測色値による半炭ヒセルロースの改質評価
再生可能資源のつとして木質系バイオマスが注目 されている。木質系バイオマスの改質方法のーつに"半
炭化"(1998年,本庄,佐野により考案ト')があり,
英語表記では"torrefadion"が用いられている半炭化 の特性の概略を以下に示すなお,詳細については, 例えば文献3),4 のレビューを参照されたい半炭化 の第1の特長は高エネルギー収率を保持した状態での発熱量改質である5 これに加えて微粉砕に要するエネル ギーの大幅な低減も可能となる茆"このため,石炭火
力発電所の混焼用燃料として半炭化燃料が注目されている田また,半炭化処理による疎オく性付与,而"万性付 与U は,エネルギー利用のみならずマテリアル利用と
しての用途拡大にも結び付くことが期待できる。半炭化 処理を施した木質系バイオマスの特性(元素割合,発熱
量,エネルギー収率,粉砕エネルギー,疎水度等)は熱
分解温度,熱分解温度保持時間,昇温速度,樹種等の影 響を受ける本研究では半炭化処理を施したセルロースの分光反射 特性から得られる CIE1976ι、α'6、色空間の座標値であ
徹 澤井
近畿大学バイオコークス研究所
郎 片山
近畿大学生物理工学部
【緒言】
ア=40OC
yM = 0.34
る測色値(ι、,α', h')を用いて,半炭化セルロースの 特性を非侵襲的に評価する方法について検討することを
目的とする
実.験に用いた試料はセルロース aldrich社:粒径
20μm以下)であり,漂白されている試料の半炭化処
理は砂浴法を用いて電気炉で行った砂に用いたアルミナの温度を r=220 400での範囲内で設定し,セル ロースの熱分解を行った熱分解後に得られる半炭化セ
ルロースは質量収率 yM(熱分解前後の絶乾状態の質量
比)で整理した。半炭化セルロースの分光反射特性の計測は分光測色計 (コニカミノルタ社・ CM‑250od)を用いた。反射特性 の視野は直径8mmの領域である得られた反射井手性は 3釦nm 740nmの区間を10nm問隔で数値積分するこ
とでし、,α、,6',を決定した
半炭化セルロースの兀素分析は有機兀素分析装置を用 い,絶乾試料に対する炭素,水素,酸素の質量割合を計 測した
【実験試料・装置・方法】
フ= 105゜C γ= 1
....
r=220 C γ=099
7 280C
yM = 0.62
フ= 30OC yM = 0.56
Fi8.1 Torre6ed ceⅡUlose samples フ=250C
γ=097
7 270C γ=092
r 350C
yM = 0.39
ー]ー
【測色値と質量収率γ,の関係】
Fig.1に各熱分解温度 rで得られた半炭化セルロース の写真を示すまた, Fig.2に熱分解温度Tに対する質
量収率YMの変化を示す。 r上昇とともに,熱分解が進行し揮発分の放出により yMが減少する。特に図中の 一点鎖線で示す r=270‑280での区間で yMの急激な
減少が認められ,セルロースの熱分解が急速に進行していることがわかる。この熱分解過程とF喰.1に示す半炭
化セルロースの色変化を対応させた場合,熱分解過程進 行に伴い黒色化していることが分かるしかしながら, r=270でまでと r=280で以上の温度領域では色変化の 特性が異なり, r=270でから280でで急錫1な色変化が認 められる半炭化物の特性は,熱分解温度の影響を大きく受ける ため熱分解温度の関数として表すことが考えられるし かしながら,熱分解時の保持時間が変われば半炭化物の
特性も変化する'ことから,本研究では半炭化物の特性 を質量収率 yMの関数として与えることができるものと し,測色値から yMを推定するための実験相関式を検討
澤井 徹,片山一郎
する
F喰.3に yM に対する明度ι、の変化を示す yM=1か
ら0.9ヘの変化に対してし、=100付近から単調に減少 し,図中に示す指数関数を用いて両者の関係を近似できる。一方, yM く0.9の領域では,ι'=20でほぼ一定の 値となり,ι、に及ほす yMの影響はほとんど見られな
くなるこれより,1 塗 yM 塗 0.9の区間,すなわち,
半炭化セルロースの明度がし、塗30を満足する場合には,ι、から yMを推定するための実験相関式として次
式を得ることができる>、
yM
0.5
Fig.4に yM に対するα、の変化を示す。 yM く 0.9の 領域(L、<30の領域)では, yM 減少とともにα'は単
調に減少しα'=0,すなわち無彩色に漸近していく y<0.9の領域でα、と yMの関係を図中の指数関数で近 似できる Fig.5にし'とα、の関係を示す。図中 yM‑1
は漂白された未処理のセルロース試薬であり,α、=0, ι、=100の測色値を有することから無彩色の白色である10.9 1n
0
F喰.2
Ce11Ulose
rで
Variation of Mass Yield with pyrolysis Temperature 100
80 200
Ce11Ulose
暑
300
10
、Q
ι、=0.0017expu09γM
Ce11Ulose
400
暑
越
5
82
.
0
0.6
0.4 0.8
yM
Relationshゆ between Mass Yield and ι、
Fi8.3
40
* 9
α=0.0236exp(8.O M)i
0.4 0.6 0.8
γM
Relationshゆ between Mass Yield arld a、
02
ι=30
*
0
く刃(b
Fi8.4
0
ー'1‑'ー
*
15
6
10
、
暑
越
ι=30
*
60 5
yM=1 100
+
‑2‑
Ce11Ulose
++
→干
20
Fi8.5
ι
Relationship between ι、 and a、
ι0
一+'"
0000008642
0ことがわかる。図中の矢印は yMの減少する方向,すな
わち熱分解の進行方向を表している熱分解進行に伴い,α、は100>ι、>30の領域で一旦増加した後,一定の 値となり、ι'=30で減少に転じる Fig.4に示した式は
ι、<30の領域におけるデータの近似式であり、α、からyM推定のための実験相関式として次式を得る
測色値による半炭化セルロースの改質評価
yM 8.07
Fig.6に半炭化セルロースの yM を測色値から推定す
るためのフローチャートを示すΞ、=30で与えられる明度の閥値から,0.9 室 y 室 1と yM く 0.9の領域の判別 が可能となる F喰.3と Fig.4に示された各領域の近似
式の逆関数として得た式①,②の実験相関式からyMの決定が可能となる。 F喰.7に実験相関式から得られ た yMの予測値と実験値の比較を示す両者士 1000の
精度で予測できることが確認できる1n α*
0.0236
【半炭化セルロースの元素組成推定】
半炭化セルロースの種々の特性がyMの関数として与 えられるとすれぱ, Fig.6に示す実験相関式を用いて非 侵襲的に、測色値→yM→半炭化特性の流れで特性評
価が可能となる。以下にその一例を示すFig.8に半炭化物の炭素,水素,酸素の質量含有割合 C, H,0 と yMの関係を示す。図中に示されているよ うに,いずれの元素も与えられた yMの範囲に対して線
形近似できることがわかる。これら近似式をまとめてC, H,0予測のための実験相関式を Fig.9に尓す
Fig.10は,半炭化セルロースの測色値から Fig.6, F喰.9により推定した炭素,水素,酸素の質量含有割合
を実験値と比較したものであるいずれの図において も,土 10%程度の精度で予測可能であることから,本 研究で提案する測色値を用いた実.験相関式の有効性を確 認、することができる
半炭化セルロースを燃料として利用する場合,その発 熱量の推定が重要となる。高位発熱量HHVの推定式の
一例として次式が提案されてぃる捻
Yes 09
yM‑yM(ι*)
γν 10.9
ι*
1" ι 00017
30
Fig.6
γ
Experimental correlations to predict Massa Yield Of Torre丘ed ceⅡUlose
yM く 0.9 yM=yM(α*)
yu=^In
Hyd少ogeπ 331γ、+297
n0
Ce11Ulose
0.0236
Oxygeπ 41.8γ、+933 00
十10%//
0.4 0.6 0.8 02
(yM)休P
Comparison between predicted Mass Yield (y八1) 飢d ExperimentalData (yM)軟P
Fig.フ
C=・44.4γM+869
,0
γS
0=41.8γM+933
、1096
82
H=331γM+2.97
0.4 0.6
Ce11Ulose C H 0
F喰.8
yM
Variation of c, H, o with Mass Yield
ノJ
0.8
Carb0π
44.4γ+869
γ
Fi8.9
‑3‑
C, H,0
Experimental correlations to predict c,鳳 o of Torrefied ceⅡUlose
a b
0 △口
谷ミ◎︑U
*
ノ ゛>=
1一 一
J
J
"
ノ
ノ ノ
9 ,, 0
ノ
J i
ノ一
"
J
住(Σど
18642 0000 00008642
HHV[UP々g]‑0.4571XC[%]‑270
(3) この式によれば, HHVがCの関数であるため,本研 究で提案する実験相関式から測色値を用いた半炭化セル ロースのHHV評価も可能となるノ
Ce11Ulose
澤井 徹,片山一郎
2S。
+10ツg'
ノ
ノ ノ
/加
【結言】
測色値を用いて非侵襲的に半炭化セルロースの特性を 評価する方法を提案した。
D ι、=30で与えられる明度の閥値から,0.9 室 yM 室 1 と yM く0.9の領域の判別が可能となる。各領域で ι、あるいはα'の関数として yMの実験相関式を提案 した yMの予測値と実験値の比較から,土10%の
精度で予測可能であることがわかった2 半炭化セルロースの測色値から Fig.6, Fig.9により
1隹定した炭素,オく素,酸素の質量含有割合を実験イ直と比較したいずれの元素も,土10%程度の精度で 予測可能であることから,本研究で提案する実験相 関式の有効性を確認した
【参考文献】
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^^/
ノ ノ
ノノ ノ
ノ
ノノ
ノノノ
ノ
ノ ノノ
ノ
ノノ
30
ノ
.
40 50 60
(の獣P ツ0 (a) carbon content
ノ ノ
Ce11Ulose
70
4
2
80
00
//ノ、/‑109佑
.
+10ツ0/ノ
ノ^
ノ一 ノノ
ノ ノ
ノ ノ
ノノ ノ
ノ
ノ
ノノ ノノ
2 4 6
(1D獣P ツ0 (b) Hydrogen content
ノ ノ
ノ
Ce11Ulose
8 10
10 20 30 40 50 60
(0)獣P %
(C) oxygen content
F喰.10 comparison between predicted carbon, Hydrogen and oxygen content and Experimental Data
//ノ/、1096
00
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