し つ け お よ び 道 徳 教 育 に 関 す る 日 韓 比 較 調 査 研 究
学 校 教 育 専 攻 人 間 形 成 コ ー ス 瀬 尾 真 未1
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問題の所在と穆視の目的 2000年 8月から 2001年 7月の 1年間、平 成 12年度文部省短期留学手伝錨伎(病室)に より、大韓民国(以下、韓国)での留学の機会 を与えていただいた。韓国では、「孝」を尊び、 先祖を崇め、親孝行することが何よりも大切で あるとされ、目上の人を敬うことは当然のこと であると考えられてきた。私の知る韓国人もみ な情に厚く、温かい人たちばかりである。そう した韓国人に出会うたび、韓国で行われている 道徳教育やしつけに対して強し1関心を持つよう になった。 最近、「自分さえよければよし 'Jという自己中 心的な日本人が増えてきている。韓国において も同じで、実際に韓国の街の中でも、老人に席 をゆずらない若者、見てみぬふりをする若者、 誰かが立つのを待っている若者が少なくなし L このように、日韓両国では今、社会の変化と ともに、人々のモラルに関する環境が急速に変 化している。ミヰ交など子どもをとりまく社会に おいて、さまざまな問題が生じている背景にお いても、こうした社会の変化とともに子どもた ちの道徳性やモラルの低下が指摘される。 世代が変われば、道徳的規範も変化する。そ の変化に対応した新しし1道徳教育が求められる が、ただ単に他の先進国の道徳教育を真似する だけではなく、日本入の性質に合った、独自の 道徳教育を見出してし1かなくてはし1け な 凡 そ 指 導 教 官 伴 恒 信 のためにも、日本の道徳教育だけを考えるので はなく、諸外国の様子を見ることで、新たな日 本の問題点やヰ者数を探し出すことができるので はないだろうか。 これまで、欧米の研究は常に多く行われてき た。しかし、地躍的、文化的に近いアジア、特 に隣国である韓国の研究は、日本を見つめるた めにも必要不可欠であるにもかかわらず、いま だ未開拓の部分が多いのが現状である。 そこで本研究では、日本の道徳教育を見つめ るためのひとつのヒントとなるべく、次のよう な構成で研究を進めることとした。2
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訪問の概要 1) 支橡:日本・韓国の小判交 5 ・6年生 2)質問紙の構成内容(自記式質問紙調査) ① 自分自身について ②学校における子どもの行動と意識 ③家庭における子どもの行動と意識 ④ 日常生活における行動と意識 ⑤ 普段の生活スタイル 3. 分析結果の総併句な考察 1 )守交での子どもたち 全体的に、韓国の教師は日本の教師に比べ、 子どもたちに「何々しなさし'J と注意する傾向 が強くなっている。しかし子どもたちの行動面 には影響が見られない。 つ ム 寸 , iまた個人の生活態度に対する注意は両国にお いてよくされているようであるが、他人との関 わり方に関する注意があまりされていない現状 を考えると、税市は子どもたちにこうあってほ しいという願いをもって注意をしているという より、日常生活において子どもたちができてい ない面に対して注意をしていることの方が中心 となっているととらえられる口 また、日本の子どもたちは先生を身近な相主 として、友だちのような親しみゃすさでとらえ ているが、韓国の子どもたちにとって先生とは 尊敬の対象であり、その関係が崩れることは、 今はまだ考えられていないようである。 2)家庭での子どもたち 行動面に関しては、とくに大人に対する尊敬 に関する項目において、韓国の子どものほうが よい行動をよくする傾向があったO また韓国の 親は「何々しなさし、」とよくいうことが多く、 日頃から子どもの行動に対する注意、特に「行 儀よくしなさしリなどの礼儀に関する注意をよ くしていることがわかる。 また、そういった注意を韓国の子どもたちは 素直に受け止めるが、少々口うるさく感じてい る。一方日本では「言い返したしリといった気 持ちが強く、反発心が生じている。 韓国の親は、日頃から日常生活についての細 かい注意をすることで、子どもたちの行動をよ い方向に促す努力をし、なるべくしかることの ない様にしている。しっかりほめて、伸ひ神び と育てようとするしつけ像ととらえることがで きる。 親子関係は日韓とも良好な家庭が多く見られ るが、日本では親子関で何でも話せる割合が韓 国より低くなっている。一方で韓国の子どもた ちに比べて大人を親しみそ寸い柄主として捉え ているため、親子以外の大人との場合、友達の ような感覚で心を打ち明けて話をすることがで きる。 3)公共の場での子どもたち 公共の場では、思議し1だり人に迷惑をかけたり してはし1けないということは、両国の子どもと も、充分玉里解しているようであるが、実際の行 動としてはその理解が生かされていなし、。 他者とのかかわりにおいて、韓国は日本以上 に他者の荷主カミ個人の行動に大きく影響を及ぼ している。また日本の子どもは自分からす寸ん で他者と関わっていこうとしづ意識が韓国の子 どもに比べて低く 人との関わり方において受 け身な傾向がある。 4)道徳の授業に関する比較 両国とも道徳の時間に対する意欲の低さが指 摘される。特に日本では、道徳の時間をもっと 増やしてほしいと感じている子どもが 4人に 1 人いるが、道徳の授業がつまらないと感じてい る子どもも 13%手到支おり、また、授業への取り 組み方に関しでも消極的な面が強く、道徳の授 業に魅力を感じていないのではなし1かと考えら れる。韓国においても同じような傾向が見られ るものの、日本の子どもたちに比べると発表を したり考えたりする面において積極性がみられ た。 4.今後の課題 今回は、両国の子どもの生活ヤ意識、および 道徳教育、しつけに関する実態の把握が主とな ってしまい、これを実際の道徳教育に生かして し、く方策を提案することがで、きなかったO 今後 本研究で得られた結果や考察をもとに、両国の 道徳教育を見つめなおし、よりよい道徳教育を 創造していくことを今後の課題とする口 円 べ U