はじめに
第 4 部
海外のまちづくり実践の動向(その 2)
ーアメリカおよび北欧都市を事例として一
はじめに
I わが国のまちづくりの課題 I
I 海外のまちづくりの考え方
m 北欧におけるまちづくりの実践 W アメリカにおけるまちづくりの実践 V わが国に対する示唆
広 田 泰 孝
私の勤務する日本政策投資銀行は、平成 1 1 年 0 1 月に旧日本開発銀行と北海道東北開発公庫が統合してで きた総合政策金融機関であり、同行は、四国地域に関しての地域経済情報の提供、香川県の「サンポート 高松」等の各種地域プロジェクトの企画面での支援、当該プロジェクトに対する融資を 3 本の柱として業 務を行っている。
日本政策投資銀行は、地域経済の重要な問題として、まちづくりの問題に取り組んできたが、それに加 ぇ、私自身としても、これまで同行都市開発部やアメリカ滞在中に、海外のまちづくりの検討を行ってき た 。
また、私は、高松に赴任してからも引き続き地域のまちづくりの検討を続けており、本稿は、その検討 の過程で、平成 0 1 年から 1 1 年にかけて欧州とアメリカに出張し、自治体や大学関係者との間でその先進的 な事例やその裏に隠された哲学、まちづくりを議論した概要を報告するものである。
I わが国のまちづくりの課題
1 問題意識
「まちづくり」、 「地域づくり」ということが、地域の重要な課題と言われているが、私は、その考え
方について、地方の総合計画、色々な計画づくりの中で追って見たい。これは、従来は市民の声を反映し
つつも基本的には行政の政策方針を示すものであり、行政が、どんな公共事業を行い、どういうサービス
をするのかであったが、社会環境の変化に伴い、この数年方針が大きく変化を見せている感がある。これ
を各種の計画の中でたどってみることにする。
2 総合計画
① 全国総合開発計画
「全国総合開発計画」は、国土づくりの基本的な計画であるが、その計画が一般の市民に意外と知られ ていないのが、日本の現状であるのは残念なことである。平成 0 1 年 3 月 、 「 1 2 世紀の国土のグランドデザ イン」、いわゆる新しい全総が策定された。これは、本来なら 5 番目の全総ということで「五全総」にな るが、策定に携わった関係者は、 「五全総とは言って欲しくない。また新全総とも言って欲しくない。全 く新しい全総である。」と言っている。この意味は、開発計画とは従来国がどういう形で国土づくりをす るかというものであったが、この計画は色々な方の参加と連携によって国土づくりを進める新たな指針、
ガイドラインである、としている。すなわち、前回の「四全総」の内容は国や自治体が努力すべき課題で あったが、一方新しい全総は、色々な主体の参加と連携、国民や色々な企業の参加と連携によって国土づ くりをするための道標である。要するに、新しい全総の趣旨は、地域づくりは従来行政が行っていたが、
これからは色々な方の参加の上で行政と市民が一緒になって地域を作っていこうというものである。
これを受けて、平成 1 1 年 3 月に「四国地方開発促進計画」が策定されたが、その計画も自主的な地域づ くりのための指針、あくまでも行政の取り組み方針ではなく、自主的な地域づくりをするための指針であ るとしている。
② 自治体長期計画
香川県も現在長期計画の策定に入っているが、平成 2 年に作られた前の長期計画は、県政運営の基本方 針で、県がどのように 0 1 年間運営してゆくかの基本方針を示すものであった。今回の計画の考え方は、基 本的には県民が県政に参加し、県政をつくり、県政を分かち合うようなシステムを構築するものであると いう考え方に変わりつつある。要するに、計画は地域をみんなで作りましょうという考え方になっている。
さらに、高松市の長期計画の原案では、 「まちづくりの主役は市民であり、政策の検討から決定、実施 に至るまでの段階において市民が参画し、市民自らが自主的、主体的にまちづくりを考えることが重要で ある。市民と行政が共同して取り組む、パートナーシップのまちづくりである。」ということを指摘して いる。このように、国から市のレベルまで、従来の計画は、行政の施策、行政がどんな施策を進めるのか、
例えばどんな公園や美術館を作るか等といったものから、最近は市民と行政が一体となってどんな地域を 作るかという指針に変わりつつある。そこで、行政と市民が一体となって、今後、色々な地域づくり、新 たなまちづくりの提案がされていくという期待も大きくなっている。
3 都市計画マスタープラン
次に、まちづくりの根幹をなす都市計画の基本的考え方として、 「都市計画マスタープラン」をたどっ てみる。
これは、平成 4 年 6 月都市計画法等の改正によって位置づけられたもので、都市の将来像を定めるため に作られたものである。マスタープランの役割とは、①個別の都市計画に関し地域住民の理解と協働を促 進する、②個別の都市計画相互の調整を図る、③都市計画の決定、変更の指針となる、ということである。
すなわち、総合計画に基づく土地利用及び都市施設整備(道路、駐車場、公固等)の方針を示し、いわゆ
るまちづくりの基本構想といえる。今後、このマスタープランについては上記の総合計画ベースでの動き
を踏まえ相当の見直しがあろうと思われる。すなわちマスタープランにおいても、地域住民との協働とい
う部分が一層強調され、一緒に都市計画を作りましょうという方向で検討する時期に入っているのではな
海外のまちづくり実践の動向(その 2) ーアメリカおよぴ北欧都市を事例として一
いかと思われる。
4 中心市街地活性化計画
これは、平成 0 1 年 7 月に施行された「中心市街地整備改善活性化法」に基づき、市町村により活力と魅 力ある中心市街地の形成を目指すため、その区域を設定し、基盤整備、商業振興、居住環境、さらには公 共公益施設の総合的かつ体系的整備の推進に向けて、作成されるもので、高松市においても平成 1 1 年 3 月 に中心市街地活性化基本計画が策定されている。その評価は別途行っているところであるが、私はこの基 本計画が今後の官民のまちづくりの指針になりうるものと考えている。これが、名実ともに官民、行政と 地域の方が一体となって取り組むようなものになるかどうかが、今後の課題である。これまで説明したよ うに、国や自治体が共に、町の作り方、まちづくりを誰が考えるかについての方針を変えつつある。その 中で町の顔である中心市街地を考えた場合、単に行政がどうするかではなく、まさしく市民と行政がその 活性化に向けて一緒にどの様に取り組んでいくかが重要であると思われる。
現在、国では、基本計画に基づき自治体を中心に基盤整備と商業振興を一体的に推進してゆこうとして いるが、そういったハード面だけではなく、この計画が契機となって、地域全体のまちづくりを推進する ような原動力になれば非常に良いと思われる。そのためには地域のコンセンサスをどう作ってゆくかが重 要で、市民と行政が、共通の目標をつくり、一緒に協働していくことが、今後のまちづくりの一つの課題 ではないかと思われる。これは、わが国だけではなく海外でも非常に苦労しているところであるが、現在、
欧米の幾つかの都市では、すでに明確な目標の下で着実な取り組みを行っている。
I
I 海外のまちづくりの考え方
1 海外のまちづくり事例について
海外のまちづくりとは言っても千差万別で、色々な国や地域があり、当然民族も違い、時期によって考 え方も様々である。今から 0 1 年前、日本で紹介されたアメリカの都市開発と言えば、ボストンのファニエ ルホールマーケット、ニューヨークのサウスストリートシーポート、ポルチモアのインナーハーバーと いったアメリカのデベロッパーであるラウス社が開発したプロジェクトであった。ボルチモアのインナー ハーバーのプロジェクトはウォータフロント開発の典型事例で、これは大阪の天保山や名古屋港等の
ウォーターフロント開発の一つのモデルになっている。
こうしたボストン、ボルチモア、ニューヨークの後、注目が集まったのは、サンジエゴ、サンアントニ オといった水辺を生かした開発で、福岡のキャナルシティのモデルになっている。蛇足であるが、アメリ カで「サン」がつくところは大体がいい町で、治安もよく、まず行って間違いのないところであると思う。
ここ 2-3 年は「セント」を上げる人が増えている。セントボール、セントルイス等、 NPO が中心に
なってまちづくりを行ったところであるが、それと並行して今は「ランド」、ポートランド、クリープラ
ンドが官民パートナシップによって総合的なまちづくりに取り組んだ成功例とされており、これらが現在
のアメリカのまちづくりプロジェクトの先進事例である。ただ、各々の都市には時代に沿った形で都市政
策の明確な考え方があり、その理念の表現として各々のプロジェクトがあることを理解する必要がある。
2 欧米のまちづくりの理解に当たって
欧州とアメリカのまちづくりを比較して論ずることがよく求められるが、この比較は容易には難しい。
欧州における北欧からイタリアまでを連ねる共通な考え方を見いだすことは当然に難しいが、アメリカで も同様である。すなわち、アメリカに在住していても余り「アメリカ」という言葉を使ったことがない。
基本は州であり、西はカリフォルニア州から東のマサチューセッツ州、南はアトランタが州都のジョージ ア州等となる。アメリカ合衆国全体で考えているのは、ワシントンの政府関係者で、他の関係者は州レベ ルでしか考えていないというのが一般的である。従ってアメリカもまた一括りするということは極めて難 しい。
かかる中、概ね共通の考え方を示す資料として、欧州では平成 8 年 3 月に公表された「サスティナプル シティ」に関する報告書を掲げたい。これは E U のまちづくり、地域づくりの原点になる報告書で、この 報告書で基本的には欧州全体のまちづくりの考え方を理解できると思われる。アメリカではクリントン大 統領の第 2 期目大統領選の時期の平成 8 年 2 月に公表された「サスティナブルアメリカ」という大統領の 諮問委員会の報告書を掲げたい。これは、アメリカの 1 2 世紀はこうすべきであり、新しいコンセンサスを もってアメリカの地域づくり、まちづくりをしていきたいということを報告したものである。これを比較 することで、私はアメリカと欧州の違いとともに、共通の考え方を理解できるのではないかと考えている。
3 欧州のまちづくりの考え方
「欧州サスティナプルシティ」に関する報告書をベースに欧州のまちづくりの考え方を述べてみたい。
① 背景
サスティナプルシティが考えられる背景としては以下の 2 点があげられる。
第一に、欧州は、ドイツの「緑の政党」に見られるように、環境問題に対しては非常に関心が強い地域 で、環境保全に対する政策の優先度が非常に高い。この理由として欧州では各々の国が地続きで、要する に、ある国が大気や河川汚染をすると隣接する国もその影響を受けやすいことによる。またわが国と異な り自然の回復力がそれほどに強くない点もある。欧州では酸性雨により、 ドイツの「黒い森」等の森林が かなり破壊されていると報道されている。従って市民の森の保全に対しての意識も強いし、環境問題が政 治に対して非常に大きい影響を持つ地域でもある。そういう点から環境保全は大きなテーマである。
平成 4 年にリオデジャネイロで地球サミットが開かれたが、このサミットで「 1 2 世紀に向けて持続可能 な発展を実現をするための世界宜言」、すなわち「アジェンダ 1 2 」が採択され、 「サスティナプルコミュ ニティ・デイペロップメント」、 1 2 世紀も持続可能な、我々の子孫が同じような福祉と環境を享受できる ような社会、地域のあり方を考える動きが全世界的に大きく高まった。こうした動きの中で E U では平成 5 年に「第 5 次環境行動計画」を策定している。これはボトムアップ式、地域から考えてゆこうという方 針を打ち出していることが特徴である。すなわち、環境問題は単に国の取り組みだけではなく、地域から、
地域を一つのベースとして取り組み、地域から考えてゆこうということである。
第二に、欧州ではアメリカでも同様だが、地域間競争への対応、すなわち、 EU 統合になり、地域間に おいて国による障壁が無くなることで、地域は競争社会に直接巻き込まれ、ある意味では勝つ地域と負け る地域とが出てくる。そういう状況への対応として、自分たちの地域をどの様に将来に向かって持続可能 に保全してゆくかは大きな課題である。そういう意味でも持続可能性は大きな課題になっている。こうし た背景を受けて報告書ができたわけである。
経緯としては、平成 3 年に E U の内部に専門家グループを組織し、専門家で検討を続けて平成 8 年に報
海外のまちづくり実践の動向(その 2) ーアメリカおよび北欧都市を事例として一
告帯はまとまった。この中で、持続可能な発展のための原則を定め、その実現のために求められる仕組み を明らかにした。そして、欧州委員会ではこの報告書を受けて、平成 9 年 5 月に「都市アジェンダヘ向け て」というペーパーを公表し、専門家グループと色々な議論をして、平成 0 1 年 0 1 月に「行動計画骨子:欧 州におけるサスティナプルな都市計画」という報告書をまとめた。この内容は、要するに欧州においてサ スティナプルな都市開発とはどうすればいいのか、まちづくりをどうすればいいのかに対する一つの考え 方、アクションプランを作成したものである。今後は、今年、第 3 次の欧州サスティナプル都市会議が開 催され、サスティナプル都市の最終的な考え方、欧州のサスティナプルなまちづくり、都市開発の姿を打 ち出そうとしている。今年はある意味で欧州共通のまちづくりの考え方が姿を表すのではないかと私は見 ている。但し平成 8 年の段階でもおおむねの欧州の基本的なまちづくりの考え方は示されているので、こ の基本的考え方を説明することとする。
② 基本的な考え方
ア.都市管理ないしは都市経営の視点
この意味は、政治的なプロセスによる包括的な対策の推進が重要だということである。すなわち都市経 営、都市管理の視点を明白に打ち出し、多岐にわたる対策を政治的に計画しなければならないということ である。これは、アメリカで重視する市場の力や他の見えざる力ということでは問題は解決できず、政治 的な推進が重要である点に特徴がある。アメリカと欧州の違いの一つは、アメリカにおいてはまちづくり ないしは地域づくりは、環境問題への対応も含め市場の力を最大限に生かすべきで、これにより最小限の コストで効率的に効果が達成されるというのに対して、欧州では政治的に決定して実行しなければならな いという点がある。
イ.政策連携の重要性
この意味は、政策相互間や自治体の相互間において十分な連携を行い、総合的な政策を推進することが 重要だということである。
ウ.エコシステムヘの配慮
ェコシステムとして、英語ではデュアルネットワーク・アプローチと言うが、一つはエネルギー循環、
廃棄物循環の仕組みづくり、もう一つは交通需要への対応で、この二つの取り組みがエコシステムヘの配 慮として大事であり、まちづくりで必要であるとしている。
工.協力と連携
まちづくりに当たっては、色々な主体や利益団体の協力連携が重要である。
③ 検討すべき項目
まちづくりを考える中で、検討すべき項目としては以下の 6 項目である。
ア.資源エネルギーと廃棄物問題
これは、まちづくりに当っては、都市全体のエネルギー消費の削減が重要であり、この観点から、自家 用車か公共交通かの選択が絡んでくる。また廃棄物処理については、再利用(リサイクル)というものを 確立しなければならないということである。
イ.地域経済
これは、まちづくりに当っては、地域経済の発展を図るという視点で考えなければならないということ
である。
ウ.交通計画
これは、都市内のアクセスの向上を図るという観点から考えなければならないということである。特に 都市環境の改善という意味でも市内の交通アクセスの向上を図る必要がある。そのためには、地域として 多様で総合的な都市交通システムを維持する必要があるとしている。アメリカや欧州でも、自家用車か公 共交通かの二者択ーではなく、多種多様な交通システムを、地域または町が維持すべきであるというのが 共通の考え方である。すなわち、わが国では自家用車か公共交通かといった短絡的な二者択ーの議論もな されているが、欧米では、多種多様な交通システムを地域に提供することが重要であるということで一致 している。
工.空間計画
これは、土地利用の改善や利用の効率化という観点で考えなければならないし、それは環境保全の視点 からも重要であるということである。
オ.市街地の再生(地域固有の資産とリサイクル)
これは、地域固有の資産をリサイクルする中で、環境に優しく、交通やその他様々なものが備わったま ちづくりが可能となるという観点で考えなければならないということである。
カ.都市の文化遺産の保全(憩いと観光資源)
この保全は、地域の憩いという面とレジャー、観光といった産業振興の両輪で考えなければならないと いうことである。
以上の 6 つ程の検討の視点を踏まえて、欧州各国では以下に示すようにサスティナブルなまちづくりに 向けて強いリーダーシップの下で色々な事業が行われていると言える。
4 アメリカのまちづくりの考え方
① 背景
前掲した「サスティナブルアメリカ」の報告書においては、市民の参加と連携によって、最小限の廃棄 物発生と低環境的負荷による、持続可能で高水準の生活の実現を目指すとしている。その背景として、環 境問題への対応は当然のことだが、アメリカでは、もう一つまちづくりを進める大きな要因がある。アメ
リカは大きな国土を有し、高速交通ネットワークが非常に発達しているが、そのことによりゴーストタウ ン、町が廃墟になってしまう事態が起こり得る。いわゆる都市間競争の問題で、市民は自分の地域をどう 守ってゆくかについて関心が強い。これは自分の財産をどう守るかに直結するからである。例えば、全財 産を家屋に投資したとしても、その家が、都市が廃墟となれば資産価値がゼロになってしまうことが起こ り得るわけである。地域が持続ある発展を遂げなければ、自分たちの資産も保存されないのである。例え ばロサンゼルスでは、私どもの駐在貝はダウンタウンから約 0 0 1 キロ程度離れたところに住んでいる。 0 0 1 キロといえば高松~高知間に近い距離であるが、アメリカの場合は、フリーウェイは基本的には無料で、
ガソリンも日本の三分の一程度の価格なのでさしたるコストはかからない。通勤時間も 1 時間程で済み、
1 0
0 キロ圏内はある意味でロサンゼルスの通勤圏となる。この結果、町に魅力がなければ住まないし、転 出してしまう。どこにでも住めるという環境下では、町自身の魅力が重要になってくる。もし、町がある 意味で魅力がなくなり市民が転出し地価が下がると、治安も悪くなり、ゴースト化、スラム化してしまう。
またアメリカの市民は自分の財産保全に対して非常に関心が高いから、地域の持続ある発展が個人の成長
にとって不可欠という点で、欧州とは違った意味で、まちづくりは重みを持ってくる。
海外のまちづくり実践の動向(その 2) ーアメリカおよぴ北欧都市を事例として一
また、この事自体が市場経済原則の結果でもあることから、市場の力を重視している。この結果、条件 整備を行うとともに市場の力を活用し、人材や新規投資を集め、まちづくりを実現しようということにな る 。
② 基本的な考え方
ア.市民参加による計画づくり
これは、自治体が主導し、市民が主体となって、戦略的で管轄外のことも包含した包括的な地域計画を 策定するべきということである。わが国では縦割りのシステムであるからこうした包括的な計画策定が難
しく、この点に関する対応は今後の課題である。
イ.持続可能な社会の立案
土地については、効果的に複合的利用を進め、市内には、公共広場を確保するとともにスプロール現象 を防止し、郊外には緑地帯の維持を図るというものである。このような形で自然の回復力尊重、災害防止 に向けた地域の成長管理を進める。
建物については、資源エネルギーの効果的利用に向けた設計と修復の推進を図り、交通手段については、
多岐に亘る手段の確保に努めることとしている。
以上により、地域の魅力づくりという観点を入れて、持続可能な社会というものを進める。これが経済的 発展に繋がるとしている。
ウ.経済的発展と雇用の確保
・個性を生かした、強力で多様性に富む地域経済の実現
ポートランド市当局によれば、まちづくりが、ある種の産業育成に繋がると述べている。例えば環境 や健康産業、環境に優しい産業の育成に当たっては、その地域において持続可能で環境に優しいまち づくりが重要で、それが地域経済の発展に繋がると言うわけである。
・持続可能な発展に向けた、市民の技能向上の訓練と生涯学習
これは、持続可能な発展に当たっては、それを支える人材の育成がなければならないとしている。ま ちづくりを進めるためには、市民の技能の向上や人材を育てることが必要であり、そのために生涯学 習も非常に重要であるとしている。各々の市民が技能を高め、生涯学習によって人材の層が厚くなる
ことが持続可能な社会に必要であり、経済的発展に繋がるとしている。
・環境技術、リサイクル、汚染防止事業から雇用創出の実現を園るといった方向での環境に配慮した 経済発展
これは、まさしく環境に配慮することが環境産業等を育成し、雁用を増大させ、経済発展に繋がると 言っている。
・再開発のための規制緩和や公的補助による荒廃地の再開発
こうした方策により新規開発を減少させることで、まちづくりと経済との両立が可能としている。
すなわち、経済と環境との両立ということを常に意識しながら、サスティナプルを考えているというの
がアメリカの全体としての考え方と思われる。そういう考え方に基づき、どの様な検討を進めているかと
言うと、エネルギーや廃棄物、交通負荷等に効果的に対応するような地域づくりと建築の良好な企画、都
市の空洞化の防止、さらには雇用増大を含む強力で多様な地域社会の実現に取り組まなければならないと
いうことである。アメリカは、国際会議でも常に経済成長と環境保全の両立を巧く調和させてゆくと言っ
ており、まちづくりというのもこの戦略の中で考えられている。だから、アメリカのまちづくり、個別の
まちづくりを見る場合にはこの点を踏まえて見るとより理解が容易になるように思われる。
③ 地域毎の差異
もちろんアメリカでもまちづくりへの取り組みには差異があり、まちづくりや環境問題に熱心で有るの は北緯 5 4 度線周辺と思われ、東海岸のボストン等のニューイングランド、シカゴ、ミネアポリス周辺、西 に行くと、シアトル、ポートランド、サンフランシスコ等がユニークな取り組みをする先進的な地区であ る。逆に南部の方に行くと何も考えていないような都市もあり、一括りにはできにくいものがあるが、た だ全域を通し、以上のことが濃淡はあるが、共通の考え方と言ってもいいであろう。
5 欧米のまちづくりの基本的理念
以上をまとめると、次のように言い得るであろう。昨年 1 月に北欧に行ったが、 1 月の北欧は自然が厳 しく、都市の生活環境を意図的に維持しなければ都市が駄目になってしまう。このことに見られるように、
欧州は、日本よりもはるかに環境の回復力が弱いところで、そのために環境に対しての意識が強まる。ま してや地続きなので汚水を流せば当然下流の国は迷惑する。そのような背景で各々の国や都市が共生でき るような仕組みというものを考える。 E U 統合による都市間競争への対応もあろうが、そこに都市づくり、
まちづくりの理念があるというのが、欧州の考え方であるように思われる。
一方、アメリカではモータリゼーションの発達、情報化の進展の中で、環境問題も当然ながら、都市間、
地域間競争が強まっている。かかる状況で地域や町が生き残るためにはどうすればいいのか、どういうま ちづくりが持続可能なまちづくりなのか、ということを各地域が模索している。まちづくりに成功するこ とが、まさしく雇用または地域経済の発展に繋がるというのがアメリカ的なまちづくりの理念のように思 われる。
いずれにしてもサスティナプル、今の地域社会や町が 1 2 世紀、 0 0 1 年経って、引き続き持続できるよう な地域を今、作らなければならないし、環境問題への対応も現状ならば可能であるということから、各地 域で努力が始まっている。これが欧米の状況ではないかと思われる。
一方、日本ではようやくまちづくりについて行政当局の施策という段階から、行政と市民が一体となっ て作る道標づくりという考え方にようやく移行しつつある。ただその中で行政と市民が一緒にやる場合、
何を道標にして考えていったらいいかという問題がある。例えば中心市街地活性化という議論がある。日
本では中小商業者の保護政策ではないかという指摘もあるが、このように市民が施策に対して党派性があ
るのではないかという疑念がある中では、コンセンサスは生まれない。欧米でも苦労しているが、不偏不
党なまちづくりの理念をどう作るかが大きな課題になっている。欧州、アメリカ、今度は日本でも、サス
ティナブルといった概念を持ち込んでその理念の下でみなさん一緒にやりましょうというのが、今後の方
向ではないかと思う。こういう方向性の中で北欧とアメリカの代表的なまちづくり実践例について説明す
る 。
海外のまちづくり実践の動向(その 2) ーアメリカおよび北欧都市を事例として一
I 1
1 北 欧 に お け る ま ち つ く り の 実 践
1 ストックホルム(スウェーデン)のまちづくり
ストックホルムを見る場合、サステイナブルなまちづくりという点からは持続可能な開発を目指す「ス トックホルム 0 0 0 2 」と名づけられた環境プログラムが重要である。
ア.環境対策としては、廃棄物の再利用
イ.地域経済の振興としては、生活関連産業にかかるデザイン産業等、新規産業の振典
ウ.交通計画としては、環境負荷が少ないライトレールトランジット導入等と、公共交通利用促進に向 けた環境作りと積極的な公的支援
工.空間計画としては、開発された土地の跡地利用の促進、工場跡地等の「戦略開発地区」の指定と業 務、住宅空間への転換
オ.建築計画としては、歴史的建造物の保護と景観維持 カ.推進策としては、市民の協力、連携に向けた対策
興味深いのはデンマークも同様であるが、スウェーデンでは、まちづくりの最終的な所管は環境庁とい うのが一つの特徴である。スウェーデンのまちづくりは自然資源管理法の傘の下に計画建築法があり、そ の下で自治体が、地域計画、詳細開発計画、詳細地区計画により、きちんと計画を組んで、事業について の調整や規制を行う。基本となるのは自然資源管理法でこれをみると公衆衛生、環境、生物上の多様性、
自然資源の保全という項目からなっている。従って、計画作りやまちづくりにおいて、もちろん雁用や住 宅供給や福祉等が重視されるが、それに加え環境の改善というのが重要視されている。環境とはいっても 水と空間利用が重視されている。昭和 3 6 年頃から環境問題がますますクローズアップされているが、環境 問題に対応する中で住宅の供給、緑地の問題、交通計画等の適切な構造を考えるとともに、財政的制約の 下で住民参加、住民主導で色々な計画策定手続きを行うことが求められている。
まちづくり施策の一つであるストックホルムでのデザインガイドラインは、歴史的な建造物の保護や景 観維持を図るべく設けられたものである。その目的は三つあり、一番目はストックホルム、中世以来の都 市であるが、その都市の成長をきちんと残し留めようということ(写真 1) 、二番目は水路、通路、公園 といった風景との調和、全体における調和(写真 2) 、三番目は街区毎の建物環境、街区毎の特徴を出す こと、これがポイントになっている。
また、まちづくりの基本ともなる「ストックホルム 0 0 2 0 」のもとでは、リサイクル等も推進され、その 観点で交通計画も進められている。また空間計画では新規に開発をするのではなく、開発された土地の跡 地利用等を推進している。それらと併せてデザイン産業等と新規産業の振興を図ることとし、産業振興と まちづくりを両輪で取り紺んでいる。まちの規制については、規制をすると自由な活動が阻まれ、町から 人や企業が逃げ出すのではないかとの指摘があるが、アメリカのボートランドでも同様であるが、市当局 はしっかりとしたまちづくりを行ってこそ産業が立地するという考え方をとっている。産業振興(ものづ くり)とまちづくりを同時に進めるということは、地域独自のものづくりを通じてまちの特徴を出すとい う点からも重要であると思う。
2 コペンハーゲン(デンマーク)のまちづくり
次に、デンマークのコペンハーゲンのまちづくりを見てみると、その基本的考え方は、以下のように整
理される。
(写真 1) ストックホルム:旧都心地区(ガムラ・スタン)
歴史的街区の保存事例
(写真 2) ストックホルム:新都心地区(ネーデルノルマルム)
都市開発事業の周辺地区との調和
(写真 3) コペンハーゲン:中心市街地建物修復地図
「コペンハーゲンにおける建築と都市再生」(ガンメルドック発行)
悔外のまちづくり実践の動向(その 2) ーアメリカおよび北欧都市を事例として一
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(写真 4) コペンハーゲン:中心市街地(アマー広場)
建物修復事例(ジョージジェンセン本店他)
(写真 5) ハーグ:新都心地区 都市改造事業事例
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(写真 6) ハーグ:路面電車(軌道はバスレーンと共用)
環境調和型交通手段事例
ア.環境対策としては、都市再生事業における環境技術(再生、リサイクル)の利用、廃棄物の削減
(写真 3)
ィ.地域経済の振興としては、都市ブランド等による都市型産業の振興 ウ.交通計画としては、軌道等の整備による、環境負荷の削減
エ.空間計画としては、環境エネルギー省が管轄する環境保全の観点から土地利用の重視
オ.建物計画としては、新規建築物の制限、歴史保全法による都市の文化遺産の保全とともに、建物修 復による中心部の活性化、雇用の確保(写真 4)
特徴的なのは建物の修復であり、これは歴史的な建造物の保全の意もあるが、修復によって熟練技術が 保全されるとともに、熟練工を中心とした雇用が確保され、色々な手工業の活性化にも繋がることを目差 している。すなわち、地域産業とまちづくりが一体化しており、まちは色々な技術を維持するための見本 市の場というような役割も果している。
3 ハーグ(オランダ)のまちづくり
次にハーグを見てみると、次のように整理される。
ア.環境対策としては、廃棄物の分別収集、環境に優しい建築材料利用の推進 イ.地域経済の振興としては、都市型産業(ビジネス)の誘致推進
ウ.交通計画としては、自動車利用の制限と環境調和型交通手段の推進(写真 5)
エ.空間計画としては、都市活性化のための都市改造事業(大規模都市再開発事業)の実施(写真 6) ォ.建物計画としては、市街地再生における環境保全の観点からの建築廃材の再利用 (90%)
カ.事業推進策としては、対話と教育による意識改革
ハーグは、都市改造事業によって産業を都心に呼び込み、雇用を呼び込むことを進めている。オランダ はドイツ等が雇用問題で非常に難しい局面下において、労使協調により、かなり経済的には成功したと言 われている。国内では、内外のビジネスを都心に呼び込むという目的で都市改造事業を行い、それによっ て都市型ビジネスも育成していく方針であると言える。
(参考)デンマークの国土計画
デンマークではプランニング・アクト g n n i n a P l ( ) t c A という計画法の下、ナショナルプランニング (
N a t i o n a
l ) g n n i n a l P が国土計画で、リージョナルプランニング l a n o i g e R ( ) g n i n n a l P が地域計画、
ミュニシパルプラン l a p i c i 1 W M ( ) n a l P およびローカルプラン e o L ( a 1 P 1 ) n a が自治体計画である。計画 法の目的は最初のセクションに書かれており、一番目は包括的な計画と経済的配慮に基づく自治体の妥当 な発展、二番目は価値のある建物や遺跡の保全、都市環境と風景の創造、三番目は大気汚染の防止、四番 目は可能な限り計画プロセスにおいて市民を巻き込むこととしている。
特徴としては、一番目は、政治的にコントロールされていること、市は、自治体の計画づくりに当たっ て、まず市民にコメントを求めなければならない。すなわち市が計画を作る場合に、まず市民に提案を求 め、市民はどういう町を作ったらいいかを提案し、その提案を受けた後、計画を出すこととなっている。
その後、反対の意見があるとそれを含めて修正する形をとっている。興味深いのは首長選挙ごとに計画を
作ることになる。政治的にコントロールされる形をとっているので、それに合わせて計画を作る。そこで
は、当然、どういう町を作るかが選挙の争点になり、その結果を通じてまちづくりは民主的にコントロー
海外のまちづくり実践の動向(その 2) ーアメリカおよび北欧都市を事例として一
ルされてゆくということとなる。
二番目の市民の参加は重要な要素である。先にアイデアの募集をし、次に計画が提案されると少なくと も 8 週間は反対者のために時間の猶予を与える。そのときに反対の意見があれば提案してもらう。それを 踏まえて最終的に計画を作るということが、市民参加の内容である。
三番目は、環境保全が非常に重要な要素ということを書いている。
四番目として、計画づくりにおいて、公聴手続き、環境への影椰の評価を実施しなければならない。最 も環境に優しい、環境に負荷が少ない方策をとらなければならないということである。
計画の手続きの流れは繰り返しになるが、 8 週間前に市民からの提案を集め、その上で地域計画や土地 計画について市の計画を提案する。提案後、 8 週間は反対者の検討のためにとられている。そして反対者 の意見を反映して計画を採用することとし、さらに計画は 4 年ごとに改定しなければならないということ である。また改定が選挙毎で、政治的にコントロールされているということである。
日本の場合、政治的な決定と計画作り、まちづくりが必ずしもリンクしない。実際に新たな首長が選出 されても、新首長の意見は多くの場合、計画が既に決まっているということで、なかなか生かされないし、
逆にそうであるがゆえに選挙の争点になりにくい。どういうまちづくりをしてゆくかについては、市民の 意向が強く反映されるべきものである。選挙の過程で反映されるということも一つの重要なポイントでは
ないかと思われる。そういう意味ではこれも一つの参考になるように思う。
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V ア メ リ カ に お け る ま ち づ く り の 実 践
クリープランドの人口は 0 5 万人、ポートランドが 4 4 万人、シアトルは 1 5 万人で、いずれも人口が 0 5 万人 ぐらいの都市である。もちろん周辺都市圏があるのでそれを加えるともっと大きくなるが、基本的には高 松圏よりやや大きいという理解でよい。いずれも人口が 0 5 万人ぐらいの都市であるため、四国のまちづく
りの参考になることから取り上げた。
1 クリーブランド
ア.景観に留意し、機能分担を明確にした都市計画
市当局では、 「クリープランド 0 0 0 2 」という計画において、景観に留意し、機能分担を明確にした計画 を採用している。例えば、商業の中心は 4 地域であるが、まず、中心部のユークリッド地区では、劇場等 をリニューアルし、それを核とした活性化を図り、次にウォータフロント地区では、ロックンロールホー ルオプフェイム(ロック博物館)というミュージアム等を誘致して活性化を図っている(写真 7) 。さら に、ウェアハウス地区という倉庫街については、職住近接の住宅とオフィスを混合した形でソーホー型の 特徴あるまちづくりをし、また、工業地帯のフラット地区では飲食、ナイトライフを中心に若者本位の地 区づくりをしている。この様に、各々の街区の機能分担を明確にし、差別化を図ることで魅力づくりに資 するといった計画づくりを行っている(写真 8) 。
イ.中心部での民間開発促進のための公的支援実施、雇用の確保、都心居住の促進 市当局は、都市開発や住宅供給のための基金を設け、各種事業の支援を行っている。
ウ.アミューズメント施設の立地、演劇活動重視による都市型産業の立地
市当局は、アメリカに共通するが演劇(ライプ)を一つの特徴にし、賑わいの核にしている。これによ
り単に人集めだけではなく、ここにアートや周辺産業の誘致を図っている。
工.官民パートナーシップ d n a l e v e l C ( ) w o r r o m o T 、大学(都市センター)を中心としたまちづくり こうしたまちづくりを進めるため、昭和 7 5 年には官民バートナーシップによる組織「 d n a l e v e l C w o r r o m o T 」
が設けられ、また検討の場として、人的にも資金的にもオハイオ州立大学等の大学が中心的な役割を果た している。
2 ポートランド
ア.環境に配慮した厳格な都市計画と民間による公共施設整備
市当局は、駐車場設置の事前許可、建築規制、建物のデザイン規制を行うとともに、民間企業に対して は規制の緩和を行う場合には、代わりに公共施設の整備を求めるという政策を行っている。すなわち、市 内では駐車場設置にも許可が必要であるし、建築規制も、高さや建ぺい率、景観、看板規制等厳しい規制 を行っている。一方で公共施設の整備については、事業者が歩道の設置、託児所、庭園、屋外アート、劇 場、噴水の設置等、各種の公共施設を整備すれば建築建物の容積のボーナスが受けられるという支援等が ある。
建物建設に当っては、その他に 6 2 項目程度のデザイン規制があり、考え方としては川との整合性や市の 個性を強調する、例えば市の花はバラであるのでガラス部分にはバラのエッチングを施す等である。逆に、
一部民間団体はそんなことをしているから多くの企業が逃げて行ってしまっているという指摘をしている が、市当局はこうした施策により企業が立地するという考え方をとっている。
イ.公共交通機関であるライトレールトランジットの整備等と歩行者重視(歩行しやすい環境整備)に よる車に依存しないアクセス推進(写真 9)
ウ.アクセス改善による中心部活性化、環境産業、健康産業の立地 エ.まちづくりにおける広域な枠組み (METRO) と長期間の議論
市当局は、公共交通機関に関して、中心部では無料化するし、 トランジットモール(バス通行限定の車 路)を設け、利便性の向上に努めている。また、歩行重視、歩きやすい空間づくりに努めている。例えば アート、歩いていると屋外アートに出合うということで、歩きながら美術鑑賞ができるといったことであ る(写真 ) 0 1 。この考え方は、公共交通の整備と歩きやすい空間を整備し、市内まで公共交通で来て、そ の後は歩行によりまちを楽しむことで街の賑わいを創出するというものである。また、その結果、バリア フリーで快適かつ健康的な生活が可能になり、環境産業や健康産業等、企業は進出してくる。それらに よってまちが一層活性化するということになり、事実、ポートランドは元気がいい市である。さらには成 長管理政策という形で、自治体が合理的なまちの成長を管理している。いずれにしてもこうしたことは、
長い期間の議論を重ねて政治的に決定してゆくという形で行っている。その中に行政、市民が一体となっ たまちづくりができている感がある。
(参考 2)
ポートランドのライトレールトランジット運営会社の状況
会社の組織は METRO (地域政府)で、中立的な 7 人の運営委員からなっている。運営面では、 2 0 年
間にわたりバスおよびライトレールトランジット (MAX) の乗客数については、延べ 2 倍以上に着実に
増加しており、平成 9 年のバス乗客数は 7 5 百万人(前年比 38% 増)、 MAX は 7 9 百万人(前年比 . 8 8 倍
増)となっている。また、乗客一人当たりの運営コストはバスが $ 1 . 9 6 、マックスが $ 1 . 3 2 にとどまって
いる。
香川大学生涯学習教育研究センター研究報告 第 5 号
(写真 7) クリーブランド:ウォ_ターフロント地区 ロック博物館による活性化
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(写真 8) クリーブランド:フラット地区
飲食、ナイトライフ拠点(ノルディカ娯楽セン ター)による活性化
(写真 9) ポートランド:中心市街地
駐車場跡地の市民広場とライトレールトランジット
(写真 ) 0 1 ポートランド:中心市街地
公共アートによる歩きやすい空間づくり事例
(写真 ) 1 1 シアトル:トンネルバス 公共交通の地下化事例
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