が必要であることは言うまでもありません。また社 会における脳障害児の処遇を改善することを通じて,コミュニティの変革をR指す入たち(いや,コ

ミュニティの構造をつくりかえることこそが障害者の問題を根底的に解決すると考える人たち)の努 力に対しても,筆者は水を差そうとしているのではありません。

 筆者の考えは極めて単純なのです。まず,何より病気は一一特になおりにくい病気はかかる前に予 防するのが一番だと言うことです。なんといってもその人が病気に苦しまずに済みます。もう一つ,

副次的な理由をあげれば,一般に 予防 は 治療 よりもはるかに安上りだということです。一般 に,既に発病してしまった患者を治療するに要する医療費及び社会保障費は,その疾患の予防に必要 な予算に比べてケタ違いに大きいのが通例です。医療技術の革新,老齢人口の増加,環境汚染等さま ざまの要因によって,今後ますます医療費は増大するであろうことが予想されています。軍備を全廃 したぐらいではとてもおいつかないだろうと筆者は見ています。これを解決する唯一の方法は, 気の予防と健康の増進 を考える以外にないのです。

 脳障害児の場合も然りです。予防にまさる海療はないのです。予防こそが,小児を脳障害の姪桔か ら完全に解放するための唯一の方法であると言っても,決して過言ではないと思います。

 脳障害の予防のためには,脳障害の発症に関与する多くの要因のそれぞれに芯じた対策が必要です。

脳障害の出生前要因を除外するためには,①血族結婚をさける,②高年出産(出産時の母親の年齢が 35才以上のもの)を可能な限りさける,③妊娠の特に初期の頃,母親が感染症に羅窪しないよう,

できるだけ人混みに出ていくことをさける,④風疹の予防接種の励行,⑤妊娠中の薬物の服用は,医 師と相談の上で可能な限りさける,⑥妊娠申の母親は喫煙や飲酒をさける,⑦妊娠中の母体のレント ゲン撮影は、医師と相談の上で可能な限りさける、⑧妊娠中(特に初期と末期)の過重な労働はさけ る ⑨妊娠中の健康管理の徹底(定期的に妊婦検診・保健指導を受ける)などの対策が考えられます。

 e

 周産期の要因に対する対策としては,①自宅分幌をさけ,産婦人科医の管理の下で分娩する,②新 生児,未熟児センターの増設などがあげられます。

 出生後の要因に対する対策としては,①頭部外傷の受傷率を低下させるため,たとえば歩道の整備 など交通事故対策を推進する,②各種の脳炎を予防するため,たとえば,必要な予防接種を励行する ことなどが考えられます。

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 さらに,脳障害児における各種の症候の発現には,器質性脳障害などの生物学的要因のみではなく,

環境の要因が大きく加担しています。子どもが 行動異常 などを示さなくてもいいような環境をつ くることもまた,問題行動児などの予防につながると考えられます。しかし,この問題にはここでは これ以上は触れないことにします。

 また,脳障害児もしくは脳障害に陥る可能性のある小児を早期に発見して早期に治療を開始するこ とも, 疾病増悪の予防 という意味で,一種の 予防 と考えられます。たとえば,先天性代謝異 常のスクリーニングが全国の新生児を対象に,その早期発見,早期治療を目指して行われ始めたこと

は喜ばしいことです。

 以上,脳障害をもたらしうる各種の要因を除外するための対策を列挙しましたが,脳障害予防のた めの対策は,個人のレベルでの保健衛生のみではどうにもならない部分があることがわかります。社 会的な施策が必要なのです。国や地方自治体が脳障害児予防の諸施策を推進するための予算を出しし ぶることは,前述のような理由であまり賢明なやり方とは考えられません。発病してしまってからの

治療 予防 よりもはるかに高くつくからです。

4 公害起因性脳障害の諸問題一水俣の子どもたちにおける申枢神経機能障害を

       例として

 第3節に述べた脳障害児の予防対策の概略は,既に各種のテキストブックに記載されています。ま だ,あまりテキストには書かれていないけれども重要な問題があります。それは公害起因性脳障害

(非可逆的な器質性脳損傷と可逆的な脳機能障害の双方を含む広義の脳障害)の問題です。

ファインゴール舎)は,k品添加伽子供の行動に灘を及ぼし,三二を多発させて、・るとしてい ます。彼は360人の多可児に、添加物を含まない自然食品を与えることにより、,その30〜50%

に行動面での改善を認めた,と述べています。このファインゴールドの研究は,研究方法にやや不備 なところがあるため,批判を浴びているようです。

 しかし,N常用いられている食品添加物だけでも数百種類に達しているという現状を考慮する時,

筆者はファインゴールドの主回するようなことは大いにありうることであると考えています。

水俣地方の小学生には,行動異常や学習障害をもつ者が多い と筆者は,水俣地方の小学校の先 生方から聞いていました。慢性の有機水銀申毒によって,粗大な運動障害や明らかな知能障害をきた

しうることは知られていますが,それと同時に、第2節において述べたM。C、D。の形をとる軽症 の水俣病がありうることは当然考えられることです。そこで筆者らはこのことを,筆者らが新たに開 発した研究法を用いて立証したいと考えました。

 水俣地方の小学生における行動異常の有病率を一般の地域のそれと比較することは困難ですeなぜ なら,小児の集団を対象とする行動異常の客観的数量的な評価方法が確立されていないからです。

 そこで,著者は、直接行動異常の有病率を比較することをさけて,M、 C。 D。にしばしば見られ る神経学的微少徴候に関して,水俣地方の小学生と対照地区の小学生とを比較しようと試みました。

神経学的微少徴候には多くの種類がありますが,ここでは,筆者らが標準化した 改訂茨城集団ベン ダー・ゲシュタルト・・テスト(図形模写テストの一種。以下B.GeT。と略) と,同じく筆者ら が開発した小学生用の簡易な運動機能検査(運動の巧緻性の良否を検するもの。以下!.M.:F、と略)

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を実施しました。

 この両地区の調査対象の小学生は,いずれも一見健康に学校生活を送っているとみられる子どもた ちばかりです(明らかな脳障害をもっていると考えられる小児は含まれていません)。また,小学校に おいて検査を行なったので,受診率は両地区とも奮籍児童のgo%をこえており,調査対象児童に質 的な偏りはほとんどないと考えられます。また対照地区となった 茨城地方 については,水俣地方

とほぼ同程度の経済水準をもつ地域を選定してあります。

 表2に示すごとく,水俣地区小学生のB。G。 Te不合格率は6〜12才のいずれの年令においても 茨城地区のそれを上回っており,その差は,8才,9才,11才,12才において有意でした(なお,

BeG。Teの採点は盲検法によって採点してあります)。1。M。F。については,水俣地区小学 生の不合格率は11才,12才において,茨城のそれを有意に上回っていました。

 両地区とも一見健康に学校生活を送っている子どもたちばかりであるにもかかわらず,この両地区 の検査成績の間に有意の差が見られたことは驚くべきことです。

 一方,7才以下においては,いずれの検査項目に関しても両地区の検査成績の問に有意の差が認め られませんでした。アセト・アルデヒドの生産中止が昭和43年であり,この集団検診が昭和5◎年 al月に実施されたことを考えると,注意を惹く検診成績です。やはり,慢性有機水銀中毒によって,

M,C。D.の状態像を呈するような軽度の脳障害を被った小児が多数いるであろうことを,この検 診成績は示唆しています。すなわち,水俣病の底辺が著しく広大なものであることを示しています。

水俣地方の5才以下の幼児についても別の中枢神経機能簡易発達指標を用いて,同じく茨城地方の幼 児と比較しましたが,有意の差は認められませんでした。

 このような集団検診がもっと早期に行なわれていれば,あるいは,新潟の第二墨俣病は予防できた かもしれないのです。すなわち,小児集団を対象に,脳障害児への小児保健学的なアプローチを試み ることが,特に予防の観点からは重要であることが,上述の検診成績からも観取されます。たとえば,

M.C..Deの治療教膏に際して,軽度の脳障害の有無のみこだわることは必ずしも有益な結果をもた らすとは限らないのですが,いったん脳障害のf「予防ffの側面に目を転じる時,われわれは軽度の脳 障害の問題にいや癒なく立ち向かわざるをえないのです。

 ここで,さらに付言しておきますと,この集団検診においては、著者らの開発した2っの簡易検査 が用いられています。すなわち,簡易検査が、ここでは地域小児保健診断(もしくは学校保健診断)

の指標として用いられたことになります(表4−4)

5 集団小児神経学(発達神経疫学)の提唱一包括的小児神経学をめざして

 いったい健康とは何でしようか。健康とは病気でないことだ、と単純に考えることも可能です。と ころがs生と死の区別は一般には容易ですが,健康と疾病の区別は必ずしも容易ではありません。い や,むしろ健康と疾病の間は連続的に移行しているのだ,と考えられます。urジャーズは,健康と疾       5)

病とを図1に模式的に示した4つの段階で表わしました。もちろん,この4っの段階の間にも,はっ きりした境界があるわけではありません。健康から疾病,さらに死へと連続的なスペクトルのように 移行していると考えたわけです。

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 健康状態を「完全な健康」から「死」までにわたる連続的なスペクトルとしてとらえることは,そ のスペクトルのいずれの段階に対しても必要な対策を立てなければならないという意味で重要です。

従来,日本の医学・医療は,図1のC「顕在的な疾病」を扱う「臨床」にのみ偏っているきらいがあ りました。すなわち,すっかりできあがった病人だけを相手にしていたわけです。潜在的な疾病(図 1のB)を早期に発見して,早期治療を実施することにより,その疾病の増悪を防止し,健康を回復 させることも大切であるはずです。また,現在ほぼ完全に健康な人を対象に病気を予防し,健康を守 り増進させることも同様に重要です。概括的に言えばpこのように,図1のA・Bの状態にある人々 の健康を守り,増進させるための活動を,「公衆衛生」とか「保健」とか呼びならわしています(も っとも,これらの言葉は,もう少し広い意味で使われることもありますが)。また,このような分野 を扱う学問を,「保健学」とか「衛生学」あるいは「予防医学」と呼んでいます。そして,医学が本 当に国民のための医学になるためには,治療医学のみではなく,予防医学までを含んだ,包括的な医 学へと脱皮しなければならないのです。

 第3・④4節で,脳障害児は,まず予防にこそ努めなければならないと述べましたが,脳障害児の予 防あるいはそれにまつわる諸問題を研究する領域として,筆者は,「集団小児神経学(発達神経疫学)」

      (1)  v(3)

という新しい領域を提唱しています。

 小児神経学は,図2のような構造をもっていると筆者は考えています。集団小児神経学は,小児神 経疾患(主として脳障害児)の予防を主な目的としていますから,前述の予防医学や衛生学に属する と考えることもできます。一方,臨床小児神経学は,いうまでもなく,すでに発病してしまった小児神 経疾患患者に対する個別的な診断と治療を研究する学問です。こめ両者が,共に発展してこそ小児神 経学は包括的小児神経学になるのだと考えられます。

 ところで,図2に示すように,臨床小児神経学と集団小児神経学とは,互いに大きく重なり合って います。領域がオーバーラップしているのみではなく,この両者は,互いに大きな影響を及ぼしあい ながら発展していくものだ,と筆i者は考えています。 臨床 小児神経学がなければ,集団小児神経 学は成立しえないといってもよいくらいです。また逆に,集団小児神経学が進歩すれば,その進歩は そのまま臨床小児神経学の進歩にはね返ってくるのです。

 ところが,現状においては,臨床医学が保健学(予防医学)に大きい影響を及ぼすものであることは よく知られていますが,逆に、保健学が臨床医学に大きな影響を及ぼすものであることはあまり知ら れていません。

 筆者にとって,集団小児神経学の構築は,生涯の課題だと考えていますが,集団小児神経学の発想 と方法とを臨床小児神経学の中に意識的に導入することにより,臨床小児神経学をさらに発展させる ことも筆者にとって同様に興味のある研究課題です。実際, 保健1ノの発想と方法とを臨床小児神経 学のあらゆる側面(病因論,症候論,臨床検査,治療,予後,小児神経学の研究)に導入することに より,臨床小児神経学は,ひとつの飛躍を遂げるであろうと筆者は考えています。新しい方法の導入 がその領域を発展させる契機となることは,医学の歴史が証明しています。

 ところで,筆者らはどのような新しい方法を導入したのでし うか。それを第6節に述べます。そ の方法について述べることが,集団小児神経学の輪郭を描出することにもなると考えるからです。

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6 中枢神経機能簡易発達検査法の開発の意義

 筆者らが小児神経学の中に導入した新しい方法とは,いわゆる 疫学的方法 です。1集団小児神経学のこ とを発達神経疫学とも呼ぶことにしていますが,これは集団小児神経学の研究方法がまさしく疫学的 研究法によっているからです。

 疫学的な発想と方法とは,保健学の分野では日常的に用いられていますが,小児神経学の中には,

従来十分には取り入れられていませんでした。一般に,臨床医は,患者を個別的に扱うことには慣れ ているが,人間集団を扱うことには慣れていないのです(疫学は後述のように人間集団を扱います)。

 疫学というのは,実はかなり古い領域であり,最:初は伝染性疾患の原因究明の科学として発展して きたものです。それが,近年,成人病や各種の公害起因性疾患等,非伝染性疾患をも対象として,そ れらの病因を追求するための方法として著しい進歩をとげました。疾病とそれにまつわる諸事象の頻 度と分布を明らかにすることにより,病因を究明しようとするものです。病因を究明することは,当 予防 を推進することにつながるわけです。

 また,疫学の概念をさらに拡張して, 人間集団内の健康事象発現頻度に関する法則性を見い出す       6)

科学である と考える人もいます。筆者もこのような考え方によっています。小児神経疾患とそれに まつわる諸事象の頻度と分布を明らかにすることにより,小児神経学のあらゆる局面における各種の 問題の解明に資することができると考えています。つまり,発達神経疫学の発想と方法とは,小児神 経疾患の 保健 のみではなく,その 臨床 にも深く関わりうるのです。すなわち,発達神経疫学 は小児神経疾患の病因論や予防に関わるのみでなく, 症候論 , 臨床検査 , 診断 , 予後 小児神経学の研究 など,小児病経学のあらゆる局面において,新しい地平を切開くもので あることを筆者らは,示しています。

 筆者らは,前述のように集団小児神経学という新しい領域を提唱し、10年余にわたって本領域の 研究に従事してきました。集団小児神経学研究の一環として一一いや,本領域に関する筆者らの研究       ノ活動の野晒をなすものとして,筆者らは,小児の申枢神経機能の簡易発達検査法を開発するための研 究に従事し,表3に示すごとく,年令階段別に計10種目に及ぶ中枢神経機能簡易発達検査法を開発

しました。これらの簡易検査法の開発ということが,はじめて,発達神経疫学を可能にしたのです。

一般に簡易検査は疫学調査の武器として重要なものだからです。

 筆者は,この中枢神経機能簡易発達検査法を開発するための研究に従事することを通じて,一搬に 小児のための簡易な健康指標(簡易検査)は、表4に示すように,小児病学と小児保健学の双方にま

たがる多面的な機能をもっていると考えるようになりました。これらの諸機能を一言で要約すれば,

小児のための簡易な健康指標は,小児の健康事象に関する疫学調査(疫学的研究)の指標としての機 能をもっているのだと考えることができます。霞然科学におけるほとんどの領域において,その領域 が発展するためには,その領域の研究糊膏が明確に設定されることが第一ですが,第二には,その領 域における各種の現象を測定するための指標の開発が必要だと筆者は考えています。新レい指標が導 入されたことを契機として飛躍的な発展をとげた領域の例は枚挙にいとまがないほどです。中枢神経 機能簡易発達指標が開発されたことを契機として,小児神経学がひとつの飛躍をとげることは決して 不可能ではないと筆者らは考えています。

 さて,上記の中枢神経機能簡易発達検査法を例として,一般に,小児のための簡易な健康指標がも

(8)

っている諸機能について,具体的に説明してみたいと思います。

 1) スクリーニング・テストとして

 まず99 一に,小児のための簡易な健康指標は,言うまでもなく,スクリーニング・テストとしての 機能をもっています。たとえば1,000名の小児集団の中から,あるスクリ・一一・ =一ング・・テストを用い ることによって,70名の疾病異常の疑いのある者を選別し,これを精密検診に回したとすれば,実 際に精密検診を受けたのはたしかに70名ですが,上記のスクリー一・=ングという操作により,

1,◎00名の子供たち全員が精密検診を受けたのとほぼ同様の成果をあげることができます。

 すなわち,集団のレベルでの医学において用いられるスクリーニングという技術は,医療の普及を 推進し,進歩した臨床医学の成果をすべての人々が享受することができるように援助するための技術 であると言えます。換言すれば,医療の社会化を推進するための技術として,スクリーニング・・テス

トはあるのだとも考えることができます。

 ところで,スクリーニングは、病人の集団を対象とするものではなく,一一般人の集団に適用される ものです。もちろん,この一般人の集団の中には,健康者のみではなく,図1のB(潜在的疾病)の 段階の人たちも含まれており,これらの人たちの潜在的な病気がスクリーニングという操作(および それに続く精密検診)によって早期に発見されることになります。疾病を早期に発見して,早期に治 療することは疾病増悪のtt予防ttになると考えられます。

 学校保健の現状においては,各種の脳障害児は,学校における保健管理の対象にはなり得ていませ んが,表3に示したような中枢神経機能簡易発達検査法を導入することにより,各種脳障害児のn医 療nとEi保健nが進展することが期待されます。

 2) 疾患もしくは症候群の臨床診断の診断基準の一項目として

 ある疾患(または症候群)の臨床診断の診断基準(クライテリア)を構成する一つの項目として,

簡易検査を用いることができます。

 現在までのところ重症心身障害児(以下!1重症児 と略)の運動障害の評価には,重症児について の文部省総合研究班が提案した 知能障害・・身体障害からみた重症心身障害児の区分 に拠っている 場合が多いのです。

 ところがここで用いられている運動障害の程度の評価法は年令を考慮していないため充分な妥当性 をもった評価法とは言えないのが実状です。

 例えば,上記の研究班の案に拠ると 坐らせて支えると坐れる というのは高度の運動障害と規定 されています。 6歳児が坐らせて支えると坐れる というのは確かに重度障害と言えますが,これ がもし12ケ月児であれば∫重度障害とまでは言えないと思われます。

 ところで,茨大式簡易運動機能検査(表3)は,運動の巧緻性の発達を検するための簡易な運 動機能検査であり,筆者らの研究グループが開発した10種目の中枢神経機能簡易発達検査法のうち の1っです(一一人当りの検査所用時間は約5二分です)。筆者らは,この検査法(年令に伴う発達を       8)

考慮してあります)による重症児の身体障害の新しい評価法を提案しています。

 3) 簡易検査は,不全型や亜型の発見を促進する。

 簡易検査を用いることにより,ある疾患を目標とした集団検診が広く行なわれるようになれば,そ の疾患の軽症例や亜型が多く発見され,そのことから症候論を初めとするその疾患の臨床像の解析が

(9)

進展します。

 水俣病についても,現在水俣病患者として認定されているのは,典型的な症状の出揃った一部の患      9)

者だけであり,その周辺にはその何倍にも及ぶ不全型の患者がいるものと考えられます。第4節にお いて前述したように,筆者らは水俣地方の一見ほぼ健康な生活を送っている小児を対象として集団検 診を行ったわけですが,このデータも水俣病の不全型(軽症例)が多く存在するであろうことを示唆 しています。このことは,すなわち,水俣病の診断基準を改訂することをせまっているのだと考えら

れます。

 また,水俣病が軽症例まで含めると,著しく広大な底辺をもった分布を示す疾患であるからこそ,

このような公害病の 予防nに全力を傾注しなければならないのだということをも,このデータは示 していると思います。

 4)学校保健活動や地域保健活動の指標として

 小児集団に簡易検査を用いて実施した 集団検診成績 は,その学校(あるいは地域)の子どもた ちの健康水準が高いのか低いのかを考えるための指標になるはずです。また,もしその学校(あるい は地域)の健康の水準が低いとすれば,それがどのような要因によっているのかを考えるための指標 として 集団検診成績 を利用できるはずです。また,学校(あるいは地域)における保健活動が,

どれだけの成果をあげたかを 評価 するための指標として, 集団検診成績 を利用できるはずで

す。

 簡易な健康指標を用いて行れた集団検診の検診成績が,地域小児保健診断の指標となっている例と して 本論文の第4節に述べた水俣地区小児の集団検診をあげることができます。

  s

 5)正常小児の簡便でかっ客観的な判定基準として

 簡易な健康指標は,正常小児の簡便でかっ客観的な判定基準として用いられます。

 小児に適用される多数の健康指標(検査法)のそれぞれについて,一応正常値らしきものが掲げら れています。一方,異常値は正常値:との対比においてこそ異常値たりうるのですから,この正常値の 問題は小児保健関係者ばかりでなく 臨床医にとってもゆるがせにできない大きな問題です。

      s

 正常値とは言うまでもなく, 正常小児 のもっている値のことです。ところが,この 正常小児 の判定基準が曖昧模湖としている場合が多く,そのため厳密な意味での正常値がなかなか得られない ことになります。 正常小児とは,異常遺伝歴がなく,妊娠・分娩とも異常がなく,出生後の発育発 達も専門医による定期的な検診によって正常とみなされた小児のことである。 というような曖昧模 湖とした、いわば美辞麗句を連ねただけの判定基準が用いられているのが実情です。

 客観的・数量的な 正常小児の判定基準 を提示することが求められているわけです。かなり恣意 的な判断基準であってもある程度まではやむをえません。現在までに行なわれたほとんどすべての研 究において,正常小児の判定基準は,常に恣意的なものであり続けてきたのです。

 筆者らは,中枢神経機能簡易発達検査法を指標として,発達神経学的な観点からの正常小児の判定 基準を提示しています(紙数の都合で詳細は省略)。

 6) 研究対象集団の質をコントロールするための指標として

 簡易検査は,研究対象集団の質をコントロールするための指標として用いることができます。この ことは、例えば,病気の 予後 についての研究を推進させるのに役立っと思います。一般にある病

(10)

気の予後についての研究においては,大学病院などへ受診した患者を対象とするのではなく,①一般 の小児集団を対象とする集団検診において発見された症例(大学病院受診児は質的に偏っています)

を,②前方視的に追跡調査しなければなりません。

 ところが,通常集団検診において発見された症例を長期にわたって追跡することは困難です。そこ で,便法として次のような研究方法が考えられます。集団検診で発見された症例の1人1入について,

いくつかの観点からマッチさせた症例を病院受診児の申から選定し,それを研究対象とする方法です。

マッチさせるべき観点(指標)の一つとして,簡易検査を用いることが考えられます。すなわち,こ の場合,簡易検査は研究対象集団の質をコントロールするための指標として用いられたことになりま す。てんかんや熱性けいれんの,予後についての研究もこのような方法によるべきだと筆者らは考え ています。その際筆者らの開発した中枢神経機能簡易発達検査法が役に立つはずです。

 7♪  発達研究 を能率よく推進させる

 小児における簡易検査は,各種の 発達研究 を膨大な小児集団に徴しっっ,能率よく推進させま

す。

 筆者らの研究グループは,保護者への質問紙の形式による乳幼児のための発達スクリーニング・テス        8)

トを開発しており (表5の②,④,⑥),これをnMN式精神運動発達検査 (以下 茨D.S. T.

と略)と名づけています。

 この検査は, 精神発達 運動の発達 全検査 の三部門からなっており,これらのそれぞれ について,生活年令とスコアがわかれば,発達指数早見表により発達指数(D。Q。)を読みとるこ とができるようにしてあります。この茨D。S.T。を用いた発達研究の一例について述べてみたい と思います。

 一般の幼児(a〜5歳,男女)995名における カウプ指数の偏差値 とtSD. Qe esとの関係        8)

を調べてみました。カウプ指数偏差値の大小(太っているかやせているかということ)と精神運動発 達との間には,(一般の幼児においては)相関が認められないことがわかりました。この研究におい て幼児の精神運動発達を調べるに際して上述の茨D。S。T。によりました。

 一般に乳幼児をもつ母親は我が子を太らせたいと願っていることが多いのですが,むやみに太らせ ても精神運動発達が良くなる訳ではないことをこの研究は示しています。

 ところで995例もの幼児について,その精神運動発達を臨床検査によって測定まることはたいへ んな仕事ですが,茨D。S。T。のような簡易検査を用いれば,比較的簡単にそれが可能となります。

(また,この場合,研究の目的に徴すると,簡易検査で十分にその目的を果たすことができるわけで

す。)

 すなわち,小児のための簡易検査は,各種の発達研究を膨大な小児集団に徴しっっ,能率よく推進 せるといえそうです。

 以上,脳障害児の予防をめぐる諸問題について,特に集団小児神経学(発達神経疫学)の立場から 論じました。とはいえ脳障害児の予防(予防こそが小児を脳障害の栓桔から解放する決定的な方法です)の 問題へのとりくみはまだ始まったばかりだと言えます。多くの医師や保健婦,養護教諭を始めとする

(11)

各種教育職員が本領域に参加されることを期待します。

 なお本稿は,茨城県障害児保育研究会での講演(昭和53年9月5日,於水戸市教育研究所)及び 文珠の会(代表佐川一信氏)での筆者のレポート(昭和53年9月9ff)の内容をまとめたものです。

 集団小児神経学に関する筆者らの研究に惜しみない御援助を与えられたすべての方々及び本領域の 開拓のため,10余年にわたって共に研究の苦労を分かちあった多くの仲間達に心からお礼申し上げ

ます。

文 献

 1)向井幸生:小児神経学の一分野としての 集団小児神経学(小児神経保健学) の提唱,第1   編集団小児神経学研究の発端。脳と発達9(4) P344−349,1977

 2)向井幸生:小児神経学の一分野としての 集団小児神経学(小児神経保健学) の提唱,第2   編集団小児神経学研究の現状一小児集団のための中枢神経機能簡易発達検査法の開発一一。脳

  と発達飯5) P429−435,1977

 3)向井幸生:小児神経学の一分野としての 9集団小児神経学(小児神経保健学)ttの提唱,第3編   集団小児神経学研究の課題と展望。脳と発達 9(6) P512 ・一522 1977

      e

 4)B。F。ファインゴールド:食品添加物(色素および香料)の摂取に基づく ノ多動性 及び   学習障害。J oumal of Learning Disabilities 9(9) P 551−559s 1976  5)Rogers,E。 S。:Human Ecology and Human Health,1960 (大平呂彦,青   山英康:最新公衆衛生学 第2版P.10より再引用 学建書院,1978)

 6) Lilienfeld ,A. M. et al : Method ef study, in nCancer

  Epidemiologyf , Johns Hopkins Unive rsity Press, Baltimore,1967  7)向井幸生:小児における 簡易な健康指標(簡易検査) の機能について。学校保健研究19   (7) P343一一350,1977

 8)向井幸生:小児集団の発達検査法一集団小児神経学の提唱, (1979年刊行予定)

 9)原田正純:水俣病。P132,岩波新書,1977,東京

(12)

子どもの脳の発達と生活

脳障害児の予防をめぐって(図表)

表1各種脳障害とその症候

  症 候

態像

粗大 運

@障ネ 動

@害

知能障害 意け等症

ッい各候喪れ種

クんのュ発発

?作作?@性

行動異常  (   .

ャ 緻 巧

^ 性ョ の 瘁@不Q 良 )

学習障害

脳 性 麻 痺 あ り しばしば

?  り

しばしば

?  り

しばしば

?  り あ  り

しばしば

?  り

精 神 薄 弱 な  し あ  り

しばしば

?  り

しばしば

?  り

しばしば

?  り

しばしば

?  り

て ん か ん

i狭   義)・ な し な   し あ  り

しばしば

?  り

しばしば

?  り

しばしば

?  り

微少脳機能不全

ヌ候群(MC。D) な し な   し な   し

しばしば

?  り

しばしば

?  り

しばしば

?  り

注1.ここで 狭義のてんかん とは,粗大な運動障害や知能障害をもたないてんかんのことである。

  粗大な運動障害を伴うてんかんは, 脳性麻痺+てんかん と診断される。明瞭な知能障害を伴   うてんかんは 精神薄弱+てんかん と診断される。

 2.M. C. D.はてんかんの臨床発作は伴っていないが,脳波上にてんかん波を検出する症例がか   なりある。

 3.  学習障害 とは,通常,状態像の名称であり(M.c. p.などと同格),知能,感覚器,運   動機能,情緒面には異常がないのに,学習上の欠陥が見られる場合をさすが,この表の中では,

   学習障害 を症候名として用いている。すなわち,たとえば,精神薄弱児が示す学習上の欠陥   も,この表では 学習障害 と呼ぶことにする。

 4.この表の精神薄弱は粗大な運動障害を伴わない者のみとした。粗大な運動障害を伴う精神薄弱   児は〃脳性麻痺十知能障害(精神薄弱)〃と診断される。

(13)

表2 改訂濠大式集団ベンダー・ゲシュタルト・テスト(B。G. T。)及び改訂茨大式簡易運動    機能検査(1。M。 F。)の検査成績

       水俣と茨城の比較

B G T I M  F

水  俣 茨  城 水  俣 茨  城

年令 戸数 不合格

メ数

例数 不合格

メ数

例数 不合格

メ数

例数 不合格

メ数

6 14 2 143 162 17 10.5 22 0 0 43 5 1L6

7 50 6 12.0 205 16 7.8 65 9 13.8 73 9 12.3

8 70 17 24.3177 2◎ 11.3 68 9 13.2 68 8 11.8

9 41 8 19.5176 9 5.1 41 1 24 64 4 a3

10 71 13 183 179 28 15.6 71 8 11.3 56 8 143 11 56 10 17.9 204 13 6.4 56 10 17.9 76 3 ag

12 27 9 3a3 70 8 11.4 27 6 22.2 24 0 0

329 65 19.81173 111 獄5 350 43 12L3 40屡 37 , 甑2

注1):水俣地区はA小(水俣市)B小(芦北郡),及びC地区(芦北部),茨城地区(対照地区)

   は,B。G,Tについては,×小(鹿島郡),及びY小(猿島部),1。MeF。については    Y小の小学生を検査した。

 2) 藤危険率5%以下で有意差あり  襲※危険率1%以下で有意差あり  ※※難危険率0.5    %以下で有意差あり

表3 筆者らの研究グループによって開発された中枢神経機能の簡易発達検査法

 A乳児(6〜12ケ月)用

  1)乳児用茨大平簡易運動機能検査

  2)(質問紙の形式による)乳児用MN式精神・運動発達検査  B 1.2才児用

  3)1・2才児用茨大式簡易運動機能検査

  4)(質問紙の形式による)1・2才児用M:N式精神・運動発達検査  C 3〜6才児用

  5)3〜6才児用茨大聖簡易運動機能検査

  6)(質問紙の形式による)3〜6才児用M:N式精神・運動発達検査  D 小学生用

  7)小学生用改訂細大式簡易運動機能検査町

  8)小学生用改訂茨大式集団ベンダー・・ゲシュタルト・テスト  E 中・高校生用

  9)中・高校生用二大式簡易運動機能検査

  1◎)中・高校生用茨大式集団ベンダー・ゲシ=タルトeテスト

(14)

表4 小児におけるas簡易な健康指標(簡易検査)・・の機能  1)スクリーニング・テストとして

 2)疾患もしくは症候群の(臨床診断の)診断基準を構成する1っの項属として用いうる。

 3)簡易検査を用いることにより,ある疾患を目標とした集団検診が広く行われるようになれば,

  その疾患の軽症例や亜型が発見され,そのことから症候論を始めとするその疾患の臨床像の解   析が進展する。

 4)地域小兜保健診断,学校保健診断,地区診断の指標として。

 5)小児医学の研究を能率よく推進させる。

  a)・・正常小児の簡便でかっ客観的な判定基準・を提供する。

  b)研究対象集団の質をコントロールするための指標として用いうる。

  c)各種の・・発達研究・・を彪大な小児集団に徴しつつ,能率よく推進させる。

図k 健康と疾病との連続的関係(E、S。 R ogersによる)

  A

完全な健康

  B 不完全な健康

(潜伏的疾病)

  C顕在的な疾病

(機能の不全)

  D死亡直前状態

図譲 小児神経学の構造

臨床小児神経学

集団小児神経学  (発達神経疫学)

基礎小児神経学

参照

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