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インスリン感受性からみた耐糖能境界型および糖尿病病型の特徴に関する研究

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(1)

原 著

〔書論灘27第鞭、筆謂〕

インスリン感受性からみた耐堪能境界型および

      糖尿病病型の特徴に関する研究

東京女子医科大学 第三内科学教室(主任          アリ    イ     ヒロ    コ          有 井  浩 子 大森安恵教授) (受付 平成6年4月15日) Deαeased lnsuli皿Sensitivity and Its Pathoge皿etic Ilnplication in Borderline Glucose        Into}erance and Diabetes Mellitus        Hiroko ARII Department of Medicine III(Director:Prof, Yasue OMORI)         Tokyo Wome11’s Medical College    To investigate the insulin sensitivity of the whole body and its pathogenetic implications in non−insulin−dependent diabetes mellitus(NIDDM), the degree of insulin sensitivity, i.e., glucose infusion rate(GIR), was determined by the euglycemic hyperinsulinemic clamp technique using an artificial endocrine pancreas in 25 normal glucose tolerant subjects(NGT),48 subjects with borderline glucose intolerance(BGI),!09 insulin−dependent dlabetic mellitus(IDDM)and 238 NIDDM patients. The GIR value in NIDDM was significantly lower than that in NGT, BGI, and IDDM, but it showed marked individual variation. After achieving a comparable degree of fair glycemic contro1, the GIR value normalized in 120f 14 patlents with IDDM, while the GIR in NIDDM ilnproved to on玉y 40%of the level in IDDM. In the BGI subjects, insulin secretory capacity, both the early phase(△IRI/△BS,30 min)and total response(IA)during OGTT, were inversely correlated with the degree of insulin sensitivity, indicating cornpensation for insulin sensitivity byβcells.    These results suggest that lowered insulin sensitivity characterizes NIDDM patients and may play an important role in the pathogenesis of NIDDM in a certain fraction of the Japanese population.       緒  言  糖尿病の二大病型であるインスリン依存型糖尿 病(insulindependent diabetes rnellitus;IDDM) とインスリン非依存型糖尿病(non−insulln− dependent diabetes mellitus;NIDDM)は,専ら 臨床的見地から,インスリン治療が代謝の破綻を 防ぎ,生命の維持に不可欠であるか否かを根拠に して分類されている.したがって両型の最大の鑑 別点は,個体に残存するインスリン分泌能に集約 されるユ).  一方,古くHimsworth2)は,糖尿病には“insulin一 sensitive type”と“insulin−insensitive type”の2 型が存在することを指摘した.インスリン感受性, すなわちインスリンの糖代謝促進作用に対する生 体組織の感受性はインスリン依存性とは全く異 なった糖尿病の特性であり,近年その病態的意義 が注目されている.  個体のインスリン感受性は人工膵島を用いる正 常血糖クランプ法(euglycemic hyperinsulinem{c clamp technique)の開発により,きわめて精確に 評価することが可能となった.  本研究は,インスリン感受性の面から,IDDM

(2)

表 対象の臨床的特徴

NGT

BGI IDDM

NIDDM

例 数 25 48 109 238 男/女 16/9 16/32 38/71 166/72 年齢(歳) 36.2±2.7 49.3±1.9 31.9±1.2 47.1±1.1 (16∼57) (14∼72) (14∼68) (13∼75) 罹病期間(年) 7.9±0.8 6.1±0.4 (0.1∼30) (0.1∼28) BMI(kg/m2) 22.3±0.8 23,2±0.5 20.0±0.3 23.7±0.3 (18.3∼35.0) (17,6∼32.7) (13.6∼25.7) (14.5∼50.7) 検査時 5.9±0,6 5.5±0.1 9.8±0.3 9.5±0.2 HbAlc(%) (4,4∼6.3) (4.3∼7.D (5,5∼19.7) (4.7∼18.5) 数値はmean±SE,括弧内に範囲を示す. NGT:normal glucose tolerance, BGI:borderline glucose intolerance, IDDM: insulin−dependent diabetes mellitus, NIDDM:non−insulin・dependent diabetes mellitus, BMI;body ma$s index,

とNIDDMの問に本質的な差異が存在しうるか

否かを検討し,ついで,個体のインスリン感受性

がNIDDMの発症にいかに関わっているかを明

らかにするために,NIDDM発症の前段階と考え られる耐糖能境界型症例において,インスリン感 受性とインスリン分泌能との相互の関連を検討し た.          対  象  経ロブドウ糖負荷試験(7590GTT)において日 本糖尿病学会診断基準(1982)から,正常型(nor− mal glucose tolerance;NGT)と判定された健常 者25例,境界型(borderline glucose intolerance; BGI)と判定された当センター外来受診者48例,お よび網膜症(福田分類AII以下),腎症(旧歓性蛋 白尿1+以下),神経障害(深部腱反射低下のみ)

などいずれも合併症の軽微なIDDM 109例,

NIDDM 238例を対象とした.またこれらの対象 には血中インスリン抗体の高値例は含まれていな い.表にこれらの対象の臨床的特徴を示した.          方  法  1.正常血糖クランプ法(euglycemic hyper−   insulinemic clamp technique)  一夜絶食後,検査当日の朝はインスリン,経口 血糖降下剤や降圧剤などすべての薬剤を中止し, 人工膵島(NIKKISO STG−22,日機装株式会社, 東京)を用い,正常血糖クランプ法(euglycemic hyperinsulinemic clamp technique)を行った. すなわち,一側の前腕肘静脈には採血用の二重管 腔カテーテル(FS・D2)を留置し,ヘパリン生食液 で一定の割合に希釈された血液を血糖測定回路に 誘導し,血糖をglucose oxidase法により自動的 に連続測定した.対側前腕の末梢静脈に留置した

輸液チューブ(FS−F3)からは,インスリン

(Novolin R, Novo Nordisk Pharma CO., Den−

mark)40U/100mlと10%代用血漿剤ヘマセル

(Hoechst Co., Germany)を混入した生理食塩液 と10%グルコース液を注入した.DeFronzoら3)の アルゴリズムに従い,インスリンを初期プライミ ング後,1.12mU/kg/minで持続注入し,生理的高 インスリン血症下に,静脈血グルコース濃度を80 mg/d1に60∼90分間保持し,最終の30分間におけ る平均グルコース注入率(glucose infusion rate; GIR, mg/kg/min)をもって,インスリン感受性 の指標とした.検査開始時およびクランプ中は15 分間隔で採血し,血清インスリン(IRDを測定し た.  2.正常型および耐糖能境界型症例におけるイ   ンスリン分泌反応  7590GTTにおける∠IRI/∠BS(30分)をインス リンの初期分泌指標とし,一方,前,30,60,120 分の各IRI値に時間(分)を乗じた面積の総和 (insulin area;IA)をインスリン分泌総量として それぞれ求めた。

 血中IRIはPhadeseph Insulin RIAキット

(Pharmacia Diagnotics, Sweden)を用い測定し た.

(3)

 統計処理はMann−Whitney検定,および単相 関検定を用い,p〈0.05を有意水準とした.          結  果

 1.IDDMとNIDDMにおけるインスリン感

   受性

 1)IDDMとNIDDMにおけるGIR値の比較

 正常血糖クランプ中の血中恒常インスリンレベ ルは,NGT群66.7±5.6μU/ml(mean±SEM), BGI群66.0±4.4μU/ml, IDDM群77.2±5.3μU/ ml, NIDDM群74。2±3.8μU/mlで,いずれの野 間にも有意差はなかった.

 図1に示すように,IDDM 109例のGIR値は

0.40から9.71mg/kg/minと幅広い分布を示し, 平均4.52±0.17(mean±SEM)mg/kg/minで あった.NIDDM 238例のGIR値は0.00から10.60 mg/kg/minとさらに幅広い分布を示し,平均 3.57±0.14mg/kg/minでありl IDDMに比べ GIR値は有意(p〈0.001)に二値であった.一方,

正常者(NGT)25例のGIR値は6.53±

0.37(2.47∼9.50)mg/kg/min,境界型(BGI) 48例のGIR値は5.79±0.33(2.24∼10.44)mg/ kg/minで,両字間に有意差は認められず,これら は糖尿病の2群のいずれよりも有意(p〈0.001) に高値であった.

 2)血糖コントロール別にみたIDDMと

NIDDMにおけるGIR値の比較

 GIRの測定値に及ぼす血糖コントロールの影 響を除外するために,HbAユ。のレベルにより3群 に分け(7%未満,7∼9%,9%以上),GIR値 を比較した.

 HbAlcが7%未満の血糖良好群ではIDDM 13

例(HbAlc 6.4±0.1%)のGIR値は5.54± 0.55(3.34∼9.71)mg/kg/min, NIDDM 47例

(HbAlc 6.0±0.1%)のGIR値は4.53±

0.32(0.88∼8.93)Ing/kg/minであり,両群問に 有意差は認められなかった.

 HbAlcが7∼9%の血糖コントロールやや不

良群では,IDDM 36例(HbAlc 8.1±0.1%)の GIR値は4.43±0.24(1.79∼7.56)mg/kg/min, NIDDM 66例(HbAlc 7.9±0.1%)のGIR値は 3.75±0.25(0.15∼9.01)mg/kg/minであり,  12  10

3

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: 曇 婁・ ●9   * ●

 3 ● ● 霊 工   NGT(nエ25)   BGl(n=48)   IDD麟(n=109) NIDDM(n=238) 図1 NGT, BGI, IDDMおよびNIDDMにおける  GIR値の比較  NIDDM患者のGIR値はNGT, BGI, IDDMの各  群より低値であった.  NGT:normal glucose tolerance, BGI:borderline  glucose intolerance, n.s.;not signi丘cant, * :P<  0.001. NIDDMで有意に低値であった(p<0.05).

 HbAlcが9%以上の血糖コントロール不良群

では,IDDM 60例(HbAlc l1.6±0.3%)のGIR 値は4.36±0.23(0.40∼7.55)mg/kg/min, NIDDM 125例(HbAlc 11.8±0.2%)のGIR値 は3.11±0.19(0.00∼10.60)mg/kg/minで,同

様にNIDDM群で有意に三値であった(p<

0.001).  3)血糖コントロール改善の前後におけるGIR 値の変動:同一症例での比較  治療前後でHbAlcがほぼ同等に改善し,かっ 正常血糖クランプ法を2度施行しえたIDDM 14 例とNIDDMユ4例の個々の症例において,GIR値 の変動を比較した(図2a, b).

 IDDMでは14例中12例でGIR値は正常域(≧

4.70mg/kg/min)まで改善した.これに対して

NIDDMでは正常域まで改善した症例は14例中

1例にしか認められなかった.NIDDM 14例中

BMIが25以上の肥満者は5例で,血糖コントロー ル改善の前後でBMIは若干の増加を示したにも かかわらず,GIRは全例において軽度の改善を示

した.従って,IDDMと比較してNIDDMにおけ

るGIRの改善が不良であったという事実は肥満 の影響によるものではないと考えられる.

 図3に治療前後におけるHbAlc値とGIR値

の変化をそれぞれ平均値で示した.HbAlcは

(4)

 20  18  16  14 §12 ;10

≦8

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 2

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  0   2   4   6   8       GlR (mg/kg/min)         (a)    ll    ;1 書据

茎1

   窪 10  00 2   4   6   8  10  GlR (mg/kg/min)   (b) 図2 血糖コントロール改善の前後におけるGIR値の変動  a:IDDM 14例の同一症例での検討.14例中12例はGIR値が正常域(>4.7mg/kg/  min)まで改善した.  b:NIDDM 14例の同一症例での検討.14例中1例のみGIR値が正常域(>4.7mg/  kg/min)まで改善した.(○→●)  16  マ4  12 §10

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     さ  「7一一一『國一蔀 一      一 lDDM(n=14)  NlDDM(n=14)  8  7

36

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82

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  IDDM(nニ14) 團血糖コントロール後 NIDDM(n=14)        □血糖コントロール前 兆3 治療前後におけるHbAlc(左図)とGIR値(右  図)の変化  HbAlcはIDDMとNIDDMで同等レベルまで改  善した.一方,GIR値はIDDMとNIDDMで有意に  改善したが,IDDMと比較してNIDDMの改善度は  軽度であった.  n.s.:not signi負cant, *:p〈0.001, **:pく  0.01, ***:p〈0.05.

IDDMとNIDDMで同等レベルまでの改善がみ

られた(12.7±0.8→8.3±0.5%,12.6±0.7→ 7.6±0.4%).これに対しGIR値は, IDDMでは 2。99±0.46から6.61±0.36mg/kg/mlnへ有意

(p<0.001)の増加を示したが,NIDDMでは

1.33±0.31から2.67±0.38rng/kg/minと有意 (p<0.05)の増加はみられたものの,IDDMと比 較してその改善度はきわめて軽度であった.  2.耐糖能境界型におけるインスリン感受性と    インスリン分泌能  1)正常者と境界型対象におけるインスリン感 受性

 7590GTTにおいてIRI反応が測定された

NGT群10例とBGI群40例のGIR値は,それぞれ

6.89±0.62(3。53∼9.50)mg/kg/minおよび 5.73±0.36(2.24∼10.44)mg/kg/minであり, 2二間に有意差はなく,それぞれ幅広い個人差が みられた.また,BGI群をBMIが25以上の肥満を 有する11例と25未満の肥満を有しない29例の2群

に分けてみると,肥満群のGIR値4。53±

0.65(2。27∼10.22)mg/kg/minは非肥満群の 6.18±0.40(2.24∼10.44)mg/kg/minに比べ有 意に呼値であった(p〈0.05).  2)インスリン分泌総量(insulin area;IA)

 図4aにNGT 10例とBGI 40例のOGTTにお

けるIAを示した. BGI肥満群(BMI≧25)のIA は7,212±1,433(2,523∼18,711)μU・ml−1・min,

BGI非肥満群(BMI〈25)のIAは4,875±

442(1,480.5∼10,512)μU・mr1・minといずれも NGT群の3,053±414(1,378.5∼5,824.5)μU・ ml−1・minと比較して有意に高値を示した(p< 0.05).  3)インスリン初期分泌(∠IRI/』BS,30■)

 図4bにNGT群とBGI群のOGTTにおける

(5)

(20 .∈ 苧 茎15 ヌ

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… § 一 〇 窄 * * n.S. 「一一一一一一一一一一一一一一「「一一一一一一一「 ●

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NGT(n=10) BG 1(B稲【〈25)  (n=29> 0 ●  口   嗣       コ   野■ 圏  圏        口 ■ 咀’・’

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      ■ 鷹 Y=12.5→,676X r=一〇,392 pく0.05 n=40 ’ ■ [タ 図4a NGTとBGI(肥満,非肥満)におけるインス  リン分泌総量(insulin area, IA)  BGIの2群はいずれもNGT群に比して有意に高  値を示した.  n.s.:not signi丘cant,***:p<0.05.

閣 024681012

        GlR(mg/kg/min) 図5a BGI(n=40)におけるGIR値と空腹時IRI値  との関係  r=一〇.392の有意な負の相関が認められた(p<  0.05).■BMI〈25kg/m2(n=29),〔]BMI≧25kg/  m2(n=11). 2.0 毫1’5 賢1・・

臨,

o 一『一一一一1「一一一一一一一一一一一一一『「 ● : ●王 馨 ● 3 ● 工

● ●   ;工 =     NGT(n=10>       BGI(BMI<25)        (n=29) 図4b  リン初期分泌反応(41RI/∠BS(30〆)) BGI(BMI≧25)  (n=11) NGTとBGI(肥満,非肥満)におけるインス NGTとBGIの間に有意差は認められなかった. n.s.:not significant.

 20

丁亭15 。,ヨ §1・ 翌

≡5

塁   0 〔〕 Y二10307−836.1X r=一〇.565 P〈0.01 n=40 ∠IRI/∠BS(30’)を示した. BGI肥満群(BMI≧ 25)は0.62±0.17(0.06∼1.84),BGI非肥満群 (BMI<25)は0.46±0.07(0.06∼1.55), NGT群 は0.68±0.15(0.21∼1.79)で3群問に有意差は 認められなかった.  4)境界型対象におけるGIR値と空腹時IRI値 との関係  図5aに示すようにGIR値とインスリン基礎値 との間にはr=一〇.392の有意な負の相関が認め られた(p<0.05).しかしこの相関はBMIが25以 上の肥満者11例を除いた場合,同様の傾向を呈し たが有意水準には達しなかった(r=一〇.317, NS).  5)境界型対象におけるGIR値とインスリン分   ロロ9     .,  〔〕  暉  .牝」 ○ 闇.● ・。’

ー噸。5α

      ■(k)    膠

   024681012

         GIR(mg/kg/min) 図5b BGI(n=40)におけるGIR値とインスリン分  泌総量(IA)との関係  r=一〇.565の有意の負の相関が認められた(p<  0.001).闘BMIく25kg/m2(n=29),□BMI≧25kg/  m2(n=11),比較のためにNGT 10例(○)を示す. 泌総量(IA)との関係  図5bに示すように, GIR値とOGTTにおける インスリン総分泌量(IA)との問にはr=一〇.565 の有意な負の相関が認められた(p<0.01).この 関係はBMIが25以上の肥満者11例を除いても, なお有意(r=一〇.541,p<0.01)であった.また,

NGT 10例と比較するとNGTのIAは,全例にお

いて6,000μU・mr1・min以下にとどまったが, BGI 40例中7例では,8,000μU・ml−1・min以上の 過剰なインスリン反応がみられ,これらはGIR値 が低値を示す対象者に多い傾向を示した.  6)境界型対象におけるGIR値と」IRI/∠BS

(6)

2.Q (1.5

9

器1,0 ≦ i≡ 〈0.5 0 〔コ 。   闘   O       O    O    置  ■, 騙 □■。「ヨ

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C’ ■ ■ Y=0、895ゆ.07X r=一〇.348 pくG.05 n=40 も 0   2   4   6   8   10      GlR(mg/kg/min) 図5c BGI(n=40)におけるGIR値と」IRI/∠BS  (30ノ)の関係  r=一〇.348の有意な負の相関が認められた(p<  0.05).■BMIく25kg/m2(n=29),□BMI≧25kg/  m2(n=11),比較のためにNGT 10例(○)を示す. (30’)の関係  図5cに示すように両者の問にはr=一〇.348の 有意な負の相関が認められた(pく0.05).BMIが 25以上の肥満者を除いても,この関係はなお有意 であった(r−一〇.421,p〈0.05).  7)糖尿病家族歴との関係  家系内における糖尿病患者の有無をscore化し て検討した.すなわち親子および同胞の糖尿病は 4点,祖父母は3点,叔父叔母は2点,従兄弟は1 点とし,糖尿病家族歴の多寡とGIR値,. IA,およ び∠IRI/∠BSとの関係を調べたが,いずれの問に も有意な関係は見出せなかった.          考  察  正常血糖クランプ法は生体におけるインスリン 標的組織の中で,主として骨格筋の糖利用率を測 定する,今日最も信頼度の高い優れた方法であ る鋤.本法によって評価されるインスリン感受性 は,遺伝的要因に加え,後天的にも肥満,運動不 足,加齢や各種の病態によって影響を受けること が明らかにされている5)∼7).糖尿病患者では,とく に血糖コントロールの良否がインスリン感受性に きわめて大きく影響することが,今回の成績で改 めて明確になった.高血糖によるインスリン感受 性の低下は標的細胞におけるいわゆる“glucose toxicity”8)∼10)として説明されるが,その詳細な機

構はなお不明である.したがってIDDMと

NIDDMの本来のインスリン感受性を比較する

場合には,血糖コントロール状況に対する補正が 必要である.そこで血糖コントロールの程度を揃 えた3群間において,GIR値を比較した.その結

果,いずれの群においてもNIDDMでGIRの平

均値は二値を示したが,HbAlc 7%以上の群での み推計学的に有意であった.患者二間での比較に は当然限界があり,この目的には同一患者での検

討がより妥当である.そこでIDDMとNIDDM

群の各同一症例において血糖コントロールが同等 レベルに改善した後のGIR値の変化を比較する と,両三問にはきわめて対照的な所見が示された.

すなわち,IDDM群ではほぼ全例でGIR値は正

常域まで改善したのに対して,NIDDM群では改

善傾向がきわめて乏しく,GIR値はIDDMのそ

れの約40%レベルに止まった(NIDDM:2.67± 0.38vs IDDM:6.61±0.36, p<0.001).これら の結果は血糖コントロール不良という二次的な代

謝異常の影響を除いた場合,IDDMとNIDDMに

はインスリン感受性の上で本質的な相違の存在す ることが強く示唆されるものである.NIDDMで はインスリン感受性の低下が恐らく遺伝的に内在 するのに対し,IDDMではそのような特性を欠く

ものと思われる.このことは膵移植に至った

IDDM症例(3例)の自験成績でも, GIR値は数 ヵ月の経過で完全に正常化する1D事実や,膵全摘 後の糖尿病症例のインスリン感受性がきわめて良 好であることなどとも符合するものである.一方, インスリン抵抗性を特徴とする多くの二次性糖尿

病はNIDDMの病態と共通することなどからも

支持される.しかし,欧米のNIDDM患者のほと んどがインスリン抵抗性である12)13)とする成績と は異なり,わが国のNIDDM患者の中には健常者 と同等のインスリン感受性をもつ者が約50%近く 存在する(図1)事実は,きわめて興味深い.恐 らくこれらの患者ではインスリン分泌の低下が

NIDDMの発症における最大の要因であったこ

とが推定される.このようにわが国のNIDDM患 者はインスリン感受性の上からもきわめて不均一 な集団であることが特徴的であると考えられる.

 NIDDMにおけるインスリン感受性の低下機

一625一

(7)

序については,これまで骨格筋や脂肪細胞のイン スリン受容体やチロシンキナーゼ活性および糖輸 送担体(GLUT 4)などインスリン作用の各ステッ プが調べられている1掴7>が,一定した結論に至っ ていない.一方,正常血糖クランプ法下の糖利用 は主として非酸化的代謝過程であることから,近

年,筋のグリコーゲン合成酵素(glycogen

synthase)に関心が集まっているが,この酵素活

性の異常が耐糖能の正常なNIDDMの第1度近

親者に証明され18>19),インスリン感受性を規定す る遺伝因子の一つとして今後の研究成果に興味が 持たれている.

 次にNIDDM発症の前段階と想定される耐糖

能境界型のインスリン感受性を検討することは,

NIDDMの発症におけるインスリン感受性の病

因的意義を考察する上で重要である.勿論,境界 型のすべてがNIDDMを発症するわけではなく,

そのごく一部がNIDDMへ移行するに過ぎない

ことを前提として考えるべきである.境界型症例 においてインスリン分泌反応とGIRの関係をみ ると,GIR値はインスリン分泌総量(IA)および インスリン初期分泌反応(∠IRI/∠BS,30’)のい ずれともそれぞれ有意の負の相関を示した.すな わち耐糖能境界型の段階では個体のインスリン感 受性の程度に応じて,膵β細胞がインスリン分泌 の初期相および総分泌量を共に代償していること が示唆される.またこの関係は正常者においても 認められることから生理的代償機転と考えられ る.この場合,肥満の影響については,BMI 25以 上の対象者を除外してもなお,インスリン分泌反 応とGIR値との間には有意の相関が残ることか ら,肥満による結果ではないことは明らかである.  従来,日本人におけるNIDDMの発症はインス リン分泌不全とくにブドウ糖に対する初期分泌の 障害を特徴とし20)21),欧米において主張されてい るような,代償性の高インスリン血症を認めるこ とはきわめて稀22}23}であることが定説となってい る.しかし,今回の成績で注目されるのは,OGTT におけるインスリン分泌反応すなわちIAおよび ∠IRI/」BS(30〆)がともにGIR値と有意の逆相関 を示したことであり,インスリン感受性の低い個 体であればある程,β細胞はインスリンを過剰に 分泌している所見を得たことである.したがって この事実から,さらにインスリン感受性を低下さ せる因子すなわち肥満,運動不足,ストレス,加 齢や薬剤(ステロイドホルモン,サイアザイド利 尿剤,β一blockerなど)が新たに加わることによリ インスリンの代償性分泌が破綻し,糖尿病が顕性 化すると推測される.したがって,この意味から

我国NIDDMの発症にもインスリン感受性の病

因的意義は少なくないものと思われる.今回の対 象では糖尿病の家族歴の濃淡とインスリン感受性 の程度との問に大きな差異は認められなかった. 濃厚な糖尿病家系における糖尿病の発症個体とイ ンスリン感受性の関連を詳細に検討することも, その成因的意義を考察する上で,今後の重要な研 究テーマであるといえる.          結  論  1)NIDDM症例のGIR値は, IDDM,正常者, 境界型の各群より有意に二値であった.しかし個 人差が著しく,約50%は正常者とオーバーラップ する値を示した.  2)血糖コントロールの改善により,GIR値は IDDMではほぼ全例が正常化したのに対して,

NIDDMではその改善度はきわめて軽度であっ

た.  3)境界型症例において,GIR値とそれぞれ空 腹時IRI,インスリン分泌総量,∠IRI/∠BS(30〆) の間にはいずれも有意の負の相関が認められた.  したがってこれらの成績から,NIDDMのイン スリン感受性はきわめて個体差が大きく,血糖コ ントロール改善後もインスリン感受性の改善傾向 は軽度であった.インスリン感受性の不良な個体 では膵β細胞の代償性インスリン分泌が維持さ れているが,さらにインスリン感受性を増悪させ るか,あるいはインスリン分泌を障害する要因が 加わることにより,境界型からNIDDMへ顕性化 するものと考えられる.しかし一方,インスリン 感受性の良好な個体においてはインスリン分泌能

の障害がNIDDMの一次的な病因をなすものと

想定される.

(8)

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表 対象の臨床的特徴

参照

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