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「性の多様性を認める態度」を形成するプログラムの実践研究

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Academic year: 2021

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- 85 - 「性の多樹主を認める態度」を形成するプログラムの実践研究 人 間 教 育 専 攻 臨床心理士養成コ}ス 小 渡 唯 奈

1

.

問題と目的 ゲイ・パイセクシュアノレ男性について,教育 場面において「ホモ・おかま」といった言葉に よる暴力被害の経験者が 54.5%にのぼるとい う報告という報告がある(日高・木村・市')

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1

, 2005)。セクシュアルマイノリティが,不利益 を被ることのない環境を整えるには,セクシュ アルマイノリティ非当事者が肯定的な態度をも っていることが重要だと考えられる。 米国においてはセクシュアルマイノリティに 肯定的な異性愛者に関する研究が行われており, 例えばStotzer(2009)はLGBに肯定的な態 度が形成される要因として,小学校など早期で のLGBに対する肯定的な体験,高校や大学で のLGB友人との出会い, LGB友人へ共感した り,LGBに否定的な言動に抵抗を感じる経験を していたことが明らかになった。米国において は,どのようにして非当事者がセクシュアルマ イノリティの支援活動に参加していくか明らか にされてきたが,日本においては現在のところ, ほとんど見かけない。そこで,研究

I

では第

1

段階である男/女という

f

甥リのあり方や異性愛 の偏りへの「気付き」を得た「性の多様性を認 める態度」を形成する過程を明らかにすること を目的とした。 また,岡橋 (2

6)は臨床心理士を目指す大 学院生を対象に,肯定的な態度を形成すること を目的として, LGB

S

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nsitiveカウンセラー養 指導教員 葛 西 真 記 子 成のためのプログラムを開発,実施し,その効 果を検証した。しかし,セクシュアルマイノリ ティが不利益を被ることなく生活するには,臨 床心理士だけでなく,日常で出会うであろう非 当事者が,セクシュアルマイノリティに対して 肯定的な態度をもっていることが重要だろう。 よって,研究Eにおいては,大学院生や社会人 を対象に,セクシュアノレマイノリティに対し, 「性の多様性を認める態度」を形成するプログ ラムを実施し,その効果を検討することとした。 また,研究Iで得られた結果をもとにセクシュ アルマイノリティに対する態度の変容と他のマ イノリティへの態度の変容が関連するかどうか についても検討を行った。 2.~開 I 1)調査協力者:

r

性の多樹生を認める態度Jを もっと考えられた,セクシュアルマイノリティ を支援する活動を行う非当事者の女性3名 2)データ集積方法:個室で個人面接を行い, プライバシ→呆護に努めた。 3)面接内容 ①支援を始める前のセクシュアルマイノリティ に対するイメージ②イメージがどのように変化 したか③支援活動に参加し始めた理由 4)分析方法:修正版グラウンデ、ツド・セオリ ー・アプローチ(以下

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G

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)

によって分析 を行った。 5)結果と考察

(2)

- 86 - 「性の多様性を認める態度」の形成プロセス について,メディアで取り上げられるイメージ とは異なる実際の姿に接角古するという<セクシ ュアルマイノリティの可視化>という経験がさ れていた。セクシュアルマイノリティの可視化 の過程とともに,当事者から体験談を聞くこと で,当事者である友人との感情の共有する<当 事者との親密化>過程が同時進行していた。セ クシュアルマイノリティについて知り,<当事 者との親密化>という感情面のプロセスが進む 中で,当事者を理解しようとするときに,自身 の宗教的または人種的マイノリティとしての体 験を顧みて,<マイノリティとしての共感>と いう体験をしていた。つまり, Stotzer (2009) が明らかにしたようにく当事者との親密化〉と いう個人的体験によって,セクシュアノレマイノ リティに対して肯定的な態度が形成されていた。

3

.

iJ隣

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1)研究協力者 プログラム実施前 実験群:計16名(男性7名,女性9名) 統制群:計35名(男性16名,女性19名) プログラム実施後 実験群:計20名(男性8名,女性12名);統 制群:計18名(男性8名,女性 10名) 2)質問紙の構成 ①同性愛嫌悪を測定する

JIHP

尺度(Kaji, 1995) 25項目のうち,岡橋 (2006)によって 選定された 24項目と同性愛に関する態度・知 識 を 測 定 す る 日 本 語 版

LGB.KASH

(Worthington et

a

l

.

, 2005;岡橋, 2006)を 修正した

LGB-KASH

尺度21項目を「同性愛」 から「セクシュアノレマイノリティ」に表記を変 更して使用した。③性差観尺度(伊藤, 1997) 10項目④偏見尺度。(向田, 1998)・Linkステ ィグマ尺度日本語版(下津・坂本・堀川・坂野, 2006)計17項目(説会的望ましさ 3項目⑥フ ェイスシート:年齢,性,自身や周囲の人が当 事者かどうか,宗教について 3)結果と考察 プログラムの前後で各尺度の得点に変化があ るか検討した。

JIHP

尺度について「身近な当事者への中立 的態度J,

r

身近な当事者への嫌悪J,

r

働虫の少 ない当事者への嫌悪」の 3因子が抽出された。 また

LGB-KASH

尺度について

r

アドボカシ ー,

r

知識・スキルJ,

r

考えの隠蔽・接触回避J の

3

因子が抽出された。 身近な当事者への嫌悪が実験群に比べ統制群 で有意に高く,両群とも実施前より実施後で身 近な当事者への嫌悪が強くなっていた。また, 統制群より実験群の方がよりセクシュアノレマイ ノリティの人権について公平性を求める態度を もっており,両群ともプログラム前に比べ,プ ログラム実施後に,アドボカシーの態度が高ま った。 また,実験群において,プログラム実施前よ りもプログラム実施後で知識・スキルが身に付 いた。さらに,プログラムの実施によって,

r

性 差観」得点が低くくなり,他者に関する情報を ジェンダーに基づいて判断する態度を弱めるこ とができたと考えられ,プログラムの効果があ ったと考えられる。

4

.

今後の課題 セクシュアノレマイノリティについて敏感にな り,情報を集めるなどセクシュアルマイノリテ ィに対する態度の変容には,長期間を要するも のと考えられる。よって,今後も長期的に継続 してプログラムを実施する必要があると考えら れる。

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