むつ市付近 の海岸地形 について
‑特 に 田名部付 近 の砂 州につ い て一
千 棄 力 久
Ⅰ は じめに
青森県下北半島 の賓部 には金谷沢付近 か ら北西 にのびる逆三角形状 の砂州地形 がある。筆者 は主 にこの地域 の地 頑 ・掛 目の特徴等 を明 らかにす ることを目的 とし調査 を行 った。 ここにそ の' 練 を報告 し, 諸先輩 の御教示 を仰 ぐ次勇 であ る。
調査 の方法 と しては現地調査 と砂州地域内 か ら
100個採取 した砂 のサ ンプ / レ各
100才を 粒度分析 した慮果 と空 中写真
2万
5千分 の
1の地形 図 を利用 した。形態類似 の地形 として秋
田砂州 と比致 した。
粗 当地 につい ての研究は大竹一彦氏
(1958)の額告があるにすぎない。
Ⅱ
詞査適戒 の虜題
詞査地域 は北 は海老川 か ら南 は金谷 沢 まで約
9払 東 西
0.3‑2.5K E n の幅をも ってい る。砂 州地戒 においてはだいたい3 列 の浜毒 があ り,いずれ も南‑向 って高度 を増 してい る。海岸寄
りの浜堤は砂丘砂 を厚 くかぶ っていて比高 が一番高い。
この砂州地域に おいて,浜堤上 は黒衣,杉 などの針葉樹林 におおわれ,毒間湿地は主 に畑 ・ 草地i =利用 されていて,一部 で水 田に利用 されているにすぎず,土地着順 はあま り進 んで い な い。砂州の背後 は泥炭 か らなる低地 で水田に利用 されてい る。 なお赤川 の海 水浴場付近 で干潮 の ときに海岸線 に平行 した沿岸州 (海底州 )がみ られる。
皿 砂の粒度組成
田名部砂州地 内か ら砂のサ ンプ
ル100個採取 し,粒度分析 を行 い次の
4つの型に分類 した
〔 第
1回〕 缶名や 蹄 珊 し柑 )叫 すめ 廿l( 五 郎 一 三
A・l T 石 を 稚 帝 J t ・々?
淵q I5 i h や
A型 ・
・ ・ 1i t (と
26,と
3割 こ分散 してい るもの (7 個L
B型
‑・1i? と t
22g又 は
21 5と
3g に集 中 し, ピ ークの
29′に 5 0 7 0 以 上 集中 してい る
もの (
55滴 )∩C型 ‑2
3;と
31,j,に集
申しピークの
3J a ' に
507
0以上集 中 してい るもの (
31個 )。
D
型 ・
・・1jZ lと
2g又 は22 と
38に集 中しているが ビ‑クがは っきl りせず
507
0以下のもの (6 個 )。
4
つの型の うち
A型
・D型は全体 に淘・ 汰も悪 いことから水の影響 をうけてい ると思 われ る。
これ らの型 の中央粒径値 (
Mdi
a'‑ e5C ),分級度 (
Qde・‑・675‑ ‑ G・ 25
/2)を示 したのが第
1表である。
A型
・D型は
MdL l
・Qdeが割 と一定 しているのに対 し,
B型
・C型 第
1表 粒度組成 からみた
M dJ e , お よび
Qdgは粒度 の大小 によ
r)QdL 7が異 なる傾向が
田
名 部
iMdJ2T QdgA 型 l
1.57 0.43B 型 (粒 度 大 )
1.57 0.32〟 (粒 度 ′ ト)
1.95 0̲54 C型 (粒 度 大 )
2.03 0.51〟 (粒 度 ′ ト)
2.33 0.36D型
2.00 0.51秩
田 A 型
1.52 0,35B 型 (
19 と
29 )
1.42 0.33〟 (
28 と
30 )
1.84 0.51 C型 (南 部 )
2.43 0.30〟 (北 部 ) 2.23 0.48
D型
(1gと2g).0.91 0.56
" (2
6 と
3珍 )i1.97 0.52第
2固く
1)Bも帝か廿IL‑J;.rTう有里小針ヰあるので 2 つ のペてみた.
上述の分析結果 と実地詞査 から A 型 は浜 堤砂,
B型
。C型は砂丘砂,D 型 はさらに 検討 を要する。新 旧両砂丘 の区別はできな
か った。
次にこの 4 つ の型がこの砂州地域内に ど のように分布 してい るかをみ ると 〔 第 2 図 (A )) ,B型はだいたい北に多 く分布 する のに対 し, C型は南に多 く分布する。 D 型 は割 と海岸寄 り ,川 沿いに分布 し, A 型は 新 田名部川付近 に集中 してい るように思わ れ るが,他 の場所 を十分ボ‑リンク できなか っ
たため現われなか劫 こすぎない。
4 1
なお類似地形 であ る歌 田砂州 について 田名部 と同様に調べて みた。秋 田砂州内からサ ンプ ル の砂
57個 を採取 し,粒度組成 を調べて,
A ・B・C ・D ・Eの5 つ型 に分類 した 〔 第
1図〕 。
A ・B・C・D型は田名部 と同 漢に現定 し, E 型は 1 g と 2 1 5 に集中 し, ピークの
1彰に
507
0以上集中 している ものとしだ。
5
7 個 の うちわけはA型が
6滴,
B型 が
1、8個,
C型 が
26個,
D
型 が
3滴,
E型 が
4滴 である。
A
型 は田名部 と異 な りピークの
2′ 哲 に集中する度合が強 く砂丘砂 と思われ る。
E型は ピ ーク の
1C・に
557 0前後 よ り集 中してお らず,下層 に多 くみ られ,水成砂 と考 え られ る。次に秋 田 の
5つの・ ‑ A の
M dO,
QdQ'をみる と第
1表 の よ うにな ってい る。
B型
。D型は
1B と
2Gf 238と
3之 さに集 中 してい る もの によ って異 な り, C型 は南北 によ って臭 ってい る。 これ に対‑ し
A型 と
E型は
M d38 ・Qdr o /と も割 と一定 してい る。
上述の分析結果 と実地論査 よ り
A型
・B型
〇C型 は砂丘砂,
E型は浜凄砂,
D型 は さらに検 討 を妻 する とした。
次 に この
5つ の型 の分布 をみると 〔
第2図 (
B)〕A塾 ま海岸よ り少 し離 れた東縁拓 の細谷
第
2Ti T L B) 林 田 助 川 l =よ.
け さ阜
里 中分 布西方 や上出戸 東方 に位置 してい る 。 B型は 上 出 戸 東方 ・細谷西 方 ・ 薪掛 目 付 近 に 多 く分布 して い る 。これ に 対 し C 型は北部 の 歳 ノ 町 ・船 越 か ら出戸浜付近 に か け て多 く 分 布 してい る。これ は 南 と北か ら との沿岸流によ り 供 給 された 土 砂 の粒度による も の と 考える 。 E型は雄物川河 口 近 く と新城 川 右岸にみ られ,雄 物 川 の影響 を 相 当にうけている
も の と一 恵わ れ る。
こ こで秋 田 と田名部の類似点
・ 相 違点 を み てみると,どち ら も そ の地形 は 南
から 北にかけて 逆 三 角・ i t ; 状 に な っ ており,薄儀 は浜 垂 ‑
産商魂由 一 演 壇 と い う よ うな 形題でそ の 上
に砂 丘 砂 をのせ,海岸に平 行 し た 演列砂丘 を形成 してい る。 そ して海岸寄 りの浜垂 が最 も大 きく, その背後 に小 さね浜墓 が数列並 んでい る。 しか しスケ ール においては永 田 の方 が大 きく海岸寄 りの浜毒 にして もそ の背後の浜堤 に し て も秋 田の方 が大 きい。そ して一般 に秋 田 の方 が砂 の粒 度が六 きく
3m に表 中す る砂丘砂 は田 名I E l J S よ り兵些由 である。 また秋 田では雄物川 とい う大河川 の者箸 を強 くうけてい るのに対 し田 名部 ではほ とん ど うけてい ない。
次に
LLddD とQdk‑の平 こ i 一拍変化 と垂直的 変化 をE ] a名 部 と款 責 を比歳 してみると,南北変化
では
Md珍は全 く逆 で,秋 田は南部ほど小 さく, 田名部 は南矧 まど大 きい。
Qdi,はどち らも 南部ほど大 きい。東酉変化 について大 きくみ ると,
E・rldk 7 i <が海岸か ら内陸‑ と小 さく7 まってい るのが所 田名部川付近 と秋田の大部分の もの。逆に海岸か ら内陸‑ と大 きくな っているのが田 名蔀 の大部分 と永 田の薪戚川右岸 のものといえる。
Qd由については
4つのタイプがある。海 岸か ら内陸にか けて・ Qd( 乙が大か ら小 となる もの
。これ は田名部 の道路 の交叉する付近 の もの と秋 田の上出戸 ・大清水間, Qd F 'が小か ら大 となるもの。 これ は秋田 の下辺戸 ・細谷 ・新関 詞。
QdjZ tが大か ら小 とな り又大 になるもの。 これ は新田名執 り付近 である。
Qdo が一定 し てい るもの。 これは田名部 の大曲付近 と秋 田の歳 ノ町付近,新戎川右岸 とな っている。垂直的 変化 をみる と訣 田 ・田名部 とも下層ほど
Mda は小 さく
Qd,21は下層 の方 がい くらか大 きいあゝ 又はほ とんど同 じである。
Ⅳ
砂州蕗 城の地形
まず海岸か らみてい くと,赤川 の海水浴場 で干潮 のとき,小規模 な沿岸州 (海底
州)がみ ら 礼,海岸 よ り約
20‑30mの辺まで,海岸線 に平行 して
4‑5列 み られる。比高は約
0.5mである。海岸寄 りの浜巷は薪 田名部川付近 で比高
1‑2mであるが南に向 って次第に高度 を増 し,大曲付近 では
4‑5町,金谷沢付近では
10m前後 とな ってい る。 しか しまた次第に高度 を減 じ近川付近 に至 ってい るD次に
2夕帽 の浜堤は,大曲付近 で国鉄大湊
,I.泉よ り
70m冶岸寄 りにあり,赤川付近 では比高
1‑
1.5mで南に向 って次第に高度 を増 し,大曲付近では比高約 2
‑3m とな っている。次 に
3列 目の浜堤 は大曲付近 ではむつ はまなすラインより約
70m西 側 にあ り,大 曲付近で比高
0.5‑
1.0mぐらいであるが,北蔀では大曲付近 ほ どは っきりしな
い。粒度分析 の結果か らみ て海岸寄 りばか りで なく, この砂州全域 が程度 の差 こそあれ砂丘砂 におおわれているO
大曲付近 の海岸 の露頭断面図 をみ ると 〔 第 3 園 〕,浮石屑 は レンズ状 にな っていて毒か ら運
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ばれ てきた もの と考え ら れる。下層 の砂丘砂 は大 矢雅彦氏か ら
(1958)によると第 止期砂丘砂 と な ってい るが,粒度分析 の結果 か らみると上層下 眉 ともよく似 てお り
薦 皿期砂丘砂かど うか 轟 周 である.新田名l p i S J r 佑 岸 の露頭断面図 をみ ると 〔 第
3函 〕,
Bの灰色砂
には円裸が含 まれてお り,最大 のもの<・ 直径 2( 刀である。 Cの灰色 砂 には茶色 の′Iン ドが入 っ
ている。粒度分析 してみ ると
Aは砂丘砂,
B・C・Dが浜堤軌
E・Fが砂丘砂 とな ってお り
E・F はは古期砂丘砂 ではないかと思われる。 しかし粒度組成か らだけみると多少疑問が残 る。
Ⅴ
結 び
以上述べてきた ことから次のような結論 をえた。
1 砂丘形成時期 は海退期 であるとの仮定にた ち地形発達史 を考えてみると, まず砂丘砂 が 堆積 し,旧期砂丘砂 が形成 され,つづ く海進 (縄文 ?)によ り浜堤砂 ・砂州砂が堆漬 し,浜堤
・砂州が形成 され,その後海進により砂州 ・浜巷が海面上に露出 し,ここが砂丘砂の供給地 と な り現在 の砂丘砂 を堆積 し,砂州全域 をおおい,海岸寄 りを特 に厚 くおお った ものと考 えられ る。
2
粒度分析の結果 砂丘軌 砂州 砂 は田名部 は
A ・B ・C・Dの
4つの型に,秋田は
A・
B・C ・D ・Eの
5つ の型 に分類できた。
3 A型はピ ークの2
8に集中する度合 は秋田の方が強 く,同 じ A型 でも秋田は砂丘砂, 田 名部 は浜堤砂 とした。
4
田名 部 と秋田は地形 。形態が類似 しているが秋田の方がスケ ールが大 きく,砂 の粒度 も 大 きい。内洋 と外洋 の違 いがここに出ていると思われる。
5
秋田には雄物川とい う大河川 の影響 はみられ るが田名部ではみ られない。
6 Md