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(1)

レイヨンの樹脂加工に関する研究(X):芯部樹脂と外 部加工による羊毛型繊維への構造改質的研究,特に 糸状加工について その一

著者 斉藤 楢夫, 増永 稔, 谷川 匡, 武田 典久

雑誌名 福井大学工学部研究報告

巻 6

号 1.2

ページ 67‑75

発行年 1957‑12

URL http://hdl.handle.net/10098/5416

(2)

レ イ ヨ ン の 樹 脂 加 工 に 関 す る 研 究

(X)

芯部樹脂と外部加工による羊毛型繊維への構造

改質的研究,特に糸状加工について そのー

斉 藤 楢 夫 ・ 増 永 稔 ・ 谷 川 匡 ・ 武 田 典 久

On the Treatment of Rayons with Synthetic Resins by Means  of an Improved Method.  ( 

X) 

Resin treatments of Rayon in a Continuous Form into a Highly  Converted Woolly type Fiber

, 

by Means of Specially Processed  Core Resin and outer Treatments

, 

(1)

Yarns and Outer Resins 

Narao SAITO, Minoru MASUNAGA, Tadashi T ANIGA W A, Norihisa TAKEDA  67 

Newer synthetics are going of late to be put on the market one after another here  in ]apan. For the blending with these fibers wool is generally planned to fill the purpose.  It  should be most important, however

, 

especially in the present status of  our rayon  industry, to appropriate rayon for that purpose after applying some novel treatments if  possible.  Although so to  say the  woolification"  of  rayon has not  yet fully  been  successful in any country

, 

one of the authors got an idea from the foregoing researches  of treat1ing rayon

, 

as an approach to obtaining a more  woolly functioned rayon"

, 

by the  pronounced new method

,  i .  

e.  to treat rayon with synthetic resins by means of “Pre~

heating and Quenching" method

, 

and then treating with another one forming outer film  and las

t 1

y applying mechanical treatments. 

The present paper is  one of the pre

1 i

minaries

, 

and deals with the effects of outer  resins on the yarn so processed. 

今日合成系各種新繊維が陸続として登場せんとして者り,之等と混用の目的には従来羊毛が主 として対象となっているが,とれにνイヨンをこ改質して当てる事は最も重要である。従来レイヨン の羊毛化は内外共に充分な程度にまで成功していない。著者等は前報の研究より示唆を得たので,

従来よりも高度にレイヨンの「羊毛化」加工を行ない得べき新構想、白下に本研究に着手した。それ はレイヨンの芯部構造改質的樹脂加工を前提として,之に更に外部樹脂加工と外部加工とを行うに あるのであるが,本報にては先宇、第1段階として芯部樹脂と外部樹脂加工とについて報告するo

Vイヨンの羊毛様性能のための高度改質は従来からとの種加工界の目標とされ叉待望されて来 持 福 井 大 学 教 授 糊 福 井 大 学 助 手

(3)

68  福 井 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第6巻 第12号

ていたが内外共に充分な成果をあげるに至っていない。然るにそれの工業的意義は今日最も重要注 段階に達しているo即ち近く各種の合成系の新繊維の多数が相ついで市場に表れようとして語り,

その内には国産む相当優秀なものも二・三期待出来るo而も是等は衣料用としては親水性繊維とり 混用であろうし,悲に改質や加工の多くの問題が起って来ているからであるD 中でも最も手近な1 例はテリーレン或はテトロンであろうD

即ち周知の如くナイロンの成功についで今やTeryleneが我国でも現実の織維として擾頭して 来た。乙のものは適度の硬さ,耐日光性耐熱性及防敏性等に於いてス{ツとレてはナイロンよりも 一日の長があると考えられるo従って服地に於てはアイロン掛の無用或は節約のため旅行者又は一 般人には福音となり従って間接的には生産力の潜在的増強を来すものともみたされるo併し乍らこ り種の布の性能をより大にするためには即ち王毛発生を止め,耐熱性を向上する等のためには羊毛 を50%程度混結ずる事が必要とされている口1) 併し乍ら今日:我国の繊維事情の下では寧ろレイヨン を羊毛様に高度改質を行い之に代える事が,技術的に早急に行われ得るならば,実際上コストの面 からもνイヨン業界の現状からも叉国策上からも最も有利であり,必須で、ある事は明白で、あるo 従 ってとむ種改質加工の工業的完成の緊急なる事今日より大なるはない。

果して然りとすればレイヨンの羊毛様改質は如何にして達成せられるであろうか。

前報に於いて各種の繊維の圧縮弾性測定の結果ひとり羊毛のみが特異の型である事を見出し た。羊毛のとの事実は, J!Qち軽荷重に於ける圧縮に対する反捷力とより重荷重に於ける圧縮の回復 力の強い事は羊毛のもつ幾つかの性質のうちでも明かに最も大きい叉可成本質的な特徴である事が 判る。そとでとれ等の性質が他の如何たる特徴とどの様な関係にあるかを更に考察し,所謂羊毛様 性能をより良く理解する事が羊毛様改質加工への近道であるに違いない。

以前は羊毛のもつ幾つかの性質のうちどれかが模倣せられると直ちに「羊毛様」とか「羊毛 型」とか言われたりした傾向があるD 即ち先十、捲縮が模倣されると woollyと言われたロ併しこれ だけでwoollyといえば如何にも皮相的である事は明であろう。次に強仲度曲線が羊毛に似ている からと言って wool‑likeと言われた事も一時あった様である。例えば Acetateに於い

τ

,その様 t.J..事もあったが A~etate は弾性回復 D 点で羊毛とは大いに具る事は明らかで、あろう o 次に軽さが 問題になった事もあるが,併し今日では羊毛よりも更に軽い筈む合成系が茜だ多いのにそれ等:は必 宇しも羊毛様ではなく,如何にしてそり性質を模すべきかに腐心している。又只軽く感じさせる丈 けならばピスコースレイヨンでもその比容を増大する事によって可能で、あろうが,羊毛D本質から はほど遠い。そ乙で真の「羊毛様」としては是等の性質以上,何等かの本質的なものがあるに遣い ない。従って羊毛の諸性質の内で他D繊維にない様な良さについて考えてみる口それは衣料用とし て実に優れた,よく調和のとれた,或は一見不思議とも思える ironicalt.J..性質を具備している事 に気がつくであろうo即ち

1 .  

疏水性の外皮をかぶっているくせに普通の関係湿度で他のどの繊維よりも吸湿量は大きく,

而も見掛は何等しめっていない。即ち水は一応反援するが,汗k蒸気状で吸収しょく発散もす るo

2.  相当硬い外皮 CScale)をもっていて,それが一種汚染に対する抵抗性を示す原因をなすと も考えられる点があるのに,普通乙の様な場合にみられる様には屈曲摩耗性も一向弱くはな く,寧ろ強い方であるロ

3.  敏や圧縮に対する反援性が甚だ強いのに,との様な場合D通常の樹脂加工品などとは異り屈 曲摩耗に対しでも強い口

4.  敏や圧縮

t

こ対しては,荷重の或範囲内では,即座の反援性も徐々の回復性も共に大きい。

5.  感触としては,柔いくせに腰が強い。等であろうo

(4)

νイヨγの樹脂加工に関する研究(第10報〉 69 

3.と4.とは確かに羊毛の最も大きい特徴であって,圧縮弾性的にも明かに他横維とは別な一つり 型を形成している事は前報で示された通りであるが,悲にはまた屈曲摩耗的に一つの大きい特徴と 重っている事がわかるo

担て1.‑5.は従来

c

樹脂加工では甚だむつかしく,一寸達成しにくい性質であるD そとで樹 脂加工を行い効果的に「羊毛様」むものを得るためには捲縮や軽さと共に結局(イ)低荷重で、敏反 接や回復率が高く, (ロ〉重荷重でも敏回復率が高(, (ハ〉屈曲摩耗性が向上していて, (;:0.)而 も手触りが硬すぎない事であろう。〈ホ)又或程度の吸湿性を保持していて, (へ)耐汚染性が高い 事であろうD 之等すべてを満足するととは至難であろうけれども,前報の結果から重大な示唆を得 る事が出来たD 即ち羊毛C圧縮弾性的な特徴がそれむ本質的な特徴と重大な関連をもっている事,

及その「みそ」は結局皮質む構造と芯部の構造にあるととが充分推察せられた事であるo一方レイ ヨンの外部棒、「脂方日工に於v、ても低荷重では皮相的に羊毛に似たものが得られるが重荷重で、は忽ち正 体をあらわしてしまうo我々が従来から主張して来たレイヨンの高度改質としてむ「構造改質的樹 脂加工」に於いては芯部加工を重大た特徴として来たロとれに依って,従来の所謂内部加工にみら れる屈曲強度低下に於ける欠点は大いに緩和せられる事は既に度々報告して来た)1】併し乍らとD 様紅芯部加工むみでは結局第2種型に改質されるにすぎない事が明かにたった白今日待望されてい る羊毛型即ち第3種型にし而も屈曲的性質をよくするためには,更に一段と工夫を要する訳であ るoそ乙で芯部加工によって優秀な第2種型に改質主行った試料について外部樹脂及び外部加工に よってよりよく羊毛型に近づけんとする試みに於いて本研究主着手した訳である。との段階に於い て著者は或観点からスフよりは糸状或は連続来条D方が便利であると考えたので本報の方法となっ た訳であるが,明かにとむ方法は従来の粧脂加工法の羊毛型への加工の一歩前進であり,従来より

も高度に上述の如き「羊毛様」性格をもった改質加工品を得ペき方法を示すものと言い得るであろ うo併し乍ら,ま互に記したもCはとり種研究のほんの手はじめであって而も外部樹脂D最多響主取扱 ったのみで外部加工には未だ触れていないが日本化学会第10年会講演発衰のものをと敷桁したもので あって前報と同様31年度文部省「化学研究促進

J

補助金による研究む一部である。

の 部

1.試 料 T社 Rainbow印 紡 績 糸

T社 ス フ 3dる 福井大学にて妨績 T社 Ace‑Vis50/50混紡糸

T.S社 寄 賜 ス フ 糸 3d品x2.51/ 305 2  T.Sg  1/ Nylon‑Vis30/70 

2.  樹脂;甚其の他

調整法等は既報に準十るが,組成等は次の通りである。

尿素:ホノレムアJレ デ ハ イ 下 こ1:2

P.V.A=尿 素 の2百.9 ~ 15C x20hrs熟 成 触 媒 :D.A.P3% 

メ ラ ミ ン = 尿 棄 の5 % 3.  装置及加工法

前報第1図む装置を用い「予備加熱浸漬」中間乾燥及Cureを行った。 1300Cの勲風に2,4,  5, 6, 8分の各時間処理したる後浸漬10分,絞り率80%で風乾後, 1300C x 10分のCure左行っ た。 Soapingには0.2%のマルセル石諭にて600Cx20分処理主行ったロ

(5)

70  福 井 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第6巻 第12号

4. 諸 測 定

各試料を

1

週間コンデイシヨ=ングして後, (イ)

T . N . S .

屈曲摩耗試験機をと用い, Vメン

E

型を用いて屈曲摩耗試験を行った白〈ロ〉敏

回復角の測定を行うため次の如くした。

1.5cmx5cmの ケ ン ト 紙 じ , 試 料 仰 を AI切 断4

密に巻きつけ,之を平ったいガラス板の聞にはさ

I . 

んで,種々の荷重を 5分間づっかけるD 時間c終 りに速かに試料の糸の中央からグント紙ごと切断

する白とれ等切片をガラス板上に静に沿き 3分 後切片の両片が開角したのを迅速に測定する。こ の際特に作った分度器む一辺にあてるだけでよ い。(第

1

A

参照)

〈ハ〉硬さの指標の測定

第 1  図

/ ぐ 〉 ¥

来の硬さを測る事は布の硬さの測定器では行い難いので,便宜上一応次の様な方法主採用して 相対的比較の指標とした。即ち一定の長さ lの来をとり直角C棒の一端に回定するD 第1図Bの如 くそれの投影を読み之をんとすると ,lα/lx10

0=

H. F とするo未処理来の H.F と処理糸のそ れとの差の未処理に対する比を硬さの増加度を示す指標と考えた。

5.  外 部 加 工 剤

a)  P. V. A (Polyvinyl a

1 c

ohol)は重合度 1790,齢化度85むもので 3,及1.5%の両¥濃 度で処理した。即ち所定の P.V.Aを蒸溜水でよく携梓し,試料を 10分浸潰し絞り率80%,風乾 後600Cにて完全乾燥した。

b) Nylon‑蟻酸溶液

Nylonを小さく切り,蟻酸にとかし5%及び2.5%液を作り,浸漬10分,絞り率80%,風乾 後600Cにて完全乾燥した。

c)  Bedafin 2101 (1. C. 1) :熱硬化性アルキッド樹脂の尿素ホノレマりン変性樹脂 Bedafin  285 X (1. C. 1) :可塑剤兼溶剤

Bedafin  を使うには Bedafin 2101  9 gr  //  2R5 X 4.5 gr 

の割合に J令

7 K

72.7 C.c  ¥  24% NH40 H   0.6 c. c ' 

とかすので、あるが, 24% N H40Hと冷水中にBedafin285 X及び2101を徐々に適下していく,そ してミキサ{で約2時間かかってとかすロそして漫漬10分,絞り率80%,100C x 10分Cure処 理 に附す。

d)  Neoprotex T. M (C17HsJ・CONHCH20H)

1反応基を有する市販の柔軟剤であるo使用に当つては 1%溶液とし D.A.PをNeoprotex T.Mに対して 30%添加し,試料を10分浸漬し,絞り率80%とし loo0Cx 10分Cureを行うD

る後0.3%マノレセJレ石鹸にて 600Cxl0分処理,水洗2回の後風乾乾燥した。

結 果 及 考 察

先宇各種D試料について,各種。条件で「予備加熱浸農法」によって芯部加工法主施しそれ等

(6)

レイヨジの樹脂加工に関する研究(第10報〉 71 

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社のスフ糸は何れにも樹脂加工によって未処理のものに比し良くなっているものがある事が判 る。然るにT.S社の糸は染色されていた糸であるが何れの場合でも耐屈曲性は,未処理よりはー 向に良くはなっていない。恐らくとれは染色後白

色どめ処理などむ結果が後の加工の害となってい るものと考えられる。との結果から本研究にはT 社の糸のみを使用1..1芯部加工後む外部樹脂をと施し 検討する事にした。従って目的に対して余り効果 的でたいと考えられるものをも含めて試験する事 ( 

にした。

そとで緒言で記した構想、の下に先守、二,三の 謡

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塩B 

F  外部樹脂及加工剤主試みた訳であるがそれ等につ いて行った結果について考察してみようD

1 .  

P.  V.  A 

先宇、

P.V.A

であるが,之は単に塗ったとい う程度であるo

1 .

5%濃度では 3種の試料即ち 全然未処理の試料

r

特殊予備加熱法」を行った もの(以後「特浸」という事とする),

r

特浸」を 行わないもり (No‑Pre‑hという事とする),の3 者のイ可れにぬっても,屈曲摩耗試験では良くなっ ているロ又何れの荷重に於いても然りであるo

第2図 P. V.A 1.5括処理と無処理各種 糸の屈曲摩耗性と他性質との比較

一の度)一

一 硬 増 ( 一 一 鮪一対日一前回目一 蜘一冊目一司朗卯一 料 号

‑ 一 試 記 一 CNP一

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0.5  1.  .t 2.0  25  S. 荷 重 (kg)

(7)

福 井 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第6巻 第12号

72 

(第2図参照〉

敏 角 は 低 荷 重 (O.5kg)で は 高 く , 重 荷 重 (2kg)では相当に低下しているロ官脂加工したも のは加工しないものよりは高く,

r

特浸」加工の ものに P.V.Aを施レたものでは重荷重による低 下は少く,第2図中で最大である。試料の都合で f  硬さの指標の方は測れなかったが,濃度のより高

いものよりは柔い事は確であるo

次に(第3図参照)3%濃度に高めると色々

2 世 唖 盟

J

とすっかり変って来るD 第1甚しく硬さをまして 来る。敏角に於いては, P. V.AC0濃度をました事 によって何れも低下している。特に未処理のもの にP.V.Aを施したものに於いては全然未処理の ものよりも荷重の高い時に劣っているD 叉屈曲む 性質では,帯

も何れの荷重に於いても上昇左示しているが,未 処理にP.V.A左施したものでは低荷重で上昇を 示しているが重荷重では却って低下しているo

して最も低い荷重では三者は何等変りがない。又

「特浸」とNo干re‑hとに於いて大差なく,昔、ト脂加 工DD影響よりもP.V.A加工の影響の方がよ り大きく表土1~ いる事が判る口又樹脂加工の有無 白差は重荷重で、世々大きく表れているo要するに P.V.Aでは薄くても濃くても余り期待した効果 は得られない。

2. ナ イ ロ ン

次にナイロンについて先宇2.5%液での加工 からみると, 先宇、敏角は{ま荷重でも重荷重でも pV.Aの前者の何ft,C0濃度よりも高く,荷重に よるへり方も少い。又硬さの増加もP.V.Aに比 し透かに少い。即ちより柔い訳である。更に屈曲 の性質についてみると 3種の場合何れもナイロ ンを施した方が,耐屈曲性が向上しているD その 度合から言うと低荷重に於いて,より甚しいロ乙 れはP.V.Aの場合もそうであるが,外部桔脂を 施す事によって紡績来の撚り戻りが防止される事 に基くものと考えられる。(第4図参照〉。

次に5%濃度での場合についてみると,敏角

第3図 P.V.A3ガ処理主無処理各種糸 の屈曲車耗性と他性質との比較

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第4図

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2.5 

では何れもどの荷重に於いても 2.5%の場合より

も低下している。又硬さへの影響は2.5%処理のもCと殆ど大差ない。所が屈曲の性質への影響は やはり濃度が増したものはP.V.A同様,重荷重に於いてはナイロンを施したために却って耐屈曲

(8)

νイヨンの樹脂加工に関する研究(第10報) 73 

第5図 Nylon5再処理と無処理各種糸 の屈曲摩耗性と他性質との比較

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性が低下している白との傾向は未処理のもりが著 しい。低荷重で、は上昇している事も前と同様で、あ るロ(第5図表照)

3.  Bedafin 2101 

4%で加工したものは敏角は何れも高(,又 本実験に用いたどの樹脂よりも高い。硬さの増加 も適度で、あるo屈曲の性質では低荷重で、上昇し

τ

いる事以外は前のどの場合とも一寸異っているD

それは3種の試料について夫k異った影響が出て いるロ「未処理」に4%かけたものは中荷重以後 は耐屈曲性は殆ど変化なく只僅かに上昇してい るD ζ D関係は「特浸」についても殆ど同様であ るが, No‑Pre‑hのものでは中荷重以後は相当に 低下している。

次に8%で処理のものでは屈曲む性質はやは り大きく異っている口それは「未処理」のと No‑

0.5  ?O  I. 2.0  2.5一一 Pre‑hのとでは低荷重部以下では著しし外部処 荷 重 (kg) 理によって,低下しているo然るに「特浸

J

のみ が,中前重で余り変化なく,重荷重では寧ろ上昇の傾向を示している(第 2表参照〉。

この8%での処理では敏角は4%でのもりよりは少し低いが皆相当高い。硬さの増加率はやは り4%でのものよりも高い。

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第6図 Bedafin 4対処理と無処理各種 糸の屈曲摩耗性と他性賀との比較

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第7図 Bedafin 8%処理と無処理各種 糸の屈曲摩耗性と他性質との比較

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0.5  1.  .tS  2. 2.5  荷 重 (kg)

(9)

74  福 井 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第6巻 第12号

4.  Neoprotex T. 

(C17HS5CONH

C H20H) 

之はメチーノレアミド型の通気性永久防水柔軟 剤であるが1 %溶液で処理した結果についてみる

と敏角は余り良くならたい。屈曲D性質について ↑  は低荷重では何れも外部未処理よりも悪いが,重

荷重で上昇レているむが見られるo 之はとの柔軟 己 剤は一種のすべり剤でもあるに違い主主い,従って 低荷重では,特に紡績来では来が幾分ほどける傾 向をとりとれが弱い結果となると考えられる 31

然るに重荷重では眼力による糸の繊維の相互密着 によってほどける事は少し屈曲によるstressは 繊維のすべりによって或程度緩和せられ,為に折 れや破れに対する抵抗性を増す結果となり之が重 荷重で耐屈曲性の向上した原因で、あろうo

5.  Bedafin及 Neoprotex

次に Bedafin2101 4 %に Neoprotexを混 じ,モの影響主調ペてみた。敏角も良くないし,

第8図 Neoprotex T. M処理と無処理各種 糸の屈曲摩耗性と他性質との比較

q4  

報取ハロ訴直球艶缶随

e v

制事阜

0.5  1. 1.5  2.0  2.5  3.0  荷 重 (kg)

屈曲c性質も重荷重で幾分ましだと言う以外良くなっていない。従ってとれは Bedafinの効果を 阻害しtいるだけであるとも考えられるD 只処理温度からいうと Neoprotexには一寸低い感があ ったが,それ自身の効果は既に明かに出tいる訳であるo

以上の結果を一括すると第2表の通りであるo是等む結果からは

( 1)  緒言で述ペた意味からは Bedafin2101が一応最も良好で、あったと考えられる。即ち敏 角は低荷重に於いても重荷重に於いtも最も大きく,耐屈曲性も低荷重に於いしも重荷重に於いて

第 2 表

試 料雛回復角 試料雛回復角

』出切l(荷断q摩1ま耗で回の数屈

i

処理条件 記 号(0荷.5重│2k.g

。 )  ~.511~荷011. 5重3.0k12g.)

83.(財) 処理条件 記号O.5(2k.g0O. 5[l. 011. 52.0k2g.)513.(

P.V.A  C  78  66  3601170  75  一 Bedafin  C  94 

66  23  8  88.1 

1.5%  N  90  65 回101160 80  4%  N  98  60  20  7  98.5  溶 液 P  90  81  3001165  90  一 溶 液 P 110  66  29  13  5  96.1 

P.V.A  C  66  51 

e

0

l11n75

50  15  4 ‑1  129.5  Bedafin  C  88  78 

調 i

15  51‑ 117.0 

3%  N  68  62  94  36  12  ‑1  129.5  8兇 N  100  94  18  71‑ 114.0  溶 液 P  81  76  94 36  14 ‑1  129.5  溶 液 P i100  98  30 131  ‑ 109.0  ナイロy

C  92  81 

出 剛 │ │

捌 初

25  8 2  41.0 

NT溶曲.pMro1t液Me2  N ll4

72  72  68  32  15 

義酸120.05gg N  98  81  2701100  34  12  5  42.2  74  68  105  60  29 12  一 培 液 P 100  86  2801  90  28  14  ? 38.6  90  82  120  72  38  17  一

ナ義溶イ酸ロ10y0液5gz  N li l Ip  68  52 

1 1 3 1  

111  3  47.0  外部処理 78  60 

~~〓1411m1置dE

73i26  71‑

84  73  24111  40.0  な し n 104  76  60123  8

90  77  241  11  27.0  p 116  94  70132  12

C:未 処 理 N: No‑Preh. P : Pre‑h.  8分 C'内部樹脂なし n:内部のみ p: Preh 十外部樹脂 +外部樹脂 +外部樹指 外 部 な し No‑Preh 芯樹脂のみ

(10)

νイヨyの 樹 脂 加 工 に 関 す る 研 究 ( 第10報) 75 

も,乙とに用いた諸例C内では最も良好であったと考えられるo尤も 4%と8%との中間にも尚良 好た点のある事も推察せられる所もあるo この点については本報では取扱わ註い。只もっと多数の 異 っ た 性 質 む 樹 脂 に つ い て 試 み る 必 要 は あ る と 思 わ れ る 。 叉 本 実 験 か ら で も 可 成 一 般 的 傾 向 も う か が わ れ る と 思 わ れ る 。 紡 績 糸 の 屈 曲 に 関 す る 性 質 の 詳 細 は 別 報 に ゆ 宇 る が , こ こ で は

(2)訪 績 糸 の 耐 屈 曲 性 は ほ ん の 僅 か の 皮 膜 を つ く っ て 一 種 の 隠 着 に よ っ て 著 し く 低 荷 重 で の 値を向上する事が出来るD

(3)自 身 で 耐 屈 曲 性 白 良 好 な 樹 脂 で も , 余 り 厚 い 皮 膜 と し て 糸 に 塗 ら れ る と や は り 耐 屈 曲 性 が低下するという事, (この事は我々が既に一部見出したことと一致する

J

(4)大 て い の 柔 軟 剤 は す べ り 剤 で も あ るD 従 っ て 紡 績 来 に こ れ を 適 用 す る 事 は ,

t

骨脱を告と

しやすくする事であるp 従って低荷重乃至中荷重ですべりほどける傾向が生守、る白単繊維としては 別 に 弱 つ て は い な く と も 糸 と し て ほ ど け や す け れ ば や は り 実 際 に は そ れ む 影 響 を う け る 事 は 確 で あ

ろうo

今 後 向 多 く の 本 実 験 の 様 な 研 究 が 必 要 で 、 あ ろ う と 思 わ れ る が , 用 い た こ , 三 の 拡 脂 の 内 で は sedafin 2101は 一 応 良 好 で あ っ た が 感 触 に 関 し て 向 改 善 の 余 地 が あ る と 思 わ れ た の で , 之 は 今 後 の外部加工研究にゆ宇、る事とするo

文 献

1)  Ind.  Eng.  Chem., 44, 2181, (1952) ;斉藤楢夫, レイヨンの高度改質の新方式と各種繊維特に合成系と の混用,帝人タイムス 296号,昭和32年3月p. 10. 

2)  斉藤楢夫外レイヨンの樹脂加工に関する研究,第4報,福大学工報第3巻第1号 p.76  同 第6報,福井大学工報第4巻第1号 p. 73‑85. 

3)  この事は紡横糸の屈曲摩耗に関する我々の別の研究中他り例でも見つけているが,最近の文献,ChesterH. 

Haydel etc.;  Text.  Res. J., 27, 12, p.  978, 979, (1957).中にも同様な例が報ぜられている事をみつけ た。即ち C.H. Haydel等は Polyacrylnitrilを coatingした木綿糸を柔軟剤 TritonX400で処理した。

これは coatingした木綿糸が多分硬くなって,そのため屈曲が低下したと考えたもので柔軟剤で軟らかくして 耐屈曲性を上昇する意企の下に行われた。所が 驚く可き事には柔軟剤TritonX4∞の使用はこの性質を改 善しなかった"といっているo即ち原糸が,屈曲1060回で切れ, coatingしたものが, 174‑‑178回,更に之を Triton X400柔軟剤で加工して164固に低下してし、る。併しこの文献では何故に低下したかは説明されてい

ない。

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