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「心を浮かべて2012」 With Mind Released

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Academic year: 2021

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「心を浮かべて2012」 With Mind Released

著者 林 亨

雑誌名 北翔大学北方圏学術情報センター年報

巻 5

ページ 105‑106

発行年 2013

URL http://id.nii.ac.jp/1136/00001039/

(2)

作品発表

「心を浮かべて2012」

With Mind Released

林 亨

北翔大学北方圏学術情報センター年報 Vol. 5 2013

(3)

最近4年間制作を続けている「心を浮かべて」と題し たシリーズ作品は,その表現傾向を以前のシリーズより も短期間で変化させている。掲載写真の作品は,本シ リーズ第3段階の作品と位置づけているもので,複数の 色彩による地塗り,モノクロに近い主要部分の彩色,そ して,小さい筆触の3層構造になっている。札幌市内で 行われた小品グループ展に出品したものであり,同様の 表現内容で,2012年後半から現在までに10点近く制作し た。この小品シリーズともいうべき作品群は,物や風景 の再現性は,ほとんどなくなっているように見えるが,

制作の早い段階で具体的なモチーフ(モデル)をハッキ リと設定したものが多い。結果的に形が判然としないも のばかりであるから,第1段階に戻ったことになるが,

制作の成り立ちが少し違っている。また,「水」に関す るモチーフが多い傾向は第1段階から続いている。

これまで,本誌第1号から4号に掲載した制作ノート に於いて記した「心」と「身体性」の問題は,今回の作 品にも継続して核となる問題である。「心」は主題とし ての問題で,「身体性」は方法の問題と分けて考えるこ とも出来るが,二つのキーワードは,常に繋がった状態 で制作する際に影響を受けている。

そして,現在最も制作に影響を与えているのは,昨年 開催した「絵画の場合」展である。

2012年3月に開催した「絵画の場合2012!最終章!」 は,2004年から始めた同名の運動体の区切りという意味 だけでなく,筆者が長年こだわり続けてきた「絵画の絵 画性」の問題についても一区切り付けたいと願って実施 したものであった。新たなメンバー5人を加えて3年ぶ りに開催した同展は,これまで同様に,単なる展覧会で はなく議論編を含めた実験的な運動体として実施した。

さらに,美術評論の専門家を講師に招いて勉強会を実施 したり,作品を見せるだけでなく,作者が言葉で語り合 う場を多く設けたりと,多面的に行われた。そして,今 回は,筆者だけでなく多くのメンバーが影響を受けてい る美術評論家の林道郎氏を東京から招いて講演会を実施 し,絵画論についての深い知見に基づいた美術史や美術 理論と絵画制作の繋がりについて多くの示唆的な話を聞 くことが出来た。それは,さらに議論を深め,思索を巡

らせるために,曖昧だった問題点を整理して,今後の研 究の方向性を見つける契機となったのである。

今回写真掲載した作品は,その展覧会や講演会以降の 制作の方向性を示す作品といえるが,前述の「心」と

「身体性」の問題に加えて,絵画の基本構造を洗い直す 作業がさらに増えたものになった。つまり,絵画表現の 根本的な命題も含めて,限界を設けることなく,作品を 作りながら,絵画について考え続けていく意義を改めて 確認した作品と考えている。

作品発表

林 亨

北翔大学 生涯学習システム学部 芸術メディア学科

「心を浮かべて2012」

With Mind Released

北方圏学術情報センター年報 Vol.

― 105 ―

(4)

上 FUNE 45.5×45. キャンバス・アクリル

右 YAMA 45.5×38. キャンバス・アクリル

「心を浮かべて2012」

― 106 ―

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