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患者の酸素療法に関する情報量を評価するために新たな

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Academic year: 2022

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13   

厚生労働科学研究費補助金(循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業) 

 分担研究報告書   

 

在宅酸素療法患者の情報量を評価する新たな質問票の開発研究   

研究分担者    茂木  孝  日本医科大学内科学(呼吸器内科学) 

    堀江健夫  前橋赤十字病院  呼吸器内科 

    桂  秀樹  東京女子医科大学  八千代医療センター呼吸器内科      若林律子  東海大学健康科学部看護学科 

    山本  寛  東京都健康長寿医療センター呼吸器科      土橋邦生  群馬大学医学部保健学科 

               

A. 研究目的 

昨年度までの調査により災害時医療を教育する にあたり,平時からの教育が重要であることが明 らかとなった.HOT 患者については緊急・災害時 に酸素不足などに対してパニックを起こさないた めに,日頃の自己管理教育により準備をしておく ことが急がれている. 

本研究は HOT 患者の教育を行う上で患者の持つ 情報量をあらかじめ把握することができれば,教 育介入の重点ポイントを押さえ,効率的な介入が 可能であると仮定している.既に同様の視点から 臨床現場では,COPD において患者の情報量を評価 しどのような教育介入がさらに必要かを定量化す る,LINQ(Lung Information Needs Questionnaire)

が導入され増悪回数の低下など一定の効果を挙げ ている.これまで酸素療法についてはまだ LINQ のような評価手法が確立していなかったため,当 班の昨年度研究では HOT 患者アンケートの結果か ら質問内容を再構成して評価指標となる候補を挙 げるところまでを済ませた.今年度はこの結果を

踏まえさらに,教育情報の有無を評価し,患者状 態を弁別できる候補を絞り込む作業を行った. 

 

B. 研究方法 

各施設に通院中の HOT 患者を対象に自己記入式 の質問票を使用した(資料).質問の内容は①酸素 療法の説明を受けているか,②酸素を指示通りに 使用しているかどうか,③医療者や業者から酸素 の必要性をどのくらい説明されているか,④説明 に対してどのくらい満足しているか,⑤酸素が使 用できない場合の対処法を説明されているかどう か,⑥酸素が使えない時の呼吸法などの対処法を 説明されているかどうか,⑦酸素使用上の注意点 の説明を理解しているかどうか,⑧酸素を使用し ながらの生活はどうすべきと説明されているか,

などで構成した.それぞれの回答項目に 0−3 点で 配点し,点数が高いほど情報を持っていないと判 断する内容としている.この結果を患者の背景因 子,LINQ スコアとの関係から評価した. 

  

研究要旨:HOT患者の酸素療法に関する情報量を評価するために新たな11項目からなるHOT質 問票を作成した.重症者やHOTを24時間処方の患者ほど酸素療法に関する情報量は多いことから,

これらの患者には重点的な教育介入がされていることが窺えた.一方で軽症者,HOTを12時間処 方の患者はあまり情報を持っていないことが判明した.LINQが不良な患者はHOTについての情報 も欠落していた.HOT質問票を利用して効率的な教育介入を実施できる可能性がある

(2)

 

(倫理面への配慮)

説明し依頼を行い,書面にて同意を得た.

   

C.

 

個々の質問に対する回答結果を示す(表2)

 

(倫理面への配慮)

対象となった

説明し依頼を行い,書面にて同意を得た.

   

   

C. 研究結果  対象患者は が 75%を占めた.

 

個々の質問に対する回答結果を示す(表2)

(倫理面への配慮) 

対象となった HOT 患者には口頭で調査の目的を 説明し依頼を行い,書面にて同意を得た.

 

は 3 施設から 131

を占めた.背景データを表1に示す.

個々の質問に対する回答結果を示す(表2)

患者には口頭で調査の目的を 説明し依頼を行い,書面にて同意を得た.

131 名,平均

背景データを表1に示す.

個々の質問に対する回答結果を示す(表2)

患者には口頭で調査の目的を 説明し依頼を行い,書面にて同意を得た. 

,平均 74.5 歳.COPD 背景データを表1に示す. 

個々の質問に対する回答結果を示す(表2) 

13  患者には口頭で調査の目的を

COPD

 

 

  との する検出力 で

的弁別能が高いと判断された.

いるという結果であった.(表3)

別にみると

情報を持たないという結果であった(

その他の性別,酸素形態,疾患別,施設別に各質 問内容

った

  Q1‑4 は 90 との結果を示し する検出力は

で Q5 以降は回答結果

的弁別能が高いと判断された.

酸素の処方時間

は 24 時間処方の患者に比べて いるという結果であった.(表3)

別にみると

情報を持たないという結果であった(

その他の性別,酸素形態,疾患別,施設別に各質 問内容別に関係をみたが,有意な

った. 

90%以上の患者 結果を示しており,

はあまり高くない結果であった.一方 は回答結果が

的弁別能が高いと判断された.

処方時間別には 時間処方の患者に比べて いるという結果であった.(表3)

別にみると Q9 だけが 12

情報を持たないという結果であった(

その他の性別,酸素形態,疾患別,施設別に各質 に関係をみたが,有意な

患者において

,患者情報量の多寡を 高くない結果であった.一方

が分散する傾向があり,比較 的弁別能が高いと判断された.   

別には 12 時間酸素処方 時間処方の患者に比べて情報量が不足して いるという結果であった.(表3)さらに質問内容 12 時間処方の患者で有意に 情報を持たないという結果であった(

その他の性別,酸素形態,疾患別,施設別に各質 に関係をみたが,有意な所見は認めなか において情報量が良好 患者情報量の多寡を弁別 高くない結果であった.一方 傾向があり,比較

 

時間酸素処方の患者 情報量が不足して さらに質問内容 時間処方の患者で有意に 情報を持たないという結果であった(p=0.003). その他の性別,酸素形態,疾患別,施設別に各質 所見は認めなか  

    良好 弁別 高くない結果であった.一方 傾向があり,比較

の患者 情報量が不足して さらに質問内容 時間処方の患者で有意に

). その他の性別,酸素形態,疾患別,施設別に各質 所見は認めなか

(3)

 

かった.

有意差を認めた

さらに

 

3 施設の間で

かった.しかし同時にみた 有意差を認めた

HOT 質問票

ところ労作時の酸素流量,予測 ス分圧と相関

た.酸素の使用年数や年齢は相関 4) 

さらに LINQ

施設の間で HOT 質問票のスコアは有意差がな しかし同時にみた

有意差を認めた(図1) 

質問票とその他の臨床指標との相関をみた ところ労作時の酸素流量,予測

ス分圧と相関を認めたがどれも弱い相関であっ 酸素の使用年数や年齢は相関

LINQ との相関をみたところ禁煙のドメイ 質問票のスコアは有意差がな しかし同時にみた LINQ スコア

 

とその他の臨床指標との相関をみた ところ労作時の酸素流量,予測 1 秒量,炭酸ガ を認めたがどれも弱い相関であっ 酸素の使用年数や年齢は相関がなかった

との相関をみたところ禁煙のドメイ 質問票のスコアは有意差がな スコアは施設間の

とその他の臨床指標との相関をみた 秒量,炭酸ガ を認めたがどれも弱い相関であっ がなかった(表

との相関をみたところ禁煙のドメイ

14    質問票のスコアは有意差がな

施設間の

とその他の臨床指標との相関をみた 秒量,炭酸ガ を認めたがどれも弱い相関であっ

(表

との相関をみたところ禁煙のドメイ

ン以外は有意な相関を認め,特に自己管理,薬物 療法と

D.

は多数の質問候補の中から絞り込む際に,項目内 の回答頻度が

質問内容では弁別できないと判

採用しないという手法を採り作成されている(文 献

作成し 質問は ないことか

であると判断できる.しかし日常臨床における HOT

を採択し最終的に 妥当と考え

ス分圧と弱い い正の相関を

時酸素流量が多いほど,

炭酸ガスが多い程,

であるほど える.

となりやすい 傾向を示している.

ン以外は有意な相関を認め,特に自己管理,薬物 療法とは中等度の

  D. 考察 

Hyland らによるオリジナル

は多数の質問候補の中から絞り込む際に,項目内 の回答頻度が

質問内容では弁別できないと判

採用しないという手法を採り作成されている(文 献 1). 

我々は今回 作成したが,

質問は 90%の回答頻度となる項目が含まれてい ないことから,患者情報量の差を弁別できる内容 であると判断できる.しかし日常臨床における HOT の教育内容を勘案すると

を採択し最終的に 妥当と考えてい

HOT 質問票の総点は労作時の酸素流量,炭酸ガ ス分圧と弱い

い正の相関を

時酸素流量が多いほど,

炭酸ガスが多い程,

ているということを意味 であるほど

える.この関係は となりやすい 傾向を示している.

各 HOT 質問別に背景因子との関連をみた結果,

ン以外は有意な相関を認め,特に自己管理,薬物 は中等度の相関を示した(表5)

らによるオリジナル

は多数の質問候補の中から絞り込む際に,項目内 の回答頻度が 90%を越える回答を含む場合,その 質問内容では弁別できないと判

採用しないという手法を採り作成されている(文

今回新たに 11 項目からなる

,LINQ の作成手法にならい

%の回答頻度となる項目が含まれてい ら,患者情報量の差を弁別できる内容 であると判断できる.しかし日常臨床における

教育内容を勘案すると

を採択し最終的に 8、9 問程度の質問票とするのが ている. 

質問票の総点は労作時の酸素流量,炭酸ガ ス分圧と弱い負の相関を

い正の相関を認めた.臨床上の解釈としては労作 時酸素流量が多いほど,

炭酸ガスが多い程,HOT いるということを意味

であるほど HOT についての情報を有していると言 この関係は LINQ スコアが重症患者ほど良好 となりやすいというこれまでの研究結果と同様の 傾向を示している. 

質問別に背景因子との関連をみた結果,

ン以外は有意な相関を認め,特に自己管理,薬物 相関を示した(表5)

らによるオリジナル LINQ

は多数の質問候補の中から絞り込む際に,項目内

%を越える回答を含む場合,その 質問内容では弁別できないと判断し,その質問を 採用しないという手法を採り作成されている(文

項目からなる の作成手法にならい

%の回答頻度となる項目が含まれてい ら,患者情報量の差を弁別できる内容 であると判断できる.しかし日常臨床における

教育内容を勘案すると Q1‑4 からも

問程度の質問票とするのが

質問票の総点は労作時の酸素流量,炭酸ガ 相関を,また予測

臨床上の解釈としては労作 時酸素流量が多いほど,1 秒量が低いほど,また HOT についての情報量は持っ いるということを意味する.すなわちより重症 についての情報を有していると言 スコアが重症患者ほど良好 というこれまでの研究結果と同様の

質問別に背景因子との関連をみた結果,

ン以外は有意な相関を認め,特に自己管理,薬物 相関を示した(表5) 

LINQ の作成行程 は多数の質問候補の中から絞り込む際に,項目内

%を越える回答を含む場合,その 断し,その質問を 採用しないという手法を採り作成されている(文

項目からなる HOT 質問票を の作成手法にならい Q5 以降の

%の回答頻度となる項目が含まれてい ら,患者情報量の差を弁別できる内容 であると判断できる.しかし日常臨床における

からも 1,2 問程度の質問票とするのが

質問票の総点は労作時の酸素流量,炭酸ガ

,また予測 1 秒量とは弱 臨床上の解釈としては労作 秒量が低いほど,また についての情報量は持っ する.すなわちより重症 についての情報を有していると言 スコアが重症患者ほど良好 というこれまでの研究結果と同様の

質問別に背景因子との関連をみた結果,

ン以外は有意な相関を認め,特に自己管理,薬物

 

の作成行程で は多数の質問候補の中から絞り込む際に,項目内

%を越える回答を含む場合,その 断し,その質問を 採用しないという手法を採り作成されている(文

質問票を 以降の

%の回答頻度となる項目が含まれてい ら,患者情報量の差を弁別できる内容 であると判断できる.しかし日常臨床における 2 問 問程度の質問票とするのが

質問票の総点は労作時の酸素流量,炭酸ガ 秒量とは弱 臨床上の解釈としては労作 秒量が低いほど,また についての情報量は持っ する.すなわちより重症 についての情報を有していると言 スコアが重症患者ほど良好 というこれまでの研究結果と同様の

質問別に背景因子との関連をみた結果,

(4)

15   

Q9(酸素が使えなくなった時,使えるようになる までの間の呼吸法などの対処方法について説明を 受けているか)において,酸素処方時間が 12 時間 の患者のみ有意に情報を持っていないという結果 であった.今回の対象となった 12 時間処方の患者 の大半は携帯ボンベを処方されていない患者であ り,24 時間処方の患者よりも%FEV1,MRC,6MD が 有意に良好な患者が多かったことから(%FEV1:  12h vs.24h = 62% vs. 44%, MRC: 12h vs. 24h = 1.2  vs. 2.1, 6MWD: 12h vs. 24h = 437m vs. 334m, い ずれも p<0.001),比較的軽症な HOT 患者に対して は緊急時対処があまり教育されていないことが判 る. 

LINQ スコアと HOT 質問票の相関は良好であり,

特に薬物療法と自己管理に関するドメインとの相 関が認められた.LINQ の不良な患者,すなわち COPD の自己管理に必要な情報を持たない患者は HOT についても同様の傾向があることを示してい る.重症患者への包括的な教育の必要性が改めて 浮き彫りとなった. 

以上より,新たな HOT 質問票は従来の LINQ 質問 票と同様に重症患者ほど情報量が多い傾向を示し,

軽症患者ほど教育の必要性を示していた.しかし これは同時に,実際の診療において軽症者へどこ まで介入すべきか再検討する必要があることも示 している.対費用効果からみれば医療介入はより 重症患者から介入すべきであることは言うまでも ない.その代わりに軽症患者はできるだけ自己管 理能力を向上させて自らで管理させる必要がある.

軽症者向けの自己管理ツールも検討が必要である.

次に在宅酸素療法という視点からみた場合,厳密 な酸素療法の適用基準に則れば全ての患者は重症 であるはずだが,現実にはそうではない.特に適 用基準外で酸素が使用されている患者(多くは 12 時間処方)については,緊急時に酸素がどのくら い必要なのか,どこまで教育しておく必要がある のかを考える必要がある. 

今後,この質問票を使用して HOT 患者の介入必 要度を明確にすることで,質の高い患者教育を実

施できれば,緊急時の対応についても一定の効果 が期待される. 

   

E. 結論 

  HOT 患者の酸素療法に関する情報量を評価する ために新たな 11 項目からなる HOT 質問票を作成し た.LINQ が不良な患者は HOT についての情報も欠 落していた.HOT 質問票を利用して効率的な教育 介入を実施できる可能性がある 

   

F.研究発表  1.論文発表    なし  2.学会発表 

1)茂木  孝,第 54 回日本呼吸器学会学術講演会  イブニングセミナー18「在宅酸素療法患者の評 価・教育の現状と課題」(2014.4.26  大阪) 

    参考文献 

1) Hyland ME, Respiratory Medicine 2006; 100: 

1807–1816   

  

参照

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