~
2010
年度修士論文最終発表~非塑性細粒分を含む砂の液状化強度とコーン貫入抵抗の関係に及ぼす年代効果の影響
Aging effect on relationship between liquefaction strength and cone resistance of sand
containing non-plastic fines
土木工学専攻
30
号 長尾洋太Nagao Yohta
1.はじめに一般に長い年月を経て形成された自然堆積土は年代効果により骨格構造が含有鉱物の化学反応により安定し液 状化強度が増大することが知られている.しかし再構成試料は年代効果を再現しているとは言い難いため,原位 置液状化強度の評価において,年代効果を考慮することは重要である.
また,近年では緩い砂地盤に対して標準貫入試験の
N
値に比べて信頼度の高く地盤構造を連続的に測定できる コーン貫入試験(CPT)が用いられる機会が増えている.しかし,コーン貫入抵抗値から液状化強度を予測するため の実測データがN
値に比べ少なく,各種土質パラメータが与える影響が不明な点も多々ある.そこで,筆者らは 同一供試体において小型コーン貫入試験,液状化試験を行える三軸試験機を開発し1) ,貫入抵抗と液状化強度の 直接的関係を調べてきた2)3)4).それによると,相対密度
Dr
や細粒分含有率Fc
の違いに関わらず,貫入抵抗値qt
と液状化強度RL
は一本の直 線関係となることが示された.一方,現在用いられている液状化判定法では,同じ貫入抵抗値に対しFc
が多い ものほど液状化強度を割り増すことになっている.この両者のギャップの主要因のひとつとして,再構成試料で は再現できない原地盤の年代効果があげられる.そこでこの試験機を用いて短時間で年代効果を再現するため に①セメントを細粒分に少量加え化学的活性を強めた加速試験
②過圧密
OCR=4.0
を1
時間与える③微小振動を振動数f=1.0Hz
で両振幅軸ひずみがそれぞれ①ε=1×10-4,②ε=5×10-4になるよう に応力制御し,振動を載荷する.振動の回数は,10000
回,3600
回加えた.これらにより年代効果が細粒分を含む砂の液状化強度とコー ン貫入抵抗の関係に与える影響について検討した.
2.試料と試験方法
試料は千葉県富津砂を用い,これに混合する非塑性細粒分と して塑性指数
I
p=6
程度のまさ土細粒分を用いた.試料の細粒分 含有率をFc=0,5,10,20,30%と変化させたが,細粒分の化
学活性度を高めるためにあらかじめセメントを全試料に対し0.5%
または1.0%
混合したものを用いた.図-1 に試料の粒径加 積曲線を示し,表-1に物理特性を示す.セメントは普通ポルト ランドセメントを使用し,表-2にセメント混合試料の物理特性 を示す.
試験は供試体直径
100mm,高さ 200mm
の中型三軸試験機を 用いたが,下部ペデスタルは図-2に示すように貫入ロッドが付 いており,下部ペデスタル内部の空間を満たした水を排水する ことにより,供試体内に25mm
貫入される.貫入は非排水条件 で行い,抵抗値はコーン先端部に内蔵されたひずみゲージによ り測定する.供試体はウェットタンピング法により作成し,
B
値が0.95
以 上であることを確認した後,有効拘束圧98kPa
,背圧196kPa
で 等方圧密する.セメントの固結作用を発揮させるため,24 時間 養生してから非排水条件のもと貫入速度約2mm/sec
でコーン貫 入試験を行う.なお供試体作成時に水を加えた瞬間を養生開始 とする.コーン貫入試験後,再圧密を行った後,液状化試験を 行う.液状化試験では応力制御にて両振幅ひずみεDAが10%発
生するまで,非排水条件で載荷周波数0.1Hz
の正弦波を加える.図-1 試料の粒径加積曲線 表-1 試料物理特性
表-2 試料物理特性
図-2 貫入ロッド付きペデスタルの概要
1E-30 0.01 0.1 1 10
20 40 60 80 100
Percentagefilter
Grain size
Fc=0%
Fc=5%
Fc=10%
Fc=15%
Fc=20%
Fc=25%
Fc=30%
細粒分含有率 均等係数 乾燥密度 最大乾燥密度 最小乾燥密度 最大間隙比 最小間隙比
Uc emax emin
0 1.91 2.741 1.632 1.316 1.083 0.680
5 2.02 2.717 1.706 1.279 1.124 0.593
10 2.70 2.717 1.762 1.254 1.167 0.542
15 16.2 2.710 1.773 1.198 1.262 0.528
20 33.9 2.703 1.782 1.163 1.324 0.517
30 106 2.714 1.610 0.984 1.758 0.686
ρdmin
(g/cm3) Fc
(%)
ρs
(g/cm3) ρdmax
(g/cm3)
細粒分含有率 セメント含有率 乾燥密度 最大乾燥密度 最小乾燥密度 最大間隙比 最小間隙比 emax emin
5 0.5 2.741 1.719 1.278 1.145 0.595
5 1.0 2.743 1.723 1.293 1.122 0.592
10 0.5 2.740 1.762 1.273 1.152 0.555
10 1.0 2.742 1.763 1.276 1.149 0.555
20 0.5 2.736 1.779 1.157 1.365 0.538
20 1.0 2.738 1.784 1.162 1.356 0.535
30 0.5 2.732 1.610 1.014 1.695 0.697
30 1.0 2.734 1.658 1.036 1.639 0.649
ρdmin
(g/cm3) Fc
(%)
ρs
(g/cm3) ρdmax
(g/cm3) Cc
(%)
Back-pressure tube Porous metal
Cone rod Miniature cone (Tip angle:60°)
Water release for cone penetration
Water supply for initial setup
Gauge signal Unit (mm) O-Ring
6.0
Strain gauge 6.0
25.0
112.0
Water reservoir
3.セメント添加による加速試験結果
図-3に小型コーン貫入試験によって得られた,貫入長に 対する貫入抵抗値
q
tの関係を示している.この図より,Cc
の値に関わらずFcの増加によりqt の最大値は減少する傾 向が見られ,また各Fcの値において,Ccが0%から1.0%ま で増加する過程でq
t は増加する全体的傾向があることが分 かる.ただし,Fc=20%,30%では途中段階のCc=0.5%にお いて一旦低下する傾向が現れている.図-4はコーン貫入試験に引き続いて行った液状化試験に よる繰返し応力比RLと両振幅軸ひずみ
ε
DA=5%に達した時
の繰返し載荷回数Ncの関係を示している.セメント含有率Cc=0%
やCc=0.5%
の試料ではF
cが増大するほど液状化強度 は明らかに減少しているが,Cc=1%ではFcの増大により液 状化強度はむしろ増加する傾向が見られる.以上より,コ ーン貫入抵抗・液状化強度はともにFc
やCc
の影響を大きく 受けるが,その変化傾向は両者においてかなり異なること が分かる.図-5では,セメント添加加速試験による結果の貫入抵抗
q
tと液状化強度RL(ε
DA=5%,Nc=20回)の直接的関係を示
している.セメントを添加しない通常の試験においては,砂の相対密度がDr
=30%~70%,細粒分含有率がFc=0%~30%
と幅広く変化しても,
q
t ~RL 関係は図中に示すLine-Aに沿 ってほぼ一直線上に並ぶことが分かる.すなわち通常の室 内調整試料による試験ではqt ~RL 関係はFcやDrに依らず 一意的関係となる.また,この一意的直線関係は細粒分を あまり含まない砂地盤でのCPT
とそこから不撹乱採取した 試料の三軸試験で測定した液状化強度の直接的関係と定量 的に良く一致することも明らかになっている.次に,細粒分含有率
Fc=0%
,5%
,10%
,20%
,30%
一定 の条件でそれぞれセメント含有率Ccを増加させた場合を 見ると,Fcの増加と共にqtもRLもLine-Aより明らかに増大 し,細線の矢印で示されるように右斜め上方に移動してい る.そして,セメント含有率Ccが大きくなるほどLine-Aか ら上方への離間距離が大きくなっている.加速試験におい てCc
を増加させることが,より長い時間での固結の進展を 表していると考えれば,これは同じFcの土でも時間経過と 共に同じ貫入抵抗qt に対する液状化強度RLが増加すること を意味している.さらに,図-5の凡例の最右翼にあるCc/Fcというパラメー タは細粒分に含まれるセメントの割合であり,細粒分の化 学的活性度を表していると考えられる.図-5に太線の矢印 で示すように,同一のCc/Fc=5%(実線の矢印)あるいは
Cc/Fc=10%(破線の矢印)において,Fcが増加するほどほ
ぼ同一のqtに対するRLが増加し,このためCc=0%の一意的 関係の線(Line-A)より上方にずれる傾向が明瞭に見られ る.つまり,同一の化学活性Cc/Fc
を有する細粒分を考えた 場合,Fcが大きい方が大きな液状化強度を示すことを意味 している.これは,細粒分は比表面積が大きく,Fcが多い ほど同一時間内での固結作用が発揮されやすいためと解釈 される.図-3 貫入抵抗と貫入長の関係
図-4 繰返し載荷回数と繰返し応力比の関係
図-5 コーン貫入抵抗値と液状化強度の関係 (Fc=一定,Cc/Fc→大によるqt,RLの変化傾向)
0 1 2 3
0 2 4 6 8 10
Penetration length (cm) Cone resistance qt (MPa)
Fc=0%,Cc=0%
Fc=0%,Cc=0.5%
Fc=0%,Cc=1%
0 1 2 3
0 2 4 6 8 10
Penetration length (cm) Cone resistanceqt (MPa)
Fc=5%,Cc=0.5%
Fc=5%,Cc=0.5%
Fc=5%,Cc=1%
0 1 2 3
0 2 4 6 8 10
Penetration length (cm) Cone resistance qt (MPa)
Fc=10%,Cc=0%
Fc=10%,Cc=0.5%
Fc=10%,Cc=1%
0 1 2 3
0 2 4 6 8 10
Penetration length (cm) Cone resistance qt (MPa)
Fc=20%,Cc=0%
Fc=0%,Cc=0.5%
Fc=0%,Cc=1%
0 1 2 3
0 2 4 6 8 10
Penetration length (cm) Cone resistance qt (MPa)
Fc=25%,Cc=0%
Fc=25%,Cc=0.5%
Fc=25%,Cc=1%
0 1 2 3
0 2 4 6 8 10
Penetration length (cm) Cone resistance qt (MPa)
Fc=30%,Cc=0%
Fc=30%,Cc=0.5%
Fc=30%,Cc=1%
0.1 1 10 100 1000
0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5
Cc=0%
Cc=0.5%
Cc=1.0%
Stress ratio RL(εDA=5% )
Number of loading cycles Nc 0.1 1 10 100 1000
0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5
Number of loading cycles Nc Stress ratioRL(εDA=5% )
Cc=0%
Cc=0.5%
Cc=1.0%
0.1 1 10 100 1000
0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5
Number of loading cycles Nc Stress ratioRL(εDA=5% )
Cc=0%
Cc=0.5%
Cc=1.0%
0.1 1 10 100 1000
0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5
Number of loading cycles Nc Stress ratioRL(εDA=5% )
Cc=0%
Cc=0.5%
Cc=1.0%
0.1 1 10 100 1000
0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5
Number of loading cycles Nc Stress ratioRL(εDA=5% )
Cc=0%
Cc=0.5%
Cc=1.0%
0.1 1 10 100 1000
0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5
Number of loading cycles Nc Stress ratioRL(εDA=5% )
Cc=0%
Cc=0.5%
Cc=1.0%
0 2 4 6 8 10
0.0 0.1 0.2 0.3 0.4
Stress ratio RL (εDA = 5%,Nc = 20)
Cone resistance qt (MPa)
Fc=0%,Cc=0%
Fc=0%,Cc=0.5%
Fc=0%,Cc=1.0%
Fc=5%,Cc=0%
Fc=5%,Cc=0.5%
Fc=5%,Cc=1.0%
Fc=10%,Cc=0%
Fc=10%,Cc=0.5%
Fc=10%,Cc=1.0%
Fc=15%,Cc=0%
Fc=20%,Cc=0%
Fc=20%,Cc=0.5%
Fc=20%,Cc=1.0%
Fc=25%,Cc=0%
Fc=25%,Cc=0.5%
Fc=25%,Cc=1.0%
Fc=30%,Cc=0%
Fc=30%,Cc=0.5%
Fc=30%,Cc=1.0%
Dr=30%
Dr=70%
Cc/Fc=0%
Cc/Fc=10%
Cc/Fc=20%
Cc/Fc=0%
Cc/Fc=5%
Cc/Fc=10%
Cc/Fc=0%
Cc/Fc=2.5%
Cc/Fc=5%
Cc/Fc=0%
Cc/Fc=2%
Cc/Fc=4%
Cc/Fc=0%
Cc/Fc=1.6%
Cc/Fc=3.3%
図-6には菱形の印を用いて
Cc/Fc=5%
一定条件でのFc
に 対する液状化強度RLとコーン貫入抵抗qtの増加率を示して いる.これを見ると,貫入抵抗q
tも液状化強度R
Lも共にFc
が0%から10%まで増加する間に徐々に増加し,Fc=10~20%
の間で急激に増加することが見てとれる.これは表-1,2 に示すように今回用いた細粒分を含む砂の最小間隙比
e
minの値はFc=20%付近で最小値を取っており,この付近で骨格 構造が砂粒子から細粒分のマトリクスへ変わる変化点とな っていると推定される.このような骨格構造の変化と
Fc=10~20%でのq
tの急増は何らかの関係があるものと考え られるが,今後の実証研究が必要である.4. 過圧密・小ひずみ履歴を与えた試験の結果
図-7(a)~(e)にセメント添加による加速試験と同様に相
対密度Dr≈50%,Fc =0,5,10,15,20%の供試体について,小型コーン貫入試験によって得られた貫入長に対す る貫入抵抗値
q
t(上段)と過剰間隙水圧⊿ u
(下段)の関係の代表例を示す.履歴なしの実線は,図-3と同一デー タである.上段の貫入抵抗qtのグラフでは,過圧密履歴を与えたものや小ひずみ履歴を与えたものは,履歴を与 えないものに比べて貫入抵抗が明瞭に増加していることが見て取れる.一方,下段の過剰間隙水圧⊿ uのグラフで
は,履歴を与えないものは概ね同様の比例的な増加傾向が表れているが,過圧密・小ひずみ履歴を与えたものは 正のダイレイタンシーによる影響で貫入直後における過剰間隙水圧の増加傾向は弱いものとなり,さらにFcの小 さな密な砂ほど正のダイレイタンシーが強く発生していることも見てとれる.図-8には過圧密・小ひずみ履歴を与えた場合の繰返し載荷液状化試験による結果をDr
=50%, Fc=0, 5, 10, 15,
20%のものについて示している.過圧密履歴や小ひずみ履歴を与えたものはそうでないものに比べて応力比は大
きく増加するが,Fc
が増加するほどその効果は減少する傾向が見てとれる.図-6には,qtとRLの増加率のFcに対する変化を,小ひずみを与えたものは三角印で,過圧密履歴を与えたもの は四角印により重ね書きしてある.これを見ると,いずれの履歴についてもFc=10~15%まではFcの増加にとも ない
R
Lとq
tの増加率が並行的に減少している.しかしそれ以上のFc
については,R
Lはほぼ横ばいなのに対し,q
tはFc=20%に向かって急激に上昇する傾向を示すものとなった.このqtの急増傾向はセメント添加による加速試験 に類似している点は興味深い.
図-9では過圧密・小ひずみ履歴による試験結果における貫入抵抗値
q
tと液状化強度R
L(ε
DA=5%
,Nc=20
回)の 直接的関係をプロットしている.Line-Aは図-5と同一のデータで何の応力・ひずみ履歴も加えず,セメントも加 えていない供試体の結果である.過圧密を受けた供試体について見ると,相対密度Dr≈50%で細粒分含有率Fc=0~
20%
の条件のプロット(×印の付いたマーク)は図中に示すLine-B
に沿ってほぼ一直線上に並ぶことが分かる.このLine-Bは履歴を一切受けていない供試体のLine -Aの上方にほぼ平行に位置している.つまり,過圧密履歴に よって同じ貫入抵抗qtに対する液状化強度RLはほぼ同じ値だけ増加することになる.一方,小ひずみ履歴を与え た場合について見ると,相対密度
Dr≈50%
で細粒分含有率Fc=0
~20%
の条件のプロット(+印の付いたマーク)は 図中に示すLine -Cに沿ってほぼ一直線上に並ぶことが分かる.Line -CはLine -Aの上方に位置しているが, Line -A
図-7 貫入抵抗値qtおよび過剰間隙水圧⊿uと貫入距離の関係(過圧密・小ひずみ履歴を与えた場合)
0 2 4 6 8
Excess P.P. Δu(MPa)Cone resistance qt(MPa) (a) Fc=0% (b) Fc=5% (c) Fc=10%
Penetration length (cm) Penetration length (cm) Penetration length (cm)
(d) Fc=15%
Penetration length (cm)
(e) Fc=20%
0 1 2 3
-0.01 0.00 0.01 0.02 0.03 0.04
0 1 2 3 0 1 2 3 0 1 2 3 0 1 2 3
Penetration length (cm) Futtsu sand Wet tamping σc’=98kPa
Dr≈50%
0 123
0246
qt
length
No preload history prestrain history O.C. history
図-6 細粒分含有率
Fc
に対する液状化強度R
L および貫入抵抗q
tの増加率0 5 10 15 20
1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5 6.0
The rate of increase
Fc RL- Cc /Fc = 5%
qt - Cc /Fc = 5%
RL- prestrain history qt - prestrain history RL- O.C. history
qt - O.C. history
とは平行ではなく
q
tが小さくなるとR
Lのひずみ履歴による 増加はほとんど無くなることが分かる.以上の結果は,過圧密履歴や揺れの小さな地震により微 小なひずみを多数経験する等の力学的な年代効果により,
同一のqt に対するRL が増加することを意味している.また,
その増加傾向は
2
種類の履歴の間で微妙に異なる結果とな った.さらに重要なことはFcが異なってもLine -BやLine -C に沿った直線状に並ぶため,これらの履歴による液状化強 度の増加はFc
に関わらず同じになることである.応力・ひ ずみ履歴によるqt ~RL 関係では,履歴による強度増加割合 は過圧密や小ひずみ履歴の大きさに依存するのみで,図-5 の固結作用によるq
t ~R
L 関係のような細粒分含有率Fc
の 影響はほとんど見られないことは大きな相違点である.4.まとめ
同一供試体で小型コーン貫入試験と液状化試験を行える 三軸試験装置を用いて,年代効果を再現するため砂に含ま れる細粒分にセメントを添加した加速試験を行った.さら に過圧密・小ひずみ履歴を加える試験も行い,両者の結果を 比較したところ以下の知見を得た.
(1)
年代効果を考慮しない通常の室内調整試料によると,細粒分の増加によりコーン貫入抵抗値qtも液状化強 度RLも低下するが,両者の間にはqt ~RL 面上でほぼ 一意的関係が成立することが確認された.また,こ の一意的関係は実地盤でのコーン貫入試験によって 得られた細粒分をほとんど含まないqt ~RL 関係と 定量的にもほぼ整合している.
(2)
セメントを添加した試料を用いた加速試験で導入さ れた固結作用により,液状化強度もコーン貫入抵抗 も増加し,セメント含有率Cc
が同じでも細粒分含有 率Fcが大きいほどその増加割合は大きくなる.これ により,固結作用を受けた土はセメントを含まない 室内調整試料とは異なり,細粒分含有率Fc
が大きくなるほど同じ貫入抵抗値に対する液状化強度が増加する傾向が表れる.
(3)
これに対し過圧密・小ひずみ履歴を加えた場合,履歴効果によりコーン貫入抵抗qtと液状化強度RLの両者は 共に増加するが,その増加率は細粒分含有率Fc
が0%
から10
~15
%の範囲ではFc
が増加するほど低下し,Fc
がそれ以上増えるとqt,RL共に増加傾向に転じ,特にqtは急増する.そして,qt~RL関係はFcにほとんど依 存せず,過圧密履歴と小ひずみ履歴それぞれについてほぼ直線状に並ぶ.その直線的qt ~RL 関係は履歴を 加えていないものに比べて上方に位置し,同じ貫入抵抗に対し大きな液状化強度を与える.(4)
したがって,セメント添加による加速試験ではFcがqt~RL関係の重要な決定要因であるのに対し,過圧密・小ひずみ履歴を加えた試験においては
Fc
はこの関係に無関係であることが分かった.つまり,現行の液状化判定実務において細粒分含有率
Fc
により液状化強度を補正する根拠はFc
そのものによ るのではなく,細粒分の中で長期的に発揮される年代効果(固結作用)がFc
の増大とともにより顕著になるた めであることが明らかとなった.一方,過圧密や小ひずみ履歴による液状化強度押し上げ効果は別途評価する必 要があると言える.参考文献 1)國生剛治,村端敬太,伏木田達朗,伊藤菜穂子:三軸試験機を用いた小型コーン貫入試験法の開発と液 状化強度との相関,土木学会第58回年次学術講演集Ⅲ-96,pp191-192,2003.2)Kokusho, T. Hara, T. and Murahata, K.:
Liquefaction strength of fines-containing sands compared with cone-penetration resistance in triaxial specimens, Proc. 2nd Japan- US Workshop on Geomechanics, ASCE Geo-Institute Pablication No.156, pp356-373, 2005. 3)國生剛治,伊藤文樹,長尾 洋太:三軸試験機を用いた液状化強度と小型コーン貫入抵抗との関係(その2)~年代効果を考慮した非塑性細粒分の 影響~,第 44 回地盤工学会研究発表会 4)Kokusho, T. Ito, F. Nagao, Y. Liquefanction Strength compared with Cone Resistance in Triaxial Spacimen considering Aging Affect of Sand containing Non-Plastic Fines, The 3rd International Geotechnical Symposium (ISG2009) on Geotechnical Engineering for Disaster Prevention and Reduction, 2009, Harbin, China
図-8 繰返し応力比と繰返し載荷回数の関係
(過圧密・小ひずみ履歴を与えた場合)
図-9 コーン貫入抵抗値と液状化強度の関係
(過圧密履歴・小ひずみ履歴を与えた場合)
1 10 100
0.0 0.1 0.2 0.3 0.4
Number of loading cycles Nc Stress ratioRL(εDA=5% )
No preload history O.C. history Prestrain history
1 10 100
0.0 0.1 0.2 0.3 0.4
Number of loading cycles Nc Stress ratioRL(εDA=5% )
No preload history O.C. history Prestrain history
1 10 100
0.0 0.1 0.2 0.3 0.4
Number of loading cycles Nc Stress ratio RL(εDA=5% )
No preload history O.C. history Prestrain history
1 10 100
0.0 0.1 0.2 0.3 0.4
Number of loading cycles Nc
Number of loading cycles Stress ratioRL(εDA=5% )
No preload history O.C. history Prestrain history
1 10 100
0.0 0.1 0.2 0.3 0.4
Number of loading cycles Nc Stress ratio RL(εDA=5% )
No preload history O.C. history Prestrain history
Fc=0%
Fc=10% Fc=15%
Fc=20%
Fc=5%
0 2 4 6 8 10
0.0 0.1 0.2 0.3 0.4
Stress ratio RL (εDA = 5%,Nc = 20)
Cone resistance qt (MPa)
Fc=0%,
Fc=0%,
Fc=0%,
Fc=5%,
Fc=5%,
Fc=5%,
Fc=10%,
Fc=10%,
Fc=10%,
Fc=15%,
Fc=15%,
Fc=15%,
Fc=20%,
Fc=20%,
Fc=20%,
Fc=25%,
Fc=25%,
Fc=25%,
Fc=30%,
Fc=30%,
Fc=30%,
Dr=30%
Dr=70%
No-preload history prestrain history O.C. history No-preload history prestrain history O.C. history No-preload history prestrain history O.C. history No-preload history prestrain history O.C. history No-preload history prestrain history O.C. history No-preload history prestrain history O.C. history No-preload history prestrain history O.C. history