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損傷制御型RC系有壁架構の開発に関する予備的実験研究 [ PDF

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(1)損傷制御型 RC 系有壁架構の開発に関する予備的実験研究 高橋 恵介 1 はじめに. 2.2 実験概要.  当研究室では, 柱降伏が先行する骨組を外周部に配した. 1) 試験体形状. RC 系有壁架構の研究に取組んでいる.このような骨組を.  試験体形状を図 2 に示す . 試験体のスパンは,柱の芯−. 実際に使用するには, 層崩壊を防止するために連層耐震壁. 芯間距離で 1600mm とした . また,梁の芯−芯間距離を. を併設する必要がある. 耐震壁を含む建物の設計に際して. 1390mm としている.この試験体は,スパン 4000mm で階. 留意する点は, 耐震壁と架構の水平力負担割合にあると考. 高 3600mm 程度の建物における低層部の 2 層 1 スパン部分. えられる.耐震壁は高い水平剛性と耐力の保持,また,高. を取り出した骨組の 2/5 モデルに相当する.試験体は同一. さ方向の変形を一様化する役割を有しており, 重要な耐震. のものを2体作製し,実験変数は載荷プログラムとした.漸. 要素となっている.一方で,耐震壁を有する建物では,震. 増振幅繰返しの試験体を SBF-1,同一振幅繰返しの試験体. 災は免れたものの, 耐震壁に激しい損傷が生じるといった. を SBF-2 と呼ぶ . 柱の主筋量は 4-D13(pg=0.89%)とした.. 破壊性状を示す場合がある.これは,耐震壁の剛性が他の. また,塑性回転能力とせん断耐力を高めるため,□ -250×. 部材に比して著しく高く, 水平力の負担割合が大きくなる. 250×6 mmの角形鋼管で補強した。鋼管に軸力を負担させ. ためである.図 1 に開発中の RC 系有壁架構の立面と平面. ないようにするため,下梁,上梁のフェイス位置において. を示す.当研究室では,コア部分に採用する耐震壁とし. 両者の間に 10mm のクリアランスを設けた.梁は,幅を柱. て,壁脚部に切欠きを設け,水平剛性と耐力を低減させた. 幅と同じ 250mmとし,せいは 810mmとした。これは通常の. 耐震壁を考えている.この理由は,上述したような破壊性. RC建物の腰壁,梁せい,垂壁を含む高さを想定したものと. 状を避け,入力する地震力を壁以外の部材に分散させ,コ. なっている。梁の引張鉄筋は 5- D16 (pt=0.49%)とし,あば. ア部分と外周部分の両方のエネルギー吸収能力を活用する. ら筋は D10 @100 (p w=0.57%)とした。試験体のコンクリー. ためである.また,この RC 系有壁架構は,外周架構,耐. ト打設は縦打ちとし,1層から 2層までを同時に打設した。. 震壁のそれぞれが損傷制御機能を有しており,RC 系建物. 試験体に用いた材料の力学的性質を表 1 に示す.. の耐震化に寄与すると考えられる.. 2) 実験方法.  本報では, 提案している外周部の骨組と連層耐震壁の概.  鉛直荷重は 5MN 試験機により 506kN を載荷し,実験中一. 要と,これらの予備的な実験に使用したそれぞれ 2体の試. 定に保持した.柱 1 本の軸力は 253kN(軸力比 0.12)である.. 験体について述べる.. 水平力は1MN油圧ジャッキにより正負交番で繰返し載荷し,. 2.1 柱降伏先行型骨組. 上梁のみに作用させた.載荷は上梁の水平変位で制御した..  外周架構はスパンドレルビームと鋼管横補強短柱からな.  載荷プログラムは漸増振幅繰返し型と同一振幅繰返し型で. る柱降伏先行型骨組である. スパンドレルビームは腰壁と. 行う.漸増振幅型では層間変形角R=± 0.25/100rad.からR=±. 垂壁を一体化したせいの高い梁で, 剛強で斜めひび割れ等. 1.0/100rad. まで変位振幅増分を 0.25/100rad. とし,各変位振幅. が発生しないように設計可能であると考えられる. スパン. で 3 回の繰返し載荷を行い,その後,R= ± 1.5/100rad.,R= ±. ドレルビームを採用した場合, 柱の可撓長さが短くなるが,. 2.0/100rad. の載荷を 1 回ずつ行った.同一振幅型では層間変. 骨組としての剛性は高くなる.さらに,鋼管で横補強する. 形角 R= ± 3.0/100rad. で合計 8 回の繰返し載荷を行った.. ことでせん断破壊を免れて優れた復元力特性が発揮でき,. 250. 1850 125. 800. 800. 125. 4017040. 710. St D10 @100. 50. 560. 10. スパンドレルビーム 鋼管横補強短柱. 2-D16. 810. 810. 3-D16. 50. 大変形時も損傷が目立たない効果も得られる.. □-250×250×6. 10. 3-D16. 2-D16. 4-D13 Hoop D6 @100. b) 梁断面図 250 30 190 30. St D10 @100. 250. 300 10. コア St D10 @75. 30 190 30. 810. 連層耐震壁. 3/3-D19. a) 配筋図 図 2 試験体詳細図. 外周架構. 図 1 立面図と平面図 . 54-1. b) 柱断面図.

(2) 表1. 実験値と計算値の比較.  実験後の状況を写真 1 に示す.写真 1 より , 梁には曲げ. 降伏強度 降伏歪み 引張強度 圧縮強度 2. (N/mm ). (μ). D-6(SD295) D-10(SD295) D-13(SD345) D-16(SD295) D-19(SD345) □-250×250×6. 365 1780 343 1670 381 1860 337 1640 394 1920 381 1860 コンクリート(SBF-1) コンクリート(SBF-2). 2. (N/mm ). 及びせん断ひび割れは殆ど観測されていない.SBF-1 と. 2. (N/mm ). 485 483 559 478 576 472. SBF-2 を比較すると,SBF-2 は,柱梁接合部部分にかぶり コンクリートの剥落が見られるが,SBF-1 にはこれといっ た損傷は観測されない.試験体は優れたエネルギー吸収性 能を示す一方で,顕著な損傷は表面化されないことが示さ. 30.0 28.8. れた。ただし,R=3.0/100rad. のような大変形の繰返し載荷. 3 耐力評価  試験体の降伏機構は, 柱頭と柱脚の塑性ヒンジにより形 成されるように設計した.この際,意図したことは,1)柱 の脆性破壊を防ぐ,2)スパンドレルビームのひび割れを極 力抑えることである..  表 2 に,柱の曲げ耐力時のせん断力 CQf ,せん断耐力 CQs パンチングシア耐力 CQp ,梁の曲げ耐力 BQf ,せん断耐力BQs ,せん断ひび割れ強度 BQcr を示す.柱のせん断耐力,梁の 曲げ耐力,せん断耐力は文献 1)より,柱のパンチングシア 耐力は文献 2)及び文献 3)より,梁のひび割れ強度は文献 4)より算出した.表 2 より,柱は C Q s 及び C Q p が C Qf を 上 回り,曲げ破壊が先行し,脆性破壊が生じないことが分か る.梁は BQf 及び BQs が BQcr を 上回っている.つまり,柱頭・ 柱脚に塑性ヒンジが形成されかつ上記2)を実現させるため には,梁のひび割れ強度時の水平力 BHcr が柱の曲げ耐力時 の水平力 CHf 以上であればよい.BHcr と CHf を比較したもの を表 3 に示す.表 3 より BH cr は C H f の約 1.90 倍となってい. 下では,柱端部のひび割れが,柱梁接合部部分に伝播して, この部分のかぶりコンクリートを剥落させることになる. 柱は,鋼管で横補強されているが,一方で,柱梁接合部は, 十分な拘束が得られているとは言えず,この部分の破壊が 進行したものと考えられえる.この部分の補強は現実的に は難しく,当該部分の局所的な補強を考えるよりも,建物 全体の応答を小さく収めるような初期設計時における工夫 を施すことが望ましいと考えられる.  表 4 に,水平耐力実験値 Hexp と CHf を比較している.表 2 に示すようにいずれの試験体も,Hexp は CHf で誤差 3% 以内 に精度良く評価できている. 5.1 損傷制御型 RC 造連層耐震壁  図 4 に提案する連層耐震壁の水平変形時の概略図を示 す.提案する連層耐震壁の特徴は,1)壁脚部の両端にス リットを有する,2)柱型を持たない,3)アンボンド鉄筋を 有しているの 3 つである. 表2 構成要素の耐力. る.これより,試験体は,梁のひび割れ強度に達する以前. (kN) 150 146. CQf. に柱の降伏が生じ, 梁の負担せん断力はひび割れ強度の半. SBF-1 SBF-2. 分程度に留まると予想できる.. C Q s (kN). (kN) 576 564. CQp. 263 261. 表 3  BHcr は CHf の比較. 4 実験結果. CHf.  実験より得られた荷重−変形関係を図 3 に示す.図 3 に. SBF-1 SBF-2. は CHf を点線で示している.. 400. R=0.25/100rad.で柱主筋が降伏した.その後 , R=0.50/100rad.. 200. まで耐力が大きく上昇し続け,R=0.75/100rad. で柱頭,柱 脚の柱と梁のスリット部に曲げひび割れが生じ始めた. ま た,R=1.5/100rad. で柱頭,柱脚のひび割れが柱梁接合部に 若干伝播した。柱梁接合部にひび割れが伝播した後も,耐 力低下は見られなかった.R=2.0/100rad.時の最大水平力は R=0.50/100rad. 時の 1.07 倍であり,R=0.50/100rad. 時には骨. 水平力(kN).  SBF-1 試験体の実験経過について述べる.層間変形角. (kN) 300 292. B H cr (kN). BH cr /C H f. 562 550. 1.87 1.88. (kN) 319 319. BQf. B Q s (kN). B Q cr (kN). 504 496. 244 239. 表4 実験値と計算値の比較 Hexp(kN) SBF-1 SBF-2. CHf. (kN) H exp/C H f 300 0.99 292 0.97. 296 283. 0 -200 実験値 計算値. -400 -3.0 -2.0 -1.0. 0.0. 1.0. 2.0. 層間変形角(×10 -2rad.). 実験値 計算値. 3.0. -3.0 -2.0 -1.0. 0.0. 1.0. SBF-1. SBF-2. 図 3 荷重 - 変形関係. 組の崩壊機構がほぼ形成されたと考えられる.  SBF-2 試験体の実験経過について述べる.層間変形角 R=0.38/100rad. で柱主筋が降伏した.R=1.7/100rad. 時に柱 頭, 柱脚の柱と梁のスリット部における曲げひび割れが柱 梁接合部に伝播した.R=2.0/100rad. 以降,柱梁接合部の亀 裂が大きくなり,コンクリートの剥離が見られ始めた.し かし,処女載荷時における R=3.0/100rad.時まで耐力の低下 は見られなかった.2 サイクル目以降は載荷が繰返される 度に剛性と最大耐力の低下が見られる.この理由は,繰返 しに伴い柱梁接合部部分のかぶりコンクリートが剥落して 柱の負担せん断力が低下したためと考えられる.. SBF-1 写真 1 実験後の試験体. 54-2. 2.0. 層間変形角(×10-2rad.). SBF-2. 3.0.

(3)  壁脚部両端のスリットや柱型については,コンクリート.  試験体のコンクリート打設は横打ちとし,耐震壁と基礎. の圧縮抵抗を妨げ,壁の水平剛性と耐力を下げるためであ. 梁を同時に打設した.鉄筋の付着除去は,鋼製の 30 φの. る.つまり,耐震壁の水平力負担割合を低くすることを意. シース管を用いた.シース管の上下にウエスとビニール. 図している.従来の曲げ破壊型耐震壁では,危険断面での. テープを用いて防水処理を施し,管内鉄筋を乾いた状態に. 中立軸深さが浅く,耐震壁や柱の脚部のコンクリートの圧. 保っている.. 壊や,耐震壁が鉛直方向に大きく伸びるといった性状が見.  試験体の一覧を表 5 に示し,試験体に用いた材料の力学. られる.上記 1),2)の処理により,断面の中立軸を試験. 的性質を表 6 に示す.. 体の中央よりに位置させることが可能となり,従来型の耐. 2) 実験方法. 震壁の諸問題を解決できると考えられる.また,スリット.  実験は,まず,鉛直荷重 N=520kN(軸力比 N/N 0=0.30)を. 部分には,壁縦筋が露出しており,これらの鉄筋が小変形. 載荷し,実験中一定に保持した.ここで,軸力比を算定す. 時に降伏し,エネルギー吸収デバイスとして機能するよう. る際の N0 は,壁脚部の断面(410 × 140 )に Fc=24(N/mm2)を. に設計している.3)のアンボンド鉄筋については,アン. かけて算定した.水平力は,1MN 油圧ジャッキを用いて,. ボンド鉄筋が弾性範囲内にあるとき,壁の剛性確保と引張. 正負交番で繰返し載荷した.載荷は壁脚部から 1600mmの. 力と圧縮力の偶力による曲げ戻しの力を利用して,残留変. 位置の水平変位で制御した.載荷プログラムは漸増振幅繰. 形を小さくすることを意図し,図 4 に示すように配置して. 返し型で,層間変形角R=±0.25/100rad.からR=±1.5/100rad.. いる.なお,壁の部材角 R は,図のように壁脚部の回転中. まで変位振幅増分を 0.25/100rad.とし,各変位振幅で 3回の. 心を断面中心においており,従来型の耐震壁とは異なる定. 繰返し載荷を行い,その後,R= ± 2.0/100rad. の載荷を 1 回. 義になっていることに注意を要する.. 行った.. 5.2 実験概要. 6 最大耐力と荷重ー変形関係. 1) 試験体形状.  実験より得られた荷重−変形関係を図 6 に示す.図 6 の.  試験体の詳細を図 5 に示す.試験体は , 中層 RC 建物(6 ∼. 縦軸は載荷点の水平力 H(kN)で,横軸は壁の部材角 R (×. 12 層)を想定した 2/5 スケールの耐震壁と基礎梁から成る. 10 -2rad.)である.. ものである.試験体は同一形状のものを 2 体作製し,壁体.  DW-295U-0.3の実験経過について述べる.部材角R=0.23/ 810. 内部の配筋を実験変数とした.. 200. 410. 200.  耐震壁の高さは 1862mm で,断面形状は,基礎梁上面 20mmの位置から壁脚部に向けて絞るようにスリットを設 けており,壁脚部以外では 810 × 140 で,壁脚部では 410. 4035. 150 404040404040404040. 150. 35 40. 150. 35 40. 810. 20 300. するよう設計した.. 150 404040404040404040. 2929. ウエス,ビニールテープ. は R=0.70/100rad.,DW-490U-0.3 では R=1.00/100rad. で降伏. 4035. 2929. 呼ぶ.アンボンド鉄筋の付着除去長さは,DW-295U-0.3 で. シース管. を DW-295U-0.3,SD490を配筋した試験体を DW-490U-0.3と. 140. と D13-SD490 の 2 種類を使用し,SD295 を配筋した試験体. 1300(付着除去区間). ンド鉄筋の種類である.アンボンド鉄筋には,D10-SD295. 1862. 筋量は D10@80とした.実験変数は試験体に用いたアンボ. 140. 810. × 140 としている.壁の縦筋量は D10@40 ダブルとし,横. l. a) 配筋図. b) 断面図. 図 5 試験体詳細図 表 5 試験体一覧 試験体 DW-295U-0.3 DW-490U-0.3 140×810. 付着除去区間. B×D B×D(脚部). 140×410. 縦筋 横筋 アンボンド鉄筋. D10@40ダブル(SD295) D10@80ダブル(SD295) SD295 SD490. 表 6 材料の力学的性質 降伏強度 降伏歪み 引張強度. R. 地震時の過大な 損傷を防ぐ. 2. 早期に降伏し エネルギー吸収に寄与. D-10(SD295) D-13(SD490) D-19(SD345) コンクリート. Nt Nc 図 4 損傷制御型 RC 造連層耐震壁の概略図. 54-3. 2. (N/mm ). (μ). (N/mm ). 355 539 387. 1730 2630 1890. 466 662 548. 圧縮強度 2. (N/mm ). 30.3.

(4) 100rad. でスリット部分の露出鉄筋が降伏した.その後,耐. 100rad.以降の繰返し載荷によって起きたもので,設計上の. 力は上昇を続け,R=0.50/100rad. で壁脚部の縦筋が降伏し,. 変形のクライテリアである R=1.0/100rad. 以内の変形では,. R=0.70/100rad. でアンボンド鉄筋が降伏した.試験体には. 目立った損傷は観測できなかった.通常の耐震壁では,曲. 斜めひび割れは全く観測されず,試験体は曲げ破壊が先行. げ破壊が先行するものであっても,曲げひび割れが壁板の. したと考えられる.試験体には,R=0.75/100rad. の繰返し. 上部にまで進展し損傷が壁板全体に広がることや,コンク. 載荷まで,顕著なひび割れは全く観測されなかった.. リートの圧壊により被り部分が剥落し,鉄筋が露出すると. R=1.0/100rad.の繰返し載荷で壁板と壁脚部に曲げひび割れ. いった破壊性状が見られる.しかし,図7に示すように,提. が数本観測された.R=1.5/100rad. の繰返し載荷で,壁脚部. 案する耐震壁では,損傷は,試験体下部のスリット近傍に. のコンクリートの剥離と新たなひび割れが数本観測され. のみ観察され,生じたひび割れの本数も,従来の耐震壁に. た.その後,R=2.0/100rad. の繰返し載荷を行ったが,試験. 比して著しく少なかった.. 体には新たな損傷は観測されなかった..  試験体の最大耐力について述べる.試験体は,曲げ破壊.  DW-490U-0.3の実験経過について述べる.部材角R=0.29/. により最大耐力を発揮しているので,曲げ耐力時の水平力. 100rad. でスリット部分の露出鉄筋が降伏した.その後,耐. Hf により,耐力評価を行う.水平力 H f は,文献 5)に示さ. 力は上昇を続け,R=0.51/100rad. で壁脚部の縦筋が降伏し,. れている式より算出した壁脚部断面(4 10 × 14 0)の曲げ. アンボンド鉄筋が降伏するまで耐力が上昇した.R=1.11/. モーメントにアンボンド鉄筋とスリット部分の露出鉄筋に. 100rad.でアンボンド鉄筋が降伏した後は,耐力の上昇は観. よる負担曲げモーメントを足し合わした曲げ耐力を加力点. 測されなかった.本試験体にも斜めひび割れは全く観測さ. 高さで除して算出した値である.表 7 に実験により得られ. れず,試験体は,曲げ破壊が先行したと考えられる.破壊. た最大水平力 Hexp と計算値 Hf を比較したものを示す.表 7. 性状も DW-295U-0.3 と同様の経過を辿った.ただし,DW-. に示すように,いずれの試験体も Hexp を Hf により誤差 6%. 490U-0.3 では,R=2.0/100rad. の負側載荷において,試験体. 以内で精度良く評価できている. 表 7 実験値と計算値の比較. 側面のコンクリートの剥離が観測された.  図 6 から分かるように,いずれの試験体も急激な耐力低. 試験体. 下を示すことなく安定した履歴性状を示した.これは,曲. DW-295U-0.3 DW-490U-0.3. げ破壊先行の耐震壁の特徴で,せん断破壊やパンチングシ. 実験値H exp 131 165. 最大水平力(kN) 計算値H f 124 163. H exp /H f 1.06 1.01. ア破壊が起きていないことを示している.. 7 まとめ.  図7に実験後の各試験体の損傷をスケッチしたものを示.  本研究では,開発中の RC 系有壁架構の外周骨組と連層. す.DW-295U-0.3 では,壁脚部の圧縮破壊によるかぶりコ. 耐震壁について実験を実施した.得られた結論を示す.. ンクリートの剥落が見られ,これに接続する形でひび割れ. 1) 骨組試験体の履歴性状は, 鋼管横補強短柱の曲げ変形に. が伸びている.しかしながら,こうした破壊は,R=1.5/. 支配され,安定した履歴曲線を示した.. 200. 2) 壁試験体の履歴性状は,壁脚部の曲げ破壊が先行し,せ. 150. ん断破壊やパンチングシア破壊を起こすことなく, 安定. 水平力(kN). 100. した履歴曲線を示した.. 50. 3) 骨組試験体,壁試験体ともに,その最大水平耐力を簡便. 0 -50. な方法により精度良く評価できた.. -100 実験値 計算値. -150 -200. -2.0. -1.0. 0.0. 1.0 -2. 部材角(×10 rad.). DW-295U-0.3. 2.0. 実験値 計算値 -2.0. -1.0. 0.0. 1.0. 4) 各試験体の損傷は,R=1.00/100rad. 以内では ,殆ど観察さ れなかった.最終的な破壊状況も,骨組試験体では,柱. 2.0. -2. 部材角(×10 rad.). 端部にのみ損傷が集中し,壁試験体では,通常の耐震壁. DW-490U-0.3. に比して軽微なものであった.骨組試験体,壁試験体と. 図 6 荷重 - 変形関係. もに,優れた損傷制御性能を有することが確認できた.. DW-295U-0.3. DW-490U-0.3. 図 7 試験体のひび割れ図. 参考文献 1) 日本建築防災協会:2001年改訂版 既存鉄筋コンクリート造建築 物の耐震診断基準同解説,pp.192,pp245,pp247.2001.10. 2) 日本建築防災協会:2001年改訂版 既存鉄筋コンクリート造建築 物の耐震改修設計指針同解説,pp.102,pp.360,2001.10. 3) Nasruddin,J, Sakino,K, Nakahara,H and Matsubayashi,H : Punching Shear Strength of Edge Columns in Energy Dissipaton Structural Walls (EDSWs),Proceedings of 4th International Conference on Steel & Composite Structures, Sydney, July 21-23, 2010, DVD-ROM 4) 日本建築学会:鉄筋コンクリート造建物の靭性保証型耐震設計指 針同解説,pp.140,1999.8. 5) 日本建築防災協会:2001年改訂版既存鉄筋コンクリート造建築物 の耐震診断基準同解説, pp.191, 2001.10.. 54-4.

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