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城下町の地域制、その面積的構成比と微地形利用について

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(1)

城下町の地域制︑

その面積的構成比と

微地形利用について

城下町の地域制,その面積的構成比と徴地形利用について

近世城下町を考古地理学的に考察するという機会を与えられた︒一見︑近世ともなると考古地理的な研究方

法の有効性が疑われるが︑少くとも城下町プランに関するかぎり︑城地・城郭とともにとれが軍機に属するため

か︑文書の形でその詳細を伝えるものは稀であり︑との種の研究方法を援用じて追求すべき幾多の問題がのとされ

ている︒たとえば城地︑城下をヲン・セットとみて︑これらの巨視的な立地分類(正陵端・臨海・臨湖位置などの

ごとし)を行なう試みや︑城下における地域制の大概については︑すでに報告しつくされたかの如くであるけれど

も︑より技術史的に検討を深佑すべき分野が少くない︒

たとえば城下絵図についても︑これを歴史地理的研究の材料として用いる以前に︑地図学史ないし測量術史の視角から考証する仕事があるが︑これがほとんど未開拓であるように思う︒またたとえば︑慶長期をピlクとする新 城下町建設期は︑空前の木材ブlム・建築ブlムであったであろうことが想像され︑それに要した属大な資材の用

達組織・運輸方法などにも興味をひかれるが︑とれを具体的に述べている史料はきわめて乏しい︒

185 

芳古地理的方法の適用対象として︑より恰好のものは︑現在の遺構や地籍図による町割・屋敷割の復原であろう︒浅野清氏が試みられた名古屋城下の碁盤割地域における一ブロックの基本プランの複原などがこれに属する︒

(2)

186 

このような精轍な復原作業をつみ重ねてのちに︑諸城下を対比するととにより︑名目上の縄張役人ではなく︑実際

のプランナーおよびその町割技術の流派・系譜などが明らかにされる筈である︒

またたとえば治水・利水の問題をあげうる︒従来の研究では︑城下町といえば専ら水系の軍事的・防禦的利用︑

ないし水運に重点がおかれがちであったが(││それも濠の水源︑濠の水位維持方法など水理学的な分野にはほと

んどふれられていなかった)︑武家・町屋人口合せて数千1数万を容れる新城下を建設するについては︑プランナ

ーはその人口規模に見合う飲料水・日常用水の取得についても︑ある程度の目算をたてて立地を選定したにちがいない︒用水路の聞きく︑水道敷設については若干の城下について報じられているが︑より陸水学的な調査を加える

ならば︑城下町経営に関し︑見落されていた一知見を加えうるかもしれない︒

以下︑この種の問題として︑‑従来︑断片的史料からの推算にとどまっていた地域制の面積的構成比と︑E城下

の洪水対策と地域制との関係ともいうべき側面についてのべたい︒もっとも工は必ずしも考古地理的方法と称する

Eもまた考古地理的研究の予備段階としての関係文献による予察であるにすぎない︒しかしともに江

一戸時代の史料の欠を埋める研究方法ないし分野の一つとしてことにとりあげた︒

侍屋敷・町屋地区の面積比

城下町のマスタープランにおいて︑標記の比率を如何ほどにするか︑知何ほどになっていたかは︑諸城下の構造︑

ひいては後述のように明治以後における都市の地域構造を規制する重要な契機であるが︑それを伝える江戸時代の史

料はきわめて限られている︒目下︑手もとにあるデlタを一括整理したのが第1表である︒その故か︑両者の比率を

(3)

諸城下における侍屋敷・町屋別の軒数・面積・人口一覧

その他

1

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山川同

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(4)

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江 戸lclihfij (21569.68125m.6c1C17(100%l│  11即 幸 田 : 回 (100%)11 

1 1  

豊 橋11 〔 吋 (100%)1 

876  (10I0%714  l 明治 5~鵡31P

(51.1) 

何│ (10 l (70.0)  1(0100,附ooo明治初切器,醤岡田費:近世城

大垣│ 2231207;

1 1 (67.1)  (20.7)  (12.2)1  (1   

松 本 l

1 1

  (47.5)  (52.4)  (iimll 101松本市史

( M l   11明治7 1革関職

(15.7) 

松 代l (34.1)  (617)  (4.928)  (120902%97)1  i月治5F1h25を含む

(l513.511  (1482.98)9   (12006%40  正徳3長岡市史 長 岡 (l5007..211 9  ()  4I97.921  (13004095%4 0 )  明治3向上

E6210.90 213.44)  E152.75〕 〔1591003 明治前日本土木史

(5)

2000 

(466O.700  6000  高田市史,勢印,小

(33.3)  (100%)  野:近世都市の発

高 田 1805 3333  5138 

(34.9)  (65.1)  (100.%)  (60.0)  (25.0)  〔社寺15) (100%) 

I086  14909  15995  13443  10(79000  120OOO〉 寛宝暦政  5 金沢市史 金 沢 (6.8)  (93.2)  (100% )  (11.1)  .9)  (100% 

(66.7)  (33.3)  (100%) 

福 井 (24  (173111 00%)  1寛 利 福 井 市 史1

彦 根

l

 11 (54.2  (41. 4  (100% l

水 口 (20204 .8)  (7978 .2)  (100%) 9841  l 5臨銃器禁及

上 野11 (31. 2)  (100% 31I明治51山 森 : 城 下 踏 襲の歴史地理 和歌山 1680 7910 弘化3:,市町は

(30)  (70)  (100%) 

カマド数 15000  12869  27869 享保8 郡山町史 '(53.9 (46.1)  (100.%) 

郡 山

15O00  7335. 00  22500 寛政10向上 (66.7)  (33.3)  (100%) 

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.... 

(6)

174 「寸 │ 

 11 M4811  1西 本 : 噺 町 に (21. 5)  ( 似 明 治5言語る明 期の

1 1  

4:

(100%  の成立

(44.4)  (55.6)  (100% 1 1幕 末 ! 神 : 岸 伽 城1 8 7500  27唱針作:姫附町

(17.0)  (82.4)  (100%)  (27.3)  (100%)  造の形成と地

鳥 取

l

 11 (71. 0) 

( i ; 3 1

文化7 1鳥取市史

3開~II ~;f[]4 :[

松 江 ~;)'*.笹川 V土日.U)I  (100%) 明和4 山史料 (T)

岡 山

l

7735al

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11Oh0O2M41M

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津 山 11 LrUにdヴ.ヴ~sl ?~;. ~sl

福 山 11 I̲UU・I.JI l.o.Jo.Jo.J.J1 OOO%JII 

~~~II

3 0

l

広 島 (AO '7¥  rに唱 ..1¥  17 パ 川oハ 寛 文3 備国郡志 (T)

(7)

820 57 877 (93.4) (6.6) (100%)  慶安4岩田市史 岩国 689 141 830 (83.0)/‑(17.0) (100%)  元禄17

731 227 958 (76.3) (23.7) (100%)  享保16 山口11 190 1, 544 (咽(10.9) (89.1)  8000 4000 12000*¥ 4060. 00 20000 6OOOF4 OO (66.7) (33.3) 熊本市誌(100%) (66.7) (33.3) (100%) 

細尋l 熊本70.0J(30.0J (100%J  肥後国志(T) (66.7J (33.3J (100%J  熊本市史 (70.0J (30.0J (100%J 鹿児島 ‑鹿児島県史

16794 4(8 941 3577457509 文政9鹿児島のおいたち(29.2) .5) (62.3) (100%)  (T) r:日は豊田武『日本の封建都市』による。備考欄の出典のうち,

1民t‑Qぷ盗事話会J,.s)(' yt-J-(lþ<~師会J<\hS制眠時むヰ主人J,.ß)'l-\J~~Þ<朴用心~il民議員寧本・占吉岡E品jj:A.J :,. J(¥躍1実家再Q相組員斗

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(8)

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σ3 

2表彦根城下における禄高別屋敷分布と町別平均屋敷規模の若干例

1

郭 │ 西

高ト川r>5001>300I >100 

11 25 

14 

10 

10  39 

13 

10 

24 

16 

10 

14 

50

I

50同屯(出「跡的

l

建蔽率(%)

1 1

  871.1 l

374.5  80 21. 7  265.3  73.5  26.8  416.7  77.6  18.7  304.3  90.0  29.6  227.9  62.2  27.4  549.2  78.5  14.4  290.5  92.5  31. 8  227.1  57.8  25.4  303.0  66.0  21. 7  186.0  58.7  31. 5  217.3  57.7  26.5  19  180.5  51. 5  28.6  126.2  66.0  36.5 

第 4 郭|江戸 ~II I  18  I  3 I  2  11 1 o 52.0  I  28.5  禄高階層別分布は「寛延2巳年家並並分限帳J(努印石ケ崎,内大工町は「御家中衆分限居町以呂波付帳J,屋敷規模は

「明治4年彦根藩士族卒族戸籍簿J(彦根市立図書館蔵)より計出。

(9)

敷における規模の階層性の著しさは︑到底︑広狭をおしなべて対等に﹁一軒﹂として数えうる程度のものではない︒

たとえば広島(享保頃)では家老など藩重役クラス平均二︑五

OC

坪に対し︑歩行組以下の平均は七二坪にすぎな

@

 

ぃ︒この詳細については︑先に詩城下を対比しつつ報告してあるので︑ここでは後述との関連上︑建蔽率の判明して

城下町の地域制,その面積的構成比と徴地形利用について

いる彦根城下の場合を表示するにとどめる(第2

表 )

ついでに@の人口比についても︑ほぽ同様のことが指摘できる︒第1表の広島︑正徳五年の人口は﹁広島藩覚

書﹂に拠っているが︑武家人口は明らかでないので﹁その屋敷数から推定人口を考え﹂たものであり︑

奉公人を抱えていると見られる侍屋敷一軒前には平均二O人前後の居住人口を推定し︑歩行以下拝領家については

O人として﹂推計されたものである︒夙に小野氏は﹁侍屋敷数と町屋数との比率によって︑武士団成員総数

を推算する事は︑唯弘前城下の屋敷別一一人五弱の平均人口しか知られていない現在に於ては︑大きな危険が伏在

すると云わねばならぬ︒要するに城下町の総人口の算出は近世都市研究上に於て今後に残された重要問題の一であ

③ る﹂と述べておられるが︑﹁一軒﹂がごカマド﹂を意味している場合を除けば︑侍尾敷の居住人口にみられる多

寡の較差は︑諸階層を一本にして︑平均一O人とか二O人とかで括れる底のものではない︒とれに対し町屋の場合

は︑各町において平均一軒当り人口に多寡があり︑それが町筋の﹁殿盛を語る﹂尺度となるとしても︑その較差は

① わずかである︒この件についても︑先に別稿でふれてあヤ

さて第3

O年前後の調査にかかる﹁府県地祖改正紀要﹂において﹁士族邸地﹂を別記している旧城下をとりだし整理したものである︒夙に飯沼氏にとれを用いての論設があるが︑上述のごとく︑との件に関しての江戸時

193 

代の史料はきわめて断片的であり︑しかもとれは城下町プラン考察の基本的データと目しうるので︑敢えて大きな加

(10)

市町同 3表諸旧城下における侍屋敷・町屋地区別の面積および地価一覧

100坪当り 左(町屋) 同 左 ( 侍 屋 敷 ) ③町屋面積侍屋⑥敷面積 @=③+⑥(f)/@ 地 価

屋lf.fm~1 ~ ~

侍 屋 敷 最 高

最 低 最 高 │ 最 低

1 10.0 1401526  1260902  2662428  47% .3 14O71  3604  37801 (24)  1525 ( )15851 (24)  1525 

② 八 2.0  267613  580314  847927  68.4 12699  2349  57230' (17)  3056 (14)  5347 (22)  1719  3 1. 220718  26128  246927  10.5  9956  5045  34364 (14)  1615 (10)  7422 (11)  4639 

④ 黒 1. 422515  41420  464005  8.9 11520  6454  51654 (14) 仇 ~~~I~ ~ ~刊9(3) 5947 

5 62.5 721913  2304014  3025927  76.1 55053 10388  150000 (7 )22, OOOi( 6 )31, 300 (21)  3500  6 3.0'  232916  184321  417308  44.1 85464 27858  117632 (9 )23, 526 (1 )35, 290 (7 )14, 116  7 20.5 578426  1747600  2326026  74.1 28917  3722  126667 (59)  1, 466: (19)  8, 267 (59)  1467  7' 545616  61323  607009  10.1 18786  4433  93333 (26)  2335 (16)  9333 (30)  2667  7'角 194220  234619  428909  54.7 12246  3659  33333 (26)  3000 (15)  5000 (30)  2467  8 2.0  289103  417408  706511  59.0 26016  5046  86667 (22)  3200 (10)23000 (24)  2133  9 2.0  80326  235523  315919  74.5 11973  3954  16667 (19)  1333 (5) 6833 (19)  1333 

@ 矢 1. 59006  60804  119810  50. 7 12009  2309  20000 (7) 5500 (8) 3000 (12)  1433  (l1J 142425  453618  596113  76.1 31199  2644  56667 (19)  2332 (11)16667 (24)  1500  12 17.0 976923  1019603  1996526  51. 0 41834 18579  106027 10)11297mH(l)100692 (10) 11273  13 1 2.5  84506  307418  391924  78.4 36282 11200  46296 (5) 9, 9201 ( )33, 740 (5) 9922 

参照

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