• 検索結果がありません。

英語プレゼンテーションの指導法についての考察

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "英語プレゼンテーションの指導法についての考察"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

英語プレゼンテーションの指導法についての考察

竹内春樹、ジェームズ・オルダネス

R e s e a r c h  on t e a c h i n g  how t o  make an E n g l i s h  p r e s e n t a t i o n  

Haruki Takeuchi*. James 01demess** 

Abstract 

Each year a national English presentation contest for colleges of technology is held in Tokyo. Prior to the national  contest, a prelirninary regional contest is held in the Kinki District. If a team wins or places second in the regional event,  they can attend the national contes. tTo prepare for the events, our students are instructed in presentation skills during  E.S.S. activities. Our team, which consists ofthree students, has won in the Kinki Disictcompetition three times out of  the past six contests and has also participated in the national contests. In order to present a skillful 10‑rninute English  presentation in these contests, it  is  necessary to give appropriate advice to the students. Processes consist of deciding a  theme, developing the story, writing the English manuscript, teaching pronunciation, making the PowerPoint(C) slides,  and teaching the skills needed to perform on stage. This kind ofproject takes more than eight months ofpreparation, but  the  result  for  students  is  a great feeling  of achievement.  The students  also  realize  the  importance of making an  appropriate presentation which is  an indispensable part of communicative ability they need for their life in the future. 

Keyword  Theme, Content, English pronunciation, Power Point, Attainment 

.はじめに

高等専門学校では、全国高等専門学校英語プレゼンテー ションコンテストを開催している。また近畿地区でもそれ に合わせて、近畿地区高等専門学校英語プレゼンテーショ ンコンテストを開催している。それぞれのプレゼンテーシ ョンコンテストは、プレゼンテーション部門とスピーチ部 門に分かれている。プレゼンテーション部門は学生が3名 一組となり、パワーポイントを使いながら、 10分以内の プレゼンテーションを行うものである。勤務校は、 6年前 に始まったこれらのコンテストに参加、そのうち3回はプ レゼンテーション部門で近畿地区大会を勝ち抜き、全国大 会に出場している。またスピーチ部門では、全国大会出場 を1因果たしている。この全国大会へは、プレゼンテーシ

*近畿大学工業高等専門学校 総合システム工学科(共通教育)

**近畿大学工業高等専門学校 総合システム工学科(共通教育)

ョン部門では、全国の高専のうち予選を突破した 10校だ けが出場できる。スピーチ部門では、 16名が出場できる。

本研究では、主にプレゼンテーション部門の指導法につい て考察するものとする。プレゼンテーション指導は、E.S.S. の活動として行っている。活動は、参加学生募集、テーマ および構成の決定、英文作成、発音指導、パワーポイント 作成といった多岐にわたる。この論文では、それぞれの段 階について述べるものとする。

2. 

プレゼンテーションコンテスト

2. 1 大会概要

前述のように、全国高等専門学校英語プレゼンテーショ ンコンテストと近畿地区高等専門学校英語プレゼンテー ションコンテストがある。全国大会の主催団体は、一般社 団法人全国高等専門学校連合会と全国高等専門学校英語 教育学会である。その目的は、実施要綱によれば、「全国 の高等専門学校における学生の英語表現力の向上、並びに 学校問の親睦・交流を図りもって国際感覚豊かな技術者の

‑87一

(2)

育成に寄与することを目的とするJとなっている。近畿地 区大会の主催団体は、近畿地区高等専門学校英語プレゼン テーションコンテスト実行委員会である。その目的は、実 施要綱によれば、「近畿地区における高等専門学校生の英 語力を向上させ、国際的に活躍できる技術者の育成に寄与 するとともに高等専門学校間の文化系活動の交流を促進

させるため」である。

近畿地区からは、プレゼンテーション部門で 2校が全国 大会へ進出できる。またスピーチ部門では 2名が全国大会 へ進出できる。

審査の基準は、テーマ・構成が30%、英語30%、パワ ーポイントが20%、プレゼンテーション後の審査委員に よる英語での質疑応答が 10%、チームワークが 10%であ る。審査委員は3名で構成され、全国大会では、そのうち 2名が英語を母国語とする審査委員で、近畿地区では1名 が英語を母国語とする審査委員である。

2.  2 これまでの勤務枝の結果

これまでに行われた大会の結果は、以下の通りである0

l回大会 (2007年度)

近畿地区大会スピーチ部門で低学年の部優勝、全 国大会出場

2回大会 (2008年度)

近畿地区大会プレゼンテーション部門優勝、全国

大会出場3回大会 (2009年度)

近畿地区大会プレゼンテーション部門優勝、全国

大会出場5回大会 (2011年度)

に感じる。

参加学生の特徴として、英語が得意という学生が多いが、

もう一つはプレゼンテーションへの興味関心の強い学生 が集まる傾向にある。ただ単に英語が好き、得意というだ けでは参加への熱意は強し、とは言えないようだ。英語が好 きでも、人前で話すのは苦手という人もいる。ただ指導者 としづ立場から言えば、チームの核となる学生を養成する ことが必要になる。

これまでのコンテストを見ていて感じるのは、同じ学年 で3人のチームを構成している学校と、違う学年で3人を 構成している学校があることだ。学生の層の厚さという観 点から言えば、同じ学年で3人をそろえてくる学校が層が 厚いといえるだろ。ただし、学年が違う方が、毎年の継続 した指導という点からはメリ ットがあるかもしれない。

3.  2 テーマ及び構成の決定

コンテストの審査基準を見ると、テーマ・構成が30点 となっている。したがって、ここで述べる内容の決定は、

コンテスト結果に大きな影響を及ぼす。

基本的にはテーマについては、学生と教員がアイディア を出し合い、その中でストーリー展開がうまくいきそうな もの、また興味を持って聞いてもらえそうなものを決める ようにしている。特にプレゼンテーションのメンバーが行 っていることで、高専らしいテーマを選んでいる。高専生 に関係、があり、しかも学生、教員が関心を持つものがテー マとしてふさわしい。 このテーマの選定作業は意外と難 しい。そのために何度もミーティングを重ねる。教員が司 会を務めているが、学生の意見で「これはいしリというも のに対して、感性を研ぎ澄ませ、選択する必要がある。 近畿地区大会プレゼンテーション部門 2位、全国 テーマ決定の次は、構成を考えることになる。構成で大

大会出場 切なことは、わかりやすく、説得力のある構成になる。イ

3.  発表に至る過程

3.  1 参加学生募集

毎年4月の始業式でクラブ活動の学生を募集している。

そして数名の学生がE.S.S.に入ってくる。その中で、プレ ゼンテーションとスピーチの割り振りを行う。基本的には、

本人の意向を尊重するようにはしているが、プレゼンテー ションは3人が必要であり、その数に満たない場合、プレ ゼンテーションを行つてはどうかと誘うことになる。幸い 今までのクラブ活動で、プレゼンテーションのチームが組 めなかったことはない。スピーチ部門の活動もいいのだが、

プレゼンテーションには、みんなと仕上げていくという楽 しみがある。最後は連帯感が生まれ、達成感も大きいよう

ンターネットや図書での情報収集、現地調査、実験やアン ケート調査といった方法で、内容を構成してゆく。高専ら しいテーマを要求されるが、高度で難解な専門家しかわか らないような内容は実施要綱で禁止されており、だれが聞 いても理解できる内容に仕上げる。これも教員が司会をし ながら、学生の意見を聞いて構成してゆく。

プレゼンテーションに向けての活動で、テーマ決定と構 成を考えることが、すべての過程で一番の山場かもしれな い。発表者が主張したいこと、分かつてほしいことがこの 段階で決定されるからだ。また主張が分かつてもらうよう に、内容を整理していく必要がある。結論をわかってもら うまで、の過程を丹念に一つずつ論じてゆく。構成として、

問題提起、それに対するアクション、そのアクションの効 果の分析、結論といったような構成が考えられる。従来、

学校では、序論、本論、結論といった内容が教えられるこ

‑88‑

(3)

とが多かったが、特に本論という言い方では、焦点が定ま らないので、もっとはっきりした表現を使う方がいし1。た とえば、現地調査でも、現地の活動でもいい、直接的な表 現でそのセクションをまとめる方が、的確な表現で展開の 構想がはっきりと認識できる。構成の主なものについては、

Billingham  (2003: 2841) に記載されている。

この構成をしっかりとしたものにするために、学生が実 践していることを扱うのが適切と言える。実践しているこ とは、内容に説得力を与える。例えば本校のプレゼンテー ションでは、第5回大会で、省エネのために学生が行った 実験結果をテーマとした。テーマが受け入れられるために は、わかりやすい具体的なものが好まれるように感じる。

3.  3 英文作成

構成が確定したところで、英文作成となる。英文は、 3 人の会話の部分がほぼ同じ量になるようにすることが規 定されている。英文はわかりやすく、聞いている人が納得 するように書く必要がある。そして、テレビドラマの原稿 と同じで、書いた文書に会話としての勢いがあることが必 要になる。聞いた人がまるでその場での会話と思える印象 を持ってもらえる内容に仕上げる。

そして制限時間10分を考えた量にする必要がある。大 会当日は9分間で話すことができれば、最も量的に優れた 英文となるだろう。

3.  4 発音指導

原稿を渡して、最初のころは、一人ずつの音読を求める。

3人一組で読んでも、所々で止めて、発音の修正を指示す る。一語ずつの発音から、文全体の発音まで指導する。 f やv、lやr、thの発音に特に注意する。英語発音の初心 者は、各単語を日本語のように、一語ずつ切って発音する ので、単語を続けて発音するように注意する。特に、教員 の読みに続けて読ませる方法が効果的なようだ。これを続 けていると、次第にずいぶんと読みがうまくなる。英語独 特のリズミカルな読み方がで、きるようになる。

発音については、発音が完全でない人々でも、第二言語 を流ちょうに話す能力を持っており、多くのネイティヴス ピーカーを超えているという意見もある (Brown2000:  60)。またHarmer(2001: 184)も、英語を勉強する学生は、

理解してもらうに足る発音をすべきだと述べている。これ らの意見は発音の完壁性よりも、わかってもらえる英語を 話すべきだという意見である。しかしプレゼンテーション に出場する高専の学生に対しては、なるべく発音を磨くこ とを期待することは言うまでもない。

時間の測定も重要だ。 10分の制限が設けられており、

それを超過すると減点あるいは失格となる。日頃の練習か

ら、時間を測定してそれに備える。最初はその制限時間を 超える時もあるが、発音に慣れると、全体的にスムーズに 行き、制限時間内に収まるようになる。

発音が良いことが重要だが、プレゼンテーションでは、

声の大きさも求められる。声を聴衆に向かつて遠くまでと でけることが必要である。

3.  5 パワーポイント

パワーポイントについては、学生が作成し、教員がそれ に対しアドバイスを与える形態をとっている。高専の学生 はパソコンに強い。さらに本校の学生は常に効果的なパワ ーポイントを作成しているように感じる。第5回大会の場 合、エコな生活というテーマで、三つの実験を行ったが、実 験に関する様子や結果を、写真や図表で表した。

パワーポイント作成のポイントは、分かりやすいもので あるが、作成時にあまりテクニックを使いすぎないことが 重要かもしれない。確かに、パワーポイントではいろいろ なことができる。字を点滅させたり、様々な回転をさせた りできる。でもそれがかえって見ることを、困難にするか もしれない。パワーポイントを見やすくするのは、あまり テクニックを使わないことといってもいいかもしれない。

コンテストで重要なことは、決してパワーポイントにでき ることを全てさせることではない。

3.  6 質疑応答

10分間の発表の後、審査委員から英語で質問があり、

学生はそれに対して英語で答える。全国大会、地区大会と も質疑応答があり、全国大会では2分の質問である。これ に対して準備をするが、質問はこちらが想定しているもの と違うことが多くあり、本校に限らず参加学生は対応に苦 労しているようである。対応策としては、日頃からのスピ ーキング訓練が重要になる。

3.  7  発表当日

コンテスト当日は、メンバーがほかの人の手を借りずに 2分以内で、パソコンを接続し、発表の準備をするようにな っている。パワーポイントを映し出すスクリーンだが、全 国大会では2つのスクリーンを使用し、近畿地区で、は一つ のスクリーンであることが多い。その数によって当然、出 場学生の立ち位置が違ってくる。話す学生は、センターに 立ったり、わざと脇に立ったり、話す場所を選ぶ必要があ る。演壇上での動きも参加チームによって違いがあり、パ ワーポイントの画面が新しいものを映し出すたびに、その 画面を指さすチームがあれば、まったく自然で画面を指さ

さないチームもある。

‑89‑

(4)

4.  考察

全国的に見ても、プレゼンテーションコンテストは少な いように思える。これはインターネットを検索しての感想 である。プレゼンテーションコンテストの数やそのレベル を考える時、全国高専英語プレゼンテーションコンテスト、

および近畿地区高専英語プレゼンテーションコンテスト は大変価値がある行事と思われる。

価値が大きいだけに、教員にとっては負担が大きし、かも しれない。 4月に学生募集を行い、近畿地区大会が開催さ れる 11月まで指導を行う。全国大会に出場する場合は、

さらに1月まで指導を行う。指導に長期間を要することが、

全国的にプレゼンテーションコンテストが少ない要因か もしれない。

このコンテストへの参加により、学生は日常の生活から テーマを見つけ、それを論理的に発表する術を体験するこ とができる。伝えたいことが何で、それをいかに効果的に 伝えるか。そのいい訓練になっている。しかし学生だけで はなかなかテーマ設定と発表構成は難しい活動である。そ のため、教員が指導力を発揮する必要がある。

コンテスト結果を左右する分野として、英語の発音があ る。スピーキングは通常の授業ではなかなか指導が行き届 かない分野ではないだろうか。リスニング活動は、授業で もその種の教材を用いることで、指導ができる。でも発音 については、個人対象の細かな指導はなかなかできないよ うに感じる。英語に興味があって、コンテストに出たいと いう学生に対しては、非常に多くの時間を割き、十分な指 導が可能になる。また教師の側でも、発音を真正面からと らえ、自らの発音も改善できるように感じる。例えば、文 の中で強調して読む単語がある。その種の理解を深めるこ

とができる。

パワーポイント作成は、学生には時間を要するものの、

なかなか楽しい活動のようだ。その活動過程で、作成力、

操作能力がつくと思われる。ただし学生はパワーポイント で使える技術をなるべく使おうとするので、使える技術と 観客が見やすいと感じるパワーポイントは違うというこ とをしっかりと教える必要がある。それはテレビの番組を 見ていればわかる。テレビでも様々な視覚効果を出すこと ができるだろが、テレビ局は見やすさに焦点を当てた番組 作成を行っている。

プレゼンテーションの良さは、扱うテーマや構成、英語、

発音、ジェスチャー、パワーポイントといった総合的表現 力を試すところにある。観客にメッセージを伝え、説得す る技術が要求される。これは参加する学生にとっては、コ

ミュニケーション能力の非常にいい学習の場となってい る。

5. 

まとめ

本論文では、プレゼンテーションコンテストとそれに出 場する学生への指導について述べた。パワーポイントを用 いたプレゼンテーション自体は、パソコンとソフトの普及 に伴い行われていたと思われるが、学生対象のコンテスト としてはまだまだ多くないように感じられる。指導に要す る時間がかかることや、指導する教員の知識と経験が、そ れ以外の分野の知識、経験よりも少ないことに原因がある かもしれない。そのような状況の中で、高専が、全国でそ して近畿地区でプレゼンテーションコンテストを開催し ていることは意義がある。全国や地域で、また大学、短大、

高専だけでなく、高校や中学校でも、この種のコンテスト が広がってゆくことが望まれる。

コンテストに向けて、長期間の指導を行っても、結果が いいとは限らない。それでもその問の指導を学生は体験す ることで、人にわかりやすく説明するために、どのように すべきかを身につけていく。対人コミュニケーションの大 切さは、本を読んで身につくというよりも、体験すること で、身につくものであろう。

今後とも、教育の様々な段階で、そして各地でコンテス トが開催されることと、またそれに対する参加者が増える ことが望まれる。

参考文献

Billingham, 1.  (2003) Giving Presentations, Oxford:  Oxford  University Press. 

Brown, H. D.  (2000) Principles 01 Language Learning and  Teaching, New York: Pearson Education. 

Harmer, J.  (2001) The Practice 01 Englis h Language 1chin

ι

Harlow, England: Pearson Education. 

‑ 90一

参照

関連したドキュメント

 さて,日本語として定着しつつある「ポスト真実」の原語は,英語の 'post- truth' である。この語が英語で市民権を得ることになったのは,2016年

この 文書 はコンピューターによって 英語 から 自動的 に 翻訳 されているため、 言語 が 不明瞭 になる 可能性 があります。.. このドキュメントは、 元 のドキュメントに 比 べて

私たちの行動には 5W1H

スキルに国境がないIT系の職種にお いては、英語力のある人材とない人 材の差が大きいので、一定レベル以

共通点が多い 2 。そのようなことを考えあわせ ると、リードの因果論は結局、・ヒュームの因果

つまり、p 型の語が p 型の語を修飾するという関係になっている。しかし、p 型の語同士の Merge

自発的な文の生成の場合には、何らかの方法で numeration formation が 行われて、Lexicon の中の語彙から numeration

 英語の関学の伝統を継承するのが「子どもと英 語」です。初等教育における英語教育に対応でき