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20 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で示される構造単位を含有するポリマーを含むことを特徴とする、アニオ ン交換膜を備える膜電極接合体の電極触媒層形成用バインダー。
【化1】
(式中、R
1は、炭素数1〜10の炭化水素基を示し、R
2、R
3およびR
4は、互いに 同一または相異なって、水素原子、シアノ基、または、置換基を有していてもよい炭化水 素基を示し、R
5は、ハロゲノ基、または、置換基を有していてもよい炭化水素基を示し
、aは、0〜5の整数を示し、aが2以上の場合には、R
5は、互いに同一または相異な
って、上記のR
5と同意義を示し、mは、1〜99のモルパーセントを示し、X
―は陰イ
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【請求項2】
上記式(1)において、R
1が、炭素数3〜8の炭化水素基であることを特徴とする、
請求項1に記載の膜電極接合体の電極触媒層形成用バインダー。
【請求項3】
電解質層と、前記電解質層を挟んで対向配置され、燃料成分が供給される燃料側電極、
および、酸素が供給される酸素側電極とを備える燃料電池において、
前記燃料側電極および/または前記酸素側電極が、触媒層からなり、
前記電解質層は、アニオン交換膜であり、
前記触媒層が、請求項1または2に記載の膜電極接合体の電極触媒層形成用バインダー と、触媒とを含む電池電極触媒層組成物から形成され、
前記燃料成分が、ヒドラジン類であることを特徴とする、燃料電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極触媒層形成用バインダー、および、その電極触媒層形成用バインダーが 用いられる電池電極触媒層を備える燃料電池に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池に採用される電極として、電解質膜と、電解質膜の一方の面に接合された燃料 側の電極層(アノード)と、電解質膜の他方の面に接合された空気側の電極層(カソード
)とを備える膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly
:MEA)が知られている。
【0003】
このような膜電極接合体の電極層は、例えば、電極となる触媒と、触媒と電解質膜との 接着およびイオン導電性付与のためのバインダー用のアイオノマー(電解質樹脂)と、溶 剤とを含む触媒インクを、電解質膜の一方の面に塗布して乾燥させることにより形成され る。
【0004】
このようなバインダー用のアイオノマーとして、{ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブ チレン)−ポリスチレン}トリブロック共重合体をクロロメチル化させた後、トリメチル アミンと反応させて得られる触媒電極層用のアニオン伝導性アイオノマーが提案されてい る(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−201772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかるに、燃料電池の技術分野では、発電性能のさらなる向上が要求されている。
【0007】
そこで、本発明の目的は、発電性能に優れる燃料電池を製造できる膜電極接合体の電極 触媒層形成用バインダーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の膜電極接合体の電極触媒層形成用バインダーは、下記式(1)で示される構造 単位を含有するポリマーを含むことを特徴としている。
【0009】
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【化1】
【0010】
(式中、R
1は、炭素数1〜10の炭化水素基を示し、R
2、R
3およびR
4は、互いに 同一または相異なって、水素原子、シアノ基、または、置換基を有していてもよい炭化水 素基を示し、R
5は、ハロゲノ基、または、置換基を有していてもよい炭化水素基を示し
、aは、0〜5の整数を示し、aが2以上の場合には、R
5は、互いに同一または相異な って、上記のR
5と同意義を示し、mは、1〜99のモルパーセントを示し、X
―は陰イ オンを示す。)
また、本発明の膜電極接合体の電極触媒層形成用バインダーでは、上記式(1)におい て、R
1が炭素数3〜8の炭化水素基であることが好適である。
【0011】
また、本発明の燃料電池は、電解質層と、前記電解質層を挟んで対向配置され、燃料成 分が供給される燃料側電極、および、酸素が供給される酸素側電極とを備え、前記燃料側 電極および/または前記酸素側電極が、触媒層からなり、前記触媒層が、上記の電極触媒 層形成用バインダーと触媒とを含む電池電極触媒層組成物から形成され、前記燃料成分が
、ヒドラジン類であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の膜電極接合体の電極触媒層形成用バインダーは、上記式(1)で示される構造 単位を含有するポリマーを含んでいる。
【0013】
そのため、燃料電池の発電性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の燃料電池の一実施形態を示す。
【図2】製造例1および2の燃料電池の発電性能を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の膜電極接合体の電極触媒層形成用バインダーは、下記式(1)で示される構造 単位を含有するポリマーを含んでおり、好ましくは、下記式(1)で示される構造単位か らなるポリマーを含んでいる。
【0016】
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【化2】
【0017】
(式中、R
1は、炭素数1〜10の炭化水素基を示し、R
2、R
3およびR
4は、互いに 同一または相異なって、水素原子、シアノ基、または、置換基を有していてもよい炭化水 素基を示し、R
5は、ハロゲノ基、または、置換基を有していてもよい炭化水素基を示し
、aは、0〜5の整数を示し、aが2以上の場合には、R
5は、互いに同一または相異な って、上記のR
5と同意義を示し、mは、1〜99のモルパーセントを示し、X
―は、陰 イオンを示す。)
上記式(1)において、R
1は、炭素数1〜10の炭化水素基を示す。
【0018】
炭素数1〜10の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基
、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、
n−ノニル基、n−デシル基などの炭素数1〜10の直鎖状炭化水素基、例えば、i−プ ロピル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、i−ペンチル基、s−ペンチル 基、t−ペンチル基、ネオペンチル基、i−ヘキシル基、3−メチルペンチル基、2−メ チルペンチル基、1−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1
,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基などの炭素数1〜10の分枝鎖状炭 化水素基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル 基などの炭素数3〜10の環状炭化水素基が挙げられ、好ましくは、炭素数3〜8の炭化 水素基が挙げられ、より好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル 基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基が挙げられる。さらに好ましくは、メチル基、n−
プロピル基、n−ヘキシル基が挙げられ、特に好ましくは、n−ヘキシル基が挙げられる
。
【0019】
R
1が、上記した炭化水素基であれば、燃料電池(後述)の発電性能を向上させること ができる。
【0020】
また、上記式(1)において、R
2、R
3およびR
4は、互いに同一または相異なって
、水素原子、シアノ基、または、置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、好ましく は、互いに同一に水素原子を示す。
【0021】
置換基を有していてもよい炭化水素基の炭化水素基としては、例えば、上記した炭素数 1〜10の炭化水素基が挙げられる。
【0022】
置換基を有していてもよい炭化水素基の炭化水素基として、好ましくは、炭素数1〜4 の炭化水素基が挙げられる。
【0023】
上記炭化水素基が有していてもよい置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、シアノ基
、カルボキシ基、例えば、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基などのハロゲノ基 などが挙げられる。なお、上記した置換基は1個または複数個有していてもよい。
【0024】
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40 また、上記式(1)において、R
5は、ハロゲノ基、または、置換基を有していてもよ い炭化水素基を示し、aが2以上の場合には、互いに同一または相異なって、ハロゲノ基
、または、置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。
【0025】
R
5において、ハロゲノ基は、例えば、上記したハロゲノ基が挙げられる。
【0026】
R
5において、置換基を有していてもよい炭化水素基としては、例えば、上記の置換基 を有していてもよい炭化水素基が挙げられる。
【0027】
また、上記式(1)において、aは、0〜5の整数、好ましくは、0〜2の整数、より 好ましくは、0を示す。
【0028】
上記式(1)において、mは、1〜99のモルパーセントを示し、好ましくは、10〜
90のモルパーセント、より好ましくは、40〜70のモルパーセントを示す。
【0029】
また、上記式(1)において、X
―は、陰イオンを示す。
【0030】
陰イオンとしては、例えば、硫酸水素イオン、硝酸イオン、チオシアネートイオン、過 塩素酸イオン、酢酸イオン、例えば、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨ ウ化物イオンなどのハロゲンイオン、水酸化物イオン、炭酸水素イオンなどの1価の陰イ オンが挙げられ、好ましくは、水酸化物イオンが挙げられる。なお、陰イオンは、1種類 でも2種類以上混在していてもよい。
【0031】
また、上記式(1)で示される構造単位は、下記式(2)で示される構造単位と、下記 式(3)で示される構造単位とからなる。
【0032】
また、上記式(1)におけるmは、下記式(2)で示される構造単位のモル数と下記式
(3)で示される構造単位のモル数との総モル数に対する下記式(2)で示される構造単 位のモルパーセントを示すが、mを用いた構造式により示される構造単位を含有するポリ マーは、ブロックポリマーまたはランダムポリマーであり、好ましくは、ランダムポリマ ーである。
【0033】
【化3】
【0034】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4およびX
−は、上記式(1)のR
1、R
2、R
3、R
4およびX
−と同意義を示す。)
【0035】
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【化4】
【0036】
(式中、R
5は、上記式(1)のR
5と同意義を示し、aは、上記式(1)のaと同意義 を示す。)
上記式(1)で示される構造単位を含有するポリマーを得るには、まず、下記式(4)
で示されるN−ビニルイミダゾール誘導体と、下記式(5)で示されるスチレン誘導体と を共重合させる。
【0037】
【化5】
【0038】
(式中、R
2、R
3およびR
4は、上記式(1)のR
2、R
3およびR
4と同意義を示す
。)
N−ビニルイミダゾール誘導体としては、例えば、N−ビニルイミダゾール、N−ビニ ルー2−メチルイミダゾール、4,5−ジシアノ−N−ビニルイミダゾール、4,5−ジ フェニル−N−ビニルイミダゾール、4,5−ジヒドロキシメチル−N−ビニルイミダゾ ールなどが挙げられ、好ましくは、N−ビニルイミダゾールが挙げられる。
【0039】
これらN−ビニルイミダゾール誘導体は、単独使用または2種類以上併用することがで きる。
【0040】
【化6】
【0041】
(式中、R
5およびaは、上記式(1)のR
5およびaと同意義を示す。)
スチレン誘導体として、具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、環ハロゲン化ス
チレン、環アルキル化スチレン、2−ビニルトルエン(o−メチルスチレン)、3−ビニ
ルトルエン(m−メチルスチレン)、4−ビニルトルエン(p−メチルスチレン)などが
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50 挙げられ、好ましくは、スチレンが挙げられる。これらスチレン誘導体は、単独使用また は2種類以上併用することができる。
【0042】
スチレン誘導体の配合割合は、N−イミダゾール誘導体とスチレン誘導体との総モル数 に対して、例えば、1モルパーセント以上、好ましくは、10モルパーセント以上、より 好ましくは、40モルパーセント以上であり、また、例えば、99モルパーセント以下、
好ましくは、90モルパーセント以下、より好ましくは、70モルパーセント以下である
。
【0043】
N−ビニルイミダゾール誘導体とスチレン誘導体とを共重合させる方法としては、公知 の方法が挙げられ、例えば、N−ビニルイミダゾール誘導体およびスチレン誘導体を、必 要により、不活性溶媒および重合開始剤の存在下、不活性ガス(例えば、アルゴンガス)
雰囲気下で反応させる。
【0044】
不活性溶媒としては、N−ビニルイミダゾール誘導体およびスチレン誘導体と反応しな ければ特に制限されず、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの 芳香族炭化水素類、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンなどの脂肪族炭 化水素類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの環状脂肪族炭化水素類、例えば
、メタノール、エタノール、1−プロパノール(1−PrOH)、イソプロピルアルコー ルなどのアルコール類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、シク ロヘキサノンなどのケトン類、例えば、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフ ラン(THF)などのエーテル類、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、
水などが挙げられる。
【0045】
不活性溶媒として、好ましくは、芳香族炭化水素類が挙げられ、より好ましくは、キシ レンが挙げられる。
【0046】
これら不活性溶媒は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0047】
不活性溶媒の配合割合は、N−ビニルイミダゾール誘導体およびスチレン誘導体の総量 に対して、例えば、0質量パーセントを超え、好ましくは、10質量パーセント以上であ り、また、例えば、200質量パーセント以下、好ましくは、100質量パーセント以下 である。
【0048】
重合開始剤としては、例えば、ラジカル重合開始剤が挙げられる。
【0049】
ラジカル重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシネオ デカノエートなどの有機過酸化物、例えば、2,2 −アゾビスイソブチロニトリル(A IBN)、2,2 −アゾビスイソ酪酸ジメチルなどのアゾ化合物などが挙げられ、好ま しくは、アゾ化合物が挙げられ、より好ましくは、2,2 −アゾビスイソブチロニトリ ルが挙げられる。
【0050】
これらラジカル重合剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0051】
重合開始剤の配合割合は、N−ビニルイミダゾール誘導体およびスチレン誘導体の総モ ル数に対して、例えば、0.01モルパーセント以上、好ましくは、0.1モルパーセン ト以上であり、また、例えば、1モルパーセント以下、好ましくは、0.5モルパーセン ト以下である。
【0052】
反応条件として、反応温度は、例えば、60℃〜140℃、好ましくは、60℃〜10
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40
50 0℃であり、また、反応時間は、例えば、16時間〜48時間、好ましくは、24時間〜
36時間である。
【0053】
これにより、下記式(6)で示される構造単位を含有する重合体(コポリマー)を得る ことができる。
【0054】
【化7】
【0055】
(式中、R
2、R
3、R
4、R
5、aおよびmは、上記式(1)のR
2、R
3、R
4、R
5