232 (103) 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件 学位論文題目・論文審査委員
フク ダ ショウ コ尚子(昭和3
博士(医学) 乙第1267号平成4年3月13日幽
学位規則第4条第2項該当(博士の学位論文提出者)
ベーチェ、ット病におけるα玉一アンチトリプシン表現型およびGmアロタイプ の検討 (主査)教授 内田 幸男(副査)教授澤口彰子,小柳仁
論 文 内 容 の 要 旨
目的 日本人の内因性ぶどう膜炎の重要な位置をしめる ベーチェット病の病因は不明であるが,免疫遺伝学的 な素因の存在が明らかにされている.その一つとして, }{LA-B51との相関が報告されている.最近では,他の 免疫遺伝学的因子の関与も考えられてぎている.本報 告は,ベーチェット病の内因を究明する目的で,これ まで調べられていないα1一アンヂト・リプシンおよび Gmアロタイプの遺伝的多型性を解析し,免疫遺伝学 的アプローチを試みたものである. 対象および方法 α、一アンチトリプシンの表現型の解析は,1985年より 1989年までに東京女子医科大学病院眼科を受診した, 眼病変を有するベーチェット病患者104名を対象とし た.内訳は完全型65名,不全型39名,前眼部型15名, 眼底型89名で,正常対照群は293名である,Gmアロタ イプはべーチェット病患者29名を対象とした.また, HLA-B51保有の有無を検討したのは,ベーチェット病 患者52名である. αrアンチトリプシンの表現型は薄層ポリアクリル アミドゲル等電点電気泳動法で,Gmアロタイプは血 球凝集阻止試験により,また,HLA抗原の検索はリン パ球細胞毒試験を用いて検討した. 結果 1.α1一アンチトリプシンの表現型について 1)表現型は,ベーチェット病患者にも正常対照群に もM1, M2, MIM2, MIM3, M2M3の5種類の・ミン ドが見られた. 2)ベーチェット病患者の遺伝子頻度は,正常対照群 のそれと有意差がみられなかった.また両者ともに欠 損型のZ型遺伝子はみられなかった. 3)ベーチェット病の完全型,不全型はそれぞれ正常 対照群との間に有意差を認めなかった.眼病判別では 正常対照群と比べて眼底型でM1が少なく(p<0.05, relative risk=1.7), MIM2が多く(p<0.05, relative risk=1.7)認められた.また,眼底型でM2の遺伝子 頻度が正常対照群に比べ高い傾向にあった. 2.Gmアロタイプについて Gmハプロタイプでは,ベーチェット病患者と正常 対照群の間の出現頻度に有意差を認めた(p<0.01). そのうち,ハプロタイプ(1,21)がベーチェット病 患者で高かった. 3.HLA-B51との関連について HLA・B51保有の有無とα、一アンチトリプシンの表 現型およびGmアロタイプとの関連はみられなかっ た. 考察 α、一アンチトリプシンの表現型の1つであるMIM2 が,ベーチェット病の眼底型の発症の宿主側の要因に なっていると考えられた.また,Gmアロタイプは, ベーチェット病の疾患感受性の一つの要因であること が示唆された. 結論 今回の結果より,ベーチェット病の免疫遺伝学的素 一836一233 因のひとつとして,HLA-B51以外の因子があることが 示唆された.