臨床社会心理学 とは何か
近年,社会心理学 と臨床心理学 を統合 した領域 としての臨床社会心理学 とい う新たな分野が現れ,米国 においては学術雑誌 も公刊 されている。 しか し,こ の統合の試みは,後述す るように,実は長 い歴史 をもつ。本論文では, そ もそ もこの試みは何だろうか"という筆者 による 探索の旅"の始 まりである。
臨床社会心理 学 とは何 か
,社会心理学 と臨床心理学 との統合は,個別研究水準では,主としてカウンセ リング過程への社会心理学 の応用 とい う形で試み られた。精神医学者である Sull市an(1953)は, 精神医学 とは精神科医がその注意深い観察者であ り同時 に関与者で もあるようなた ぐいの事象 または過程 を扱 うところの,日下発展途 上 にある一科学である"と位置づけた。 その上で,知識 の源泉が精神科医 を含 む 対人 の場"で起 こる事象すなわち 対人関係論的な過程"であるとした。
さらに,彼は,社会心理学 と精神医学 との合流の必要性 を提唱 した。治療過程 つ まり対人関係の場 は,伝達可能な抽象的図式にす ることがで き,科学的枠組 みの中で取 り扱 えるのである。 このように,治療過程 をカウンセラこ とクライ エ ン トとの対人的相互作用 として捉 える観点に立てば,まさに対人関係 に関す る種々の理論の構築 や研究知見の蓄積 を行 っている社会心理学は,臨床心理学 に密接な関係 をもつ ことになる (なお,臨床心理学では,カウンセ リング と心 理セラピーの区別 に対応 して,治療者 を指す用語 として,カウンセラー とセラ ピス トという言葉がそれぞれ用いられる。カウンセ リングは, 言語的お よび非 言語的 コ ミュニケーションを通 して,健常者の行動変容 を試みる"行為 を指 し,
心理セラピーは, 病理的なパー ソナ リティの変容 を主たるね らい"と する 〈國 分,1990〉。本論文では,あくまで も便宣上 カウンセラー という用語 に統一 し,
必要がある限 り,セラピス トとぃう用語 を用いる。)。
Goldstein(1966)は,社会心理学研究者 とカウンセ リング研究者が互いの研
諸
―‑49‑―
究に無関心である現状 を批判 し,相互フィー ドバ ックの必要性 を主張した。そ の上で,期待 という概念をカウンセラーークライエントの図式に導入 し,カウ ンセ リングに関する双方の期待の効果に関する研究を概観 している。 また,対
人魅力研究に基づきカウンセラー自身の魅力の効果 も論 じた。
Strong(1968)は ,カ ウンセリングをカウンセラー とクライエントとの間の 対人的影響過程 として捉えた。彼は,態度変化に関する社会心理学研究で見出 された態度変化の基本的要因を取 り上げ,それらをカウンセ リングに応用する カウンセ リング2段階モデルを提唱 した。態度変化研究によると,影響 をおよ ぼす側すなゎち説得者は,(a)専門性,(b)信頼性や,(C)魅力を被説得者によって 知覚されることが重要 となる。 また,説得される側が(d)関与 していることも必 要である。つまり,カウンセラーは,た とえば,壁│こ飾られたカウンセラーの 資格証書や,専門書であふれた本棚によって,クライエントの側に専門性を知
覚 させ ることがで きる。面接の構造化 も同様 の効果 をもつ。また,カウンセラー は,クライエ ン トの安寧 に深 く関心 をもち,利己的動機 をもたず,カウンセ リ ングでの情報 を秘密 にす ることを,相手 に伝 える。 その ことによって,クライ エ ン トは,信頼 性を知覚す る。 また,カウンセ リング過程でのクライエ ン トに 対す る無条件 の肯定的評価や無私の温かみをカウンセラーが示 した り,クライ エ ン トに対する共感的理解 によつて,カウンセラーに対す る魅力が引 き起 こさ れ る。関与 については,カウンセ リングの場合 には,も ともとクライエ ン ト自 身の生活上の困 り事が中心 となるので,いわゆる 高一関与条件"の下でカウ
ンセ リングが開始 され る。 また,フォーカシングな どによつてクライエ ン トが カウンセ リング自体 に払 う努力 は関与 を高める。Strongが提唱す る2段階モデ ルでは,カウンセラァは,第1段階 として,先の(a)〜(d)に よって,クライエ ン トの被説得性 を最大化す る。第2段階では,カウンセラーが変化 させたい方向 にクライエ ン トに変化 をもた らすために,第 1段階で構築 した自分の影響力 を 最大限活用す る。以上 に述べたStrongの提案 は,カ ウンセ リングを対人的影響 過程 と見倣すな らば,当然,対人的影響過程 に関する社会心理学研究での知見 が臨床心理学の側 に有益な枠組 みを提供 して くれ る とい う認識 に基づいてい
る。 この点で,先のSull市an(1953)が示 した方向に一致 してい る。
また, 美 しい ことは善い ことである"とい う身体的魅カステンオタイプに関 す る社会心理学原理 (Berscheid&Walster,1974)をカウンセラーー クライエ ン トの枠組みに適用 した1群の研究 もある。た とえば,Cash&Kehr(1978)
は,非専門的カウンセラーの身体的魅力度 を操作 した。魅力 に乏 しいカウンセ
‑50‑―
ラーのカウンセ リング行動 は,あま り望 ましくない特性や条件 を反映 している と判断 され,弱い関与 しか もた らさず,あま り楽観的でない予想 を生 じた。
社会心理学研究で得 られた知見 をカウンセ リング研究 に導入 しようとする試 みの妥当性 は,セラピーでの失敗事例 を収集するという画期的な文献 によって も示 されている (Robertiello&SchOenewolf,1987)。 この文献 では,転移 と 逆転移の問題 を中心 に失敗事例が呈示 されているが,その失敗 のほ とん どが社 会心理学理論や原理 によって説明で きる可能性 を秘 めている。た とえば (失敗
8 恋 に落 ちた治療者"),魅力的な女性 クライエ ン トによって これ まで出逢 っ た中で,一番素敵 な男性"と言われた男性セラピス トがそのクライエ ン トに恋 をするが,ある時 に,彼女 にキスをして しまい,その瞬間,セラピス トに対す る彼女の 好意的態度"が一変 し,彼女 によってセラピーは打 ち切 られ る。セ ζピス トに対するクライエン トの愛情表出は,転移感情であって,セラピス ト に対する真の感情ではなかった。セラピーでのクライエン トの行動の原因が何 であれ,男性 セラピス トは,好意の返報性 (長田,1977)と い う社会心理学原 理 に基づ き行動 したのである。
Sullivan(1953)の 方向は,後述するように,ル%物α′グ4ιπο物%′α%″助σ滋′
Psyttο′のフ の創刊 目的 とも一致 しているが,この学術雑誌の試みは失敗 に終わ る。 しか しなが ら,(a准会心理学研究が成熟 し,なおかつ応用研究の重要性 に 目が向けられ るようにな り,(D臨床心理学の側か らも社会心理学理論や知見の 活用が重視 され るようになった,1970年代後半か ら,彼の示 した方向性が現実 の もの となる。 これは,社会心理学 と臨床心理学 との統合 を試みる書物の公刊 や,後述す る力%%α′グ 助σ″′α%″C伽グσα′PsyσλοJ曜ッ の創干Jに代表 され る。
ところで,村上 (1974)は,心理学で人間が どのように位置づけられている かについて,Fig。 1のようにまとめた。Wundt以前の心理学 は,直接経験 を中 心 とす る 1人称 の心理学"であ り,それ以降の一般 (行動科学的)心理学 は,
客観的・公共的な実証科学 を志向 し, 没個性の普遍的人間"を対象 とする 3 人警の心理学"である。 それに対 して, よき伴侶性 としての視点か ら世界 を共 に生 きる共存在"としての人間を捉える 2人称の心理学"が対置される。彼
は,臨床心理学においては, 2人称の心理学"の観点が重要であることを主張 している。本論文で述べている立場は, 3人称の心理学"の一分野である社会 心理学 と 2人称の心理学"としての臨床心理学の融合を主張するものでもな い。 また,臨床心理学自体が 3人称の心理学"なのか 2人称の心理学"で
あるかを論点にしたいわけでもない。要するに,先述 したように,た とえば,
‑51‑
治療過程を対人関係の場 として捉えた場合に,(a)社会心理学理論や研究知見の 治療への利用可能性があること,(b)健常者 と 異常者"を連続的に捉えれば,
臨床的分野から社会心理学は学ぶべきことが多 くあるのではないか ということ である。(b)については,たとえば,Beck(1976)による抑 うつ理論を挙げるこ とができる。抑 うつ者の臨床的治療理論 として彼が呈示 した抑 うつの捉え方は, 帰属 (attribution)│こ代表される認知領域に重要な影響を与えている。
主観的 思弁的 概念的
客観的 具象的 実践的
《1人称的接近》
″″θ´´″″、、、、、、
対象の捉え方
対象への接近方法
対象との関わ り方
限定的 ――
分析的 ――
(勁出留″3ら)
客体的 ――
観察的 ――
理解的 ――
(■ ■期r) 統制的 ――
権威的 ――
流動的 総合的 (内妨 3ら)
主体的 参加的 共感的 (ォ輌期r)
親和的 信頼的
│
《3人称的接近》 《2人称的接近》
門g。 1 心理学における人間接近の図式 (村上,1974)
社会心理学 と臨床心理学の統合 としての臨床社会心理学の課題 は,先述 した Strong(1968)の ようにカウンセ リングヘの社会心理学原理の応用に限定 され ない。一般的には,不適応行動の形成,維持や,変容 の理解が大 きな課題 とさ れるべ きであ り,さまざまな心理学的障害の治療や予防手続 きの発展 を目指す べ きである (Weary,Mirels&JOrdan,1982)。 社会心理学者 には,(a)臨床的 問題への関心,(b)特定の臨床的問題 に役立つ社会心理学理論や知見の呈示 と応 用のための研究への取 り組 みが望 まれ る。 また,臨床心理学者 の側 には,(a)健 常者 を対象 とする社会心理学研究への関心,(b)特定 の臨床的問題 に関す る研究
や実践への社会心理学的観点の導入 と研究への取 り組みが期待される。このよ うな両者の努力を基盤にして,社会心理学的観点 と臨床心理学的観点を併せも つ研究 と研究者が生み出されるだろう。概念的試みとして,これ らの関係 を Fig.2に 表す。
1勧 層 躍 │
│ │
││ ││
I圃
臨床縄 学研究 対集:入院患者
カウンセリングでのクライェント 日常的不適応者
事例研究
治療効果性研究(実験室研究も含む)
^
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目g.2 社会心理学 と臨床心理学の統合 としての臨床社会心理学
一‑53‑
9
社会心理学 と臨床心理学の統合の公式的試み
1.Journal of Abnorma!and Sodal Psychdogyの 創刊 と分割
社会心理学 と臨床心理学の統合の公式的な試みは,MOrton Princeによって 創刊された力%物ク′グ4ι%″物α′α%グ 助θ勿′Psyσ力ο′qク に始 まるといえる。
Hill&Weary(1983)は ,この学術雑誌の創刊 とその後の分割を跡づけた。彼 らは,社会心理学 と臨床心理学 (異常心理学)の統合の試みの失敗原因を明ら かにすることによって,Ja%″πα′び Sθσ勿′απグa物たノ Psyιttθ′Qり の創干J
(1983)に 代表される社会心理学 と臨床心理学 との統合を目指す2回目の試み が成功することを期待 している。 ここでは,Hill&Weary(1983)に 従って,
ル%%α′げ4bπο物%′ α%グ 助θ滋′Psyθλοれり の歴史をた どることにする。
(1)前史
1906年 に,Morton Princeは , 異常な精神現象"に関心のある臨床的研究 と実験的研究のための 1つ の場 として,ル%%α′げ4bπο解協′詢 chο′Q夕 を創 刊 した。彼は,オーナー兼編集者であつた。 しばらくして,この学術雑誌は,
米国精神病理学会や英国の心理一医学協会の公式機関誌 として機能するように なった。
しかし,協力編集者 として FoH.Allportを 招 くことによって,この学術雑誌 の対象分野の拡大が試みられた。つまり,社会心理学分野を含めることが企図 されたのである。1921年 ,Princeと F.H.Allportは,編集の辞で,次のように 述べた。 社会心理学は,そ の姉妹科学である異常心理学 も興味を寄せているさ まざまな現象に関心をもっている。 これらには,特性研究,個人 と集団 との相 互作用,言語的コミュニケーションと非言語的コミュニケーション,社会化過 程や,集団の影響 と群衆行動が含 まれる"。 この方針に従って,こ の学術雑誌の タイ トルは,1921年4月号から,ルπ%α′げ スみπ″πα′駒 C力οStt απ″助σ勿′
詢 cbわク と変更され,1925年には,ル%%α′げ 4み%″%α′απグ助ε滋′Psy‐
θ力θ′昭ァと短縮された。
12)併存の段階
F.H.Allportは ,1925年 まで共同編集者 として働 き,1925年 からはHenw T.
Mooreがその後を引き継いだ(〜1937年 まで)。 同年に,Princeは,異常心理 学の関心が二次的にならないことを条件 として,この学術雑誌の所有権 を米国 心理学会に提供 した。翌年には (1926年),米国心理学会の公式の学術雑誌 と
なった。
1938年 から1950年 までの間,GoWo Allportが 中心 とな り,この学術雑誌を運
営 した。Princeと FoH.Allportは,社会的行動の研究が異常精神過程研究から 得るところがあることに力点を置いたが,GoWo Allportは ,心理学の2領域の 間の連合を主張 し,社会心理学の重みを高めた。 この学術雑誌は,(a)社会心理 学的過程,(b)異常心理学的過程,(C)両方の過程の相互依存性に関する研究のた
めの重要な発表の場 となった。
(3)統合の試みの失敗 :学術雑誌の分割
ル%物α′a/4ι%ο″%α′α%″ 助σ勿′Psyttο′のフ という社会心理学 と臨床心理 学 との統合の公式的な試みは,ル%物α′グ4ιπο″%′ Psyttο JQり とル%%α′び 力 寄ο%滅秒 απ″ 助σ勿′Psyttθι昭ソに分割するという決定が行われた 1964年 に,失敗に終わる。
Hill&Weary(1983)は,ユ務物α′a/4みπο夕2α′α%グSθε滋′PsyttοJagの 編集 に携わった者 とのインタビューを行 い,統合 の失敗 の原因 を次 の点 にまと
めている。(a)投稿論文の増加,(b)論文の専門化,(C)審査基準。
(a)の問題 は,編集スタッフの過剰負担,拒絶率の高 まり,投稿論文の受理 の 時期 と掲載時期 との間のずれに関わ る。 また,多様 な範囲の論文が含 まれ るた めに,逆に個別の読者の関心 を充たす ことがで きない ことも含 まれ る。
(b)と(C)の問題 は,この学術雑誌が社会心理学 と臨床心理学の統合 を意図 して いるにもかかわ らず,投稿論文 の大半がそのような意図 を充た していない こと に由来 している。1938年の時点で,GoWo Allportは,この学術雑誌の投稿論文 を,次の ように特徴づけた。50%が社会心理学全体 に関わ り,10%のみが社会 心理学 と異常心理学の両方,残りが異常心理学や関連 の主題である"。 社会心理 学 に対す る偏重傾向は,分割の決定が行われ るまで続 いてお り,そもそも分割 決定 は,20年以上現実であった ことを単 に公式化 しただけであった。
また,(b)と(C)の問題 は,循環的である。つ まり,統合の方向 よ りも社会心理 学 と臨床心理学 という専門化 の方向にそれぞれ向か う中で,両分野 の論文 に用 い られる評価基準 を同等 にした場合 には,いずれかの分野 に関わ る論文が不利 になる。つ まり,この学術雑誌での論文評価基準 は,米国心理学会 の実験系学 術雑誌での基準 に近 く, 統計的技法や標準的な実験手続 きを強調 してお り¨・
狭義の科学的方法の規定 に従 っている"(Daniel Katz;Hill&Weary,1983)。
また,臨床的論文が投稿 された ときには混乱が生 じ,事例研究であるに もかか わ らず実験的研究 と同様 な基準が用い られた (ZaiOnc;Hill&Weary,1983)。
つ まり,臨床心理学の重要な研究法である事例研究的アプローチを用いた論文 は,拒絶 され る可能性が高かったのである。
‑55‑
統合 の試みの失敗が明 らかである以上,もはや,この学術雑誌 を分割するか 否かが問題 でな く,専門性 の高 ま りを前提 に どの ように分割 す るかが焦点で あった。理想的には,(a)社会心理学,(b)異常心理学,(C)性格研究 に関わ る3つ の学術雑誌 の刊行が望 まれた。 しかし,米国心理学会 は,財政的負担か らこの ような分割 には消極的であ り,結局,ル%%α′ グ 4ιπθ劉%′ α%グ 助滋 ′ Psy磁 況 惚 ク は,Ja%η 厖 ′ ″夕4b%ο ,物多α′PSyσ力οιり と/a%ηaαJ ρ/J形 容 ο%α′′ク
α%″ Saσ勿′Pり山ο′qク に分割 された。
2.社会心理学 と臨床心理学 との統合の2度目の試み
ル%%α′a/4ι%ο″%′ απ″ 助磁 ′Psyttο J6り の分割 の約20年後 であ る 1983年 には,社会心理学 と臨床心理学 との統合的研究の増加 を背景 として, /a%%α ′グ Saσ勿′α%グ Cル虎″Psyσ力οJリ カ治J刊された。 このような統合の
2度目の高まりの原因 として,Hill&Weary(1983)は,1960年代に発展 し た学際的志向性に基づ くプログラムによって訓練された者が研究の中心を担っ ていることを指摘 している。さらに,彼らは,心理学分野内での専門化が逆に 統合的な臨床社会心理学研究の最近の増加 に影響 していることも挙げた。専門 化は,学 際的研究の死 を意味せず, むしろ,異 なる専門性が発展するにつれて,
相互関係の研究の機会が もたらされる。特定の種類の学際的研究は,それ自体 で専門的 となる。 また,人々がこの種の特別の専門性に関心をもつようになる ときには,専門的な考えがあり,関連論文を生み出している多 くの人々,新し
い雑誌の公刊 を支持する関心をもった読者がいる"(J.Brehn;Hill&Weary,
1983)。
(1)臨床社会心理学研究の増加
Leary,Jenkins,&Shepperd(1984)は ,1965年から1983年 までの間の社 会心理学系学術雑誌での臨床社会心理学研究の掲載パターンを検討 した。1965 年は,ル%%α ′a/4ιπο劉%′ グSa滋′駒 ελο′響 が分割された年であると
ともに,力%%α′グE″
"物ι%″′助ε勿′Psyttοれク創刊の年でもある。次の 5つ の学術雑誌が調査対象 とされた。」a%%α′グ ル 容οπ蒻わ α%″ Saε滋′Psy‐
滋οιqy,ル%物α′〆 Dψιガ%ιπ″′助ε滋′詢 乱ο′り ,ル%%α′a/助滋 ′ 詢 Chれク,助滋 ′Psyttο′
̀型 o%物 (1978年 に 勤れ ゎ か ら名称変 更),ル熔οπ蒻妙 ″ グ助σ″′R″λοJagy ttJJa滋 (1975年に創刊)。 2名の評 定者が,こ れらの学術雑誌で3年ごとに(1965,1968,197191974,1977,1980, 1983)それぞれで掲載された全論文の合計 3111論 文を分類 した(判断に不一致 があった場合には,第 3の判断者が決めた)。 臨床社会心理学研究 と判断される
‑56‑
基準 は,次の通 りであつた。(a)不適応行動の発達,維持,診断や,治療の特定 の側面 を社会心理学的観点か ら研究 している,(b)臨床心理学的概念や技法 を用 いて 健常な"社会的行動 を研究 している (この種類 の研究 は,まれである)。
つ まり,社会心理学 と臨床心理学の両方か ら明確 に導 き出され る概念,理論, 原理や話題 を使用 している研究が臨床社会心理学研究 と判断された。なお,2名 の評定者 によって学術雑誌 ごとの1年間での臨床社会心理学研究 と同定 された
Tabに 1 1965年 以降の社会心理学雑誌での臨床関連論文 (Leary et al.,1984)
′ 雑 誌
̀与
二I姜[ JPSP JESP sPQ JSP PSPB
1965 .07 .04 .03 .09 ‑
(17/252) (1/27) (1/29) (9/104)
1968 .o2 .03 .03 .o8 ‑
(3/196) (1/33) (1/31) (9/120)
1971 .04 .00 .o3 .04 ‑
(8/192) (o/51) (1/35) (5/131)
1974 .03 .o3 .Oo .o3 ‑
(6/210) (1/40) (0/44) (4/150)
1977 .05 .02 oo .o3 .02
(5/93) (1/44) (0/47) (4/149) (2/113)
1980 .05 .o2 .o2 .o6 .01
(11/202) (1/44) (1/49) (8/138) (1/78)
1983 .16 .oo .o6 .09 。lo
(39/249) (o/34) (2/36) (11/128) (6/62)
注:本表 には,当該の雑誌で各年度 ごとに臨床関連的 と見倣 された論文の割合 が呈示 されている。略号 は以下の通 りである。
JPSP=力%πα′げ&知%α′わ α%″ 助c力′灼 cλο′卿
JESP=ル′%α′グEψι″%′%滋′Sοσあ′詢cLο′⑬ SPQ=Saσ″′釣 c力ο′卿 Qttzγ″物
JSP=力%%α ′グ 助磁 ′Psyttθιq″
PSPB=2容ο%α″″ α%″ Sθttα′Psyσ″οJag Bπ ′′′″%
論文 数 の相 関 は,。92であ った。
Table lには,Leary θ′αム(1984)による調査結果が示 してあ る。統合 的論 文 数 は,全論文 数 の ご く一部 で あった (約5%)。 しか し,学術雑誌 に よって,
その動 向 は異 なって いた。ル%%α′び 」助ク銘物 θ%″′助 σ勿′)ゝ楓 οJQり,ヵ%πα′
―‑57‑―
グ 助σ勿′Psyttοιり ,Saσ ″′Psy滋滅客ソ⑫捌物物 では,1965年か ら1983年
の間に掲載 された臨床社会心理学研究の割合 にほ とん ど変化がみ られない。 と ころが,ユ協′πα′ゲ 」%術οπα′′″ ¢π″ 助aα′Psyttο′む や,ル容οπα′グ″ α力″
助 磁 ′Psyttοι哩 助JJa蒻 では,統合的研究への関心の増大が とくに1983年 の巻で現れている。力%協α′げ&賀οπ滅妙 α%グ Saθ″′Pり歯 ιQりの場合 には,
1983年に掲載 された臨床社会心理学研究 の割合 は1965年の2倍以上 で あっ た。同様 に,ル雰b%滅秒 α%グ助 σ勿′PsyttοJ鯉ソ」%ル磁 で も1983年での高 ま りが認め られ る。 しか しなが ら,Leary ι′αl(1984)は,次の ような検討課題 も指摘 している。1つめは,社会心理学 と臨床心理学の統合 に関心 をもつ研究 者が 力% %′ び0%S%励昭 α%グ Cル虎グPsyttο′り な どの臨床系学術雑誌で も論文 を公刊 していることである。したがって,臨床系学術雑誌で も掲載パター ンを検討す る必要がある。2つめは,掲載パ ター ンの変化が,研究者の関心の 変化 ばか りでな く,学術雑誌 の編集方針の変容 も反映 していることである。た とえば,ル%πα′a/ル省οπ滅妙 α%グ 助 θ勿′駒 C力οιり での臨床社会心理学研 究の増加 は,3つのセクションヘの雑誌の分割 と(1980年 代中期),その結果 と
して生 じた性格研究の掲載の増加 による ところが多い。つ まり,Leary ι′α及
(1984)の 調査では,1983年の臨床社会心理学研究 と判断 された研究の うちの 大半 (39論 文中35論文)が 性格過程 と個人差"セクシ ョンに含 まれていた。
②統合の意義
社会心理学 と臨床心理学 との統合 によって,それぞれの分野 はどのような利 益 を受 けるのであろうか。
まず,臨床心理学の側 の利益 について述べ よう。臨床心理学者 は,精神障害 の悪化や改善 における社会的要因の重要性 を一般的に認識 している。 さらに,
臨床実践が社会的環境で起 こり,臨床家が直面す る多 くの問題が本質的には社 会的な問題であることが,一般的に認 め られている。 したがって,社会心理学 的概念 によって,カウンセ リングでの対人的過程や個人内過程への新 しい洞察 を臨床心理学者 は得 ることがで きる。
社会心理学 も,臨床心理学 との統合か ら利益 を得ている。Robert ZaionCに よれば,異常心理学的過程 の研究 に対 す る社会心理学的命題 の応用 は,次の よ うな意義がある。 用い られている概念 に―た とえば,学習性無気力感,帰属,
自己スキーマー特定の意味や豊かさがカロえられるか らである。次の ようにも考 えられる。 この応用は,社会心理学的概念 を豊かにす る。それは,意味 を与 え る。それは,応用 にい くつかの限界 を設 ける。思 うに,それは,実りあるもの
である・・・社会心理学 は,その概念の応用によって得 るところがあるだろう"
(Zaionc;Hill&Weary,1983)。
さらに,Hill&Weary(1983)は ,社会心理学 と臨床心理学 との統合 を必要 とす るさまざまな研究領域が存在することを指摘 している。 そのような領域 と して,健康 の問題,老化 と退職 の問題や,親密な関係 を挙 げている。
13)統合 に対する障害
ル%%α′げ 4b%″πα′α%グ 助
̀勿′Psyθ力滅昭ソによる統合の試みが失敗 に終 わ った原因は,ル%物 α′グ 助σ″′α%グ Cル疵″ Psyttο′Qクの場合に もあては まる。 とりわけ,投稿論文の審査基準の問題が重要であろう。社会心理学分野 固有の方法論 を充たすかを中心 にす るのではな く,対象や研究関心 に応 じて柔 軟 に評価 を行 う 創造的な編集方針"を発展 させ る必要がある。 さらに,Hill&
Weary(1983)は,専門主義 を挙 げている。心理学の諸分野 による伝統的区分 は,教育制度 (学部,学科,専攻)と も対応 している。学際的な研究 を行 う者 は,制度構造内でのアイデ ンティーの潜在的喪失 に直面す るか もしれない。 こ れ らの障害の克服 の成功 は,臨床社会心理学研究 を志向する研究者の能力 に依 存す るだ ろう。
臨床社会 心理 学 にお け るい くつかの問題
1.臨床社会心理学 と心理セラピーの実践 (1)Hend ckによる提起
Hendrick(1983)は,臨床心理学での心理セラピーの大半が応用社会心理学 の実践ではないのか という前提 に基づ き,治療 の実践 を も含 む臨床社会心理学 の確立 を提唱 した。つ まり,臨床心理学者が 認定 と呼 ばれる認可過程"を媒
介 として臨床実践 を占有化 しつつあ り,心理学内での臨床的実践 は臨床心理学 の特権であるかの ような状況が存在 している。このような状況 に対 して,彼は,
臨床実践 を射程 に入れた分野 としての臨床社会心理学 を位置づ けようとした。
彼 によれば,(allIL会心理学が人間相互作用の研究 に中心的 に関わる,(b〉い理 セラピーが まず第 1に 人間相互作用の類である,とい う点か ら,社会心理学 は もともと保持 していた心理 セラピーを実践 す る権利 を放棄 してい ることにな る。彼 は,そのような権利の根拠 をLewinに よる社会心理学の体系化の試みに お く。Lewinは,社会心理学の発展の方向を示唆 した。 しか し,彼は,臨床心 理学 に関わ る領域 のさまざまな問題 も扱 っている。『パー ソナ リティーの力学 説』では精神遅滞児 (Lewin,1935),『 社会的葛藤の解決』(Lewin,1948)で は
―‑59‑―
夫婦関係上のコンフ リク ト,『社会科学 にお ける場 の理論』で は退行 (Lewin, 1951)と い う具合である。つまり,彼の体系 は,グループ 。ダイナ ミックス と い う名で集約 され得 る部分 に加 え,個人水準での臨床的仲介 に関わ る部分 も内 包 していたのである。 しか しなが ら,Lewin死後 の社会心理学研究 は,大半が 実験室研究の枠組みの中で実践 され,Lewinの考 えの中にもともと含有 されて いた臨床的仲介の志向性 は消失 した。
1960年代後半か ら1970年代前半 にかけて,実験室研究 に対す る批判 の高 ま りを契機 として,社会心理学の中での応用研究の重要性が認識 され,精神的健 康,老化 な どの問題が社会心理学の中で も積極的に扱われるようになった。 そ の ような流れの中で,1970年代後半か ら,社会心理学 と臨床心理学の統合が提 唱 されたが,一方で,心理セラピーが臨床心理学の専有 になつている現状があ
る。
Hendrick(1983)によれば,心理 セラピーは,セラピス トとクライエ ン トと いう2つの相補的役割 を占める者の間での相互作用の1つのタイプである。 ク ライエ ン トは,問題解決の援助 を求めてセラピス トを訪れ,それ らの問題 は,
性質上対人的な ものである。つ まり,心理 セラピーは,説得 と対人的影響の状 況 として位置づけることがで きる。 したがって,たとえば,健常者 を対象 にし た態度変化研究での多 くの知見 は,セラピス トに とっては有益 な もの となる。
つ まり,Hendrickは,社会心理学研究の中で見出された多 くの社会心理学原理 が′い理セラピーに とっての メタ的土台"となると主張す る。社会心理学原理 の心理セラピーヘの導入 によって,系統的で強力で効果的な心理セラピー・ シ ステムが構築 され ると考 えたのである。
以上 の ような考 えを実現す るために,Hendrick(1983)は,次の要件 を提起 する。(a)メ タ的土台の特殊理論への転換,(b)臨床実践や評価研究 による検証 と 修正,(C)大学院生訓練 カ リキュラムの整備,(d)公式的検査の必要性 の判断,(e) 臨床社会心理学 に心理治療 も含 まれるという権利 の政治的キャンペー ン。
け)Maddux&stokenbergによる反論
Hendrickによる急進的な提案 は,Maddux&stoltenberg(1983)によって 反駁 された。彼 らは,(a)Hendrickが主張する社会心理学者が′心理セラピー を行 う権利,(b)臨床心理学者 によって提供 され るサービスの質,という2つの側面 について反論 している。
Maddux&Stoltenberg(1983)に よれば,社会心理学 は,伝統的には,実
践 よりも,専門性の訓練 を伴 う研究中心的分野である。 もちろん,実験室外で
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の現実世界での応用 も重要である。 しか しなが ら,彼らによれば,この応用 に は,心理セラピーの実践 は含 まれていない。その ような浸食 に対 しては,当然,
臨床心理学者の側か らの縄張 り意識や経済的動機 に基づ く反応が予想で きる。
しか し,彼らは,それ以上 に,臨床心理学やカウンセ リング心理学での伝統的 訓練 を受 けていない臨床社会心理学者 によって提供 されるサー ビスの質 につい て疑念 を示す。つ まり,現在 の臨床的な訓練 プログラムでさえも,知識の増加 や技法の発展 によって,内実が希薄 になっている。それにもかかわ らず,社会 心理学者 としての十分な訓練 に加 えて,臨床的技能 も十分 に身 につ けさせ よう とす ることはお よそ非現実的である。つ まり,臨床社会心理学者の訓練の中で,
臨床的な実践訓練が犠牲 にされ るとすれば,当然,この 臨床社会心理"セラ ピス トによるサー ビスの質の低下が予想 され る。
また,社会 心理学者 が′い理 セ ラピー を行 う歴史的権利 を もつ とい うHen‐
drick(1983)に よる主張 について も,Maddux&Stoltenberg(1983)は,次
の ように批判す る。Hendrickの論理 は, 社会心理学者であるLewinは ,臨床 的領域 も扱 っている", 自分 は社会心理学者である", 社会心理学者 は,臨床 的領域 も扱 うことがで きる"とい う三段論法 に基づいている。 この論理 に基づ くな らば,臨床心理学の 祖先"にはFreudがいるので,臨床心理学者 は医療 を実践す る権利 をもつ ことになる。つ まり,Hendrickの挙 げている根拠が妥当 でないのである。
Maddux&Stoltenberg(1983)は ,臨床社会心理学が′い理セラピーを実践 す るか どうか よ りも,臨床的問題 を視野 に入れ,社会心理学原理の応用可能性 を探求す る分野 としての臨床社会心理学 と,臨床心理学の側か らのそのような 試 み としての社会臨床心理学 の区別 を提案す る。つ まり,いわば臨床心理学の 社会化"である。社会臨床心理学では,臨床的な訓練 プログラムに社会心理 学的観点 を導入す ることによって,臨床的現象 をみる際の対人的枠組みが提供 され るべ きである。つ まり,社会心理学での厳格 な方法論や理論構築の訓練が, 現実の臨床的問題 の体験や認識 と組 み合わ され,臨床心理学的基礎 に加 えて社 会心理学的枠組み も持 ち合わせた有用な実践家 を生 み出す ことがで きる。
2.臨床実践への応用のための研究パ ラダイム
臨床社会心理学構築のための研究 は,社会心理学か らは,どの ように行われ るだろうか。Brehn&Smith(1982)は ,臨床実践への応用のための研究パ ラ ダイムを提起 した。 これ をFig。 3に表す。
基本的な実験室研究"とは,通常行われている社会心理学研究の ことであ
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役割演技研究
臨床的前段階の 母集団
社会心理学変数を
統合する効果研究 比較効果研究
実験室バ ラダイム を用いた 臨床的母集団
社会心理学原理 に 主 として基づ く 治療方略の効果性
現実の臨床実践への関連性の増加
ng.3 臨床心理学への社会心理学の応用に関する 研究方略の連続体 (Brehm&Sm■h,1982)
る。実験室研究や理論モデルは,それ 自体 で も臨床的応用のための源泉 とな り 得 る。 役割演技研究"は,伝統的な実験室研究 よりも臨床的場面 に類似 した状 況 を呈示で きるが,実験場面の正確 さ と統制 を可能 にす る。Brehn&Smith
(1982)は,Stivers&Brehn(in Brehn&Smith〈 1982〉)による研究例 を挙 げている。 この研究では,カウンセ リングヘの リアクタンス理論の応用が役割 演技法 を用いて試み られた。個人的統制の自由の重要性 (試みる自由が重要,
試みない自由が重要)とカウンセラーの志向性 (行動セラピー,精神力動的セ ラピー,クライエ ン ト中心的セラピー)が操作 された。被験者 自身が呈示 され た門題 にどの くらい個人的統制 を発揮 しようとするかや,カウンセラーに対す る魅力が尋ね られた。結果 は,おおむね リアクタンス理論 と一致 した。た とえ ば,個人的統制 を試みない自由が重要 となる場合 には,クライエ ン トー中心志 向のカウンセラーの下では,個人的統制の意図の低下がみ られ,カ ウンセラー に対する低 い評価が現れた。つ まり,役割演技 を用いた研究 によって, リアク タンス喚起がカウンセラーが望む治療上の結果を促進できる可能性が示唆 され
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たのである。
次 に, 些細 な臨床的問題"を対象 とす る研究 について述べ る。た とえば,健
常者 (多くの場合,大学生)を対象 として,蛇恐怖,テス ト不安 な どに関する 研究が多 く行われている。 この ように日常的 に生起 す る些細 な問題 を扱 う研究 は,次の点で意義がある。 これは,(a)些細 な問題か ら重大 な問題への一般化が 可能であるか もしれない,(b)些細 な問題であって も,その問題が苦痛経験 を引 き起 こしている点で,臨床的問題 といえる。臨床的段階の前段階にある母集団"
を用いた研究 は,健常者の うちで,後に重要な心理学的問題や心理生理学的問 題 が発現 す る可能性 が あ る こ とを考 える と,意義 が あ る。Brttm&Smith
(1982)は,例として,タイプAの研究 を挙 げている。つ まり,タイプAの大 学生 は,中年期のタイプAの者 と結 びついた特徴 を示す。 この ことか ら,タイ プAの大学生が後 に冠状動脈障害 を患 う危険 にある。 したがって,タイプAの
大学生の認知構造 を調べ ることによって,タイプA傾向 を改善するために効果 的な臨床的仲介方法 を構築す ることがで きる。
実験室パ ラダイムでの臨床的母集団"の段階では,実験室研究での研究パ ラダイムを臨床母集団に適用す ることによって,社会心理学理論の臨床実践へ の応用が検討 され る。Brehn&Smith(1982)は,例として,客体的 自覚がア ル コール中毒患者や一般精神病患者 の 自己認知 にお よぼす研究 を挙 げている が,残念 なが ら,肯定的結果 は得 られていない。 社会心理学変数 を統合す る効 果研究"では,治療 の効果性 を促進す る要因 を探 る研究の中に,社会心理学理 論 にようて重要視 されている変数 を導入す ることである。例 として,セラピー
過程でのクライエ ン トによる選択の役割 を挙 げているが,彼らによれば,これ は適切 な仕方で研究 されていない。
社会心理学理論 に主 として基づいている治療技法の効果性"と しては,施
設居住の老年者母集団を対象 として,統制感覚が身体・ 精神的健康 を高めるこ とを示 した研究が挙 げられ る (Schultz,1976な ど)。 さらに,Breh&Smith
(1982)は,リアクタンスを利用 した段階的接近 による説得 に基づ く敵対的行 動療法 を利用 したAyllon,Allison,&Kandel(in Brehm&smith(1982))に
よる研究 を挙 げている。 この技法 は,次の手順で行われ る。(a)クライエ ン トに よって最 も受容 されそ うな ものか ら最 も受容 されそうにない ものまでの望 まし い行動 に関わ るステー トメン トの ヒエラルキーを作成する。(b)カ ウンセラーは,
各ステー トメン トの逆の ことをクライエ ン トに説得 しようと試み,それ によつ
て心理学的 リアクタンスを喚起す る。(C)カウンセラーは,クライエ ン トが望 ま
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