〈研 究 ノ ー ト〉
米 国 にお ける関係会 社間 の 株式譲渡 に係 る税務
鈴 木 孝 一
は じ め に
株 主 が,所 有 す る株 式 を第 三 者 に譲 渡 す る場 合,そ の 株式 が 資 本 資 産 で あれ ば,利 得 は キ ャ ピ タル ゲ イ ンに な る。 しか し,株 主(譲 渡 者)が,譲 渡 され る会 社(発 行 会 社)と 取 得 す る会 社(取 得 会 社)の 双 方 を支 配 して い る場 合 に は,そ の 株 式 の譲 渡 に よ る利 得 は,単 純 に は キ ャ ピ タル ゲ イ ン に な らな い。な ぜ な ら,内 国 歳 入 法 第304条(以 下 §304と 略記 す る。)で, 関 係 会 社 等 の 株 式 譲 渡 を 取 得 会 社 に よ る株 式 の償 還 とみ な す規 定 が存 在 す るか らで あ る。
この 規 定 は,主 と して,株 主 が キ ャ ピ タル ゲ イ ン課 税 に よ る税 率 で,取 得 会社 の 累 積 利 益(earningsandprofits,以 下E&Pと い う)を 引 き出 す こ とを 阻止 しよ う とす る もの で あ る。 したが って,こ の規 定 の適 用 は,個 人株 主 が株 式 を譲 渡 して,普 通 所 得 と して 課 税 され る配 当金 よ り も税 率 の 低 い キ ャ ピ タル ゲ イ ン課 税 を 受 け よ う とす る場 合 に よ く適 合 す る。 しか し,法 人株 主 の場 合 は,す す ん で この 規 定 の 適 用 を受 け よ う とす る別 の動 機 が存 在 す る。 法 人 株 主 は受 取 配 当 金 につ いて 配 当 金 の控 除 を受 け る こ と
が で きる た あ,一 般 に はキ ャ ピタル ゲ イ ン課 税 よ り も配 当 金 課 税 を受 け た 方 が有 利 で あ る。 そ の た め,法 人 株主 は,実 質 的 に は株 式 の 譲 渡 ま た は交
換 と な る取 引 に,意 図 的 に §304を 適 用 して有 利 な配 当 金 課 税 を受 け よ う とす る(U。
§304の 適 用 に よ り,株 式 の譲 渡 が株 式 の償 還 とみ な され る場 合,そ の 償 還 が §302(a)の 株 式 の 交 換 とな るか,あ る い は §301の 分 配 とな るか に よ って税 務 上 の取 扱 い は異 な る。 前 者 の 場 合 に は,株 主 は償 還 に よ り受 け 取 った金 額 と償 還 さ れ た株 式 の税 務 基 礎 額 との 差 額 を利 得 と して認 識 す る の で,株 式 を 譲 渡 した 時 の課 税 と変 わ りが な い。 しか し,後 者 の場 合 に は, 分 配 を受 け た金 額 が まず は配 当 とみ な され る の で,取 引 の 形式 と は著 し く
異 な った課 税 を受 け る こ とに な る。
本 稿 は,1997年 改 正税 法(TaxpayerReliefActof1997,以 下1997年 改 正 法 とい う。)で大 幅 に 改正 され た後 者 の取 り扱 いを,具 体 的 な 計算 例 に よ って 明 らか に す る もの で あ る。§304の 取 引 の タ イ プ に は,兄 弟 会 社 間 の 株式 譲 渡 と,親 会 社 株 式 の子 会 社 へ の譲 渡 が あ るの で,本 稿 で も取 引 を こ の2つ に 区分 して論 述 す る。 な お,設 例 で使 用 す る当 事 者 を,以 下 の ア ル フ ァベ ッ トで示 す こ とに す る。
A:譲 渡会 社 B:発 行 会 社 C:取 得 会 社
1.株 式 の 償 還 とみ な され る株 式 譲 渡
1以 上 の者 が,2っ の会 社 の そ れ ぞ れ を支 配 して お り,そ の うちの1っ の 会社 が他 の会 社 の株 式 を,そ れ を支 配 す る者 か ら取 得 す る場 合 に は,そ の 株式 との 交換 に 支払 わ れ た資 産(property)は 取 得 会 社 の 株 式 の 償 還 に よ る分 配 とみ な され る(§304(a)(1))。 この資 産 に は,金 銭,有 価 証 券,そ の 他 の 資 産 が 含 まれ るが,取 得 会 社 の株 式 及 び そ の 株 式 を 取 得 す る権 利 は 除 か れ る(§317(a))。
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米国 における関係会社間 の株式譲渡 に係 る税務
この分 配 が §301の 分 配(配 当一 筆 者 注)と み な さ れ る場 合 に は,譲 渡 者 と取 得 会社 は次 の よ うに取 り扱 わ れ る(§304(a)(1))。
(i)取 得 会社 が取 得 した 株式 は,譲 渡者 に よ って,§351の 適 用 が あ る 取 引(非 課 税 の 現 物 出 資一 筆 者 注)で,取 得 会 社 の株 式 と の交 換 に,取 得 会 社 に譲 渡 され た もの とみ な す。
(ii)次 いで,取 得 会 社 は その 取 引 で 発 行 した と み な さ れ る株 式 を 償還 した もの とみ なす。
これ を,兄 弟 会 社 間 に お け る横 方 向 へ の 株 式 譲 渡(lateralstocksales) と い う(2)。
また,一 方 の会 社 が他 方 の会 社 の株 主 か ら,他 方 の 会 社 の 株 式 を 取 得 し, か っ,発 行 会社(譲 渡 され る株式 を 発 行 した 会 社,す なわ ち取 得 さ れ る他 方 の会 社 一 筆 者 注)が 取 得 法人 を支 配 して い る場 合 に は,当 該 資 産 は発 行 会 社 の株 式 の償 還 で分 配 され た もの とみ な す(§304(a)(2))。
これ を,親 会 社 株 式 の子 会 社 へ の下 位 方 向 へ の株 式 譲 渡(downstream stocksales)と い う(3)。
以 下,両 者 の株 式 譲 渡 に共 通 す る支 配 要 件 と分 配 要 件 及 び税 務 基 礎 価 額 の減 額 につ い て説 明す るQ
① 支 配 要 件
§304の 適 用 上,支 配 とは,1)す べ て の種 類 の議 決 権 株式 の 総 議 決 権 の 50%以 上 か,ま た は2)す べ て の種 類 の 株式 の 価 値 総 額 の50%以 上 を所 有 す る株 式 の所 有 権 を い う(§304(c)(1))。1以 上 の 者 が この 定 義 に従 い, あ る会 社 を支 配 し,次 いで そ の会 社 が 他 の会 社 を 同様 に 支配 して い る場 合 に は,当 該 他 の 会 社 も1以 上 の 者 に よ っ て 支 配 さ れ て い る と み な さ れ る (ァ304(c)(1))0
ま た,あ る者 に よ って(ま た は あ る 者 の た め に)会 社 の 株 式 の 価 値 の 50%以 上 が,直 接 ・間接 に所 有 され て い る場 合 に は,当 該 会 社 は あ る者 に よ って(ま た はあ る者 の た め に)直 接 ・間 接 に所 有 され て い る株 式 を所 有
して い る もの とみ な す(§318(a)(3)(C))。 た だ し,こ の §318の み な し所 有 ル ー ル の 適 用 に 際 して は,50%に 代 え て5%の 所 有 割 合 が適 用 され る (§304(c)(3)(B)(ii))。 み な し所 有 ル ール の 適 用 に よ り,譲 渡 会 社 は取 得 会 社 の株 式 を実 際 に所 有 す る必 要 は な い(4)。
なお,連 結 納 税 グル ー プ の メ ンバ ー 間 に お け る株式 の 譲 渡 に は §304の 適 用 は な い(§1.1502‑80(b))(5)。
② 分 配 要 件
償 還 が次 に掲 げ る §302(b)の 要 件 の い ず れ か1つ を満 た せ ば,そ の 償 還 は株 式 の交 換 とな り,キ ャ ピ タル ゲ イ ンの課 税 を受 け る(§302(a))。
(1)償 還 が本 質 的 に配 当 と同 じで な い。
(2)分 配 が株 主 に つ い て 実質 的 に不 均 等 で あ る。
これ は,償 還 直 後 に,株 主 が す べ て の 種 類 の 議 決 権 株 式 の 総 議 決 権 の 50%未 満 を 所 有 して お り,償 還 直後 に 所 有 す る議 決 権 株 式 の 所 有 割 合 が, 償 還 直前 に お け るそ の所 有 割 合 の80%未 満 で あ る こ とを い う。
(3)償 還 が株 主 に よ って 所 有 され て い る全 部 の 株 式 の 完 全 清 算 で 行 わ れ る。
(4)分 配 が法 人以 外 の 株 主 に よ って 所 有 さ れ て い る株 式 の部 分 清 算 に お け る償還 で行 わ れ る。
な お,こ の判 定 は取 得 会 社 が 所 有 す る発 行 会 社 の 持 分 に つ い て で は な く,譲 渡 会社 が 所 有 す る発 行 会 社 の 持 分 につ いて 行 う(§304(b)(1))。
償 還 が上 記 §302(b)の いず れ に も該 当 しな い と き は,資 産 の分 配 と み な され(§302(d)),譲 渡 会 社 が 受 け取 った 譲 渡 収 入 は,§301に よ り次 の よ うに取 り扱 わ れ る。
(1)E&Pま で の 金額 は配 当 金 で あ る(§301(c)(1))。
(2)E&Pを 超 え る分 配額 の う ち,償 還 す る会 社 の 株 式 の税 務 基 礎 価 額 まで を 減 額 す る(§301(c)(2))。
(3)上 記(2)を 超 え る分 配 額 は株 式 の交 換 に よ る利 得 で あ る(§301
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米国 におけ る関係会社間の株式譲渡 に係 る税務
図 表1§304取 引 にお け る分 配 額 の 所 得 区 分
(注1)太 線 が本 稿 で分 析 の対 象 とす る取 引 で あ る。
(注2)キ ャ ピ タル ロ ス の取 扱 い は 本 稿 の 分 析 の 範 囲 外 で あ る⑥。
(c)(3))0
§304の 適 用 に よ り株 式 の 譲 渡 が 償 還 に よ る 分 配 と み な さ れ る 場 合 に は, そ の 分 配 は ほ と ん ど が こ の §301の 分 配 に 該 当 す る(7)。こ の 場 合,(1)の 配 当 は,ま ず 取 得 会 社 のE&Pま で,そ れ を 超 え る 場 合 は 発 行 会 社 のE&P を 限 度 に な さ れ た も の と して 扱 わ れ る(§304(b)(2))。
§304と こ れ に 関 連 す る 内 国 歳 入 法 の 適 用 関 係 を 図 解 す る と 前 頁 の よ う に な る。
③ 税 務 基 礎 価 額 の 減 額
譲 渡 会 社 は,受 け取 っ た 配 当 金 に つ い て §243の 適 用 に よ り受 取 配 当 金 の 控 除(dividendsrecieveddeduction,以 下DRDと 略 記 す る 。)を 受 け
る こ と が で き る た め,受 け 取 っ た 譲 渡 収 入 の 大 部 分 は非 課 税 と な る(8)。
ま た,譲 渡 会 社 が 取 得 し た と み な さ れ る取 得 会 社 の 株 式 の 税 務 基 礎 価 額 は,譲 渡 し た 発 行 会 社 の 税 務 基 礎 価 額 と同 額 に な る(§358(a)(1))(9)。 しか し,償 還 で 配 当 金 と み な さ れ た 額 は,株 式 の 所 有 期 間 に か か わ らず §1059 (a)が 適 用 さ れ る 特 別 配 当 金(extraordinarydividends))(1°)に な る(§
1059(e)(1)(A))。 し た が って,譲 渡 会 社 はDRDの 金 額 を,取 得 し た と み な さ れ る取 得 会 社 の 株 式 の 税 務 基 礎 価 額 か ら減 額 し な け れ ば な ら な い(§
1059(a)(1))。 こ の 場 合,減 額 す べ き 株 式 の 税 務 基 礎 価 額 は,償 還 さ れ た 株 式 の 税 務 基 礎 価 額 を 限 度 と す る(§ §1059(a)(1),1059(e)(1)(A)
(iii))。DRDの 金 額 が そ の 株 式 の 税 務 基 礎 価 額 を 超 過 す る場 合 に は,譲 渡 会 社 は そ の 超 過 額 を 特 別 配 当 金 を 受 け 取 っ た 課 税 年 度 の キ ャ ピ タ ル ゲ イ ン
と し て 認 識 す る(§1059(a)(2))qD。
§1059が 適 用 さ れ る 場 合 のDRDの 取 扱 い は 次 頁 の よ う に 図 解 で き る 。
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米国 における関係会社間 の株式譲渡 に係 る税務
図 表2§1059の 適 用 に よ る所 得 金 額 の計 算
II.兄 弟 会 社 間 の株 式 譲 渡
兄 弟 会 社 間 の株 式 譲 渡 に は,取 得 会 社 の株 式 を所 有 して い な い譲 渡 会社 か らの 譲 渡 と,取 得 会 社 の株 式 を 所 有 して い る譲 渡 会 社 か らの譲 渡 が あ る。 前 者 はみ な し所 有 規 定 の適 用 に よ り発 行 会 社 と取 得 会 社 を と もに支 配 して い る とみ な され る株 主(譲 渡 会 社)か らの発 行 会 社 株 式 の譲 渡 で あ り (後 述 の図 表3参 照),後 者 は実 際 に発 行 会 社 と取 得 会 社 の株 式 を支 配 して
い る株 主 か らの発 行 会 社 株 式 の譲 渡 で あ る(後 述 の 図 表4参 照)。
い ず れ の場 合 も,償 還 した とみ な され る者 は,株 式 の 実 際 の発 行 会 社 で は な く取 得 会 社 で あ る。
以 下,取 引 の タイ プ を この2っ に区 分 して 当事 者 の税 務 上 の取 扱 い を そ れ ぞれ 検 討 す る。
1.取 得 会 社 の 株 式 を実 際 に は所 有 して い な い譲 渡 会 社 か らの取 得 設 例 の前 提 条 件
① 取 引 は §302(b)の 要 件 を満 た さな い。 した が って償 還 は株 式 の交 換 取 引 で は な く,分 配 取 引 とな る。
②DRDは80%と 仮 定 す る(12)。
.. 8
米 国におけ る関係会社 間の株式譲渡 に係 る税務
①Cに は 十 分 なE&Pが あ る の で,
れ る。 し た が っ て,Aは$45[$225‑(80%×$225)]の 課 税 所 得 を 認 識 す る 。
② §351の み な し取 引 に よ り,Aは 税 務 基 礎 価 額 が$200(20株 のB株 式 のAに お け る 税 務 基 礎 価 額)のC株 式 を 所 有 す る と み な さ れ る。 こ の 税 務 基 礎 価 額 はDRDだ け 減 額 さ れ て$20[$200‑(80%×$225)]に な る 。 し か し,実 際 に は,AはC株 式 を 所 有 し て い な い の で,減 額 後 の こ の C株 式 の 税 務 基 礎 価 額 は,Aが 所 有 す る 残 り50株 のB株 式 の 税 務 基 礎 価 額 に 含 め る 。 し た が っ て,Aが 所 有 す る50株 のB株 式 の 税 務 基 礎 価 額 は
$520($20+$500)に な る 。
③Cが 受 け 取 っ たB株 式 の 税 務 基 礎 価 額 は,$200で あ る 。 (1)図 表 の説 明(13)
①XはAの 発 行 済 み 株 式 総 数100株 の う ち70株 とCの 発 行 済 み 株 式 総 数100株 の うち70株 を所 有 して い る。
②AはBの 発 行 済 み株 式 総 数100株 の う ち70株 を 所 有 して い る。
③Aの 所 有 す るB株 式 の1株 当 た り の 税 務 基 礎 価 額 は$10で あ る。
④Cに は,分 配 額 以 上 の十 分 なE&Pが あ る。
⑤AはB株 式20株 をCに$225で 売 却 す る。
(2)税 務 上 の取 扱 い(14)
①Aの 課 税 所 得$45
②Aに お け るB株 式(譲 渡 後 の50株) の 税 務 基 礎 価額520
③Cに お け るB株 式(譲 渡 され た20株) の税 務 基 礎 価 額200
Aは$225の 配 当 を受 けた とみ な さ
【設 例2】 E&Pが 分 配 額 未 満 の場 合
DRDが 償還 す る株式 の 税 務 基 礎 価 額
〈前 提>
B株 式 の譲 渡 価 額 BとC合 算 のE&P
〈税 務 上 の取 扱 い〉
① 普 通 所 得
② 投 資 の回 収
③ キ ャ ピ タル ゲ イ ン
④ 課 税 所 得 の合 計(①+③)
〈ケ ー ス1の 説 明〉㈲
以 下 の場 合 超 の 場 合
〈ケ ー ス1>〈 ケ ー ス2>
【設 例1】 の 前 提 を 一 部 下 記 の よ うに 修 正 す る。
$i,000 225
$45 20 755 :1!
$1,000 400
$80 0 720 :11
こ の 取 引 は §351取 引 と み な さ れ る の で,Aは 実 際 に はC株 式 を 所 有 し て い な い に もか か わ らず,C株 式 を 所 有 す る と み な さ れ る 。 こ のC株 式 の 税 務 基 礎 価 額 は,AがBに 譲 渡 し たB株 式 の 税 務 基 礎 価 額$200か ら DRD$180を 控 除 し た$20に な る 。 した が っ て,分 配 額 と み な さ れ る売 却 額$1,000の う ち こ の$20は 投 資 の 回 収 で あ る 。E&Pに 達 す る ま で の 分 配 額$225は 配 当 に な る の で,残 余 の$775か ら投 資 の 回 収 額$20を 控 除 し た 額$755が キ ャ ピ タ ル ゲ イ ン に な る 。
〈ケ ー ス2の 説 明 〉㈹
Aは 分 配 額$1,000の う ち,配 当$400に っ い てDRD$320を 控 除 し た$80を 普 通 所 得 と して 認 識 す る 。§1059(a)(2)に よ れ ば,DRDがAの 所 有 し て い た20株 のB株 式 の 税 務 基 礎 価 額 を 超 え る 額$120($320‑
200)はAの キ ャ ピ タ ル ゲ イ ン で あ る。 分 配 額 の う ち 配 当 以 外 の 残 り
$600($1,000‑$400)も キ ャ ピ タ ル ゲ イ ン で あ る。 した が っ て,キ ャ ピ タ ル ゲ イ ン の 合 計 額 は$720に な る。
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米国 における関係 会社 間の株式 譲渡に係 る税務
2.取 碍 会 社 の株 式 を 実 際 に所 有 して い る譲 渡 会 社 か ら の譲 渡
【設 例3】E&Pが 分 配 額 以 上 の場 合
図表4
(1)図 表 の説 明㈹
①AはBの 発 行 済 み株 式 総 数100株 の う ち70株 とCの 発 行 済 み 株 式 総 数100株 の うち70株 を所 有 して い る。
Aの 所 有 す るB株 式 の1株 当 た り の 税 務 基 礎 価 額 は$10で あ る。
②AはCの 発 行 済 み 株 式 総 数100株 の うち70株 を 所 有 して い る。
Aの 所 有 す るC株 式 の1株 当 た りの税 務 基 礎 価 額 は$10で あ る。
③Cに は分 配 額 以 上 の十 分 なE&Pが あ る。
④AはB株 式20株 をCに$225で 売 却 す る。
(2)税 務 上 の 取 扱 い(18)
①Aの 課 税 所 得$45
②Aに お け るC株 式(70株) の税 務 基 礎 価 額720
③Aに お け るB株 式(譲 渡 後50株) の税 務 基 礎 価 額500
④Cに お け るB株 式(譲 渡 され た20株) の 税 務 基 礎 価額200
①Cに は十 分 なE&Pが あ るの で,Aは$225の 配 当 を 受 けた もの とみ な され る。 した が って,DRD後 で$45の 課 税 所 得 が 発 生 す る。
②AがCに 譲 渡 した20株 のB株 式 の 税 務 基 礎価 額$200は,Cか らA へ の分 配 とみ な され た 額 の うち課 税 され な い額 が 減額 され て,C株 式 の 税 務 基 礎 価 額 に加 算 され る。した が って,Aが 所 有 す る700株 のC株 式 の税 務 基 礎 価 額 は$720[$700+$20($200‑$180)]に な る。
③ 譲 渡 後 にAが 所 有 す る50株 のB株 式 の 税 務 基 礎 価 額 は$500に な る。
④Cが 取 得 した20株 のB株 式 の税 務 基 礎 価 額 は$200で あ る。
【設 例4】 E&Pが 分 配 額 未 満 の場 合
DRDが 償 還 す る株式 の 税 務 基 礎 価 額
〈前 提>
B株 式 の 譲 渡 価額 BとC合 算 のE&P
〈税 務 上 の 取 扱 い〉
① 普 通 所 得
② 投 資 の 回収
③ キ ャ ピ タル ゲ イ ン
④ 課 税 所 得 の 合 計(①+③)
〈ケ ー ス3の 説 明〉(19)
以 下 の場 合 超 の 場 合
〈ケ ー ス3>〈 ケ ー ス4>
【設 例3】 の前 提 を一 部 下 記 の よ うに修 正 す る。
一92一
$1,000 225
$45 720
55 100
$1,000
×11
',:1 .11 120 200
12
米国 におけ る関係会社 間の株式 譲渡に係 る税務
Aは 分 配 額$1,000の う ち,配 当$225に っ い て,DRD$180を 控 除 し た$45を 普 通 所 得 と し て 認 識 す る 。Aが 実 際 に 所 有 す るC株 式 の 税 務 基 礎 価 額 は$720[$700+($200‑180)]に な る。 し た が っ てAの 投 資 回
収 額 は$720,キ ャ ピ タ ル ゲ イ ン は$55[$1,000‑($225+$720)]で あ る。
〈ケ ー ス4の 説 明 〉(20)
Aは 分 配 額$1,000の う ち,配 当$400に っ い てDRD$320を 控 除 し た$80を 普 通 所 得 と して 認 識 す る 。§1059(a)(2)に よ れ ば,DRDがAの 所 有 し て い た20株 のB株 式 の 税 務 基 礎 価 額 を 超 え る 額$120($320‑
200)はAの キ ャ ピ タ ル ゲ イ ン で あ る 。 分 配 額 の 残 り$600($1,000‑
$400)は,Aが 所 有 す るC株 式 の 税 務 基 礎 価 額$700を 下 回 る た め,投 資 の 回 収 と な る。
ケ ー ス3と ケ ー ス4の い ず れ に お い て も,株 主 は キ ャ ピ タ ル ゲ イ ン の 計 算 に お い て,償 還 さ れ るC株 式 の 税 務 基 礎 価 額 の 全 部 が 回 収 さ れ る ま で 利 得 を 認 識 し な い 。 こ れ は,償 還 が §301の 分 配 と み な さ れ る場 合 に は,株 主 は,同 一 種 類 の 株 式 の 税 務 基 礎 価 額 を 全 部 回 収 す る ま で 利 得 を 認 識 し な い と い う解 釈 に 依 拠 す る も の で あ る(2U。
皿.親 会 社 株 式 の子 会 社 へ の譲 渡
親 会 社 株 式 が そ の株 主 か ら子 会 社 へ 譲 渡 さ れ る場 合 に は,当 該 株 式 の 譲 渡 は親 会 社 に よ る 自 己 の株 式 の償 還 と み な さ れ る。 この取 扱 い の 適 用 上, あ る会 社 が §304(c)に 規 定 す る50%の 支 配 要 件 を 満 たす 場 合 に は,そ の 会 社 は親 会 社 に な る(§1.304‑3(a))。 §1504(関 連 法 人 グ ル ー プ)に 規 定 す る80%の 支配 要 件 と は異 な る こ と に留 意 す る必 要 が あ る。
分 配 とみ な され る額 が,§302(b)の 要 件 を満 た して い る か ど うか の 判 定 は親 会 社 の株 式 に つ い て行 う。分 配 が §302(d)に よ り §301の 分 配 とみ な
され る場 合 に は,子 会 社 か ら受 け取 っ た株 式 の売 却 価額 の 全額 が,親 会 社 のE&Pを 限 度 に株 主 に対 す る配 当 とみ な され る。 こ の場 合,子 会 社 へ 譲 渡 した親 会 社 株 式 の 税 務 基 礎 価 額 は,株 主 が 所 有 す る残 りの親 会 社 株 式 の 税 務 基 礎 価 額 に含 あ る(§1.304‑3(a))。
親 会 社 株 式 が そ の株 主 か ら子 会 社 へ 譲 渡 さ れ る場 合 に は,親 会 社 の株 主 (譲 渡 者)が 償 還 され る親 会 社 の 株 式 を 実 際 に 所 有 して い る。 した が って,
§1059の 適 用 上,兄 弟 会 社 間 に お け る 株 式 譲 渡 の よ うに,取 得 会 社 が § 351取 引 で株 式 を発 行 し,そ の株 式 をす ぐさ ま償 還 した もの と して 取 引 を 擬 制 す る必 要 は な い。そ の た め,1997年 改 正 法 に お いて も,親 会 社 株 式 の 子 会 社 へ の譲 渡 に っ い て は改 正 が な さ れ なか った(22)。
【設 例5】E&Pが 分 配 額 以 上 の場 合
図表5
一94一 14
米国 における関係会社 間の株式譲渡 に係 る税務
(1)図 表 の 説 明(23)
①AはBの 発 行 済 み 株 式 総 数100株 の う ち70株 とCの 発 行 済 み 株式 総 数100株 の うち70株 を所 有 して い る。
Aの 所 有 す るB株 式 の1株 当 た り の 税 務 基 礎 価 額 は$10で あ る。
②BはCの 発 行 済 み株 式 総 数100株 の う ち70株 を所 有 して い る。
Bの 所 有 す るC株 式 の1株 当 た り の 税 務 基 礎 価 額 は$10で あ る。
③Cに は分 配 額 以 上 の十 分 なE&Pが あ る。
④Aは20株 のB株 式 をCに$225で 売 却 す る。
(2)税 務 上 の 取 扱 い(24)
①Aの 課 税 所 得$45
②Aに お け るB株 式(譲 渡 後 の50株) の税 務 基 礎 価額520
③Cに お け るB株 式(譲 渡 され た20株) の税 務 基 礎 価 額225
① この 取 引 は 親 会 社Bか らそ の株 主Aへ の 分 配 とみ な さ れ る。Cに は 十 分 なE&Pが あ るの で,Aは$225の 配 当 を受 け た もの とみ な され る。
した が って,DRD後 で$45の 課 税 所 得 が 発 生 す る。
②AがCに 譲 渡 した20株 のB株 式 の 税 務 基 礎 価 額$200は,DRDを 減 額 して,残 りのB株 式 の 税務 基 礎 価 額 に加 算 す る。 した が って,Aが 所 有 す る500株 のB株 式 の 税 務 基 礎 価 額 は$520[$500+$20($200‑
$180)]に な る。
③Cが 取 得 した20株 のB株 式 の 税 務 基 礎 価 額 は購 入 価 額 の$225で あ る(§1012)。
【設 例6】 E&Pが 分配額 未満の場合
DRDが 償還す る株式 の税務基礎価額
<前 提>
B株 式 の譲 渡 価額 BとC合 算 のE&P
〈税 務 上 の 取 扱 い〉
① 普 通 所 得
② 投 資 の 回収
③ キ ャ ピ タル ゲ イ ン
④ 課 税 所 得 の 合 計(①+③)
〈ケ ー ス5の 説 明 〉(25)
以 下 の場 合 超 の場 合
〈ケ ー ス5>〈 ケ ー ス6>
【設 例5】 の前 提 を一 部 下 記 の よ うに修 正 す る。
$1,000 225
$45 520 255 300
$i,000
×11
$80 500 220 300
Aは 分 配 額$1,000の う ち,配 当$225に っ い て,DRD$180を 控 除 し た$45を 普 通 所 得 と し て 認 識 す る 。E&Pを 超 え る 分 配 額 はAに お け る B株 式 の 税 務 基 礎 価 額 を 限 度 に 投 資 の 回 収 で あ る 。Aが 所 有 す る 残 り50 株 のB株 式 の 税 務 基 礎 価 額 は$520[$500+($200‑180)]に な る の で,Aの 投 資 の 回 収 額 は$520で あ る,し た が っ て,キ ャ ピ タ ル ゲ イ ン は
$255[$1,000‑($225+$520)]と な る 。
〈ケ ー ス6の 説 明 〉(26)
Aは 分 配 額$1,000の う ち,配 当$400に っ い てDRD$320を 控 除 し た$80を 普 通 所 得 と して 認 識 す る 。§1059(a)(2)に よ れ ば,DRDがAの 所 有 し て い た20株 のB株 式 の 税 務 基 礎 価 額 を 超 え る 額$120($320‑
200)はAの キ ャ ピ タ ル ゲ イ ンで あ る 。 分 配 額 の う ち,Aが 所 有 す るB株 式 の 残 り50株 の 税 務 基 礎 価 額$500ま で は 投 資 の 回 収 で あ る 。 分 配 額 か
ら配 当 と投 資 の 回 収 を 控 除 し た 額$100[$1,000‑($400+$500)]は
キ ャ ピ タ ル ゲ イ ン で あ る。 し た が っ て,キ ャ ピ タ ル ゲ イ ン の 合 計 額 は
一96一 16
米 国におけ る関係会社間の株式譲渡 に係 る税務
$220($120+$100)に な る。
こ こで も,キ ャ ピ タル ゲ イ ンの計 算 は,償 還 さ れ た 株式 と同 一 種 類 の 株 式 の税 務 基 礎 価 額 の全 部 が回 収 さ れ る ま で認 識 しな い とい う前 述 した 解 釈
に基 づ いて 行 わ れ て い る。
お わ り に
§304の 取 引 が 株 式 の 交 換 で は な く,§301の 分 配 とみ な され る場 合 の分 配 額 の取 扱 い を ケ ー ス別 に要 約 して示 せ ば付 表1の よ うに な る。
まず,譲 渡 価額 を 上 回 るE&Pが あれ ば(付 表1の1参 照),分 配 額 は全 額 が 配 当金 に な る。 した が って,投 資 の 回収 額 や キ ャ ピ タル ゲ イ ンが 発 生 す る余 地 は な い。この 場 合,取 引 後 にお いてAが 所 有 す るB株 式 の 税 務 基 礎 価 額 は ケ ー ス別 に異 な る。 設 例1で は 償 還 した とみ な され るC株 式 を Aは 所 有 して い な い の で,DRD減 額 後 のC株 式 の 税務 基 礎 価 額$20を, 残 りのB株 式 の 税務 基礎 価額 に加 算 す る。 設 例3で はAがC株 式 を 実 際
に所 有 して い る ので,こ の$20はC株 式 の 税務 基 礎 価額 に 加 算 す る。 設 例5で は 償還 され た とみ な され る株 式 はB株 式 で あ るた め,DRD減 額 後 のB株 式 の税 務 基 礎 価 額$20を,残 りのB株 式 の税 務 基 礎 価 額 に 加 算 す
る。
な お,Cが 所 有 す るB株 式 の税 務 基 礎 価 額 は設 例1と3で は,Aが 付 し て い た 税務 基 礎 価額 と同 額 に な り,設 例5で は購 入 価 額 と な る。
っ ぎに,譲 渡 価 額 がE&Pの 金 額 以 下 の場 合 に は,DRDが 償 還 す る株 式 の 税務 基 礎 価額 を 超 え るか ど うか で 取 扱 いが 異 な る。
DRDが 償 還 す る株 式 の 税 務 基 礎 価 額 以 下 の 場 合 に は(付 表1の 皿参 照),譲 渡 価 額 の 合 計 額 は,配 当金,投 資 の回 収 額 及 び キ ャ ピ タル ゲ イ ンか
ら構 成 され る。譲 渡 価額 の う ちE&Pま で の 金 額 は配 当金 に な る。DRD控 除 後 の配 当金 は普 通 所 得 で あ る。譲 渡 価 額 か ら配 当金(DRD控 除 前)を 控
除 した 残 額 の うちDRD控 除 後 の株 式 の税 務 基 礎 価 額 が 投 資 の回 収 額 とな る。 これ を上 回 る金額 は キ ャ ピ タル ゲ イ ンで あ る。
キ ャ ピ タル ゲ イ ンの金 額 は投 資 の 回収 額 の大 き さに左 右 され,投 資 の 回 収 額 が大 きけ れ ば キ ャ ピ タル ゲ イ ンの金 額 は小 さ くな る と い う逆 相 関 関係 に あ る。 実 際 に償 還 され る株 式 を 所 有 しな い設例2に お い て は,償 還 さ れ た とみ な され る株 式 の税 務 基 礎 価 額 の み が投 資 の回 収 額 に な る。 しか るに 償 還 され る株 式 を実 際 に所 有 して い る設 例4と6の 場 合 に は,償 還 され る 株 式 の み で な く,株 主 が所 有 す る同一 種 類 の株 式 の全 部 の税 務 基 礎 価 額 を 投 資 回 収額 と して扱 う こ とが で き る。 そ の た め,投 資 の 回収 額 は大 き くな
り,キ ャ ピタル ゲ イ ンは小 さ くな る。
付 表1の 皿は,投 資 の回 収 額 と キ ャ ピタ ル ゲ イ ンの合 計 額$775は,譲 渡 価 額$1,000か ら配 当金$225を 控 除 した 金 額 に一 致 す る こ とを 示 して
い る。
ま た,DRDが 償 還 す る株 式 の 税 務 基 礎 価 額 を超 え る場 合 に は(付 表1 の 皿参 照),そ の超 過 額(本 設 例 で は$120)は キ ャ ピタル ゲ イ ンに な る。
したが って キ ャ ピ タルゲ イ ンの 金 額 は,譲 渡 価 額 か ら配 当 金 及 び投 資 の回 収 額 を控 除 した残 額 に,こ の超 過 額 を加 算 した金 額 とな る。 付 表1の 皿 に お い て,投 資 の回 収 額 と キ ャ ピタ ル ゲ イ ンの 合 計 額$720が,譲 渡 価 額 か ら受 取 配 当金 を控 除 した残 額$600を,$120だ け上 回 って い る の は この た めで あ る。
§304は,わ が国 企 業 に と って は馴 染 みが な い規 定 だ け に,と か く見 落 と しが ちで あ る。わ が 国 企 業 が 米 国 子 会 社 の 再 編 成 を 行 う場 合 に は,§304の 適 用 の有 無 に十 分 留 意 す べ きで あ る。
注
(1)JointCommitteeonTaxation,GeneralExplanationEnactedin1997, CCHINCORPORATED,1997,p.207.
(2)BorisI.Bittker&JamesS.Eustice,FederalIncomeTaxationofCorpora一
一98一 18
米国にお ける関係会社間の株式譲渡 に係 る税務
tionsandShareholders(SixthEdition),WarrenGorham&Lamont,1994, PP・9‑67.
(3)Ibid.,pp.9‑66.
(4)DaveN.Stewart,BoydC.Randall,andRobertI.Gardner,Extraordinary DividendsAfterTRA'97,JournalofCorporteTaxation,Autumn1998,p.
265.fn.25.
(5)外 国 会 社 は連 結 納 税 グ ル ー プ の メ ン バ ー で は な い 。 し た が っ て,§304は 外 国 の 関 係 会 社 間 の 株 式 譲 渡 や,米 国 の 関 係 会 社 と 外 国 の 関 係 会 社 の 間 の 株 式 譲 渡 に も適 用 が あ る。(AmyF.Eisenberg,Section304BeforeandAfterTRA
'97,JournalofCorporateTaxation,Spring1999,p.26)
(6)§304が 適 用 さ れ る 場 合 の キ ャ ピ タ ル ロ ス の 取 扱 い に つ い て は 次 の 文 献 参 照 の こ と 。DavidB.Friede1,VirtualStockSalesUnderSection304:Wrestling
WiththeAftermathofTRA'97,10urnalofTaxation,September1998,pp.
158‑160.
(7)AmyF.Eisenberg,op.cit.,p.23.
(8)DRDの 控 除 割 合 は 株 式 の 所 有 割 合 に よ り 次 の よ う に 異 な る(§ §243(a),243 (c))o
(1}株 式 の 所 有 割 合 が20%未 満 の 場 合 は 受 取 配 当 金 の70%
(2)株 式 の 所 有 割 合 が20%以 上80%未 満 の 所 有 割 合 の 場 合 は 受 取 配 当 金 の 80%
(3)株 式 の 所 有 割 合 が80%以 上 の 場 合 は 受 取 配 当 金 の 全 額 (9)AmyF.Eisenberg,op.cit.,p.30.
(10)特 別 配 当 金 と は,原 則 と し て,所 有 株 主 の 株 式 の 税 務 基 礎 価 額 の10%以 上 (優 先 株 式 の 場 合 は5%以 上)の 配 当 を い う(§1059(c)(1),(2))。 法 人 が,配 当 宣 言 日 前 に2年 を 超 え て い な い 株 式 に つ い て 特 別 配 当 金 を 受 け 取 る と,当 該 株 式 の 税 務 基 礎 価 額 は 配 当 金 の う ち 課 税 さ れ な か っ た 金 額 だ け 減 額 し な け れ ば な ら な い(§1059(a)(1))。 従 来,§304の 償 還 に よ る 分 配 に §1059の 適 用 が あ る か ど う か は 必 ず し も明 ら か で な か っ た が(AmyF.Eisenberg,op。Clt.,p.25.参
照),1997年 改 正 法 に よ り そ の 適 用 が 明 確 に さ れ た 。
(lu1997年 改 正 法 前 に お い て は,課 税 さ れ な か っ た 配 当 金 の 額 が 当 該 株 式 の 帳 簿 価 額 を 超 過 す る 場 合 に は,そ の 超 過 額 は 株 式 を 売 却 す る 課 税 年 度 の キ ャ ピ タ ル ゲ イ ン と な っ た 。 そ の た め,そ の 超 過 額 は 当 該 株 式 を 実 際 に 売 却 す る ま で 課 税 を 繰 り延 べ る こ と が で き た(1997年 改 正 法 前 の §1059(a)(2))。
(12DRDの 額 の 決 定 に 際 して 取 得 会 社 の 株 主(譲 渡 会 社)に §318の み な し所 有 規 定 を 適 用 す べ き で あ る と い う見 解 に 従 っ た 。 こ の 見 解 に よ れ ば,AはXを 媒
介 に し てCの 株 式 を70%所 有 し て い る と み な さ れ る の でDRDの 額 は80%に な る 。 み な し 所 有 規 定 の 適 用 が な け れ ばAはCの 株 式 を 所 有 し て い な い の で
DRDの 額 は70%と な ろ う 。
こ の 問 題 に つ い て は 次 の 文 献 参 照 の こ と 。AmyF.Eisenberg,op.cit.,pp.32‑
33.,DavidB.Friedel,TheLabylinthofSections304and1059‐New FictionsCreateRealQuestions,JournaloftaxationAugust1998,pp.81‐
82.
DavidB.Friedel,VirtualStockSalesUnderSection304:WrestlingWith theAftermathofTRA'97,0p.cit.,pp.155‑156.
(13DaveN.Stewart,BoydC.Randall,andRobertI.Gardner,op.C11..,p.264.
(14)Ibid.,p.269.
(1{⊃Ibid.,p.271&p.273.
(lqIbid.,pp.271‑272,&p.273.
(17)Ibid.,p.265.
(181bid.,pp.269‑270.
(19)Ibid.,p.272&p.273.
(20)Ibid.,p.272&p.273.
CtUDavidB.Friedel,VirtualStockSalesUnderSection304:WrestlingWith
theAftermathofTRA'97,0p.cit.,p.170.な お,ピ ー タ ー ・P・ ワ イ デ ン ブ
ル ッ ク,カ レ ン ・C・ バ ー ク 著,高 橋 真 一 訳 『ア メ リ カ 法 人 税 法 』 木 鐸 社,1996 年,112頁 に も 次 の 記 述 が あ る 。 「法 律 上,完 全 に 明 ら か で は な い が,法 律 の 文 言 か ら は,株 主 は,分 配 額 を,(償 還 さ れ た 株 式 だ け で な く)そ の 所 有 す る 全 て の 株 式 に 対 す る も の と 扱 っ て,全 て の 株 式 の 取 得 原 価 の 合 計 額 を 超 え た 部 分 の み を,キ ャ ピ タ ル ・ ゲ イ ン と 扱 う こ と が で き る 。」
(27JDaveN.Stewart,BoydC.Randall,andRobert1.Gardner,op.cit.,p.270.
Ibid.,p.266.
②のIbid.,p.270.
(25)Ibid.,p.272&p.273.
(2⑤Ibid.,p.272&p.273.
一100一 20
L 号幡伊設
1 3 FO
米 国 にお け る関 係 会 社 間 の株 式 譲 渡 に係 る税務
付 表1ケ ー ス別 の 課 税 所 得 比 較 表 譲 渡 価 額$225,E&P$225以 上
取 引 後 に お い て Aの 課 税 所 得
$45 45
45
Aが 所 有 す るB株 式 の税 務 基 礎 価 額
B株 式$520 B株 式500 (C株 式720)
B株 式520
Cが 所 有 す るB株 式 の 税 務 基 礎 価 額
$200 200
225
n.譲 渡 価 額$1,000,E&P$225
設 例 番 号 2‑1(注1)
4‑3
6‑5
普 通 所 得 投 資 の 回収
$45$20 45720
45520
く リ
キ ャ ピタ ル ゲ イ ン 課 税 所 得 の 合 計
$755 55 255
'll
100
300
皿.譲 渡 価 額$1,000,E&P$400
設 例 番 号 普 通 所 得 投 資 の 回 収 キ ャ ピ タ ル ゲ イ ン 課 税 所 得 の 合 計 2‑2$80$0$720$800
4‑480600120200
6‑680500220300
(注1)設 例 番 号2‑1と は設 例2の 〈ケ ー ス1>の こ と。 以 下 同 じ。
(注2)普 通 所 得 とキ ャ ピ タル ゲ イ ンの 合 計 額