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平成30年間の日本の人口変動 ──昭和時代との比較による── 永 井 保 男

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(1)

平成30年間の日本の人口変動

──昭和時代との比較による──

永 井 保 男

平成時代が幕を閉じた。第二次世界大戦を経験した昭和時代を引き継いだ平成時代は,

近代日本の人口史の中でも極めて貴重な経験をした時代となった。それは,戦争や天変地 異による飢饉の発生や,疫病の大流行などという,人災あるいは,天災以外の要因で人口 が減少する,新たな事象を経験したのである。2008年(平成20年)に総人口がピークを迎 えたわが国の人口は,以後減少の局面に入った。人口が増減する要因の中でも自然減の直 接的な要因は,少子化により出生数が減少する場合と出生数よりも死亡数が上回り,その 結果として減少するものがある。一般的には,再生産年齢層(女性の15〜49歳)による 人当たり出生数の減少以外に,非婚化に伴う婚姻数の減少や,晩婚化による影響が指摘で きるが,より大きな要因としては,再生産年齢人口の大幅な減少によるものが挙げられ る。平成時代の30年間には,実に同年齢階層の人口は,20%,600万人以上が減少した。

しかしながら,こうした現象は,平成時代に始まったのではなく,2018年(平成30年)に 再生産年齢が一番高位となった45〜49歳の年代層は,1973年(昭和48年)に〜歳にあ たる年齢層であり,人口波動の要因が長期にわたって影響しているのである。本稿では,

総人口,出生と死亡,婚姻,死亡数,世帯,地域ならびに移動について,昭和時代との比 較をする中で,人口が減少した平成時代の特徴を振り返ることとする。

.は じ め に

平成の30年間が幕を閉じた。厳密には,2019年(平成31年)月30日までが平成時代であ るが,実質的には,2018年(平成30年)が平成時代の最後の年と考えられる。未曽有の犠牲 を払った第二次世界大戦と,その復興を体験した昭和時代を受け継いだ平成時代。人口の側 面から捉えるとどのような時代であったのか。昭和時代に続いて,1990年(平成年)の第 15回から2018年(平成27年)の第20回まで,回の国勢調査が実施され,わが国における人 口の実態を明らかにしているが,それぞれの時代を比較するとどのような特徴が見いだされ るのであろうか。

1989年(平成元年)に幕を開けた平成時代は,消費税の導入に始まり1995年(平成年)

に発売されたウインドウズを皮切りとした,インターネット情報時代の到来でもあった。ま

(2)

た,同じ年に起こった阪神淡路大震災や2004年(平成16年)の新潟中越地震,2011年(平成 23年)の東日本大震災と原発事故,2018年(平成30年)の西日本大豪雨と北海道胆振東部地 震など,全国各地で未曽有の大災害に見舞われた時代でもあった。本稿では,可能な限り昭 和時代と比較する中で,平成時代の人口変動面における特徴を探ることとする。

文脈の構成上,比較する昭和時代を,第二次世界大戦以前の1926年(昭和元年)から1945 年(昭和20年)までの20年間を,「昭和戦前・戦中期時代」に,続く第二次世界大戦後の 1946年(昭和21年)から1969年(昭和44年)までの人口激増期の24年間を,「昭和戦後第Ⅰ 期時代」とし,1970年(昭和45年)から1988年(昭和63年)までの緩やかな人口増加の時期 を,「昭和戦後第Ⅱ期時代」として,それぞれに区分することとした。その後の1989年(平 成元年)から2018年(平成30年)までの30年間を,「平成時代」として,可能な限り各々の 時代を比較する中で,平成時代の人口変動についてみることとしている。なお使用した数値 のうち,2017年(平成29年)と2018年(平成30年)の一部の数値は,国立社会保障・人口問 題研究所(以下「社人研」という)の「日本の将来推計人口平成29(2017)年推計」及び

「日本の世帯数の将来推計平成30(2018)年推計」による数値を使用している。

.総人口の推移

2-1 総人口の変化にみる昭和と平成時代

わが国における平成時代の人口変動の特徴の第は,戦後の混乱期を除いて,人口が減少 期に入ったことである。図 2-1 には,総務省統計局による国勢調査報告他の資料により,

1926年(昭和元年)から平成時代までに至る,日本の人口(総人口)と〜14歳以下の年少 人口ならびに,65歳以上の高齢者人口の総人口に対する割合について,その推移を示した。

区分した時代における年平均の人口増加率をみると,昭和戦前・戦中期時代は0.91%,昭 和戦後第Ⅰ期時代は1.33%,その後の昭和戦後第Ⅱ期時代は0.95%であり,昭和時代は戦争 による一時的な混乱期を除いて,一貫して増加の一途をたどっていた。特に,昭和戦後第Ⅰ 期時代は,1947年(昭和22年)から年間続いた第次ベビーブームの影響もあり,高い人 口成長期にあった。次代である昭和戦後第Ⅱ期時代は,1971年(昭和46年)から4年間続い た第次ベビーブームをスタートに,緩やかながらも増加を続けた。

続く,平成時代の30年間の総人口の増加率は,男女合計で年平均0.09%となっているが,

男女別にみると,男性が0.06%,女性が0.12%の増加となった。平成時代を10年ごとに区切 ってみると,1998年(平成10年)までの前期10年間が,男女合計で0.29%の増加となり,そ の内訳は男性が0.26%,女性が0.32%,その後の中期にあたる2008年(平成20年)までが同 0.12%,0.07%,0.17%と,それぞれ緩やかながらプラスに増加してきた。その後の2018年

(平成30年)までの後期の10年間は,同−0.14%,−0.15%,−0.13%と,マイナス成長に

(3)

転じた。

わが国の人口は,第二次世界大戦期とその直後の混乱期を除いて,平成時代の後期に入り 減少局面に転じたのである。総人口のピークは,2008年(平成20年)の128,084千人であり,

男性のピークは,2007年(平成19年)の62,424千人,同じく女性は2010年(平成22年)の 65,730千人であった。同様に,日本人人口をみると,人口のピークは2009年(平成21年)の 126,343千人,男性は2007年(平成19年)の61,635千人,女性は2009年(平成21年)におけ る64,757千人となっている。

また,〜14歳の年少人口と,65歳以上の高齢者人口の推移をみると,昭和戦前・戦中期 時代は,年少人口割合は,36〜37%台となり,高齢者人口割合は4%台と,それぞれが比較 的安定した状態で推移していた。次ぐ昭和戦後第Ⅰ期時代には,年少人口割合は35%台から 同時代の後期には,24%を割り込む水準にまで低下した。その一方で,高齢者人口割合は

%台から%へと上昇をみせた。次の昭和戦後第Ⅱ期時代に入ると,年少人口は24%台から 19%台へと一段と低下,逆に高齢者人口は%台から11%台へと上昇した。平成時代に入 り,年少人口は18%台,高齢者人口は11%台でそれぞれがスタートし,1997年(平成年)

になると,年少人口割合が15.4%に,高齢者人口割合15.7%と逆転することとなった。2007 年(平成19年)の推計人口では,高齢者人口の割合が21%を超えて,超高齢化社会に入り,

図 2-1

日本の総人口(男女別)と14歳以下・65歳以上人口割合の推移

5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 40.0

 20  40  60  80  100  120 140

1926年 1928 1930 1932 1934 1936 1938 1940 1942 1944 1946 1948 1950 1952 1954 1956 1958 1960 1962 1964 1966 1968 1970 1972 1974 1976 1978 1980 1982 1984 1986 1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018

男性 女性 0〜14歳 65歳以上

昭和戦前・戦中期時代 昭和戦後第Ⅰ期時代 昭和戦後第Ⅱ期時代 平 成 時 代

(注)1941 〜 1946 年の男女別 人口は筆者推計。

年平均人口成長率 0.91%

1.33%

0.95%

1億人突破

1968年 (0.29) 0.09%(0.12)

百万人

百万人 %

14 歳以下人口割合(右メモリ)

65 歳以上人口割合(右メモリ)

(−0.14)

(資料) 総務省「国勢調査」「人口推計」,社人研「人口統計資料集」。

(出所) 筆者作成。

(4)

2010年(平成22)年に実施された国勢調査でも確認された。平成時代後期には,年少人口が 12%台に,高齢者人口が28%台となり,人口の減少下において,年少人口割合のさらなる減 少と高齢者人口割合の大幅な増加に伴い,少子化と高齢化が一段と進むこととなった。

2-2 外国人人口による総人口への影響

昭和時代に続き,平成時代にも国勢調査が実施された。国勢調査は,統計法において「基 幹統計」の一つに位置付けられている。わが国において,1920年(大正年)に開始された 同調査は,平成時代には,1990年(平成年)の第15回調査から,2015年(平成27年)の第 20回調査まで,計回の調査が行われた。調査では,「国籍に関係なく,国内にすでにカ 月以上住んでいるか,カ月以上住むことになっている国内の場所に居る人を対象に調査を 行うこと」としている。こうした規定に伴い,当該する条件に該当する外国人は,日本人と 同様に,全て調査の対象に含まれることになっている。

平成時代の後期になり,総人口の減少が始まった中で,外国人人口が総人口に与える影響 についてみることとした。

表 2-1 には,1989年(平成元年)と2018年(平成30年)における,男女合計と性別の日本 人と外国人,それぞれの人口を比較し,その期間中における増減の状況と,増加率及び増加 に対する寄与状況を示した。平成の30年間において,総人口は2.4%増加した。男女別には,

表 2-1

総人口に対する日本人と外国人人口の寄与状況

(単位:千人,%)

(注) .1989年の外国人人口は総人口と日本人人口の差。

.2018年の人口は社人研推計値。外国人人口は,社人研による入国超過推計を基に筆者が推計。

(資料) 図 2-1 に同じ。

(出所) 筆者作成。

1.736 0.720 101.4 0.676 0.280 102.4 2.412 1.000

⑶ ⑵/⑴ ⑷寄与度 ⑸寄与率

1,770 124,126

122,356 日本人計

合計

61,348

100.5 293

60,381 60,088

男性

2,139 833 2,972

⑵-⑴

男性

0.596 1.437

101.4 103.4

0.497 1.199

102.4 62,690

60,515

⑵2018年人口

123,205

⑴1989年人口

1,477 63,745

126,177

62,268 女性

0.099 0.238

422 女性

0.182 0.438

226.5 540

967 427

男性

0.404 0.976

241.6 1,202

2,051 849

外国人計

0.223 0.537

256.9 662

1,084

女性 64,829

(5)

男性が1.4%,女性が3.4%の増加であった。このうち日本人人口は,1.4%増加し,男性は 0.5%,女性は2.4%の増加であった。外国人人口は,141.6%の増加であり,このうち男性 は126.5%,女性は156.9%の増加となり,ともに倍を超える増加を示した。総人口の増加に 対する外国人人口の寄与率は40.4%となり,日本人人口の増加寄与率59.6%に迫る寄与の度 合いが大きくなった。特に,日本人人口がピークを過ぎた時期となる,2010(平成22)年以 降は,外国人人口が総人口を下支えしている傾向が表れている。

2018年(平成30年)12月には,改正出入国管理法が可決,成立して2019年月日から施 行されることとなった。2019年度からの当初 年間に,介護・建設・農業・外食の業種分野 において,最大345千人の外国人が受け入れられる見込みとなっている。このことから,今 後の人口面には,どのような変化が生じるのか。2020年以降の新たな時代に実施されること となる国勢調査において,よりきめ細かな対応が求められるとともに,その結果が一層注目 される。

.出生人口と再生産年齢人口

3-1 出生人口・自然増減数と合計出生率(TFR)・置換水準の推移

平成時代に人口の減少期を迎えたわが国であるが,人口が成長あるいは増加または減少す る要因は,国内において出生数が死亡数を上回る自然増とその逆の自然減の場合と,海外か らの国内への流入数が国内から国外への流出数を上回る社会増とその逆の下回る社会減の場 合がある。図 3-1 にはこのうちの,1925年(大正14年)以降の出生数と自然増減数(出生数 と死亡数の差による人口数)の推移を,合計出生率(以後,TFR という)及び人口置換水 準とともに示した。

昭和時代は,戦前・戦中期,戦後第Ⅰ期と第Ⅱ期の各時代を通じて,出生数が死亡数を上 回り,人口は純増加状態いわゆる自然増の形で推移してきた。

昭和戦前・戦中期時代は,戦争を挟む混乱期を除くと,出生数は200万人台が続き,自然 増加数も100万人台を維持していた。TFR も1930年(昭和 年)に4.7を示し,他の年も4.0 前後の比較的,高い率で推移していた。

次代の,昭和戦後第Ⅰ期時代の初頭となる1947年(昭和22年)には,TFR が4.54に,

1948年(昭和23年)に4.40,続く1949年(昭和24年)には4.32と,年続いて人口置換水準 を大幅に上回る高い水準となり,年間に250万人以上の出生数をみた。こうした1947年か ら続いた年間に誕生した人々は,第次ベビーブーム世代(団塊の世代)と呼ばれた。こ の結果,出生数は1948年(昭和23年)にピークの2,702千人を記録し,人口自然増加数は,

翌年の1949年(昭和24年)に1,756千人となり,ピークを示した。以後,自然増加数は,100

万人前後で推移した。しかしながら TFR の高率傾向は長続きせず,1950年代半ばになるま

(6)

でには,急激な低下をみせて,以後は人口置換水準を下回る状況となり,自然増加数も100 万人を下回る年もみられるようになった。また,1966年(昭和41年)には,丙午の迷信によ る TFR1.58,出生数1,361千人,自然増加数691千人となり大幅な減少をみた。その後は,

出生数は100万人台を回復し,自然増加数も持ち直しをしつつ,昭和戦後第Ⅰ期時代は終わ った。

昭和戦後第Ⅱ期時代に入り,1971年(昭和46年)から出生数が200万人を超える状況が 1974年(昭和49年)まで続き,TFR も置換水準を上回る状況で推移して,第次ベビーブ ームが起こった。出生数も200万人台となり,自然増加数も100万人台を維持する年が続い た。しかしながらこうした傾向は長続きせず,1975年(昭和50年)以降からは,TFR の低 下傾向が続き,人口置換水準を大きく下回る水準となり,出生数も130万人台に減少,自然 増加数も50万人台となって,昭和時代は幕を閉じた。

平成時代が幕開けした1989年(平成元年)は,TFR が1966年(昭和41年)の丙午の年

(1.58)を下回る1.57となり,いわゆる1.57ショックでスタートした。TFR はその後も低下 傾向で推移し,2005年(平成17年)には1.26となり,今までのわが国人口統計史上の最低を 記録した。その後,若干の上昇傾向をみせたが,出生数は120万人台から年々減少し,TFR の低迷とともに自然増加数も同様に徐々に減少した。同年には,出生数が死亡数を下回り,

年後の2007年(平成19年)以降からは,恒常的な人口自然減少時代に突入した。因みに,

図 3-1

出生(うち自然増加・減少)数と合計出生率(TFR)・置換水準の推移

0.00 1.00 2.00 3.00 4.00 5.00 6.00

-500 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000

1927 1929 1931 1933 1935 1937 1939 1941 1943 1945 1947 1949 1951 1953 1955 1957 1959 1961 1963 1965 1967 1969 1971 1973 1975 1977 1979 1981 1983 1985 1987 1989 1991 1993 1995 1997 1999 2001 2003 2005 2007 2009 2011 2013 2015 2017

出生数(自然増減数を除く) 出生数の内の自然増減数 合計出生率(右メモリ) 置換水準(右メモリ)

千人

第1次ベビーブーム(1947〜1949年)

(1948年)出生数 1,702千人TFR 4.40

丙午

(1966年)

1,361千人 1.58

第2次ベビーブーム(1971〜1974年)

TFR1.57ショック

(1989年)

1,247千人 1.57

TFR史上最低

(2005年)

1,063千人 1.26

出生数100万人 割れ

(2016年)

977千人 出生数 1.43

自然増加数

昭和戦前・戦中期時代 昭和戦後第Ⅰ期時代 昭和戦後第Ⅱ期時代 平 成 時 代

(資料) 総務省「国勢調査」「人口推計」,厚生労働省「人口動態統計」,社人研「人口統計資料集」。

(出所) 筆者作成。

(7)

2016年(平成28年)には,出生数が100万人の大台を割り977千人に,死亡数が1,308千人と なった結果,自然減少数−331千人となり,翌年の2017年(平成29年)も,出生数946千人,

死亡数1,340千人,自然減少数−394千人となり人口の自然減少が続くこととなった。

わが国は,平成時代の後期に入り,少子多死社会となったことから,人口自然減社会を迎 えることとなったのである。

3-2 女性の再生産年齢人口の推移

少子化の背景には,出生力の低下要因となる「未婚化」「晩婚化」「非婚化」,そして夫婦 の出生行動の変化に伴う出生数の減少があることは,多くの研究者が指摘しているところで ある

1)

平成時代の後期には,年間における出生数が100万人の大台を割り込む時代を迎えたわが 国であるが,TFR 算出の基礎となる,再生産年齢人口=出生を担う女性の年齢人口につい て,その対象年齢を一般的には,15〜49歳としている。出生の動向は,この年齢階層の女性 の人口と女性人が生涯に出産する,出生数の双方により左右されることとなり,特にこの 年齢階層の人口が基礎となる。図 3-2 に,各時代の再生産年齢人口 歳階級における人口の

1) 岩澤(2015),49-70ページ他。

図 3-2

女性の再生産年齢(15〜49歳) 歳階級別人口推移

10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60

0 5000 10000 15000 20000 25000 30000 35000

1925年 1927 1929 1931 1933 1935 1937 1939 1944 1946 1948 1950 1952 1954 1956 1958 1960 1962 1964 1966 1968 1970 1972 1974 1976 1978 1980 1982 1984 1986 1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018

千人

再生産年齢人口のピーク1990年31,447千人

割合ピーク1968年 総人口中28.7%女性人口中56.4%

%

女性人口中の再生産年齢 人口の割合(右メモリ)

総人口中の再生産年齢 人口の割合(右メモリ)

15〜19歳 20〜24 25〜29 30〜34

35〜39 40〜44

45〜49

(注)1941〜43 年には,年齢別推計値はない。

(資料) 図 2-1 と同じ。

(出所) 筆者作成。

(8)

推移を示した。

昭和時代は,ほぼ一貫して再生産年齢人口には,増加がみられた。女性人口全体における 再生産年齢人口割合のピークは,1968年(昭和43年)の56.4%,総人口の割合においても,

同年の28.7%であった。

再生産年齢人口のピークは,1990年(平成年)の31,447千人であり,女性人口全体中の 割合は50.0%,総人口中では25.4%となっていた。

再生産年齢人口は,平成時代の初頭にピークを迎えた後に,徐々に減少に転じた。これ は,この時期に,15〜49歳の再生産年齢に到達するコーホート層の人口が,暫時減少した結 果に伴うものである。2018年(平成30年)に再生産年齢が一番高位となった,45〜49歳の年 代層は,45年前の1973年(昭和48年)に〜歳にあたる年齢層であり,人口波動の要因が 長期にわたって影響していることが明らかである。

再生産年齢人口を,平成時代初頭の1989年(平成元年)の31,417千人と2018年(平成30 年)の25,337千人を比較すると,再生産年齢人口全体で−6,080千人,−19.4%となった。

中でも,今後の再生産年齢人口の中核を担う人口層となる,15〜29歳の年齢階級が減少数の 70%を占めていて,−4,210千人,−32.1%の大幅な減少となっている。こうした再生産年 齢層の減少は,今後のわが国の少子化と人口の減少傾向が,長期間にわたり続くことを示唆 することとなる。

3-3 女性の年齢階級別 TFR の推移

出生数の減少とともに,一段と少子化が進むわが国であるが,その背景にある TFR の推 移を年齢階級別にみたのが図 3-3 である。

図には,1925年(大正14年)以降から2017年(平成29年)までの,厚生労働省の人口動態 統計他による,再生産年齢15〜49歳の年齢 歳階級別の TFR の推移を示した。

昭和時代をみると,昭和戦前・戦中期時代は,20歳代と30歳代がともに,を上回る比較 的高い水準で推移していた。昭和戦後第Ⅰ期時代の初頭は,25〜29歳代とともに30〜34歳代 でもを上回る水準で推移したが,1955年(昭和30年)からは,全年齢階級で TFR がを 下回る低下傾向になった。昭和戦後第Ⅱ期時代になると,25〜29歳階級で当初1.05と回復の 傾向をみせたが,それも一時的に終わり,全年齢階級で低下傾向が継続されることとなっ た。

平成時代に入ると低下傾向が継続されるとともに,大きな変化がみられた。昭和時代に

は,常に TFR がトップ水準となっていた25〜29歳の年齢階級から,2005年(平成17年)に

は,30〜34歳の年齢階級の TFR がトップの水準となり,首位が入れ替わるとともに,2010

年(平成22年)以降では,30〜34歳代が25〜29歳代を,35〜39歳代が20〜24歳代の,それぞ

(9)

れの年齢階級の TFR を上回っている状況にある。こうした変化とともに,30歳代階級の TFR が若干ではあるが上向く傾向にある。このように,平成時代に入り合計出生率の推移 において,年齢階級の上昇傾向が一段と加速するとともに,その傾向が出生率全体水準にど のような影響を与えるのか,今後の推移を注視する必要がある。

.婚姻の状況

4-1 未婚化の状況

少子化の要因の一つに,若者を中心とした未婚化の動きがある。図 4-1ab には男女別に おける年次別未婚者率の推移を,図 4-2ab にはコーホート別による未婚率の推移を示した。

未婚率を男女別に年次別の推移でみると,次のような動きがみられる。

男性では,昭和戦後第Ⅱ期時代前期の1970年(昭和45年)から平成時代初期の1990年(平 成年)までの20年間に,特に30〜34歳階級において21.1ポイントの大きな未婚率の上昇傾 向がみられ,こうした上昇傾向が平成時代に入り,35〜59歳階級へと引き継がれている。ま た,25〜29歳階級でも18.6ポイントの上昇となった。

女性をみると男性と同時期に,25〜29歳階級において22.3ポイントの上昇がみられ,この 推移が男性と同様に,上の年齢階級以降に引き継がれている。また,20〜24歳階級でも14.3 ポイントの上昇がみられた。男女ともに,20歳代と30歳代において,昭和時代から平成時代

図 3-3

年齢階級別合計出生率(TFR)の推移(1925〜2017年)

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6

1925年 1930 1940 1947 1950 1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2016 2017

15〜19歳 20〜24 25〜29 30〜34 35〜39 40〜44 45〜49

25〜29歳

30〜34歳

20〜24歳 35〜39歳

40〜44歳

15〜19歳 45〜49歳

0.70

0.47

0.24

0.11

0.51 0.41 0.29

0.14 0.06 1.35

1.17 1.15

0.86

0.37

0.27

0.06

0.85

0.78

0.28

1.05

0.52 0.43

0.10

(1925年)

(1947年)

(1970年)

(1990年)

(2017年)

昭和戦前・戦中期時代 昭和戦後第Ⅰ期時代 昭和戦後第Ⅱ期時代 平 成 時 代

(資料) 厚生労働省「人口動態統計」,社人研「人口統計資料集」。

(出所) 筆者作成。

(10)

図 4-1a

男性の年次・年齢階級別未婚率の推移

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0 100.0

30〜34 35〜39  40〜44  45〜49  50〜54  55〜59  60〜64  65〜69  晩 婚 化

    

15〜19歳 20〜24 25〜29

1920年 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2015

図 4-1b

女性の年次・年齢階級別未婚率の推移

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0 100.0

15〜19歳 20〜24  25〜29  30〜34  35〜39  40〜44  45〜49  50〜54  55〜59  60〜64  65〜69  1920年 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2015 晩 婚 化

    

(11)

図 4-2a

男性のコーホート未婚率の推移

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

15〜19歳 20〜24 25〜29 30〜34 35〜39 40〜44 45〜49 50〜54 55〜59

1920年 1930 1950 1960 1970 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010

%

1920年

1950年

1930年 1950年 1960年

1960年 1970年

1980年 1985年 1990年 1995年 1995年 2000年

2005年 2010年

晩婚化

非婚化

図 4-2b

女性のコーホート未婚率の推移

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

15〜19歳 20〜24 25〜29 30〜34 35〜39 40〜44 45〜49 50〜54 55〜59

1920年 1930 1950 1960 1970 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010

%

1920年

1960年 1950年 1980年

1930年 1985年

1990年 1995年

2000年 2005年 2010年

晩婚化 非婚化

(資料) 図 3-3 に同じ。

(出所) 筆者作成。

(12)

を通じて未婚率の上昇がみられている。

未婚率が上昇した20年間には,ニクソンショックや日本列島改造,オイルショックなどの 目まぐるしい経済社会の変動があった。こうした変動を機に,わが国の高度経済成長が終了 し,経済は新たな安定成長期を経て,その後のバブル期とその崩壊,失われた20年などデフ レ経済期から低成長期に入った時期でもある。

またコーホート別にみると,昭和戦後第Ⅰ期時代の後半である,1961年(昭和36年)

〜1965年(同40年)生まれが男女ともに,25〜29歳階級において,その10年前にあたる1951 年(昭和26年)〜1955年(同30年)生まれを,男性では10ポイント,女性は16.4ポイント上 回り,以後の各コーホートも年齢が上昇傾向を示し,一段と晩婚化とともに未婚化傾向が進 んでいる。

4-2 結婚年齢の推移

図 4-3 には,昭和時代から平成時代までの,初婚と再婚別の夫と妻の年齢及び再婚割合の 推移を示した。

昭和戦前・戦中期時代には,夫の年齢が全婚姻年齢で30歳前後,初姻年齢では27歳代であ った。1940年(昭和15年)になり初婚年齢が29.0歳と比較的高くなる傾向がみられた。同様 に妻の年齢は,全婚姻年齢が24歳代であり,初婚年齢は23歳代であったが,1940年には24.6

図 4-3

初婚・再婚別結婚年齢と再婚割合の推移

0 5 10 15 20 25

18 20 22 24 26 28 30 32 34

夫(全婚姻年齢) 妻(全婚姻年齢) 夫(初婚年齢) 妻(初婚年齢) 夫(再婚割合・右メモリ) 妻(再婚割合・右メモリ)

%

昭和戦前・戦中期時代 全婚姻

1998年 夫30歳

初婚 2006年 夫30歳 初婚 2006年 夫30歳

全婚姻 2009年 妻30.1歳

昭和戦後第Ⅰ期時代 昭和戦後第Ⅱ期時代 平 成 時 代

夫全婚姻年齢

夫初婚年齢 妻全婚姻年齢

妻初婚年齢 夫再婚割合(右メモリ)

妻再婚割合(右メモリ)

1925年1935 1947 1949 1951 1953 1955 1957 1959 1961 1963 1965 1967 1969 1971 1973 1975 1977 1979 1981 1983 1985 1987 1989 1991 1993 1995 1997 1999 2001 2003 2005 2007 2009 2011 2013 2015

(資料) 図 3-3 に同じ。

(出所) 筆者作成。

(13)

歳となった。夫婦の年齢差は,全婚姻と初婚ともに歳台であったが,1940年には,全婚姻 において5.1歳差となっていた。

次の昭和戦後第Ⅰ期時代は,夫の全婚姻年齢が27〜28歳代,初婚年齢が時代の前半では 25〜26歳代,後半には27歳代となった。また,妻の全婚姻年齢が24歳代であり,初婚年齢に ついては,時代の前半が22〜23歳代で推移し,後半になると24歳代となった。年齢差は,全 婚姻年齢で3.4〜3.1歳,初婚年齢では,3.2〜2.8歳差となり,時代の後半になると縮小傾向 がみられた。再婚割合は,夫が12〜%台,妻が〜 %台と低下傾向となった。

続く昭和戦後第Ⅱ期時代に入ると,夫の全婚姻年齢が時代の前半では27歳代になり,後半 には29歳代に上昇した。初婚年齢は,前半の26歳代から後半には,28歳代になり,こちらも 上昇した。妻の全婚姻年齢も夫と同様に,時代の前半が24歳代,後半には,26歳代となっ た。初婚年齢も前半の24歳代から,後半には25歳代へと上昇がみられた。年齢差は,全婚姻 が3.0〜2.9歳,初婚が2.7〜2.8歳となった。再婚割合は,夫が〜13%台,妻が〜11%台 と上昇傾向となり,全婚姻年齢の引き上げの要因になった。

平成時代になると,夫の全婚姻年齢は,29〜33歳代で推移し,1998年(平成10年)に30歳 を突破した。初婚年齢も28〜31歳代へと上昇傾向で推移して,2006年(平成18年)に30歳を 超えることとなった。妻の全婚姻年齢は,26〜31歳代で推移して,2009年(平成21年)に30 歳を超えた。初婚年齢は25〜29歳となり,2011年(平成23年)に29歳を超えている。再婚割 合も,夫が13〜19.5%,妻が11〜16.8%と離婚率の上昇に伴い,増加傾向が続き年齢差は,

全婚姻が2.9〜2.2歳台になり,初婚が2.6〜1.7歳台へと,ともに縮小傾向がみられる。

.死亡数・死因と平均寿命・健康寿命の推移

5-1 死亡数・死因・平均寿命と健康寿命の変化

図 5-1 に,昭和時代から平成時代までの死亡数と死亡率ならびに,平均寿命と健康寿命の 推移を,表 5-1 には,年次別死因上位の推移を示した。

昭和戦前・戦中期時代は,第二次世界大戦末期における1945年(昭和20年)の死亡数 2,147千人,死亡率29.7‰を除くと,死亡者数は120万人台,死亡率18‰前後で推移した。時 代直前の1925年(大正14年)の死因トップは,肺炎及び気管支炎であり,この死因による死 亡率は,275.6(人口10万人あたり,以下同じ)となっていた。次いで,胃腸炎が238.2と続 いた。平均寿命は,男性42.06歳,女性43.20歳となっていた。

昭和戦後第Ⅰ期時代に入り,1946・47年(昭和21・22年)の第二次世界大戦直後の混乱期

には,死亡数は100万人台で推移したが,1948年(昭和23年)以後からは,減少に転じて

70〜60万人台となった。特に,1963年(昭和38年)には死亡数が671千人となり最低数とな

った。死亡率も初期の10‰台から徐々に低下し,後期には‰台となった。時代の前期であ

(14)

図 5-1

死亡数と死亡率・平均寿命・健康寿命の推移

0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0

0 500 1,000 1,500 2,000 2,500

1925年 1927 1929 1931 1933 1935 1937 1939 1941 1943 1945 1947 1949 1951 1953 1955 1957 1959 1961 1963 1965 1967 1969 1971 1973 1975 1977 1979 1981 1983 1985 1987 1989 1991 1993 1995 1997 1999 2001 2003 2005 2007 2009 2011 2013 2015 2017

死亡数 死亡率(‰、右メモリ)

千人

男性42.06 女性43.20 平均寿命(歳)

1925年

50.06 53.96 1947

69.31 74.66 1970

75.92 81.90 1990

81.10 87.39 2018 死亡数・死亡率最高

(1945年) 2,147千人 29.7‰

死亡数最低

(1963年)

671千人

死亡率最低

(1979・1982年)

死亡率(右メモリ)

死亡数

昭和戦前・戦中期時代 昭和戦後第Ⅰ期時代 昭和戦後第Ⅱ期時代 平 成 時 代 ‰

2001年 2004 2007 2010 2013 2016 男性 69.40歳 69.47 70.33 70.42 71.19 72.10 女性 72.65 72.69 73.36 73.62 74.21 74.80

健康寿命の推移

(資料) 厚生労働省「人口動態統計」,厚生労働科学研究費補助金「健康寿命における将来予測と生活習慣病対 策の費用対効果に関する研究」。

(出所) 筆者作成。

表 5-1

年次別死因上位の推移

(注) 死亡率は,人口10万人に対する。

(資料) 厚生労働省「人口動態統計」。

(出所) 筆者作成。

老衰 100.3

238.2 老衰 117.3

死亡率 死因 死亡率

第 位

悪性新生 174.4 物

脳血管疾 1969(昭和44)年 患

275.6

129.4 心疾患

168.4 悪性新生 物 1925(大正14)年

肺炎及び 気管支炎 胃腸炎

死因 第位

1988(昭和63)年

37.1 老衰

116.2 174.8

77.7 肺炎

164.3 全結核

肺炎及び 気管支炎 死因

第位

心疾患 299.5 死亡率

悪性新生 物〈腫瘍〉

2017(平成29)年

不慮の事 24.8 故 第位

81.3 51.6 42.2 129.4 161.2 死亡率

88.2 105.5 81.7 136.8 194.1 死亡率

老衰 肺炎及び 気管支炎 不慮の事 故 脳血管疾 患 脳血管疾 患

死因

脳血管疾 患 脳血管疾 患 心疾患 胃腸炎 全結核 死因

第位

1947(昭和22)年 187.2

(15)

る1947年(昭和22年)の死因の第位は,全結核であり,死亡率は187.2であった。次に肺 炎及び気管支炎が,174.8で続いている。時代末期の1969年(昭和44年)の死因の第位は,

脳血管疾患となり,死亡率は174.4であった。続く第位に,悪性新生物が死亡率116.2で上 位に登場した。

昭和戦後第Ⅱ期時代になると,死亡数は60〜70万人台で推移し,死亡率も‰台が続い て,1979年(昭和54年)と1982年(昭和57年)の両年には,6.0‰と最低率となった。時代 末期にあたる1988年(昭和63年)の死因第位は,悪性新生物であり,死亡率は168.4とな った。続く第位は心疾患が129.4であった。

平成時代になると,死亡数は初期の70万人台から上昇基調が続き,後期には130万人台へ と大幅に増加した。死亡率も,1989年(平成元年)の6.4‰から2017年(平成29年)は,

10.8‰へと上昇した。2017年(平成29年)の死因第位は,前時代に続き,悪性新生物〈腫 瘍〉であり死亡率は299.5となった。続く第位は心疾患で164.3となっている。

一方では,2000年代に入ると厚生労働省の主導により,介護予防意識の高まりとともに,

健康寿命概念の取組が行われるようになった。健康寿命は「日常生活に制限のない期間の平 均(年)」を年齢として表したもので,2016年(平成28年)には,男性が72.1歳,女性は 74.8歳となり,この15年間で男性が+2.7歳,女性が+2.15歳,ともに延伸している。

平均寿命は,2018年(平成30年)には,男性が81.10歳,女性が87.39歳となり男女ともに 80歳台になり,世界の中でも高い長寿国家を維持している。

5-2 男女別死亡数の推移

平安時代に多死社会に入ったわが国であるが,図 5-2ab には,時代別に男女(年齢 歳 階級)別の死亡数と,〜歳と65歳以上の死亡数割合の推移を示した。

男女別に死亡数の推移をみると,男性は,大正時代から昭和戦前・戦中期時代には,60万 人以上の死亡数が続いていた。その後の昭和戦後第Ⅰ期時代に入ると,特に1960年(昭和35 年)には,378千人の死亡数となり,1920年(大正年)以降で最も少ない死亡人数を記録 した。女性は,1960年(昭和35年)に329千人,続く1970年(昭和45年)に325千人となり,

男性と同様に1920年以降で最も少数の死亡数となった。以後,平成時代に入り男女ともに,

死亡数の増加傾向が始まった。2017年(平成29年)には,男性が平成初期の1.56倍の691千 人,女性が同1.73倍の650千人の死亡数となり大幅に増加した。

また死亡数割合の推移をみると,男性では,大正時代から昭和戦前・戦中期時代における

両時代の特徴として, 〜 歳児の死亡割合が,大正時代の1920年(大正

年)には

37.5%,昭和戦前・戦中期時代の1940年(昭和15年)には,28.1%と非常に高い率で推移し

ていたことが挙げられる。その一方で,65歳以上の死亡割合は,20%前後で推移していた。

(16)

図 5-2a

男性の年齢( 歳階級)別死亡数の推移

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0 100.0

%

0 100 200 300 400 500 600 700 800

1920年 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2005 2010 2016 2017

0〜4歳 5〜9  10〜14 15〜19 20〜24 25〜29

30〜34 35〜39 40〜44 45〜49 50〜54 55〜59

60〜64 65〜69 70〜74 75〜79 80〜84 85〜89

90〜94 95〜99 100歳以上 65歳以上(右メモリ) 0〜4歳(右メモリ)

65歳以上

0〜4歳

65歳以上の割合(右メモリ)

0〜4歳の割合(右メモリ)

昭和戦前・戦中期時代 昭和戦後第Ⅰ期時代 昭和戦後第Ⅱ期時代 平 成 時 代

大正時代 千人

18.9%

37.5%

23.1

28.1

47.5

9.6

67.4

87.3

図 5-2b

女性の年齢( 歳階級)別死亡数の推移

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0 100.0

%

0 100 200 300 400 500 600 700 800

1920年 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2005 2010 2016 2017

0〜4歳 5〜9  10〜14 15〜19 20〜24 25〜29

30〜34 35〜39 40〜44 45〜49 50〜54 55〜59

60〜64 65〜69 70〜74 75〜79 80〜84 85〜89

90〜94 95〜99 100歳以上 65歳以上(右メモリ) 0〜4歳(右メモリ)

千人

65歳以上

0〜4歳

65歳以上の死亡割合(右メモリ)

0〜4歳の死亡割合(右メモリ)

大正時代 昭和戦前・戦中期時代 昭和戦後第Ⅰ期時代 昭和戦後第Ⅱ期時代 平 成 時 代

20.1%

35.3%

27.8

26.7

57.4 81.1

93.2

8.7

(資料) 厚生労働省「人口動態統計」。

(出所) 筆者作成。

(17)

その後の昭和戦後第Ⅰ期時代の1960年(昭和35年)には,65歳以上が47.5%に,〜歳児 は9.6%となり大きく変化した。続く昭和戦後第Ⅱ期時代の1980年(昭和55年)には,65歳 以上割合が64.6%に上昇し,〜歳児が2.4%に低下して,高齢者の割合が大幅に上昇し た。平成時代の2017年(平成29年)になると87.3%と死亡数の大多数を65歳以上が占めるこ ととなり,〜歳児は0.2%となった。

女性は,男性と同様に大正時代に〜歳児の死亡割合が65歳以上の割合を上回る状況で 推移したが,昭和戦前・戦中期時代に入り,65歳以上の割合が〜歳児割合を上回り,以 後の昭和戦後第Ⅰ期時代から昭和戦後第Ⅱ期時代と平成時代を通じて,65歳以上の死亡割合 が多数を占めて,2017年(平成29年)は,93.2%となり, 〜 歳児は,男性と同様に 0.2%となった。

平成時代になり,わが国は高齢者を中心とした,多死社会を迎えているのである。

.世帯の変化

6-1 世帯数と世帯人員の変化

図 6-1 に,昭和時代から平成時代の世帯数と世帯人員の推移を示した。世帯を調査するに 際しての,世帯の定義については,各調査年の国勢調査により多少異なっている。特に1980 年(昭和55年)の国勢調査では,会社や官公庁の独身寮居住者については,1975年(昭和50 年)までの調査による一棟ごとにまとめてつの世帯数としていたものから,人人をそ

図 6-1

家族類型別一般世帯数の世帯人員の変化

0 1 2 3 4 5 6

0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000

1920年

* 1925

* 1930

* 1935

* 1940

* 1947

* 1955

* 1960 1965

* 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2016 2017 2018 1950*

単独世帯 夫婦のみ 夫婦と子供 ひとり親と子ども その他 平均世帯人員(普通世帯)

平均世帯人員

(右メモリ)

世帯全体 夫婦のみ・夫婦又は ひとり親と子ども世帯 普通世帯

* 印

千世帯

核家族世帯単独世帯

(資料) 図 3-3 に同じ。

(出所) 筆者作成。

(18)

れぞれつの世帯として調査するようにしたことが大きな変更点であり,時系列で比較する 場合は注意を要する。本分析では公表されている源数値をそのまま使用している。

昭和戦前・戦中期時代には,普通世帯において,1925年(大正14年)から1940年(昭和15 年)の間に,世帯総数が年平均1.20%の増加を示し,1.19倍になった。この時代の平均世帯 人員(普通世帯)は, 人前後の比較的多数の人数で推移していた。

続く昭和戦後第Ⅰ期時代には,1947年(昭和22年)から1965年(昭和40年)の間に,一般 世帯総数が年平均2.18%,1.47倍に増加した。平均世帯人員は,4.99人から4.05人に減少し た。

次の,昭和戦後第Ⅱ期時代の1970年(昭和45年)から1985年(昭和60年)の間には,世帯 総数が年平均1.52%,1.25倍の増加となった。核家族世帯全体では,1.33倍となったが,そ のうち夫婦のみ世帯が1.75倍に,次いでひとり親と子ども世帯が1.38倍に増加している。ま た,単独世帯が1.29倍となった。こうした結果,平均世帯人員は,3.69人から3.23人へと減 少が続き,世帯の小規模化が進行することとなった。

平成時代の1990年(平成年)と2018年(平成30年)の間では,世帯総数は年平均1.0%

の増加となり,1.32倍となった。核家族世帯総数は,1.25倍となり,ひとり親と子ども世帯 が1.79倍,夫婦のみ世帯が1.75倍,単独世帯が2.02倍,夫婦と子供世帯が0.95倍となり,昭 和の各時代とは,様相が大きく異なる状況となった。平均世帯人員は,3.23人から2.28人へ と減少し,世帯人員が人を割り込む世帯の縮小傾向が一段と加速した。

特に,平成時代になってからの単独世帯の大幅な増加は,「少人数世帯と人口減少社会,

IT 化による情報社会の中にあり,とりわけ大都市圏を中心に,今後大幅な増加が見込まれ る高齢者を含めた単身世帯の動向など,少数で単一化された社会における日常の生活現象が 様々な局面に現れてきている。こうした現象を『弧化社会』と称する」

2)

。このことは,地 域の中で孤立化する可能性がある世帯が増加する点を,危惧する状況にあることを示唆して いる。こうした単身化や少人数世帯の増加にみられる,世帯の大きな変化からも,社会保障 や福祉問題を含めて,地域社会を基礎とした社会全体の在り方そのものへの対応が,一段と 求められる時代が到来している。

6-2 高齢化する世帯主

昭和戦後第Ⅱ期時代と平成時代を通じて,一段と世帯の小規模化が進んでいるわが国であ るが,中でも特に注目すべきは,単独世帯の増加とともに,世帯主の高齢化の進行である。

図 6-2 に昭和戦後第Ⅰ期時代,昭和戦後第Ⅱ期時代と平成時代にかけての,世帯主の年齢

2) 永井(2015),474ページ。

(19)

階級( 歳)別一般世帯数の推移を示した。

昭和時代の1965年(昭和40年)から1985年(昭和60年)までの間の推移をみると,一般世 帯の総数は,23,087千世帯から37,981千世帯となり,総数が1.41倍となった。そのうちの,

世帯主年齢が64歳以下の世帯が,20,873千世帯から1.36倍の32,750千世帯となった。その一 方で,65歳以上の高齢者世帯は2,214千世帯から1.89倍の6,576千世帯となり,大きく増加し た。

平成時代には,1990年(平成年)から2018年(平成30年)の間に,総数が40,782千世帯 から,1.33倍の53,889千世帯に,64歳以下世帯は34,112千世帯から0.99倍の33,619千世帯に なり減少した。逆に世帯主が65歳以上の世帯は,6,576千世帯から3.08倍の20,270千世帯へ と,昭和時代を上回るペースで大きく増加し,世帯総数に占める割合も,16.1%から37.6%

へと大幅に増加し,世帯主の高齢化が一段と進行することとなった。

.地 域 人 口

7-1 都道府県別人口と高齢化率の推移

図 7-1 には,第回の国勢調査が行われた1920年(大正年)の都道府県別人口をベース として,第20回の同調査が実施された2015年(平成27年)までの95年間にわたる,都道府県 別の人口と高齢化の推移を,時代ごとの増減数及び率により図示した。それぞれの時代ごと

図 6-2

世帯主の年齢階級別一般世帯数の推移

0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 40.0

%

0 10000 20000 30000 40000 50000 60000

1965年 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2018

19歳以下 20〜24 25〜29 30〜34 35〜39 40〜44

45〜49 50〜54 55〜59 60〜64 65〜69 70〜74

75〜79 80〜84 85歳以上 65歳以上割合(右メモリ)

千世帯

65歳以上 65歳以上割合(右メモリ)

(資料) 図 3-3 に同じ。

(出所) 筆者作成。

(20)

に使用した国勢調査年の数値は,昭和戦前・戦中期時代が1920年(大正年)〜1940年(昭 和15年),昭和戦後第Ⅰ期時代が1947年(昭和22年)〜1965年(昭和40年),昭和戦後第Ⅱ期 時代が,1970年(昭和45年)〜1985年(昭和60年),平成時代が1990年(平成年)〜2015 年(平成27年)となっている。

まず人口の増加傾向をみると,1920年(大正年)からの95年間で最も人口の増加率が高 かったのは,6.9倍となった神奈川県であった。これに埼玉県5.5倍,千葉県4.7倍,東京都 3.7倍となり同じ南関東地域の都県が続いた。次いで愛知県3.6倍,大阪府3.4倍となり,全 国平均は2.3倍となった。逆にマイナスとなったのは,島根県の0.97倍県であった。

昭和戦前・戦中期時代には,全国平均は,1.29倍となった中で,石川県が1.00倍の横ばい となり,沖縄県が0.99倍と若干のマイナス,他の都道府県はプラスとなった。

昭和戦後第Ⅰ期時代には,全国平均では1.27倍となったが,各県ベースでは,山形県が 0.95倍,栃木県0.99倍,新潟県0.99倍,山梨県0.95倍,長野県0.95倍,滋賀県0.99倍,鳥取 県0.99倍,島根県0.92倍,徳島県0.95倍,香川県0.98倍,愛媛県0.99倍,高知県0.96倍,佐 賀県0.95倍,大分県0.96倍となり,14県でこの時代を通じては,マイナスとなった。

図 7-1

都道府県別人口と高齢化率の推移(1920〜2015年)

0.0 100.0 200.0 300.0 400.0 500.0 600.0 700.0

%

‑2,000 0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000

北海道北 青森青 岩手岩 宮城宮 秋田秋 山形山 福島福 茨城茨 栃木栃 群馬群 埼玉埼 千葉千 東京東 神奈川神 新潟新 富山富 石川石 福井福 山梨山 長野長 岐阜岐 静岡静 愛知愛 三重三 滋賀滋 京都京 大阪大 兵庫兵 奈良奈 和歌山和 鳥取鳥 島根島 岡山岡 広島広 山口山 徳島徳 香川香 愛媛愛 高知高 福岡福 佐賀佐 長崎長 熊本熊 大分大 宮崎宮 鹿児島鹿 沖縄沖

北海道 青森 岩手 宮城 秋田 山形 福島 茨城 栃木 群馬 埼玉 千葉 東京 神奈川 新潟 富山 石川 福井 山梨 長野 岐阜 静岡 愛知 三重 滋賀 京都 大阪 兵庫 奈良 和歌山 鳥取 島根 岡山 広島 山口 徳島 香川 愛媛 高知 福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄

1920年 昭和戦前・戦中期時代 昭和戦後第Ⅰ期時代 昭和戦後第Ⅱ期時代 平成時代

人口増加率 1965年高齢化率 1985年高齢化率 2015年高齢化率

千人

人口増加率(1920〜2015年)右メモリ

2015年高齢化率(右メモリ)

1940年高齢化率

(注) 高齢化率(右メモリ)は,10倍に示してある。

(資料) 総務省「国勢調査」。

(出所) 筆者作成。

(21)

昭和戦後第Ⅱ期時代は,全国平均で1.16倍となり,全都道府県がプラスの増加を示した。

中でも千葉県1.53倍,埼玉県1.52倍,神奈川県1.36倍と,東京都周辺地域の南関東地域が大 きく増加した。また,奈良県が1.40倍となった。

平成時代に入ると全国平均では,1.03倍となり,各県別にみると,宮城県1.04倍,茨城県 1.03倍,栃木県1.02倍,群馬県1.00倍,埼玉県1.14倍,千葉県1.12倍,東京都1.14倍,神奈 川県1.14倍,静岡県1.01倍,愛知県1.12倍,三重県1.01倍,滋賀県1.16倍,京都府1.00倍,

大阪府1.01倍,兵庫県1.02倍,福岡県1.06倍,沖縄県1.17倍と,17都道府県がプラスになっ たが,それ以外の30道県はマイナスとなった。

65歳以上人口の高齢化率の推移をみると,昭和戦前・戦中期時代である1940年(昭和15 年)には,全国平均で4.8%となっていた。東京都,千葉県,神奈川県,愛知県,大阪府,

兵庫県などの大都市圏とその周辺の県,ならびに北海道と東北各県,福岡県などでは,全国 平均を下回る高齢化率であった。

続く昭和戦後第Ⅰ期時代の1965年(昭和40年)には,全国平均の高齢化率は,6.3%とな った。この時代にも前の時代とほぼ同様に,東京都,神奈川県,埼玉県,愛知県,大阪府,

兵庫県などの大都市圏及びその周辺地域,北海道と青森県,岩手県,宮城県,秋田県の東北 各県ならびに沖縄県が全国平均を下回る高齢化率を示していた。

次の昭和戦後第Ⅱ期時代の1985年(昭和60年)になると,高齢化率は全国平均で10.3%と なった。この時代には,今まで全国平均を大半の県で下回っていた東北の各県のうち宮城県 以外の県は,全国平均を上回る高齢化率を示した。全国平均を下回ったのは,北海道,宮城 県,茨城県,埼玉県,千葉県,東京都,神奈川県,愛知県,大阪府,奈良県,沖縄県の11都 道府県となった。

平成時代の2015年(平成27年)には,高齢化率は全国平均で26.6%と大幅に上昇した。全 国平均を下回ったのは,宮城県25.2%,茨城県26.5%,栃木県25.7%,埼玉県24.6%,千葉 県25.5%,東京都22.2%,神奈川県23.7%,愛知県23.5%,滋賀県23.9%,大阪府25.8%,

福岡県25.6%,沖縄県19.4%の12都府県となり,それ以外の道府県は平均を上回る率を示し ている。中でも秋田県33.5%,島根県32.1%を始めとして,岩手県,山形県,富山県,和歌 山県,山口県,徳島県,愛媛県,大分県の10県で30%を超える率となっている。

7-2 時代別都道府県別人口の増減とポスト再生産年齢人口の比較

先に3-2において,女性の再生産年齢人口の推移をみたが,本節では男女合計の50歳以上 人口を「ポスト再生産年齢人口」として,この年齢層と人口の増加との関係をみることとし た。

社人研の将来推計人口,「平成29(2017)年推計:出生中位(死亡中位)」によると,ポス

図 4-1a 男性の年次・年齢階級別未婚率の推移 0.010.020.030.040.050.060.070.080.090.0100.0 30〜34 35〜39  40〜44  45〜49  50〜54  55〜59  60〜64  65〜69 晩 婚 化非  婚  化15〜19歳20〜2425〜291920年1950196019701980199020002015 図 4-1b 女性の年次・年齢階級別未婚率の推移 0.010.020.030.040.050.060.070.080.090.0100.0
図 4-2a 男性のコーホート未婚率の推移 0102030405060708090100 15〜19歳 20〜24 25〜29 30〜34 35〜39 40〜44 45〜49 50〜54 55〜59 1920年 1930 1950 1960 1970 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010%1920年1950年1930年1950年1960年1960年1970年1980年1985年1990年1995年1995年2000年2005年2010年晩婚化非婚化 図 4-2b 女性のコーホ
図 5-1 死亡数と死亡率・平均寿命・健康寿命の推移 0.05.0 10.015.020.025.030.035.005001,0001,5002,0002,500 1925年 1927 1929 1931 1933 1935 1937 1939 1941 1943 1945 1947 1949 1951 1953 1955 1957 1959 1961 1963 1965 1967 1969 1971 1973 1975 1977 1979 1981 1983 1985 1987 1989 1991 19
図 5-2a 男性の年齢( 歳階級)別死亡数の推移 0.0 10.020.030.040.050.060.070.080.090.0 100.0%0100200300400500600700800 1920年 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2005 2010 2016 2017 0〜4歳 5〜9  10〜14 15〜19 20〜24 25〜29 30〜34 35〜39 40〜44 45〜49 50〜54 55〜59 60〜64 65〜69 70〜74 75〜
+2

参照

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