Title
高圧水蒸気を用いた木質資源の有効利用( 内容の要旨
(Summary) )
Author(s)
京盛, 健一
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(工学) 甲第229号
Issue Date
2004-03-25
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/1950
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。氏 名(本籍) 学 位 の 種 類 学位授与番号 学位授与日付 専 攻 学位論文題目 京 盛 健 一(福井県) 博 士(工学) 甲第 229 号 平成16 年 3 月`一25 日 環境エネルギーシステム工学専攻 高圧水蒸気を用いた木質資源の有効利用
(Effective Utilization of Woody Resources by the High-Pressure Stream Treatment) 学位論文審査委員 (主査) (副査) 授 授 教 教 助 妻 彦 寛 明 宏 光 弥 水 橋 富 田 清 棚 守 吉 授 授 授 授 教・教 教 教 箕 浦 秀 樹 重 松 幹 二
論文内容の要旨
環境問題とエネルギー及び資源の枯渇が叫ばれる現在、環境負荷が小さく持続生産可能な資源とし てバイオマスが注目されている。エネルギーやプラスチックなどの多岐の分野に渡って、様々なアプ ローチによるバイオマス変換方法が検討されており、特にバイオマスの大半を占める木質バイオマス は、石油代替の次世代資源として期待されている。同時に、地球温暖化の抑制と生態系の保全・安定 を目的とした森林の保護・育成が重要視されてきており、衆掛こ優しい循衆型社会を構築する上でも 木質バイオマスの有効利用は重要になってきていると言える。これら資源は膨大な不遜皇ではあるも のの、十年単位の再生期間を必要とするため、効率良くカスケード的に有効利用を行い、最終的には エネルギー源としての利用や土壌還元されるような循環型システム社会の構築が必要となってくる。 そこで本研究では、木質バイオマスの有効利用を担うべく方法の一つとして``高圧水蒸気を用いた 木質資源の有効利用,,方法を提案し、木質廃棄物や未利用森林資源の再資源化、高機能・高付加価値 化について検討を行なった。木質廃棄物の中でも特に製材工場などで大量に廃棄される加工クズに注 目し、それらを用いたバインダーレスボードの開発を行なった。この研究の目的は、前述のような地 球規模で考える環境保全という観点に加え、地域や生活レベルで生じている身近な環境問題(焼却処 分の問題、製造工程における薬品負荷皇の低減、ホルムアルデヒドやVOCの抑制対策等)の解決策 の提案という側面も持っている。 実用化を視野に入れた開発を進めていくにあたり、調製したボードの基礎物性を把握すると同時に、 加工中の材料に生じる様々な変化を解析するで、最適な加工条件の選定と装置腰計の目安となる基礎 データを収集した。材内温度分布の変化、プレス工程における応力分布変化、高圧水蒸気による木材 物性や構成成分の変化などを調べることで、処理条件とボード物性との相関を得ることが出来た。 またバインダーレスボードの開発と並行して、木材中に存在する有効成分を高圧水蒸気によって蒸 留・抽出する方法の開発を行なった。高圧水蒸気を用いることで、薬品を一切用いないで抽出成分を採取する事が可能であるこの加工法の有効性を検証すると同時に、抽出残査を原料として作製したボ ードの物性試験を行なった。その結果、有用成分が高収率で得られると同時に、十分な強度特性を持 ったボードが製造可能であることが確認できた。 以上の実験結果から、高圧水蒸気を用いた木質資源の有効利用法の有用性を確認した。薬品を一切 用いずに高圧水蒸気のみで加工されたボードは、その製造工程において環境負荷が少ないだけでなく、 サーマルリサイクルや土壌還元する際に有害物質を排出せず、持続生産可能なカーボンニュ⊥トラル な材料である。本研究の成果を踏まえ、この加工方法をベースとした量産システムの開発と普及が進 むことで、木質バイオマスの有効利用促進が大いに期待できる。