韓国絵本にみる子どもの心の表現に関する一考察
専攻:学校教育専攻 コース:幼年発達支援コース 氏 名 : 申 孝 順
1 研究の呂的
子どもたちは日々の生活の中で実にたく さんのことを経験し、それらを成長の糧と している。子どもたちの日常は心が豊かに 育っていくための土壌となっているのであ る。とよころが、そばにいるとそのことにな かなか気づかない。それはおとなの目線が 子どものそれと一致していないためである。
そこで、絵本に注目し、絵本の中の子ど もたちの姿を通して子どもの心の世界を読 み取ることを試みることにする。なぜなら、
絵本は長い年月を子どもとともに送り、そ の中に登場する主人公たちは、子どもたち の共感を得てきたからである。本研究では 韓国の絵本を通して絵本の中に描かれてい る子どもたちの心の表現を分類・分析して、
韓国の作家が韓国の子どもの心の世界をど のように捉えているかを考察する。
2 研究の方法
子どもの心の表現を見るため、研究目的 にそった内容の絵本を 25冊選択し、選択 された絵本を絵本のデータベースを用いて 大主題別に分類する。そして、分類された 各絵本から主題を取り出したあと、それら の主題を中心に、絵本の中に描かれている
指導教官:佐々木宏子
子どもたちの心の表現を読み取り、子ども たちがさまざまな出来事や、人との関係性 の中でどのように成長していくのかを子ど もたちの姿を注意深く観察することによっ てあきらかにしていくo
3 結果および考察
①「自我・自己形成Jに含まれる絵本 自我・自己形成のグループ。に入った絵本 の中の子どもたちの共通点は日常の中の事 件や出来事を通して成長しているというと
ころにある。
『喜ストス~ ~旦苦言(ひとりで、留守番す る日)~、 Wóト手玉旦曇ア~o 1=叫アト守ニ音ス1.(ぼ くが誰だか 誰も知らない)~、『ロト唱斗斗 ちま社(魔法使いの 昼寝)~、 Wó1=子号(野球 のボール)~、『叶l~斗号(ネモのたいこ)~
などの主人公たちは、留守番というひとり の時間を通して新しい自分自身を発見した。
また、 Wó1=子号(野球のボール)~や『叶l 旦斗 号(ネモの たいこ)~の主人公たちは自分 だけでなく相手の存在を認めることができ るようになってはじめて新しい自分自身を 発見している。ここから、子どもがひとり でいることの大切さを見ることができる。
子どもたちはひとりでいるとき、新しい自
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分自身と新しい人との関係性を見つけ出し ているのである。
⑧「友達 e
遊び
J「友達・遊びjのグノレープに入った絵本 の中の子どもたちは、日常の遊びと空想、の 世界は常に密接につながっているというこ
とを見せてくれた。
『♀司会
0 1
叶q
ァト斗? (スニどこ行く の) JJW 号な~0
ト0 1
吾(トン江の子どもた ち)JJ、『平等0 1
(猫)JJ、『を望斗亙司ぜ(ハ ンピョルのたこ)JJ、『忍合0 1
(チンスン)JJや『ス
1
許 謹 叫 ヰ ? (地下鉄の海)JJ、、ド1 7
ト♀ミラ言叶1・・・(雨がふる日に…)JJ、『ユ習スト 且ストア
1
(かげのふろしき)JJなどからは、子 どもたちの遊びの世界は空想の世界と密接 につながっているということと、遊んで、い る子どもたちが実際に見ている世界は、そ ばでおとなに見えている子どもたちの姿と は、違ったものであるということがわかっ た。つまり、子どもが遊びを通して見ている 世界は、すぐそばにいるおとなでさえ、気 づかない空想の世界であり、もうひとつ現 実の世界とのふたつの世界が子どもたちが より豊かな経験を積むことのできる機会と なっている。
③ f性格」
「性格j のグループ。に入った絵本の中の 子 ど も た ち 、 す な わ ち
W 0 1 ォ 1喧ス12E
外
受 司 吾 司1
? (これなんだか あててみて
よ)JJや、『叫苦手ミラ主主(風の吹く日)JJな
どからは、あきらめないで我慢強くやりと
げる子どもたちの姿を見せてくれた。ここ
での、子どもたちは自分の力で最後までや
りとげる力を持っていた。
④
r '
l)J「心Jのグループ。に入った絵本の中の子 どもたちは、「自我・自己成長jや「性格j
に分類された絵本に登場した子どもたちと は違った特徴を見せてくれた。
『アトλ1 .Jl 710ト叫~
0
トァl
斗す(とげうおパ パ の 愛 )JJ、 W 0ト叫ミラ 斗曇 包ロト斗 λトすきト袋井?JJ、『位 42 司 λT ユ或~(たいく つだったから) JJW 包ロト,~斗オ1 斗l ♀(ママ、どこにいるの)JJなどの主人公たちは、両親 をはじめ、周囲のおとなたちから愛され、
見守られて成長している姿を見せてくれて いる。子どもたちは愛されることによって、
人の温かみを実感し心のつながりができて いるo
4 まとめ
絵本の中の子どもたちが見せてくれた表 現の特徴は次のようである。
ひとつは日常のさまざまなできごと、そ の中でも特にひとりでいる時間の中でので きごとを経験することの重要性である。ひ とりの時間は子どもたちが成長していく上 で特別な役割を果たしているということを 示してくれた。また、もうひとつは子ども たちの心の世界は愛情を与えられ、愛され ていく中で豊かに成長していくということ を示してくれた。そして それらは子ども たちの心の中の空想の世界を通して形作ら れているという特徴を持っていた。
このようにさまざまな経験と豊かな想像 力、そして惜しみなく与えられる愛情が、
心の表現として子どもたちの成長の軌跡を 示してくれている。
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