化学反応論とは何か 化学反応には「2つの見方」がある
分子1個が見えるまで拡大して見る ズームイン
分子の構造・電子状態などに注目 ズームアウト 分子の化学的個性には注目せずに
分子の「挙動」に注目する 化学反応論
化学反応論の概要 反応速度論(第2回〜第5回)
気体分子運動論(第6回)
反応速度を調べて化学反応を分析する
反応速度を理論的に解釈するための基礎
化学反応とエネルギー(第7回〜第10回)
熱力学と化学反応論を関連づける
さまざまな反応の解析(第11回〜第15回)
特徴ある反応を速度論で解析する
反応速度論
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反応速度論とは何か
「物質量の時間変化」に注目して 化学反応を理解する方法。
A B
(反応物) (生成物)
A が一斉に B になる
○ A が徐々に B になる
物質量の時間変化
A → B
[A]
[B]
[A]=
「Aの物質量」
(溶液反応の 場合は「濃度」)
反応速度
反応速度:単位時間内に反応した物質の量
=物質量を時間で微分したもの
d[A]dt
B の生成速度=
d[B]dt
(負の量)
(正の量)
反応 A → B: A の反応速度=
Δ[A] (< 0) Δt
Δt Δ[B] (> 0)
Δ[A]
Δt
⎯Δt→0⎯⎯→d[A]
dt (<0)
Δ[B]
Δt
⎯Δt→0⎯⎯→d[B]
dt (>0)
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反応速度の定量的取り扱い
d[A]
dt
d[A]
dt
(絶対値大きい)
(絶対値小さい)
反応速度は一定ではなく、時間とともに変化する
反応の進行とともに 反応は遅くなる
何が反応速度を決めるのか?
反応速度は反応物の物質量に依存する
A → B + C
A + B → C + D
※ [B], [C] には依存しない
(B, C は「反応物」ではないから)
※ [C], [D] には依存しない
(C, D は「反応物」ではないから)
反応物は A
反応物は A, B
反応速度は「反応物」の物質量に依存する。
「生成物」の物質量には依存しない。
(微分速度式)
d[A]
dt =−f([A])
普通は d[A]/dt < 0 なので マイナスをつけてある
d[A]
dt =−f([A],[B]) [A] についての微分方程式 →
微分速度式の関数型は反応機構を反映する
(一次関数)→「一次反応」
d[A]
dt =−f([A])
−f([A])=−k[A]
−f([A])=−k[A]2 (二次関数)→「二次反応」
d[A]
dt =−f([A],[B]) −f([A],[B])=−k[A][B] 「二次反応」
「一次反応」:反応物が一分子で反応する
「二次反応」:二分子の反応物が衝突して反応する
(A について一次、B について一次)
右辺はどんな関数?
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反応中の物質量の変化は微分速度式で記述できる
A → B + C
d[A]
dt =−f([A]) d[B]
dt =d[C]
dt =f([A])
※ 考え方:A が1分子減るごとに B, C が1分子できるから d[B]
dt =d[C]
dt =−d[A]
dt であるはず
A + B → C
d[A]
dt =−f([A],[B]) d[B]
dt =−f([A],[B]) d[C]
dt =f([A],[B])
※ 考え方: d[C]
dt =−d[A]
dt =−d[B]
dt であるはず
複雑な反応
複雑な反応は、「素反応」に分割して考える。
A + B → C → D A + B → C C → D A + B ⇄ C + D A + B → C + D
C + D → A + B A + B ⇄ C → D + E A + B → C
C → A + B C → D + E 現実の化学反応では、「後続反応」や「逆反応」など が同時に起きて、複雑化していることが多い。
後続反応
逆反応
代表的な反応のタイプ
・素反応
・逐次反応
・可逆反応(平衡反応)
反応速度の解析上「一段階」と見なせる反応
2つ以上の素反応が連続する反応
互いに逆向きの素反応が同時に起きる反応
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気体分子運動論
温度と化学反応
温度が上がると化学反応は速くなる。 → なぜ?
温度が高いほど分子の持つエネルギーが大きいから。
→ どういう意味?
「温度」と「分子が持つエネルギー」の間の関係を 定量的に知る必要がある。
気体分子運動論 分子を極限まで単純化して考える。
内部構造なし、相互作用は弾性衝突のみ、大きさは無視 この条件のもとで分子のエネルギー分布を考える
→気体分子運動論
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化学反応とエネルギー
化学反応とエネルギー
分子の エネルギー
並進 回転 振動 電子
原子核の運動エネルギー
電子の運動エネルギー・
静電エネルギー
並進以外のエネルギー = 分子の内部エネルギー
化学反応とエネルギー変化
反応物
生成物 発熱反応
エネルギー
反応物
生成物
吸熱反応
反応物
生成物
(中間体)
反応熱 経路によらない
内部エネルギーは状態関数なので…
(ヘスの法則)
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活性化エネルギーと遷移状態 反応のエネルギー図
反応物
生成物 遷移状態
エネルギー
反応座標
活性化エネルギー
活性化エネルギーが大きい = 反応が遅い
遷移状態と中間体
エネルギー図の極大点=遷移状態 エネルギー図の極小点=中間体
反応物 生成物
エネルギー
反応座標
エネルギー図が「二山」になる場合
遷移状態 遷移状態
中間体
化学反応と触媒
反応物+触媒 → 中間体 → 生成物+触媒 エネルギーが低い
活性化エネルギーを 下げて反応を加速
反応物生成物
エネルギー
反応座標 触媒なし
触媒あり
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化学反応と分子衝突 化学反応が起きるためには分子衝突が必要
※ 一分子反応でも必要:溶媒分子などとの 衝突で、活性化エネルギーを越える
衝突したら必ず反応は起きるか?→ No
・衝突する分子が十分なエネルギーを持つ
・反応するのに適した場所・配向で衝突する 反応するために必要な条件
反応速度の理論的取り扱い 反応速度はどういう要因で決まるのか?
反応速度=出会いの確率
十分なエネルギーを持つ確率 正しい向き・位置で衝突する確率 結合の組み替えが起きる確率
これらを熱力学の考え方で取り扱う理論=遷移状態理論
特徴ある反応の解析
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特徴ある反応の解析 触媒反応(第11回)
酸塩基触媒、均一系/不均一系触媒、自己触媒、酵素触媒など
溶液反応(第12回)
溶媒効果、塩効果、拡散律速
固体表面反応(第13回)
吸着現象、等温式
特殊反応(第14・15回)
連鎖反応、重合反応、光反応