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「渋谷駅構内の歩行者密度の評価」

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「渋谷駅構内の歩行者密度の評価」

13D814031L 福澤 克希

中央大学理工学部情報工学科 田口研究室

2017

3

月 1. 概要

本研究では渋谷駅の構内をネットワーク化し、各 通路の混雑状況を調べ、より快適な駅構造を考える。

2. 研究の主旨

本研究では問題化しているターミナル駅構内で の通路の混雑現象に対して、渋谷駅を例にとり各通 路の歩行者の密度を考える。また作成した駅構内グ ラフについてダイクストラ法を用いて乗り換え経 路を算出し、各通路での歩行者密度について考える。

2. グラフ化

駅の構内構造における頂点をノード、頂点と頂点 を繋ぐ通路をリンクと定義しリンクに矢印をつけ る有向グラフを採用する。座標情報を記録したノー ドを両端に持つようにリンクを定義する。[1],[2]

改札口・階段(始点・終点)・出入口・交差点をノ ード(頂点)として考え、各ノードには、識別番号、

x座標、y座標、z座標の4つの属性を記録すること にする。また、リンクについては各頂点間を結ぶ通 路をリンクとし、それぞれのリンクには、識別番号、

始点の識別番号、終点の識別番号、各点を通過する ときの所要時間(秒)の4つの属性を記録する。リン クに関しては、ノード間を繋ぐ通路・階段などに識 別番号を対応させて、始点、終点の点番号を記録す る。各点を通過するときの所要時間はT(s)とおいて、

T(s)=(始点と終点の2点間の距離) / V

※V=1.356(m⁄s) = 80(m/分)と初期設定をする。

4. 最短経路問題

求めた最短経路を一名の歩行者の通過経路と考 え,Dijkstra 法による最短経路を繰り返し求めるこ とで、複数人の歩行者が乗り換え移動を行うモデル を考えることができる。

一度 Dijkstra 法による最短経路を求めたのち通

った通路のコストを増加させることによって、再度

Dijkstra 法によって最短経路を求める際に一度目

の経路とは異なる経路が解として得られるように 設定する。

所要時間を各リンクのコストとして定める。多数 の歩行者を同じネットワーク内で移動させるため、

各通路(リンク)に通る歩行者の数に比例して所要 時間を増やしていく。歩行者は他に歩行者がいる場 合にはその数に比例して速度を減じていくことが 既存研究により明らかにされている。本研究では

John F Fruin氏が導き出した以下の関係式を用い

る。[3]

V=1.356-0.341K ※K(人⁄m^2 )

この関係式中の K(人/m^2) 通路の歩行者人 通路の長さ×通路の幅 で割った値である。

通路の幅を一律5.0(m)、通路の長さはその通路の始 点と終点の 2 点間の距離を用いる。T=(通路の長 さ)/Vとして所要時間Tを求め、この所要時間T 新たなリンクのコストとして更新を行う。

以上の操作を、最短経路を求める毎に行い、利用 したリンクのコストを更新して Dijkstra 法による 最短経路探索を繰り返す。

5. 評価

(1)乗り換えに掛かる所要時間の推移

同じ時間に、同じスタート・ゴール地点間で乗り 換えを行った際の人数と所要時間の関係を表(1)に 示す。最初の一人目は150秒で乗り換えを完了でき たが、100人目の時点では約192秒と40秒以上余 計に必要になることが分かる。仮に500人が同時に 乗り換えを行うと実に390秒かかることになり、人 数に比例して所要時間が増大していくことが明ら かである。

図(1) 所要時間の推移 1000

200300 400500

1 101 201 301 401 人数と所要時間の推移

(2)

(2)各通路の利用状況

両方向あわせて1000人の乗り換えを行ったシミ ュレーション結果を図(2)に示す。半蔵門線の階段地 点を赤点、東横線の階段地点を緑点で表示している。

通路においては、歩行者0人の通路は青色、数が増 えるに従い色が変わっていき、最も多い通路は赤色 で示されている。

また、シミュレーション結果による各通路の歩行 者数が図(3)である。

図(2) シミュレーション結果

図(3) 各通路の利用状況

600 人以上が利用するような乗り換え客が密集 している、図(2)では緑・黄・赤色で示されている通 路が5本存在した。特に、図では赤色で示されてい 73番通路は、東横線改札と半蔵門線改札を繋ぐ 連絡通路であるため、1000 人全てが利用するとい う結果が得られた。また、73番以外の 4つの通路 は、開始地点・目的地点により必ず利用しなければ ならない通路であった。よってこの2路線間の乗り 換えにおいての混雑状況を解消するためには、別の

連絡通路の設置・通路の拡張などを行う必要がある と考えられる。

6.1 まとめ

駅地図を元に駅構内の改札・交差点・階段をノー ドデータとし、2点間を結ぶリンクとして通路を定 義することにより駅構内のネットワークを作成し た。また、Dijkstra法によってノード間の最短経路 を求めることができるが、単純なノード間の距離だ けでなく通路の歩行者数も加味することで、混雑状 況に応じて複数の経路が利用されるプログラムを 作成した。

これらを用いて多くの乗り換え客が引き起こす 混雑現象と所要時間の増大を評価し、課題点と改善 策の考察をした。

6.2 今後の課題

半蔵門線と東横線・副都心線に限定してネットワ ークを構築したためJR各路線との乗り換えを想定 せず、実際とは結果が異なる可能性がある。

同一時間にて複数歩行者の乗り換えを行ったが、

実際には発着時間に合わせて一斉に乗り換えが始 まり時刻によって歩行者数の疎密は変化する。

よって、以上の要素を加味してシミュレーションを 行うとこが、必要になると考えられる。

参考文献

[1]「東京超詳細地図 ハンディ版 2014版(成美

堂出版)

[2]

http://www.tokyu.co.jp/shibuyachikamichi/index.

html

[3] John J.Fruin (著者) ,長島正充 (訳者) ,歩行 者の空間=理論とデザイン=,鹿島出 版会,東京,

1977.

0 250 500 750 1000

1 11 21 31 41 51 61 71 81 91 101 通路利用者数

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