• 検索結果がありません。

−デジタル・トランスフォーメーション環境下における日本企業の進化−

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "−デジタル・トランスフォーメーション環境下における日本企業の進化−"

Copied!
19
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

− 17 −

〔論文〕

−デジタル・トランスフォーメーション環境下における日本企業の進化−

小松原 聡

日本企業の経営改革実態と新時代における 日本型企業再生に関する考察

 日本のバブル経済崩壊後、日本企業は競争力の回復と新たな事業創造を目指して、さまざまな経 営改革に取り組んできた。しかし、それらの多くは短期的な視点での経営効率改善やコスト削減を 重視した取り組みでしかなかった。結果として、日本企業の大事な競争力の源泉であった「現場力」

が失われることとなった。

 デジタル・トランスフォーメーションの時代を迎え、さらにはポスト・コロナ時代を見据えた社 会システム変革が求められる現在、日本の企業経営は新時代に適合する抜本的再構築が求められて いる。本稿は、これまでの日本企業による経営改革のプロスとコンスを検証し、新時代における事 業とマネジメント・システム再構築のあり方について考察する

キーワード

効率経営、現場力、情報通信技術革新、自律分権化、匠人材、知識創造、日本的経営

ジメント面における改革に注目すると、当初は 徹底した自律分権型組織の追求による業績回復 が強く指向された。しかし、過度に分権化のみ を指向することの弊害が認識されるようになり、

それ以降は分権組織を横断する機能を強化する ことでグループ全体としてのシナジーを発揮で きるグループ連結経営の実現に意識が向かうよ うになった。

 このような取り組みがあったにも関わらず、

1.はじめに

 日本は1980年代には“Japan as Number 1”と 称される等、世界における存在感が高まり、「日 本的経営」の成功の秘訣が注目され、数多くの経 営研究の対象にもされた。しかし、1990年代に 入り日本のバブル経済が崩壊したのを境に、日 本経済および日本企業は世界の発展から取り残 される状況が長く続いた。

 バブル経済崩壊後今日に至るまで、日本企業 はさまざまな経営改革に取り組んできた。マネ

――――――――――――――――――

日本企業の経営改革に関連する研究は、事業構造、ガバナンス体制、管理会計制度、組織構造等、特定の経営 改革領域やその方法論に焦点を当てたものが多かったが、本稿ではそれらを融合した視点からの考察を試みた。

日本企業の経営を高く評価したハーバード大学 Ezra F. Vogel 教授による1979年の不朽の名著「Japan as Number One: Lessons for America」(邦題ジャパンアズナンバーワン―アメリカへの教訓)から普及した表現。

(2)

− 18 − 青森中央学院大学研究紀要34号

IT バブルの崩壊、リーマン・ショック、東日本 大震災、超円高等、度重なる危機に見舞われた こともあり、日本企業の事業とマネジメント・

システムの抜本的な改革を実現するには至らな かった。現在は新型コロナ禍という、リーマン・

ショックをも上回るといわれる新たな世界規模 の危機が訪れている。

 世界中の企業が「ポスト・コロナ」を見据えた 新時代への対応を求められているが、日本企業 はポスト・コロナ時代への対応と並行して、こ れまでの業績低迷をもたらしていた要因からの 脱却が求められている。その際重要なのは、事 業や経営体制の表層的な問題事象への対処では なく、日本企業が世界的な競争の枠組みの中で 強みが発揮可能な独自性の高い経営モデルを再 構築することである。そのためには、日本企業 の強みが活かせる将来の経営のあるべき姿を明

2

ȈțõȮ}ɪ˄}ƴ‡xivSė‘pɮŵıT_ǦeŽ‘QȈțõȮ_ɮŵı{]d

ėüNJ“ɏ^kʫޓìƻŠƲ`ʯ`̕ɅivZb}wY‘P̢Ň}¢ÔØ»Òש­

֮صʫޓǎ˵ipǸ͍~ɮŵı}ơŹ“ŠpŽipxZ[æƏ“ʼnʂiPɮŵı}ə ɊwYSľëȝT}ˎʓxɏɳ}Yȅ“ʈʗkǃ˙_YQz]PffwZ[Sɮŵ ıT‹Sľëȝ}ɏɳT~PɮŮ̝ˑâ}S³¨­Ò×´ÐÖ©¿œØËاÏÖ͝,͞T xʁʼnkŠ}w~zZfx“Ămv˭˵iv]bfx_ſæwYQŪ {ȈțõȮ{

f‘†w}ʫŢǸ͍}ʲǣ“ʊkQ

図1: 日本企業による経営改革の総括

2. 日本企業による経営改革の変遷

ffw~PȈțõȮ{̢Ň}ʫŢǸ͍‚}ŋʪ‡}ſ`zɐ‘“ǧ̓QȈț õȮ_f‘†w{ŋʪ”w`pʫŢǸ͍}âǂɼz²ØÈ}ż̥xn‘o‘}Ǹ͍ĿĤ}

ɧǀ“Ū {ʊkQ

図2: 日本企業による経営改革の取り組みテーマの変遷

図1:日本企業による経営改革の総括

確化し、それと過去の経営改革が実現したこと とのギャップを評価し、ギャップの解消策を今 後の経営改革に反映させることが求められる。

 日本企業の独自の強みとして「優れた現場力」

が挙げられる。日本企業が現場力における優位 性を活かす経営を今後も引き続き追求していく のであれば、過去のグローバル・スタンダード 経営を意識した改革は現場力の崩壊をもたらし た事実を反省し、現場力の源泉である「匠人 材」の蓄積と活用のあり方を確立する必要があ る。また、ここでいう「現場力」や「匠人材の 活用」は、現在進行中の「デジタル・トランス フォーメーション(DX)」と相反するものでは ないことを併せて認識しておくことが大事であ る。図1に日本企業によるこれまでの経営改革の 総括を示す。★

日本型企業再生では、これまでの競争力の源泉であった現場力の再生・維持・進化のために

「匠」人材の能力とその成立要件の解明に基づく処方が必要。

(3)

− 19 − 2.日本企業による経営改革の変遷

 ここでは、日本企業による過去の経営改革へ の取り組みの大きな流れを振り返る。日本企業 がこれまでに取り組んできた経営改革の中心的 なテーマの変遷とそれぞれの改革区分の特徴を 図2に示す。★

 第一の改革区分は「多角化に伴う事業部制導 入」の時代である(1980年代)。第二の改革区 分は「カンパニー制(SBU)への移行」の時代 である(1990年代中期以降)。第三の改革区分 は「グループ経営・持株会社化」の時代である

(2000年代初頭)。第三のグループ経営・持株会 社化に向けた改革はまだ途上であると考えられ るが、時代は既に新たな改革への取り組みを求 めている。それは、情報通信関連技術(ICT)の 飛躍的な進化による DX 時代の到来によるもの

3

ʛÙ}Ǹ͍ĿĤ~Sž˟Ľ{ù[æȮ̪īƚĜT}ȎïwY͝ ƫï͞Qʛç}Ǹ͍

ĿĤ~SÖ¼·Øī͝')͞‚}ʏˑT}ȎïwY͝ ƫïâȘñ̺͞QʛÚ}Ǹ͍

ĿĤ~S¢ÒØÁʫŢ×ǤȦ÷ʋĽT}ȎïwY͝ ƫïĦ͒͞QʛÚ}¢ÒØÁʫ Ţ×ǤȦ÷ʋĽ{ŔdpǸ͍~†q̘ÛwYxʼ\Ž‘_PȎï~ȇ{ȄpzǸ͍‚}

ŋʪ‡“Ʌ‰vZQn‘~PnjŴ̙ċ̶̜ǘ˒(}̉͘ɼz̝Ľ{ , Ȏï}Ī ȟ{Š}wYPʋ÷×ɲȮȲ̛}S,--'

ĽTxʎg‘țȨɼ¦Ø½©×½¨¸©

Ľ{ˆdpż͍wYQțʒw~Pì̑\ttYȄpzż͍}Ȏï“PSȈțŰõȮġ ɱT“ƏɮkǸ͍‚}ŋʪ‡}ȎïxivüʹudQñÜPn‘o‘}ĿĤ{]d

ʫŢǸ͍}ŋʪ‡ğƒxn}ț́{tZvġʈ˭kQ

2.1. 多角化に伴う事業部制の導入期の経営

ž˟Ľ{ù[æȮ̪ī}ƚĜȘ~PȈțõȮ_ßɶƧŵ{̝̉iƃȮʷ“˴ȼivZpȎ ȘwYspQSȈțɼʫŢ~ȔƴwŠ~‹ßɶ{ƊŠ}ziTxZ[ǎ˵_Ȉț}õȮʫ Ţʽ}̵wŎ͒ip_Pf}ȎȘ~ɮŵ}ſĥg“ɯˠkʫŢʽ_†qĒŮwYspȎï wŠYspQæȮ͑ű}Ǣſמ˟Ľ{ùZæȮ̪īʪʸ‚ʏˑkõȮ_žǽƉŮip _Pn‘~ȹˁ̪̳xZ[ɮŵ{ƴZȶ̻“ɁipÝƋĝæȮ̪ī

wYspQ

図3: 日本企業による事業部制組織の総括

3

,--' x~P'92=@-;1-<-'1;?5/1 ‹ !9.565=A-<-'1;?5/1 ʜPS,TxZ[ćď“ǰąk¦Ø½©DŽŔŰ }æȮ“ʲʎk̓{ɳZŽ‘˓ɮQ

4

ȈțõȮ}žb_ǬɳipæȮ̪īʪʸ}ɧǀ“˓ɮk}{SÝƋĝæȮ̪īTxZ[ɳ˯_ì˘úçˍ}

SæȮ̪ī}ˠȉCõȮǒ̲xʫŢʪʸT͝ 1988 ͞wɳZŽ‘pQțȟ}æȮ̪īʪʸ~PƵˬæȮʪʸ}̲{

æȮ̟ˑ{̶k„…ĝ͌ɼz˾ô×ȶ̻_Ɔ˷g‘SɹûĤʋTxŠˡ’‘P˄ƺɼ^t˄ƤƋʬɼzĤ ȶʫŢʪʸwYQn}[zæȮ̪ī“SƋĝæȮ̪īTx؁}{ƗivPn}[z˙ó“ɘpgzZæ Ȯ̪ī“˓k}{ɳZŽ‘p˓ɮQ

図2:日本企業による経営改革の取り組みテーマの変遷

であり、社会・産業構造の「XaaS化」と称さ れる本格的サービス・ビジネス化にむけた変革 である。本稿では、今迎えつつある新たな変革 の時代を、「日本型企業再生」を実現する改革へ の取り組みの時代として位置づける。以下、そ れぞれの区分における経営改革の取り組み内容 とその本質について再確認する。

2.1.多角化に伴う事業部制の導入期の経営  多角化に伴う事業部制の導入期は、日本企業 が世界市場に躍進し好業績を謳歌していた時期 であった。「日本的経営は最強でもはや世界に学 ぶものなし」という意識が日本の企業経営者の 間で台頭したが、この時期は現場の大切さを理 解する経営者がまだ健在であった時代でもあっ た。事業領域の拡大・多角化に伴い事業部制組

――――――――――――――――――

XaaS とは、Software as a Service や Mobility as a Service 等、「X」という価値を提供するサービス志向型の 事業を総称する際に用いられる表現。

小松原 聡

(4)

− 20 − 青森中央学院大学研究紀要34号

4

ƵȎ}ȈțõȮ_ǬɳipæȮ̪īʪʸ}Əǐ“Ū {ʲǣkQȈțõȮ}žb~PƋ ĝæȮ̪īʪʸ“Ǭɳkfx~Ɯz^spQn‘~P˖̛‹ŢȮʜ}Z’ŒSɮŵTx ˡ’‘ȹˁʪʸ_͚ZƏı“ǤsvZpp‰PæȮ̪ʪʸ{æȮǓɷȹˁ“ǤpmÙȅ wPæȮȷȃɼzȹˁǓɷŠŒȎ{̕Ʌkfx_PĝÿṲ̏“ƏɮkÛwȖĶwYx }ħȃ_ĕZpp‰wYQ

ȈțõȮw~æȮ̪ʪʸ_Ǥt˾ô×ȶ̻~̻ƎɼwYspqdw~zbP˖̛‹˽Żx Zspȹˁ̪̳~æȮ̪ʪʸ^Žɪʗipȹˁț̪ʪʸxiv˧ʹg‘fx_ž^spQ i^ŠPf‘Ž}ȹˁț̪ʪʸ~ĝæȮ͑ű“ȷȃɼ{»ØkŠ}w~zbP§¶¨Ø _ĕbæȮ͑ű}‡“Ɨ˹xk}_ÙˈɼwYspQn}p‰PæȮ̪xȹˁ̪̳_Ǥt

˾ô×ȶ̻x}˲Ǿ_ǃ˙wYspPȹˁ̪̳xæȮ̪ʪʸ̵w}˗͆zğ̪ŋƲ_ɻɱ ipkfx{zspQn‘ǹPȈțõȮ}ÝƋĝæȮ̪īʪʸ~ƋĝæȮ̪īʪʸ{Ƀ

ƒPȸ¨ËÖ´}íʪ‡_˗͆{zĔŔ{YspQi^iPæȮĨ}ʪʸxȹˁĨ}ʪ ʸ_ɔŮiPn‘Ž_˗͆{̜Ƕkp‰}˲Ǿɏĸ{Ɨkǃ˙NJ_PʬȢxivȈțõ Ȯ}ɮŵı“ÃØ©xipʄ˵į̛

}͚ƯĽ{ƓÞipxʼ\Ž‘Q

2.2. カンパニー制組織(SBU 体制)による自律分権経営の強化

»ÀÒʫɖ}ơŹqd_ŅŦw~zZ_PȈțõȮ}žb~»ÀÒʫɖơŹƻP̲Șɼz Ȯʷý̔{ˊiˆfxxzspQȈțõȮ~Ȯʷťƿ}p‰{æȮ‹È¸¨ËÖ´{̶’

g†h†zǸ͍{ŋʪ”w`pQn‘~žb}ŵőPƵȎĺZ“ťƿipʡŬõȮ}ʫŢ

©­˜Ò{ĎspŠ}wYspQƵȎ~PʡŬŰ}õȮʫŢ}©­˜Ò_ȖĶwPn‘_

S¢ÔØ»ÒȴɚʫŢTxiv˭˵g‘[{zsp_Pn‘~ȯ‰vȦã̀țãʺ}NJ Ȩ_ƴZŠ}wYspQ

¢ÔØ»ÒȴɚʫŢ{Ǯ̒kp‰}˫‡xivžb}ȈțõȮwǬɳg‘p}_PÖ

5

ǭʩDŽŔ}ʄ˵į̛{~žȳNJ_ǃ˙wYxZ[}_ɮŮãɐ}ʼ\ȅwYQ

図3:日本企業による事業部制組織の総括 織へ移行する企業が多数存在したが、それは機

能部門という現場に強い権限を残した不完全事 業部制であった。★

 当時の日本企業が採用した事業部制組織の実 態を図3に総括する。日本企業の多くは、完全事 業部制組織を採用することは少なかった。それ は、製造や営業等のいわゆる「現場」と言われ る機能組織が高い実力を持っていたため、事業 部組織に事業戦略機能を持たせる一方で、事業 横断的な機能戦略も同時に追求することが、全 体最適を実現する上で有効であるとの判断が働 いたためである。

 日本企業では事業部組織が持つ責任・権限は 限定的であっただけではなく、製造や販売と いった機能部門は事業部組織から独立した機能 本部組織として設置されることが多かった。し かも、これらの機能本部組織は全事業領域を横 断的にカバーするものではなく、シナジーが働 く事業領域のみを対象とするのが一般的であっ た。そのため、事業部と機能部門が持つ責任・権 限との調整が必要であったり、機能部門と事業 部組織間での複雑な内部取引が発生したりする 状況が発生した。それ故、日本企業の不完全事業 部制組織は完全事業部制組織に比べ、マネジメ

――――――――――――――――――

日本企業の多くが採用した事業部制組織の特徴を表現するのに「不完全事業部制」という用語が今西伸二著の

「事業部制の解明―企業成長と経営組織」(1988)で用いられた。本来の事業部制組織は、当該事業組織の長に事 業遂行に関するほぼ全面的な責任・権限が委譲される「疑似分社」とも言われる、自律的かつ自己完結的な分権 経営組織である。そのような事業部制を「完全事業部制」と呼ぶのに対して、そのような要件を満たさない事業 部制を表すのに用いられた表現。

(5)

− 21 −

5

¼·Øīʪʪʸ

}ƚĜwYspQƵȎȏňipÖ¼·ØīʪʸƚĜ{ĤȶʫŢƴĽ }Əǐ“Ū {ʊkQ

図4: カンパニー制組織導入による分権経営強化の実態

SÖ¼·ØTxŘ‘ĤȶæȮʪʸ{PƼȟŠſƪzȶ̻Ɔ˷“ˑ[fxwn‘

o‘}æȮ͑űw̐̚^tǓɷɼzǎLjɆƎ“ĉk}xŒȎ{PÖ¼·Øʪʸ}Ȯʷ˾ô

Šņib̕ňg‘[{zspQ&# ‹ŸÍ°§Î¿ÔØʜ}Ȧãĩɽ{ʀʬkȮʷ˪

ćǥȴ_Ǭɳg‘PÖ¼·Ø~ ')͝'=;-=135/><581<<)85=͞xivÁÔ¿—°´×

«Ö­ØŠxiv˜Öé´Ëִ׫֭Øxiv}NJȨ“ƴ‰p

Q†pPȦãć ď̮˜}ĤȶæȮʫޓƏɮkp‰{Pž»¶Ö©Ǹ͍_áˑiv̝‰Ž‘pQ

ȈțõȮ_¢ÔØ»ÒȴɚʫޓDŽŔipf}ȎȘP$&͝><581<<$;9/1<<&1 1835811;583͞PÑØÖɱɲP&$͝8=1;:;5<1&1<9>;/1$6-88583͞}ƚĜP–¨ÒʫŢP ǒȢãʺ×Ƨŵãʺ}ǬɳxZspŋʪ‡Šžb‡Ž‘p_Pf‘Ž}Ǖɋ‹±ØÒ{~

ȈțõȮ{əɐ_YŠ}}̗̎Ĝ

wYspŠ}Šž^spQȴɚĽ'# ‹ &'PīƯ Ľ͝¥ÖÁИ–Ö©‹ğ̪ʭī}p‰}íʪ‡͞Pʄ} ( Ľ{ŔdpʫŢǸ͍ŠƵȎ}ſ

`zɝɐwYspQ

¢ÔØ»Òȴɚ“DŽŔipʫŢǸ͍~P̢ƯzĤȶʫŢ{ʅȘɼz˻ĹǒȢ“̕Ʌk

fx{ĔȂi̢apŠ}wYspQʅȘɼ{˻ĹǒȢ“Ûep‰{~P©ÑÊĽ×Ķɭ Ľ}p‰}̦ǜẍ́â}ǁƮ_ÝōȺ}ƗDžwYsp_Pn‘_ǎŪmhʶ‡DŽŔ“Šp

6

Ö¼·Øīʪʸ~¬·Ø_ 1994 ƫ{ƚĜip}_~j†wYPn}ƻžb}ȈțõȮ_͂̕ipQn }Əǐ~țʋ^ŽÖ¼·Øʪʸ‚}ſƪzȶ̻Ɔ˷{ĤȶʫŢ}ƴĽwYPʡŬŰƋĝæȮ̪ī‚}Ǯ

̒wYspQ

7

Ȉțʞɯ÷ˢƊ÷}¢ÒØÁʫŢƘ̳Ɔś÷{S¢ÒØÁõȮ}ʞɯ÷ˢTwPõȮ}Ȯʷʞɯ_

Ƽȟ}ŻÛ×ĩɽ̶̜ǥȴ^ŽȦãĩɽ{ʀʬkʫŢĶɭNJ{̶̜kǥȴ{§¿´ivZpfx_ȉŽ^{

g‘pQ

8

BPR ‹ÑØÖɱɲʜPȈțõȮ}ˑĸȳƱ“é´×ÁС²—©xivǬɳipǕɋ‹±ØÒŠž^spQ

図4:カンパニー制組織導入による分権経営強化の実態 ントの仕組みが複雑になる傾向にあった。しか

し、事業別の組織と機能別の組織が混在し、そ れらが複雑に連携するための調整活動に対する 必要性が、結果として日本企業の現場力をベー スとした知識創造の高度化に寄与したと考え られる。

2.2.カンパニー制組織(SBU 体制)による自 律分権経営の強化

 バブル経済の崩壊だけが原因ではないが、日 本企業の多くはバブル経済崩壊後、長期的な業 績低迷に苦しむこととなった。日本企業は業績 回復のために事業やマネジメントに関わるさま ざまな改革に取り組んできた。それは多くの場

合、当時勢いを回復した米国企業の経営スタイ ルに倣ったものであった。当時は、米国型の企 業経営のスタイルが有効で、それが「グローバ ル標準経営」として認識されるようになったが、

それは極めて株主資本主義の性格が強いもので あった。

 グローバル標準経営に接近するための試みと して多くの日本企業で採用されたのが、カンパ ニー制組組織の導入であった。当時普及した カンパニー制組織導入による分権経営強化の実 態を図4に示す。★ 

 「カンパニー」と呼ばれる分権事業組織に、従 来よりも大幅な権限委譲を行うことでそれぞれ の事業領域で迅速かつ戦略的な意思決定を促す

――――――――――――――――――

探索志向の知識創造には多様性が必要であるというのが現在主流の考え方である。

カンパニー制組織はソニーが1994年に導入したのがはじまりであり、その後多くの日本企業が追随した。その 実態は本社からカンパニー組織への大幅な権限委譲による分権経営の強化であり、米国型完全事業部制への接近 であった。

小松原 聡

(6)

− 22 − 青森中央学院大学研究紀要34号

のと並行して、カンパニー組織の業績責任も厳 しく追及されるようになった。ROE やキャッ シュフロー等の株主利益に直結する業績評価指 標が採用され、カンパニーは SBU(Strategic Business Unit)としてプロフィット・センター よりもインベストメント・センターとしての性 格を強めた。また、株主価値重視の分権事業 経営を実現するために、ガバナンス改革も並行 して進められた。

 日本企業がグローバル標準経営を志向したこ の時期、BPR(Business Process Re-engineering)、

リーン生産、ERP(Enterprise Resource Planning)

の導入、アジル経営、成果主義・市場主義の採用

といった取り組みも多くみられたが、これらの 手法やツールには日本企業に源流があるものの 逆輸入であったものも多かった。標準化(ISO や IFRS)、制度化(コンプライアンスや内部統 制のための仕組み)、知の IT 化に向けた経営改 革も当時の大きな潮流であった。

 グローバル標準を志向した経営改革は、過度 な分権経営により短期的な財務成果を追求する ことに傾斜し過ぎたものであった。短期的に財 務成果を上げるためには、スリム化・効率化の ための選択と集中の徹底が不可欠の対応であっ たが、それが意図せざる縮み志向をもたらした。

また、短期的成果が強調されるあまりリスク回

6

ŽipQ†pPʅȘɼǒȢ_ƴ˲g‘Y†Ñ©¡ţ̌DŽŔ_ƴ†Pǒ̲ȹ÷}ɻǫ×

ˀǒ}p‰}̀ə̫Ĥ_Ý̅ipQgŽ{PʅȘɼǒȢ“Ʌ‰p‰{~Ƨŵ^Ž}˲̣_

ȖĶwYspp‰Pɮŵı{tz_[zʪʸɧɀˁı}ˀǒ_̍˜g‘[{zs pQf‘Ž}˙Ŧ_̮zspfx_Pɮŵ}ɺư×ƳÿĽ“ǠbʬȢxzspQf}͎^

ŽPʫŢxɮŵ}̠͇_ƅ†spxʼ\Ž‘Q

2.3. 分権化からグループ経営力強化への転換

Ū {¢ÒØÁʫŢ}ɻƞɂ́xPÇ©´Ö¼·Øī}ʛ ɂ́{]d¢ÒØÁ×§

¶¨Ø̕Ʌ}p‰}¢ÒØÁțʋ}Yȅ“ʊkQ

図5: グループ・シナジーを追求する経営への転換

Ö¼·Øīʪʸ‚}ʏˑ~PÖ¼·Øłüw}æȮ̜ʬ“̮˜ipʛ ɂ́}¢ÒØ ÁʫŢwYspQi^iPĤȶʫޓƴĽkqd}ʫŢǸ͍{~̻ɶxưƑ_Yfx_

˭˵g‘[{zPæȮ̵}§¶¨Ø“̕Ʌk¢ÒØÁʫŢıƴĽ_ǎ˵g‘[

{zspQțʋ}ǓɷȹˁĽ{sv¢ÒØÁ×§¶¨Ø“Ȕſ̻ɻdzkʛ ɂ́‚}ʏ ˑ_ɻɱipQʛÚ}ʫŢǸ͍ĿĤ“S¢ÒØÁʫŢ×ǤȦ÷ʋĽT}ȎïxivxŽ\v Z_Pf‘~¢ÒØÁʫŢ}ɻƞɂ́xiv~ʛ ɂ́}S¢ÒØÁ×§¶¨ØɻdzÓà ÒT{ʁƵkQ

æȮ{̶’ǓɷɼǎLjɆƎ~ĤȶæȮʪʸ{Ɔ˷g‘p††wYsp_PæȮ“ȷȃi v¢ÒØÁxiv}§¶¨Ø“ɻdzkp‰}țʋȹˁǸ͍_Ȅp{̝‰Ž‘pQf‘“Ə ɮkp‰{PʧʢǤȦ÷ʋĽ_̝ƞip}Šf}ȎȘwYspQțʋ}ǓɷȹˁĽxŒȎ {©ÑÊĽŠ̕ňg‘Pʞɯ×̵ǮȮĹ}§š–صצؽ©Ľ_̝”qQ

ʛ ɂ́}¢ÒØÁʫŢ_ɿǥip}~PčĨæȮ}˄ƺxĝÿṲ̏}˲ř“ېfxw YspQæȮ}˄ƺĽ͝ĤȶʫŢĽ͞~ȇ{ƏɮivZp}wPŝ͔~¢ÒØÁʫŢ}Őð

図5:グループ・シナジーを追求する経営への転換

――――――――――――――――――

日本管理会計学会のグループ経営専門委員会による「グループ企業の管理会計」(2005) で、企業の業績管理が 従来の売上・利益関連指標から株主利益に直結する経営効率性に関連する指標にシフトしていたことが明らかに された。

BPR やリーン生産等、日本企業の行動様式をベスト・プラクティスとして採用した手法やツールも多かった。

(7)

− 23 − 避志向が強まり、成長機会の発掘・育成のため の資源配分が不足した。さらに、短期的成果を 求めるためには経営資源の市場からの調達が有 効であったため、現場力につながるような組織 特殊能力の育成が軽視されるようになった。こ れらの要因が重なったことが、現場の疲弊・弱 体化を招く結果となった。この頃から、経営と 現場の遊離が始まったと考えられる。

2.3.分権化からグループ経営力強化への転換  図5にグループ経営の発展段階と、ポストカン パニー制の第4段階におけるグループ・シナジー 追求のためのグループ本社のあり方を示す。★

 カンパニー制組織への移行は、カンパニー単 位での事業連結を重視した第3段階のグループ 経営であった。しかし、分権経営を強化するだ けの経営改革には限界と弊害があることが認識 されるようになり、事業間のシナジーを追求す るグループ経営力強化が意識されるようになっ た。本社の戦略機能強化によってグループ・シ ナジーを最大限発揮する第4段階への移行が発 生した。第三の経営改革区分を「グループ経営・

持株会社化」の時代としてとらえているが、こ れはグループ経営の発展段階としては第4段階 の「グループ・シナジー発揮レベル」に相当す る。

 事業に関わる戦略的意思決定は分権事業組織 に委譲されたままであったが、事業を横断して グループとしてのシナジーを発揮するための本 社機能改革が新たに進められた。これを実現す るために、純粋持株会社化が進展したのもこの 時期であった。本社の戦略機能強化と同時にス リム化も追及され、管理・間接業務のシェアー ド・サービス化が進んだ。

 第4段階のグループ経営が目指したのは、個別 事業の自律と全体最適の調和を図ることであっ

た。事業の自律化(分権経営化)は既に実現して いたので、問題はグループ経営の司令塔(HQ)

としてシナジーを追求できる存在価値のある本 社機能の構築であった。M&A による次世代事 業の取り込み、シェアード・サービス機能の 分社化・アウトソーシング化は実現したが、グ ループ・シナジーに基づくイノベーティブな事 業創造の実現については明確な証拠は確認でき ていない。逆に、現場と本社機能の距離がさら に拡大したという形跡がある。

 日本企業が本格的なグループ・シナジーを発 揮するグループ経営を実現できないでいるうち に、世界では GAFA 等のプラットフォーム・ビ ジネスが躍進し、MaaS に代表される従来とは 次元の異なるサービス産業が台頭している。こ のような展開により、第4段階のグループ経営概 念は質的により進化したものに変貌しつつある。

3.日本型企業再生のあり方

 DX の進展やビジネスのプラットフォーム化 等、さらに最近では新型コロナ禍への対応と いった要因も加わり、これからの経営は新時代 に適応するための大きな転換が求められている。

日本企業は、これまでの劣位要因の克服と合わ せて、新時代への適合を実現しなければならな い。このような状況下にある日本企業の再生の あり方を考察する。

3.1.企業経営が実現すべき姿からみたこれま での経営改革の評価

 日本型企業再生においては、現在の企業が抱 える表面的な欠陥の是正や、トラブル・シュー ティング的問題解決では不十分である。経営を 本質的によくするための改革である必要があり、

そのためには「よい経営」とは何を実現するこ となのか明確化することから始める必要がある。

――――――――――――――――――

レコフ M&A データベースによると、日本企業による M&A は件数ベースでも金額ベースでも近年急速な伸 びを示しており、2018年には両指標とも過去最高を記録した。

小松原 聡

(8)

− 24 − 青森中央学院大学研究紀要34号

図6: 日本企業再生のあり方と日本企業の現場力

8

ȈțõȮ~PʪʸɧɀzžˁƢɼ©ŸÒ“ǤtƼȮś}̲Șɼz¥É°´{˄ƺɼ^

tŁ˲ɼzˑĸ_ǬŽ‘fxwPʪʸɿɼ_͚ZÓÃÒẉǒg‘xZ[ˑĸɧNJ_Y

Q†pPǓɷ}ʝƎxn}Əˑ{]d̊ĤĤ͇_Ѩ°µw~zZp‰PʪʸƊʻ_ĉ

̝g‘ŭź_ē’svZQf}[zˑĸɧNJ~Pʪʸɿɼ“Əɮkp‰}žĘɼz ɿȴ}̣ǒPʪʸ_̝ĽkÛwǃ˙z˜¹ÃاÏÖ}ĉ̝PįɻɼzǓɷ{®˜¶

ɪÊ}ɬƽPÝʈƏNJ‚}ƗDžʜ}͌{]Zvėüz˙ŦxivĕbQgŽ{PȈțõȮ }ƴZɮŵı{ėüNJ˙Ŧ}ĘxzˑĸɧNJ~PñÜ} t}ĮǰȞó_ǯ[fx{

svƏɮivZpfx“ɯˠiv]bfxŠǃ˙wYQ K Ǹ͍ǰȩ‹ʿĹżȒ{Ɨkͅɳ}Ċ˩

L ʪʸɧɀzˁı}ǃ˙NJ×̮˙NJ{Ɨk˭˵

M ʪʸɿɼ}Əɮxɿȴ̣ǒ{Ŕdpğɻɼĸȹîd}̮˜

Ȉț}ƴZɮŵı{ėüNJ~Pf‘^Ž}ȈțõȮġɱ{xsvȖĩ{ĕbōˁNJ_

͚Zxʼ\Ž‘Qi^iPŪ {ʊk[{Pf‘†wȈț_ŋʪ”w`p¢ÔØ»Ò ȴɚʫނ}Ǯ̒“DŽŔipʫŢǸ͍~PȈț}ƴZɮŵı}ĘxzsvZpˑĸɧNJxn }əɊxzsvZpĮǰȞó“ŕƎkŠ}wYspQțõȮ}̲ȘɼzȮʷý̔^Ž}˂

ń“ɩspȈ¢ÔØ»Òȴɚ“ǎ˵ipʫŢǸ͍~PʅȘɼĶɭ̕ɅŰʫŢ}ƏɮwYs pQǚĜ̀ə“Ȕſ̻ĭɗkp‰{PĤȮĽ×̪̳Ľ‹ȴɚĽ_ǁƮg‘ʅȘɼǒȢ“ɱ

†zZɏĸ~Ǫ̾g‘pp‰Pʪʸ©Ð°¡_ǵz’‘pQ̲Ș}ÝʈƏzǒȢŠʅȘ }ʈƏzǒȢi^̕Ʌg‘zbzPʅȘ˻ĹȮʷɿȴđ̮} $ ʞɯ_ǁƮg‘pQƂ ǻ{ƗkÝƕƒg_Pǒ̲}p‰{ǃ˙zÑ©¡×²˜¡“ƄepQʅȘɼzʫŢĶɭ̮

˜}p‰Pëȝ“ŖˆʫŢ̀ə~Ƨŵ˲̣g‘fx_žbzPƣɸĽg‘pɪ˄}ʫŢ

̀ə“ğ̪wˀǒizbzspQgŽ{~PǒȢãʺ}ƚĜ{svŽɻɼĸȹîd_Ÿ̲

g‘p_Pn}Ùȅw˜¹ÃاÏ֓ĉ̝kp‰}̮˙z˙ʨwYğɻɼĸȹîd~

一般的な経営観として、良い経営とは以下を実 現することであると考える。

 ① 差異化された価値を提供できる優位性の ある独自能力の構築。

 ② 環境変化に適応する進化を続けることを 可能にする能力の再構築。

 ③ 持続可能な効率性(ESG・SDGs、頑強・

堅牢性)の実現。

 ④ 資源制約下で社会価値を追及するマル チ・ステークホルダー責任への対応。

 ⑤ 高まる経営環境の複雑性・不確実性・曖 昧性に対する限定合理を前提にした適応 の仕組みの確立。

 日本型企業再生は、上記5つの視点を踏まえた

改革を考えることであるが、それが日本企業に とって固有の解であるためには、日本企業の優 位性が発揮可能な再生プログラムであることが 重要である。日本企業の優位性要因の一つとし て強い現場力10が挙げられる。日本企業の強み である現場力を構成する要素は、日本型企業再 生が目指す内容との親和性が高いものである可 能性が高い。図6に日本企業再生のあり方と、そ のための現場力の要素を示す。★

 日本企業は、組織特殊な多能工的スキルを持 つ従業員の長期的なコミットによる自律的かつ 協調的な行動が採られることで、組織目的が高 いレベルで達成されるという行動特性がある。

また、戦略の策定とその実行における身分分離

――――――――――――――――――

10 本稿で扱う「現場」は、生産現場や営業の第一線に限定されるものではなく、製品企画、開発・設計、生産技術等、

顧客価値を創造する活動に直接関与している部門(バリュー・チェーン主活動領域)を全て対象として考える。

(9)

− 25 − がリジッドではないため、組織学習が促進され る土壌が備わっている。このような行動特性は、

組織目的を実現するための多元的な目標の達成、

組織が進化する上で必要なイノベーションの促 進、創発的な戦略によるダイナミズムの獲得、不 確実性への対応等の面において優位な要因とし て働く。さらに、日本企業の強い現場力による 優位性要因の元となる行動特性は、以下の3つの 前提条件が揃うことによって実現できていたこ とを理解しておくことも必要である。

 ① 改革提案や職務変更に対する雇用の保証  ② 組織特殊な能力の必要性・重要性に対す

る認識

 ③ 組織目的の実現と目標達成に向けた内発 的動機付けの重視

 日本の強い現場力による優位性は、これから の日本企業再生にとって有利に働く可能性が高 いと考えられる。しかし、図7に示すように、こ れまで日本が取り組んできたグローバル標準経

営への接近を志向した経営改革は、日本の強い 現場力の元となっていた行動特性とその源泉と なっていた前提条件を否定するものであった。

本企業の長期的な業績低迷からの脱却を狙った 日グローバル標準を意識した経営改革は、短期 的効率追求型経営の実現であった。投入資源を 最大限削減するために、分業化・部門化や標準 化が徹底され短期的成果を生まない活動は排除 され、組織スラックが損なわれた。長期の不確 実な成果よりも短期の確実な成果しか追求しな くなり、短期財務業績目標偏重の PDCA 管理が 徹底された。失敗に対する不寛容さが、成長の ために必要なリスク・テイクを妨げた。短期的 な経営効率重視のため、人材を含む経営資源は 市場調達されることが多くなり、差異化された 独自の経営資源を内部で育成しなくなった。さ らには、成果主義の導入によって外発的動機付 けが増長されたが、その一方でイノベーション を促進するための重要な要素である内発的動機

9 ƻ̖ip

Q

ȈțõȮ}ƴ‡“ɏ^ipȈțŰõȮġɱ“Əɮkp‰{~PȈțõȮ}ɮŵı{

ėüNJ“ɏ^kfx_ȖĶwYQf}ȅŔw}ȈțŰõȮġɱ“Əɮk}wY‘PȈ țõȮ^Žėˉzɮŵı_ɒɛivi†[Į{PȈțõȮ}ɮŵı}Əǐxț́x~y}

[zŠ}^ˠȉkǃ˙_YQn}ʬȢ“Ę{Pɮŵı“ʮǗ×ɻƞgmp‰}ÁÔ¢

ÐʓȲʠkfx_ʱlj}˱͔wYQ

図7: 日本企業が取り組んできた経営改革の負の側面

3.2. 日本企業の再生が目指すべき方向性

ɮŵı~žƟɼ{ˎʓg‘pŠ}wYQʀǮɼzîijćď}ɱɲ{̶ĈivZʪʸ×

ȹˁ}ɮŵı͝ȾŗijƢȎ̵ȱLJ_̤ɳg‘ɮŵȹˁ͞Pn}[zʪʸ×ȹˁ“Ƿ\

ǘ˒̈́ŧ}ɮŵıPgŽ{~æȮ}»ÑÎØ¯šØÖ“ȲǒkȹˁÓÃÒ{]dɮŵı ʜ}́Ɵ_ƉŮkQ

ɮŵı}šƂ“ŠpŽivZ˙Ŧ~PŪ _ʊk[{PÛǘƟ}ɮŵı_ÜǘƟ }ɮŵı“ɯˠivǷǴkxZ[Ȳ̛_ơŹittYfxwYQ¢ÔØ»ÒȴɚDŽŔ }ʫŢǸ͍{PɮŵxʫŢ}͇̆_Ǣſip}‡zŽlPĤȶæȮʪʸ†w_É·ʫŢ Ɵ}[zˑĸ“ŋ[{zspʬȢPžƟɼzɮŵı}̜Ƕ_ơŹk{˅spQ

図8: 「多層的な現場力」の連携の崩壊

11

ĸȹîd{~Pʪʸ_ˮƲ“Þ\ŽɻɼzŠ}xPțë}˄ƤƏɮ{ſ`bĆƉkğɻɼzŠ}x_Y

Q˜¹ÃاÏÖ}ĉ̝{~PˢɵĽg‘pɿȴ̣ǒ{svƽŽ‘Ŵ̬“ɿɼxkǒȢãʺŰ}Žɻİ ĸȹîd{ʪʸ̡ލŠPčë}Ȑ͛ʄ}ɻɮx˗ǽ}Ȑ͛ʄ}ːő{ʄ˵į̛ɏĸ{˼ɫkfx

“Š€xǏjŽ‘ğɻɼŒĿîd_ȖĶwYxʼ\Ž‘vZQ

図7:日本企業が取り組んできた経営改革の負の側面

小松原 聡

(10)

− 26 − 青森中央学院大学研究紀要34号

付けは後退した11

 日本企業の強みを活かした日本型企業再生を 実現するためには、日本企業の現場力による優 位性を活かすことが有効である。この方向での 日本型企業再生を実現するのであれば、日本企 業から優良な現場が消滅してしまう前に、日本 企業の現場力の実態と本質とはどのようなもの か解明しておく必要がある。その結果を元に、現 場力を継承・発展させるためのプログラムを確 立することが緊急の課題である。★

3.2.日本企業の再生が目指すべき方向性  現場力は多層的に蓄積されたものである。直

接的な付加価値の生産に関係している組織・機 能の現場力(正味加工時間概念が適用される現 場機能)、そのような組織・機能を支える技術集 団の現場力、さらには事業のバリューチェーン を構成する機能レベルにおける現場力等の階層 が存在する。

 現場力の喪失をもたらしている要因は、図8が 示すように、上位階層の現場力が下位階層の現 場力を理解して支援するという構造が崩壊しつ つあることである。グローバル標準志向の経営 改革により、現場と経営の距離が拡大したのみ ならず、分権事業組織までがミニ経営層のよう な行動を取るようになった結果、多層的な現場 図8:「多層的な現場力」の連携の崩壊

10

f}[zɮɨ˭˵“ȍxk‘PȈțõȮġɱ}p‰{ǃ˙zŋʪ‡~PŪ {ʊk

[z–ÁÔØ¯_ǃʳɳ{zxʼ\Ž‘Q

図9: 日本企業再生のために必要な取り組み

ęlPȈț}õȮ{xsvƴZɮŵı~ÝōȺ}˙ʨwYPɮŮn‘_ȤɕittY

――――――――――――――――――

11 動機付けには、組織が誘引を与える外発的なものと、本人の自己実現に大きく依存する内発的なものとがある。

イノベーションの促進には、計画化された目標達成によって得られる報酬を目的とする成果主義型の外発劇動機 付けによる組織運営よりも、個人の暗黙知の発現と複数の暗黙知の融合による知識創造活動に貢献することを喜 びと感じられる内発的同区付けが有効であると考えられている。

(11)

− 27 −

図9:日本企業再生のために必要な取り組み

10

f}[zɮɨ˭˵“ȍxk‘PȈțõȮġɱ}p‰{ǃ˙zŋʪ‡~PŪ {ʊk

[z–ÁÔØ¯_ǃʳɳ{zxʼ\Ž‘Q

図9: 日本企業再生のために必要な取り組み

ęlPȈț}õȮ{xsvƴZɮŵı~ÝōȺ}˙ʨwYPɮŮn‘_ȤɕittY

力の連携が崩壊した。★

 このような現状認識を是とすれば、日本企業 再生のために必要な取り組みは、図9に示すよう なアプローチが必緒用になると考えられる。

 先ず、日本の企業にとって強い現場力は不可 欠の要素であり、現在それが枯渇しつつあると いう実態を正しく認識することが求められる。

現在は、暗黙的かもしれないが、現場力を否定 する経営観が支配的である。「現場力再構築」の 必要性が企業の本社経営陣を含む人々に理解さ れ、それへの取り組みが社会的なムーブメント にまで高められるための啓発活動が必要である。

 その上で、現場力の維持・伝承を高速に実行 できる方法論を DX の成果を活用して確立する ことが求められる。そのためには、

 ⅰ)現場力(=匠のノウハウとそれが活かさ れる環境)の要件の整理

 ⅱ)現場に存在する「匠」のノウハウを組織 形式知化する方法論の確立

 ⅲ)匠のノウハウを高速に移植する方法論の

確立

というアプローチが必要である。

 さらに、現場力が常に進化できる環境を整備 する必要がある。既存の現場力の形式知化だけ では、いずれ現場力は枯渇してしまう。新たな 現場力が創造されるための要件を抽出し、それ を加速する環境条件を整備することで、新たな 匠の暗黙的ノウハウを生み出す知識創造サイク ルが確立する。このような環境が整備されるこ とで、企業は常に進化し続けることができる存 在となる。

4.現場力の再生・維持・進化による日本企業 再生

 日本企業の再生には様々なアプローチが考え られる。企業経営の土台を強化し、時代の変化 への適合力を高めるという意味においては、経 営の枠組みとしての戦略マネジメント・コント ロール・システムの抜本的・包括的な改革が重 要になる。ダイナミックな戦略マネジメント・

小松原 聡

(12)

− 28 − 青森中央学院大学研究紀要34号

コントロール力を実現することが重要である。

 不確実性の高い経営環境において、ダイナ ミックな戦略マネジメント・コントロールを実 現する必要があるが、不確実性の高い環境下で は有機的組織行動が有効である12ことが以前か ら知られている。有機的な組織行動を実現する ためには、現場の高度な自律的活動が要求され るが、それは日本企業が持つ強い現場力が大き な武器になると考えられる。ここではダイナ ミックな戦略マネジメント・コントロールの概 要と、それを実現する上で有効な現場力の要件 について考察する。

4.1.ダイナミックな戦略マネジメント・コント ロールの実現

 戦略施策の構築視点13は多様性に富む。しか し、その戦略施策がどのような視点で構築され

たものであっても、経営組織では戦略の実現に 向けたマネジメント・コントロールが常に必要 とされる。戦略マネジメント・コントロール は、戦略目標を起点とする PDCA サイクルの 構築によるのが一般的であった。しかし、近年 は環境変化のスピードが速く戦略目標がすぐに 陳腐化してしまうという問題がある。戦略目標 の硬直性による環境変化への適応力不足を解消 するために、仮説検証型のアプローチによる経 営行動の迅速性の確保や、PDCA に代わる新し い思考方法・行動様式として OODA ループ14が 注目されるようになった。いずれも、激しい環 境変化によりよく追随できる経営組織行動を意 識したダイナミックな戦略マネジメント・コン トロールの実現である。図10にダイナミズムの ある戦略マネジメント・コントロールのイメー ジを示す。ダイナミズムのある戦略マネジメン

――――――――――――――――――

12 Burns/Stalker や Lawrence/Lorsch らの研究により、不確実性の高い環境下においては有機的組織の有効性が 確認されている。

13 戦略の定義方法あるいは戦略構築のための視点として H. Mintzberg による5P が有名である。また。戦略の本 質について、ポジションを重視する考え方もあれば、リソースを重視する考え方もあり、多様性に富む。

14 OODA と は 米 国 空 軍 の 戦 闘 機 パ イ ロ ッ ト の ジ ョ ン・ ボ イ ド 大 佐 が 提 唱 し た 思 考 法 で、

Observe → Orient → Decide → Act というサイクルを表す。近年は経営行動への適用も有効であると注目され るようになった。

12

ŷ}żĽ{ƗivPƩ{Ǔɷɿȴ“ČȾiʯdfx_w`fxwYPǃ˙{DžjvǓ ɷɿȴ“ż͍͝´ÐÖ©¿œØÊ͞w`fxwYQ

図10: ダイナミズムのある戦略マネジメント・コントロール

®˜¶ÉªÊ}YǓɷȸ¨ËÖ´×¥Ö´ÔØÒw~PǓɷˢɵ“´°Á×®™Öw ƞ̴k}w~zbPɰŷżĽ“ȔŠǺǏ{Ɩʄkfx_w`n‘‚}̐̚zƗDž_ƚģ w`ɮŵ}ˁı_ſæ{zQƴZɮŵı{ȧƣipʪʸ̡Ţ~PɰŷżĽ{̤DžŨ͈z ƍĖīȹȲ{]d̗ȹˁNJ}ɻɱ“̹ȽkÛwȖĶwYQ

4.2. 強い現場力の源泉としての匠人材の能力要件

Ȼ{PSľëȝT_ē\˙óxZ[˜ɠ^ŽPƴZɮŵı}əɊ“ʼƖkQf‘†w Ȉț}žb}ʪʸ{~ľxZ’‘ëȝ_ƉŮiPn}[zëȝ_ǤtʄNj_Ġɜzʪʸ

̡ޓōˁ{iPĮĄ}zZ˗͆zŝ͔}ˠɆ‹ȄpzʫŢˑĸ}įɻ{ſ`b˼ɫiv`

pQƴZɮŵı“ɱ‡ģkľëȝ_ǤtɧɀzˁıxivP˸ƔzȐ͛ʄ_ǦeŽ‘Qɮ ŵ“SĜı˙ʨ“ijƢivćď“îijin‘“ģıkżDZȹ̶Txivüʹîdpʼ\ȅ

“Ū {ʊk

Q

図11: 強い現場力を実現する「匠」人材の暗黙知

15 ffwƞ̴g‘vZʼ\~PɧƎ͋Ţĩɏĸɋë»ÑÎØ¯šØÖÁÔ«©Ł˶÷}SȈțŰġɱʆʔ WGT{]d˶˳{ŲubŠ}wYQ

図10:ダイナミズムのある戦略マネジメント・コントロール

(13)

− 29 − ト・コントロールは、経営環境の変化に対して、

常に戦略目標を修正し続けることができること であり、必要に応じて戦略目標を変革(トラン スフォーム)できることである。★

 ダイナミズムのある戦略マネジメント・コン トロールでは、戦略計画をトップ・ダウンで展 開するのではなく、環境変化を最も敏感に察知 することができそれへの迅速な対応が導出でき る現場の能力が大事になる。強い現場力に根差 した組織運営は、環境変化に適応困難な官僚制 機構における逆機能性の発生を防止する上で有 効である。

4.2.強い現場力の源泉としての匠人材の能力 要件

 次に、「匠人材」が備える要件という視点から、

強い現場力の源泉を考察する。これまで日本の 多くの組織には匠といわれる人材が存在し、そ のような人材が持つ知恵が円滑な組織運営を可 能にし、前例のない複雑な問題の解決や新たな 経営行動の創発に大きく貢献してきた。強い現 場力を生み出す匠人材が持つ特殊な能力として、

豊富な暗黙知が挙げられる。現場を「入力要素 を加工して価値を付加しそれを出力する変換機 関」として位置付けた考え方を図11に示す15

 現場の人間は、自分の五感を使って現場への

入力要素から意味のある情報を識別し、それを 自分が蓄積した知識データベースと重ね合わせ て解釈することによって、その現場に求められ る出力項目を生成するための行為を出力する。

――――――――――――――――――

15 ここで展開されている考えは、特定非営利活動法人バリューチェーンプロセス協議会の「日本型再生研究 WG」における議論に基づくものである。

13

ɮŵ}ë̵~P˄Ĥ}èǏ“ăsvɮŵ‚}Ĝı˙ʨ^Žǎŗ}YnjŴ“˵ĨiPn‘

“˄Ĥ_ˎʓipʄ˵³Ø­ÃØ©x̮|ő’mvˠ̭kfx{svPn}ɮŵ{Ʌ‰

Ž‘ģı͏ɿ“ɱǒkp‰}ˑɡ“ģıkQf}żDZÁÔ«©{]ZvPĜģı}̶

Ĉ_ȇ{ÙƎ}ɋĬxivɯˠg‘Ǭƒ`–¡§ÏÖ{̶kÒØÒĽ_]fz’‘vZ

}_ƶƱʄwYQľëȝ~Pɮŵ{]ZvȚqƶƱʄĽg‘vZzZĜģı}̶Ĉ{̶

kʄ˚“˸ƔzȐ͛ʄxivĊȖkQľëȝ_˸ƔzȐ͛ʄ“Ǥv}~Pɮŵ‚}Ĝ ı˙ʨ^Žǎŗ}YnjŴ“ǞģkèǏ}ȹˁ_ė‘Pi^ŠǞģipĜınjŴ“ˎʓi p˸Ɣzʄ˵³Ø­ÃØ©x̮|ő’mvˠ̭kˁı{Šė‘Pn}ʬȢxivǃ˙zɮ ŵģı“ƽp‰}̤ĥzˑɡ}Yȅ{̶kǎLjɆƎ“Ȑ͛ɼ{ˑ\͑ű_ƭZ^Ž

wYQ͚Ưzľëȝ„yPƶƱĽg‘vZzZɮŵ}Ĝģı}̶Ĉ{Ɨkɯˠ_ƭb^

tɓZ}wPɮŵ}ɏĸ“¥Ö´ÔØÒkˁı{두Q

ñÛ~PÙt}ɮŵ͝͠łÙƢʐ͞qd{ʃɿipŵő}ľëȝ{̶k˙ó}˶˳wY

Qi^iPľëȝ_ė‘p¼¿œØÈÖ©“ɻdzw`}~PłÙƢʐ{̶kȐ͛ʄ}

˸Ɣg{qd{Š}w~zZQ̮˙z}~P˗ǽ}Ƣʐ{†p_¸°´ÕØ¡ɼ zʤ{Ɨkɯˠxn‘“´Ø­Ò{¥Ö´ÔØÒivĝÿṲ̏“Əɮw`ˁıwYQ n}[zľ}¸°´ÕØ¡ɼzɮŵˁı}˙ó“Ū {ʊkQ

図12: 現場力のための匠のネットワーク的現場能力要件

図11: 強い現場力を実現する「匠」人材の暗黙知

小松原 聡

(14)

− 30 − 青森中央学院大学研究紀要34号

この変換プロセスにおいて、入出力の関係が既 に一定の法則として理解され採るべきアクショ ンに関するルール化がおこなわれているのが形 式知である。匠人材は、現場において未だ形式知 化されていない入出力の関係に関する知見を豊 富な暗黙知として保有する。匠人材が豊富な暗 黙知を持てるのは、現場への入力要素から意味 のある情報を抽出する五感の機能が優れ、しか も抽出した入力情報を蓄積した豊富な知識デー タベースと重ね合わせて解釈する能力にも優れ、

その結果として必要な現場出力を得るための適 切な行為のあり方に関する意思決定を暗黙的に 行える領域が広いからである。高度な匠人材ほ ど、形式化されていない現場の入出力の関係に 対する理解が広くかつ深いので、現場の活動を コントロールする能力に優れる。

 以上は、一つの現場(=単一工程)だけに着 目した場合の匠人材に関する要件の議論である。

しかし、匠人材が優れたパフォーマンスを発揮 できるのは、単一工程に関する暗黙知の豊富さ にだけによるものではない。より重要なのは、複 数の工程にまたがるネットワーク的な系に対す る理解とそれをトータルにコントロールして全 体最適を実現できる能力である。そのような匠 のネットワーク的な現場能力の要件を図12に示 す。★

 一つの現場への入力要素(物質、エネルギー、

情報、等)は、その前工程を構成する現場ネッ トワークの活動を通じて生成したものである。

また、一つの現場が入力要素を加工して生成し た出力要素は、その後工程を構成する現場ネッ トワークへの入力要素として展開されるが、そ の一部は自分の現場にもフィードバックされる。

現場ネットワークの入出力関係は、その発生時 期・頻度・タイムラグ等の条件が多様であり、入 出力の要素自体も時間経過とともに変化する。

14

Ùt}ɮŵ‚}Ĝı˙ʨ͝ɦ́P›¸Ò ØPnjŴPʜ͞~Pn}ĮƢʐ“Ȳǒkɮŵ

¸°´ÕØ¡}ɏĸ“̙jvɱǒipŠ}wYQ†pPÙt}ɮŵ_Ĝı˙ʨ“ijƢiv ɱǒipģı˙ʨ~Pn}ƻƢʐ“Ȳǒkɮŵ¸°´ÕØ¡‚}Ĝı˙ʨxivƞ̴g‘

_Pn}Ù̪~˄Ĥ}ɮŵ{Š¿—ص»°¡g‘Qɮŵ¸°´ÕØ¡}Ĝģı̶Ĉ

~Pn}ɻɱȎȘ×͓Ư×­˜ÊТʜ}Ȟó_žȳwYPĜģı}˙ʨ˄ÿŠȎ̵ʫ̢

xxŠ{żĽkQ

ɮŵ¸°´ÕØ¡~P®˜¶É°¡{żĽkŠ}wYQƼsvPɮŵ}¥Ö´ÔØÒ ı“͚‰p‰{~Pɮŵ¸°´ÕØ¡}®˜¶ÉªÊ{͂̕w`fx_Ʌ‰Ž‘Qľ ëȝ~žˁƢɼ˙ʨ“Ǥrő’mvZp‰Pɮŵ¸°´ÕØ¡_Ǥt®˜¶ÉªÊ‹Ýʈ ƎɼzǧˇZ‚}ƗDžı_͚ZQľëȝ~žˁƢɼˁı“ĊȖkfx{Pɮŵ}ɰ ŷżĽ{ƗkžʺɼzƗDžˑĸ_ōˁwYQ

4.3. 戦略マネジメント・コントロール高度化のための現場力

õȮ}Ǔɷȸ¨ËÖ´×¥Ö´ÔØÒ“͚ƯĽkfx_ȈțõȮġɱ}p‰}Ùt}

ſæz˙ówYQffwZ[Ǔɷȸ¨ËÖ´×¥Ö´ÔØÒx~PʅȘɼzǓɷɿȴ̣

ǒ}p‰}ʞɯqdw~zbP̲ȘɼǓɷɿȴ}´ÐÖ©¿œØËاÏ֓ŠŖ‰pȱLJ wYQ

ʅȘ}Ǔɷȸ¨ËÖ´×¥Ö´ÔØÒ}ȱLJ“Ū {ʊkQʅȘ}ȸ¨ËÖ´×¥

Ö´ÔØÒ~Pŵ}̤Ⱦɨǐ“ʰǤkPkz’rɮŵɏĸ“Ǔɷɿȴ̣ǒ}p‰{ʞɯ̻

ɶğ{Ŋǿgmfx_Ʌ‰Ž‘Qʞɯ̻ɶ“̞˂ipŵő{~P̚‹^{ʞɯ̻ɶğ{

ƿƨkp‰}–¡§Ï֓ǬfxwYQɮŵ}ɏĸ“ÙƎȘ̵}ʓĤďwxŽ\

xPǓɷȸ¨ËÖ´×¥Ö´ÔØÒ~ɮŵ}Ș̵ɿȴ“̣ǒkp‰{PƏʷďxˢɵď }ä͇“ǙDz×ČȾkɏĸ{zQʅȘɼǓɷȸ¨ËÖ´×¥Ö´ÔØÒ{]Zvɮŵ

図12:現場力のための匠のネットワーク的現場能力要件

(15)

− 31 −  現場ネットワークは、ダイナミックに変化す るものである。従って、現場のコントロール力 を高めるためには、現場ネットワークのダイナ ミズムに追随できることが求められる。匠人材 は多能工的要素を持ち合わせているため、現場 ネットワークが持つダイナミズムや不確定的な 振る舞いへの対応力が高い。匠人材は多能工的 能力を保有することにより、現場の環境変化に 対する多義的な対応行動が可能である。

4.3.戦略マネジメント・コントロール高度化の ための現場力

 企業の戦略マネジメント・コントロールを高 度化することが日本企業再生のための一つの大 事な要件である。ここでいう戦略マネジメント・

コントロールとは、短期的な戦略目標達成のた めの管理だけではなく、長期的戦略目標のトラ ンスフォーメーションをも含めた概念である。

 短期の戦略マネジメント・コントロールの概 念を図13に示す。短期のマネジメント・コント ロールは、場の適正状態を維持する、すなわち 現場活動を戦略目標達成のために管理限界内に 収斂させることが求められる。管理限界を逸脱 した場合には、速やかに管理限界内に復帰する ためのアクションを採ることである。現場の活 動を一定期間の積分値でとらえると、戦略マネ ジメント・コントロールは現場の期間目標を達 成するために、実績値と計画値の乖離を把握・

修正する活動になる。短期的戦略マネジメント・

コントロールにおいて現場力が高い組織は、匠 人材の能力によって以下の点において優れる。

 ① 管理限界を逸脱するようなトラブルの発 生を未然に回避できる能力

 ② 管理限界を逸脱する想定外のトラブルが 発生した場合の対応力

 ③ 計画 - 実績の乖離(未達)が想定範囲を

15

ı_͚Zʪʸ~Pľëȝ}ˁı{svñÜ}ɠ{]Zv두Q

K ʞɯ̻ɶ“̞˂k[z´ÐÀÒ}ɻɱ“Țɣ{ţ̌w`ˁı L ʞɯ̻ɶ“̞˂kǍƎŽ}´ÐÀÒ_ɻɱipŵő}ƗDžı M ˢɵƏʷ}ä͇͝Ț̣͞_ǍƎʟũ“̄\vi†spŵő}ƗDžı

N ȘĦ}ɿȴ̣ǒ_͋Ʃ{Ũ͈zɨɉ{̿spŵő}Ǔɷ̌DZ}p‰}ʄ˵į̛ı

図13: 短期の戦略マネジメント・コントロール概念と現場力

̲Ș}Ǔɷȸ¨ËÖ´×¥Ö´ÔØÒȱLJ“Ū {ʊkQ̲Ș}Ǔɷȸ¨ËÖ´×

¥Ö´ÔØÒ{~PñÜ}çt}–ÁÔØ¯_YQ K Ǔɷɿȴ}įɻɼzǸƎ

L Ǔɷn}Š}}´ÐÖ©¿œØËاÏÖ

図14: 長期のマネジメント・コントロール概念と現場力

図13:短期の戦略マネジメント・コントロール概念と現場力

小松原 聡

(16)

− 32 − 青森中央学院大学研究紀要34号

越えてしまった場合の対応力

 ④ 期初の目標達成が非常に困難な状況に 陥った場合の戦略転換のための知識創造 力

 長期の戦略マネジメント・コントロール概念 を図14に示す。長期の戦略マネジメント・コン トロールには、以下の二つのアプローチがある。

 ① 戦略目標の創発的な改定

 ② 戦略そのもののトランスフォーメーション  戦略目標の創発的な改定とは、組織学習に基 づく現場組織力の向上によって、管理限界の質 的な改善が図られることである。このことは、結 果として現場の達成目標レベルの向上をもたら す。これは現場の創発アプローチによる連続的 な改定である。

 戦略そのもののトランスフォーメーションと は、ある時点で事業革新をもたらす非連続な変 革であり、経営システムがセレンディピティを 起こしやすくするための要素を備えることが大 事である。事業の革新をもたらす戦略のトラン スフォーメーションは、突然発生するラジカ ル・イノベーションの形態をとることもあれば、

連続性のある改定が積み重なることによっても たらされるインクリメンタルまたはサステイニ ングなイノベーションの形態をとることもある。

いずれの場合においても、トップ・ダウン的対 応よりも、高い現場力によってイノベーション を促進することが有利であると考えられる16

4.4.DX 時代の日本型企業再生のあり方  これからの企業の経営システムや事業モデル

16

Ǔɷɿȴ}įɻɼzǸƎx~PʪʸƊʻ{Ųubɮŵʪʸı}ŔÛ{svPʞɯ̻ɶ}

́ɼzǸş_ŪŽ‘fxwYQf}fx~PʬȢxivɮŵ}̣ǒɿȴÓÃÒ}Ŕۓ

ŠpŽkQf‘~ɮŵ}įɻ–ÁÔØ¯{̜ʯɼzǸƎwYQ

Ǔɷn}Š}}´ÐÖ©¿œØËاÏÖx~PYȎɠwæȮ͍Ȅ“ŠpŽk̜͋ʯz ż͍wYPʫާ©²Ê_«ÓÖ³—¾²—“̂fi‹kbkp‰}˙ʨ“ē\fx _ſæwYQæȮ}͍Ȅ“ŠpŽkǓɷ}´ÐÖ©¿œØËاÏÖ~PʖɣɻɱkÐ

¨Òט¹ÃاÏÖ}ƶǐ“xfxŠY‘P̜ʯNJ}YǸƎ_ʓ‡̮zfx{

svŠpŽg‘˜Ö¡ÑË֭҆p~¦©²˜·Ö¢z˜¹ÃاÏÖ}ƶǐ“x

fxŠYQZl‘}ŵő{]ZvŠP´°Á×®™ÖɼƗDžŠP͚Zɮŵı{sv

˜¹ÃاÏ֓ĉ̝kfx_ȖĩwYxʼ\Ž‘

Q

4.4. DX 時代の日本型企業再生のあり方

f‘^Ž}õȮ}ʫާ©²Ê‹æȮ̳Ò}ġȲʠ{~P³¨­Ò̶̜ǘ˒}̝Ľ{

 , }˙ʨ“ŋ̏ˆfx_ÝōȺwYQɁLJz_ŽPf}Ĥ̯{]dȈțõȮ}Ɨ Dž~n‘„y͚b˪ćg‘ÓÃÒ{~zZQ, ‚}ƗDž“̧dv̙fx~w`zZ _Pn‘{Ƃǻkfx~ßɶÓÃÒ}ʙå^Ž˂ˌkfx“ǎŗkQ

ȈțõȮ_ , ‚}ƗDž“ˑ[̓Pßɶɼzʙå}âw˄Ĥpr}y}[zƴ‡͑ű“

ɏ^ivPy}[zɪ˄NJ}YÇ¨§Ï֓ʈʗw`}^“ʼ\ǃ˙_YQ, wɱ‡ģg‘±ØÒ͖“ƶƱɼ{ƚĜkqdw~q‰wYQ

ʼ\Ž‘Ùt}ȖĶzȅŔNJxivPf}ʒwŋÛepPSɮŵıT{]dėüNJ {ʃɿiPn‘“ʉ`Ûep‰{ , “ɏɳkfx_ʼ\Ž‘Q˚ȅ“ż\‘PȈ țõȮ}ƴZɮŵı“ƙȟŠėü˙Ŧxivɏɳk}wY‘P, ŵ`vZ³¨­

16

Ȕ̒}®˜¶É°¡zǓɷ˳w~P˜¹ÃاÏ֓Ʃ{̂fiʯdˁı“Ǥtfx_̮˜g‘Pn}p‰

{~ʫŢƟ}ǎLjɆƎ{̻Ž‘fx}zZɮŵ}˜¹ÃاÏÖı_̮˙zǎŗ“Ǥtxʼ\Q

図14:長期のマネジメント・コントロール概念と現場力

――――――――――――――――――

16 最近のダイナミックな戦略論では、イノベーションを常に起こし続ける能力を持つことが重視され、そのため には経営層の意思決定に限られることのない現場のイノベーション力が重要な意味を持つと考える。

(17)

− 33 − の再構築には、デジタル関連技術の進化による DX の要素を取り込むことが不可欠である。残 念ながら、この分野における日本企業の対応は それほど高く評価されるレベルにはない。DX への対応を避けて通ることはできないが、それ に失敗することは世界レベルの競争から脱落す ることを意味する。

 日本企業が DX への対応を行う際、世界的な 競争の中で自分たちのどのような強み領域を活 かして、どのような独自性のあるポジションを 確立できるのかを考える必要がある。DX で生 み出されるツール類を形式的に導入するだけで はだめである。

 考えられる一つの有効な方向性として、この 稿で取り上げた、「現場力」における優位性に着 目し、それを磨き上げるために DX を活用する ことが考えられる。見方を変えれば、日本企業 の強い現場力を将来も優位要因として活用する のであれば、DX で起きているデジタル技術の 進化を積極的に採り入れることは避けて通れな い。

 データサイエンスや VR・AR 技術が進化し、

さらに AI と身体知に関する理解が深化するこ とにより、匠人材の持つ暗黙的な知恵をより効 率的に形式化できる可能性が高まることが期待 される。さらに、これらの技術を活用すること で、図6に示した強い現場の行動特性とその成立 要件を強化する経営の仕組みや環境整備を行え る可能性がある。DX 時代の日本型再生には次 のような視点に基づく接近が求められる。

 ⃝ 暗黙的現場力の形式知化を加速する方法

論の確立とそのための環境・ツール整備

   ・ DX 技術を駆使した現場の入出力関

係の解明

   ・ 匠人財の身体知的要素の解明(場の

情報認識・知識ベース・行為の出力 制御方法等)

 ⃝ 匠人財が持つ能力の伝承を容易かつ効率

的に行える方法論およびツールの開発

   ・ 人間が持つべき能力としての伝承方

法の改革

   ・ 人間の能力を補完する機械・技術の

開発

 ⃝ 新たな暗黙的現場力の創発を加速させる

要因やメカニズムの解明とそれを実現す るための環境・ツール整備

   ・ DX 技術の活用により匠人財の知識

創造を加速させる方法の解明と手法 の確立

   ・ イノベーションを加速する経営の仕

組みや制度の有り方に関する経営の 価値観の確率(DX 技術以外の対応)

5.おわりに

 本稿は、経営(本社)と現場の乖離に向かっ て進んだこれまでの日本企業によるマネジメン ト改革の実態を振り返り、強かった日本企業の 現場力を回復するという視点から、日本型企業 再生のあり方について考察した。特に、DX 時 代における日本企業の進化にも焦点を当てるこ とで、DX における後進性と日本的経営の強さ の源泉であった現場力喪失という二つの問題へ の同時・並行的な対応を意識した。

 本稿で提示した日本型企業再生への取り組み 方法は、まだ発展途上の概念であり、さらなる精 緻化の余地が多く残されている。また、実際の デジタル関連技術を駆使した現場力の維持・伝 承・進化の有り方に関しては、具体的なツール や方法論の開発によって、今後その完成度を高 めていく必要がある。この方面からのアプロー チも是非勧めなくてはならない。

 本稿が、このような方向でさらに進化するた めの研究や開発への取り組みを促進する一助に なることを期待する。

小松原 聡

(18)

− 34 − 青森中央学院大学研究紀要34号

参考文献

・ Mintzberg, Henry, Ahlstrand, Bruce, and Lampel, Joseph (1998).

Strategy Safari: A Guided Tour Through the Wilds of Strategic Management

, The Free Press(ヘンリー・ミンツバーグ、

ブルース・アルストランド、ジョセフ・ランペル著、齋藤嘉則監訳、『戦略サファリ 戦略マ ネジメント・ガイドブック』、東洋経済新報社、1999年)。

・ O'Reily, Charles A. Ⅲ , Tushman, Michael L. (2016).

Lead and Disrupt: How to Solve the Innovator's Dilemma

, Leland Stanford Junior University (チャールズ・A・ライリー、マイ

ケル・L・タッシュマン著、入山章栄監訳・解説、『両利きの経営 「二兎を追う」戦略が未来 を切り拓く』、東洋経済新報社、2019年)。

・ Richard, Chets (2004).

Certain to Win : The Strategy of John Boyd, Applied to Business

, Xlibris (チェット・リチャーズ著、原田勉訳『OODA LOOP(ウーダループ) 』、東洋経済新報社、

2019年)。

・ Vogel, Ezra F. (1979).

Japan As Number One: Lessons for America

, Harvard University Press (エズラ・F・ボーゲル著、広中和歌子、木本彰子訳『ジャパン アズ ナンバーワン : アメリカへの教訓』(広中和歌子、木本彰子訳)、TBS ブリタニカ、1979年)。

・ 今西伸二(1988)。「事業部制の解明―企業成長と経営組織」、マネジメント社。

・ 河合忠彦(2004)。「ダイナミック戦略論 ポジショニング論と資源論を超えて」、有斐閣。

・ 小松原聡(1996)。「分権経営における本社機能」『企業会計』1996Vol.48No.6、pp69 ~ 74、中 央経済社。

・ 小松原聡、松尾貴巳(1996)。「企業統治と経営管理システム」、『三菱総合研究所 / 所報』

No.30 1996、pp24 ~ 49、(株)三菱総合研究所。

・ 小松原聡(1999)。「連結重視で問われる企業経営」『経済の進路』 No.449、pp8 ~ 10、 (財)三 菱経済研究所。

・ 小松原聡、伊藤彰一、水田裕二(1999)。「分権経営の進展下におけるグループ・マネジメント」

『三菱総合研究所 / 所報』No.35、pp76 ~ 101、(株)三菱総合研究所。

・ 小松原聡(2000)。「コーポレートガバナンスと21世紀に向けた経営のあり方」『ビジネスリサー チ』916、pp10 ~ 23、(社)企業研究会。

・ 小松原聡(2002)。「コーポレートガバナンス 21世紀に向けた経営のあり方 −企業価値の向 上を目指したマネジメントシステムの構築−」『経営構造改革と事業評価・管理システムの実 際 研究叢書 No.118』、pp3 ~ 25、(社)企業研究会。

・ 小松原聡(2007)。「知識社会型マネジメント・システムへの転換」『三菱総研倶楽部』Vol.4 No.2、pp26 ~ 29、(株)三菱総合研究所。

・ 小松原聡(2017)。「図解 企業の戦略マネジメント・コントロール」、言視舎。

・ 小松原聡(2017)。「図解 戦略経営のメカニズム」、言視舎。

・ 高橋伸夫(1997)。「日本企業の意思決定原理」、東京大学出版会。

・ 日本管理会計学会グループ経営専門委員会(2005)。「グループ企業の管理会計」、税務経理協会。

・ 野中幾次郎、竹内宏高(1996)。「知識創造企業(The Knowledge Creating Company)」、東洋 経済新報社。

・ 波頭亮(2016)。「経営戦略概論 戦略理論の潮流と体系」、産業能率大学出版部。

(19)

− 35 −

・ 松浦慶総(2017)。『ものづくり産業における身体知』、人工知能32 巻2 号(2017 年3 月)、人 工知能学会。

(青森中央学院大学 経営法学部 教授 こまつばら さとし)

小松原 聡

参照

関連したドキュメント

Japanese food has predominantly been gaishoku ( eating out ) for Thai people, which means that people have tended to eat Japanese food outside their homes.. In recent

第五章 研究手法 第一節 初期仮説まとめ 本節では、第四章で導出してきた初期仮説のまとめを行う。

デロイト トーマツ グループは、日本におけるデロイト アジア パシフィック

海外旅行事業につきましては、各国に発出していた感染症危険情報レベルの引き下げが行われ、日本における

後援を賜りました内閣府・総務省・外務省・文部科学省・厚生労働省・国土交通省、そし

本事業における SFD システムの運転稼働は 2021 年 1 月 7 日(木)から開始された。しか し、翌週の 13 日(水)に、前年度末からの

BSP Logistics Discipline Brunei Shell Petroleum Ak Nor Hazman Vin PHA Hamid Senior Marine Engineer. Brunei Gas Carriers Sendirian Berhad Hubert Yong Sales &amp;

継続企業の前提に関する注記に記載されているとおり、会社は、×年4月1日から×年3月 31